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特開2022-139412チューナ、アンテナ、ローカル放送受信システム及びローカル放送受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139412
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】チューナ、アンテナ、ローカル放送受信システム及びローカル放送受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/454 20110101AFI20220915BHJP
   H04H 60/13 20080101ALI20220915BHJP
   H04H 60/49 20080101ALI20220915BHJP
   H04H 20/74 20080101ALI20220915BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H04N21/454
H04H60/13
H04H60/49
H04H20/74
H04B1/16 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039786
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 源太
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 充志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 亮
(72)【発明者】
【氏名】奥村 泰之
(72)【発明者】
【氏名】大石 昌之
【テーマコード(参考)】
5C164
5K061
【Fターム(参考)】
5C164TA05S
5C164UA23S
5C164UB23S
5C164UB71S
5C164UC12P
5C164YA28
5K061AA03
5K061BB06
(57)【要約】
【課題】放送受信機の設置地域以外のローカル放送の視聴を防止し、ローカル放送サービスを実現する。
【解決手段】チューナ4は、各地域のローカル放送信号と衛星放送IF信号とGNSS信号とを分離する分離部40と、GNSS信号を位置情報に変換するGNSS受信部42と、位置情報を住所情報に変換する変換部43と、各地域のローカル放送信号を復調するローカル放送復調部45と、衛星放送IF信号を復調する衛星放送復調部46と、各地域のローカル放送信号を住所情報に対応した地域に絞り込み、ローカル放送番組又は衛星放送番組を選択するチャンネル選択制御部47とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各地域のローカル放送信号を含む衛星放送IF信号とGNSS信号とが混合された受信信号から、放送受信機が設置された地域のローカル放送番組を選択するチューナであって、
前記受信信号から、各地域の前記ローカル放送信号と前記衛星放送IF信号と前記GNSS信号とを分離する分離部と、
前記分離部が分離したGNSS信号を、前記放送受信機の緯度及び経度を示す位置情報に変換するGNSS受信部と、
前記GNSS受信部が変換した位置情報を前記放送受信機が設置された地域の住所情報に変換する変換部と、
前記分離部が分離した各地域のローカル放送信号を復調するローカル放送復調部と、
前記ローカル放送復調部が復調した各地域のローカル放送信号を前記住所情報に対応した地域に絞り込み、絞り込んだ地域の前記ローカル放送信号から所望の前記ローカル放送番組を選択する選択部と、
を備えることを特徴とするチューナ。
【請求項2】
前記変換部は、逆ジオコーディングにより、前記GNSS受信部が変換したGNSS信号の位置情報を前記放送受信機が設置された地域の住所情報に変換することを特徴とする請求項1に記載のチューナ。
【請求項3】
前記分離部が分離した衛星放送IF信号から所望の衛星放送番組を復調する衛星放送復調部と、
前記選択部が選択したローカル放送番組又は衛星放送番組の映像音声信号を、HDMI端子を介して、前記放送受信機に出力する出力部と、をさらに備え、
前記選択部は、絞り込んだ地域の前記ローカル放送番組、又は、前記衛星放送復調部が復調した衛星放送番組を選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチューナ。
【請求項4】
前記選択部が選択したローカル放送番組の映像音声信号を所定の周波数帯で再変調し、RF端子を介して、再変調したローカル放送信号を前記放送受信機に出力する再変調部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチューナ。
【請求項5】
各地域のローカル放送信号を含む衛星放送IF信号の放送波とGNSS信号とを受信し、請求項1から請求項4の何れか一項に記載のチューナに出力するアンテナであって、
前記衛星放送IF信号の放送波を反射する反射鏡と、
前記反射鏡が反射した放送波を取り込む放射器と、
前記放射器が取り込んだ放送波を前記衛星放送IF信号に変換するコンバータと、
前記GNSS信号を受信するGNSSアンテナと、
前記コンバータ及び前記GNSSアンテナと一体化され、前記コンバータが変換した衛星放送IF信号と前記GNSSアンテナが受信したGNSS信号とを混合した受信信号を生成し、同軸ケーブルを介して、生成した前記受信信号を前記チューナに出力する混合器と、
を備えることを特徴とするアンテナ。
【請求項6】
前記混合器は、前記同軸ケーブルから給電された電力を、前記GNSSアンテナ及び前記コンバータに分配することを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
【請求項7】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載のチューナと、
請求項5又は請求項6に記載のアンテナと、
を備えることを特徴とするローカル放送受信システム。
【請求項8】
各地域のローカル放送信号を含む衛星放送IF信号とGNSS信号とが混合された受信信号から、放送受信機が設置された地域のローカル放送番組を選択するローカル放送受信方法であって、
アンテナが、前記衛星放送IF信号の放送波と前記GNSS信号とを受信するステップと、
前記アンテナが、前記衛星放送IF信号と前記GNSS信号とを混合した受信信号を生成し、同軸ケーブルを介して、生成した前記受信信号をチューナに出力するステップと、
前記チューナが、前記アンテナより入力された受信信号から、前記各地域のローカル放送信号と前記衛星放送IF信号と前記GNSS信号とを分離するステップと、
前記チューナが、前記GNSS信号を、前記放送受信機の緯度及び経度を示す位置情報に変換するステップと、
前記チューナが、前記位置情報を前記放送受信機が設置された地域の住所情報に変換するステップと、
前記チューナが、分離した前記各地域のローカル放送信号及び前記衛星放送IF信号をそれぞれ復調し、復調した各地域のローカル放送信号を前記住所情報に対応した地域に絞り込むステップと、
前記チューナが、絞り込んだ地域の前記ローカル放送信号から所望の前記ローカル放送番組を選択するか、又は、復調した衛星放送番組を選択するステップと、
前記チューナが、選択した前記ローカル放送番組又は前記衛星放送番組の映像音声信号を、HDMI端子を介して、前記放送受信機に出力するステップと、
を備えることを特徴とするローカル放送受信方法。
【請求項9】
各地域のローカル放送信号を含む衛星放送IF信号とGNSS信号とが混合された受信信号から、放送受信機が設置された地域のローカル放送番組を選択するローカル放送受信方法であって、
アンテナが、前記衛星放送IF信号の放送波と前記GNSS信号とを受信するステップと、
前記アンテナが、前記衛星放送IF信号と前記GNSS信号とを混合した受信信号を生成し、同軸ケーブルを介して、生成した前記受信信号をチューナに出力するステップと、
前記チューナが、前記アンテナより入力された受信信号から、前記各地域のローカル放送信号と前記衛星放送IF信号と前記GNSS信号とを分離するステップと、
前記チューナが、前記GNSS信号を、前記放送受信機の緯度及び経度を示す位置情報に変換するステップと、
前記チューナが、前記位置情報を前記放送受信機が設置された地域の住所情報に変換するステップと、
前記チューナが、分離した前記各地域のローカル放送信号を復調し、復調した各地域のローカル放送信号を前記住所情報に対応した地域に絞り込むステップと、
前記チューナが、復調した前記ローカル放送番組の映像音声信号を所定の地上放送周波数帯で再変調するステップと、
前記チューナが、分離した前記衛星放送IF信号及び再変調した前記ローカル放送信号をそれぞれ、RF端子を介して、前記放送受信機に出力するステップと、
を備えることを特徴とするローカル放送受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローカル放送受信用のチューナ、アンテナ、ローカル放送受信システム及びローカル放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地上放送は、全国に設置された多くの中継局により、日本全国の大半をカバーしているが、山間地域などの一部では電波によるカバーができていない。そのような山間地域では、共同受信施設(辺地共聴)を設置することで、各地域に特化したローカル放送などの地上放送を受信している場合がある。このローカル放送は、非常に重要な情報源であり、必要不可欠なサービスとなっている。地上放送のデジタル化改修から10年ほどが経過し、加入世帯数の減少や加入者の高齢化等により、設備の維持が厳しい共同受信施設も少なくない。
【0003】
前記した辺地共聴の加入者を救済する手法として、衛星放送の活用を検討する。衛星放送は、従来の右旋帯域に加え、左旋帯域が追加されたため、伝送容量が大幅に増加しているが、使用されていないチャンネルが左旋帯域に多くある。この未使用の帯域を活用して地上放送と同様の番組を衛星から放送すれば、辺地共聴の加入者救済策となる。その一方、衛星放送は、全国一律のサービスであり、各地域に特化したローカル放送サービスの実現が難しい。そこで、衛星放送と全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)とを用いて、ローカル放送に対応した放送受信機が提案されている(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3911706号公報
【特許文献2】特許第4660207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した従来技術では、衛星放送及びGNSS信号を受信するアンテナや、それら信号を放送受信機に伝送する具体的手法が開示されておらず、ローカル放送サービスの実現には不十分である。
【0006】
ここで、既存の放送受信機には郵便番号登録機能が付いており、GNSS信号を用いずに、登録された郵便番号を使用してローカル放送を実現する別手法が考えられる。しかし、この別手法では、ユーザーが任意の郵便番号を登録できるため、放送受信機の設置地域以外では現在認められていないローカル放送も視聴できてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、放送受信機の設置地域以外のローカル放送の視聴を防止し、ローカル放送サービスを実現できるチューナ、アンテナ、ローカル放送受信システム及びローカル放送受信方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るチューナは、各地域のローカル放送信号を含む衛星放送IF(Intermediate Frequency:中間周波数)信号とGNSS信号とが混合された受信信号から、放送受信機が設置された地域のローカル放送番組を選択するチューナであって、分離部と、GNSS受信部と、変換部と、ローカル放送復調部と、選択部とを備える構成とした。
【0009】
かかる構成によれば、分離部は、受信信号から、各地域のローカル放送信号と衛星放送IF信号とGNSS信号とを分離する。
GNSS受信部は、分離部が分離したGNSS信号を、放送受信機の緯度及び経度を示す位置情報に変換する。
変換部は、GNSS受信部が変換したGNSS信号の位置情報を放送受信機が設置された地域の住所情報に変換する。
【0010】
ローカル放送復調部は、分離部が分離した各地域のローカル放送信号を復調する。
選択部は、ローカル放送復調部が復調した各地域のローカル放送信号を住所情報に対応した地域に絞り込み、絞り込んだ地域のローカル放送信号から所望のローカル放送番組を選択する。
【0011】
このように、チューナは、各地域のローカル放送信号を放送受信機が設置された地域に絞り込むので、放送受信機の設置地域以外のローカル放送の視聴を防止し、ローカル放送サービスを実現できる。
【0012】
また、前記課題を解決するため、本発明に係るアンテナは、各地域のローカル放送信号を含む衛星放送IF信号の放送波とGNSS信号とを受信し、本発明に係るチューナに出力するアンテナであって、反射鏡と、放射器と、コンバータと、GNSSアンテナと、混合器と、を備える構成とした。
【0013】
反射鏡は、衛星放送IF信号の放送波を反射する。
放射器は、反射鏡が反射した放送波を取り込む。
コンバータは、放射器が取り込んだ放送波を衛星放送IF信号に変換する。
GNSSアンテナは、GNSS信号を受信する。
混合器は、コンバータ及びGNSSアンテナと一体化され、コンバータが変換した衛星放送IF信号とGNSSアンテナが受信したGNSS信号とを混合した受信信号を生成し、同軸ケーブルを介して、生成した受信信号をチューナに出力する。
【0014】
このように、アンテナは、衛星放送IF信号とGNSS信号とを混合した受信信号をチューナに出力するので、放送受信機の設置地域以外では認められていないローカル放送の視聴を防止し、ローカル放送サービスを実現できる。
【0015】
なお、本発明は、前記したチューナとアンテナとを備えるローカル放送受信システムとして実現することもできる。
【0016】
また、前記課題を解決するため、本発明に係るローカル放送受信方法は、各地域のローカル放送信号を含む衛星放送IF信号とGNSS信号とが混合された受信信号から、放送受信機が設置された地域のローカル放送番組を選択するローカル放送受信方法であって、以下の手順を実行することとした。
【0017】
かかる手順によれば、アンテナが、衛星放送IF信号の放送波とGNSS信号とを受信する。
アンテナが、衛星放送IF信号とGNSS信号とを混合した受信信号を生成し、同軸ケーブルを介して、生成した受信信号をチューナに出力する。
チューナが、アンテナより入力された受信信号から、各地域のローカル放送信号と衛星放送IF信号とGNSS信号とを分離する。
チューナが、GNSS信号を、放送受信機の緯度及び経度を示す位置情報に変換する。
チューナが、位置情報を放送受信機が設置された地域の住所情報に変換する。
【0018】
ここで、ローカル放送受信方法では、HDMI(登録商標)端子を用いる場合、以下の手順を実行すればよい。
チューナが、分離した各地域のローカル放送信号及び衛星放送IF信号をそれぞれ復調し、復調した各地域のローカル放送信号を住所情報に対応した地域に絞り込む。
チューナが、絞り込んだ地域のローカル放送信号から所望のローカル放送番組を選択するか、又は、復調した衛星放送番組を選択する。
チューナが、選択したローカル放送番組又は衛星放送番組の映像音声信号を、HDMI端子を介して、放送受信機に出力する。
【0019】
また、ローカル放送受信方法では、RF端子を用いる場合、以下の手順を実行すればよい。
チューナが、分離した各地域のローカル放送信号を復調し、復調した各地域のローカル放送信号を住所情報に対応した地域に絞り込む。
チューナが、復調したローカル放送番組の映像音声信号を所定の地上放送周波数帯で再変調する。
チューナが、分離した衛星放送IF信号及び再変調したローカル放送信号をそれぞれ、RF端子を介して、放送受信機に出力する。
【0020】
このように、ローカル放送受信方法は、各地域のローカル放送信号を放送受信機が設置された地域に絞り込むので、放送受信機の設置地域以外では認められていないローカル放送の視聴を防止し、ローカル放送サービスを実現できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、放送受信機の設置地域以外のローカル放送の視聴を防止し、ローカル放送サービスを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係るローカル放送受信システムの全体構成を示す図である。
図2】第1実施形態において、ローカル放送信号の一例を説明する説明図である。
図3】第1実施形態に係るアンテナの概略構成図である。
図4図3のアンテナの構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係るローカル放送受信システムの動作を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係るローカル放送受信システムの全体構成を示す図である。
図7】第2実施形態に係るローカル放送受信システムの動作を示すフローチャートである。
図8】変形例に係るローカル放送受信システムの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に説明する各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、同一の手段には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0024】
(第1実施形態)
[ローカル放送受信システムの全体構成]
図1及び図2を参照し、第1実施形態に係るローカル放送受信システム100の全体構成について説明する。
ローカル放送受信システム100は、衛星放送信号とGNSS信号とを用いて、ローカル放送を受信するものであり、図1に示すように、アンテナ1と、増幅器2と、電源3と、チューナ4と、放送受信機5と、リモコン6とを備える。
【0025】
ここで、衛星放送信号は、左旋帯域で使用されていなかったチャンネルに、各地域のローカル放送信号を含んでいることとする。図2の例では、衛星放送信号は、関東広域、北海道(民放)、青森県、宮城県などの都道府県レベルのローカル放送信号や、NHK札幌、NHK函館、NHK旭川、NHK帯広などの市町村レベルのローカル放送信号を含んでいる。なお、衛星放送信号に含まれるローカル放送信号はこれら地域に限定されず、日本各地のローカル放送信号を衛星放送信号に含めてもよい。
【0026】
GNSS信号は、放送受信機5の位置情報(緯度、経度)を求めるために、GPS(Global Positioning System)などのGNSSから受信する信号である。本実施形態では、GNSSがGPSであることとして説明するが、GLONASS、Galileo又は準天頂衛星(QZSS)であってもよい。
【0027】
図1に示すように、本実施形態では、ローカル放送受信システム100は、HDMI端子を介して、チューナ4と放送受信機5とを接続していることとする。つまり、ローカル放送受信システム100は、チューナ4のHDMI端子HOUTと放送受信機5のHDMI端子HINとをHDMIケーブルで接続している。
【0028】
アンテナ1は、各地域のローカル放送信号を含む衛星放送信号の放送波とGNSS信号とを受信し、チューナ4に出力するものである。本実施形態では、アンテナ1は、増幅器2及び電源3を介して、衛星放送信号とGNSS信号とを混合した受信信号をチューナ4に出力する。
【0029】
なお、アンテナ1は、日本国内で衛星放送信号の放送波を受信するため、南西方向が開けた場所に設置するとよい。また、アンテナ1は、4個以上の衛星からGNSS信号(GPS信号)を受信できるように設置するとよい。
【0030】
増幅器2は、アンテナ1が出力した受信信号を増幅する一般的なアンプである。
電源3は、アンテナ1及び増幅器2の電力(例えば、直流15V)を給電するものである。ここで、電源3は、増幅器2と共に設置する。
なお、増幅器2及び電源3は、ローカル放送受信システム100に必須の構成ではなく、必要に応じて備えればよい。例えば、アンテナ1への電力は、従来と同様、チューナ4又は放送受信機5から給電してもよい。
【0031】
チューナ4は、各地域のローカル放送信号を含む衛星放送信号とGNSS信号とが混合された受信信号から、放送受信機5が設置された地域のローカル放送番組を選択するものである。本実施形態では、チューナ4は、増幅器2及び電源3を介して、アンテナ1から受信信号が入力される。また、チューナ4は、HDMI端子HOUTを介して、選択した地域のローカル放送番組や衛星放送番組の映像音声信号を放送受信機5に出力する。
【0032】
放送受信機5は、衛星放送、地上デジタル放送などの放送を受信する一般的な放送受信機である。ここで、放送受信機5は、HDMI端子HINを介して、ローカル放送番組や衛星放送番組の映像音声信号がチューナ4から入力される。なお、放送受信機5は、衛星放送や地上デジタル放送をアンテナ1以外で別途RF端子を用いて受信することも可能である(不図示)。
リモコン6は、チューナ4及び放送受信機5を操作する一般的なリモートコントローラである。
【0033】
<アンテナ>
図3及び図4を参照し、アンテナ1を詳細に説明する。
図3及び図4に示すように、アンテナ1は、衛星放送受信用パラボラアンテナと、GNSS受信用のアンテナとを一体化したアンテナである。具体的には、アンテナ1は、反射鏡10と、放射器11と、コンバータ12と、GNSSアンテナ13と、混合器14と、同軸ケーブル15とを備える。
【0034】
反射鏡10は、衛星放送信号の放送波を反射するものである。この反射鏡10は、支柱10bにより、南西方向に向くように支持される。また、反射鏡10は、一般的な衛星放送受信用パラボラアンテナと同様の放物面状に形成され、その焦点位置に放送波を反射する。
【0035】
放射器11は、反射鏡10が反射した放送波を取り込むものである。例えば、放射器11は、反射鏡10の下部から湾曲して延長された支持アーム10aにより、反射鏡10の焦点位置に支持される。
【0036】
コンバータ12は、放射器11が取り込んだ放送波を衛星放送IF信号に変換するものである。このコンバータ12は、一般的な衛星放送受信用コンバータと同様、衛星放送信号の放送波を中間周波数の電気信号(衛星放送IF信号)に変換する。
【0037】
GNSSアンテナ13は、コンバータ12及び混合器14と一体化され、GPSなどのGNSSからGNSS信号を受信するものである。本実施形態では、GNSSアンテナ13は、一般的なGPSアンテナである。
【0038】
混合器14は、コンバータ12が変換した衛星放送IF信号とGNSSアンテナ13が受信したGNSS信号とを混合した受信信号を生成するものである。そして、混合器14は、同軸ケーブル15を介して、生成した受信信号をチューナ4に出力する。
また、混合器14は、図4に示すように、同軸ケーブル15から給電された電力を、GNSSアンテナ13及びコンバータ12に分配してもよい。
【0039】
アンテナ1は、図3に示すように、コンバータ12、GNSSアンテナ13及び混合器14が一体化するように、同一筐体内に収容している。この筐体は、支持アーム10aによって、反射鏡10から見て放射器11の背面側に支持される。
【0040】
なお、一体化とは、コンバータ12、GNSSアンテナ13及び混合器14を同一の筐体に収容し、電源や信号伝送ケーブルを共有することである。これにより、視聴者がGNSSアンテナ13の存在を気にすることなく、従来のパラボラアンテナと同様に簡易に設置できる。
【0041】
このように、アンテナ1は、コンバータ12、GNSSアンテナ13及び混合器14を一体化させることで、衛星放送を受信するために南西方向が開けているという設置条件のもと、GNSS信号も良好に受信できる。さらに、アンテナ1は、従来のGNSS受信用のアンテナと衛星放送受信用パラボラアンテナとを一体化しているため、設置が容易になる。既に衛星放送受信用パラボラアンテナを設置していた場合、従来のものと置き換えるだけでよい。
【0042】
<チューナ>
図1を参照し、チューナ4を詳細に説明する。
図1に示すように、チューナ4は、分離部40(40,40)と、フィルタ41(41~41)と、GNSS受信部42と、変換部43と、リモコン受信部44と、ローカル放送復調部45と、衛星放送復調部46と、チャンネル選択制御部(選択部)47と、映像・音声出力部(出力部)48とを備える。
【0043】
分離部40は、アンテナ1より入力された受信信号から、各地域のローカル放送信号と衛星放送IF信号とGNSS信号とを分離するものであり、2つの分離部40,40で構成されている。ここで、分離部40は、受信信号からGNSS信号と放送信号とを分離し、GNSS信号をフィルタ41に出力し、放送信号を分離部40に出力する。また、分離部40は、分離部40より入力された放送信号からローカル放送信号と衛星放送IF信号とを分離し、ローカル放送信号をフィルタ41に出力し、衛星放送IF信号をフィルタ41に出力する。
【0044】
フィルタ41は、所望の周波数帯域成分を通過させるバンドパスフィルタであり、3つのフィルタ41~41で構成されている。例えば、フィルタ41は、分離部40より入力されたGNSS信号のうち、GPSで用いる周波数帯域成分をGNSS受信部42に通過させる。また、フィルタ41は、分離部40より入力されたローカル放送信号のうち、ローカル放送番組が格納されている左旋帯域成分をローカル放送復調部45に通過させる。また、フィルタ41は、分離部40より入力された衛星放送IF信号のうち、衛星放送番組が格納されている右旋帯域成分を衛星放送復調部46に通過させる。
なお、チューナ4は、受信や復調に影響がない場合、フィルタ41を備えずともよい。
【0045】
GNSS受信部42は、フィルタ41から入力されたGNSS信号を、放送受信機5の緯度及び経度を示す位置情報に変換するものである。本実施形態では、GNSS受信部42は、一般的なGPSレシーバと同様、4つ以上のGPS衛星から受信したGPS信号を用いて、放送受信機5の位置情報を算出する。そして、GNSS受信部42は、放送受信機5の位置情報を変換部43に出力する。
【0046】
変換部43は、GNSS受信部42が変換した位置情報を放送受信機5が設置された地域の住所情報に変換するものである。本実施形態では、変換部43は、逆ジオコーディングにより、放送受信機5の位置情報を住所情報に変換する(例えば、参考文献1)。例えば、放送受信機5が「北海道札幌市」に設置されていることとする。この場合、変換部43は、「緯度43.03.43、経度141.21.22」という放送受信機5の位置情報を「北海道札幌市」という住所に変換する。ここで、変換部43は、放送受信機5の位置情報を住所情報に変換するアプリーケーションを内蔵してもよく、インターネット上のサービスを利用して変換を行ってもよい。そして、変換部43は、変換したチャンネル選択制御部47に出力する。
【0047】
参考文献1:[online],[令和3年1月18日検索],インターネット<URL:http://usoinfo.if.land.to/osmtool/latlon2addr.php>
【0048】
リモコン受信部44は、リモコン6から、視聴者が選択したローカル放送番組又は衛星放送番組のチャンネル情報を受信するものである。そして、リモコン受信部44は、受信したローカル放送番組又は衛星放送番組のチャンネル情報をチャンネル選択制御部47に出力する。
【0049】
ローカル放送復調部45は、フィルタ41から入力された各地域のローカル放送信号を復調するものである。本実施形態では、ローカル放送復調部45は、ローカル放送信号の変調方式に対応した復調方式を用いる。そして、ローカル放送復調部45は、復調した各地域のローカル放送信号をチャンネル選択制御部47に出力する。
【0050】
衛星放送復調部46は、フィルタ41より入力された衛星放送IF信号を復調するものである。本実施形態では、衛星放送復調部46は、衛星放送番組の変調方式に対応した復調方式を用いる。そして、衛星放送復調部46は、復調した衛星放送番組をチャンネル選択制御部47に出力する。
【0051】
チャンネル選択制御部47は、ローカル放送復調部45から入力された各地域のローカル放送信号を変換部43から入力された住所情報に対応した地域に絞り込むものである。このとき、ローカル放送復調部45は、チャンネル情報と住所情報とを紐づけることで、地上デジタル放送と同様にローカル番組を選択することが好ましい。例えば、ローカル放送復調部45は、住所情報が「北海道札幌市」でチャンネル情報が「3」の場合、「NHK総合(札幌)」のローカル放送番組を選択して復調する。
【0052】
そして、チャンネル選択制御部47は、絞り込んだ地域のローカル放送信号から所望のローカル放送番組を選択するか、又は、衛星放送復調部46から入力された衛星放送番組を選択する。本実施形態では、チャンネル選択制御部47は、リモコン受信部44から入力されたチャンネル情報に基づいて、ローカル放送番組又は衛星放送番組を選択する。例えば、チャンネル選択制御部47は、視聴者がリモコン6でローカル放送番組を選択した場合、ローカル放送番組の映像音声信号を映像・音声出力部48に出力する。一方、チャンネル選択制御部47は、視聴者がリモコン6で衛星放送番組を選択した場合、衛星放送番組の映像音声信号を映像・音声出力部48に出力する。
【0053】
映像・音声出力部48は、チャンネル選択制御部47から入力されたローカル放送番組又は衛星放送番組の映像音声信号を、HDMI端子HOUTを介して、放送受信機5に出力するものである。
【0054】
なお、本実施形態では、HDMI端子HIN,HOUTでチューナ4と放送受信機5とを接続したので、映像音声信号の再変調が不要である。この他、既存の衛星放送番組については、チューナ4に別のRF端子(不図示)を設け、放送受信機5のBS端子に同軸ケーブルで接続してもよい。
【0055】
[ローカル放送受信システムの動作]
図5を参照し、ローカル放送受信システム100の動作について説明する。
図5に示すように、ステップS1において、アンテナ1は、衛星放送信号の放送波とGNSS信号とを受信する。
ステップS2において、アンテナ1は、衛星放送IF信号とGNSS信号とを混合した受信信号を生成し、同軸ケーブル15を介して、生成した受信信号をチューナ4に出力する。
【0056】
ステップS3において、チューナ4の分離部40は、アンテナ1より入力された受信信号から、各地域のローカル放送信号と衛星放送IF信号とGNSS信号とを分離する。
ステップS4において、チューナ4のGNSS受信部42は、GNSS信号を、放送受信機5の緯度及び経度を示す位置情報に変換する。
ステップS5において、チューナ4の変換部43は、位置情報を放送受信機5が設置された地域の住所情報に変換する。
【0057】
ステップS6において、チューナ4のローカル放送復調部45は、分離した各地域のローカル放送信号を復調する。
ステップS7において、チューナ4の衛星放送復調部46は、分離した衛星放送IF信号を復調する。
なお、ステップS6,S7を実行する順序は特に制限されない。つまり、ステップS6,S7の何れか一方を先に実行してもよく、ステップS6,S7を同時に実行してもよい。
【0058】
ステップS8において、チューナ4のチャンネル選択制御部47は、復調した各地域のローカル放送信号を住所情報に対応した地域に絞り込む。そして、チューナ4のチャンネル選択制御部47は、リモコン6からのチャンネル情報に基づいて、絞り込んだ地域のローカル放送信号からローカル放送番組を選択するか、又は、復調した衛星放送番組を選択する。
【0059】
ステップS9において、チューナ4の映像・音声出力部48は、選択したローカル放送番組又は衛星放送番組の映像音声信号を、HDMI端子HOUTを介して、放送受信機5に出力する。
【0060】
[作用・効果]
以上のように、第1実施形態に係るローカル放送受信システム100では、アンテナ1が、各地域のローカル放送信号を含む衛星放送信号とGNSS信号とを受信し、これらの受信信号を生成してチューナ4に出力する。そして、ローカル放送受信システム100では、チューナ4が、各地域のローカル放送信号を放送受信機5が設置された地域に絞り込むので、放送受信機5の設置地域以外のローカル放送の視聴を防止し、ローカル放送サービスを実現できる。すなわち、ローカル放送受信システム100では、衛星放送信号及びGNSS信号を受信できる場所であれば、日本全国どこであってもローカル放送サービスを実現できる。
【0061】
さらに、ローカル放送受信システム100では、衛星放送受信用パラボラアンテナと、GNSS受信用のアンテナとを一体化したアンテナ1を用いるので、設置が容易であり、GNSS信号を受信できない既存の放送受信機5の改修が不要なので、既存設備を有効活用できる。
【0062】
さらに、ローカル放送受信システム100では、ユーザーが放送受信機5に登録した郵便番号を使用しないため、放送受信機5の設置地域以外では認められていないローカル放送の視聴を防止できる。
さらに、ローカル放送受信システム100では、CAS(Conditional Access System:限定受信システム)のような限定受信方式と比べて、管理に要する人員やコストを抑制できる。
【0063】
さらに、ローカル放送受信システム100では、住所情報が得られるため、ユーザーが放送受信機5に手動で設定していた郵便番号登録の自動化も可能であり、利便性が向上する。
さらに、自動追尾型のパラボラアンテナを車載し、車内にチューナ4及び放送受信機5を設置すれば、県をまたぐ移動のように放送区域を超えた際、チャンネルスキャンの設定なしで、各地域のローカル放送を視聴することが可能となる。
【0064】
(第2実施形態)
[ローカル放送受信システムの全体構成]
図6を参照し、第2実施形態に係るローカル放送受信システム100Aの全体構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
ローカル放送受信システム100Aでは、RF端子ROUT1,ROUT2を介して、チューナ4Aと放送受信機5Aとを接続した点が、第1実施形態と異なる。ここで、ローカル放送受信システム100Aは、チューナ4AのRF端子ROUT1及び放送受信機5AのRF端子RIN1が地上デジタル放送信号用であり、チューナ4AのRF端子ROUT2及び放送受信機5AのRF端子RIN2が衛星放送信号用である。
【0065】
図6に示すように、ローカル放送受信システム100Aは、アンテナ1と、増幅器2と、電源3と、チューナ4Aと、放送受信機5Aと、リモコン6とを備える。
なお、アンテナ1、増幅器2、電源3及びリモコン6は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
また、放送受信機5Aは、RF端子RIN1,RIN2を備える以外、第1実施形態と同様のため、これ以上の説明を省略する。
【0066】
<チューナ>
以下、チューナ4Aを詳細に説明する。
図6に示すように、チューナ4Aは、分離部40(40,40)と、フィルタ41(41~41)と、GNSS受信部42と、変換部43と、リモコン受信部44Aと、ローカル放送復調部45と、チャンネル選択制御部(選択部)47Aと、映像・音声出力部(出力部)48Aと、周波数設定部49と、再変調部50とを備える。
なお、リモコン受信部44A、チャンネル選択制御部47A、映像・音声出力部48A、周波数設定部49及び再変調部50以外の各手段は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0067】
チューナ4Aは、衛星放送復調部46(図1)を備えていない。従って、フィルタ41は、分離部40より入力された衛星放送IF信号を、RF端子ROUT2を介して、放送受信機5Aに出力する。
【0068】
リモコン受信部44Aは、リモコン6から、視聴者が選択したローカル放送番組のチャンネル情報を受信するものである。そして、リモコン受信部44Aは、受信したローカル放送番組のチャンネル情報をチャンネル選択制御部47Aに出力する。
【0069】
チャンネル選択制御部47Aは、リモコン受信部44Aから入力されたチャンネル情報に基づいて、ローカル放送番組を選択する。例えば、チャンネル選択制御部47Aは、視聴者がリモコン6でローカル放送番組を選択した場合、ローカル放送番組の映像音声信号を映像・音声出力部48Aに出力する。他の点、チャンネル選択制御部47Aは、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0070】
映像・音声出力部48Aは、チャンネル選択制御部47Aから入力されたローカル放送番組の映像音声信号を再変調部50に出力するものである。
【0071】
周波数設定部49は、後記する再変調を行うときの周波数帯を設定するものである。例えば、周波数設定部49には、UHF(Ultra High Frequency)、VHF(Very High Frequency)のように、放送受信機5Aが受信可能な周波数帯を視聴者が設定する。そして、周波数設定部49は、設定された周波数帯を再変調部50に出力する。
【0072】
再変調部50は、チャンネル選択制御部47Aから入力されたローカル放送番組の映像音声信号を所定の周波数帯で再変調するものである。本実施形態では、再変調部50は、放送受信機5Aが復調できる方式を用いる。例えば、再変調部50は、地上デジタル放送のOFDM方式を用いて、周波数設定部49から入力された周波数帯でローカル放送番組の映像音声信号を再変調する。そして、再変調部50は、再変調したローカル放送番組の映像音声信号を、RF端子ROUT1を介して、放送受信機5Aに出力する。
【0073】
なお、再変調したUHF帯域(地上デジタル放送の帯域)信号と、従来の衛星放送信号を混合して出力してもよい。この場合、チューナ4Aは、地上デジタル放送及び衛星放送が混合された出力端子を1つ設け、放送受信機5Aに出力する。ただし、地上デジタル放送及び衛星放送の両方を受信可能とするには、放送受信機5Aの地上デジタル放送及び衛星放送それぞれの入力端子に信号を出力するため、信号を分配または分波して入力する必要がある。
【0074】
[ローカル放送受信システムの動作]
図7を参照し、ローカル放送受信システム100Aの動作について説明する。
なお、ステップS1~S6は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0075】
図7に示すように、ステップS10において、チューナ4Aのチャンネル選択制御部47Aは、復調した各地域のローカル放送信号を住所情報に対応した地域に絞り込み、絞り込んだ地域のローカル放送信号からローカル放送番組を選択する。そして、チューナ4Aの再変調部50は、選択したローカル放送番組の映像音声信号を所定の周波数帯で再変調する。
【0076】
ステップS11において、チューナ4Aの再変調部50は、再変調したローカル放送番組の映像音声信号を、RF端子ROUT1を介して、放送受信機5Aに出力する。さらに、チューナ4Aのフィルタ41は、分離した衛星放送IF信号を、RF端子ROUT2を介して、放送受信機5Aに出力する。
【0077】
[作用・効果]
以上のように、第2実施形態に係るローカル放送受信システム100Aでは、第1実施形態と同様、放送受信機5Aの設置地域以外では認められていないローカル放送の視聴を防止し、ローカル放送サービスを実現できる。
【0078】
(変形例)
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
前記した各実施形態では、ローカル放送受信システムが放物面状のパラボラアンテナを備えることとして説明したが、これに限定されない。例えば、ローカル放送受信システムは、平面アンテナを備えてもよい。
【0079】
前記した各実施形態では、衛星放送信号とGNSS信号が1本の同軸ケーブル15によりチューナ4に入力されることとして説明したが、これに限定されない。例えば、衛星放送信号とGNSS信号は、2本のケーブルを用いて、別々でチューナ4に入力してもよい。
【0080】
前記した各実施形態では、衛星放送信号とGNSS信号がアンテナ1のコンバータ12で混合されることとして説明したが、これに限定されない。例えば、衛星放送信号とGNSS信号は、増幅器2又は電源3の内部で混合してもよい。
【0081】
前記した各実施形態では、チューナが独立したハードウェアであることとして説明したが、これに限定されない。図8に示すように、ローカル放送受信システム100,100Aでは、チューナ4,4Aを放送受信機5,5Aに内蔵してもよい。なお、リモコン6の図示は省略した。この場合、ローカル放送受信システム100,100Aでは、アンテナ1を放送受信機5,5Aに接続することで、ローカル放送サービスを実現できる。
【符号の説明】
【0082】
1 アンテナ
2 増幅器
3 電源
4,4A チューナ
5,5A 放送受信機
6 リモコン
10 反射鏡
11 放射器
12 コンバータ
13 GNSSアンテナ
14 混合器
15 同軸ケーブル
40,40,40 分離部
41,41~41 フィルタ
42 GNSS受信部
43 変換部
44,44A リモコン受信部
45 ローカル放送復調部
46 衛星放送復調部
47,47A チャンネル選択制御部(選択部)
48,48A 映像・音声出力部(出力部)
49 周波数設定部
50 再変調部
100,100A ローカル放送受信システム
IN,HOUT HDMI端子
IN1,RIN2,ROUT1,ROUT2 RF端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8