(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142423
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】反応装置及び反応方法
(51)【国際特許分類】
B01J 8/06 20060101AFI20220922BHJP
B01J 8/00 20060101ALI20220922BHJP
C07C 211/27 20060101ALI20220922BHJP
C07C 209/48 20060101ALI20220922BHJP
B01J 23/44 20060101ALI20220922BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220922BHJP
【FI】
B01J8/06
B01J8/00 C
C07C211/27
C07C209/48
B01J23/44 Z
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042579
(22)【出願日】2021-03-16
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター、「『知』の集積と活用の場による研究開発モデル事業(うち「知」の集積と活用の場による研究開発モデル事業)」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 智裕
(72)【発明者】
【氏名】小沢 征巳
【テーマコード(参考)】
4G070
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G070AA05
4G070AB01
4G070BB02
4G070CA06
4G070CA16
4G070CA24
4G070CB17
4G070CC06
4G070DA22
4G169AA03
4G169AA15
4G169BA01B
4G169BC72B
4G169CB06
4G169CB77
4G169DA06
4H006AA02
4H006AA04
4H006AC52
4H006BA25
4H006BA61
4H006BD21
4H006BD80
4H006BE20
4H039CA71
4H039CB30
(57)【要約】
【課題】カラムの内径寸法を大きくすることによる原料溶液と反応ガスとの偏流を防ぎ、反応効率の低下を防ぐことが可能な反応装置及び反応方法を提供する。
【解決手段】反応装置1を用いた反応方法において、原料溶液7及び反応ガス9がカラム5内で層状をなすように、反応装置1のポンプ23の周期的な送液によって、カラム5への原料溶液7の供給を制御し、及び、原料溶液用流路11に設けられた送信手段26によって、マスフローコントローラ25の動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信し、送信された信号に応じて、マスフローコントローラ25の動作をオン状態又はオフ状態に切換え、カラム5に対する反応ガス9の供給を制御している。これにより、カラム5の内径を拡大することにより発生する原料溶液7と反応ガス9との偏流を防ぎつつ、カラム5内で原料溶液7と反応ガス9との化学反応による生成物を得ることが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定化触媒が充填されたカラムと、該カラムに原料溶液を供給する原料溶液用流路と、前記カラムに反応ガスを供給する反応ガス用流路と、前記原料溶液の供給を制御するポンプと、前記反応ガスの供給を制御するマスフローコントローラとを備える反応装置を用いて、前記カラム内で前記原料溶液と前記反応ガスとを化学反応させる反応方法であって、
前記原料溶液用流路に、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信する送信手段を設け、前記原料溶液及び前記反応ガスが前記カラム内で層状をなすように、前記ポンプの周期的な送液によって前記カラムに供給することを特徴とする反応方法。
【請求項2】
前記送信手段は、前記原料溶液用流路に設けられた流量計であり、
前記ポンプの周期的な送液によって前記カラムに前記原料溶液を供給する際に、前記流量計によって、前記原料溶液の流量を測定し、測定された流量に基づいて、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信して、前記反応ガスを所定時間毎に所定間隔を置いて前記カラムに供給することを特徴とする請求項1に記載の反応方法。
【請求項3】
前記送信手段は、前記ポンプに設けられ、前記ポンプによる前記原料溶液の吸引と送液との切換えを検知するセンサであり、
前記ポンプによる前記原料溶液の吸引と送液との切換え時に、前記センサによって、前記ポンプが前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信して、前記反応ガスを所定時間毎に所定間隔を置いて前記カラムに供給することを特徴とする請求項1に記載の反応方法。
【請求項4】
固定化触媒が充填されたカラムに、原料溶液と反応ガスとを流通させて、化学反応させるパックドベッドリアクターを備える反応装置であって、
前記カラムに原料溶液を供給する原料溶液用流路と、
前記カラムに反応ガスを供給する反応ガス用流路と、
前記原料溶液の供給を制御するポンプと、
前記反応ガスの供給を制御するマスフローコントローラと、
前記原料溶液用流路に設けられた、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする反応装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記原料溶液用流路に流れる前記原料溶液の流量を測定し、測定された流量に基づいて、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又は前記マスフローコントローラの動作をオフにする信号を送信する流量計であることを特徴とする請求項4に記載の反応装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記ポンプに設けられ、該ポンプによる前記原料溶液の吸引と送液との切換え時に、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又は前記マスフローコントローラの動作をオフにする信号を送信するセンサであることを特徴とする請求項4に記載の反応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定化触媒が充填されたカラムに原料溶液と反応ガスとを流通させて、化学反応させる反応装置及び反応方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、固定化触媒を充填したカラムに、原料溶液と反応ガスとを供給して、化学反応をさせるトリクルベッドリアクターを用いた反応方法が知られている。例えば、特許文献1には、固定化触媒が充填された第1カラムおよび第2カラムを並列に配置し、第1カラムおよび第2カラムの各々に対し、原料溶液又は反応ガスの供給を、所定時間毎に交互に切換え、第1カラムおよび第2カラム内で原料溶液及び反応ガスを化学反応させて、生成物を得る反応装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、固定化触媒が充填されたカラムに原料溶液と反応ガスとを流通させるカラムフロー水素添加反応(カラムフロー水添反応)では、内径寸法が大きいカラムを用いると、カラム内で原料溶液と反応ガスとの偏流が発生しやすくなり、それに起因して、反応効率が低下するため、カラム内で原料溶液と反応ガスとの偏流を防ぎ、反応効率の低下を抑えることが望まれている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的にするところは、カラムの内径寸法を大きくすることによる原料溶液と反応ガスとの偏流を防ぎ、反応効率の低下を防ぐことが可能な反応装置及び反応方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の態様を例示するものであり、本発明の多様な構成要素の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。以下の各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明を実施する最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、さらに他の構成要素を付加した態様についても、本発明の一態様になり得るものである。
【0007】
(1)固定化触媒が充填されたカラムと、該カラムに原料溶液を供給する原料溶液用流路と、前記カラムに反応ガスを供給する反応ガス用流路と、前記原料溶液の供給を制御するポンプと、前記反応ガスの供給を制御するマスフローコントローラとを備える反応装置を用いて、前記カラム内で前記原料溶液と前記反応ガスとを化学反応させる反応方法であって、前記原料溶液用流路に、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信する送信手段を設け、前記原料溶液及び前記反応ガスが前記カラム内で層状をなすように、前記ポンプの周期的な送液によって前記カラムに供給する反応方法(請求項1)。
【0008】
本項に係る反応方法において、原料溶液及び反応ガスがカラム内で層状をなすように、反応装置のポンプの周期的な送液によって、カラムへの原料溶液の供給を制御し、及び、原料溶液用流路に設けられた送信手段によって、マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信し、送信された信号に応じて、マスフローコントローラの動作をオン状態又はオフ状態に切換え、カラムに対する反応ガスの供給を制御している。この構成により、カラムの内径を拡大することにより発生する原料溶液と反応ガスとの偏流を防ぎつつ、カラム内で原料溶液と反応ガスとの化学反応による生成物を得られるものとなる。また、原料溶液及び反応ガスがカラム内に交互に流れるため、カラム内では、内部を流れる原料溶液及び反応ガスが、それらの流れる方向に対して交互に層状をなし、固相担持された触媒と反応ガスとの反応による反応活性種の生成と、触媒上の反応活性種と原料との反応とが交互に進行する。
【0009】
(2)(1)項において、前記送信手段は、前記原料溶液用流路に設けられた流量計であり、前記ポンプの周期的な送液によって前記カラムに前記原料溶液を供給する際に、前記流量計によって、前記原料溶液の流量を測定し、測定された流量に基づいて、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信して、前記反応ガスを所定時間毎に所定間隔を置いて前記カラムに供給する反応方法(請求項2)。
【0010】
本項に係る反応方法において、送信手段が原料溶液用流路に設けられた流量計であることで、原料溶液用流路に周期的に送液される原料溶液の流量を測定し、測定された流量に基づいて、マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信するものとなる。これにより、マスフローコントローラの動作が制御され、反応ガスを所定時間毎に所定間隔を置いてカラムに供給することが可能となる。
【0011】
(3)(1)項において、前記送信手段は、前記ポンプに設けられ、前記ポンプによる前記原料溶液の吸引と送液との切換えを検知するセンサであり、前記ポンプによる前記原料溶液の吸引と送液との切換え時に、前記センサによって、前記ポンプが前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信して、前記反応ガスを所定時間毎に所定間隔を置いて前記カラムに供給する反応方法(請求項3)。
【0012】
本項に係る反応方法において、送信手段がポンプによる原料溶液の吸引と送液との切換えを検知するセンサであることで、ポンプによる原料溶液の送液から吸引に切換った時に、マスフローコントローラの動作をオンにする信号を送信し、一方、ポンプによる原料溶液の吸引から送液に切換った時に、マスフローコントローラの動作をオフにする信号を送信するものとなる。これにより、マスフローコントローラの動作が制御され、反応ガスを所定時間毎に所定間隔を置いてカラムに供給することが可能となる。
【0013】
(4)固定化触媒が充填されたカラムに、原料溶液と反応ガスとを流通させて、化学反応させるパックドベッドリアクターを備える反応装置であって、前記カラムに原料溶液を供給する原料溶液用流路と、前記カラムに反応ガスを供給する反応ガス用流路と、前記原料溶液の供給を制御するポンプと、前記反応ガスの供給を制御するマスフローコントローラと、前記原料溶液用流路に設けられた、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信する送信手段と、を備える反応装置(請求項4)。
【0014】
(5)(4)項において、前記送信手段は、前記原料溶液用流路に流れる前記原料溶液の流量を測定し、測定された流量に基づいて、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又は前記マスフローコントローラの動作をオフにする信号を送信する流量計である反応装置(請求項5)。
【0015】
(6)(4)項において、前記送信手段は、前記ポンプに設けられ、該ポンプによる前記原料溶液の吸引と送液との切換え時に、前記マスフローコントローラの動作をオンにする信号又は前記マスフローコントローラの動作をオフにする信号を送信するセンサである反応装置(請求項6)。
【0016】
上記(4)項~(6)項の反応装置を用いることで、上記(1)項~(3)項の各反応方法で得られるものと同等の作用を奏するものとなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上のように構成したことにより、カラムの内径寸法を大きくすることによる原料溶液と反応ガスとの偏流を防ぎ、反応効率の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係るパックドベッドリアクターのプロセスフローの概略図である。
【
図2】
図1に示すカラムの内部における原料溶液及び反応ガスの流れ態様を模式的に示した説明図である。
【
図3】第2実施形態に係るパックドベッドリアクターのプロセスフローの概略図である。
【
図4】PhCN水素添加反応のデータを示した図表である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態に係る反応装置の構成を
図1及び
図2に基づいて詳細に説明する。
図1及び
図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る反応装置1Aは、固定化触媒3が充填されたカラム5に、原料溶液7と反応ガス9とを流通させ、化学反応させて、生成物を得るものである。この反応装置1Aは、カラム5と、原料溶液用流路11と、反応ガス用流路13と、第1流路15と、第2流路17と、原料溶液貯蔵部19と、反応ガス貯蔵部21と、ポンプ23と、マスフローコントローラ25と、送信手段26と、気液分離槽27と、液体排出流路31と、ガス排出流路29と、を備えている。
【0020】
カラム5は、ガラス材で形成された筒状を呈し、その内部に固定化触媒3(
図2参照)が充填されている。また、カラム5は、上部に後述する第1流路15が接続され、下部に後述する第2流路17が接続されている。固定化触媒3は、ポリシランコーティング層をもつ、平均粒径80μmであるアルミナ担体に、パラジウムが担持されたものである。
【0021】
原料溶液用流路11は、原料溶液7を第1流路15に供給する流路であり、原料溶液7を内蔵した原料溶液貯蔵部19と第1流路15との間をつなぐ。反応ガス用流路13は、反応ガス9を第1流路15に供給する流路であり、反応ガス9を貯蔵した反応ガス貯蔵部21と第1流路15との間をつなぐ。第1流路15は、原料溶液用流路11から流れた原料溶液7又は反応ガス用流路13から流れた反応ガス9をカラム5に供給するための流路であり、カラム5の上部に接続されている。第2流路17は、原料溶液7と反応ガス9との化学反応から得られた気液を気液分離槽27に供給する流路であり、カラム5と気液分離槽27との間をつなぐ。
【0022】
ポンプ23は、原料溶液7をカラム5に送り込むプランジャーポンプ、ダイアフラムポンプ等のポンプであり、原料溶液用流路11に設けられている。マスフローコントローラ25は、反応ガス9の流量を制御するものであり、反応ガス用流路13に設けられている。マスフローコントローラ25は、後述する送信手段26から送信される信号(オン信号及びオフ信号)を受信するコントロールユニット28を備え、コントロールユニット28によって、オン/オフ制御されている。
【0023】
送信手段26は、マスフローコントローラ25の動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信する、原料溶液用流路11に流れる原料溶液7を測定する流量計である。流量計30は、原料溶液用流路11に設けられたポンプ23より、下流に設けられている。具体的には、流量計30は、原料溶液用流路11が第1流路15に連通する部分の近傍に配置される。ここで、流量計30は、原料溶液用流路11に流れる原料溶液7の流量を測定して、測定された流量が所定の閾値以上である場合に、マスフローコントローラ25の動作をオフにする信号(オフ信号)をマスフローコントローラ25のコントロールユニット28に送信する。一方、流量計30は、測定された流量が所定の閾値未満である場合、マスフローコントローラ25の動作をオンにする信号(オン信号)をコントロールユニット28に送信する。
【0024】
気液分離槽27は、原料溶液7と反応ガス9とを化学反応させて得られた気液を貯蔵するものであり、第2流路17と接続されている。また、気液分離槽27は、液体(生成物)を排出するための液体排出流路31と接続され、かつ、廃棄ガスを排出するガス排出流路29と接続されている。液体排出流路31には、ニードルバルブ35が設けられている。ガス排出流路29には、背圧弁33が設けられている。
【0025】
次に、第1実施形態に係る反応装置1Aを用いた反応方法について、以下に説明する。
ポンプ23によって、原料溶液用流路11及び第1流路15を介して、原料溶液7をカラム5の上方から供給する。このとき、マスフローコントローラ25は、オフ状態(すなわち、動作停止状態)であり、反応ガス9の供給が停止されている。また、流量計30は、原料溶液用流路11内の原料溶液7の流量を測定し、測定した流量に基づく信号(オフ信号)をコントロールユニット28に送信する。そして、コントロールユニット28が送信されたオフ信号を受信し、マスフローコントローラ25のオフ状態を維持させる。なお、原料溶液7は、ポンプ23によって、流量が一定量に制御されている。
【0026】
そして、原料溶液7を所定時間供給した後、ポンプ23は、原料溶液7を吸引し、原料溶液7の供給が止まる。このとき、流量計30が原料溶液用流路11内の原料溶液7の流量を測定し、測定した流量が所定の閾値未満になると、コントロールユニット28にオン信号を送信する。これにより、コントロールユニット28は、受信したオン信号に応じて、マスフローコントローラ25を動作させる。これにより、マスフローコントローラ25によって、反応ガス9を、反応ガス用流路13及び第1流路15を介して、カラム5の上方から供給する。
【0027】
そして、ポンプ23による原料溶液7の吸引が所定時間経過した後、ポンプ23は、原料溶液7をカラム5に供給する。このとき、流量計30が原料溶液用流路11内の原料溶液7の流量を測定し、測定した流量が所定の閾値以上になると、コントロールユニット28にオフ信号を送信する。コントロールユニット28は、受信したオフ信号に応じて、マスフローコントローラ25の動作を停止させる。これにより、反応ガス9の供給が停止する。このように、ポンプ23によって、原料溶液7をカラム5に周期的に送液しつつ、流量計30によって、測定された原料溶液7の流量に基づいて、マスフローコントローラ25の動作を制御して、反応ガス9をカラム5に所定時間毎に所定間隔を置いて供給することで、カラム5に原料溶液7及び反応ガス9を交互に供給される。これにより、
図2に示すように、カラム5内では、原料溶液7と反応ガス9とが層状状態となる。
【0028】
そして、カラム5に充填された固定化触媒3を介して、原料溶液7及び反応ガス9を化学反応させる。このとき、原料溶液7及び反応ガス9は、カラム5内で層状をなしているため(
図2参照)、各層の境界37(反応面)において、原料溶液7及び反応ガス9が接触して、化学反応が生じる。
【0029】
そして、その化学反応で得られた気液が、第2流路17を介して、気液分離槽27に流れる。その後、液体は、液体排出流路31を介して、外部に送られ、廃棄ガスは、ガス排出流路29を介して、排出される。
【0030】
上記構成を有する反応装置1Aを用いた反応方法によれば、次の作用効果を得ることが可能となる。すなわち、原料溶液7及び反応ガス9がカラム5内で層状をなすように、反応装置1Aのポンプ23の周期的な送液によって、カラム5への原料溶液7の供給を制御し、及び、原料溶液用流路11に設けられた送信手段26(流量計30)によって、マスフローコントローラ25の動作をオンにする信号又はオフにする信号を送信し、送信された信号に応じて、マスフローコントローラ25の動作をオン状態又はオフ状態に切換え、カラム5に対する反応ガス9の供給を制御している。これにより、カラム5の内径を拡大することにより発生する原料溶液7と反応ガス9との偏流を防ぎつつ、カラム5内で原料溶液7と反応ガス9との化学反応による生成物を得ることが可能となる。
【0031】
また、原料溶液7及び反応ガス9がカラム5内に交互に流れるため、カラム5内では、内部を流れる原料溶液7及び反応ガス9が、それらの流れる方向に対して交互に層状をなし、各層の境界37において原料溶液7及び反応ガス9が接触し、各層の境界37が主要な反応面となって、原料溶液7及び反応ガス9の化学反応が生じる。その結果、カラム5全体での反応面の面積が増大し、反応効率を高くすることが可能となる。
【0032】
反応装置1Aによれば、流量計30は、ポンプ23より下流に位置するように、原料溶液用流路11に設けられるため、カラム5の近傍に配置され、原料溶液7と反応ガス9との混合の近い場所で原料溶液7の流量を測定することができるので、計測精度を高くすることが可能となる。
【0033】
反応装置1Aによれば、カラム5は、1本であるため、反応装置を小型化にし、コストを抑えることができる。
【0034】
次に、本発明の第2実施形態に係る反応装置1Bについて、
図2及び
図3を参照して説明する。なお、第2実施形態に係る反応装置1Bは、上記第1実施形態に係る反応装置1Aに対して、送信手段26の構成のみが異なるので、同様の部分には同じ参照符号を用いて、その説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0035】
図3に示すように、送信手段26は、ポンプ23に設けられ、ポンプ23による原料溶液7の吸引と吐出(カラム5への送液)との切換えを検知するセンサ32である。ここで、センサ32は、原料溶液7の吸引から送液への切換え時、その切換えを検知し、マスフローコントローラ25の動作をオフにする信号(オフ信号)をマスフローコントローラ25のコントロールユニット28に送信する。一方、センサ32は、原料溶液7の送液から吸引への切換え時、その切換えを検知し、マスフローコントローラ25の動作をオンにする信号(オン信号)をコントロールユニット28に送信する。
【0036】
次に、第2実施形態に係る反応装置1Bを用いた反応方法について、以下に説明する。
ポンプ23によって、原料溶液用流路11及び第1流路15を介して、原料溶液7をカラム5の上方から供給する。このとき、マスフローコントローラ25は、オフ状態であり、反応ガス9の供給が停止されている。なお、原料溶液7は、ポンプ23によって、流量が一定量に制御されている。
【0037】
そして、原料溶液7を所定時間供給した後、ポンプ23は、原料溶液7の送液から吸引に切換える。このとき、センサ32がポンプ23の切換えを検知し、マスフローコントローラ25の動作をオンにする信号(オン信号)をコントロールユニット28に送信する。そして、コントロールユニット28は、受信したオン信号に応じて、マスフローコントローラ25を動作させる。これにより、反応ガス用流路13及び第1流路15を介して、反応ガス9がカラム5の上方から供給される。
【0038】
そして、ポンプ23による原料溶液7の吸引が所定時間経過した後、ポンプ23は、原料溶液7の吸引から送液に切換え、原料溶液7をカラム5に供給する。このとき、センサ32がポンプ23の切換えを検知し、マスフローコントローラ25の動作をオフにする信号(オフ信号)をコントロールユニット28に送信する。そして、コントロールユニット28は、受信したオフ信号に応じて、マスフローコントローラ25を停止させ、反応ガス9の供給を止める。このように、ポンプ23によって、原料溶液7をカラム5に周期的に送液しつつ、センサ32によって、ポンプ23の吸引と送液との切換えに応じて、マスフローコントローラ25の動作を制御して、反応ガス9をカラム5に所定時間毎に所定間隔を置いて供給することで、カラム5に原料溶液7及び反応ガス9を交互に供給される。これにより、カラム5内では、原料溶液7と反応ガス9とが層状状態となる(
図2参照)。
【0039】
そして、カラム5に充填された固定化触媒3を介して、原料溶液7及び反応ガス9を化学反応させる。このとき、原料溶液7及び反応ガス9は、カラム5内で層状をなしているため(
図2参照)、各層の境界37(反応面)において、原料溶液7及び反応ガス9が接触して、化学反応が生じる。そして、その化学反応で得られた気液が、第2流路17を介して、気液分離槽27に流れる。その後、液体は、液体排出流路31を介して、外部に送られ、廃棄ガスは、ガス排出流路29を介して、排出される。
【0040】
上記構成を有する反応装置1Bを用いた反応方法によれば、次の作用効果を得ることが可能となる。すなわち、センサ32がポンプ23による原料溶液7の送液と吸引との切換え時に、コントロールユニット28にマスフローコントローラ25の動作をオンにする信号、又は、マスフローコントローラ25の動作をオフにする信号を送信することで、コントロールユニット28がオン信号又はオフ信号に応じて、マスフローコントローラ25の動作を制御して、カラム5に対する反応ガス9の供給を制御している。これにより、反応ガス9を所定時間毎に所定間隔を置いてカラム5に供給することができる。その結果、カラム5の内径を拡大することにより発生する原料溶液7と反応ガス9との偏流を防ぎつつ、カラム5内で原料溶液7と反応ガス9との化学反応による生成物を得ることが可能となる。
【0041】
また、原料溶液7及び反応ガス9がカラム5内に交互に流れるため、カラム5内では、内部を流れる原料溶液7及び反応ガス9が、それらの流れる方向に対して交互に層状をなし、各層の境界37において原料溶液7及び反応ガス9が接触し、各層の境界37が主要な反応面となって、原料溶液7及び反応ガス9の化学反応が生じる。その結果、カラム5全体での反応面の面積が増大し、反応効率を高くすることが可能となる。
【0042】
以下に、説明する実施例に係る反応装置1A,1Bを用いた反応方法では、カラム5の内径が35mmであるが、内径が20mm~60mmのものを用いてもよい。
【0043】
また、以下に説明する実施例に係る反応装置1A,1Bを用いた反応方法では、固定化触媒3は、ポリシランコーティング層をもつ平均粒径80μmであるアルミナ担体にパラジウムが担持されたものであるが、目的の反応を円滑に進行させる平均粒径20μm~3mmの固定化触媒であれば特に限定されず、また、セライトやガラスビーズなどの反応に影響を与えない固体粒子との混合物でもよい。
【実施例0044】
以下、ベンゾニトリル溶液の水素添加反応についての実施例及び参考例を挙げて、本発明の第1及び第2実施形態に係る反応装置1A,1Bを用いた反応方法について説明する。
[実施例1]
【0045】
実施例1の条件は、以下の通りである。
カラム5は、内径が35mmであり、カラム5の長さが35mmであり、カラム温度を50℃とする。固定化触媒3は、ポリシランコーティング層をもつ、平均粒径80μmのアルミナ担体に、パラジウムを担持させたパラジウム触媒(伊藤忠ケミカルフロンティア、商品名PPD-200A80)30gを、カラム5内に充填する。原料溶液7は、ベンゾニトリル103gと、メタノール612gと、35質量%塩酸135gとを混合した、0.7mol/Lベンゾニトリル溶液を用いる。また、反応ガス9は、水素ガスを用いる。さらに、ベンゾニトリル溶液は、ダブルプランジャーポンプ(日本精密科学株式会社、NP-GX-1000HC)の、その一方のポンプのみを用いるよう配管することでシングルプランジャーポンプとしたポンプ23を用い、1分間当たり32.7mL設定(32.7mL/min)、すなわち、送液時と吸引時とを合わせた平均流量(流量測定値r1)16.4mL/minでカラム5に流通させた。このとき、送液時間と吸引時間とは、それぞれ9秒である。流量計30(キーエンス、FD-XS1)でベンゾニトリル溶液の流量を測定し、測定した流量が閾値16.4mL/min以上である場合、コントロールユニット28(堀場エステック、PE-S7)を介して、マスフローコントローラ25(堀場エステック、Z500)の動作を停止し、水素ガスの供給を止める。一方、測定した流量が閾値16.4mL/min未満であれば、水素ガスがカラム5に流れるよう、コントロールユニット28を介して、マスフローコントローラ25を動作させる。水素ガス流通時のマスフローコントローラ25の設定値(水素流量測定値r2)は、1分間当たり2.34L(0℃、1気圧状態換算)、すなわち、流通時と停止時とを合わせた平均流量1.17L(0℃、1気圧状態換算)/minとした(
図4の図表の項番1参照)。
【0046】
ポンプ23(プランジャーポンプ)、流量計30及びマスフローコントローラ25によって、原料溶液用流路11、反応ガス用流路13及び第1流路15を介して、ベンゾニトリル溶液及び水素ガスをカラム5の上方から、制御されたスラグ流として供給する。そして、カラム5に充填されたパラジウム触媒を介して、ベンゾニトリル溶液及び水素ガスを接触させ、化学反応させる。そして、化学反応させて得られた気液を気液分離槽27に流す。その後、気液分離槽27から得られた液体を、平衡に達した後に10分間捕集し、約10μLをメタノール1mLに希釈して高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略称する)にて定量分析を行った結果、ベンジルアミンの収率が99.0%であった(
図4の図表の項番1参照)。
HPLCによる定量分析条件の詳細を以下に記載する。
使用機器 :Agilent Technology製1290 Infinity
注入量 :0.5μL
溶離液 :0.2体積% 酢酸水溶液/メタノール= 65/35
流量 :0.50 mL/分
カラム :Kinetex F5 (2.6μm, 100mm×2.1mm)Phenomenex製
カラム温度:40℃
検出器 :UV 254nm
保持時間 :ベンジルアミン 0.50min、ベンゾニトリル 1.57min
[実施例2]
【0047】
実施例2の条件は、以下の通りである。なお、実施例2の条件等は、上記実施例1の条件等と異なるもののみ詳細に説明する。
カラム5は、カラムの長さが70mmである。固定化触媒3は、ポリシランコーティング層をもつ、平均粒径80μmのアルミナ担体に、パラジウムを担持させたパラジウム触媒(伊藤忠ケミカルフロンティア、商品名PPD-200A80)60gを、カラム5内に充填する。原料溶液7は、ベンゾニトリル928gと、メタノール5631gと、35質量%塩酸1220gとを混合した、0.7mol/L ベンゾニトリル溶液を用いる。ベンゾニトリル溶液は、1分間当たり65.4mL設定(流量測定値r1:65.4mL/min)、すなわち、送液時と吸引時とを合わせた平均流量32.7mL(32.7mL/min)で流通させた。このとき、送液時間と吸引時間とは、それぞれ5秒である。流量計30(キーエンス、FD-XS1)でベンゾニトリル溶液の流量を測定し、閾値32.7mL/min以上である場合、コントロールユニット28を介して、マスフローコントローラ25の動作を停止し、水素ガスの供給を止める。一方、閾値32.7mL/min未満である場合、コントロールユニット28を介して、マスフローコントローラ25を動作させ、水素ガスをカラム5に供給される。水素ガス流通時のマスフローコントローラ25の設定値(水素流量測定値r2)は、1分間当たり4.68L(0℃、1気圧状態換算)、すなわち、流通時と停止時を合わせた平均流量2.34L(0℃、1気圧状態換算)/minとした(
図4の図表の項番2参照)。
【0048】
ベンゾニトリル溶液及び水素ガスを化学反応させて得られた液体(気液分離槽27から得られた液体)を、平衡に達した後に10分間捕集し、約10μLをメタノール1mLに希釈してHPLCにて定量分析を行った結果、ベンジルアミンの収率が99.5%であった(
図4の図表の項番2参照)。
[実施例3]
【0049】
実施例3の条件は、以下の通りである。なお、実施例3の条件等は、上記実施例1の条件等と異なるもののみ詳細に説明する。
ベンゾニトリル溶液の送液に用いたポンプ23は、リニア駆動式ダブルプランジャーポンプ(日本精密科学株式会社、NP-SX-400-ST)を改良し、プランジャーの吸引動作と吐出動作(送液動作)とを切換る時に信号を発出するようにしたものであり、これをシングルプランジャーポンプとして使用した。ポンプ23のセンサ32から発信される信号(すなわち、マスフローコントローラ25の動作をオンにする信号(オン信号)又はマスフローコントローラ25の動作をオフにする信号(オフ信号))に応じて、コントロールユニット28がマスフローコントローラ25の動作を制御し、ポンプ23によるベンゾニトリル溶液の吸引終了時(ベンゾニトリル溶液の吸引から吐出に切換るとき)に、水素ガスの供給を停止し、ベンゾニトリル溶液の吐出終了時(ベンゾニトリル溶液の吐出から吸引に切換るとき)に、水素ガスの供給を開始させるようにした。ポンプ23の1回あたりの吐出量は5mL設定とし、33.3mL/minの設定値(流量測定値r1)、すなわち、送液時と吸引時とを合わせた平均流量16.7mL/minとした。このとき、送液時間と吸引時間とは、それぞれ9秒である。水素ガスの流通時のマスフローコントローラ25の設定値(水素流量測定値r2)は、1分間当たり2.34L(0℃、1気圧状態換算)、すなわち、流通時と停止時とを合わせた平均流量1.17L(0℃、1気圧状態換算)/minとした(
図4の図表の項番3参照)。
【0050】
ポンプ23(シングルプランジャーポンプ)及びマスフローコントローラ25によって、原料溶液用流路11、反応ガス用流路13及び第1流路15を介して、ベンゾニトリル溶液及び水素ガスをカラム5の上方から、制御されたスラグ流として供給する。そして、カラム5に充填されたパラジウム触媒を介して、ベンゾニトリル溶液及び水素ガスを接触させ、化学反応させる。そして、化学反応させて得られた気液を気液分離槽27に流す。その後、気液分離槽27から得られた液体を、平衡に達した後に10分間捕集し、約10μLをメタノール1mLに希釈してHPLCにて定量分析を行った結果、ベンジルアミンの収率が97.5%であった(
図4の図表の項番3参照)。
[参考例1]
【0051】
次に、参考例1について説明する。参考例1の条件は、以下の通りである。
カラム5は、内径が35mmであり、カラムの長さが35mmであり、カラム温度を50℃とする。固定化触媒3は、ポリシランコーティング層をもつ、平均粒径80μmのアルミナ担体に、パラジウムを担持させたパラジウム触媒(伊藤忠ケミカルフロンティア、商品名PPD-200A80)30gを、カラム5内に充填する。原料溶液7は、ベンゾニトリル103gと、メタノール612gと、35質量%塩酸135gとを混合した、0.7mol/Lベンゾニトリル溶液を用いる。また、反応ガス9は、水素ガスを用いる。さらに、ベンゾニトリル溶液は、ダブルプランジャーポンプ(日本精密科学株式会社、NP-GX-1000HC)を用い、1分間当たり16.4mL設定(流量測定値r1:16.4mL/min)でカラム5に常時流通させた。一方、水素ガスの流量は、マスフローコントローラ25(堀場エステック、Z500)で、1分間当たり1.17L(0℃、1気圧状態換算)を設定値(水素流量測定値r2)とし、常時流通するシステムとした(
図4の図表の項番4参照)。
【0052】
ポンプ23(ダブルプランジャーポンプ)及びマスフローコントローラ25によって、原料溶液用流路11、反応ガス用流路13及び第1流路15を介して、ベンゾニトリル溶液及び水素ガスをカラム5の上方から供給する。そして、カラム5に充填されたパラジウム触媒を介して、ベンゾニトリル溶液及び水素ガスを接触させ、化学反応させる。そして、化学反応させて得られた気液を気液分離槽27に流す。その後、気液分離槽27から得られた液体を、平衡に達した後に10分間捕集し、約10μLをメタノール1mLに希釈してHPLCにて定量分析を行った結果、ベンジルアミンの収率が41.3%、トルエンの収率が2%であった(
図4の図表の項番4参照)。なおHPLCによる定量分析条件は、上記実施例1に記載の条件に準じた。
[参考例2]
【0053】
参考例2の条件は、以下の通りである。なお、参考例2の条件等は、上記参考例1の条件等と異なるもののみ詳細に説明する。
ベンゾニトリル溶液は、ダブルプランジャーポンプ(日本精密科学株式会社、NP-GX-1000HC)の、その一方のポンプのみを用いるよう配管することでシングルプランジャーポンプとしたポンプを用い、1分間当たり32.7mL設定(流量測定値r1:32.7mL/min)、すなわち、送液時と吸引時とを合わせた平均流量16.4mL/minでカラム5に流通させた。このとき、送液時間と吸引時間とは、それぞれ9秒であった。一方、水素ガス流量は、マスフローコントローラ25(堀場エステック、Z500)で、1分間当たり1.17L(0℃、1気圧状態換算)を設定値(水素流量測定値r2)とし、常時流通するシステムとした(
図4の図表の項番5参照)。
【0054】
ベンゾニトリル溶液及び水素ガスを化学反応させて得られた液体(気液分離槽27から得られた液体)を、平衡に達した後に10分間捕集し、約10μLをメタノール1mLに希釈してHPLCにて定量分析を行った結果、ベンジルアミンの収率が71.0%であった(
図4の図表の項番5参照)。
【0055】
上述の実施例1~3及び参考例1,2の比較から明らかのように、実施例1では、ベンジルアミンの収率が99.0%であり、実施例2では、ベンジルアミンの収率が99.5%であり、実施例3では、ベンジルアミンの収率が97.5%であり、参考例1では、ベンジルアミンの収率が41.3%であり、参考例2では、ベンジルアミンの収率が71.0%であった。このように、本発明の実施例1~3によれば、原料溶液7をカラム5に周期的に送液しつつ、送信手段30(流量計30及びセンサ32)から送信される信号(すなわち、マスフローコントローラ25の動作をオンにする信号(オン信号)又はマスフローコントローラ25の動作をオフにする信号(オフ信号))に基づいて、コントロールユニット28を介して、マスフローコントローラ25の動作を制御することで、ベンゾニトリル溶液と水素ガスとの反応効率が高くなることが明らかとなった。
1A,1B…反応装置、3…固定化触媒、5…カラム、7…原料溶液、9…反応ガス、11…原料溶液用流路、13…反応ガス用流路、23…ポンプ、25…マスフローコントローラ、26…送信手段、30…流量計、32…センサ