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特開2022-136638ハーネス取付け部材及びワイヤーハーネス配索構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136638
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】ハーネス取付け部材及びワイヤーハーネス配索構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20220913BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20220913BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20220913BHJP
   F16B 19/00 20060101ALI20220913BHJP
   F16L 3/12 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H02G3/30
F16B7/04 301G
F16B2/08 S
F16B2/08 Z
F16B19/00 Q
F16L3/12 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036344
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】堀田 政良
【テーマコード(参考)】
3H023
3J022
3J036
3J039
5G363
【Fターム(参考)】
3H023AA04
3H023AC31
3H023AD08
3H023AD18
3H023AD54
3H023AE08
3J022DA11
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC14
3J022EC22
3J022FB04
3J022FB07
3J022FB12
3J022GA03
3J022GA16
3J036AA03
3J036DA00
3J036DA06
3J036DA14
3J036DB04
3J039AA05
3J039BB01
3J039CA01
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA16
5G363DC02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汎用性の高いハーネス取付け部材及びワイヤーハーネス配索構造を提供する。
【解決手段】ワイヤーハーネス配索構造1において、ハーネス取付け部材40は、第1ハーネス10を所定の挿着孔P1に固定するクランプ30に対して取付ける取付部42と、第2ハーネス20を装着するハーネス装着部41とが備えられる。ハーネス取付け部材40は、樹脂シート材から型抜きして製造される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ワイヤーハーネスを所定の固定箇所に固定するクランプに対して取付ける取付部と、
第2ワイヤーハーネスを装着するハーネス装着部とが備えられるとともに
樹脂製シート材によって構成された
ハーネス取付け部材。
【請求項2】
前記取付部に、前記クランプを貫通させる貫通孔が設けられた
請求項1に記載のハーネス取付け部材。
【請求項3】
前記取付部に、前記貫通孔と前記取付部の外縁とを連通するスリットが設けられた
請求項2に記載のハーネス取付け部材。
【請求項4】
前記スリットにおける前記取付部の外縁側の端部は、前記クランプを前記貫通孔に案内する案内形状で形成された
請求項3に記載のハーネス取付け部材。
【請求項5】
前記スリットが設けられた側と反対側に前記ハーネス装着部が配置された
請求項3又は請求項4に記載のハーネス取付け部材。
【請求項6】
前記スリットは、前記取付部における前記第2ワイヤーハーネスの長手方向と交差する方向に連通する
請求項3乃至請求項5のうちのいずれかに記載のハーネス取付け部材。
【請求項7】
前記スリットは、前記取付部における前記第2ワイヤーハーネスの長手方向に連通する
請求項3乃至請求項5のうちのいずれかに記載のハーネス取付け部材。
【請求項8】
前記ハーネス装着部は、前記第2ワイヤーハーネスの長手方向に沿って延びる板状で構成された
請求項1乃至請求項7のうちいずれかに記載のハーネス取付け部材。
【請求項9】
前記ハーネス装着部は、
樹脂製シート材で構成されたハーネス装着片を所定の方向に折り曲げて構成された
請求項1乃至請求項6のうちのいずれかに記載のハーネス取付け部材。
【請求項10】
前記ハーネス装着片における折り曲げ方向の両端に、
折り曲げた状態で互いに重なり合い、前記取付部を構成する取付片を備えた
請求項9に記載のハーネス取付け部材。
【請求項11】
前記ハーネス装着片における折り曲げ方向の両端に、
折り曲げ方向と直交する方向において、互いに異なる位置に配置された一対の片側取付片を備え、
該片側取付片は、折り曲げた状態で前記取付部を構成する
請求項9に記載のハーネス取付け部材。
【請求項12】
第1ワイヤーハーネスと、
第2ワイヤーハーネスと、
前記第1ワイヤーハーネスを所定の固定箇所に固定するクランプと、
前記第2ワイヤーハーネスを前記クランプに対して取付けるハーネス取付け部材とが備えられ、
該ハーネス取付け部材は、
前記第1ワイヤーハーネスを所定の固定箇所に固定する前記クランプに対して取付ける取付部と、
前記第2ワイヤーハーネスを装着するハーネス装着部とが備えられるとともに、
樹脂製シート材によって構成された
ワイヤーハーネス配索構造。
【請求項13】
前記取付部に、
前記クランプを貫通させる貫通孔と、
前記貫通孔と前記取付部の外縁とを連通するスリットとが設けられた
請求項12に記載のワイヤーハーネス配索構造。
【請求項14】
前記クランプは、
前記第1ワイヤーハーネスを装着するメインハーネス装着部と、
前記メインハーネス装着部を前記固定箇所に固定する固定部とで構成されるとともに、
前記取付部は、
前記ハーネス装着部と前記固定部との間に差し込まれて取付けられた
請求項13に記載のワイヤーハーネス配索構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の箇所に固定されたクランプに対して取り付けるハーネス取付け部材及びハーネス取付け部材が取り付けられたワイヤーハーネス配索構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両などに搭載されるワイヤーハーネスは、例えば、標準として搭載されるバッテリーや電気機器類を電気的に接続する第1ワイヤーハーネスと、オプション機器類として追加される電気機器類をバッテリーなどと接続する第2ワイヤーハーネスとで構成されている。
【0003】
このような第2ワイヤーハーネスを第1ワイヤーハーネスに対して取り付ける取付け構造の一例として、所定の固定箇所に固定するクランプ及び第1ワイヤーハーネスを保持する第1保持部材を備えたベース体に対して、第2ワイヤーハーネスを保持する第2保持部材を着脱可能に構成された嵌着部が設けられたベースクランプが特許文献1に開示されている。
【0004】
この特許文献1に開示するベースクランプは、第1ワイヤーハーネスを保持するベース体に第2ワイヤーハーネスを保持する第2保持部材を嵌着することで、クランプに第2ワイヤーハーネスを取付けれるとされている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている取付け構造では、第2ワイヤーハーネスを取付けるか否か関わらず、当該ベースクランプに第1ワイヤーハーネスを保持させる必要があった。そこでより汎用性の高いハーネス取付け部が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平06-87101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題を鑑み、汎用性の高いハーネス取付け部材及びワイヤーハーネス配索構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、第1ワイヤーハーネスを所定の固定箇所に固定するクランプに対して取付ける取付部と、第2ワイヤーハーネスを装着するハーネス装着部とが備えられるとともに樹脂製シート材によって構成されたハーネス取付け部材である。
【0009】
またこの発明は、第1ワイヤーハーネスと、第2ワイヤーハーネスと、前記第1ワイヤーハーネスを所定の固定箇所に固定するクランプと、前記第2ワイヤーハーネスを前記クランプに対して取付けるハーネス取付け部材とが備えられ、該ハーネス取付け部材は、前記第1ワイヤーハーネスを所定の固定箇所に固定する前記クランプに対して取付ける取付部と、前記第2ワイヤーハーネスを装着するハーネス装着部とが備えられるとともに、樹脂製シート材によって構成されたワイヤーハーネス配索構造である。
【0010】
前記樹脂製シート材は、樹脂シートは折り曲げが可能であれば、特に限定されず、熱可塑性樹脂シート及び熱硬化性樹脂シートのいずれも含まれる。また、前記樹脂製シート材として、発泡状又は多孔質形状に成型された合成樹脂発泡体で構成された合成樹脂発泡シート材であることが好ましい。これにより、可撓性及び緩衝性に優れた前記ハーネス取付け部材とすることができ、装着性や加工性をより向上することができる。
前記取付部は、前記クランプの一部を挿通させる貫通孔や、前記クランプの一部に嵌合や係止できる構成などを含む。
【0011】
この発明によると、第1ワイヤーハーネスが装着されたクランプに対して樹脂製シート材で構成された取付部を取付けることで、第2ワイヤーハーネスを装着したハーネス装着部あるいは、第2ワイヤーハーネスを取付ける前のハーネス装着部をクランプに対して容易に装着することができる。すなわち、従来品のクランプに対してハーネス装着部を容易に取付けることができ、汎用性の向上することができる。
【0012】
この発明の態様として、前記取付部に、前記クランプを貫通させる貫通孔が設けられてもよい。
この発明によると、貫通孔にクランプを貫通させることができるため、クランプに対してハーネス装着部を確実且つ容易に取付けれるとともに、ハーネス装着部がクランプから離脱することを抑制できる。
【0013】
またこの発明の態様として、前記取付部に、前記貫通孔と前記取付部の外縁とを連通するスリットが設けられてもよい。
この発明によると、スリットを介してクランプを挿通させることにより、容易にクランプを貫通孔に貫通させることができる。また、スリットからクランプを挿通させることができるため、固定箇所に固定されたクランプに対して取付部を取付けることができる。すなわち、固定箇所に固定されたクランプに対して第2ワイヤーハーネスを後付けでき、より汎用性の向上することができる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記スリットにおける前記取付部の外縁側の端部は、前記クランプを前記貫通孔に案内する案内形状で形成されてもよい。
この発明によると、スリットにクランプを案内することができるため、貫通孔にクランプをより容易に貫通させることができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記スリットが設けられた側と反対側に前記ハーネス装着部が配置されてもよい。
この発明により、ハーネス装着部に装着した第2ワイヤーハーネスがクランプに対する取付部の取付けを阻害することなく、ハーネス装着部と反対側に設けられたスリットを介して、取付部をクランプに貫通させることができる。したがって、容易にクランプを貫通孔に貫通させることができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記スリットは、前記取付部における前記第2ワイヤーハーネスの長手方向と交差する方向に連通してもよい。
この発明により、容易に第1ワイヤーハーネスに対して第2ワイヤーハーネスを略平行に配索することができる。したがって、配索経路に応じて第2ワイヤーハーネスを容易に配索できる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記スリットは、前記取付部における前記第2ワイヤーハーネスの長手方向に連通してもよい。
この発明により、第1ワイヤーハーネスに対して第2ワイヤーハーネスを交差するように配索することができる。したがって、配索経路に応じて第2ワイヤーハーネスを配索できる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記ハーネス装着部は、前記第2ワイヤーハーネスの長手方向に沿って延びる板状で構成されてもよい。
この発明により、第2ワイヤーハーネスを配索方向に案内するとともに、第2ワイヤーハーネスをハーネス装着部に安定して配置することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記クランプは、前記第1ワイヤーハーネスを装着するメインハーネス装着部と、前記メインハーネス装着部を前記固定箇所に固定する固定部とで構成されるとともに、前記取付部は、前記メインハーネス装着部と前記固定部との間に差し込まれて取付けられてもよい。
【0020】
この発明により、ハーネス取付け部材が固定箇所に対するクランプの固定を阻害することがなく、確実にクランプの固定を維持できる。したがって、第2ワイヤーハーネスをクランプに対して取り付けることにより、クランプが固定箇所から離脱することを防止できる。また、取付部が固定部を押さえつけることで、固定箇所における異音の発生を防止できる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記ハーネス装着部は、樹脂製シート材で構成されたハーネス装着片を所定の方向に折り曲げて構成されてもよい。
この発明により、ハーネス装着部の剛性を向上させることができる。したがって、クランプに対して第2ワイヤーハーネスを確実に支持することができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記ハーネス装着片における折り曲げ方向の両端に、折り曲げた状態で互いに重なり合い、前記取付部を構成する取付片を備えてもよい。
この発明により、クランプに対する支持剛性を向上させることができるため、第2ワイヤーハーネスを所望の配索方向及び位置を規制することができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記ハーネス装着片における折り曲げ方向の両端に、折り曲げ方向と直交する方向において、互いに異なる位置に配置された一対の片側取付片を備え、該片側取付片は、折り曲げた状態で前記取付部を構成してもよい。
【0024】
この発明により、ハーネス装着部の剛性を向上させつつ、取付部の変形性を維持できるため、ハーネス装着部で第2ワイヤーハーネスを確実に保持できるとともに、取付部を容易にクランプに貫通させることができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明により、汎用性の高いハーネス取付け部材及びワイヤーハーネス配索構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】ワイヤーハーネス配索構造の概略斜視図。
図2】ワイヤーハーネス配索構造の概略分解斜視図。
図3】クランプの説明図。
図4】ハーネス取付け部材の平面図。
図5】樹脂製シート材の平面図。
図6】ハーネス取付け部材の組付け方法を説明する概略斜視図。
図7】ハーネス取付け部材の組付け方法を説明する概略斜視図。
図8】ハーネス取付け部材の組付け方法を説明する平面図。
図9】ハーネス取付け部材の組付け方法を説明する断面図。
図10】ハーネス取付け部材の他の実施形態の平面図。
図11】ハーネス取付け部材の他の実施形態の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明の一実施形態を以下図面とともに説明する。
図1はワイヤーハーネス配索構造1の概略斜視図を示し、図2はワイヤーハーネス配索構造1の概略分解斜視図を示す。図3は車体パネルPに取り付けるクランプ30の説明図を示し、図4はハーネス取付け部材40の平面図を示す。
【0028】
図5は、ハーネス取付け部材40を切り抜く熱可塑性発泡樹脂シート材50(以下、シート材50とする。)の平面図を示す。図6はクランプ30に取り付けられるハーネス取付け部材40に第2ハーネス20を固定する状態を概略斜視図を示し、図7は車体パネルPに固定されたクランプ30に対してハーネス取付け部材40を取り付ける状態の概略斜視図を示す。図8及び図9は、車体パネルPに固定されたクランプ30に対してハーネス取付け部材40を取り付ける方法を説明する平面図及び断面図を示す。
【0029】
図3及び、図8図9について詳述すると、図3(a)は車体パネルPに固定されるクランプ30の正面図を示し、図3(b)はクランプ30の長手方向Lの中央における長手方向Lと直交する断面を表す断面図を示し、図3(c)はクランプ30の幅方向Wの中央における幅方向Wと直交する断面を表す断面図を示す。
【0030】
図8(a)は車体パネルPに固定されたクランプ30に対してハーネス取付け部材40を取り付ける前の平面図を示し、図8(b)は車体パネルPに固定されたクランプ30に対してハーネス取付け部材40を取り付ける途中の平面図を示し、図8(c)は車体パネルPに固定されたクランプ30に対してハーネス取付け部材40を取り付ける後の平面図を示す。なお、図8では、第2ハーネス20に対するハーネス取付け部材40の係止過程を明確にするため、クランプ体31については点線で表示し、簡略化するとともに便宜上透過した状態とする。
【0031】
図9(a)は車体パネルPに固定されたクランプ30に対してハーネス取付け部材40を取り付ける前の断面図を示し、図9(b)は車体パネルPに固定されたクランプ30に対してハーネス取付け部材40を取り付けた後の断面図を示す。なお、図9(a)及び図9(b)は図3(b)に対応する断面を示す。
【0032】
ここで、図1における上下方向を上下方向Zとし、第1ハーネス10の延びる方向を長手方向Lとする。また、図2におけるハーネス取付け部材40の幅方向を幅方向Wとする。なお、長手方向Lと幅方向Wと上下方向Zはそれぞれ直交しているものとする。
【0033】
ワイヤーハーネス配索構造1は、図1に示すように、長手方向Lに沿って配索された第1ハーネス10と、第2ハーネス20と、第1ハーネス10を保持するクランプ30と、第2ハーネス20が取り付けられたハーネス取付け部材40とで構成されている。
【0034】
第1ハーネス10は、バッテリーなど、標準として車両に搭載されている電気機器類同士を電気的に接続している。なお、第1ハーネス10は長手方向Lに沿って凹凸を繰り返す中空状のコルゲート(図示省略)の内部を挿通している。
【0035】
第2ハーネス20は、オプションとして搭載されるオプション機器と例えばバッテリーなど標準として車両に搭載される電気機器類と電気的に接続している。この第2ハーネス20は、少なくともクランプ30に保持された箇所において、第1ハーネス10と平行となる。
【0036】
クランプ30は、図2及び図3に示すように、第1ハーネス10を保持するクランプ体31と、車体パネルPの挿着孔P1に係止されるアンカー部32と、クランプ体31とアンカー部32とを連結する連結部33とで構成されている。
【0037】
クランプ体31は、略矩形状のベース部311と、ベース部311から延びる帯状のバンド部312とで構成されている。
一方、アンカー部32は、図3に示すように、ベース部311から下方へ延びる挿入軸体34と、挿入軸体34の基部から広がるように延びる傘部分35と、挿入軸体34から延設された一対の係止爪36とで構成されている。
【0038】
クランプ体31は、いわゆる、結束バンドと略同じ構造をしている。このクランプ体31は、図2及び図3に示すように、幅方向Wから見て略矩形のベース部311と、ベース部311の前端側から幅方向Wへ延びる略帯状のバンド部312とで構成されている。
【0039】
ベース部311には、幅方向Wの一方側に向けて湾曲させて、第1ハーネス10を挿通させたコルゲート(図示省略)の外周面に巻き回したバンド部312が延出している。また、巻き回したバンド部312を幅方向Wの他方側から一方側に向けて挿通し、係止するロック部分(図示省略)が設けられている。
【0040】
アンカー部32は、図3(a)及び図3(c)に示すように、連結部33から上下方向Zへ延びる挿入軸体34と、挿入軸体34の基部から広がるように延びる傘部分35と、挿入軸体34から延設された一対の係止爪36とで構成されている。
【0041】
挿入軸体34は、底面視略長円状に形成され、先端近傍は上下方向Zの下方側へ向かうほど先細になっている。
傘部分35は、図3(b)及び図3(c)に示すように、挿入軸体34の基部から上下方向Zの下方側かつ四方へ向けて広がるように延設されている。なお、傘部分35は、平面視において、挿入軸体34よりも大径、かつ長手方向Lに長い略長楕円形状に形成されている。
【0042】
一対の係止爪36,36は、図3(c)に示すように、挿入軸体34を挟んで長手方向Lに対向配置され、長手方向Lへ向けて展開することで挿着孔P1に対して係止できるように形成されている。換言すると、一対の係止爪36,36は、略長円状に形成された挿入軸体34の短軸方向に対向配置され、短軸方向へ向けて展開することで挿着孔P1に係止可能に形成されている。
【0043】
具体的には、一対の係止爪36は、図3(c)に示すように、挿入軸体34の先端(上下方向Zの下端)から長手方向Lの外側へ膨出している。そして、係止爪36には、最も外側に張り出した係止爪36から、長手方向Lの内側に窪ませた段部361と、段部361の長手方向L内側から上方に向けて延びるテーパ形状の凸部362が備えられている。このテーパ形状の凸部362は、上方に向かうに伴い板厚が薄くなるように形成されている。
【0044】
なお、車体パネルPの挿着孔P1に対するクランプ30の装着時においては、係止爪36の段部361とテーパ形状の凸部362との間の境界部が、車体パネルPの裏面側における挿着孔P1の孔縁と係止する。
【0045】
ハーネス取付け部材40は、後述するシート材50から型抜きして製造される。このハーネス取付け部材40は、図4に示すように、第2ハーネス20を装着するハーネス装着部41と、クランプ体31とアンカー部32とを連結する連結部33に対して係止する取付部42とで一体に構成されている。
【0046】
ハーネス装着部41は、長手方向Lに沿って配索される第2ハーネス20に沿って延出する平面視長方形状の平板であり、中央部分に幅方向Wの一方側に突出する取付部42が設けられている。
【0047】
取付部42は、長手方向Lに沿って対向配置された一対の取付片43,43で構成されている。この取付片43は、ハーネス装着部41から幅方向Wに延出する延設部431と、延設部431における幅方向Wの一端から長手方向Lの内側に向けた突部432とを備えている。
【0048】
突部432は、ハーネス装着部41と平行となるように長手方向Lに沿って延出している。この突部432における幅方向Wの外縁側の端部は、平面視において、幅方向Wの内側に向けて傾斜する外側案内部432aが形成されている。また、突部432における幅方向Wの内縁側の端部は、平面視において、幅方向Wの内側に向けて傾斜する内側案内部432bが形成されている。換言すると、突部432の先端は、長手方向Lの内側に向かうに伴い幅方向W内側に先細りする先細り形状となっている。
【0049】
このように構成されたハーネス取付け部材40は、ハーネス装着部41と取付部42、詳しくは、ハーネス装着部41と、延設部431,431と、突部432,432とで、板厚方向に貫通する平面視略矩形状の貫通孔44が設けられている。
【0050】
また、このように構成された取付片43,43は、突部432,432同士が所定の間隔のスリットDを隔てて配置されている。このスリットDは連結部33の長手方向Lの長さに比べて十分に短くなるように構成され、貫通孔44と取付部42の外縁とを連通している。
なお、取付片43,43が形成するスリットDは、幅方向Wに対してハーネス装着部41の反対側に配置されている。
【0051】
また、ハーネス取付け部材40は、上述のように、折り曲げが可能な可撓性を有するとともに、弾性を有するシート材50からハーネス取付け部材40の外形に対応する型(取付け部材型40A)を型抜きすることにより製造されている(図5参照)。
なお、取付け部材型40Aは、型抜きすることでハーネス装着部41となる装着部型41Aと、型抜きすることで取付部42となる取付部型42Aとで構成されている。
【0052】
以下、シート材50について詳述する。
シート材50は、発泡状又は多孔質形状に成型された合成樹脂発泡体で構成された熱可塑性樹脂発泡シートであり、所定の剛性を有し、且つ、可撓性や弾性、熱可塑性を有する。また、シート状に構成されているため、加工性に優れている。さらにまた、ハーネス取付け部材40と同一形状の成型樹脂品(例えばポリプロピレン製)などと比べて軽量である。
【0053】
シート材50を構成する樹脂シートの密度は、特に限定されないが、例えば、機械的特性の異方性を防止、すなわち、機械的特性を等方化して、ハーネス取付け部材40の設計の自由度を向上させ、また、ハーネス取付け部材40に装着された第2ハーネス20への応力に対する強度をより向上させる点から、200Kg/m以上1000Kg/m以下が好ましく、軽量性と機械的強度とのバランスをより向上させる点から、300Kg/m以上600Kg/m以下がより好ましく、350Kg/m以上550Kg/m以下が特に好ましい。
【0054】
また、シート材50の厚さは、特に限定されないが、例えば、折り曲げ容易性と機械的強度、特に、ハーネス取付け部材40に装着された第2ハーネス20への応力に対する機械的強度とのバランスをより向上させる点から、0.50mm以上4.0mm以下が好ましく、1.0mm以上2.5mm以下が特に好ましい。また、熱可塑性樹脂発泡シートには、両面又は片面に、非発泡層が形成されていてもよい。
【0055】
すなわち、シート材50(熱可塑性樹脂発泡シート)は、発泡層と発泡層上に形成された非発泡層とを有する構成としてもよい。熱可塑性樹脂発泡シートの表面に非発泡層が形成されていることにより、ハーネス取付け部材40の機械的強度が向上して、装着される第2ハーネス20の保護性能がより向上する。非発泡層の厚さは、特に限定されず、例えば、10μm以上100μm以下が挙げられる。
【0056】
また、シート材50の発泡層の気泡数密度は、特に限定されず、その下限値は、機械的特性の異方性をより確実に防止する点から、800個/mm以上が好ましく、1000個/mm以上が特に好ましい。一方で、上述の気泡数密度の上限値は、優れた機械的強度をより確実に得る点から、例えば、1010個/mm以下を挙げることができる。
【0057】
次に、このように製造されたハーネス取付け部材40を車体パネルPに固定されたクランプ30に対して取り付ける方法について、図6乃至図9に基づいて、簡単に説明する。
なお、図6及び図7では、クランプ30に対するハーネス取付け部材40の組付けを明確にするため、適宜構成を点線で示している。また、図8では、第2ハーネス20に対するハーネス取付け部材40の係止過程を明確にするため、クランプ体31については省略している。
【0058】
ハーネス取付け部材40は、第2ハーネス20に装着させた状態で、車体パネルPに固定されたクランプ30における連結部33に取付部42を挿通させることで、クランプ30に対して取り付けることができる。
【0059】
詳しくは、図6及び図9(a)に示すように、第1ハーネス10の外周面にバンド部312を巻き回すとともに、バンド部312をベース部311に固定することで、クランプ30に第1ハーネス10が保持されている。そして、クランプ30におけるアンカー部32を挿着孔P1に挿入することで、クランプ30は車体パネルPに固定されている。
【0060】
このとき、段部361と凸部362との間に車体パネルPの裏面が係止されるとともに、傘部分35が車体パネルPの表面を押圧する。これにより、クランプ30が車体パネルPに固定されている。
【0061】
このように、第1ハーネス10を保持したクランプ30が車体パネルPに対して固定されている状態において、長手方向Lに沿って配索されている第2ハーネス20をハーネス装着部41に沿わせ、第2ハーネス20の外周面及び長手方向Lの両端部分にテープBを巻き回し、第2ハーネス20をハーネス装着部41に固定する(図6及び図7参照)。
【0062】
そして、第2ハーネス20をハーネス装着部41に固定した状態で、クランプ体31とアンカー部32(傘部分35)とを連結する連結部33がスリットDを挿通するように、ハーネス取付け部材40をスライドさせる。このとき、外側案内部432aにより、連結部33は貫通孔44に向けて案内される(図8(a)参照)。
【0063】
また、ハーネス取付け部材40は可撓性を有するシート材50で構成されているため、連結部33が外側案内部432aに当接することで、スリットDの間隔を広げるように延設部431,431が長手方向Lの外側に向けて変形する(図8(b)参照)。これにより、連結部33が損傷することなく貫通孔44に案内され、連結部33が貫通孔44を貫通することとなる。
【0064】
また、連結部33が貫通孔44を貫通することで、スリットDの間隔を広げるように変形した延設部431、431が元の形状に復元し、突部432,432が連結部33に係止する。したがって、第1ハーネス10を保持するとともに車体パネルPに固定されたクランプ30に、第2ハーネス20を装着するハーネス取付け部材40を取り付けることができる(図8(c)及び図9(b)参照)。
【0065】
このようにハーネス取付け部材40は、第1ハーネス10を所定の挿着孔P1に固定するクランプ30に対して取付ける取付部42と、第2ハーネス20を装着するハーネス装着部41とが備えられるとともにシート材50によって構成されている。
【0066】
またワイヤーハーネス配索構造1は、第1ハーネス10と、第2ハーネス20と、第1ハーネス10を所定の挿着孔P1に固定するクランプ30と、第2ハーネス20をクランプ30に対して取付ける、上述のハーネス取付け部材40とが備えられている。
【0067】
このワイヤーハーネス配索構造1やハーネス取付け部材40は、第1ハーネス10が装着されたクランプ30に対してシート材50で構成された取付部42を取付けることで、第2ハーネス20を装着したハーネス装着部41あるいは、第2ハーネス20を取付ける前のハーネス装着部41をクランプ30に容易に装着することができる。すなわち、クランプ30に対してハーネス装着部41を取付けることができ、汎用性の向上することができる。
【0068】
また、取付部42に、クランプ30を貫通させる貫通孔44が設けられていることにより、貫通孔44にクランプ30を貫通させることができるため、クランプ30に対してハーネス装着部41を確実且つ容易に取付けれるとともに、ハーネス取付け部材40がクランプ30から離脱することを抑制できる。
【0069】
また、取付部42に、貫通孔44と取付部42の外縁とを連通するスリットDが設けられていることより、スリットDからクランプ30を挿通させることにより、容易にクランプ30を貫通孔44に対して貫通させることができる。
【0070】
また、スリットDからクランプ30を挿通させることができるため、挿着孔P1に固定されたクランプ30に対して取付部42を取付けることができる。したがって、挿着孔P1に固定されたクランプ30に対して第2ハーネス20を後付けでき、より汎用性の向上することができる。
【0071】
また、スリットDにおける取付部42の外縁側の端部は、クランプ30を貫通孔44に案内する案内形状で形成された外側案内部432aが設けられていることにより、スリットDにクランプ30を案内することができる。このため、貫通孔44にクランプ30をより容易に貫通させることができる。
【0072】
また、スリットDが設けられた側と反対側にハーネス装着部41が配置されていることにより、ハーネス装着部41に装着された第2ハーネス20と反対側に設けられたスリットDを介して、取付部42をクランプ30に貫通させることができる。このため、ハーネス装着部41がクランプ30に対する取付部42の取付けを阻害することを抑制できる。
【0073】
また、ハーネス装着部41は、第2ハーネス20の長手方向Lに沿って延びる板状で構成されていることにより、第2ハーネス20を配索方向に案内するとともに、第2ハーネス20をハーネス装着部41に安定して配置することができる。
【0074】
また、クランプ30は、第1ハーネス10を装着するクランプ体31と、クランプ体31を挿着孔P1に固定するアンカー部32とで構成されるとともに、取付部42は、クランプ体31とアンカー部32との間に差し込まれて取付けられている。
【0075】
これにより、アンカー部32による挿着孔P1に対するクランプ30の固定をハーネス取付け部材40が阻害することがなく、確実にクランプ30の固定を維持できる。したがって、クランプ30が意図せずに挿着孔P1から離脱することを防止できる。また、取付部42がクランプ30を車体パネルPに向けて押さえつけることで、挿着孔P1における異音の発生を防止できる。
【0076】
また、スリットDは、取付部42における第2ハーネス20の長手方向Lと交差する幅方向Wに連通していることにより、容易に第1ハーネス10に対して第2ハーネス20を略平行に配索することができる。したがって、配索経路に応じて第2ハーネス20を容易に配索できる。
【0077】
この発明の構成と前述の実施形態との対応において、この発明の第1ワイヤーハーネスは、第1ハーネス10に対応し、
以下同様に、
固定箇所は、挿着孔P1に対応し、
クランプは、クランプ30に対応し、
取付部は、取付部42に対応し、
第2ワイヤーハーネスは、第2ハーネス20に対応し、
ハーネス装着部は、ハーネス装着部41に対応し、
樹脂製シート材は、シート材50に対応し、
ハーネス取付け部材は、ハーネス取付け部材40に対応し、
貫通孔は、貫通孔44に対応し、
スリットは、スリットDに対応し、
長手方向は、長手方向Lに対応し、
メインハーネス装着部は、クランプ体31に対応し、
固定部は、アンカー部32に対応し、
ワイヤーハーネス配索構造は、ワイヤーハーネス配索構造1に対応するが、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、本実施形態では、シート材50を、発泡状又は多孔質形状に成型され、熱可塑性を有するとともに、折り曲げが可能な合成樹脂発泡体で構成されているが、この構成に限らない。例えば、発泡状又は多孔質形状に成型され、熱硬化性を有するとともに、折り曲げが可能な合成樹脂発泡体で構成されてもよい。さらには、合成樹脂発泡体でなく、合成樹脂で構成されていてもよい。なお、シート材50は、発泡状又は多孔質形状に成型された合成樹脂発泡体で構成された合成樹脂発泡シート材であることが好ましい。
【0079】
また、本実施形態において、取付部42は、延設部431,431と突部432,432とで、貫通孔44が形成される構成としたがこの構成に限られず、例えば、取付部42を連結部33あるいはベース部311の一部に嵌合可能な構成としてもよい。
【0080】
また、本実施形態において、突部432,432の間には、スリットDが設けられているが、例えば突部432,432が連結し、貫通孔44が外部と連通していない構成としてもよい。この場合、例えば、バンド部312を貫通孔44に挿通させることで、連結部33で貫通孔44を貫通することができる。
【0081】
さらにまた、本実施形態において、ハーネス取付け部材40はシート材50から取付け部材型40Aを型抜きした構成としているが、必ずしも取付け部材型40Aとする必要はない。例えば、図10に示す取付け部材型40X及びハーネス取付け部材40xとしてもよい。
【0082】
以下、取付け部材型40X及びハーネス取付け部材40xについて、図10に基づき簡単に説明する。
なお、図10(a)はシート材50から型抜きした取付け部材型40Xの平面図を示し、図10(b)はハーネス取付け部材40xの平面図を示す。また、図10において、図1乃至図5と同一の構成については、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0083】
取付け部材型40Xは、装着部型41A対応する装着部型41Xの幅方向Wの両端から、一対の取付片43に対応するが一対の取付片型43Xをそれぞれ延出している。また、装着部型41Xの中央部分には、折り目45Xが設けられている。
【0084】
この取付け部材型40Xは、図10(a)に示すように、装着部型41Xの幅方向Wの長さが装着部型41Aの2倍の長さで構成され、折り目45Xで折り曲げることで、平面視において、ハーネス装着部41x及び取付部42xとで構成された、ハーネス取付け部材40と同形状のハーネス取付け部材40xとすることができる(図10(b)参照)。
【0085】
このハーネス取付け部材40xは、ハーネス取付け部材40と異なり、同形状の板状体が重なり合ってハーネス装着部41x及び取付部42xを構成しているため、剛性を向上させることができる。したがって、クランプ30に対して第2ハーネス20を確実に支持することができるとともに、クランプ30に対して取り付けたハーネス取付け部材40で第2ハーネス20の方向及び位置を確実に規制できる。
【0086】
さらにまた、例えば、ハーネス取付け部材40の代わりに、図11(b)に示すハーネス取付け部材40yとしてもよい。以下、ハーネス取付け部材40y及びハーネス取付け部材40yの型となる取付け部材型40Yについて、図11に基づき簡単に説明する。
【0087】
なお、図11(a)はシート材50から型抜きした取付け部材型40Yの平面図を示し、図11(b)はハーネス取付け部材40yの平面図を示す。また、図11において、図1乃至図5と同一の構成については、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0088】
取付け部材型40Yは、図11(a)に示すように、装着部型41A対応する装着部型41Yの幅方向Wの一方側及び他方側から、一対の取付片43に対応するが一対の取付片型43Yのうちの一方及び他方に向けて延出している。また、装着部型41Yの中央部分には、折り目45Yが設けられている。
【0089】
この取付け部材型40Yは、装着部型41Xと同様に、装着部型41Yの幅方向Wの長さが装着部型41Aの2倍の長さで構成され、折り目45Yで折り曲げることで、平面視において、ハーネス装着部41y及び取付部42yとで構成された、ハーネス取付け部材40と同形状のハーネス取付け部材40yとすることができる(図11(b)参照)。
【0090】
このハーネス取付け部材40yは、ハーネス装着部41に対応するハーネス装着部41yは、対応するシート材50が二重に重なり合って構成されている。一方で、取付部42に対応する取付部42yは、二重に重なり合っていない。このため、ハーネス取付け部材40yでは、第2ハーネス20を確実に保持できるとともに、連結部33を容易に取付部42に貫通させることができる。
【0091】
また、本実施形態において、スリットDは、取付部42における第2ハーネス20の長手方向Lと交差する幅方向Wに連通しているが、取付部42における第2ハーネス20の長手方向Lに連通してもよい。これにより、第1ハーネス10に対して第2ハーネス20を交差するように配索することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 ワイヤーハーネス配索構造
10 第1ハーネス
20 第2ハーネス
30 クランプ
31 クランプ体
32 アンカー部
40,40x,40y ハーネス取付け部材
41,41x,41y ハーネス装着部
42,42x,42y 取付部
44 貫通孔
50 シート材
D スリット
L 長手方向
P1 挿着孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11