(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022137474
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】織物用光ファイバ、光ファイバ織物、光ファイバ編物、及び光ファイバ照明装置
(51)【国際特許分類】
G02B 6/00 20060101AFI20220914BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20220914BHJP
G02B 6/036 20060101ALI20220914BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20220914BHJP
D03D 15/54 20210101ALI20220914BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20220914BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220914BHJP
【FI】
G02B6/00 326
G02B6/02 391
G02B6/036
F21V8/00 241
F21V8/00 282
D03D15/00 102Z
F21Y101:00 300
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036989
(22)【出願日】2021-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 晋旦
(72)【発明者】
【氏名】北山 武史
(72)【発明者】
【氏名】森中 剛
【テーマコード(参考)】
2H038
2H250
4L048
【Fターム(参考)】
2H038AA01
2H038AA41
2H038BA42
2H250AA30
2H250AA33
2H250AB32
2H250AB33
2H250AB34
2H250AB37
2H250AB43
2H250AB70
2H250AD14
2H250AD32
2H250AH02
2H250AH07
2H250AH37
2H250AH38
2H250AH50
4L048AA15
4L048AA16
4L048AB10
4L048AC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】輝度の保持率が高く、高い輝度を有することができる、織物用光ファイバ、光ファイバ織物、光ファイバ編物、及び光ファイバ照明装置を提供する。
【解決手段】1つのコア11と、コアの外周に形成された第1クラッド12aを有し、ファイバ側面から照光する織物用光ファイバ10であって、第1クラッドが、テトラフルオロエチレン単位を含み、示差走査熱量測定(DSC)における結晶融解熱が40mJ/mg以下である含フッ素オレフィン系重合体からなり、理論開口数(NA)が、0.56~0.68である、織物用光ファイバ。織物用光ファイバを経糸として用い、織物用光ファイバの間に配列された緯糸により、織物用光ファイバが保持されるように織成された、光ファイバ織物。織物用光ファイバをモノフィラメントとして、経編により、織物用光ファイバが保持されるように編成された、光ファイバ編物。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのコアと、該コアの外周に形成された第1クラッドを有し、ファイバ側面から照光する織物用光ファイバであって、
前記第1クラッドが、テトラフルオロエチレン単位を含み、示差走査熱量測定(DSC)における結晶融解熱が40mJ/mg以下である含フッ素オレフィン系重合体からなり、
理論開口数(NA)が、0.56~0.68である、織物用光ファイバ。
【請求項2】
前記コアを構成する材料が、メチルメタクリレートの単独重合体、又は、メチルメタクリレートと1種類以上のビニル系単量体との共重合体である、請求項1に記載の織物用光ファイバ。
【請求項3】
前記第1クラッドは、屈折率が、1.340~1.395である、請求項1又は2に記載の織物用光ファイバ。
【請求項4】
前記コアと前記第1クラッドの間に、フッ素化(メタ)アクリレート系重合体を含み、屈折率が1.400~1.485である、第2クラッドを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の織物用光ファイバ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の織物用光ファイバを経糸として用い、
前記織物用光ファイバの間に配列された緯糸により、前記織物用光ファイバが保持されるように織成された、光ファイバ織物。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の織物用光ファイバをモノフィラメントとして、経編により、前記織物用光ファイバが保持されるように編成された、光ファイバ編物。
【請求項7】
請求項5に記載の光ファイバ織物と、該光ファイバ織物に含まれる織物用光ファイバの少なくとも一端部に光を照射する光源とを備え、前記光源からの光を前記織物用光ファイバ内に入光させることにより、前記光ファイバ織物が照明装置として機能する、光ファイバ照明装置。
【請求項8】
請求項6に記載の光ファイバ編物と、該光ファイバ編物に含まれる織物用光ファイバの少なくとも一端部に光を照射する光源とを備え、前記光源からの光を前記織物用光ファイバ内に入光させることにより、前記光ファイバ編物が照明装置として機能する、光ファイバ照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物用光ファイバ、光ファイバ織物、光ファイバ編物、及び光ファイバ照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に照明用途に用いられるプラスチック光ファイバは、透明樹脂からなるコアと、前記コアの外周に同心円状に形成されたクラッドから構成されている。
上記の構成からなるプラスチック光ファイバにおいて、光ファイバの一方の末端から入射した光が、コアとクラッドとの界面で全反射を繰り返しつつ、光ファイバ側面から光の一部が漏光しながら、他方片側の末端にむけ伝達することができれば、光ファイバを線状発光体として用いることができる。
さらに、このような光ファイバを織物や編物の形状にすることで、面状発光体として用いることができる。
このような、側面照光タイプの光ファイバを用いた面状発光体は、工業用や自動車用の照明部材の用途や、屋内外の照明用途、ネオンサインや電光表示の代替用途、その他装飾用途など、更にはセンサー用途などに用途展開することができる。
【0003】
このような側面照光タイプの光ファイバとして、例えば、特許文献1には、クラッドの結晶化度を制御した照光プラスチック光ファイバが開示されている。
【0004】
特許文献2には、コアの断面形状が非円形で、クラッドの断面形状が真円形である側面照光タイプのプラスチック光ファイバが開示されている。
【0005】
特許文献3には、クラッドが除去されたコアが露出した露出領域が形成された光ファイバが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6-118236号公報
【特許文献2】特開平9-258028号公報
【特許文献3】特開2006-039287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1~4に開示されている光ファイバは、光ファイバの一方の末端から入射した光が、入射して直ぐに光ファイバ側面から漏光してしまうため、光路長の長い製品用途や、サイズの大きな製品用途に使用することが困難であった。即ち、輝度の保持率が低いという課題があった。
【0008】
また、前記光ファイバを織物に用いる場合、光ファイバは経糸として用いられることが一般的である。そして、前記光ファイバの間に配列された緯糸により、光ファイバは湾曲した状態で織物中に保持されることになり、その湾曲した部分において、光ファイバのマイクロベンディングによる曲げ光量損失の効果により、光ファイバ側面からの漏光が顕著になる傾向がある。その結果、輝度の減衰がより顕著になるという課題もあった。
【0009】
本発明はこれらの問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明の課題は、輝度の保持率が高く、高い輝度を有する、光ファイバ織物又は光ファイバ編物を得るための、織物用光ファイバを提供することにある。
さらに、本発明の課題は、前記織物用光ファイバを用いた光ファイバ織物又は光ファイバ編物、並びに、前記光ファイバ織物又は前記光ファイバ編物を含む光ファイバ照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の要旨は、1つのコアと、該コアの外周に形成された第1クラッドを有し、ファイバ側面から照光する織物用光ファイバであって、前記第1クラッドが、テトラフルオロエチレン単位を含み、示差走査熱量測定(DSC)における結晶融解熱が40mJ/mg以下である含フッ素オレフィン系重合体からなり、理論開口数(NA)が、0.56~0.68である、織物用光ファイバにある。
【0011】
本発明の第二の要旨は、前記織物用光ファイバを経糸として用い、前記織物用光ファイバの間に配列された緯糸により、前記織物用光ファイバが保持されるように織成された、光ファイバ織物にある。
【0012】
本発明の第三の要旨は、前記織物用光ファイバをモノフィラメントとして、経編により、前記織物用光ファイバが保持されるように編成された、光ファイバ編物にある。
【0013】
本発明の第四の要旨は、前記光ファイバ織物と、該光ファイバ織物に含まれる織物用光ファイバの少なくとも一端部に光を照射する光源とを備え、前記光源からの光を前記織物用光ファイバ内に入光させることにより、前記光ファイバ織物が照明装置として機能する、光ファイバ照明装置にある。
【0014】
本発明の第五の要旨は、前記光ファイバ編物と、該光ファイバ編物に含まれる織物用光ファイバの少なくとも一端部に光を照射する光源とを備え、前記光源からの光を前記織物用光ファイバ内に入光させることにより、前記光ファイバ編物が照明装置として機能する、光ファイバ照明装置にある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、輝度の保持率が高く、高い輝度を有する、光ファイバ織物又は光ファイバ編物を得るための、織物用光ファイバを提供することができる。
【0016】
前記織物用光ファイバを用いた光ファイバ織物又は光ファイバ編物、並びに、前記光ファイバ織物又は前記光ファイバ編物を含む光ファイバ照明装置は、輝度の保持率が高く、高い輝度を有するので、工業用や自動車用の照明部材の用途や、屋内外の照明用途、ネオンサインや電光表示の代替用途、その他装飾用途など、更にはセンサー用途などに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の光ファイバケーブル中の光ファイバの一例であるステップ・インデックス型光ファイバの一例を示す模式的断面図である。
図1(a)は鞘が1層の光ファイバ、
図1(b)は鞘が2層の光ファイバである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書における以下の用語の意味は、下記の通りである。
「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」から選ばれる少なくとも1種以上を意味する。
「単量体」は、重合性の化合物であって、未重合の化合物を意味する。
「繰り返し単位」及び「構造単位」は単量体が重合することによって形成された該単量体に由来する単位を意味する。繰り返し単位及び構造単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換されたものであってもよい。
「質量%」は全体量100質量%中に含まれる当該成分の含有割合を示す。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。例えば「A~B」は、A以上B以下であることを意味する。
【0019】
<織物用光ファイバ>
本発明の織物用光ファイバの一つの態様は、後述する1つのコアと、該コアの外周に形成された後述する第1クラッドを有する光ファイバである。具体的には、
図1(a)に示すようなコア(11)の外周に1層の第1クラッド(12)を有する光ファイバが挙げられる。
前記織物用光ファイバは、前記コアと前記第1クラッドの間に、さらに、後述する第2クラッドを有することができる。具体的には、
図1(b)に示すようなコア(11)の外周に2層以上の第2クラッド(12a)、第1クラッド(12b)を有する光ファイバが挙げられる。
【0020】
また、本発明の織物用光ファイバの別の一つの態様は、1つのコアと、該コアの外周面上に形成された少なくとも2層からなるクラッドとを有する光ファイバであってもよい。具体的には、コアと、該コアの外周に前記第2クラッド、前記第1クラッドの順で同心円状に積層された少なくとも2層のクラッドを有する光ファイバが挙げられる。
【0021】
本発明の織物用光ファイバは、ファイバ側面から照光する側面照光タイプの光ファイバである。
【0022】
本発明の織物用光ファイバの様態は限定されず、例えば、公知のステップ・インデックス型光ファイバ、マルチステップ・インデックス型光ファイバ等が挙げられる。これらの光ファイバの種類の中でも、長期耐熱性、柔軟性及び機械的耐久性の両立に優れ、光ファイバの受光量が大きく、長距離の通信を可能とすることから、ステップ・インデックス型光ファイバが好ましい。
【0023】
図1は、本発明の実施形態によるステップ・インデックス型光ファイバの一例を示す模式的断面図である。
図1に示す光ファイバ10は、クラッドが2層からなる光ファイバであり、コア11の外周を第1クラッド12aが取り囲み、第1クラッド12aの外周を第2クラッド12bが取り囲んでいる。
【0024】
本発明の織物用光ファイバにおいて、下記式(1)で示される理論開口数(NA)は、0.56~0.68の範囲内にある。
理論開口数は下記式(1)のようにコア、および第1クラッドの屈折率差にて表される。
開口数=((コアの屈折率)2-(第1クラッドの屈折率)2)1/2 (1)
【0025】
光ファイバ織物又は光ファイバ編物において、本発明の織物用光ファイバは経糸として用いられ、織物用光ファイバの間に配列された緯糸により、織物用光ファイバは湾曲した状態で織物中に保持され、その湾曲した部分において、光ファイバのマイクロベンディングによる曲げ光量損失の効果により、光ファイバ側面からの漏光が顕著する。このとき、織物用光ファイバの理論開口数を0.56~0.68の範囲内であれば、織物用光ファイバに入射した光が光ファイバ側面から急激に漏光することを抑制できるので、得られた光ファイバ織物又は光ファイバ編物において輝度の保持率を高くできる。物用光ファイバの理論開口数は、0.58~0.66の範囲内にあることがより好ましく、0.59~0.64の範囲内にあることがさらに好ましい。
【0026】
<コア>
本発明の光ファイバのコアを構成する材料(コア材)は、透明性の高い樹脂であれば特に限定されず、使用目的等に応じて適宜選択することができる。
【0027】
透明性の高い樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、カーボネート樹脂等が挙げられる。これらの透明性の高い樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの透明性の高い重合体の中でも、光ファイバの伝送損失を低減させることができることから、アクリル樹脂が好ましい。
【0028】
アクリル樹脂としては、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体(PMMA)、又はメチルメタクリレートと1種類以上のビニル系単量体との共重合体が挙げられる。
コアを構成するアクリル樹脂の屈折率は、特に限定されるものではなく、後述する第1クラッドを用いるときに、光ファイバの理論開口数(NA)が0.56~0.68の範囲となるような、数値範囲にあればよい。
【0029】
前記共重合体としては、具体的には、メチルメタクリレート単位を50質量%以上含む共重合体等が挙げられる。これらのアクリル樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのアクリル樹脂の中でも、光学特性、機械特性、耐熱性、透明性に優れることから、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレート単位を50質量%以上含む共重合体(メチルメタクリレート系共重合体)が好ましい。メチルメタクリレート系共重合体としては、メチルメタクリレート単位を60質量%以上含む共重合体が好ましく、メチルメタクリレート単位を70質量%以上含む共重合体が更に好ましい。メチルメタクリレートの単独重合体がコア材として特に好ましい。
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート又はその両方をいう。
【0030】
アクリル樹脂等のコア材の屈折率は、1.485~1.50の範囲内にあることが好ましく、1.490~1.495の範囲内にあることがより好ましい。
尚、本明細書において、屈折率は、後述する方法に従って測定した値とする。
【0031】
コア材の製造は、公知の重合方法で行うことができる。コア材を製造するための重合方法としては、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等が挙げられる。これらの重合方法の中でも、異物の混入を抑制することができることから、塊状重合法、溶液重合法が好ましい。
【0032】
<クラッド>
本発明の光ファイバのクラッドを構成する材料(クラッド材)は、コア材より屈折率の低い材料である。
本発明の織物用光ファイバのクラッドは、コアの外周に前記第1クラッドが積層された1層のクラッドとすることができる。
本発明の織物用光ファイバにおいては、前記コアと前記第1クラッドの間に、さらに、後述する第2クラッドを設けて、2層のクラッドとすることができる。
【0033】
本発明の織物用光ファイバのクラッドは、該コアの外周に前記第2クラッド、前記第1クラッドの順で同心円状に積層された少なくとも2層のクラッドとすることができる。
【0034】
また、本発明の織物用光ファイバの別の一つの態様は、1つのコアと、該コアの外周面上に形成された少なくとも1層からなるクラッドであってもよい。本発明の織物用光ファイバのクラッドは、コアの外周に前記第2クラッド、前記第1クラッドの順で同心円状に積層された少なくとも2層のクラッドであってもよい
【0035】
<第1クラッド>
コア材として上記の透明性の高い樹脂(好ましくはアクリル樹脂)を用いる場合、第1クラッド材は、含フッ素オレフィン系重合体を用いることができる。
【0036】
含フッ素オレフィン系重合体としては、具体的には、織物用光ファイバの長期耐熱性、柔軟性、機械的耐久性に優れることから、テトラフルオロエチレン単位を含み、示差走査熱量測定(DSC)における結晶融解熱が40mJ/mg以下である含フッ素オレフィン系重合体を用いる。
含フッ素オレフィン系重合体が、テトラフルオロエチレン単位を含むことで、第1クラッド中に光の散乱点となる結晶層が形成されるので、得られた光ファイバ織物又は光ファイバ編物において輝度が良好となる。
含フッ素オレフィン系重合体の、DSCの結晶融解熱が40mJ/mg以下であれば、第1クラッドの結晶層の含有割合を低く抑えることができ、織物用光ファイバに入射した光が光ファイバ側面から急激に漏光することを抑制できるので、得られた光ファイバ織物又は光ファイバ編物において輝度の保持率を高くできる。35mJ/mg以下がより好ましく、30mJ/mg以下がさらに好ましい。
【0037】
第1クラッド材は、屈折率が1.340~1.395の範囲内にある材料が好ましい。織物用光ファイバの第1クラッド材の屈折率が1.340~1.395の範囲内にあれば、光ファイバの理論開口数を所望の範囲内に制御できるので、織物用光ファイバに入射した光が光ファイバ側面から急激に漏光することを抑制できるので、得られた光ファイバ織物又は光ファイバ編物において輝度の保持率を高くできる。屈折率が1.350~1.390の範囲内にある材料がより好ましく、屈折率が1.360~1.390の範囲内にある材料が更に好ましい。
【0038】
具体的には、フッ化ビニリデン(VDF)/テトラフルオロエチレン(TFE)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VDF/HFP共重合体、エチレン/TFE/HFP共重合体、VDF/TFE/HFP/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等の含フッ素オレフィン系重合体が好ましい。
【0039】
前記VDF/TFE/HFP共重合体として、具体的には、VDF単位25.01~92モル%、TFE単位0.01~54モル%、HFP単位3.0~20.99モル%を含む重合体が挙げられる。VDF単位37.01~92モル%、TFE単位0.01~54モル%、HFP単位4.0~7.99モル%を含む重合体は、光ファイバの長期耐熱性、機械的耐久性がより良好となるので好ましい。
特に、含フッ素オレフィン系重合体の結晶融解熱を40mJ/mg以下とし、且つ、光ファイバの理論開口数(NA)を0.56以上とするために、VDF単位の含有割合は、前記含フッ素オレフィン系重合体を構成する単量体の総モル数を100モル%として、92モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましく、70モル%以下がさらに好ましく、60モル%以下が特に好ましい。
【0040】
クラッド材を3層以上に積層する場合、各層の屈折率は、その層に接する内層の屈折率より低ければ、構成する材料は特に限定されないが、光ファイバの伝送帯域を広くすることができることから、前述のフッ素化(メタ)アクリレート系重合体が好ましい。
【0041】
<第2クラッド>
本発明の織物用光ファイバは、前記コアと前記第1クラッドの間に、第2クラッドを有することができる。
本発明の織物用光ファイバは、第2クラッドを有することで、第1クラッドの作用と相まって、織物用光ファイバに入射した光が光ファイバ側面から急激に漏光することをより抑制できるので、得られた光ファイバ織物又は光ファイバ編物において輝度の保持率をより高くできる。
【0042】
コア材として上記の透明性の高い樹脂(好ましくはアクリル樹脂)を用いる場合、第1クラッドを構成する材料(第2クラッド材)は、織物用光ファイバに入射した光が光ファイバ側面から急激に漏光することを抑制できることから、屈折率が1.400~1.485の範囲内にある材料が好ましく、屈折率が1.440~1.480の範囲内にある材料がより好ましく、屈折率が1.450~1.475の範囲内にある材料が更に好ましい。
【0043】
第2クラッド材を構成する材料としては、フッ素化(メタ)アクリレート系重合体を用いることができる。具体的には、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート/アルキル(メタ)アクリレート共重合体等のフッ素化(メタ)アクリレート系重合体を挙げることができる。
【0044】
第2クラッド材を構成する材料は、特に限定されるものではないが、2-(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(13FM)由来の繰り返し単位(以下、「13FM単位」と略する。)を含む共重合体、又は、13FM単位と下記式(1)又は下記式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも一種(但し、式(1)は13FMを除く)に由来する繰り返し単位を含む共重合体であることが好ましく、該材料の総質量に対して、下記式(1)又は下記式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも一種に由来する繰り返し単位(以下、「フルオロアルキル(メタ)アクリレート単位」と略する。)0~70質量%と、13FM単位7~55質量%を含む共重合体であれば、得られる光ファイバは、伝送帯域が広く、長期耐熱性、柔軟性及び機械的耐久性に優れることから好ましい。
【0045】
【化1】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Xは、水素原子又はフッ素原子であり、mは、1又は2であり、nは、5~13の整数である。)
【0046】
【化2】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Xは、水素原子又はフッ素原子であり、mは、1又は2であり、nは、1~4の整数である。)
【0047】
特に、第2クラッド材に、13FM単位を含む共重合体を用いることにより、光ファイバの長期耐熱性と伝送帯域を維持しつつ、光ファイバの機械的耐久性を良好にできるので好ましい。
【0048】
第2クラッド材を構成する共重合体に含まれる13FM単位の含有量の下限値は、該共重合体の総質量に対して、7質量%以上が、光ファイバの機械的耐久性が良好となる観点から好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。一方、13FM単位の含有量の上限値は、該共重合体の総質量に対して、55質量%以下が、光ファイバの長期耐熱性が良好となる観点から好ましく、45質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
【0049】
また、第2クラッド材が、前記フルオロアルキル(メタ)アクリレート単位を含む共重合体であれば、第1クラッドが透明性に優れるので長距離通信に好適であり、また、光ファイバの柔軟性や伝送帯域が良好となることから好ましい。
【0050】
第2クラッド材を構成する共重合体に含まれる、前記フルオロアルキル(メタ)アクリレート単位の含有量の下限値は、該共重合体の総質量に対して、5質量%以上が、光ファイバの柔軟性が良好となる観点から好ましく、8質量%以上がより好ましく、13質量%以上がさらに好ましい。一方、含有量の上限値は、該共重合体の総質量に対して、70質量%以下が、光ファイバの長期耐熱性が良好となる観点から好ましく、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。
【0051】
前記式(1)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートを用いることにより、光ファイバの柔軟性が良好となる。具体的には、2-(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(17FM)、2-(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート(21FM)等の長鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0052】
前記式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートを用いることにより、光ファイバの伝送帯域が良好となる。具体的には、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルメタクリレート(5FM)、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチルメタクリレート(8FM)等の短鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0053】
第2クラッドを構成する前記共重合体は、必要に応じて、本発明の光ファイバの性能を損なわない範囲で、共重合可能な他の単量体に由来する繰り返し単位を含むことができる。
【0054】
前記共重合可能な他の単量体としては、13FM並びに前記式(1)又は前記式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートと共重合可能であれば、特に限定されるものではなく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の公知の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、メタアクリル酸等の化合物の単位を挙げることができる。特に、メタクリル酸メチルは、クラッドの透明性が向上するので、光ファイバの光量ロスが少なくなり、長距離通信に好適である。
【0055】
第2クラッド材を構成する材料が、該材料の総質量に対して、前記フルオロアルキル(メタ)アクリレート単位0~70質量%と、13FM単位7~55質量%と、前記共重合可能な他の単量体に由来する繰り返し単位23~88質量%からなる共重合体であれば、長期耐熱性及び機械的耐久性に優れることから好ましい。
【0056】
具体的には、前記組成の13FM/17FM/メチルメタクリレート(MMA)/メタクリル酸(MAA)共重合体、13FM/21FM/MMA/MAA共重合体、13FM/MMA/MAA共重合体が好ましい。中でも、13FM/MMA/MAA共重合体は、光ファイバの機械的耐久性を、より優れたものにできるので好ましい。
【0057】
<織物用光ファイバの製造>
光ファイバの製造は、公知の製造方法を用いて行うことができ、例えば、溶融紡糸法で行うことができる。
【0058】
溶融紡糸法による織物用光ファイバの製造は、特に限定されるものではなく、例えば、前記コアの材料、及び前記第1クラッドの材料、さらに必要に応じて前記第2クラッドの材料をそれぞれ溶融し、複合紡糸することにより行うことができる。
本発明における織物用光ファイバは、コアの外周に第1クラッドが形成された2層構造、又は、コアの外周に、第2クラッド及び第1クラッドが順次形成された3層構造からなり、横断面形状が丸断面である。必要に応じで、コアと第1クラッドの間、第1クラッドと第2クラッドの間、第2クラッドの外周に、本発明の織物用光ファイバの性能を損なわない範囲で、公知のクラッド材料からなる、第3クラッド、第4クラッドを形成することができる。
【0059】
また、ファイバのクラッド層の厚みは、3.0μm~15.0μmであることが好ましく、4.0μm~12.0μmであることが更に好ましい。
【0060】
3.0μmよりも小さい場合はコアとクラッドとの界面で全反射ができず、光が側面から照光し、使用可能なファイバ長さが短くなり、実用に耐えなくなってしまい、またファイバの耐屈曲性も悪化する。また、15.0μmより大きい場合は前述した高結晶化度の重合体を使用してもクラッド内での吸収が大きくなり、ファイバ側面からの発光効果が低減するため、ファイバに発光ムラを生じる。
【0061】
また、本発明の織物用光ファイバに用いる第1クラッド、第2クラッドのメルトフローレート(以下、MFRと略記することがある。)値は、一般に、5~100g/10分(条件:温度230℃、荷重3.8kg、オリフィス径2mm、長さ8mm)であることが好ましい。特に好ましいMFRの範囲は、10~60g/10分である。MFRを10~100g/10分とすることで押出が容易となり、紡糸が円滑に進む。また、MFRを10~100g/10分とすることにより、コア層との密着性を適度に保つことができ、均一な厚みのクラッド層を形成することができ、織物用光ファイバとしての外径変動を抑制することができる。
クラッドが、第1クラッド及び第2クラッドからなる2層構造の場合、内層側の第2クラッドのMFRは、外側の第1クラッドのMFRより、小さいと、織物用光ファイバを安定に複合防止できる。
【0062】
次に、本発明の織物用光ファイバの製造方法の例について説明する。
【0063】
本発明の織物用光ファイバは、芯鞘型複合紡糸口金による複合紡糸方法によって容易に製造することができる。また、この複合紡糸方法によって製糸した織物用光ファイバは、コアとクラッドとの断面形状を、長手方向の任意の断面において全く同一にすることができ、織物用光ファイバの長手方向に対して見たときに、織物用光ファイバに入射された光を、光ファイバ側面から均一に漏光できる。
【0064】
さらに、織物用光ファイバの機械特性を向上させる目的で、複合紡糸方法によって製糸した織物用光ファイバに対して、一般的な1.3~3.5倍の延伸処理を行うことができる。
本発明の織物用光ファイバの外径は、通常、0.1mm~3mmであり、目的に応じて適宜選択すればよい。織物用光ファイバの取扱性などの観点から、0.25mm~1.5mmが好ましい。
【0065】
本発明の織物用光ファイバはイルミネーシヨン、衣装等の装飾用途や工業用、家庭用照明用途、工業・医療・環境用途など各種センサーとして好適な側面照光用ファイバであり、ファイバの端面に入射させた光をフアイバの側面から漏洩させ、屋内外を光で彩ったり、物体の形状や存在を示したり、行き先や方向を示したり、その他種々の飾り等、また、各種照明等や温度・圧力等を検知するセンサーとして使用される。
【0066】
また、本発明の織物用光ファイバは、その少なくとも一端の端面に光源を接続して使用される。本発明において好ましい光源は、特に高い輝度をもつメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプやLEDなどが用いられる。なお、反射鏡及びレンズの装着、ランプ形状、消費電力など用途目的に応じて適宜変更することができる。
【0067】
<光ファイバ織物、光ファイバ編物>
また、本発明の織物用光ファイバは、光ファイバ織物又は光ファイバ編物として使用できる。
【0068】
光ファイバ織物として使用する場合は、一般的には経糸として本発明の織物用光ファイバを用い、織物用光ファイバの間に配列された緯糸により織物用光ファイバを保持するように織成した織物とすることができる。
なお、織物の形態としては、平織り、綾織り、朱子(しゅす)織り等の公知の織り方が挙げられる。光ファイバ織物を面発光させるために、織物用光ファイバに適当な屈曲が発現できればどの様な織り方であってもよい。
【0069】
光ファイバ編物として使用する場合は、本発明の織物用光ファイバをモノフィラメントとして経編により織物用光ファイバを保持するように編成した編物とすることができる
【0070】
光ファイバ織物として使用する場合は、経糸としては本発明の織物用光ファイバを用い、前記織物用光ファイバを保持する緯糸としては、織物用光ファイバよりも繊度が細く、柔軟性のある糸を用いることができる。緯糸としては、繊度や力学特性を調整しやすい合成繊維を用いるのが好ましいが、合成繊維以外の天然繊維、再生繊維又は半合成繊維を用いることができる。合成繊維としては、例えば、オレフィン系繊維、ナイロン等の脂肪族ポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系繊維等が挙げられる。
【実施例0071】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0072】
<評価方法>
実施例及び比較例における評価は以下の方法により実施した。
【0073】
(光ファイバの側面輝度)
織物用光ファイバの輝度の指標として、下記の方法で、光ファイバの側面輝度を測定した。
100Wのハロゲンランプを用いたハロゲンランプ光源装置(製品名:ELI-100G、三菱ケミカル社製)を光源として用いた。前記光源からの出射光を、プラスチック光ファイバ7を多数本束ねた構成の光ファイバライトガイド(製品名:PL300-1000、出射幅300mm及び出射角30度に設定。三菱ケミカル社製)を介してサイズ10インチの積分球に入射させて全拡散させ、、前記積分球に形成された窓部からの出射光を、対物レンズ群を介して取り出し、実施例、比較例で得られた光ファイバ織物(経糸方向の長さ160cm、緯糸方向の幅10cm)の片末端に入射した。入射位置から20cm、50cm、100cm、150cmの位置のそれぞれにおいて、光ファイバ織物の表面から100cmの位置に設置した二次元色彩輝度計測装置(製品名:RISA-COLOR、(有)ハイランド社製)を用いて、光ファイバ織物の表面の側面輝度(単位:cd)を測定した。側面輝度の値は、入射位置から20cm、50cm、100cm、150cmの位置のそれぞれにおいて、緯糸方向のライン上(幅方向の10cm)において、1.01mm間隔に100点測定した輝度の平均値を用いた。
光ファイバ織物3点を用いて、各織物につき1回測定を行い、その平均値を光ファイバの側面輝度とした。
【0074】
(輝度保持率)
織物用光ファイバの輝度保持率の指標として、下記の方法で輝度保持率を算出した。
上述した光ファイバの側面輝度の測定において、光源位置から20cm、50cm、100cm、150cmの位置で測定した輝度を、光源位置から20cmの位置で測定した輝度で除して、これを織物用光ファイバの輝度保持率(単位:%)とした。
【0075】
(屈折率の測定)
各種材料の屈折率については、各種材料を用いて、溶融プレスにより厚さ200μmのフィルム状の試験片を作製し、アッベ屈折計(機種名「NAR-3T」、(株)アタゴ製)を用いて、25℃でナトリウムD線により測定した。
【0076】
(材料)
織物用光ファイバのコアを構成するコア材、クラッドを構成するクラッド材は以下の材料を用いた。
コア材(A-1):アクリル樹脂(メチルメタクリレート100質量%の重合体、屈折率1.492)
フッ素樹脂(B-1):フッ素樹脂(VDF/TFE/HFP共重合体、VDF:TFE:HFP=48:43:9(質量比)、屈折率1.374、結晶融解熱15mJ/mg)
フッ素樹脂(B-2):フッ素樹脂(VDF/TFE共重合体、VDF:TFE=80:20(質量比)、屈折率1.402、結晶融解熱60mJ/mg)
フッ素樹脂(C-1):フッ素樹脂(13FM/3FM/MMA/MAA共重合体、13FM:3FM:MMA:MAA=39:41:18:2(質量比)、屈折率1.417)
【0077】
実施例、比較例ではコア、およびクラッドを構成する物質は下記のように記載した。
・VDF :フッ化ビニリデン
・TFE :テトラフルオロエチレン
・HFP :ヘキサフルオロプロピレン
・13FM:2-(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート
・3FM:2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート
・MMA:メタクリル酸メチル
・MAA:メタクリル酸
・MA:アクリル酸メチル
【0078】
[実施例1]
コア材をアクリル樹脂(A-1)、第1クラッド材をフッ素樹脂(B-1)、第2クラッド材をフッ素樹脂(C-1)とし、溶融させたアクリル樹脂(A-1)、フッ素樹脂(B-1)、フッ素樹脂(C-1)を、それぞれ230℃の紡糸ヘッドへ供給し、3層構造の同心円状複合紡糸ノズルを用いて紡糸し、150℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に延伸し、第1クラッドの厚さが7.0μm、第2クラッドの厚さが3.0μmの直径0.5mmの光ファイバ(理論開口数:NA=0.58)を得た(表1)。
得られた織物用光ファイバを経糸とし、市販のポリエステル系繊維(直径0.04mm)を緯糸として、市販の織り機を用いて光ファイバ織物(経糸方向の長さ170cm、緯糸方向の幅10cm)を作成した。得られた光ファイバ織物の評価結果を、表2に示す。
【0079】
[比較例1]
コア材をアクリル樹脂(A-1)、第1クラッド材をフッ素樹脂(B-2)に変更し、第2クラッド材を不使用とし、溶融させたアクリル樹脂(A-1)、フッ素樹脂(B-1)、フッ素樹脂(C-1)を、溶融させたアクリル樹脂(A-1)、フッ素樹脂(B-2)を、それぞれ230℃の紡糸ヘッドへ供給し、2層構造の同心円状複合紡糸ノズルを用いて紡糸して、150℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に延伸し、第1クラッドの厚さが5.0μm、直径0.25mmの光ファイバ(理論開口数:NA=0.51)を得た(表1)。
次いで、得られた織物用光ファイバを経糸とし、実施例1と同様の方法で光ファイバ織物を作成した。得られた光ファイバ織物の評価結果を、表2に示す。
【0080】
実施例1の織物用光ファイバ及び光ファイバ織物は、十分な輝度を有しており、輝度保持率は高く、光路長の増加に対して輝度の減衰は緩やかであった。
比較例1の織物用光ファイバ及び光ファイバ織物は、十分な輝度を有しているが、輝度保持率は低く、光路長の増加とともに急激に輝度が減衰した。
【0081】
【0082】