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特開2022-140098情報処理装置、決定方法、決定プログラムおよび決定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140098
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、決定方法、決定プログラムおよび決定システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20220915BHJP
   A61F 13/42 20060101ALI20220915BHJP
   A61F 13/84 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
G16H10/60
A61F13/42 F
A61F13/84
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040753
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 友亮
(72)【発明者】
【氏名】川端 訓功
(72)【発明者】
【氏名】森 和隆
(72)【発明者】
【氏名】島津 健
【テーマコード(参考)】
3B200
5L099
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA02
3B200DF04
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】適切に介護業務を遂行できるようサポートすること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、吸収性物品を着用する着用者による吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報を取得する取得部と、着用者に対する介護状況を示す介護情報と、排泄情報とに基づいて、吸収性物品の交換態様を決定する決定部とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品を着用する着用者による前記吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報を取得する取得部と、
前記着用者に対する介護状況を示す介護情報と、前記排泄情報とに基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する決定部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記排泄情報として、前記着用者による前記吸収性物品への排泄状況が所定のセンサにより検知された検知結果を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記着用者により排尿および排便のうちいずれの排泄行為が行われたかが前記所定のセンサにより検知されたことによる前記検知結果を取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記排泄情報に基づき前記着用者が排泄したと判定された場合には、前記介護情報に基づいて、当該着用者が着用する前記吸収性物品の交換態様を決定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記吸収性物品に排泄された排泄物の状態を示す状態情報をさらに取得し、
前記決定部は、前記状態情報と、前記介護情報とに基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記状態情報が示す排泄物の状態と、前記介護情報が示す前記着用者の介護現場での状態とに基づいて、前記吸収性物品の交換に求められる緊急度を推定する推定部をさらに有し、
前記決定部は、前記緊急度に基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記排泄物の状態は、前記吸収性物品に排泄された排泄物の種別、前記吸収性物品に排泄された排泄物の量、前記吸収性物品に排泄された回数、前記吸収性物品内における現在の排尿と排便との関係性のうち、少なくともいずれか1つであり、
前記着用者の介護現場での状態は、前記着用者の性格、前記着用者が摂取した飲食物の内容、前記着用者に投与された下剤の投与量、前記着用者の睡眠状況、前記着用者の体動状況のうち、少なくともいずれか1つである、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記決定部は、前記着用者について推定された前記緊急度と、当該着用者とは異なる他の利用者に関する情報とに基づいて、前記交換態様として、当該着用者が着用する前記吸収性物品の交換に関する優先順位を決定する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決定部により決定された優先順位に基づいて、前記着用者を介護する介護者に対して、前記吸収性物品の交換に関する通知を行う通知部をさらに有する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決定部は、前記他の利用者に関する情報として、前記着用者を介護する介護者に対して予め定められたスケジュールと、前記緊急度とに基づいて、前記スケジュール、および、前記吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記決定部は、前記介護者ごとの前記スケジュールと、当該介護者により介護される対象となっている着用者ごとの前記緊急度に基づいて、前記介護者ごとに、当該介護者の前記スケジュール、および、当該介護者に対応する前記着用者が着用する前記吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記通知部は、前記決定部により決定された決定結果が、即時的な交換に対する優先順位がより高いことを示す場合には、即時的な交換の必要性が高いことを通知する
ことを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記通知部は、前記決定部により決定された決定結果が、スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、スケジュール優先でよい旨を示す通知を行う
ことを特徴とする請求項10~12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記通知部は、前記決定部により決定された決定結果が、前記スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、前記着用者の排泄状況または前記着用者の状態に基づき前記スケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換でよいか否かを判定し、判定結果を前記介護者に通知する
ことを特徴とする請求項10~13のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記通知部は、前記着用者の排泄状況または前記着用者の状態に基づき前記スケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換の必要性を判定し、判定結果を前記介護者に通知する
ことを特徴とする請求項10~14のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記決定部は、これまでに決定された前記優先順位の履歴情報に基づき前記スケジュールが示す交換タイミングで吸収性物品の交換が行われていない傾向にあると判定された場合には、前記交換タイミングでの交換を実現し得る対応策を、前記着用者に関する情報に基づき決定し、
前記通知部は、前記対応策に従って前記着用者を介護するよう提案する提案情報を前記介護者に通知する
ことを特徴とする請求項10~15のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記決定部は、前記排泄情報に基づき前記着用者のうち複数の着用者が所定期間内に排泄したと判定された場合には、前記所定期間内に排泄したと判定された各着用者について推定された前記緊急度に基づいて、前記複数の着用者間における前記吸収性物品の交換の優先順位を決定し、
前記通知部は、前記決定部により決定された優先順位が示す順に前記複数の着用者それぞれが着用する前記吸収性物品を交換するよう提案する提案情報を前記介護者に通知する
ことを特徴とする請求項9~16のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記通知部は、前記着用者が着用する前記吸収性物品に紐付けられる交換方法の候補の中から、前記着用者を介護する介護者の介護実績に応じた交換方法を特定し、特定した交換方法で前記吸収性物品を交換するよう提案する提案情報を前記介護者に通知する
ことを特徴とする請求項9~17のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項19】
情報処理装置が実行する決定方法であって、
吸収性物品を着用する着用者による前記吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報を取得する取得工程と、
前記着用者に対する介護状況を示す介護情報と、前記排泄情報とに基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する決定工程と
を含むことを特徴とする決定方法。
【請求項20】
吸収性物品を着用する着用者による前記吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報を取得する取得手順と、
前記着用者に対する介護状況を示す介護情報と、前記排泄情報とに基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する決定手順と
をコンピュータに実行させるための決定プログラム。
【請求項21】
情報処理装置と、着用者による吸収性物品への排泄状況を検知する所定のセンサとを含む決定システムであって、
前記所定のセンサにより検知された前記排泄状況を示す排泄情報を取得する取得部と、
前記着用者に対する介護状況を示す介護情報と、前記排泄情報とに基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する決定部と
を有することを特徴とする決定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、決定方法、決定プログラムおよび決定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収性物品に関する各種の情報を利用者に提供する技術が知られている。このような技術の一例として、吸収性物品に取付けられたセンサの測定結果に基づいて、尿漏れが発生した際の姿勢から、吸収性物品の当て方を提案する技術が知られている。また、吸収性物品の尿吸収量に基づいて、適切な吸収性物品や交換タイミングを提案する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-202154号公報
【特許文献2】特開2018-206381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、適切に介護業務を遂行できるようサポートすることができるとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、上述した従来技術では、尿漏れが生じないように、利用する吸収性物品、吸収性物品の当て方、もしくは吸収性物品の交換タイミングを提案しているに過ぎない。このため、上述した従来技術では、適切に介護業務を遂行できるようサポートすることができるとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、適切に介護業務を遂行できるようサポートすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、吸収性物品を着用する着用者による前記吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報を取得する取得部と、前記着用者に対する介護状況を示す介護情報と、前記排泄情報とに基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する決定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、適切に介護業務を遂行できるようサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る排泄情報データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る介護情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るスケジュール情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る通知の一態様を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
図8図8は、変形例に係る情報処理の一例を示す図である。
図9図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
吸収性物品を着用する着用者による前記吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報を取得する取得部と、前記着用者に対する介護状況を示す介護情報と、前記排泄情報とに基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する決定部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【0012】
このような情報処理装置によれば、吸収性物品を着用する着用者による吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報を取得し、着用者に対する介護状況を示す介護情報と、排泄情報とに基づいて、吸収性物品の交換態様を決定するため、例えば、着用者を介護する介護者が適切に介護業務を遂行できるような通知を実現することができ、この結果、介護者を効果的にサポートすることができるようになる。
【0013】
また、情報処理装置は、前記排泄情報として、前記着用者による前記吸収性物品への排泄状況が所定のセンサにより検知された検知結果を取得する。
【0014】
このような情報処理装置によれば、排泄情報として、着用者による吸収性物品への排泄状況が所定のセンサにより検知された検知結果を取得するため、着用者が排泄したことを認識することができる。
【0015】
また、情報処理装置は、前記着用者により排尿および排便のうちいずれの排泄行為が行われたかが前記所定のセンサにより検知されたことによる前記検知結果を取得する。
【0016】
このような情報処理装置によれば、着用者により排尿および排便のうちいずれの排泄行為が行われたかが所定のセンサにより検知されたことによる検知結果を取得するため、着用者が排便したことを、排尿したことを個別に認識することができる。
【0017】
また、情報処理装置は、前記排泄情報に基づき前記着用者が排泄したと判定された場合には、前記介護情報に基づいて、当該着用者が着用する前記吸収性物品の交換態様を決定する。
【0018】
このような情報処理装置によれば、排泄情報に基づき着用者が排泄したと判定された場合には、介護情報に基づいて、当該着用者が着用する吸収性物品の交換態様を決定するため、着用者が排泄した後のタイミングを対象として交換態様を決定することができる。
【0019】
また、情報処理装置は、前記吸収性物品に排泄された排泄物の状態を示す状態情報をさらに取得し、前記状態情報と、前記介護情報とに基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する。
【0020】
このような情報処理装置によれば、吸収性物品に排泄された排泄物の状態を示す状態情報をさらに取得し、状態情報と、介護情報とに基づいて、吸収性物品の交換態様を決定するため、排泄物の状態および着用者の介護現場での状態の双方を加味して高精度に交換態様を決定することができる。
【0021】
また、情報処理装置は、前記状態情報が示す排泄物の状態と、前記介護情報が示す前記着用者の介護現場での状態とに基づいて、前記吸収性物品の交換に求められる緊急度を推定する推定部をさらに有し、前記緊急度に基づいて、前記吸収性物品の交換態様を決定する。
【0022】
このような情報処理装置によれば、状態情報が示す排泄物の状態と、介護情報が示す着用者の介護現場での状態とに基づいて、吸収性物品の交換に求められる緊急度を推定し、推定した緊急度に基づいて、吸収性物品の交換態様を決定するため、排泄物の状態および着用者の介護現場での状態の双方を加味して高精度に緊急度を推定することができ、他の作業を後回しにしてでも吸収性物品の交換を行わなければならないことを介護者に認識させることができる。
【0023】
また、前記排泄物の状態は、前記吸収性物品に排泄された排泄物の種別、前記吸収性物品に排泄された排泄物の量、前記吸収性物品に排泄された回数、前記吸収性物品内における現在の排尿と排便との関係性のうち、少なくともいずれか1つであり、前記着用者の介護現場での状態は、前記着用者の性格、前記着用者が摂取した飲食物の内容、前記着用者に投与された下剤の投与量、前記着用者の睡眠状況、前記着用者の体動状況のうち、少なくともいずれか1つである。
【0024】
このような情報処理装置によれば、より高精度に緊急度を推定することができるようになる。
【0025】
また、情報処理装置は、前記着用者について推定された前記緊急度と、当該着用者とは異なる他の利用者に関する情報とに基づいて、前記交換態様として、当該着用者が着用する前記吸収性物品の交換に関する優先順位を決定する。
【0026】
このような情報処理装置によれば、前記着用者について推定された前記緊急度と、当該着用者とは異なる他の利用者に関する情報とに基づいて、前記交換態様として、当該着用者が着用する前記吸収性物品の交換に関する優先順位を決定するため、吸収性物品の交換に関する優先順位を適切に決定することができる。
【0027】
また、情報処理装置は、前記決定部により決定された優先順位に基づいて、前記着用者を介護する介護者に対して、前記吸収性物品の交換に関する通知を行う通知部をさらに有する。
【0028】
このような情報処理装置によれば、決定された優先順位に基づいて、着用者を介護する介護者に対して、吸収性物品の交換に関する通知を行うため、例えば、介護リズムが崩れを最小限に抑えることができるよう吸収性物品の交換を最優先しなければならないことを介護者に認識させることができるようになる。
【0029】
また、情報処理装置は、前記他の利用者に関する情報として、前記着用者を介護する介護者に対して予め定められたスケジュールと、前記緊急度とに基づいて、前記スケジュール、および、前記吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する。
【0030】
このような情報処理装置によれば、他の利用者に関する情報として、着用者を介護する介護者に対して予め定められたスケジュールと、緊急度とに基づいて、スケジュール、および、吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定するため、排泄されたとはいえ現時点では介護スケジュール通りの作業を行わせておいてよいのか、あるいは、排泄された現時点で即交換しなければならないのかを適切に判断することができる。
【0031】
また、情報処理装置は、前記介護者ごとの前記スケジュールと、当該介護者により介護される対象となっている着用者ごとの前記緊急度に基づいて、前記介護者ごとに、当該介護者の前記スケジュール、および、当該介護者に対応する前記着用者が着用する前記吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する。
【0032】
このような情報処理装置によれば、介護者ごとのスケジュールと、当該介護者により介護される対象となっている着用者ごとの緊急度に基づいて、介護者ごとに、当該介護者のスケジュール、および、当該介護者に対応する着用者が着用する吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定するため、例えば、1つの介護施設において各介護者が複数の着用者の介護を担当している現場に対応した決定処理を実現することができる。
【0033】
また、情報処理装置は、前記決定部により決定された決定結果が、前記即時的な交換に対する優先順位がより高いことを示す場合には、即時的な交換の必要性が高いことを通知する。
【0034】
このような情報処理装置によれば、決定された決定結果が、即時的な交換に対する優先順位がより高いことを示す場合には、即時的な交換の必要性が高いことを通知するため、目先の介護リズムが崩れたとしても長期的には介護リズムが大幅に崩れてしまうことがないよう、優先的に吸収性物品の交換を行わせることができる。
【0035】
また、情報処理装置は、前記決定部により決定された決定結果が、前記スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、スケジュール優先でよい旨を示す通知を行う。
【0036】
このような情報処理装置によれば、決定された決定結果が、スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、スケジュール優先でよい旨を示す通知を行うため、介護スケジュール通りに業務遂行できる機会を増やすことができため、介護者に安心感を与えることができるようになる。
【0037】
また、情報処理装置は、前記決定部により決定された決定結果が、前記スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、前記着用者の排泄状況または前記着用者の状態に基づき前記スケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換でよいか否かを判定し、判定結果を前記介護者に通知する。
【0038】
このような情報処理装置によれば、決定された決定結果が、スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、着用者の排泄状況または着用者の状態に基づきスケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換でよいか否かを判定し、判定結果を介護者に通知するため、例えば、スケジュール通り進めて次の定時交換に交換するだけでよいのか、あるいは、次の定時交換になるまでのどこかのタイミングで交換すべきなのかまで知りたいという介護者のニーズに対応することができる。
【0039】
また、情報処理装置は、前記着用者の排泄状況または前記着用者の状態に基づき前記スケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換の必要性を判定し、判定結果を前記介護者に通知する。
【0040】
このような情報処理装置によれば、着用者の排泄状況または着用者の状態に基づきスケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換の必要性を判定し、判定結果を介護者に通知するため、例えば、定時交換となった場合に、ここで本当に交換作業を行う必要があるのか知りたいという介護者のニーズに対応することができる。
【0041】
また、情報処理装置は、これまでに決定された前記優先順位の履歴情報に基づき前記スケジュールが示す交換タイミングで吸収性物品の交換が行われていない傾向にあると判定された場合には、前記交換タイミングでの交換を実現し得る対応策を、前記着用者に関する情報に基づき決定し、前記対応策に従って前記着用者を介護するよう提案する提案情報を前記介護者に通知する。
【0042】
このような情報処理装置によれば、これまでに決定された優先順位の履歴情報に基づきスケジュールが示す交換タイミングで吸収性物品の交換が行われていない傾向にあると判定された場合には、交換タイミングでの交換を実現し得る対応策を、着用者に関する情報に基づき決定し、決定した対応策に従って着用者を介護するよう提案する提案情報を介護者に通知するため、介護者が自身の介護リズムを取り戻せるよう効果的にサポートすることができる。
【0043】
また、情報処理装置は、前記排泄情報に基づき前記着用者のうち複数の着用者が所定期間内に排泄したと判定された場合には、前記所定期間内に排泄したと判定された各着用者について推定された前記緊急度に基づいて、前記複数の着用者間における前記吸収性物品の交換の優先順位を決定し、決定された優先順位が示す順に前記複数の着用者それぞれが着用する前記吸収性物品を交換するよう提案する提案情報を前記介護者に通知する。
【0044】
このような情報処理装置によれば、排泄情報に基づき着用者のうち複数の着用者が所定期間内に排泄したと判定された場合には、所定期間内に排泄したと判定された各着用者について推定された緊急度に基づいて、複数の着用者間における吸収性物品の交換の優先順位を決定し、決定した優先順位が示す順に複数の着用者それぞれが着用する吸収性物品を交換するよう提案する提案情報を介護者に通知するため、例えば、吸収性物品から排泄物が漏れ出すリスクを最小限に抑えた最適な交換順を介護者に認識させることができる。
【0045】
また、情報処理装置は、前記着用者が着用する前記吸収性物品に紐付けられる交換方法の候補の中から、前記着用者を介護する介護者の介護実績に応じた交換方法を特定し、特定した交換方法で前記吸収性物品を交換するよう提案する提案情報を前記介護者に通知する。
【0046】
このような情報処理装置によれば、着用者が着用する吸収性物品に紐付けられる交換方法の候補の中から、着用者を介護する介護者の介護実績に応じた交換方法を特定し、特定した交換方法で前記吸収性物品を交換するよう提案する提案情報を介護者に通知するため、例えば、交換方法が不明で戸惑っている間に排泄物が漏れ出すリスクが高まってしまうことを防止することができる。
【0047】
[実施形態]
以下に、情報処理装置、決定方法、決定プログラムおよび決定システムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、決定方法、決定プログラムおよび決定システムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0048】
〔1.はじめに〕
介護する立場にある介護者をとりまく様々な問題がある。このような介護者としては、例えば、介護施設等で介護業務に従事する介護士、病院で働く看護士、被介護者の家族が挙げられるが、特に介護士への負担は大きく、この負担を軽減するような仕組みづくりが求められている。
【0049】
介護士が直面している問題点としては次のようなものがある。例えば、介護士は、普段は、オムツ交換を行う時間帯等が予め定められた介護スケジュールに従って介護業務を行っているため、なるべく介護スケジュール通りに業務遂行したいと考える場合がある。具体的には、介護士は、介護スケジュールにのっとって介護リズムを崩されることなく業務遂行できることを望む場合がある。しかしながら、現状の仕組みでは、介護士があるべきこのような体制が実現できていない。
【0050】
現状の仕組みとして、被介護者が着用するオムツ等に排泄検知を行うセンサを取り付けておくことで、排泄されたことを介護者に通知するというものが存在する。このような従来技術によれば、排泄されるたびに介護士に通知がなされてしまうため、介護士は通知のたびにオムツ交換を求められることになり介護リズムが崩れてしまうことがあった。
【0051】
また、介護現場で用いられるオムツは、数回分の尿を吸収可能なキャパシティを有しているにも拘わらず、1回の排尿で通知がなされてしまう可能性がある従来技術によれば、本来であれば、交換不要であってもオムツ交換を求められることになり、結果、介護士は介護リズムが崩されてしまうことになる。
【0052】
一方で、排便では特にオムツから漏れ出すリスクがあり、仮にオムツからの便漏れが発生してしまった場合、それによって介護士にかかる身体的・精神的な負担は非常に大きなものとなる。尿漏れでも同じようなことがあるが、例えば、便漏れが発生してしまった場合、その後始末には大きな労力が必要となるし、感染症への配慮も必要となる。また、被介護者は、精神不安定な場合も多く、これにより便漏れや、周囲への便の拡散がより促進されてしまう恐れもある。このようなことから、排便された場合には、介護士は、介護リズムが崩れたとしても、介護スケジュールで定められた定時交換よりも優先して交換したいと考える。
【0053】
また、排便された状態が放置されると、被介護者に肌トラブルが起こり病気の原因になったり、被介護者の衣類、寝具等への影響が及んだりする可能性が出てくる。そうすると、介護士だけではなく、被介護者が病院に入院していた場合は看護士、被介護者の衣類等の洗濯により被介護者の家族へも負担が広がることになる。そのため、排便された場合には、介護リズムが崩れてもよいのでその崩れを最小限に抑えたいと考える。
【0054】
つまり、介護士は、排泄が行われた場合に、介護スケジュールの方を優先しておき定時になった際に交換するだけでよいのか、あるいは、介護スケジュールよりも優先して即交換を行わなければならないのかを適切に判断して通知がなされるような仕組みを求めている。
【0055】
本発明は、上記のような問題点に鑑みて介護士の求めるニーズに応えることができるような仕組みをデジタル技術によって実現しようとするものである。
【0056】
本発明で実現されるデジタル技術、すなわち、実施形態に係る情報処理によれば、吸収性物品を着用する着用者による吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報が取得され、着用者に対する介護状況を示す介護情報と、排泄情報とに基づいて、吸収性物品の交換態様が決定される。
【0057】
より具体的には、実施形態に係る情報処理によれば、排泄情報に基づき着用者が排泄したと判定された場合には、排泄物の状態と、着用者の介護現場での状態とに基づいて、吸収性物品の交換に求められる緊急度が推定される。そして、着用者を介護する介護者に対して予め定められたスケジュールと、推定された緊急度とに基づいて、スケジュール、および、吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位が決定される。
【0058】
このような情報処理によれば、着用者を介護する介護者が適切に介護業務を遂行できるような通知を実現することができるため、介護者を効果的にサポートすることができるようになると考えられる。
【0059】
〔2.システム構成について〕
ここからは、図1を用いて、実施形態に係る決定システムの一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図である。図1に示す決定システムSyは、実施形態に係る決定システムの一例であり、端末装置10と、施設装置60と、情報処理装置100とを含む。端末装置10、施設装置60、情報処理装置100は、ネットワークを介して有線または無線により通信可能に接続される。
【0060】
端末装置10は、吸収性物品を着用する着用者(被介護者)を介護する介護士(介護者)によって利用される情報処理端末である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。本実施形態では、端末装置10は、スマートフォンであるものとする。
【0061】
また、端末装置10は、情報処理装置100から送信された各種情報を画面や音声によって介護者に通知する。また、端末装置10には、情報処理装置100との間での情報の送受信を実現することができるよう所定のアプリケーションが搭載される。係るアプリケーションは、ウェブブラウザのような汎用的なアプリケーションであってもよいし、決定システムSyに応じて設計された専用のアプリケーションであってもよい。
【0062】
施設装置60は、介護施設を取り巻く各種情報を管理するサーバ装置である。施設装置60は、介護施設ごとに存在してもよいし、特定のエリアに存在する複数の介護施設を一元管理するようにこの特定のエリアごとに存在してもよい。また、施設装置60には、着用者ごとに、当該着用者に対して行われた介護を示す介護記録が履歴として蓄積される。この結果、情報処理装置100は、施設装置60にアクセスすることで、着用者への介護に関する各種履歴情報を得ることができる。
【0063】
情報処理装置100は、上述した実施形態に係る情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、実施形態に係る決定プログラムが組み込まれており、これにより吸収性物品を着用する着用者による吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報を取得し、着用者に対する介護状況を示す介護情報と、排泄情報とに基づいて、吸収性物品の交換態様を決定する。なお。情報処理装置100は、1台のサーバ装置として実現されてよいし、クラウドシステムとして実現されてもよい。また、施設装置60および情報処理装置は、一体化されてもよく、係る場合には、情報処理装置100は、施設装置60の機能を有する。また、施設装置60および情報処理装置が一体化される場合には、決定システムSyには、施設装置60が含まれなくてもよい。
【0064】
〔3.センサについて〕
実施形態に係るセンサとしては、排泄検知を行うセンサと、排泄以外の各種情報を検知する外部センサとに分けられてよい。以下では、排泄検知を行うセンサを「第1センサ」、排泄以外の各種情報を検知する外部センサを「第2センサ」と表記する場合がある。なお、「第1センサ」は、「第2センサ」が有する機能の一部または全てを有してもよい。
【0065】
(第1センサについて)
第1センサは、吸収性物品に取り付けられることで、着用者の排泄を検知する。例えば、第1センサは、吸収性物品におけるインピーダンスに基づいて、着用者の排泄を検知する。例えば、第1センサは、インピーダンス情報に基づいて、排泄行為の有無を推定するとともに、排泄行為有り(排泄された)と推定した場合には、このときの排泄物を推定するという推定処理を行うことにより、結果的に着用者の排泄を検知する。なお、第1センサは、インピーダンス情報に基づき排泄検知する以外にも、例えば、吸収性物品における電気抵抗あるいは臭気に基づいて、排泄検知してもよい。また、排泄物に反応して変色するインジケータが吸収性物品に設けられている場合、第1センサは、インジケータによる色の変化により排泄検知してもよい。すなわち、第1センサは、如何なる情報に基づき排泄検知してもよい。
【0066】
また、例えば、第1センサは、所定のタイミング(例えば、5秒間隔のタイミング)でこのような推定処理を行い、推定処理を行う度に、排泄検知結果(排泄行為の有無情報、排泄行為有の場合における排泄物情報)を含む排泄情報を情報処理装置100に送信する。また、第1センサは、吸収性物品に排泄された排泄物の状態を示す排泄状態情報をさらに含むような排泄情報を送信してもよい。
【0067】
なお、排泄状態情報が示す排泄物の状態とは、吸収性物品に排泄された排泄物の種別(尿または便)、吸収性物品に排泄された排泄物の量、吸収性物品に排泄された回数、吸収性物品内における現在の排尿と排便との関係性(例えば、尿と便とが混合した状態で排泄されたことを示す情報、便の直後に排尿されたことを示す情報、あるいは、尿の直後に排便されたことを示す情報等)であってよい。また、吸収性物品に排泄された回数や、吸収性物品内における現在の排尿と排便との関係性については、情報処理装置100側で特定されるような構成が採用されてもよい。
【0068】
また、第1センサは、必ずしも吸収性物品に取り付けられる必要はなく、例えば、衣類の上から排泄検知を行う非接触なセンサであってもよい。
【0069】
また、第1センサは、着用者の排泄を検知した際に、着用者の周辺環境を示す情報(例えば、外気温、湿度等)も検知することで、着用者の周辺環境を示す情報も合わせて情報処理装置100に送信してもよい。
【0070】
(第2センサについて)
第2センサは、着用者に対して取り付けられるウェアラブルデバイスであってよい。例えば、第2センサは、着用者の身体的な動き(体動)や姿勢を検出する。例えば、第2センサは、加速度センサを用いて着用者の身体的な動きを示す加速度(角速度)情報を検出する。また、例えば、第2センサは、ジャイロセンサを用いて着用者の姿勢を推定するための傾き情報を検出する。
【0071】
また、第2センサは、着用者の居室に取り付けられるカメラであってもよいし、着用者のベッドに備えられる睡眠センサであってもよい。このように、第2センサは、情報処理装置100が、着用者に与えられた飲食物の内容、着用者に投与された下剤に関する情報、着用者の睡眠状況等を認識することができるような各種の情報を検出可能なセンサであってもよい。
【0072】
〔4.情報処理の一例について〕
ここからは、図1を用いて、情報処理装置100によって行われる実施形態に係る情報処理の一例について説明する。実施形態に係る情報処理は、優先順位を決定し決定した優先順位に応じた情報を通知するという一連の流れによるものである。図1には、介護施設である施設FA1に入居し介護を受けている着用者T1と、着用者T1を介護する介護士H1との間で、実施形態に係る情報処理が行われる場面が示される。
【0073】
係る場面によると、介護士H1は、施設FA1で働く介護職員であるとともに、着用者T1を介護する立場にある介護者である。また、着用者T1は、日ごろからオムツPD1(吸収性物品の一例)を着用しており、介護士H1から介護を受ける立場にある被介護者である。
【0074】
また、図1には、オムツPD1には、第1センサの一例としてオムツセンサSC1が取り付けられており、第2センサの一例として外部センサXが設けられている例が示される。また、図1に示される端末装置10は、介護士H1によって利用されるものである例が示される。
【0075】
このような状態において、介護士H1は、端末装置10を用いて、施設装置60に対して、介護に関する各種情報を登録する(ステップS11)。介護に関する各種情報には、着用者T1に対する介護記録(介護日誌)や、自身の介護スケジュールが含まれてよい。また、介護記録には、着用者T1に与えた飲食物に関する情報(例えば、献立や、そのうち実際に飲食された内容等)、着用者T1に投与した下剤に関する情報(例えば、下剤の種別、下剤の投与量等)、着用者T1の睡眠状況等が含まれてよい。また、介護スケジュールには、おむつの交換作業を行う時間帯が定時交換として予め定められてよい。
【0076】
また、情報処理装置100は、着用者T1によるオムツPD1への排泄状況がオムツセンサSC1により検知された検知結果を含む排泄情報を取得する(ステップS12)。例えば、着用者T1がオムツPD1に排泄したことが検知された場合には、排泄情報には、オムツPD1に排泄された排泄物の状態を示す排泄状態情報も含まれてよい。
【0077】
次に、情報処理装置100は、排泄情報に基づき着用者T1がオムツPD1に排泄したか否かを判定する(ステップS13)。例えば、情報処理装置100は、排泄情報に含まれる排泄検知結果が排泄有りを示す場合には、着用者T1がオムツPD1に排泄したと判定することができる。
【0078】
情報処理装置100は、着用者T1がオムツPD1に排泄したと判定した場合には、次に、着用者T1に対する介護状況を示す介護情報や、介護士H1の介護スケジュールを示すスケジュール情報を取得する(ステップS14)。
【0079】
ここで、介護情報とは、介護士H1により登録された介護に関する各種情報や、これまでに蓄積されている介護に関する履歴情報等に基づくものであり、例えば、着用者T1の施設FA1での状態が示されている。また、着用者T1の施設FA1での状態とは、例えば、着用者T1の性格、着用者T1が摂取した飲食物の内容、着用者T1に投与された下剤の投与量、着用者T1の睡眠状況、着用者T1の体動や姿勢状況等である。このようなことから、介護情報とは、着用者T1の精神的状態を示す精神情報、着用者T1の身体的状態を示す身体情報を含む。
【0080】
次に、情報処理装置100は、ステップS12で取得した排泄状態情報と、ステップS14で取得した介護情報とに基づき、オムツPD1の交換に求められる緊急度を推定する(ステップS15)。具体的には、情報処理装置100は、排泄状態情報が示す排泄物の状態と、介護情報が示す着用者T1の精神的状態および身体的状態とに基づいて、オムツPD1の交換に求められる緊急度を推定する。例えば、情報処理装置100は、排泄状態情報が示す排泄物の状態と、介護情報が示す着用者T1の精神的状態および身体的状態とに基づいて、オムツPD1から排泄物が漏れ出すリスクであり漏れリスクを推定する。そして、情報処理装置100は、この漏れリスクに基づき緊急度を推定する。
【0081】
例えば、情報処理装置100は、排泄物が便である場合には、便の量に応じて漏れリスクを推定する。一例として、情報処理装置100は、便の量が多い程より高い漏れリスクを推定することができる。
【0082】
また、例えば、情報処理装置100は、排泄物が便である場合には、便の状態(固形便、軟便、水様便等)に応じて漏れリスクを推定する。一例として、情報処理装置100は、便の状態が柔らかい程より高い漏れリスクを推定することができる。
【0083】
また、例えば、情報処理装置100は、排泄物が尿である場合には、オムツPD1が尿を吸収可能な残りの量に応じて漏れリスクを推定する。一例として、情報処理装置100は、吸収可能な残りの量がより少ない程高い漏れリスクを推定することができる。また、情報処理装置100は、今回の排尿によりオムツPD1の吸収キャパシティがオーバーしてしまったと判定できる場合にはさらにより高い漏れリスクを推定することができる。
【0084】
また、例えば、情報処理装置100は、オムツPD1内における現在の排尿と排便との関係性に応じて漏れリスクを推定する。例えば、情報処理装置100は、固形便が排出された場合には、すくに漏れ出す危険性は低いとの観点から低めの漏れリスクを推定する場合がある。しかしながら、情報処理装置100は、固形便が排出された直後、あるいは、固形便が排出されたと同時に排尿されたことを認識できた場合には、固形便が尿によって液状化されて漏れリスクが高まるとの観点から、一旦推定した漏れリスクを高めるように補正することができる。
【0085】
また、例えば、情報処理装置100は、排泄検知された時点での着用者T1の精神状態が不安定である場合には、排泄物の状態に基づき推定した漏れリスクを高めるように補正することができる。
【0086】
また、例えば、情報処理装置100は、排泄検知された時点での着用者T1の体動の激しさの程度に応じて、排泄物の状態に基づき推定した漏れリスクを高めるように補正することができる。同様に、情報処理装置100は、排泄検知された時点での着用者T1の姿勢の安定度に応じて、排泄物の状態に基づき推定した漏れリスクを高めるように補正することができる。
【0087】
また、情報処理装置100は、上記のように推定した漏れリスクを緊急度と定めてもよし、漏れリスクを正規化した値を緊急度と定めてもよい。
【0088】
説明を戻し、次に、情報処理装置100は、ステップS15で推定した緊急度に基づき、介護スケジュールおよび即交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する(ステップS16)。換言すると、情報処理装置100は、着用者T1が排泄したと判定した今回において、介護士H1は現状のまま介護スケジュールに応じて業務遂行していてよいのか、あるいは、介護スケジュールよりも今すぐのオムツ交換を優先すべきなのかを判定する。
【0089】
そして、情報処理装置100は、決定した優先順位(決定結果)に基づいて、オムツPD1の交換に関する内容を通知する(ステップS17)。
【0090】
例えば、情報処理装置100は、決定結果が、即交換に対する優先順位がより高いことを示す場合には、即交換の必要性が高いことを介護士H1に通知する。
【0091】
一方、情報処理装置100は、決定結果が、介護スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、着用者T1の排泄状況または着用者T1の状態に基づき介護スケジュールで定められる交換タイミングでの交換(すなわち定時交換)でよいか否かを判定し、判定結果を介護士H1に通知する。また、情報処理装置100は、交換タイミングが近づいた際には、このときの着用者T1の排泄状況または着用者T1の状態に基づき、交換タイミングでの交換の必要性を判定し、判定結果を介護士H1に通知することもできる。
【0092】
これまで図1で説明してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、排泄情報に基づき着用者が排泄したと判定された場合には、排泄物の状態と、着用者の介護現場での状態とに基づいて、吸収性物品の交換に求められる緊急度を推定する。そして、情報処理装置100は、着用者を介護する介護者に対して予め定められた介護スケジュールと、緊急度とに基づいて、介護スケジュール、および、吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する。また、情報処理装置100は、決定結果に応じて、着用者が排泄した現時点において、何を優先すべきか(介護スケジュール通りでよいのか、あるいは、介護スケジュールよりも即交換を優先すべきなのか)が示された内容を介護者に通知する。
【0093】
このような情報処理装置100によれば、介護者が適切に介護業務を遂行できるような通知を実現することができるため、介護者を効果的にサポートすることができるようになる。
【0094】
〔5.情報処理装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0095】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10や施設装置60との間で情報の送受信を行う。
【0096】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、排泄情報データベース121と、介護情報データベース122と、スケジュール情報データベース123とを有する。
【0097】
(排泄情報データベース121)
排泄情報データベース121は、吸収性物品への排泄に関する情報を記憶する。ここで、図3に実施形態に係る排泄情報データベース121の一例を示す。図3の例では、排泄情報データベース121は、「施設ID」、「着用者ID」と、「着用製品情報」と、「センサ情報」といった項目を有する。また、「センサ情報」は、吸収性物品に取り付けられる第1センサにより検知された各種情報の履歴であり、「日時」、「排泄検知結果」、「排泄状態情報」といった項目が含まれる。
【0098】
「施設ID」は、介護施設を識別する識別情報を示す。「着用者ID」は、「施設ID」で識別される介護施設に入居している着用者(被介護者)を識別する識別情報を示す。「着用製品情報」は、「着用者ID」が示す着用者が着用している吸収性物品(オムツ)がどのような製品であるかを示す情報である。したがって、「着用製品情報」には、ブランド名、製品名、商品識別番号、仕様情報等が含まれてよい。
【0099】
「日時」は、排泄検知が行われた日時に関する情報である。「排泄検知結果」は、排泄が行われたか否かを示す情報であってよく、排泄が行われた場合には、排泄物の種別が対応付けられてよい。「排泄状態情報」は、吸収性物品に排泄された排泄物の状態を示す情報である。
【0100】
すなわち、図3の例では、施設ID「FA1」が示す介護施設(施設FA1)には、着用者ID「T1」が示す着用者(着用者T1)が入居しており、また、着用者T1は、「製品情報♯1」で特定される吸収性物品を日ごろ着用している例が示される。
【0101】
また、図3の例では、着用者T1が着用する吸収性物品に取り付けられる第1センサによって、「2021年2月1日午前11時」において着用者T1が「排便」したことが検知され、また、排出されたこの便の状態が「排泄物状態♯11」であった例を示す。
【0102】
なお、図3の例では「♯」を用いて一部の情報を概念表記しているが、実際には、対応する項目に応じた正当な情報が登録される。
【0103】
(介護情報データベース122)
介護情報データベース122は、着用者の介護現場での状態を示す情報(例えば、精神的状態を示す精神情報、身体的状態を示す身体情報等)を記憶する。ここで、図4に実施形態に係る介護情報データベース122の一例を示す。図4の例では、介護情報データベース122は、「施設ID」、「着用者ID」と、「性格」と、「飲食履歴」、「投与履歴」、「睡眠履歴」、「体動履歴」、「姿勢履歴」といった項目を有する。
【0104】
「施設ID」は、介護施設を識別する識別情報を示す。「着用者ID」は、「施設ID」で識別される介護施設に入居している着用者(被介護者)を識別する識別情報を示す。「性格」は、「着用者ID」が示す着用者の性格に関する情報を示す。例えば、「性格」は、着用者T1の施設FA1での性格の傾向を示す。
【0105】
「飲食履歴」は、「着用者ID」が示す着用者が、いつ、なにを、どれだけの量を飲食したかを示す履歴情報である。「投与履歴」は、「着用者ID」が示す着用者が、いつ、どのような下剤を、どれだけの量を投与されたかを示す履歴情報である。「睡眠履歴」は、「着用者ID」が示す着用者が、入眠した時刻、起床した時刻を示す履歴情報である。
【0106】
「体動履歴」は、「着用者ID」が示す着用者の体動(例えば、ベッド上での体動)の経時変化を示す履歴情報である。また、「体動履歴」には、そのときの体動の激しさの度合いがさらに対応付けられてもよい。「姿勢履歴」は、「着用者ID」が示す着用者の姿勢(例えば、ベッド上での姿勢)の経時変化を示す履歴情報である。「姿勢履歴」には、そのときの姿勢の安定度がさらに対応付けられてもよい。
【0107】
すなわち、図4の例では、着用者T1は、施設FA1では「性格♯1」であることが多く、また、「飲食履歴♯11」が示す内容で飲食しており、「投与履歴♯11」が示す内容で下剤投与されており、「睡眠履歴♯11」のような睡眠状況にあり、「体動履歴♯11」のように動いており、「姿勢履歴♯11」のように姿勢を変化させている例を示す。
【0108】
なお、図4の例では「♯」を用いて一部の情報を概念表記しているが、実際には、対応する項目に応じた正当な情報が登録される。
【0109】
(スケジュール情報データベース123について)
スケジュール情報データベース123は、介護者のスケジュールに関する情報を記憶する。ここで、図5に実施形態に係るスケジュール情報データベース123の一例を示す。図5の例では、スケジュール情報データベース123は、「施設ID」、「介護者ID」と、「スケジュール情報」と、「着用者ID」といった項目を有する。
【0110】
「施設ID」は、介護施設を識別する識別情報を示す。「介護者ID」は、「施設ID」が示す介護施設で介護業務に従事している介護士を識別する識別情報を示す。「スケジュール情報」は、「介護者ID」が示す介護士の介護スケジュールを示す。「着用者ID」は、対応する「介護者ID」が示す介護者による介護を受けている着用者を識別する情報を示す。
【0111】
すなわち、図5の例では、介護者ID「H1」が示す介護士(介護士H1)の施設FA1での介護スケジュールは「介護スケジュール♯1」であり、「介護スケジュール♯1」に従って、着用者T1およびT3の介護を担当している例を示す。
【0112】
なお、図5の例では「♯」を用いて一部の情報を概念表記しているが、実際には、対応する項目に応じた正当な情報が登録される。
【0113】
(制御部130について)
図2に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、決定プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0114】
図2に示すように、制御部130は、第1取得部131と、第2取得部132と、推定部133と、決定部134と、判定部135と、通知部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0115】
(第1取得部131について)
第1取得部131は、吸収性物品を着用する着用者による吸収性物品への排泄状況を示す排泄情報を取得する。例えば、第1取得部131は、排泄情報として、着用者による吸収性物品への排泄状況が所定のセンサにより検知された検知結果を取得する。例えば、第1取得部131は、着用者により排尿および排便のうちいずれの排泄行為が行われたかが所定のセンサにより検知されたことによる検知結果を取得する。図1の例では、第1取得部131は、着用者T1により排尿および排便のうちいずれの排泄行為が行われたかがオムツセンサSC1により検知されたことによる排泄検知結果を取得している。
【0116】
また、第1取得部131は、吸収性物品に排泄された排泄物の状態を示す排泄状態情報をさらに取得してよい。また、排泄物の状態とは、吸収性物品に排泄された排泄物の種別、吸収性物品に排泄された排泄物の量、吸収性物品に排泄された回数、吸収性物品内における現在の排尿と排便との関係性のうち、少なくともいずれか1つであってよい。加えて、排泄状態情報は、排泄検知を行うセンサから取得される排泄情報に含まれていてもよいし、排泄情報に基づき情報処理装置100が推定してもよい。
【0117】
(第2取得部132について)
第2取得部132は、着用者に対する介護状況を示す介護情報を取得する。介護情報には、着用者の介護現場での状態を示す情報が含まれていてよい。また、着用者の介護現場での状態とは、例えば、着用者の性格、着用者が摂取した飲食物の内容、着用者に投与された下剤の投与量、着用者の睡眠状況、着用者の体動状況のうち、少なくともいずれか1つであってよい。図1の例では、第2取得部132は、着用者T2に対応する介護情報を施設装置60から取得している。また、第2取得部132は、スケジュール情報も取得してよい。
【0118】
(推定部133について)
推定部133は、排泄状態情報が示す排泄物の状態と、介護情報が示す着用者の介護現場での状態とに基づいて、吸収性物品の交換に求められる緊急度を推定する。
【0119】
例えば、推定部133は、排泄状態情報が示す排泄物の状態と、介護情報が示す着用者の精神的状態および身体的状態とに基づいて、吸収性物品の交換に求められる緊急度を推定する。例えば、推定部133は、排泄状態情報が示す排泄物の状態と、介護情報が示す着用者の精神的状態および身体的状態とに基づいて、吸収性物品から排泄物が漏れ出すリスクであり漏れリスクを推定する。そして、推定部133は、この漏れリスクに基づき緊急度を推定することができる。
【0120】
例えば、推定部133は、排泄物が便である場合には、便の量に応じて漏れリスクを推定する。一例として、推定部133は、は、便の量が多い程より高い漏れリスクを推定することができる。また、推定部133は、排泄物が便である場合には、便の状態(固形便、軟便、水様便等)に応じて漏れリスクを推定する。一例として、推定部133は、便の状態が柔らかい程より高い漏れリスクを推定することができる。
【0121】
また、例えば、推定部133は、排泄物が尿である場合には、吸収性物品が尿を吸収可能な残りの量に応じて漏れリスクを推定する。一例として、推定部133は、吸収可能な残りの量がより少ない程高い漏れリスクを推定することができる。また、推定部133は、今回の排尿により吸収性物品の吸収キャパシティがオーバーしてしまったと判定できる場合にはさらにより高い漏れリスクを推定することができる。
【0122】
また、例えば、推定部133は、吸収性物品内における現在の排尿と排便との関係性に応じて漏れリスクを推定する。例えば、推定部133は、吸収性物品に対する排尿と排便の排出順や、吸収性物品に排尿されたタイミングと排便されたタイミングとの時間差に基づいて、漏れリスクを推定する。
【0123】
また、例えば、推定部133は、排泄検知された時点での着用者の精神状態に基づいて、漏れリスクを推定してもよい。
【0124】
また、例えば、推定部133は、排泄検知された時点での着用者の体動や、姿勢に基づいて、漏れリスクを推定してもよい。
【0125】
(決定部134について)
決定部134は、着用者に対する介護状況を示す介護情報と、排泄情報とに基づいて、吸収性物品の交換態様を決定する。例えば、決定部134は、排泄情報に基づき着用者が排泄したと判定された場合には、介護情報に基づいて、当該着用者が着用する吸収性物品の交換態様を決定する。具体的には、決定部134は、吸収性物品に排泄された排泄物の状態を示す排泄状態情報と、介護情報とに基づいて、吸収性物品の交換態様を決定する。より具体的には、決定部134は、排泄状態情報と介護情報とに基づき推定部133により推定された緊急度に基づいて、吸収性物品の交換態様を決定する。
【0126】
ここで、吸収性物品の交換態様とは、具体的には、吸収性物品の交換に関する優先順位である。すなわち、決定部134は、着用者について推定された緊急度と、当該着用者とは異なる他の利用者に関する情報とに基づいて、交換態様として、当該着用者が着用する吸収性物品の交換に関する優先順位を決定する。具体的には、決定部134は、他の利用者に関する情報として、着用者を介護する介護者に対して予め定められたスケジュールと、緊急度とに基づいて、スケジュール、および、吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換(即交換)の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する。
【0127】
図1の例では、説明を簡単にするため介護者と着用者とが1対1の関係にある場合に、決定部134が優先順位を決定する例を示した。具体的には、図1では、介護士H1が1人の着用者T1のみを介護していると仮定し、係る場合に、決定部134が、着用者T1について推定された緊急度に基づき、介護士H1の介護スケジュール、および、排泄検知された時点での即交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する例を示した。
【0128】
しかしながら、実際の介護現場では、1つの介護施設に複数の介護士が勤務しており、さらに各介護士は、複数の着用者の介護を行っていることがほとんどである。したがって、決定部134は、介護者ごとのスケジュールと、当該介護者により介護される対象となっている着用者ごとの緊急度に基づいて、介護者ごとに、当該介護者のスケジュール、および、当該介護者に対応する着用者が着用する吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する。
【0129】
(判定部135について)
判定部135は、決定部134により決定された決定結果に基づいて、吸収性物品の交換を行う最適なタイミングを判定する。例えば、判定部135は、決定部134により決定された決定結果が、介護スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、着用者の排泄状況または着用者の状態に基づき、介護スケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換でよいか否かを判定する。より具体的には、判定部135は、決定結果が、介護スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、着用者の排泄状況または着用者の状態に基づき、介護スケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換でよいか、あるいは、この交換タイミングよりも早いタイミングで交換すべきなのかを判定する。
【0130】
また、判定部135は、着用者の排泄状況または着用者の状態に基づき、介護スケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換の必要性を判定してもよい。例えば、判定部135は、交換タイミングが近づいた際には、このときの着用者の排泄状況または着用者の状態に基づき、交換タイミングでの交換の必要性を判定する。
【0131】
なお、ここでいう着用者の排泄状況とは、例えば、排泄物状態情報が示す排泄物の状態であってよい。また、ここでいう着用者の状態とは、介護情報が示す介護現場での状態であってよい。より具体的には、着用者の状態とは、着用者の精神状態や身体的状態であってよい。また、判定部135によって行われる上記判定処理は、通知部136によって行われてもよい。
【0132】
(通知部136について)
通知部136は、決定部134により決定された優先順位に基づいて、着用者を介護する介護者に対して、吸収性物品の交換に関する通知を行う。
【0133】
通知部136は、決定部134により決定された決定結果が、即時的な交換に対する優先順位がより高いことを示す場合には、即時的な交換の必要性が高いことを通知する。
【0134】
一方、通知部136は、決定部134により決定された決定結果が、スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、スケジュール優先でよい旨を示す通知を行う。
【0135】
また、通知部136は、決定部134により決定された決定結果が、スケジュールに対する優先順位がより高いことを示す場合には、着用者の排泄状況または着用者の状態に基づきスケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換でよいか否かを判定し、判定結果を介護者に通知する。また、通知部136は、着用者の排泄状況または着用者の状態に基づきスケジュールで定められる吸収性物品の交換タイミングでの交換の必要性を判定し、判定結果を介護者に通知する。
【0136】
〔6.通知の一例〕
次に、図6を用いて、決定部134により決定された優先順位に基づく吸収性物品の交換に関する通知の一例について説明する。図6は、実施形態に係る通知の一態様を示す図である。
【0137】
図6では、判定部135による判定結果に応じて通知される内容をパターンごとに説明する。具体的には、図6(a)~図6(d)において各パターンでの通知内容の一例を説明する。また、図6の例は、図1に対応し、着用者T1を介護する介護士H1に通知がなされる例を示す。
【0138】
また、図6には、介護士H1の介護スケジュールとして介護スケジュールSKH1が示される。介護スケジュールSKH1によれば、介護士H1は、11時台および15時台にオムツPD1を交換するよう交換タイミングが予め定められている。すなわち、介護スケジュールSKH1では、11時台および15時台が介護士H1による定時交換として定められている。
【0139】
また、図6(a)~図6(d)の例では、緊急度の範囲は「0」~「8」であり、そのうち緊急度「4」が閾値として設定されている例を示す。係る例によれば、決定部134は、推定部133が緊急度「4」以上を推定した場合には、介護スケジュールSKH1、および、オムツPD1への排泄が検知された現時点での即交換の間において、即交換を優先すべきとの優先順位を決定する。一方、推定部133が緊急度「4」未満を推定した場合には、決定部134は、介護スケジュールSKH1、および、オムツPD1への排泄が検知された現時点での即交換の間において、介護スケジュールSKH1が示す介護業務を優先させてよいとの優先順位を決定する。
【0140】
図6(a)について)
まず、図6(a)について説明する。図6(a)には、決定部134が、介護スケジュールSKH1、および、オムツPD1への排泄が検知された現時点での即交換の間において、即交換を優先すべきとの優先順位を決定した場合の例が示される。具体的には、図6(a)の例によれば、着用者T1が午前10時に排便したことが検知されたことに応じて、推定部133が緊急度「5」を推定した例が示される。また、決定部134は、緊急度「5」と推定されたことに応じて、介護スケジュールSKH1よりも午前10時現在での即交換を優先すべきとの優先順位を決定している。
【0141】
係る例では、通知部136は、図6(a)に示すように、「排便検知!漏れ出すリスクが高いため急ぎ交換しましょう。」といった内容を端末装置10に表示制御させることで、これを介護士H1に通知する。
【0142】
図6(b)について)
次に、図6(b)について説明する。図6(b)には、決定部134が、介護スケジュールSKH1、および、オムツPD1への排泄が検知された現時点での即交換の間において、介護スケジュールSKH1が示す介護業務を優先させてよいとの優先順位を決定した場合の例が示される。具体的には、図6(b)の例によれば、着用者T1が午前10時に排便したことが検知されたことに応じて、推定部133が緊急度「2」を推定した例が示される。また、決定部134は、緊急度「2」と推定されたことに応じて、介護スケジュールSKH1が示す介護業務を優先させてよいとの優先順位を決定している。
【0143】
係る例では、通知部136は、図6(b)に示すように、「排便検知!ですが、まだ交換不要です。スケジュールを優先して大丈夫です。」といった内容を端末装置10に表示制御させることで、これを介護士H1に通知する。
【0144】
ここで、図6(b)のような通知が行われた場合、介護士H1は、現時点では急ぎ交換する必要はなく、自身の介護スケジュールSKH1通り業務遂行していてよいことを認識することができる。一方で、介護士H1は、定時交換での必要性も知りたいと考える場合がある。図6(b)の例によれば、介護士H1は、介護スケジュールSKH1で定められた交換タイミング「11時台」での交換の必要性も知りたいと考える場合がある。このようなニーズに合わせて、判定部135は、「11時台」でオムツPD1を交換することの必要性を判定することができる。この点について、図6(c)の例1を用いて説明する。図6(c)には、図6(b)と同様の例が示される。
【0145】
図6(c)例1について)
図6(c)の例1によれば、判定部135は、10時での排便についてすぐに漏れ出すリスクは低いと推定されても、オムツPD1に排便された状態が続くことは衛生上よくないとの観点から「11時台」での定時交換は必要であると判定することができる。また、このように判定された場合、通知部136は、図6(c)に示すように、「排便検知!スケジュールを優先して大丈夫です。ただし、11時台の定時交換はしっかり行いましょう。」といった内容を端末装置10に表示制御させることで、これを介護士H1に通知する。
【0146】
また、定時交換の「11時台」が近づいた際に、この時点での交換の必要性についてより確かな情報を通知することができれば、介護士H1の負担を軽減させることができる。したがって、判定部135は、定時交換の「11時台」が近づいた際には、このときの着用者T1の排泄状況または着用者T1の状態に基づき、「11時台」での交換についてより確かな必要性を判定してよい。
【0147】
例えば、判定部135は、着用者T1の身体情報に基づき着用者T1が睡眠中であることを認識できた場合には、「11時台」でのオムツPD1の交換は不要であると判定することができる。また、このように判定された場合、かつ、「11時台」が近づいた時点での緊急度が未だ閾値未満(図6(c)の例では緊急度「3.5」)である場合には、通知部136は、図6(c)に示すように、「定時交換が近づきました。ですが○○さん寝ています。11時台での交換は不要です。」といった内容を端末装置10に表示制御させることで、これを介護士H1に通知する。
【0148】
図6(c)例2について)
また、図6(c)の他の例である例2について説明する。図6(c)の例2には、決定部134が、介護スケジュールSKH1、および、オムツPD1への排泄が検知された現時点での即交換の間において、介護スケジュールSKH1が示す介護業務を優先させてよいとの優先順位を決定した場合の例が示される。具体的には、図6(c)の例2によれば、着用者T1が午前10時に排尿したことが検知されたことに応じて、推定部133が緊急度「2」を推定したものとする。また、決定部134は、緊急度「2」と推定されたことに応じて、介護スケジュールSKH1が示す介護業務を優先させてよいとの優先順位を決定している。
【0149】
係る例では、通知部136は、図6(c)に示すように、「排尿検知!ですが、まだ交換不要です。スケジュールを優先して大丈夫です。」といった内容を端末装置10に表示制御させることで、これを介護士H1に通知する。
【0150】
また、判定部135は、定時交換の「11時台」が近づいた際には、このときの着用者T1の排泄状況または着用者T1の状態に基づき、「11時台」での交換についてより確かな必要性を判定してよい。
【0151】
例えば、判定部135は、着用者T1の排泄物状態情報に基づき、現時点でオムツPD1には排便されておらず、さらにオムツPD1は残り数回分の尿を吸収可能であること認識できたとする。また、「11時台」が近づいた現時点での緊急度が未だ閾値未満(図6(c)の例では緊急度「3.5」)であったとする。係る場合には、通知部136は、図6(c)に示すように、「定時交換が近づきました。ですが、オムツにはまだ吸収に余裕があります。11時台での交換は不要です。」といった内容を端末装置10に表示制御させることで、これを介護士H1に通知する。
【0152】
図6(d)について)
次に、図6(d)について説明する。図6(d)には、決定部134が、介護スケジュールSKH1、および、オムツPD1への排泄が検知された現時点での即交換の間において、介護スケジュールSKH1が示す介護業務を優先させてよいとの優先順位を決定した場合の例が示される。具体的には、図6(d)の例によれば、着用者T1が12時に排便したことが検知されたことに応じて、推定部133が緊急度「2」を推定した例が示される。また、決定部134は、緊急度「2」と推定されたことに応じて、介護スケジュールSKH1が示す介護業務を優先させてよいとの優先順位を決定している。
【0153】
係る例では、介護士H1は、通知部136からの通知によって、現時点では急ぎ交換する必要はなく、自身の介護スケジュールSKH1通り業務遂行していてよいことを認識することができる。一方で、介護士H1は、スケジュール通り進めて次の定時交換に交換するだけでよいのか、あるいは、次の定時交換になるまでのどこかのタイミングで交換すべきなのかまで知りたいと考える場合がある。このようなニーズに合わせて、判定部135は、介護スケジュールSKH1で定められる次の定時交換である「15時台」での交換でよいか否かを判定することができる。
【0154】
例えば、判定部135は、現在の緊急度「2」が次の定時交換である「15時台」に向けてどのように変化するかを予測し、予測結果に基づき「15時台」での交換でよいのか、あるいは、「15時台」に突入するまでのどこかのタイミングで交換すべきなのかを判定する。
【0155】
例えば、判定部135は、着用者T1の排泄状況または着用者T1の状態に基づき、緊急度「2」が次の定時交換である「15時台」に向けてどのように変化するか予測することで、予測緊急度の推移曲線K1を生成する。そして、判定部135は、生成した推移曲線K1に基づき、「15時台」での交換でよいのか、あるいは、「15時台」に突入するまでのどこかのタイミングで交換すべきなのかを判定する。図6(d)に示す推移曲線K1の例によれば、緊急度は「13時」の時点で閾値を超えると予測されている。係る例では、判定部135は、「15時台」での交換ではダメで、「13時頃」には交換すべきと判定する。このように判定された場合、通知部136は、図6(d)に示すように、「排便検知!今のところスケジュールを優先して大丈夫です。ただし、定時ではなく13時頃の交換を優先しましょう。」といった内容を端末装置10に表示制御させることで、これを介護士H1に通知する。
【0156】
〔7.処理手順〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。図7では、着用者T1を一例として用いて説明する。
【0157】
まず、第1取得部131は、着用者T1による吸収性物品への排泄状況が第1センサにより検知された検知結果を含む排泄情報を取得する(ステップS101)。
【0158】
次に、第1取得部131は、排泄情報に基づき着用者T1が吸収性物品に排泄したか否かを判定する(ステップS102)。例えば、第1取得部131は、排泄情報に含まれる排泄検知結果に基づき着用者が吸収性物品に排泄したか否かを判定する。
【0159】
第1取得部131は、着用者T1が吸収性物品に排泄していない場合には(ステップS102;No)、排泄したと判定できるまで待機する。一方、第1取得部131は、着用者T1が吸収性物品に排泄した場合には(ステップS102;Yes)、排泄された排泄物の状態を示す排泄物状態情報を取得する(ステップS103)。
【0160】
また、第2取得部132は、着用者T1に対する介護状況を示す介護情報や、着用者T1を介護する介護者のスケジュール情報を取得する(ステップS104)。
【0161】
次に、推定部133は、排泄状態情報が示す排泄物の状態、および、介護情報が示す着用者の状態に基づき、吸収性物品から排泄物が漏れ出すリスクであり漏れリスクを推定する(ステップS105)。また、推定部133は、漏れリスクから吸収性物品の交換に求められる緊急度を推定する(ステップS106)。
【0162】
次に、決定部134は、推定された緊急度に基づき、スケジュール情報が示す介護スケジュール、および、即交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する(ステップS107)。また、通知部136は、決定された優先順位に基づいて、吸収性物品の交換に関する内容を通知する(ステップS108)。
【0163】
〔8.変形例〕
上述した情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0164】
〔8-1.着用者間での優先順位〕
上記実施形態では、情報処理装置100が、着用者について推定された緊急度と、当該着用者とは異なる他の利用者に関する情報とに基づき、着用者が着用する吸収性物品の交換に関する優先順位を決定する処理の一例として、着用者について推定された緊急度と、着用者を介護する介護者に対して予め定められたスケジュールとに基づき、スケジュール、および、吸収性物品への排泄が検知された時点での即時的な交換の間において、いずれを優先させるか優先順位を決定する例を示した。
【0165】
しかし、決定部134は、排泄情報に基づき着用者のうち複数の着用者が所定期間内に排泄したと判定された場合には、所定期間内に排泄したと判定された各着用者について推定された緊急度に基づいて、複数の着用者間における吸収性物品の交換の優先順位を決定してもよい。また、係る場合、通知部136は、決定部134により決定された優先順位が示す順に複数の着用者それぞれが着用する吸収性物品を交換するよう提案する提案情報を介護者に通知する。この点について、図8を用いて説明する。図8は、変形例に係る情報処理の一例を示す図である。
【0166】
図8の例は、図1に対応するが、着用者T1の他にさらに着用者T3が例示されている。着用者T1、T3は、施設FA1においてともに介護士H1からの介護を受けている。また、施設FA1には、着用者T1、T3以外にも多数の着用者が存在してよい。また、図8の例によれば、着用者T1が着用するオムツにはオムツセンサSC1が取り付けられ、着用者T3が着用するオムツにはオムツセンサSC3が取り付けられている。
【0167】
このような状態では、第1取得部131は、施設FA1にいる各着用者の排泄情報を取得する(ステップS801)。また、第1取得部131は、取得した排泄情報に基づき、所定期間内に排泄した着用者が複数存在するか否かを判定する(ステップS802)。
【0168】
例えば、第1取得部131は、着用者T1の排泄情報に基づき着用者T1が排泄したと判定し、また、着用者T1が排泄したと判定してから10秒以内に着用者T3の排泄情報に基づき着用者T3も排泄したと判定したとする。係る場合には、第1取得部131は、所定期間内に排泄した着用者が複数存在すると判定する(ステップS802;Yes)。
【0169】
また、第2取得部132は、所定期間内に排泄した着用者が複数存在すると判定された場合には(ステップS802;Yes)、判定対象の各着用者の排泄状態情報を取得する(ステップS803)。上記例によれば、第2取得部132は、着用者T1およびT3それぞれの排泄状態情報を取得する。
【0170】
また、第2取得部132は、着用者T1に対する介護状況を示す介護情報、着用者T3に対する介護状況を示す介護情報それぞれ取得するとともに、介護士H1のスケジュール情報を取得する(ステップS804)。
【0171】
次に、推定部133は、着用者ごとに、当該着用者の排泄状態情報および介護情報に基づき、吸収性物品から排泄物が漏れ出すリスクであり漏れリスクを推定する(ステップS805)。また、推定部133は、着用者ごとに、当該着用者の漏れリスクから吸収性物品の交換に求められる緊急度を推定する(ステップS806)。
【0172】
次に、決定部134は、推定された緊急度に基づき、着用者T1およびT3の間で記吸収性物品の交換の優先順位を決定する(ステップS807)。また、通知部136は、決定された優先順位が示す順に着用者T1およびT3それぞれが着用する吸収性物品を交換するよう提案する提案情報を介護士H1に通知する(ステップS808)。
【0173】
〔8-2.改善策通知〕
上記の通り、介護者は、なるべく介護スケジュール通りに業務遂行したいと考える。したがって、情報処理装置100は、介護スケジュール通りに業務が進むよう改善策を通知してもよい。
【0174】
具体的には、決定部134は、これまでに決定された優先順位の履歴情報に基づき、スケジュールが示す交換タイミング(定時交換)で吸収性物品の交換が行われていない傾向にあるか否かを判定する。そして、決定部134は、スケジュールが示す交換タイミングで吸収性物品の交換が行われていない傾向にあると判定された場合には、交換タイミングでの交換を実現し得る対応策を、着用者に関する情報に基づき決定する。
【0175】
例えば、決定部134は、着用者の食事内容、下剤内容、現在使われている吸収性物品の仕様等に基づいて、交換タイミングでの交換を実現し得る対応策を決定することができる。一例を示すと、決定部134は、尿や便をもよおすリズムが食事や下剤の影響を受けて崩れてしまっている結果、交換タイミングでの交換ができていない場合には、リズムよい排泄行為ができるような食事内容や下剤内容を対応策として決定することができる。また、決定部134は、便漏れが原因で交換タイミングでの交換ができていない場合には、便漏れを抑制する効果のある厚みの吸収性物品を使用することを応策として決定することができる。
【0176】
また、通知部136は、決定された対応策に従って着用者を介護するよう提案する提案情報を記介護者に通知することができる。
【0177】
〔8-3.交換方法通知〕
また、通知部136は、着用者が着用する吸収性物品に紐付けられる交換方法の候補の中から、着用者を介護する介護者の介護実績(例えば、介護者の介護歴やスキル等)に応じた交換方法を特定し、特定した交換方法で吸収性物品を交換するよう提案する提案情報を介護者に通知してもよい。
【0178】
例えば、通知部136は、介護者の経験が浅い程、あるいは、介護者のスキルが低い程、交換方法がより詳細に説明されたコンテンツを介護者に通知することができる。また、通知部136は、介護者が使用する言語で交換方法が示されたコンテンツを介護者に通知してもよい。また、通知部136は、交換方法が示されるコンテンツが交換手順に応じて仮想的に端末装置10に表示されるよう表示制御することで、交換方法を通知してもよい。
【0179】
また、通知部136は、端末装置10によって着用者が撮像された撮像画像を取得し、取得した撮像画像を解析することで交換の難易度を算出し、算出した難易度に応じたスキルを有する介護者を選定してもよい。
【0180】
〔9.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0181】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
【0182】
〔10.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0183】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0184】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0185】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0186】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0187】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現することとなる。
【0188】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。
【符号の説明】
【0189】
10 端末装置
100 情報処理装置
120 記憶部
121 排泄情報データベース
122 介護情報データベース
123 スケジュール情報データベース
130 制御部
131 第1取得部
132 第2取得部
133 推定部
134 決定部
135 判定部
136 通知部
Sy 決定システム
SC1 オムツセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9