(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141130
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】撮像ユニットおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/369 20110101AFI20220921BHJP
【FI】
H04N5/369
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041298
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有馬 洋文
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐二
(72)【発明者】
【氏名】伊東 譲
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CY16
5C024EX21
5C024HX35
5C024HX46
(57)【要約】 (修正有)
【課題】小型化・薄型化を実現する撮像ユニット及び撮像装置を提供する。
【解決手段】カメラの撮像ユニット40は、被写体を撮像する撮像チップ100と、第1主面111及び第2主面112を有し、第1主面上に撮像チップが実装され、第2主面上に、外部の装置に接続されるための第1コネクタ181及び第2コネクタ183が実装された実装基板120と、を備える。撮像チップは、画像を伝送するための伝送回路を含む。第1コネクタは、第2主面上において、第1主面上の伝送回路に対向する位置に配置され、伝送回路から画像信号を伝送される。実装基板は、第2主面上に、撮像チップの電源用のバイパスコンデンサ群185が環状に実装される。第1コネクタ181は、環状のバイパスコンデンサ群185よりも内側に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像チップと、
第1主面および第2主面を有し、前記第1主面上に前記撮像チップが実装され、前記第2主面上に、外部の装置に接続されるための第1コネクタおよび第2コネクタが実装された実装基板と
を備える撮像ユニット。
【請求項2】
前記撮像チップは、画像信号を伝送するための伝送回路を含み、
前記第1コネクタは、前記第2主面上において、前記第1主面上の前記伝送回路に対向する位置に配置され、前記伝送回路から画像信号を伝送される、
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項3】
前記実装基板は、前記第2主面上に、前記撮像チップの電源用のバイパスコンデンサ群が環状に実装され、
前記第1コネクタは、環状の前記バイパスコンデンサ群よりも内側に配置される、
請求項2に記載の撮像ユニット。
【請求項4】
前記第1コネクタは、前記実装基板の前記第2主面上の一端側に配置され、
前記第2コネクタは、前記実装基板の前記第2主面上において、前記一端の反対側に配置される、
請求項2または3に記載の撮像ユニット。
【請求項5】
前記第2コネクタは、前記実装基板の中心に対して、前記第1コネクタとは点対称の位置に配置される、
請求項2または3に記載の撮像ユニット。
【請求項6】
前記第1コネクタは、外部の画像処理装置に画像信号を伝送すべく、第1フレキシブル基板が接続される、
請求項2から5のいずれか一項に記載の撮像ユニット。
【請求項7】
前記第1フレキシブル基板は、マイクロストリップ配線またはストリップ配線であり、特性インピーダンスを整合させた状態を維持したまま信号線の幅を太くして信号損失を抑止するべく、グランド線がメッシュ構造である、
請求項6に記載の撮像ユニット。
【請求項8】
前記第1フレキシブル基板はコプレナー配線である、
請求項6に記載の撮像ユニット。
【請求項9】
前記第1コネクタに伝送される画像信号は、1GHz以上で伝送される画像信号を含む、
請求項2から8のいずれか一項に記載の撮像ユニット。
【請求項10】
前記第2コネクタは、前記撮像チップに電流を供給すべく、第2フレキシブル基板が接続される、
請求項2から9のいずれか一項に記載の撮像ユニット。
【請求項11】
前記第2コネクタには前記伝送回路から画像信号は伝送されない、
請求項10に記載の撮像ユニット。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の撮像ユニットを備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像ユニットおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像素子と撮像素子が搭載されるパッケージを備える撮像装置が知られている。従来より撮像装置の小型化・薄型化が求められている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2010-103456
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、被写体を撮像する撮像チップと、第1主面および第2主面を有し、第1主面上に撮像チップが実装され、第2主面上に、外部の装置に接続されるための第1コネクタおよび第2コネクタが実装された実装基板とを備える撮像ユニットを提供する。
【0004】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】一実施形態による、撮像装置の一例であるカメラ10の模式断面図である。
【
図2】一実施形態による、撮像ユニット40を模式的に示す上面図である。
【
図3】
図2のA-A断面を模式的に示す断面図である。
【
図4】一実施形態による、撮像ユニット40を模式的に示す下面図である。
【
図5】一実施形態による、撮像ユニット40が第1フレキシブル基板250および第2フレキシブル基板260を介してASIC52および電源ユニット53に接続された状態を模式的に示す下面図である。
【
図6】
図5に示す領域(A)の模式的な拡大図である。
【
図7】一実施形態による、撮像ユニット41が第1フレキシブル基板250および第2フレキシブル基板260を介してASIC52および電源ユニット53に接続された状態を模式的に示す下面図である。
【
図8】一実施形態による、撮像ユニット42が第1フレキシブル基板257および第2フレキシブル基板267を介してASIC52および電源ユニット53に接続された状態を模式的に示す下面図である。
【
図9】一実施形態による、第1フレキシブル基板270の一部を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0007】
図1は、一実施形態による、撮像装置の一例であるカメラ10の模式断面図である。カメラ10は、一例として、デジタルコンパクトカメラである。カメラ10は、レンズユニット20およびカメラボディ30を備える。
【0008】
レンズユニット20は、その鏡筒内に光学系を備え、当該光学系により光軸22が規定されている。レンズユニット20は、カメラボディ30に取付けられている。レンズユニット20は、カメラボディ30内に収容されて、使用時に図のように外方へ進出するものであってもよい。
【0009】
レンズユニット20は、入射する被写体光束をカメラボディ30の筐体31内へ導く。なお、
図1に示すレンズユニット20は、単に説明を明確にするために、2枚のレンズと絞りとを含んでいるが、何ら当該構成に限定するものではない。
【0010】
カメラボディ30は、撮像ユニット40と、基板ユニット60と、表示部88とを有する。カメラボディ30は更に、撮像ユニット40と基板ユニット60とを接続する第1フレキシブル基板250および第2フレキシブル基板260を有する。
【0011】
レンズユニット20に入射する被写体光束は、レンズユニット20によって撮像ユニット40に導かれる。撮像ユニット40は、被写体を撮像する撮像チップ100と、第1主面111および第2主面112を有する実装基板120とを備える。本実施形態における撮像ユニット40は更に、フレーム140と、カバーガラス160とを備える。なお、撮像ユニット40は、フレーム140およびカバーガラス160を備えなくてもよい。
【0012】
撮像チップ100は、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサであり、主たる平面の形状が長方形である。撮像チップ100は、実装基板120の第1主面111上に実装される。
【0013】
ここで、本実施形態において、光軸22に沿う方向をz軸方向と定める。すなわち、撮像チップ100の撮像面へ被写体光束が入射する方向をz軸方向と定める。具体的には、被写体光束が入射する方向をz軸マイナス方向と定め、その反対方向をz軸プラス方向と定める。撮像チップ100の長手方向をx軸方向と定める。撮像チップ100の短手方向をy軸方向と定める。具体的には、x軸方向及びy軸方向は、
図1に図示した方向に定められる。x軸、y軸、z軸は右手系の直交座標系である。
【0014】
このように規定した場合、本実施形態における撮像ユニット40、基板ユニット60および表示部88は、z軸マイナス方向に順に配置されている。なお、説明の都合上、z軸プラス方向を前方、前側等と呼ぶ場合がある。また、z軸マイナス方向を後方、後側、等と呼ぶ場合がある。z軸マイナス方向の側を背面側等と呼ぶ場合がある。
【0015】
ここで、撮像ユニットが実装基板の裏面上に1つのコネクタしか実装していない場合、当該コネクタは、撮像チップを駆動およびまたは制御したり、撮像チップから画像を読み出したりするために、電源系、制御系、画像伝送系の多種の用途を割り当てられる必要がある。多種の用途を割り当てられたコネクタに接続されるフレキシブル基板も同様に、多種の用途に対応する必要がある。そのため、例えば大電流を流す用途に特化したフレキシブル基板や、画像信号を高速に伝送する用途に特化したフレキシブル基板を適用することができない。しかしながら、撮像チップの高画素化、高速読み出しに伴い、撮像チップの消費電力は増大していく傾向にある。更に、メモリなどの大規模回路を搭載した積層型の撮像チップが実装される場合、撮像チップの消費電力がより一層増大する。また、多種の用途を割り当てられた1つのコネクタに、多種の用途に対応するフレキシブル基板を複数接続した場合、カメラボディ内の画像処理回路や電源などの配置構成の関係等から、各フレキシブル基板は当該コネクタから異なる方向に延伸するように配置する必要があり、少なくとも何れかのフレキシブル基板を比較的大きくしなければいけない。カメラボディ内には、このようなフレキシブル基板に対して、比較的大きな空間を設ける必要があり、これにより、装置全体が比較的大きく厚いものとなる。
【0016】
これに対して、本実施形態によれば、実装基板120の第2主面112上には、第1コネクタ181および第2コネクタ183が実装される。第1コネクタ181および第2コネクタ183は、撮像ユニット40の外部の装置に接続されるために用いられる。このように、本実施形態の撮像ユニット40は、第1コネクタ181および第2コネクタ183のそれぞれを実装基板120に実装することで、カメラ10の小型化・薄型化に寄与することができる。
【0017】
実装基板120に実装された第1コネクタ181は、第1フレキシブル基板250が接続される。一例として、第1コネクタ181は、第1フレキシブル基板250を介して外部の画像処理装置に画像信号を伝送するために用いられてもよい。換言すると、第1コネクタ181および第1フレキシブル基板250は、画像信号を伝送する用途に特化してもよい。
【0018】
実装基板120に実装された第2コネクタ183は、第2フレキシブル基板260が接続される。一例として、第2コネクタ183は、第2フレキシブル基板260を介して外部の電源装置に接続されて撮像チップ100に電流を供給するために用いられてもよい。換言すると、第2コネクタ183および第2フレキシブル基板260は、撮像チップ100に電流を供給する用途に特化してもよい。
【0019】
なお、撮像ユニット40は3つ以上のコネクタを備えてもよい。換言すると、実装基板120の第2主面112上には3つ以上のコネクタが実装されてもよい。また、3つ以上のコネクタのそれぞれには、個別のフレキシブル基板が接続されてもよい。それぞれのコネクタ及びフレキシブル基板の組は、特定の用途に特化してもよい。また、複数の当該組の用途が互いに部分的に又は全て共通していてもよい。
【0020】
基板ユニット60は、撮像ユニット40のz軸マイナス方向の位置に配置される。基板ユニット60は、基板62と、基板62上に実装されたMPU51、ASIC52および電源ユニット53を含む。なお、基板62上には、追加的に又は代替的に、他の電子回路が実装されてもよい。
【0021】
MPU51は、カメラ10の全体の制御を担う。ASIC52は、撮像チップ100から出力された画像信号を処理する。本実施形態におけるASIC52は、実装基板120、第1コネクタ181および第1フレキシブル基板250を介して、撮像チップ100からの画像信号を受信する。
【0022】
電源ユニット53は、カメラ10に取付けられた電池と、電池に蓄積された電力をカメラ10の各部に供給する電源回路とを含む。本実施形態における電源ユニット53は、第2フレキシブル基板260、第2コネクタ183および実装基板120を介して、撮像チップ100に電流を供給する。なお、電源ユニット53は、外部の装置の一例であってもよい。
【0023】
ASIC52は、撮像チップ100からの画像信号に基づいて、表示用の画像データを生成する。ASIC52は、撮像チップの画像信号に対して例えば画像処理や圧縮処理を施すことで表示用の画像データを生成する。
【0024】
ASIC52が生成した表示用の画像データは、表示部88に出力される。当該画像データは、カメラボディ30に装着された記録媒体に記録されてもよい。当該記録媒体は、カメラボディ30に着脱可能に構成されていてもよい。なお、ASIC52は、外部の画像処理装置の一例であってもよい。
【0025】
表示部88は、基板ユニット60のz軸マイナス方向の位置に配置される。表示部88としては、例えば液晶パネル等を適用できる。表示部88の表示面は、カメラボディ30の背面に現れる。表示部88は、ASIC52が生成した表示用の画像データに基づいて画像を表示する。
【0026】
図2は、一実施形態による、撮像ユニット40を模式的に示す上面図である。
図3は、
図2のA-A断面を模式的に示す断面図である。ただし、
図3においては、実線で示す撮像ユニット40に追加して、ブラケット150、第1フレキシブル基板250および第2フレキシブル基板260を破線で示す。
【0027】
撮像チップ100は、撮像領域101と周辺領域102とを含んで構成される。
図2に示す通り、撮像領域101および周辺領域102は共に、平面視において長方形である。
【0028】
撮像領域101は、撮像チップ100の中央部分に形成される。撮像領域101には、被写体光を光電変換する複数の光電変換素子が2次元に配置され、これにより、撮像チップ100の撮像面が形成されている。各画素は、1つまたは複数の光電変換素子を含んで構成されている。
【0029】
周辺領域102は、撮像領域101の周辺に位置する。周辺領域102は、光電変換素子における光電変換によって得られた画像信号を読み出して信号処理を行う処理回路104を含む。処理回路104は、出力された画像信号をデジタル信号に変換するAD変換回路を含む。また、処理回路104は、画像信号を伝送するための伝送回路105も含む。
【0030】
撮像チップ100は、実装基板120にCOB(Chip On Board)実装されている。撮像チップ100は、接着部210によって実装基板120に固定される。接着部210は、例えば熱硬化性接着剤である。後述する他の接着部も、例えば熱硬化性接着剤である。
【0031】
撮像チップ100は、ボンディングワイヤ110を介して実装基板120と電気的に接続される。撮像チップ100のAD変換回路でデジタル信号に変換された画像信号は、ボンディングワイヤ110を介して実装基板120に出力される。なお、撮像チップ100は、実装基板120にフリップチップ実装されてもよい。
【0032】
実装基板120は、第1層121と、芯層207と、第2層122とを含む。第1層121は、ソルダレジスト層201と、配線層202と、絶縁層203と、配線層204と、絶縁層205とを含む。第2層122は、絶縁層215と、配線層214と、絶縁層213と、配線層212と、ソルダレジスト層211とを含む。実装基板120は、芯層207をコア層として有する多層コア基板である。
【0033】
実装基板120において、z軸マイナス方向に、ソルダレジスト層201、配線層202、絶縁層203、配線層204、絶縁層205、芯層207、絶縁層215、配線層214、絶縁層213、配線層212、ソルダレジスト層211の順で配されている。
【0034】
絶縁層203、絶縁層205、絶縁層215及び絶縁層213は、例えば樹脂層である。絶縁層203等のそれぞれのz軸方向の厚みは、例えば20μm~50μmである。
【0035】
配線層202、配線層204、配線層214及び配線層212は、配線パターンを含む。配線層202等の材料として、ニッケルと鉄の合金(例えば42alloy、56alloy)、銅、アルミニウム等を用いることができる。配線層202等が有する配線パターンそれぞれの厚みは、例えば10μm~50μmである。
【0036】
芯層207は、金属で形成される。芯層207を金属で形成する場合、芯層207の材料として例えばニッケルと鉄の合金(例えば42alloy、56alloy)、銅、アルミニウム等を用いてよい。芯層207の厚みは、配線層202等のいずれの厚みよりも厚い。芯層207の厚みは、絶縁層203等のいずれの厚みよりも厚い。具体的には、芯層207の厚みは、例えば0.1mm~0.8mmである。
【0037】
芯層207の剛性は、配線層202等のいずれの剛性よりも高い。芯層207の剛性は、第1層121の剛性より高くてもよい。芯層207の剛性は、第2層122の剛性より高くてもよい。
【0038】
なお、芯層207は樹脂で形成されていてもよい。芯層207を樹脂で形成する場合、芯層207は、例えばFR4、FR4より弾性率の高い材料を用いて形成されてよい。芯層207を樹脂で形成する場合、z軸方向において芯層207は配線層に挟まれる。例えば、芯層207を樹脂で形成する場合、z軸マイナス方向に、ソルダレジスト層201、配線層202、絶縁層203、配線層204、芯層207、配線層214、絶縁層213、配線層212、ソルダレジスト層211の順で配されてよい。2層の配線層を追加で配する場合は、配線層204と芯層207との間に、配線層204に接触する追加の絶縁層と芯層207に接触する追加の配線層とがz軸マイナス方向に順に配され、芯層207と配線層214との間に、芯層207に接触する追加の配線層と、配線層214に接触する追加の絶縁層とをz軸マイナス方向に順に配される。
【0039】
このように、実装基板120は、金属コアまたは樹脂コアを有する多層コア基板である。実装基板120の厚みは、例えば0.3mm~1.0mmであってよい。
【0040】
配線層202の少なくとも一部は、撮像チップ100からボンディングワイヤ110を介して出力された画像信号を受け取る配線パターンに使用される。配線層202は、ボンディングワイヤ110が接続されるボンディングパッド240を含む。
【0041】
配線層204に含まれる配線パターン及び配線層214に含まれる配線パターンは、例えば、グランドライン、電源ライン等に使用できる。
【0042】
撮像チップ100は、ソルダレジスト層201上に配置され、ボンディングワイヤ110によってボンディングパッド240に電気的に接続される。ボンディングパッド240と配線層212とは、第1層121及び芯層207を貫通するビア131によって電気的に接続されている。ビア131は、絶縁体132により覆われている。撮像チップ100から出力された画像信号は、配線層202及びビア131を介して、配線層212に伝送される。
【0043】
ソルダレジスト層211上には、第1コネクタ181、第2コネクタ183、バイパスコンデンサ群185、および、回路群187などの電子部品が実装される。換言すると、これらの電子部品は、実装基板120において撮像チップ100が実装された第1主面111とは反対側の第2主面112上に実装される。ソルダレジスト層211上には、他の電子部品として、例えば抵抗、レギュレータ、トランジスタ等を含んでもよい。
【0044】
これらの電子部品は、リード部材によって配線層212に電気的に接続される。当該リード部材は、配線層212にはんだ等で固定されている。配線層212の一部は、ソルダレジスト層211に形成された開口から外部に露出して、ランド等の電極を提供する。
【0045】
とりわけ、本実施形態における第1コネクタ181は、配線層212に接続され、配線層212を介して、伝送回路105から画像信号を伝送される。また、本実施形態における第1コネクタ181は、第1フレキシブル基板250が接続され、第1フレキシブル基板250を介してASIC52に当該画像信号を伝送する。
【0046】
第1コネクタ181に伝送される当該画像信号は、1GHz以上で伝送される画像信号を含んでもよい。第1コネクタ181は、第2主面112上で、第1主面111上の伝送回路105に対向する位置に配置される。このように、第1コネクタ181は、伝送回路105との間の直線距離を最短にする位置に配置され、これにより、伝送回路105から伝送される画像信号の経路を最短にすることができ、高速で出力される画像信号の信号レベルが実装基板120内で劣化することを防ぐことができる。
【0047】
また、本実施形態における第2コネクタ183は、配線層212に接続され、配線層212を介して、撮像チップ100に電流を供給する。また、本実施形態における第2コネクタ183は、第2フレキシブル基板260が接続され、第2フレキシブル基板260を介して電源ユニット53から電流を供給される。なお、本実施形態における第2コネクタ183には、伝送回路105から画像信号は伝送されない。
【0048】
フレーム140は、樹脂によって形成されている。フレーム140は、実装基板120のソルダレジスト層201に接着部220で接着される。すなわち、実装基板120は、フレーム140に固定される。
【0049】
なお、フレーム140は、樹脂に金属体がインサートされて構成されてもよい。当該金属体の材料としては、ニッケルと鉄の合金(例えば42alloy、56alloy)、銅、アルミニウムを用いることができる。アルミニウムなどの軽量な材料を金属体の材料として用いれば、フレーム140を軽量化することができる。銅などの熱伝導率が比較的に高い材料を金属体の材料として用いれば、フレーム140からの放熱特性を高めることができる。
【0050】
フレーム140は、第1面141と、第2面142と、第3面143と、第4面144と、第5面145と、第6面146とを有する。第6面146は、開口部138を形成する。第6面146は、フレーム140の内壁面を形成する。開口部138は、例えばxy面内の中央部分に形成される。開口部138内には、実装基板120の第1主面111上に実装されている撮像チップ100が位置する。
【0051】
第1面141は、カバーガラス160と接着部230により接着される面である。第1面141は、第6面146の端部に接する面である。第1面141は、第6面146の外縁に沿って形成される。第1面141は、xy平面と略平行な面である。
【0052】
第2面142は、第1面141の端部に接する面である。第2面142は、第1面141の外縁に沿って形成される面である。第2面142は、yz平面に略平行な面と、xz平面に略平行な面とを有する。
【0053】
第3面143は、第2面142の端部に接する面である。第3面143は、xy平面と略平行な面であり、第1面141と略平行な面である。
【0054】
第4面144は、第3面143の端部に接する面である。第4面144は、第3面143の外縁に沿って形成される面である。第4面144は、yz平面に略平行な面と、xz平面に略平行な面とを有する。
【0055】
第5面145は、第4面144の端部に接する面である。第5面145は、第4面144の外縁に沿って形成される面である。第5面145は、xy平面と略平行な面である。第5面145は、第1面141及び第3面143と略平行な面である。第5面145は、実装基板120のソルダレジスト層201と接着部220により接着される面である。第5面145は、接着部220に面する。第5面145は、第6面146の端部に接する面である。第5面145は、第6面146の外縁に沿って形成される。
【0056】
フレーム140は、第1面141と第2面142と第3面143とにより形成された段部を有する。フレーム140は、取付部として取付穴148を有する。フレーム140は、例えば3つの取付穴148を有する。3つの取付穴148はいずれも第3面143から第5面145までを貫通する穴である。3つの取付穴148はいずれも、撮像ユニット40をカメラボディ30の筐体31等の他の構造体に取付けるために利用される。
【0057】
フレーム140は、3つの取付穴148を介して、ビス149で例えばビス止めされることで、ブラケット150に固定される。ブラケット150は、例えばビス止めされることでカメラボディ30の筐体31に固定される。よって、撮像ユニット40は、カメラボディ30の筐体31に固定される。
【0058】
取付穴148を用いてフレーム140とブラケット150とを例えば金属のビス149でビス止めした場合、撮像チップ100が動作している場合に生じた熱を、ビス149を介して筐体31の方へ熱を逃がすための伝熱経路を形成することができる。
【0059】
フレーム140は、位置決め穴147を有する。フレーム140は、例えば2つの位置決め穴147を有する。2つの位置決め穴147はいずれも第3面143から第5面145までを貫通する穴である。2つの位置決め穴147のうち、一方の位置決め穴は嵌合穴で形成され、他方の位置決め穴147は長穴で形成されている。
【0060】
フレーム140は、2つの位置決め穴147を用いてブラケット150に対して位置決めされる。例えばブラケット150に設けられた2つの位置決めピンが2つの位置決め穴147に挿入されることで、フレーム140とブラケット150とが位置決めされる。フレーム140は、ブラケット150に対して位置決めされた状態で固定される。よって、撮像ユニット40は、筐体31に位置決めされた状態で固定される。なお、フレーム140及びブラケット150は、筐体31以外の他の構造体に対して固定されてよい。
【0061】
なお、撮像ユニット40は、ブラケット150を介さずに筐体31に固定されてもよい。撮像ユニット40は、3つの取付穴148を介して例えばビス止めされることで、筐体31に固定されてよい。
【0062】
カバーガラス160は、例えばホウケイ酸ガラス、石英ガラス、無アルカリガラス、耐熱ガラス、水晶などによって形成されている。カバーガラス160は、透光性を有している。カバーガラス160の厚みは、例えば0.5mm~0.8mmである。
【0063】
カバーガラス160は、フレーム140の開口部138内に収容された撮像チップ100を封止するために用いられる。より具体的には、カバーガラス160は、フレーム140の開口部138を覆うようにフレーム140に固定される。カバーガラス160は、撮像チップ100、ボンディングワイヤ110及びフレーム140が実装基板120に実装された後に、フレーム140に固定される。カバーガラス160は、接着部230によりフレーム140と接着される。カバーガラス160は透光性を有するので、当該接着部230は光硬化型接着剤であってもよい。
【0064】
カバーガラス160は、フレーム140及び実装基板120と共に、開口部138内の空間を密封する。従って、開口部138内に位置する撮像チップ100は、実装基板120とフレーム140とカバーガラス160とによって密封された空間に配置される。これにより、撮像チップ100は、外部環境の影響を受け難い。例えば、撮像チップ100は、当該空間の外に存在する水分の影響を受け難い。これにより、撮像チップ100の劣化を抑止することができる。
【0065】
図4は、一実施形態による、撮像ユニット40を模式的に示す下面図である。また、
図5は、一実施形態による、撮像ユニット40が第1フレキシブル基板250および第2フレキシブル基板260を介してASIC52および電源ユニット53に接続された状態を模式的に示す下面図である。
【0066】
図4および
図5では、実装基板120の第2主面112側の構成を実線で示し、第1主面111側における、撮像チップ100と、撮像チップ100の周辺領域102における処理回路104と、処理回路104に含まれる伝送回路105とをそれぞれ破線で示す。また、バイパスコンデンサ群185および回路群187の図示を簡略化し、それぞれ斜線の領域で示す。また、実装基板120内の(+)極からの電流の経路と流れる方向とを黒塗りの矢印で示し、画像信号の経路と流れる方向とを白抜きの矢印で示す。以降で説明する
図7および
図8においても同様とし、重複する説明を省略する。
【0067】
1つのコネクタを実装基板の裏面上に実装する場合、当該コネクタは、フレキシブル基板などのハーネスが複数接続されたときに、それぞれのハーネスにかかるテンションが均等になることを考慮して、当該裏面上のほぼ中央に位置することが好ましい。また、実装基板の裏面上に電気回路を実装する場合には、電極パッドおよびビアを介して撮像チップに接続された配線層が実装基板の裏面の外周側に露出しており、当該配線層の近傍に電気回路を配置することが好ましい。かかる場合、コネクタは、実装基板の裏面上において、実装可能なスペースがあまり残っていない外周側ではなく、当該スペースが残されている中央側に配置させる必要がある。
【0068】
1つのコネクタが実装基板の裏面中央に配置される場合、撮像チップ内に構築されている伝送回路から出力された画像信号は、基板内の配線パターンを基板の面方向に伝送され、当該コネクタに到達する。かかる場合、当該配線パターンにおいて画像信号の抵抗損および誘電損が増大し、画像信号の信号レベルが劣化する原因となる。また、1つのコネクタが実装基板の裏面中央に配置される場合、裏面の端に配置される場合に比べて、当該コネクタと外部の画像処理装置との間の距離が長くなる。すなわち、当該コネクタと外部の画像処理装置とを接続するフレキシブル基板などのハーネスが相対的に長くなる。そのため、当該ハーネスを流れる画像信号の抵抗損および誘電損が増大し、画像信号の信号レベルが劣化する原因となる。
【0069】
本実施形態の撮像ユニット40では、上述の通り、実装基板120の第2主面112上に第1コネクタ181および第2コネクタ183が実装される。ここで、上述したバイパスコンデンサ群185は、撮像チップ100の電源用であり、バイパスコンデンサ群185の機能性を高めるべく、バイパスコンデンサ群185と撮像チップ100との間の距離を短くすることが好ましい。本実施形態では、バイパスコンデンサ群185は、ソルダレジスト層211に形成された開口から外部に露出している配線層212の近傍に配置される。
【0070】
また、本実施形態において、バイパスコンデンサ群185は、実装基板120の第2主面112上の外周側に配置される。より具体的には、バイパスコンデンサ群185は、実装基板120の第2主面112上の外周側に、環状に実装される。なお、本実施形態において、
図4に斜線で示したバイパスコンデンサ群185の領域の輪郭は、平面視において長方形である実装基板120および撮像チップ100の形状に倣い、平面視において長方形を成す。
【0071】
本実施形態における第1コネクタ181は、環状のバイパスコンデンサ群185よりも内側に配置される。第2コネクタ183も同様に、環状のバイパスコンデンサ群185よりも内側に配置される。当該配置により、各コネクタが環状のバイパスコンデンサ群185よりも外側に配置される場合に比べて、実装基板120のサイズを小さくすることができる。なお、第1コネクタ181および第2コネクタ183は、平面視においてバイパスコンデンサ群185の長方形領域の四辺よりも内側に配置されている、とも言える。
【0072】
上述した通り、本実施形態において、第1コネクタ181に伝送される画像信号は、1GHz以上で伝送される画像信号を含んでもよい。この信号は、例えばSLVS、LVDSと呼ばれる差動信号である。撮像チップ100の伝送回路105から高速で出力される画像信号は、実装基板120の配線層212に配線された差動信号パターンを流れ、第1コネクタ181および第1フレキシブル基板250を経由し、ASIC52に伝送される。
【0073】
上述した通り、本実施形態では、第1コネクタ181は、第2主面112上で、第1主面111上の伝送回路105に対向する位置に配置される。
図4等において、実線の第1コネクタ181を、破線の伝送回路105と重なるように示している。当該配置によれば、
図4中に白抜きの矢印で示す差動信号パターン内での画像信号の経路、および、
図5中に白抜きの矢印で示す第1フレキシブル基板250内での画像信号の経路の両方を、1つのコネクタが実装基板の裏面中央に配置されている場合に比べて短くすることができる。従って、本実施形態の撮像ユニット40は、第1コネクタ181および第2コネクタ183のそれぞれを実装基板120に実装することで、カメラ10の小型化・薄型化に寄与することができる。
【0074】
1GHz以上で伝送される画像信号の抵抗損および誘電損は、低周波数で伝送される画像信号に比べ、伝送経路の長さに応じた増大率が著しく大きい。換言すると、1GHz以上で伝送される画像信号は、伝送経路内での減衰率が相対的に著しく大きい。
【0075】
本実施形態の撮像ユニット40によれば、
図4等に示す配置構成により、1つのコネクタが実装基板の裏面中央に配置されている場合に比べて、1GHz以上で伝送される画像信号が伝送経路内で減衰することを抑止することができる。
【0076】
また、1つのコネクタが実装基板の裏面中央に配置されている場合には、実装基板内の差動信号パターンが相対的に長くなるため、画像信号を高速で伝送するのに適した材質の基材を用いる必要があり、当該基材は比較的高価なものである。これに対して、本実施形態の撮像ユニット40によれば、実装基板120内の差動信号パターンを相対的に短くすることができるため、実装基板120として比較的安価な基材を用いることもでき、製造コストを下げることができる。
【0077】
撮像素子は、高画素化、画像の高速読み出し化に伴って消費電力が増加する傾向があり、メモリなどの大規模回路を搭載した積層型の場合には更に消費電力が増加する。1つのコネクタを、電源系、制御系、画像伝送系といった多用途に使用する場合には、当該コネクタの複数のピンを用途ごとに使い分けるため、当該コネクタを介して撮像素子に供給できる電流量に限りがある。また、画像信号を高速で伝送するのに適したコネクタとハーネスを採用した場合、汎用のコネクタとハーネスを用いる場合に比べて、撮像素子に大電流を供給する効率が低い場合がある。
【0078】
これに対して、2つのコネクタを備える撮像ユニット40によれば、一方のコネクタを一の用途に特化したものにし、他方のコネクタを他の用途に特化したものにして、各コネクタを各用途に応じて使い分けることができる。例えば、撮像ユニット40は、ASIC52に画像信号を高速で伝送するのに適した第1コネクタ181と、電源ユニット53から供給された大電流を撮像チップ100に供給するのに適した第2コネクタ183とを用いることができる。この場合に、撮像ユニット40は、第1コネクタ181に対して、画像信号を高速で伝送するのに適した第1フレキシブル基板250を適用し、第2コネクタ183に対して、大電流を供給するのに適した第2フレキシブル基板260を適用することもできる。
【0079】
なお、2つのコネクタを備える撮像ユニット40は、1つのコネクタに複数の用途を割り当て、その一方で、他の1つのコネクタを特定の用途に特化して使用してもよい。例えば、撮像ユニット40は、第1コネクタ181に画像信号の伝送および電流の供給の2つの用途を割り当て、第2コネクタ183を電流の供給に特化して使用してもよい。この場合に、第2コネクタ183は、大電流を供給するのに適したものであってもよい。また、2つのコネクタを備える撮像ユニット40は、それぞれのコネクタに複数の用途を割り当ててもよい。例えば、撮像ユニット40は、第1コネクタ181および第2コネクタ183の両方に、画像信号の伝送および電流の供給の2つの用途を割り当ててもよい。
【0080】
また、本実施形態では、第1コネクタ181は、実装基板120の第2主面112上の一端側に配置され、第2コネクタ183は、実装基板120の第2主面112上において、当該一端の反対側に配置される。より具体的には、第1コネクタ181および第2コネクタ183は、回路群187の対向する両側にそれぞれ配置される。この場合、第2コネクタ183は、実装基板120の中心に対して、第1コネクタ181とは点対称の位置に配置されている、とも言える。
【0081】
当該配置によれば、平面視においてASIC52と電源ユニット53が撮像ユニット40を挟んで反対側に位置する場合に、第1コネクタ181からASIC52までの距離、および、第2コネクタ183から電源ユニット53までの距離の両方を短くすることができる。これにより、1つのコネクタが実装基板の裏面中央に配置されている場合に比べて、電源ユニット53と第2コネクタ183とを接続する第2フレキシブル基板260を短く構成することができ、第2フレキシブル基板260での電圧降下を抑止して、撮像チップ100に供給する電圧を安定させることができる。
【0082】
また、当該配置によれば、第1コネクタ181および第2コネクタ183が実装基板120の中心に対して点対称に配置されることで、第1コネクタ181および第2コネクタ183のそれぞれに第1フレキシブル基板250および第2フレキシブル基板260を接続しても、撮像ユニット40にかかるテンションを均等にすることができる。これにより、例えば撮像ユニット40を手振れ補正等の機能の為に動作させる場合に、動作を安定させることができ、カメラ10をVRカメラなどの用途に用いる場合に特に有効である。
【0083】
図6は、
図5に示す領域(A)の模式的な拡大図である。本実施形態において、第1フレキシブル基板250は、マイクロストリップ配線であってもよい。本実施形態の第1フレキシブル基板250は、信号線251と、グランド線253と、信号線251およびグランド線253の間に位置する誘電体層255とによって形成される。なお、
図6では、信号線251を斜線領域で示し、グランド線253をドット領域で示す。
【0084】
マイクロストリップ配線の第1フレキシブル基板250は、
図6に示すように、特性インピーダンスを整合させた状態を維持したまま信号線251の幅を太くして信号損失を抑止するべく、グランド線253がメッシュ構造であってもよい。これにより、第1フレキシブル基板250は、伝送する画像信号の信号レベルが劣化することを抑止することができ、特に画像信号を高速で伝送する場合に有効である。また、メッシュ構造のグランド線253が、誘電体層255の一面全体の面積の20%配されている場合に、当該効果が特に顕著となることが実験的に判明している。なお、グランド線253の材料の一例は銅である。
【0085】
また、第1フレキシブル基板250のグランド線253をメッシュ構造にすることで、第1フレキシブル基板250の柔らかくすることができ、カメラ10をVRカメラなどの用途に用いる場合に特に有効である。なお、特性インピーダンスは、例えば100Ωであってもよい。なお、カメラ10は、第1フレキシブル基板250に代えて、細線同軸ケーブルを使用した場合であっても、同様の効果を奏することができる。
【0086】
また、マイクロストリップ配線の第1フレキシブル基板250は、
図6に示すように、第1フレキシブル基板250の延伸方向に平行に延びる信号線251に対して、グランド線253が斜めに配されていてもよい。例えば、信号線251の延びる方向に対して、グランド線253が45度程度に傾斜して延びていてもよい。このような構成により、誘電体層255を挟んで複数の信号線251のそれぞれに対面するグランド線253の面積比率を平均化することができる。さらに、図示していないが、上記のメッシュ構造のグランド線253で信号線251を上下の層で挟み込んだストリップ配線の構造にしても上記の効果を得る事ができる。
【0087】
図7は、一実施形態による、撮像ユニット41が第1フレキシブル基板250および第2フレキシブル基板260を介してASIC52および電源ユニット53に接続された状態を模式的に示す下面図である。本実施形態において、
図1から6を用いて説明した実施形態と同じ構成には同じ参照番号を付し、重複する説明を省略する。以降の実施形態の説明においても同様とする。
【0088】
本実施形態においても、
図1から6を用いて説明した実施形態と同様に、実装基板120の第2主面112上に第1コネクタ181および第2コネクタ183が実装され、何れのコネクタも環状のバイパスコンデンサ群185よりも内側に配置される。また、
図1から6を用いて説明した実施形態と同様に、第1コネクタ181は実装基板120の第2主面112上の一端側に配置され、第2コネクタ184は実装基板120の中心に対して第1コネクタ181とは点対称の位置に配置される。
【0089】
本実施形態では、
図1から6を用いて説明した実施形態と異なる点として、第1コネクタ181および第2コネクタ184が、回路群187の対向する両側に配置されない。第2コネクタ184は、回路群187のy軸マイナス方向に隣接して配置される。本実施形態による撮像ユニット41も、
図1から6を用いて説明した実施形態と同様の効果を有する。
【0090】
図8は、一実施形態による、撮像ユニット42が第1フレキシブル基板257および第2フレキシブル基板267を介してASIC52および電源ユニット53に接続された状態を模式的に示す下面図である。本実施形態においても、
図1から6を用いて説明した実施形態と同様に、実装基板120の第2主面112上に第1コネクタ182および第2コネクタ186が実装され、何れのコネクタも環状のバイパスコンデンサ群185よりも内側に配置される。また、
図1から6を用いて説明した実施形態と同様に、第1コネクタ182は実装基板120の第2主面112上の一端側に配置される。
【0091】
本実施形態では、
図1から6を用いて説明した実施形態と異なる点として、第1コネクタ182および第2コネクタ186が、回路群187の対向する両側に配置されない。第2コネクタ186は、回路群187のx軸マイナス方向において、第1コネクタ182と隣接して配置される。また、本実施形態では、第1コネクタ182および第2コネクタ186のそれぞれが有するピンの数が、
図1から6を用いて説明した実施形態に比べて少ない。本実施形態による撮像ユニット42も、
図1から6を用いて説明した実施形態と同様の効果を有する。
【0092】
図9は、一実施形態による、第1フレキシブル基板270の一部を模式的に示す側面図である。本実施形態による第1フレキシブル基板270は、
図1から6を用いて説明した実施形態による第1フレキシブル基板250とは異なり、コプレナー配線である。本実施形態の第1フレキシブル基板270は、信号線271と、グランド線273と、信号線271およびグランド線273のそれぞれに隣接する誘電体層275とによって形成される。本実施形態による撮像ユニット42も、
図1から6を用いて説明した実施形態と同様の効果を有する。
【0093】
以上の複数の実施形態において、レンズユニット20及びカメラボディ30を含むカメラ10を、撮像装置の一例として取り上げて説明した。しかし、撮像装置とは、レンズユニット20を含まなくてよい。例えば、カメラボディ30は撮像装置の一例である。また、撮像装置とは、一眼レフレックスカメラ等のレンズ交換式の撮像装置の他に、レンズ非交換式の撮像装置を含む概念である。
【0094】
なお、ASIC52や電源ユニット53などを含めて撮像ユニット40と呼ぶ場合もある。また、追加的に又は代替的に、第1フレキシブル基板250や第2フレキシブル基板260などを含めて撮像ユニット40と呼ぶ場合もある。
【0095】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0096】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0097】
10 カメラ、20 レンズユニット、22 光軸、30 カメラボディ、31 筐体、40、41、42 撮像ユニット、100 撮像チップ、101 撮像領域、102 周辺領域、104 処理回路、105 伝送回路、110 ボンディングワイヤ、120 実装基板、111 第1主面、112 第2主面、121 第1層、122 第2層、131 ビア、132 絶縁体、138 開口部、181、182 第1コネクタ、183、184、186 第2コネクタ、185 バイパスコンデンサ群、187 回路群、201、211 ソルダレジスト層、202、204、212、214 配線層、203、205、213、215 絶縁層、207 芯層、210、220、230 接着部、240 ボンディングパッド、140 フレーム、141 第1面、142 第2面、143 第3面、144 第4面、145 第5面、146 第6面、147 位置決め穴、148 取付穴、149 ビス、150 ブラケット、160 カバーガラス、250、257、270 第1フレキシブル基板、251、271 信号線、253、273 グランド線、255、275 誘電体層、260、267 第2フレキシブル基板、60 基板ユニット、62 基板、51 MPU、52 ASIC、53 電源ユニット、88 表示部