(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145838
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】高度なパターン形成用途のためのインサイチュでの選択的堆積及びエッチング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/302 20060101AFI20220926BHJP
C23F 1/12 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
H01L21/302 201A
C23F1/12
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022126823
(22)【出願日】2022-08-09
(62)【分割の表示】P 2019563215の分割
【原出願日】2018-05-15
(31)【優先権主張番号】62/506,299
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/528,061
(32)【優先日】2017-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】タピリー,カンダバラ エヌ.
(57)【要約】
【課題】高度なパターン形成用途のためのインサイチュでの選択的堆積及びエッチングを提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、基板を処理する方法であって、暴露された第1の材料層及び暴露された第2の材料層を有する基板を処理チャンバ内に設けることと、基板をガスパルスシーケンスに暴露して、追加の材料層を暴露された第1の材料層上に選択的に堆積するが、暴露された第2の材料層上には堆積しないことであって、ガスパルスシーケンスが、任意の順序で、ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガスに基板を暴露することと、アルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスに基板を暴露することと、を含むことと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
暴露された第1の材料層及び暴露された第2の材料層を有する基板を処理チャンバ内に設けることと、
前記基板をガスパルスシーケンスに暴露して、追加の材料層を前記暴露された第1の材料層上に選択的に堆積するが、前記暴露された第2の材料層上には堆積しないことであって、前記ガスパルスシーケンスが、任意の順序で、
ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガスに前記基板を暴露することと、
アルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスに前記基板を暴露することと、
を含むことと、を含む方法。
【請求項2】
前記暴露された第1の材料層がアルミニウムを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記暴露された第1の材料層が、Al金属、Al2O3、AlN、又はそれらの組み合わせを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記暴露された第2の材料層が、TiO2、TiN、HfO2、HfN、ZrO2、ZrN、又はそれらの組み合わせを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ハロゲン含有ガスが、SiCl4、BCl3、及びCCl4からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ハロゲン含有ガスが、TiF4、TiCl4、TiBr4、及びTiI4からなる群から選択されるチタンハロゲン化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アルキルアルミニウムが、AlMe3、AlEt3、AlPr3、及びAl(i-Bu)3からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板の温度が、約300℃~約500℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記追加の材料層がTiAlOXを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板を前記ガスパルスシーケンスに前記暴露することが、前記第2の材料層をエッチングする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
基板を処理する方法であって、
暴露された金属含有材料及び暴露された誘電体材料を含んでいる基板を処理チャンバ内に設けることと、
前記誘電体材料上に金属含有層を、及び前記金属含有層上に追加の金属含有層を堆積することであって、前記追加の金属含有層の量が前記金属含有層の量よりも少量であることと、
前記基板をガスパルスシーケンスに暴露して、プラズマがない状態で前記金属含有層から前記追加の金属含有層を除去することであって、前記ガスパルスシーケンスが、任意の順序で、
ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガスに前記基板を暴露することと、
アルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスに前記基板を暴露することと、
を含むことと、を含む方法。
【請求項12】
前記金属含有層が、TiO2、TiN、HfO2、HfN、ZrO2、ZrN、又はそれらの組み合わせを含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ハロゲン含有ガスが、TiF4、TiCl4、TiBr4、及びTiI4からなる群から選択されるチタンハロゲン化物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記アルキルアルミニウムが、AlMe3、AlEt3、AlPr3、及びAl(i-Bu)3からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記金属含有材料が、Al金属、Al2O3、AlN、又はそれらの組み合わせを含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ハロゲン含有ガスが、SiCl4、BCl3、及びCCl4からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月15日に出願された米国仮特許出願第62/506,299号明細書に関するものであり、その優先権を主張し、その全内容が、参照により本願明細書に援用される。本出願は、2017年7月1日に出願された米国仮特許出願第62/528,061号明細書にもまた関するものであり、その優先権を主張し、その全内容が、参照により本願明細書に援用される。
【0002】
本発明は、半導体処理及び半導体デバイスに関し、より詳細には、高度なパターン形成用途のためのインサイチュでの選択的堆積及びエッチングに関する。
【背景技術】
【0003】
より小型のトランジスタが製造されるにつれて、パターン形成されたフィーチャの限界寸法(CD:Critical Dimension)又は解像度により、生産の難易度がますます高くなっている。サブ10nm技術ノードは、設計仕様に対し、厳格な厚さ、均一性、及び原子レベルでほぼマージンや変動がないことが要求される。EUV導入後であってもコスト効率の良いスケーリングが継続できるようにするには、自己整合パターン形成が、オーバーレイ駆動パターン形成(overlay-driven patterning)に取って代わる必要がある。薄膜の選択的エッチング及び堆積は、高度にスケーリングされた技術ノードをパターン形成する際の重要なステップである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、高度なパターン形成用途のためのインサイチュでの選択的堆積及びエッチングの方法を提供する。1つの実施形態によれば、方法は、金属含有層を上に有する基板を処理チャンバ内に設けることと、この基板をガスパルスシーケンスに暴露して、プラズマがない状態で金属含有層をエッチングすることであって、このガスパルスシーケンスが、任意の順序で、ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガスに基板を暴露することと、アルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスに基板を暴露することと、を含むことと、を含む。
【0005】
別の実施形態によれば、方法は、暴露された第1の材料層及び暴露された第2の材料層を有する基板を処理チャンバ内に設けることと、この基板をガスパルスシーケンスに暴露して、追加の材料層を暴露された第1の材料層上に選択的に堆積するが、暴露された第2の材料層上には堆積しないことであって、このガスパルスシーケンスが、任意の順序で、ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガスに基板を暴露することと、アルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスに基板を暴露することと、を含むことと、を含む。1つの実施形態によれば、ガスパルスシーケンスに基板を暴露することが、第2の材料層をエッチングする。
【0006】
添付の図面は、この明細書に組み入れられ、この明細書の一部を構成するが、それらは、本発明の実施形態を図示し、上記の本発明の全般的な説明、及び下記の詳細な説明とともに、本発明を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態による、基板を処理するためのガスパルスシーケンスを概略的に示す。
【
図2】本発明の実施形態による、基板を処理する実験結果を示す。
【
図3A】本発明の一実施形態による選択的堆積及びエッチングを概略的に示す。
【
図3B】本発明の一実施形態による選択的堆積及びエッチングを概略的に示す。
【
図4A】本発明の一実施形態による、多色パターン形成のための選択的堆積及びエッチングの例示的な方法を概略的に示す。
【
図4B】本発明の一実施形態による、多色パターン形成のための選択的堆積及びエッチングの例示的な方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態は、基板上の膜をガスパルスシーケンスに暴露することを含む方法を説明する。1つの実施形態によれば、この方法を使用して金属含有層を熱エッチングすることができる。別の実施形態によれば、この方法を使用して、他の金属含有層に材料を同時に堆積しながら金属含有層を選択的にエッチングすることができる。この方法は、半導体の製造に組み込むことができる。1つの例では、熱エッチング処理をゲートスタック形成及びパターン形成に組み込むことができる。別の例では、デバイスの仕事関数を調整するために、熱エッチング処理を正確な膜厚制御に使用することができる。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態は、金属含有層をエッチングするための等方性の熱原子層エッチング(ALE:Atomic Layer Etching)処理を説明する。金属含有の例には、ハフニウム酸化物(例えば、HfO2)、ハフニウム窒化物(例えば、HfN)などのHf含有化合物、ジルコニウム酸化物(例えば、ZrO2)及びジルコニウム窒化物(例えば、ZrN)などのZr含有化合物、並びに、チタン酸化物(例えば、TiO2)及びチタン窒化物(例えば、TiN)などのTi含有化合物が含まれる。金属酸化物のなかには(例えば、TiO2、HfO2、及びZrO2)、先端半導体デバイス用の有望なhigh-k(ハイカッパ)誘電体材料として識別されているものもある。1つの例では、HfO2がゲート誘電体材料として半導体デバイスで現在使用されている。
【0010】
1つの実施形態によれば、方法は、金属含有層を上に有する基板を処理チャンバ内に設けることと、この基板をガスパルスシーケンスに暴露して、プラズマがない状態で金属含有層をエッチングすることであって、このガスパルスシーケンスが、任意の順序で、ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガスに基板を暴露することと、アルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスに基板を暴露することと、を含むことと、を含む。ガスパルスシーケンスを少なくとも一度繰り返して、金属含有層をさらにエッチングすることができる。1つの実施形態によれば、方法は、第1の反応ガス及び第2の反応ガスに基板を暴露するステップの間で、不活性ガスで処理チャンバをパージすることをさらに含む。
【0011】
1つの実施形態によれば、ハロゲン含有ガスは、TiF4、TiCl4、TiBr4、及びTiI4からなる群から選択されるチタンハロゲン化物を含む。別の実施形態によれば、ハロゲン含有ガスは、SiCl4、BCl3、及びCCl4からなる群から選択することができる。1つの実施形態によれば、アルキルアルミニウムは、トリメチルアルミニウム(AlMe3)、トリエチルアルミニウム(AlEt3)、トリプロピルアルミニウム(AlPr3)、及びトリブチルアルミニウム(AlBu3)からなる群から選択することができる。他の実施形態は、混合配位子を有するアルキルアルミニウム、例えば、AlMe2Et、又はAlMeEt2の使用を含む。いくつかの実施形態によれば、基板の温度は、約200℃~500℃未満、又は約300℃~約400℃とすることができる。ハロゲン含有ガス及びアルキルアルミニウムへの暴露はいずれも、基板表面をハロゲン含有ガス及びアルキルアルミニウムで飽和させる飽和暴露とすることができる。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による、基板を処理するためのガスパルスシーケンスを概略的に示す。ガスパルスシーケンスは、プラズマ励起がない状態での順次の反応ガスパルスのサイクルを含む。各サイクルは、ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガスパルス101と、パージガスパルス102(例えば、Ar)と、アルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスパルス103と、パージガスパルス104(例えば、Ar)と、を含む。第1の反応ガスパルス101及び第2の反応ガスパルス103は、不活性ガスをさらに含んでいる場合がある。別の実施形態によれば、パージガスパルス102及び104のうちの1つ以上は、省略することができる。
【0013】
基板処理の例
基板上のTiN膜を本発明の一実施形態に従って処理した。TiCl4、Ar、AlMe3、及びArの順次暴露の複数のサイクルを使用して、TiN膜を処理した。TiCl4のパルス長は5秒であり、AlMe3のパルス長は6秒であった。TiCl4パルス及びAlMe3パルスはいずれも、飽和暴露であり、基板の温度は350℃であった。TiN膜の厚さは、0回、50回、150回、及び250回のサイクルの後にX線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)によって測定した。TiN膜のエッチング速度は、約0.1Å/サイクルであった。
【0014】
基板上のHfO2膜を本発明の一実施形態に従って処理した。TiCl4、Ar、AlMe3、及びArの順次暴露のサイクルを使用して、HfO2膜を処理した。TiCl4のパルス長は5秒であり、AlMe3のパルス長は6秒であった。TiCl4パルス及びAlMe3パルスはいずれも、飽和暴露であり、基板の温度は350℃であった。HfO2膜の厚さは、0回、20回、50回、及び100回のサイクルの後にXPSによって測定した。HfO2膜のエッチング速度は、約0.37Å/サイクルであった。
【0015】
基板上のZrO2膜を本発明の一実施形態に従って処理した。TiCl4、Ar、AlMe3、及びArの順次暴露のサイクルを使用して、ZrO2膜を処理した。TiCl4のパルス長は5秒であり、AlMe3のパルス長は6秒であった。TiCl4パルス及びAlMe3パルスはいずれも、飽和暴露であり、基板の温度は350℃であった。ZrO2膜の厚さは、0回、20回、50回、及び100回のサイクルの後にXPSによって測定した。ZrO2膜のエッチング速度は、約0.5Å/サイクルであった。
【0016】
図2は、本発明の実施形態による、基板を処理する実験結果を示す。上述のTiN膜、HfO
2膜、及びZrO
2膜をエッチングした結果が示されており、基板上のAl
2O
3膜を処理した実験結果もまた示されている。このAl
2O
3膜は、
図1に示されているTiCl
4、Ar、AlMe
3、及びArの順次暴露のサイクルを使用して処理した。TiCl
4のパルス長は5秒であり、AlMe
3のパルス長は6秒であった。基板の温度は350℃であった。
図2の実験結果は、HfO
2膜、ZrO
2膜、及びTiNがガス暴露によってエッチングされ、一方、Al
2O
3膜はエッチングされなかったことを示し、また、元素分析は、TiAlO
X材料がAl
2O
3膜上に堆積されたことを示した。
【0017】
1つの実施形態によれば、熱エッチング処理を使用して、ハードマスク堆積及び縦方向の誘電体成長のための領域選択的堆積の際の選択性を維持することができる。1つの実施形態によれば、出発基板が、誘電体材料に象眼された金属含有材料を含んでいる場合がある。金属含有材料の例には、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、及び銅(Cu)などの金属が含まれる。誘電体材料の例には、SiO2、SiON、SiN、SiCN、及びスピンオン酸化物が含まれる場合がある。出発基板は、H2暴露、アニーリング、及びそれらの組み合わせを使用して、前処理することができる。1つの例では、その後、出発基板は、金属含有材料の上に有機化合物の自己組織化単分子層を形成する反応ガスに暴露されて、後続の誘電体材料上への選択的堆積を強化し易くすることができる。その後、少なくとも実質的に選択的に、金属含有層を誘電体材料の上に堆積させることができる。1つの例では、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)によって金属含有層を堆積させることができる。金属含有材料の核生成サイトで少量の追加の金属含有層を堆積させることができる。追加の金属含有層の量は、金属含有層の量よりも少量であるが、領域選択的堆積の際の選択性を維持するためには、追加の金属含有材料を除去することが必要な場合がある。このため、金属含有材料の上の追加の金属含有層は、ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガス、及びアルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスを使用して、上述の熱エッチング処理によって除去することができる。その後、金属含有層の堆積、及び熱エッチングを少なくとも一度繰り返すことができる。
【0018】
1つの実施形態によれば、仕事関数の調整のために熱エッチング処理を使用することができる。半導体デバイスでは、閾値電圧(Vt)を設定することによる仕事関数の調整は、トランジスタの動作にとって重要である。仕事関数を制御するための1つの方法は、ゲートスタックの厚さ全体にわたる。しかしながら、スケーリングされたノードの場合、デバイス上で利用可能な空間は重大な問題であり、また、これは複数のゲート金属を有するスタックを必要とする場合がある。1つの例では、部分的に製造されたデバイスが、high-k層上、又はhigher-k酸化物(SiO2よりもkが高い)上に、初期金属含有層(例えば、TiN)を有する2つのゲート構造を含んでいる。方法は、パターン形成されたマスキング層を形成し、その後、上述の熱エッチング処理を実行することによって、1つのゲート構造から初期金属含有層を除去すること、又は薄層化することを含む。その後、マスキング層を除去し、基板上に追加の金属含有層を堆積し、これにより、追加の金属含有層を有する第1のゲート構造、並びに初期金属含有層及び追加の金属含有層を有する第2のゲート構造を形成することができる。初期金属含有層及び追加の金属含有層は、2つのゲート構造が異なる仕事関数を有するように選択することができる。1つの例では、初期金属含有層及び追加の金属含有層の堆積、並びに熱エッチング処理は、同じ基板温度か、又はほぼ同等の基板温度を使用して、同じ処理チャンバ内で実行することができる。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態は、高度なパターン形成用途のためのインサイチュでの選択的堆積及びエッチングの方法を提供する。
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態による選択的堆積及びエッチングを概略的に示す。1つの例では、
図3Aのパターン形成された基板3は、膜300(例えば、誘電体)内に、第2の材料層301(例えば、TiN)で満たされた凹状フィーチャと、第1の材料層304(例えば、Al
2O
3)と、を含み、この層は、第1の材料層304上に選択的に形成されているが、第2の材料層301上には形成されない。
図3Bは、パターン形成された基板3を、ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガス、及びアルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスに交互に暴露することを含むガスパルスシーケンスに暴露した後に得られた構造を示す。ガスパルスへの暴露は、暴露された第1の材料層304上にTiAlO
Xの層を選択的に堆積するが、暴露された第2の材料層301はエッチングされて、第2の材料層301を凹んだ状態にする。1つの例では、暴露された第1の材料層304は、Al金属、Al
2O
3、AlN、又はそれらの組み合わせを含んでいる。1つの例では、暴露された第2の材料層304は、TiO
2、TiN、HfO
2、HfN、ZrO
2、ZrN、又はそれらの組み合わせを含んでいる。
【0020】
1つの実施形態によれば、多色パターン形成のための選択的堆積及びエッチングの方法が提供される。多色パターン形成とは、異なる材料の選択的エッチング、及びその後、得られたパターンを使用して、1つ又は複数の下地層をエッチングすることを指す。選択的エッチング及び堆積は、ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガス、及びアルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスに交互に暴露することを含むガスパルスシーケンスを使用して行うことができる。
【0021】
図4A及び
図4Bは、本発明の一実施形態による、多色パターン形成のための選択的堆積及びエッチングの例示的な方法を概略的に示す。
図4Aでは、平坦化後のパターン形成された基板4が、左から右に、交互に並んだ材料402、401、402、403、402、405、402を含んでいる。交互に並んだ材料は、ABACADA、又は多色とも呼ばれる場合がある。1つの例では、材料402は、Al
2O
3を含有し、材料401は、HfO
2又はZrO
2を含有し、材料403は、TiNを含有し、材料403は、TiO
2を含有している。1つの実施形態によれば、基板4は、ハロゲン含有ガスを含んでいる第1の反応ガス、及びアルキルアルミニウムを含んでいる第2の反応ガスに交互に暴露することを含むガスパルスシーケンスに暴露して、材料401(例えば、HfO
2)を選択的に除去し、材料403(例えば、TiN)及び材料405(例えば、TiO
2)を部分的にエッチングし、そして、材料402(例えば、Al
2O
3)上に膜406(例えば、TiAlO
X)を選択的に堆積することができる。この選択的堆積/エッチング処理は、凹状フィーチャ407、409及び411を形成し、複雑なリソグラフィパターン形成ステップに取って代わることができる。得られた基板4は、材料401(例えば、HfO
2)が選択的に除去されている新たなパターンに従って、下地層(すなわち、その基層400)をエッチングすることによってさらに処理することができる。
【0022】
高度なパターン形成用途のためのインサイチュでの選択的堆積及び熱エッチングの複数の実施形態について説明してきた。本発明の実施形態の上述の説明は、例示及び説明を目的として提示したものである。この説明は、網羅的であること、又は開示されている厳密な形態に本発明を限定することを意図するものではない。本明細書及び以下の特許請求の範囲は、説明目的でのみ使用される用語を含み、限定するものとして解釈されないものとする。関連する技術分野の当業者であれば、上記教示に照らして多くの修正及び変形が可能であることを理解することができる。当業者は、図に示されている様々な構成要素の様々な等価な組み合わせ及び置換を認識するであろう。したがって、本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ本明細書に添付の特許請求の範囲によって限定されることを意図している。
【外国語明細書】