IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友金属鉱山株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-焼成物製造装置 図1
  • 特開-焼成物製造装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142538
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】焼成物製造装置
(51)【国際特許分類】
   F27D 7/02 20060101AFI20220922BHJP
   F27D 17/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
F27D7/02 A
F27D17/00 104G
F27D17/00 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042742
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【弁理士】
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健司
【テーマコード(参考)】
4K056
4K063
【Fターム(参考)】
4K056AA12
4K056BB06
4K056CA06
4K056DA22
4K056DA36
4K056DB04
4K063AA06
4K063BA00
4K063CA06
4K063DA06
4K063DA24
4K063DA26
(57)【要約】
【課題】水酸化物または水和化合物の少なくとも一方を含む被焼成物を焼成する際に、製造コストを低減することができる技術を提供する。
【解決手段】水酸化物または水和化合物の少なくとも一方を含む被焼成物を焼成する焼成炉と、焼成炉に酸素ガスを供給する第1ガス供給路と、焼成炉から水蒸気と酸素ガスとを含む第1混合ガスを排出するガス排出路と、第1混合ガスから水蒸気を凝縮させて除去し、第1混合ガスよりも酸素のモル分率の高い第2混合ガスを得る凝縮器と、焼成炉に第2混合ガスを供給する第2ガス供給路と、を有し、ガス排出路および第2ガス供給路は、ガス排出路内の第1混合ガスと、第2ガス供給路内の第2混合ガスとの熱交換を行うように配置されている、焼成物製造装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸化物または水和化合物の少なくとも一方を含む被焼成物を焼成する焼成炉と、
前記焼成炉に酸素ガスを供給する第1ガス供給路と、
前記焼成炉から水蒸気と酸素ガスとを含む第1混合ガスを排出するガス排出路と、
前記第1混合ガスから水蒸気を凝縮させて除去し、前記第1混合ガスよりも酸素のモル分率の高い第2混合ガスを得る凝縮器と、
前記焼成炉に前記第2混合ガスを供給する第2ガス供給路と、を有し、
前記ガス排出路および前記第2ガス供給路は、前記ガス排出路内の前記第1混合ガスと、前記第2ガス供給路内の前記第2混合ガスとの熱交換を行うように配置されている、焼成物製造装置。
【請求項2】
前記ガス排出路の一部および前記第2ガス供給路の一部は、互いに沿うように配置されている、請求項1に記載の焼成物製造装置。
【請求項3】
前記ガス排出路の一部および前記第2ガス供給路の一部は、ガスの流れが対向するように配置されている、請求項1または請求項2に記載の焼成物製造装置。
【請求項4】
前記第2ガス供給路内の前記第2混合ガスを、前記焼成炉内の温度付近まで加熱する加熱部をさらに有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の焼成物製造装置。
【請求項5】
前記加熱部は、前記第2ガス供給路と前記焼成炉との接続部近傍に配置されている、請求項4に記載の焼成物製造装置。
【請求項6】
前記ガス排出路の一部および前記第2ガス供給路の一部は、二重管になっている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の焼成物製造装置。
【請求項7】
前記二重管の内管は前記第2ガス供給路であり、前記二重管の外管は前記ガス排出路である、請求項6に記載の焼成物製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成物製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、被焼成物を酸素等のガスと接触させながら加熱し、焼成物を得る焼成物製造装置が知られている。例えば、特許文献1には、焼成中の酸素濃度を制御することができる焼成炉が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-257862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、被焼成物が水酸化物や水和化合物を含む場合、焼成時に水蒸気が生成されることから、焼成に必要な酸素分圧を維持するため、焼成時に多量の酸素ガスを供給する必要がある。そのため、焼成物の製造においては、製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、水酸化物または水和化合物の少なくとも一方を含む被焼成物を焼成する際に、製造コストを低減できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
水酸化物または水和化合物の少なくとも一方を含む被焼成物を焼成する焼成炉と、
前記焼成炉に酸素ガスを供給する第1ガス供給路と、
前記焼成炉から水蒸気と酸素ガスとを含む第1混合ガスを排出するガス排出路と、
前記第1混合ガスから水蒸気を凝縮させて除去し、前記第1混合ガスよりも酸素のモル分率の高い第2混合ガスを得る凝縮器と、
前記焼成炉に前記第2混合ガスを供給する第2ガス供給路と、を有し、
前記ガス排出路および前記第2ガス供給路は、前記ガス排出路内の前記第1混合ガスと、前記第2ガス供給路内の前記第2混合ガスとの熱交換を行うように配置されている、焼成物製造装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、水酸化物または水和化合物の少なくとも一方を含む被焼成物を焼成する際に、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る焼成物製造装置10の一例を示す概略構成図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態の変形例に係る焼成物製造装置100の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の一実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
<本発明の第1実施形態>
(1)焼成物製造装置10の構成
まず、本実施形態の焼成物製造装置10の構成について説明する。
【0011】
図1は、焼成物製造装置10の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、焼成物製造装置10は、例えば、焼成炉20と、第1ガス供給路30と、ガス排出路40と、凝縮器50と、第2ガス供給路60と、加熱部70とを有している。
【0012】
焼成炉20は、水酸化物または水和化合物の少なくとも一方を含む被焼成物を焼成するように構成されている。このような被焼成物を焼成する際、焼成炉20内の酸素分圧を所定の範囲に制御する必要がある。
【0013】
焼成炉20内には、被焼成物を収容するための被焼成物収容容器21が配置されている。被焼成物収容容器21は、例えば、上部が開放された状態で被焼成物を収容するように構成されている。また、焼成炉20の側面には、ヒータ22が設けられている。ヒータ22は、焼成炉20内を、被焼成物を焼成するために適切な温度に制御するように構成されている。
【0014】
第1ガス供給路30は、焼成炉20に酸素ガスを供給するように構成されている。第1ガス供給路30の一端(上流側)は酸素ガスを貯蔵するガスボンベ等(図示せず)に接続され、他端(下流側)は焼成炉20に接続されている。第1ガス供給路30は、焼成炉20内の酸素分圧を、被焼成物を焼成するために適切な範囲に制御するように構成されている。
【0015】
ガス排出路40は、水蒸気と酸素ガスとを含む第1混合ガスGa1を焼成炉20から排出し、凝縮器50に導入するように構成されている。ガス排出路40の一端(上流側)は焼成炉20に接続され、他端(下流側)は凝縮器50に接続されている。
【0016】
凝縮器50は、第1混合ガスGa1から水蒸気を凝縮させて除去し、第1混合ガスGa1よりも酸素のモル分率の高い第2混合ガスGa2を得るように構成されている。凝縮器50は、第1混合ガスGa1を冷却するための冷却部、または第1混合ガスGa1を圧縮するためのコンプレッサの少なくとも一方を有している。また、凝縮器50は、第2混合ガスGa2を第2ガス供給路60へ送り出す送風ファンを有していることが好ましい。また、凝縮器50は、凝縮器50内の凝縮水を必要に応じて排水できるように構成されていることが好ましい。
【0017】
第2ガス供給路60は、凝縮器50から送り出された前記第2混合ガスGa2を焼成炉20に供給するように構成されている。第2ガス供給路60の一端(上流側)は凝縮器50に接続され、他端(下流側)は焼成炉20に接続されている。第2ガス供給路60は、焼成炉20内の圧力(全圧)を一定に制御するように構成されている。
【0018】
ガス排出路40および第2ガス供給路60は、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との熱交換を行うように配置されている。これにより、第1混合ガスGa1が冷却され、水蒸気を凝縮させやすくすることができる。また、第2混合ガスGa2が加熱されるため、焼成炉20内の温度低下を抑制することができる。
【0019】
ガス排出路40の一部および第2ガス供給路60の一部は、図1に示すように、互いに沿うように配置されていることが好ましい。これにより、上述の熱交換を効率的に行うことができる。
【0020】
ガス排出路40の一部および第2ガス供給路60の一部は、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との流れが対向するように配置されていることが好ましい。これにより、上述の熱交換を効率的に行うことができる。
【0021】
加熱部70は、上述の熱交換を行った後の第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2を、焼成炉20内の温度付近(例えば、焼成炉20内の温度±50度の範囲内)まで加熱するように構成されている。これにより、焼成炉20内と、第2混合ガスGa2との温度差を低減し、第2混合ガスGa2を焼成炉20に供給する際、焼成炉20内の温度低下を抑制することができる。
【0022】
加熱部70は、図1に示すように、第2ガス供給路60と焼成炉20との接続部近傍に配置されていることが好ましい。これにより、第2混合ガスGa2を加熱した後、高温の状態を保ったまま焼成炉20へ供給しやすくなる。
【0023】
上述のような構成を有する焼成物製造装置10によって、被焼成物を焼成し、焼成物を製造することができる。本実施形態の焼成物製造装置10は、第1混合ガスGa1から水蒸気を凝縮させて除去することで、焼成炉20内の酸素分圧を保持しやすくなるため、使用する酸素ガス量を低減することができる。また、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2とを熱交換することで、第1混合ガスGa1が冷却されるため、効率よく第1混合ガスGa1から水蒸気を除去することができる。その結果、焼成物を製造する際の製造コストを低減することが可能となる。さらに、上述の熱交換により第2ガス供給路60から供給される第2混合ガスGa2が加熱されるため、焼成炉20内の温度低下を抑制することができる。その結果、被焼成物を安定的に焼成することが可能となる。
【0024】
(2)焼成物製造装置10を用いた、焼成物の製造方法
次に、本実施形態の焼成物製造装置10を用いた、焼成物の製造方法について説明する。
【0025】
まず、水酸化物または水和化合物の少なくとも一方を含む被焼成物を被焼成物収容容器21内に収容する。そして、第1ガス供給路30を用いて、酸素ガスを焼成炉20内に供給する。また、ヒータ22を用いて、焼成炉20内を昇温する。
【0026】
被焼成物の焼成により水蒸気が生成されるため、焼成炉20内の圧力(全圧)を一定に制御した場合、焼成炉20内の酸素分圧は、被焼成物の焼成が進むにつれて低下することが予想される。そこで、ガス排出路40を用いて、水蒸気と酸素ガスとを含む第1混合ガスGa1を焼成炉20から排出する。
【0027】
焼成炉20から排出された直後の第1混合ガスGa1は、凝縮器50から送り出された直後の第2混合ガスGa2より高温の状態となっている。第1混合ガスGa1がガス排出路40内を流れる際、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との熱交換を行うことで、第1混合ガスGa1を冷却することができる。これにより、第1混合ガスGa1中の水蒸気を凝縮させやすくなる。第1混合ガスGa1を適切な温度まで冷却したら、第1混合ガスGa1を凝縮器50に導入する。
【0028】
第1混合ガスGa1を凝縮器50に導入したら、第1混合ガスGa1に対して、冷却または圧縮の少なくとも一方を行い、第1混合ガスGa1から水蒸気を凝縮させて除去する。そして、第1混合ガスGa1よりも酸素のモル分率の高い第2混合ガスGa2を得る。なお、水蒸気が凝縮した後の凝縮水は、必要に応じて凝縮器50から排出すればよい。第2混合ガスGa2を得たら、送風ファン等を用いて、第2混合ガスGa2を第2ガス供給路60へ送り出す。
【0029】
凝縮器50から送り出された直後の第2混合ガスGa2は、焼成炉20から排出された直後の第1混合ガスGa1より低温の状態となっている。第2混合ガスGa2が第2ガス供給路60内を流れる際、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との熱交換を行うことで、第2混合ガスGa2を加熱することができる。これにより、第2混合ガスGa2を焼成炉20に供給する際、焼成炉20内の温度低下を抑制することができる。その結果、被焼成物を安定的に焼成することが可能となる。
【0030】
第1混合ガスGa1と、第2混合ガスGa2との熱交換を行い、第2混合ガスGa2を加熱しても、第2混合ガスGa2の温度は、焼成炉20内の温度よりも低い場合がある。そこで、焼成炉20内と、第2混合ガスGa2との温度差が大きい場合、加熱部70を用いて、第2混合ガスGa2を、焼成炉20内の温度付近まで加熱することが好ましい。これにより、焼成炉20内と、第2混合ガスGa2との温度差を低減し、第2混合ガスGa2を焼成炉20に供給する際、焼成炉20内の温度低下を抑制することができる。第2混合ガスGa2を適切な温度まで加熱したら、第2混合ガスGa2を焼成炉20に供給する。
【0031】
酸素のモル分率の高い第2混合ガスGa2を焼成炉20に供給することにより、焼成炉20内の酸素分圧が上昇する。これにより、焼成炉20内の酸素分圧を保持しやすくなるため、使用する酸素ガス量を低減することができる。その結果、焼成物を製造する際の製造コストを低減することが可能となる。
【0032】
以上の工程により、製造コストを低減しつつ、焼成物を製造することができる。
【0033】
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0034】
(a)本実施形態の焼成物製造装置10は、水酸化物または水和化合物の少なくとも一方を含む被焼成物を焼成する焼成炉20と、焼成炉20に酸素ガスを供給する第1ガス供給路30と、焼成炉20から水蒸気と酸素ガスとを含む第1混合ガスGa1を排出するガス排出路40と、第1混合ガスGa1から水蒸気を凝縮させて除去し、第1混合ガスGa1よりも酸素のモル分率の高い第2混合ガスGa2を得る凝縮器50と、焼成炉20に第2混合ガスGa2を供給する第2ガス供給路60と、を有している。このような構成により、焼成炉20内の酸素分圧を保持しやすくなるため、使用する酸素ガス量を低減することができる。
【0035】
(b)本実施形態の焼成物製造装置10において、ガス排出路40および第2ガス供給路60は、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との熱交換を行うように配置されている。これにより、第1混合ガスGa1が冷却されるため、効率よく第1混合ガスGa1から水蒸気を除去することができる。その結果、焼成物を製造する際の製造コストを低減することが可能となる。さらに、第2ガス供給路60から供給される第2混合ガスGa2が加熱されるため、焼成炉20内の温度低下を抑制することができる。その結果、被焼成物を安定的に焼成することが可能となる。
【0036】
ここで、例えば、第1ガス供給路30内の酸素ガスと、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1との熱交換を行うように、各配管を配置した場合、第1ガス供給路30内の酸素ガスによって、第1混合ガスGa1の冷却は行われるものの、第2混合ガスGa2を低温の状態で焼成炉20に供給することになる。そのため、焼成炉20内の温度が不安定となる可能性がある。これに対し、本実施形態では、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との熱交換を行うため、第1混合ガスGa1の冷却と、第2混合ガスGa2の加熱を同時に行うことができる。さらに、加熱部70により、第2混合ガスGa2を焼成炉20内の温度付近まで加熱してから焼成炉20に供給するため、焼成炉20内の温度を安定化することが可能となる。
【0037】
(c)本実施形態の焼成物製造装置10において、ガス排出路40の一部および第2ガス供給路60の一部は、互いに沿うように配置されていることが好ましい。これにより、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との熱交換を効率的に行うことができる。
【0038】
(d)本実施形態の焼成物製造装置10において、ガス排出路40の一部および第2ガス供給路60の一部は、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との流れが対向するように配置されていることが好ましい。これにより、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との熱交換を効率的に行うことができる。
【0039】
(e)本実施形態の焼成物製造装置10は、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2を、焼成炉20内の温度付近まで加熱する加熱部70を有していることが好ましい。これにより、焼成炉20内と、第2混合ガスGa2との温度差を低減し、第2混合ガスGa2を焼成炉20に供給する際、焼成炉20内の温度低下を抑制することができる。
【0040】
(4)第1実施形態の変形例
上述の実施形態は、必要に応じて、以下に示す変形例のように変更することができる。以下、上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明し、上述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
図2は、本変形の焼成物製造装置100の一例を示す概略構成図である。図2に示すように、本変形例の焼成物製造装置100は、ガス排出路40の一部および第2ガス供給路60の一部は、二重管として構成されている。具体的には、第2ガス供給路60が二重管の内管、ガス排出路40が二重管の外管として構成されている。
【0042】
本変形例では、上述の第1実施形態と比べて、ガス排出路40および第2ガス供給路60の接触面積(伝熱面積)を大きくしやすい。これにより、ガス排出路40内の第1混合ガスGa1と、第2ガス供給路60内の第2混合ガスGa2との熱交換を効率的に行うことができる。
【0043】
また、本変形例では、第2ガス供給路60が二重管の内管として構成されているため、第2ガス供給路60と外気との接触面積が小さくなり、第2混合ガスGa2の熱が外気によって奪われ難い。また、ガス排出路40が二重管の外管として構成されているため、ガス排出路40と外気との接触面積が大きくなり、第1混合ガスGa1を外気によって冷却しやすくなる。
【0044】
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0045】
例えば、上述の実施形態では、焼成炉20として、密閉性に優れたバッチ式の炉を例示したが、生産性向上の観点からは、被焼成物を焼成炉20内に連続的に供給可能なコンベア式等の連続炉を用いてもよい。この場合、焼成炉20は、被焼成物を供給するための入り口と、焼成物を搬出するための出口を有することが好ましい。
【符号の説明】
【0046】
10 焼成物製造装置
20 焼成炉
21 被焼成物収容容器
22 ヒータ
30 第1ガス供給路
40 ガス排出路
50 凝縮器
60 第2ガス供給路
70 加熱部
100 焼成物製造装置
図1
図2