(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014581
(43)【公開日】2022-01-20
(54)【発明の名称】頬紅化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20220113BHJP
A61Q 1/08 20060101ALI20220113BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20220113BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20220113BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A61K8/46
A61Q1/08
A61K8/19
A61K8/29
A61K8/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116966
(22)【出願日】2020-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】森光 太郎
(72)【発明者】
【氏名】大平 学
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB221
4C083AB222
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB361
4C083AB362
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC242
4C083AC352
4C083AC792
4C083BB23
4C083BB24
4C083CC11
(57)【要約】
【課題】 本発明が解決しようとする課題は、有機顔料とともに酸化鉄被覆(合成)雲母などの無機顔料を用いたときであっても有機顔料元来の発色性が損なわれることがなく、キラキラ感があり、輝度や彩度に優れた頬紅化粧料を提供することにある。
【解決手段】 本発明の頬紅化粧料は、有機色素で強化した薄片状無機顔料を含む。前記薄片状無機顔料における基材が、金属または金属酸化物を含むことが好ましい。前記薄片状無機顔料における基材が、当該基材とは異なる無機材料成分で表面被覆されていることが好ましい。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機色素で強化した薄片状無機顔料を含む頬紅化粧料。
【請求項2】
前記薄片状無機顔料における基材が、金属または金属酸化物を含む請求項1に記載の頬紅化粧料。
【請求項3】
前記薄片状無機顔料における基材が、当該基材とは異なる無機材料成分で表面被覆されている請求項1又は2に記載の頬紅化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頬紅化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から頬紅化粧料(別名:チークカラー、チークシャドウ、ブラッシュ)としては、頬に塗布したときの発色や艶が良く、魅力的な外観を有していることが求められる。また、使用用途・目的によっては、発色性や艶だけでなく、キラキラ感など輝度に優れているものが求められる。
【0003】
例えば、特許文献1にはメイクアップ化粧料として、赤226号などの有機顔料とともに、二酸化チタンの被覆層を有する雲母チタンなどの無機顔料を光輝材として使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に代表されるメイクアップ化粧料では、有機顔料・染料と、酸化鉄被覆(合成)雲母などの無機顔料とが単純に混合されているだけである。このようなメイクアップ化粧料では、有機顔料・染料と無機顔料の双方に特段相互作用は働いていないため、光輝材表面の強い反射光により有機顔料・染料の表面反射あるいは散乱光が弱められ、有機顔料元来の発色性が損なわれることがあるという課題がある。
【0006】
本発明は、有機顔料とともに酸化鉄被覆(合成)雲母などの無機顔料を用いたときであっても有機顔料元来の発色性が損なわれることがなく、キラキラ感があり、輝度や彩度に優れた頬紅化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、有機色素で強化した薄片状無機顔料を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明は、
『項1. 有機色素で強化した薄片状無機顔料を含む頬紅化粧料。
項2. 前記薄片状無機顔料における基材が、金属または金属酸化物を含む項1に記載の頬紅化粧料。
項3. 前記薄片状無機顔料における基材が、当該基材とは異なる無機材料成分で表面被覆されている項1又は2に記載の頬紅化粧料。』
に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の頬紅化粧料は、有機顔料などの有機色素元来の発色性が損なわれることがなく、キラキラ感があり、輝度や彩度に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
<頬紅化粧料>
本発明の頬紅化粧料は、有機色素で強化した薄片状無機顔料(以下、「有機色素強化薄片状無機顔料」と称する場合がある)を含む。本発明の頬紅化粧料は、パウダー(粉体)タイプであっても、クリーム(半固形)タイプ(クリームチーク)であっても、リキッド(液状)タイプ(リキッドチーク)、スティック(固形)タイプ(チークスティック)であってもよい。また、シート状の紙おしろいの成分として含まれていてもよい。本明細書にて「強化」とは、有機色素由来の発色を薄片状無機顔料によりさらに強めるという意味、発色を増感するという意味である。以下、本発明の頬紅化粧料の構成について説明する。
【0012】
(有機色素強化薄片状無機顔料)
有機色素強化薄片状無機顔料における有機色素としては、例えば、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色223号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色401号、青色1号、青色404号等の有機顔料;β-カロチン、カラメル、パプリカ色素等の天然有機色素が挙げられる。これらの有機色素としては、1種を単独で用いてもよいが、求められる色相に合わせて2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。なお、ここでは日本の法定色素を中心に記載したが、海外法規制で適合する有機色素も使用可能である。
【0013】
有機色素強化薄片状無機顔料における基材としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、合成金雲母、カオリン、クレー、ベントナイト、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム、雲母、合成雲母が挙げられる。これらの基材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記基材は、異なる無機材料成分で表面被覆されていることが好ましい。このような無機材料成分としては、例えば酸化チタン、酸化鉄、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカなどが挙げられる。これらの無機成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。つまり、無機材料成分で表面被覆された基材としては、例えば、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆合成雲母が挙げられる。
【0014】
有機色素強化薄片状無機顔料は、上記基材を上記有機色素で強化することにより得られるが、市販品の有機色素強化薄片状無機顔料を用いてもよい。このような市販品としては、例えばC91-4131 INTENZA Passionate Kiss、C91-4235 INTENZA Electric Pink、C91-4221 INTENZA Orange Zest、C91-4236 INTENZA Flamingo、C91-4251 INTENZA Blue Lagoon、C91-4211 INTENZA Yellow Spark、C91-4132 INTENZA Eye Candy、C91-4133 INTENZA Red Hot、C91-4152 INTENZA Aqua Splash、C91-4161 INTENZA Envy、C91-4231 INTENZA Radiant Rose、 C91-4232 INTENZA Cerise、C91-4234 INTENZA Tourmarine、C91-4241 INTENZA Purpule Regin、C91-4812 INTENZA Optimism、C91-4832 INTENZA Passion、C91-4838 INTENZA Creativity、C91-4852 INTENZA Trust、C91-6113 INTENZA Yellow Taffeta、C91-6133 INTENZA Rubis Velvet、C91-6153 INTENZA Blue ChambrayなどのINTENZAシリーズ(以上、Sun Chemical社製)が挙げられる。これらの無機顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、INTENZAは、顔料、すなわち化粧品用の光沢効果のある顔料において、Sun Chemical B.V.の図形登録商標である。
【0015】
有機色素強化薄片状無機顔料の大きさとしては、厚みが例えば0.1~5μm(好ましくは0.3~3μm)であり、長辺方向の長さが例えば3~100μm(好ましくは10~50μm)である。有機色素強化薄片状無機顔料の平均アスペクト比(長さ/厚み 比)は、例えば10~200、好ましくは20~150である。また、有機色素強化薄片状無機顔料の平均粒径は、例えば3~30μm、好ましくは5~20μmである。
【0016】
有機色素強化薄片状無機顔料の含有量は、頬紅化粧料(固形分)全量に対して、例えば0.1~10質量%、好ましくは0.3~5質量%、より好ましくは0.5~3質量%である。本発明の頬紅化粧料では、薄片状の無機顔料を用いることで、少量の場合であっても高い輝度が得られる。
【0017】
本発明で使用する有機色素強化薄片状無機顔料は、本発明の頬紅化粧料だけでなく、ファンデーション、口紅、アイメイク、ボディパウダー、ネイルエナメル、シャンプー、パーマ剤、整髪剤、ヘアブリーチ剤、ヘアカラー剤、ヘアコンディショナー剤、育毛剤、ヘアトニック、サンスクリーン剤、入浴剤、美白用化粧料、保湿・肌荒れ防止用化粧料、抗酸化用化粧料、しわ・たるみ改善用化粧料等にも本来の機能を損なわない範囲で適宜使用できる。
【0018】
(有機色素)
本発明の頬紅化粧料は、有機色素強化薄片状無機顔料とは別に有機色素を含んでいてもよい。このような有機色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられる。上記有機色素強化薄片状無機顔料における有機色素にて挙げたものを使用してもよい。これらの有機色素としては、1種を単独で用いてもよいが、求められる色相に合わせて2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、ここでは日本の法定色素を中心に記載したが、海外法規制で適合する有機色素も同様に使用可能である。これらの有機色素を含む場合のその含有量は、頬紅化粧料(固形分)全量に対して、例えば0.5~60質量%、好ましくは1.0~50質量%、より好ましくは1.0~40質量%である。
【0019】
また、有機色素として天然有機色素を用いてもよい。天然有機色素としては、β-カロチン、カラメル、パプリカ色素、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。天然有機色素を含む場合のその含有量は、頬紅化粧料(固形分)全量に対して、例えば0.1~30質量%、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは0.5~10質量%である。
無機顔料を含むことが好ましい。
【0020】
(無機顔料)
本発明の頬紅化粧料は、輝度をさらに向上するため、有機色素、有機色素強化薄片状無機顔料とともに、さらに無機顔料を含むことが好ましい。
【0021】
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、ベンガラ、酸化鉄、マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、合成金雲母、カオリン、雲母チタン、合成雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆合成雲母が挙げられる。このような無機顔料は、目的とする用途、好ましい色調に合わせて適宜選択して用いることができる。無機顔料を用いることで、本発明の頬紅化粧料における輝度や彩度をさらに向上することができる。無機顔料の含有量は、頬紅化粧料全体に対して例えば0.5~15質量%、好ましくは1.0~10質量%である。海外法規制で適合する無機顔料も同様に使用可能である。
【0022】
(油性基剤)
本発明の頬紅化粧料は、形状を整えたり、色素を分散安定化させたり、頬への塗布に適した展延性(伸び)を得たりする目的で油性基剤を使用することが好ましい。本発明の頬紅化粧料では、頬紅化粧料(チークカラーなど)で、一般的に使用される公知慣用の油性基剤を用いることができる。
【0023】
油性基剤としては、特にクリーム形状やスティック形状など固形・半固形の頬紅化粧料に用いる場合、常温(25℃)で固体のワックス類が好ましく用いられる。このようなワックス類としては、例えば、キャンデリラロウ、カルナバロウ、ライスワックス、木ロウ、サンフラワーワックスなどの植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物系ワックス、固形パラフィン等の石油系ワックス、シリコーンワックス、合成ミツロウ等の合成ワックスが挙げられる。これらのワックス類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
このような常温(25℃)で固体のワックス類を用いる場合のその含有量は、例えば、油性基剤全体の30質量%以上、好ましくは50質量%以上である。また、常温(25℃)で固体のワックス類の含有量は、例えば、頬紅化粧料全体の20質量%以上、好ましくは40質量%以上である。
【0025】
また、本発明の頬紅化粧料では、油性基剤として固形のワックス類以外に、常温(25℃)で液体である液状油性成分を用いてもよい。液状油性成分としては、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、カニバラ果実油、カカオ脂、ラノリン等の植物系油;馬油、タートル油、イノシシ油、ミンク油、サメ油などの動物系油;ワセリン、流動パラフィン、イソデカン、イソドデカン、オクチルドデシル、リンゴ酸ジシソステアリル、水添ポリイソブテン等の炭化水素系油;イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソトリデシル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、オクチルドデカノール、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オクチルドデシル)等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン等のシリコーン油;ダイマー酸エステル、ダイマージオール誘導体、コレステロール脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル等が挙げられる。また、スクワランなどの植物系油や動物系油から抽出された成分を液状油性成分として用いてもよい。これらの油性成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
特にクリーム形状やスティック形状など固形・半固形の頬紅化粧料に用いる場合、液状油性成分の含有量は、例えば、油性基剤全体の3~30質量%、好ましくは5~20質量%である。また、その場合の液状油性成分の含有量は、例えば頬紅化粧料全体の1~20質量%、好ましくは2~15質量%である。
【0027】
特に液状である頬紅化粧料(リキッドチーク)に用いる場合、液状油性成分の含有量は、例えば、油性基剤全体の30~95質量%、好ましくは40~90質量%である。また、その場合の液状油性成分の含有量は、例えば、頬紅化粧料全体の20~80質量%、好ましくは30~70質量%である。
【0028】
(その他の成分)
本発明の頬紅化粧料では、その他の成分として、頬紅化粧料で一般的に使用される添加剤(界面活性剤、紫外線吸収剤、溶解助剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、保湿剤、香料、キレート剤、pH調整剤等)を含んでいてもよい。また、タルク、窒化ホウ素、酸化スズ、ホウケイ酸などの充填剤(滑剤);シリカ、ヘマチン、ジメンシコン、ケイ酸シリカ、結晶セルロース、ミリスチン酸亜鉛などの抗ケーキング剤;ステアリルアルコール、オリーブ油、オレイン酸、ジメチコン、エルカ酸オクチルドデシルなどの閉塞剤を含んでいてもよい。これらの添加剤の含有量は、それぞれ頬紅化粧料全体に対して、例えば0.1~10質量%程度である。
【0029】
界面活性剤としては、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤等が挙げられる。
【0030】
紫外線吸収剤としては、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、サリチル酸-2-エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル、パラメトキシ桂皮酸-2-エチルヘキシル、4-tert-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、(1,3,5)-トリアジン-2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びそのナトリウム塩等が挙げられる。
【0031】
溶解助剤としては、エタノール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。防腐剤や抗菌剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、デヒドロ酢酸塩、感光素、イソプロピルメチルフェノールペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、アニス酸等が挙げられる。酸化防止剤としては、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
【0032】
本発明の頬紅化粧料は、主成分が油性成分である油性タイプであってもよく、油性成分にさらに水やアルコール成分(グリセリン、プロピレングリコールなど)を配合した乳化タイプであってもよい。乳化タイプである場合、上記水やアルコール成分を、頬紅化粧料全体に対して例えば3~15質量%、好ましくは5~10質量%含むことが好ましい。
【0033】
本発明の頬紅化粧料は、頬に塗布した後に落ちにくくするため、上記の油性タイプや乳化タイプの頬紅化粧料に、さらに揮発性の環状シリコーンや被膜剤としてシリコーンレジン(ジメチルポリシロキサン、ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサンなど)などを配合してもよい。これらの成分を配合する場合、被膜剤を、頬紅化粧料全体に対して例えば1~10質量%、好ましくは3~10質量%含むことが好ましい。
【0034】
[頬紅化粧料の製造方法]
本発明の頬紅化粧料は、公知慣用の方法により製造できる。例えば、パウダー(粉体)タイプの頬紅化粧料は、有機色素強化薄片状無機顔料、必要に応じて有機色素、無機粒子、油性基剤を攪拌混合し、これに添加剤を加えることにより得られる。また、さらに粉砕や分級を行い、粒子の形状を整えてもよい。例えば、クリーム(半固形)タイプもしくはスティック(固形)タイプの頬紅化粧料は、有機色素強化薄片状無機顔料、必要に応じて有機色素、無機粒子、油性基剤を攪拌混合し、これに添加剤や液状油性成分を加え、混合し、これを型に流し込み成型することにより得られる。また、さらに圧縮成型を行い形状を整えてもよい。
【実施例0035】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。実施例1-2及び比較例1-2の頬紅組成物の組成および評価結果は表1のとおりである。なお、表1中の数値の単位はgである。
【0036】
[実施例1(パウダータイプ)]
有機色素強化薄片状無機顔料としてC91-4131 INTENZA Passionate Kiss 1.0g、赤色202号 2.0g、タルク 79.0g、カオリン 8.0g、ミリスチン亜鉛 4.0gをブレンダーに投入し、良く混ぜ合わせて混合物1-aを作製した。混合物1-aを攪拌しながら、イソプロピルミリスチン酸エステル3.0gと流動パラフィン 3.0gと適量の香料と適量の防腐剤を噴霧し、粉砕機にて処理後、圧縮成型し、パウダー状の頬紅組成物1を得た。
【0037】
[比較例1(パウダータイプ)]
C91-4131 INTENZA Passionate Kiss1.0gと赤色202号 2.0gに代えて、無機エフェクト顔料であるC80-1208 SunPURO Silver White 0.90gと赤色202号 2.1gを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で頬紅組成物2を得た。
【0038】
[実施例2(半固形・クリームタイプ)]
流動パラフィン 15.0gに二酸化チタン 4.0g、酸化鉄 0.1g、C91-4131 INTENZA Passionate Kiss 0.4g、赤色202号 0.5gを加え、ローラーで処理し、混合物2-aを作製した。流動パラフィン10.0gにセレシン 15.0g、ワセリン 20.0g、イソプロピルミリスチン酸エステル 15.0gを混合、加熱溶解した後、これに混合物2-aとカオリン 20.0gを加えてホモミキサーで均一に分散し、攪拌しながら50℃まで冷却し、容器に充填してクリーム状の頬紅組成物3を得た。
【0039】
[比較例2(半固形・クリームタイプ)]
C91-4131 INTENZA Passionate Kiss 0.4gと赤色202号 0.5gに代えて、無機エフェクト顔料であるC80-1208 SunPURO Silver White 0.36gと赤色202号 0.54gを用いたこと以外は実施例2と同様の方法で頬紅組成物4を得た。
【0040】
[評価:彩度]
頬紅組成物1-4及びそれぞれの有機色素強化薄片状無機顔料(INTENZA)や無機エフェクト顔料(SunPURO)を配合していない頬紅組成物について、多角度分光測色計にて目視に近いC*45値を測定した。有機色素強化薄片状無機顔料(INTENZA)や無機エフェクト顔料(SunPURO)を配合していない頬紅組成物と比較して、頬紅組成物1-4の方がC*45値が大きければ「〇」(彩度が高い)、同等であれば「△」(彩度に変化なし)、低ければ「×」(彩度が悪い)と評価した。
【0041】
[評価:キラキラ感]
目視によりキラキラ感(粒子感)を判定した。キラキラ感が有れば「〇」、なければ「×」とした。
【0042】