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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137077
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】改良型の半角ノズル
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20220913BHJP
   H01L 21/26 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H01L21/31
H01L21/26 G
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022099299
(22)【出願日】2022-06-21
(62)【分割の表示】P 2018013532の分割
【原出願日】2018-01-30
(31)【優先権主張番号】62/455,282
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ショウノ, エリック キハラ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】熱処理中のガス分配を改善するための装置を提供する。
【解決手段】チャンバにおいて、ガスチャネル249には角度が付けられる。側方ガス流248は、処理されている基板のエッジプロファイルを調整する流路に沿って流れる。側方ガス流248のガス流パターンが不均一な横方向の広がりを有するように、ガスチャネル249の半角を変動させることで、基板に堆積された材料の、より均一な厚さプロファイルが生成される。ゆえに、ガスチャネル249は、2つの異なる半角250a及び250bを有する。半角250a、250bの一方が29.5度から30.5度である一方、半角250a、250bの他方は、31.8度から32.8度である。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を熱処理するための装置であって、
本体と、
角度がついた突起と、
ガス注入チャネルであって、
第1半角、及び、
第2半角を備え、前記第1半角は前記第2半角とは異なる、ガス注入チャネルとを備える、装置。
【請求項2】
前記本体が、
第1の面と、
前記第1の面の反対側の第2の面であって、前記第1の面は前記第2の面と実質的に同じ長さである、第2の面と、
前記第1の面に対して直角な第3の面と、
前記第1の面と前記第3の面との間に延在する、第1の湾曲面と、
前記第3の面と前記第2の面との間に延在する、第2の湾曲面と、
前記第2の面に対して直角な第4の面と、
前記第1の面と前記第4の面との間に延在する、第3の湾曲面と、
前記第4の面と前記第2の面との間に延在する第4の湾曲面であって、前記第3の面が前記第4の面の反対側にある、第4の湾曲面と、
前記第1の面に対して直角な第5の面と、
前記第1の面に対して直角な第6の面であって、前記第6の面は前記第5の面の反対側にある、第6の面とを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
角度がついた突起が前記第5の面に配置され、ガス注入チャネルが前記第6の面に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記角度がついた突起が三角形である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
角度がついた突起が、
第1ファセットと、
第2ファセットと、
前記湾曲したガス注入チャネルと流体連通している円形の入口とを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記ガス注入チャネルが、流路に平行な基板支持面の接線から約5mmから約10mmの距離にある前記流路に沿って、ガス流を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1半角が約29.5度から約30.5度であり、前記第2半角が約31.8度から約32.8度である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ガス注入チャネルが、湾曲面を伴って処理空間に向かって広がる、扁平な漏斗型構造物である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
処理空間を画定するチャンバ本体と、
前記処理空間内に配置された基板支持体であって、基板支持面を有する、基板支持体と、
前記チャンバ本体の入口に連結された、ガス源突起と、
前記チャンバ本体の出口に連結された、排気アセンブリと、
前記チャンバ本体の側壁に連結された、側方ガスアセンブリとを備える、基板を処理するための装置であって、前記側方ガスアセンブリが、
ガス注入チャネルであって、
第1半角、及び、
第2半角を備え、前記第1半角は前記第2半角とは異なる、ガス注入チャネルを備える、装置。
【請求項10】
前記側方ガスアセンブリが、
本体と、
角度がついた突起とを更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記本体が、
第1の面と、
前記第1の面の反対側の第2の面であって、前記第1の面は前記第2の面と実質的に同じ長さである、第2の面と、
前記第1の面に対して直角な第3の面と、
前記第1の面と前記第3の面との間に延在する、第1の湾曲面と、
前記第3の面と前記第2の面との間に延在する、第2の湾曲面と、
前記第2の面に対して直角な第4の面と、
前記第1の面と前記第4の面との間に延在する、第3の湾曲面と、
前記第4の面と前記第2の面との間に延在する第4の湾曲面であって、前記第3の面が前記第4の面の反対側にある、第4の湾曲面と、
前記第1の面に対して直角な第5の面と、
前記第1の面に対して直角な第6の面であって、前記第6の面は前記第5の面の反対側にある、第6の面とを備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記角度がついたガス源突起が前記第5の面に配置され、前記ガス注入チャネルが前記第6の面に配置される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
角度がついた前記突起が、
第1ファセットと、
第2ファセットと、
前記湾曲したガス注入チャネルと流体連通している円形の入口とを備える、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記側方ガスアセンブリが、流路に平行な前記基板支持面の接線から約5mmから約10mmの距離にある前記流路に沿って、ガス流を提供する、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記第1半角が約29.5度から約30.5度までであり、前記第2半角が約31.8度から約32.8度までである、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、半導体処理ツールに関し、より具体的には、ガス流分配が改善されているリアクタに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
半導体基板は、集積回路用のデバイス及び微小デバイスの製造を含む、広範な応用のために処理される。基板を処理する方法の1つは、処理チャンバの中に載置された基板の上側表面で酸化物層を成長させることを含む。酸化物層は、基板を、放射熱源を用いて加熱しつつ、酸素ガス及び水素ガスに曝露することによって、堆積されうる。酸素ラジカルが、基板の表面にぶつかって、ケイ素基板に層(例えば二酸化ケイ素層)を形成する。
【0003】
急速熱酸化に使用される既存の処理チャンバでは、成長制御が限定的であることにより、処理均一性が乏しくなる。従来的には、反応ガスが基板の水平方向に平行に導入されている間に、回転可能な基板支持体が基板を回転させ、それにより、基板支持体に設置された基板にフィルムが堆積される。既存のガス入口設計では、ガスは、基板に到達し、基板全体に不均一に堆積することになる。既存のガス入口設計が原因で成長制御が限定的になることにより、基板の中心では成長が大きく、基板のエッジでは成長が小さくなる。
【0004】
したがって、基板全体におけるより均一な成長のための成長制御をもたらす、改良型のガス流分配が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実行形態は、熱処理中のガス分配を改善するための装置を提供する。本開示の一実施実行形態は、基板を熱処理するための装置を提供する。この装置は、本体と、角度が付いた突起と、ガス注入チャネルとを含む。ガス注入チャネルは、第1半角と第2半角とを有する。第1半角は第2半角とは異なる。
【0006】
本開示の別の実行形態は、基板を処理するための装置であって、処理空間を画定するチャンバ本体と、処理空間内に配置された基板支持体とを備える、装置を提供する。基板支持体は基板支持面を有する。この装置は、チャンバ本体の入口に連結されたガス源突起と、チャンバ本体の出口に連結された排気アセンブリと、チャンバ本体の側壁に連結された側方ガスアセンブリとを、更に含む。側方ガスアセンブリは、ガス注入チャネルを含む。ガス注入入口は、第1半角と第2半角とを含む。第1半角は第2半角とは異なる。
【0007】
本開示の上述の特徴を詳しく理解しうるように、上記で簡潔に要約された本開示のより詳細な説明が、実行形態を参照することによって得られる。実行形態の一部は付随する図面に示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実行形態も許容しうるため、付随する図面は、この開示の典型的な実行形態のみを示しており、したがって、本発明の範囲を限定すると見なすべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示の実行形態を実践するために使用されうる熱処理チャンバの概略断面図である。
図1B】本開示の一実行形態による、熱処理チャンバの概略的な上面断面図である。
図2A】本開示の一実行形態による、ガスインジェクタの概略的な上面断面図である。
図2B】本開示による、ガスインジェクタの三次元概略図である。
図2C】本開示による、ガスインジェクタの三次元概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すために同一の参照番号を使用した。一実行形態で開示されている要素は、具体的な記述がなくとも、他の実行形態で有益に利用されうると、想定される。
【0010】
図1Aは、本開示の実行形態を実践するために使用されうる熱処理チャンバ100の概略断面図である。熱処理チャンバ100は概して、ランプアセンブリ110と、処理空間139を画定するチャンバアセンブリ130と、処理空間139内に配置される基板支持体138とを含む。処理チャンバ100は、例えば、熱アニール処理、熱洗浄、熱化学気相堆積、熱酸化、及び熱窒化などのプロセスのために基板101を加熱する、制御された熱サイクルを提供することが可能である。
【0011】
ランプアセンブリ110は、石英ウインドウ114を介して処理空間139に熱を供給するために、基板支持体138よりも上方に位置付けられうる。石英ウインドウ114は、基板101とアセンブリ110との間に配置される。一部の実行形態では、ランプアセンブリ110は、追加的又は代替的に、基板支持体138よりも下方に配置されうる。この開示において、「上方(above)」又は「下方(below)」という語が絶対的な方向を表わすわけではないことに、留意されたい。ランプアセンブリ110は、カスタマイズされた赤外加熱手段を基板支持体138に配置された基板101に提供するための加熱源108(例えば、複数のタングステンハロゲンランプ)を、収納するよう構成される。複数のタングステンハロゲンランプは、六角形構成に配置されうる。加熱源108はコントローラ107に接続されてよく、コントローラ107は、基板101に対して均一な又はカスタマイズされた加熱プロファイルを実現するよう、加熱源108のエネルギーレベルを制御しうる。一例では、加熱源108は、約50℃/sから約280℃/sの速度で、基板101を急速に加熱することが可能である。
【0012】
基板101は、摂氏約550度から摂氏約700度未満までの範囲内の温度に、加熱されうる。加熱源108は、基板101の、区域に分けられた加熱(温度チューニング)を提供しうる。温度チューニングは、特定の場所では基板101の温度を変化させるが、それ以外の基板温度には影響を与えないよう、実施されうる。ロボットが、基板101を移送して処理空間139に出し入れするために、スリットバルブ137がベースリング140に配置されうる。基板101は基板支持体138に配置されてよく、基板支持体138は、垂直に動き、中心軸123の周りで回転するよう、構成されうる。ガス入口131は、ベースリング140の上方に配置されてよく、かつ、処理空間139に一又は複数の処理ガスを提供するために、ガス源135に接続されうる。ベースリング140のガス入口131とは反対側に形成された、ガス出口134は、排気アセンブリ124に適合し、排気アセンブリ124は、ポンプシステム136と流体連通している。排気アセンブリ124は、ガス出口134を介して処理空間139と流体連通している排気空間125を画定する。
【0013】
一実行形態では、一又は複数の側方ポート122が、ベースリング140の上方の、ガス入口131とガス出口134との間に形成されうる。側方ポート122と、ガス入口131と、ガス出口134とは、実質的に同じ高さに配置されうる。つまり、側方ポート122と、ガス入口131と、ガス出口134とは、実質的に同じ高さにありうる。下記で詳述するように、側方ポート122は、基板101のエッジエリア付近でのガス分配均一性を向上させるよう構成された、側方ガス源に接続される。
【0014】
図1Bは、本開示の一実行形態による、熱処理チャンバ100の概略的な上面断面図である。図1Bに示しているように、ガス入口131とガス出口134とは、処理空間139の対向する両側部に配置される。ガス入口131とガス出口134の両方が、基板支持体138の直径におおよそ等しい、線幅又は方位幅を有しうる。
【0015】
一実行形態では、ガス源135は、複数のガス源(例えば、第1ガス源141及び第2ガス源142)を備えてよく、その各々が、処理ガスを提供するよう構成され、注入カートリッジ149に接続される。ガスは、第1ガス源141及び第2ガス源142から、注入カートリッジ149及びガス入口131を通って処理空間139内へと、流通する。一実行形態では、注入カートリッジ149は、内部に形成された狭長チャネル150と、狭長チャネル150の両端部に形成された2つの入口143、144とを有する。複数の注入孔151が狭長チャネル150に沿って分布しており、注入孔151は、処理空間139に向けて主ガス流145を注入するよう構成される。カートリッジ149の二入口設計により、処理空間139内のガス流均一性が向上する。主ガス流145は、30~50体積パーセントの水素ガスと、50~70体積パーセントの酸素ガスとを含み、かつ、約20毎分標準リットル(slm)から約50slmまでの範囲内の流量を有しうる。流量は300mm直径を有する基板101に基づき、これにより、約0.028slm/cmから約0.071slm/cmまでの範囲内の流量が導かれる。
【0016】
主ガス流145は、ガス入口131からガス出口134に向けて、かつポンプ136へと、導かれる。ポンプ136は、チャンバ100の真空源である。一実行形態では、排気アセンブリ124の排気空間125は、主ガス流145に対するチャンバ構造の形状寸法の影響を低減するために、処理空間139を拡張するよう構成される。ポンプ136は、処理空間139の圧力を制御するためにも使用されうる。例示的な一工程では、処理空間の内部の圧力は、約1Torrから約19Torr(例えば、約5Torrから約15Torrまで)に維持される。
【0017】
一実行形態では、ガスインジェクタ147は、ガスが、側方ポート122を介して、側方ガス流148にしたがって処理空間139へと流れるように、ベースリング140に連結される。ガスインジェクタ147は、側方ガス流148の流量を制御するよう構成された流量調整デバイス146を介して、ガス源152と流体連通している。ガス源152は、一又は複数のガス源153、154を含みうる。一具体例では、ガス源152は、側方ポート122に向けて水素ラジカルを発生させる、遠隔プラズマ源(RPS)である。ランプで基板を加熱し、スリットバルブ137から処理チャンバ100内に水素と酸素を注入する、RadOx(登録商標)プロセスでは、ガスインジェクタ147は、処理空間139内に水素ラジカルを注入するよう構成される。ガスインジェクタ147から導入される水素ラジカルにより、基板101のエッジ沿いの反応速度が向上し、酸化物層の厚さ均一性が向上することにつながる。側方ガス流148は、約5slmから約25slmまでの範囲内の流量を有しうる。300mm直径を有する基板では、流量は、約0.007slm/cmから約0.035slm/cmまでの範囲内となる。側方ガス流148の組成及び流量は、厚さ均一性が向上した酸化物層を形成する上で、重要な因子である。
【0018】
図1Bに示す実行形態では、ガスインジェクタ147は、処理空間139に向かって広がる、漏斗状の開口を有する構造物である。つまり、側方ポート122は、基板101に向かって徐々に増大する内径を有する。ガスインジェクタ147は、側方ガス流148の大部分を、中空の扇形又は中空の扁平円錐形の形状で、基板101のエッジに導くよう適合している。基板101のエッジとは、基板101の端面から0mm~15mm(例えば10mm)の幅の、外縁領域のことでありうる。ガスインジェクタ147の漏斗型構造が、基板101のエッジに向けて側方ガス流148の大部分を拡散させることから、基板101のガス曝露は、エッジエリアにおいて又はエッジエリア付近で増大する。一実行形態では、ガスインジェクタ147の内表面は、基板101のエッジに実質的に正接する、又は、基板支持体138の基板支持面のエッジに実質的に正接する方向189に沿って延在するように、構成される。
【0019】
加えて、基板101が反時計回り方向197に回転することから、ガスは、基板101の上方を流れ、基板101のエッジにおけるより大きな成長をもたらすことになる。図1Bは基板101が反時計回り方向に回転することを示しているが、基板101は、側方ガス流148による利点を損なうことなく、時計回りにも回転しうる。側方ガス流148のガス流速、及び、処理空間139内のガス流パターンは、側方ガス流148の流量、基板101の回転スピード、及び、ガスインジェクタ147の広がり角度のうちの一又は複数を通じて、調整されうる。側方ガス流148の制御態様により、側方ガス流148が主ガス流145及び基板101とどのように反応するかに影響をあたえうる、不均一なガス流が防止される。その結果として、基板のエッジにおける厚さプロファイルが改善される。
【0020】
ガスインジェクタ147は、石英、セラミック、アルミニウム、ステンレス鋼、鋼などといった任意の好適な材料で作られうる。基板101のエッジにおける側方ガス流の効果を更に向上させるために、ガスインジェクタ147は、基板101のエッジの方を向いた一又は複数のガスチャネルを有するよう構成されうる。図2Aは、本開示の一実行形態による、ガスインジェクタ247の概略的な上面断面図である。
【0021】
図2Aの実行形態では、ガスインジェクタ247は、ガスチャネル249が内部に形成されている狭長構造物である。ガスインジェクタ247は、本体230と突起205とを有する。突起205の形状は三角形でありうる。突起205はガス源アセンブリでありうる。一実行形態では、突起205は、図2Bに示すような円形入口216を有する角度が付いた開口246と、角度が付いた面202と、第1ファセット218と、第2ファセット204とを含む。一実行形態では、角度が付いた開口246は長方形である。一実行形態では、第1ファセット218は第2ファセット204に平行である。第2ファセット204は、第1ファセット218の長さの2倍でありうる。第2ファセットは、0.040~0.048インチでありうる。
【0022】
一実行形態では、本体230はエッジが丸み付けされた長方形である。本体230は、第2の面234の反対側に第1の面232を有する。一実行形態では、第1の面232と第2の面234とは、実質的に同じ長さである。一実行形態では、第1の面232と第2の面234とは平行である。本体は、図2Bに示しているように、第3の面224と、第4の面222と、第5の面226と、第6の面282とを有する。第1ファセット218が、角度が付いた面202を第5の面226に接続しうる。第2ファセットが、角度が付いた開口246を第5の面226に接続しうる。突起205は第5の面226に接続しうる。角度が付いた開口246は、角度がついた面202に対して直角でありうる。
【0023】
ガスインジェクタは、長方形、正方形、円形、多角形、六角形、又はその他の任意の好適な形状といった、任意の望ましい断面形状を有する狭長チャネルを含みうる。ガスインジェクタ247は、側方ガス流148の大部分を、中空の扇形又は中空の扁平円錐形の形状で、基板101のエッジに導くよう適合している。ガスチャネル249は、2つの内部表面279、280を含む。一実行形態では、内部表面279、280は、その各々が、基板101のエッジに実質的に正接する、又は、基板支持体138の基板支持面のエッジに実質的に正接する方向に沿って延在するように、構成される。内部表面279、280は、角度が付いた開口246から湾曲面282へと延在する。湾曲面282は、基板101と隣り合い、かつ、突起205の反対側にある。
【0024】
側方ポート122(図1B)を介して側方ガス流248を処理空間139(図1B)に提供するために、ガスチャネル249には角度が付けられる。側方ガス流248は、処理されている基板101のエッジプロファイルを調整する流路に沿って流れる。有利には、また驚くべきことに、側方ガス流248のガス流パターンが不均一な横方向の広がりを有するように、ガスチャネル249の半角を変動させることで、基板101に堆積された材料の、より均一な厚さプロファイルが生成される。ゆえに、ガスチャネル249は、2つの異なる半角250a及び250bを有する。一方の半角250a、250bが29.5度から30.5度でありうる一方、他方の半角250a、250bは、31.8度から32.8度でありうる。半角250a及び250bは、基板101の中心軸線210とガスチャネル249の中心交点220とを使用して測定される角度である。中心軸線210は、基板101の中心からガスチャネル249の開口へと延在する線である。中心軸線210は、第1の面232に平行である。一実行形態では、中心軸線210は、第1の面232に平行に、点212を通って延在する線である。点212は、角度が付いた開口246の内側エッジに位置している。角度が付いた開口246は、(図2Bに示しているような)円形の入口216を有する。円形の入口216は、拡張された内部空間214につながっている。一実行形態では、拡張された内部空間214は長方形である。一実行形態では、点212は、角度が付いた開口246と内部空間214との交点にある。一実行形態では、拡張された内装空間214は、入口チャネル249と連通している。中心交点220は、ガスチャネルの開口の中点である。中心交点220は、第5の面226に平行であり、かつ、第1ファセット218と角度が付いた面202とが接続する点と交差する線によって、画定される。
【0025】
ガスインジェクタ247は、ガス源152に接続されている、角度が付いたガス源突起205を有する。一実行形態では、角度が付いたガス源突起205の形状は三角形である。一実行形態では、角度がついたガス源突起205の開口は、約137度から141度の角度242に配置される。一実行形態では、ガスチャネル249は、ガス又はラジカルのガスが、ガスチャネル249から出た後に、基板101のエッジに実質的に正接する、又は、基板支持体138の基板支持面のエッジに実質的に正接する方向に流れるように、構成される。ガスチャネル249の角度は、側方ガス流248が基板101(又は基板支持体138)の中心に向かって流れ、基板101(又は基板支持体138)の外縁に近接し、又は、基板101(又は基板支持体138)の任意の望ましい場所に空間的に分配されるように調整されうると、想定される。
【0026】
側方ガス流248(ガス又はラジカルのガスのいずれであっても)が、基板101のエッジ(又は、基板支持体138の基板支持面のエッジ)に正接又は近接する方向に流れるか否かにかかわらず、ガス又はラジカルのガスは、基板101のエッジ沿いの反応速度を著しく加速させる。ランプで基板を加熱し、スリットバルブ137から処理チャンバ100内に水素と酸素を注入する、RadOx(登録商標)プロセスでは、ガスインジェクタ247は、種々の角度で、基板101に側方ガス流248を提供するよう構成される。驚くべきことに、不均一な半角を有するガスチャネル249を通じて、側方ガスを基板のエッジ又はエッジ付近に提供することにより、基板101のエッジ沿いの厚さ均一性が向上した酸化物層がもたらされる。
【0027】
例示的な一実行形態では、ガスインジェクタ247は、処理チャンバ100のガス注入側(例えばスリットバルブ137)の方を向いたガスチャネル249を有するよう、構成される。つまり、ガスチャネル249は、処理チャンバのガス注入側に向かう方向に沿って、延在する。この様態では、ガスの大部分が、側方ガス流248にしたがって処理チャンバ100のガス注入側に向かって流れ、基板101(又は、基板支持体138の基板支持面)のエッジにおいて又はかかるエッジ付近で、注入カートリッジ149(図1B)から出て来る処理ガス(複数可)と反応する。
【0028】
図2B及び図2Cは、本開示による、ガスインジェクタ247の三次元概略図である。ガスインジェクタ247は、ガス又はラジカルのガスの大部分が、側方ガス流にしたがって、処理空間100のガス注入側(例えばスリットバルブ137)と、処理チャンバ100のガス排気側(例えばポンプシステム136)のそれぞれに向かって流れるように導くよう、機能する。追加的又は代替的には、ガスチャネル249は、側方ガス流248が基板101のエッジ(又は、基板支持体138の基板支持面のエッジ)に正接する方向、又は近接する方向に流れるように、構成されうる。
【0029】
ガスインジェクタ247は、面226、232、234、282、224、及び222を含む。第1の面232は、第2の面234の反対側にある。一実行形態では、第1の面232は、第2の側234に平行であり、かつ、第2の側234と実質的に同じ長さである。第1の湾曲面236が、第1の面232と第3の面224との間に配置される。第3の面224は、第1の面232に対して直角に配置される。第2の湾曲面240が、第2の面234と第3の面224との間に配置される。第3の湾曲面238が、第1の面232と第4の面222との間に配置される。第4の面222は、第1の面232に対して直角である。第4の湾曲面228が、第2の面234と第4の面222との間に配置される。第3の面224は、第4の面222の反対側にある。第5の面226が、第6の面282の反対側にある。一実行形態では、第6の面282は湾曲している。第6の面282の曲率半径は約8~約9インチでありうる。第3の面224は、角度がついたガス源突起205と同じ平面にある。ガスチャネル249が、基板101に面して、第6の面282に配置される。有利には、第1の面232及び第2の面234は、第4の面222に対して実質的に直角であり、チャンバ100におけるより密着性の高い密封を可能にする。一実行形態は、オプションで、図2Cで視認できるようなファセット204、218を含みうる。一実行形態では、角度がついたガス源突起205は、ファセット204、218を介して第5の面226に接続される。一実行形態では、角度がついた面202及び角度がついた開口246は、第5の面226に直接接続される。第6の面の湾曲は、有利には、ガスのより均一な弁別を促進し、基板101に向かって流れるガスは、基板101の湾曲に沿うことによって、乱れが少なくなる。
【0030】
この出願では熱処理チャンバについて記述しているが、本開示の実行形態は、均一なガス流が求められる任意の処理チャンバで使用されうる。
【0031】
本開示の利点は、基板のエッジに向かってガスを導いて、基板全体における(すなわち中心からエッジまでの)成長均一性を制御するために、処理チャンバ内で改良型の側方ガスアセンブリを使用することを含む。側方ガスアセンブリは、処理チャンバのガス注入側(例えばスリットバルブ)、及び/又は、処理チャンバのガス排気側(例えばポンプポンプ)の方を向くよう構成された、角度がついたガス入口を有する。とりわけ、驚くべきことに、RadOx(登録商標)プロセスにおいて、不均一な半角を有するガスチャネルを通してガスを導くことで、基板のエッジにおける又は基板のエッジ付近での反応が著しく増大し、それにより、基板のエッジ沿いの厚さ均一性の向上、並びに、基板の全体的な厚さ均一性の向上が、もたらされることが確認された。
【0032】
以上の記述は本開示の実行形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することのない、本開示の他の実行形態及び更なる実行形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0033】
100 チャンバ
101 基板
107 コントローラ
108 加熱源
110 ランプアセンブリ
114 石英ウインドウ
122 側方ポート
123 中心軸
124 排気アセンブリ
125 排気空間
130 チャンバアセンブリ
131 ガス入口
134 ガス出口
135 ガス源
136 ポンプシステム
137 スリットバルブ
138 基板支持体
139 処理空間
140 ベースリング
141 第1ガス源
142 第2ガス源
143 2つの入口
144 2つの入口
145 主ガス流
146 流量調整デバイス
147 ガスインジェクタ
148 側方ガス流
149 カートリッジ
150 狭長チャネル
151 注入孔
152 ガス源
153 ガス源
154 ガス源
179 内表面
189 方向
197 反時計回り方向
202 角度が付いた面
204 第2ファセット
205 突起
210 中心軸線
212 点
214 内部空間
216 円形の入口
218 第1ファセット
220 中心交点
226 第5の面
228 第4の湾曲面
230 本体
232 面
234 面
236 第1の湾曲面
238 第3の湾曲面
240 第2の湾曲面
242 角度
246 角度が付いたガス源アセンブリ
247 ガスインジェクタ
248 側方ガス流
249 入口チャネル
250a 一方の半角
250b 他方の半角
279 内部表面
280 内部表面
282 湾曲面
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
【手続補正書】
【提出日】2022-07-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を熱処理するための処理チャンバとともに用いるように適合されたガスインジェクタであって、
前記処理チャンバにガスを送るように構成されたチャネルを有する本体であって、中心軸が前記本体の前記チャネルを通って延びて実質的に二分する、本体と、
前記本体から延びる突起であって、前記突起が前記本体の前記チャネルに前記ガスを送るように構成されたチャネルを有し、前記突起が三角形であり、前記突起の前記チャネルが前記中心軸に対して角度を付けて配置された側壁を有する、突起と、
を備えるガスインジェクタ。
【請求項2】
前記突起の前記チャネルは、
第1の内部表面と、
前記第1の内部表面の反対側にある第2の内部表面と、
前記第1の内部表面と前記中心軸の間で測定される第1の半角と、
前記第2の内部表面と前記中心軸の間で測定される第2の半角であって、前記第1の半角は前記第2の半角と異なる、第2の半角と、
を更に備える、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項3】
前記第1の半角が約29.5度から約30.5度であり、前記第2の半角が約31.8度から約11.8度である、請求項2に記載のガスインジェクタ。
【請求項4】
前記本体が、
第1の面と、
前記第1の面の反対側の第2の面であって、前記第1の面は前記第2の面と実質的に同じ長さである、第2の面と、
前記第1の面に対して直角な第3の面と、
前記第1の面と前記第3の面との間に延在する第1の湾曲面と、
前記第3の面と前記第2の面との間に延在する第2の湾曲面と、
前記第2の面に対して直角な第4の面と、
前記第1の面と前記第4の面との間に延在する第3の湾曲面と、
前記第4の面と前記第2の面との間に延在する第4の湾曲面であって、前記第3の面が前記第4の面の反対側にある、第4の湾曲面と、
前記第1の面に対して直角な第5の面と、
前記第1の面に対して直角な第6の面であって、前記第6の面は前記第5の面の反対側にある、第6の面と、
を備える、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項5】
前記突起が前記第5の面に配置され、前記本体の前記チャネルが前記第6の面に配置される、請求項4に記載のガスインジェクタ。
【請求項6】
前記突起が、
前記第5の面に接続された第1のファセットと、
前記第5の面に接続され、前記第1のファセットに平行である第2のファセットと、
を備える、請求項4に記載のガスインジェクタ。
【請求項7】
前記突起が円形の入口を更に備える、請求項6に記載のガスインジェクタ。
【請求項8】
前記円形の入口が前記突起の前記チャネルと流体連通する、請求項7に記載のガスインジェクタ。
【請求項9】
前記突起の前記チャネルが、流路に平行な基板支持面の接線から約5mmから約10mmの距離にある前記流路に沿って、ガス流を提供する、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項10】
前記突起の前記チャネルが、処理空間に向かって広がる扁平な漏斗型構造物である、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項11】
基板を熱処理するためのガスインジェクタであって、
本体と、
前記本体に接続された突起と、
前記本体に形成されたガス注入チャネルであって、
第1の内部表面、
前記第1の内部表面の反対側にある第2の内部表面、
前記第1の内部表面と前記ガス注入チャネルの中心軸の間で測定される第1の半角、及び
前記第2の内部表面と前記中心軸の間で測定される第2の半角であって、前記第1の半角が約29.5度から約30.5度であり、前記第2の半角が約31.8度から約11.8度である、第2の半角、
を備える、ガス注入チャネルと、
を備える、ガスインジェクタ。
【請求項12】
前記本体が、
第1の面と、
前記第1の面の反対側の第2の面であって、前記第1の面は前記第2の面と実質的に同じ長さである、第2の面と、
前記第1の面に対して直角な第3の面と、
前記第1の面と前記第3の面との間に延在する第1の湾曲面と、
前記第3の面と前記第2の面との間に延在する第2の湾曲面と、
前記第2の面に対して直角な第4の面と、
前記第1の面と前記第4の面との間に延在する第3の湾曲面と、
前記第4の面と前記第2の面との間に延在する第4の湾曲面であって、前記第3の面が前記第4の面の反対側にある、第4の湾曲面と、
前記第1の面に対して直角な第5の面と、
前記第1の面に対して直角な第6の面であって、前記第6の面は前記第5の面の反対側にある、第6の面と、
を備える、請求項11に記載のガスインジェクタ。
【請求項13】
前記突起が前記第5の面に配置され、前記ガス注入チャネルが前記第6の面に配置される、請求項12に記載のガスインジェクタ。
【請求項14】
前記突起が、
前記第5の面に接続された第1のファセットと、
前記第5の面に接続され、前記第1のファセットに平行である第2のファセットと、
を備える、請求項12に記載のガスインジェクタ。
【請求項15】
前記突起が円形の入口を更に備える、請求項14に記載のガスインジェクタ。
【請求項16】
前記円形の入口が前記ガス注入チャネルと流体連通する、請求項15に記載のガスインジェクタ。
【請求項17】
前記突起が三角形である、請求項11に記載のガスインジェクタ。
【請求項18】
前記ガス注入チャネルが、流路に平行な基板支持面の接線から約5mmから約10mmの距離にある前記流路に沿って、ガス流を提供する、請求項11に記載のガスインジェクタ。
【請求項19】
基板を熱処理するための処理チャンバとともに用いるように適合されたガスインジェクタであって、
前記処理チャンバにガスを送るように構成されたチャネルを有する本体であって、中心軸が前記本体の前記チャネルを通って延びて実質的に二分する、本体と、
前記本体から延びる突起であって、前記突起が前記本体の前記チャネルに前記ガスを送るように構成されたチャネルを有し、前記突起の前記チャネルが、流路に平行な基板支持面の接線から約5mmから約10mmの距離にある前記流路に沿って、ガス流を提供する、突起と、
を備え、
前記突起の前記チャネルが、前記中心軸に対して角度を付けて配置される側壁を含む、
ガスインジェクタ。
【請求項20】
基板を熱処理するための処理チャンバとともに用いるように適合されたガスインジェクタであって、
前記処理チャンバにガスを送るように構成されたチャネルを有する本体であって、中心軸が前記本体の前記チャネルを通って延びて実質的に二分し、前記突起の前記チャネルが、処理空間に向かって広がる扁平な漏斗型構造物である、本体と、
前記本体から延びる突起であって、前記突起が前記本体の前記チャネルに前記ガスを送るように構成されたチャネルを有する、突起と、
を備え、
前記突起の前記チャネルが、前記中心軸に対して角度を付けて配置された側壁を含む、
ガスインジェクタ。
【外国語明細書】