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特開2022-146399制御システム、制御装置、制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146399
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】制御システム、制御装置、制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09F 27/00 20060101AFI20220928BHJP
   G09F 5/00 20060101ALI20220928BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220928BHJP
【FI】
G09F27/00 G
G09F5/00 A
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047331
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】500149555
【氏名又は名称】株式会社サイバーエージェント
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(72)【発明者】
【氏名】岩本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】馬場 惇
(72)【発明者】
【氏名】吉川 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】石黒 浩
(72)【発明者】
【氏名】中西 惇也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】商品に人をより惹きつけること。
【解決手段】商品の近傍に位置する人物を検出するセンサと、センサの検出結果に基づいて、少なくとも商品の内部に設けられた稼働部、又は、商品の外部に設けられた稼働部を動かすことが可能なアクチュエータの動作に関する制御情報を決定する制御情報決定部と、制御情報に基づいて、アクチュエータを制御することで稼働部を動作させて商品を動かす機器制御部と、を備える、制御システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の近傍に位置する人物を検出するセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて、少なくとも前記商品の内部に設けられた稼働部、又は、前記商品の外部に設けられた稼働部を動かすことが可能なアクチュエータの動作に関する制御情報を決定する制御情報決定部と、
前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを制御することで前記稼働部を動作させて前記商品を動かす機器制御部と、
を備える、制御システム。
【請求項2】
前記稼働部は、生物の身体部位のように動作可能に前記商品に取り付けられ、
前記制御情報決定部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記商品に取り付けられた前記アクチュエータの制御情報を決定し、
前記機器制御部は、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを動作させることによって前記商品に対して生物のような動きを与える、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記稼働部は、前記商品を載せた台を走行可能に前記商品の外部に設けられ、
前記制御情報決定部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記商品の外部に設けられた前記アクチュエータの制御情報を決定し、
前記機器制御部は、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを回転駆動させることによって前記商品を走行させる、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記稼働部は、前記商品の形状を変化可能に前記商品に取り付け、又は、前記商品の内部に設けられ、
前記制御情報決定部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記商品に取り付け、又は、前記商品の内部に設けられた前記アクチュエータの制御情報を決定し、
前記機器制御部は、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを動作させることによって前記商品の形状を変化させる、請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記稼働部は、前記商品の動作を制御するための制御手段を操作可能に前記商品に取り付けられ、
前記制御情報決定部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記商品に取り付けられた前記アクチュエータの制御情報を決定し、
前記機器制御部は、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを動作させることによって前記商品の制御手段を制御する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
商品の近傍に位置する人物を検出するセンサの検出結果に基づいて、少なくとも前記商品の内部に設けられた稼働部、又は、前記商品の外部に設けられた稼働部を動かすことが可能なアクチュエータの動作に関する制御情報を決定する制御情報決定部と、
前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを制御することで前記稼働部を動作させて前記商品を動かす機器制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項7】
商品の近傍に位置する人物を検出するセンサの検出結果に基づいて、少なくとも前記商品の内部に設けられた稼働部、又は、前記商品の外部に設けられた稼働部を動かすことが可能なアクチュエータの動作に関する制御情報を決定する制御情報決定ステップと、
前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを制御することで前記稼働部を動作させて前記商品を動かす機器制御ステップと、
を有する制御方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、制御装置、制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人は、商品や展示物等の物体を紹介する際に、その物体の実物を見せたり、ディスプレイに映したりして紹介することがある。紹介者は、周りの人を一層惹きつけるために、周囲の状況や、周りの人の反応に基づいて、紹介内容を変えることができる。しかし、このように人が物体を直接紹介する方法は、紹介者や、紹介者を使役する者にとって大きな負担となる。そこで、非特許文献1のように予め動きと音声とを記録しておき、記録された動きと音声とを再生することで、人を介在することなく物体を紹介できる装置が検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】渡邊恵太、外4名、“SyncPresenter:動きと音声が同期したターンテーブル型プレゼンテーションシステム”、[online]、2013年3月1日、情報処理学会、[令和1年9月9日検索]、インターネット<URL:http://www.interaction-ipsj.org/archives/paper2013/data/Interaction2013/interactive/data/pdf/2EXB-35.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に開示される装置は、常に同じ内容が再生されるにとどまり、周囲の状況や、周りの人の反応に基づいて、紹介内容を変えることが難しい。このため、人を十分に惹きつけることができない場合があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、商品に人をより惹きつけることができる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、商品の近傍に位置する人物を検出するセンサと、前記センサの検出結果に基づいて、少なくとも前記商品の内部に設けられた稼働部、又は、前記商品の外部に設けられた稼働部を動かすことが可能なアクチュエータの動作に関する制御情報を決定する制御情報決定部と、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを制御することで前記稼働部を動作させて前記商品を動かす機器制御部と、を備える、制御システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記の制御システムであって、前記稼働部は、生物の身体部位のように動作可能に前記商品に取り付けられ、前記制御情報決定部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記商品に取り付けられた前記アクチュエータの制御情報を決定し、前記機器制御部は、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを動作させることによって前記商品に対して生物のような動きを与える。
【0008】
本発明の一態様は、上記の制御システムであって、前記稼働部は、前記商品を載せた台を走行可能に前記商品の外部に設けられ、前記制御情報決定部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記商品の外部に設けられた前記アクチュエータの制御情報を決定し、前記機器制御部は、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを回転駆動させることによって前記商品を走行させる。
【0009】
本発明の一態様は、上記の制御システムであって、前記稼働部は、前記商品の形状を変化可能に前記商品に取り付け、又は、前記商品の内部に設けられ、前記制御情報決定部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記商品に取り付け、又は、前記商品の内部に設けられた前記アクチュエータの制御情報を決定し、前記機器制御部は、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを動作させることによって前記商品の形状を変化させる。
【0010】
本発明の一態様は、上記の制御システムであって、前記稼働部は、前記商品の動作を制御するための制御手段を操作可能に前記商品に取り付けられ、前記制御情報決定部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記商品に取り付けられた前記アクチュエータの制御情報を決定し、前記機器制御部は、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを動作させることによって前記商品の制御手段を制御する。
【0011】
本発明の一態様は、商品の近傍に位置する人物を検出するセンサの検出結果に基づいて、少なくとも前記商品の内部に設けられた稼働部、又は、前記商品の外部に設けられた稼働部を動かすことが可能なアクチュエータの動作に関する制御情報を決定する制御情報決定部と、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを制御することで前記稼働部を動作させて前記商品を動かす機器制御部と、を備える、制御装置である。
【0012】
本発明の一態様は、商品の近傍に位置する人物を検出するセンサの検出結果に基づいて、少なくとも前記商品の内部に設けられた稼働部、又は、前記商品の外部に設けられた稼働部を動かすことが可能なアクチュエータの動作に関する制御情報を決定する制御情報決定ステップと、前記制御情報に基づいて、前記アクチュエータを制御することで前記稼働部を動作させて前記商品を動かす機器制御ステップと、を有する制御方法である。
【0013】
本発明の一態様は、上記の制御システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、商品に人をより惹きつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態の制御システムの構成を示すシステム構成図である。
図2】第1の実施形態の制御情報テーブルの一具体例を示す図である。
図3】第1の実施形態の制御処理の流れの一具体例を示す図である。
図4】第2の実施形態における制御システムで用いられる制御対象商品の構成を示す図である。
図5】第2の実施形態の制御情報テーブルの一具体例を示す図である。
図6】第3の実施形態における制御システムで用いられる制御対象商品の構成を示す図である。
図7】第3の実施形態の制御情報テーブルの一具体例を示す図である。
図8】第4の実施形態における制御システムで用いられる制御対象商品の構成を示す図である。
図9】第4の実施形態の制御情報テーブルの一具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(要約)
本発明における制御システムは、商品の内部に設けられた、又は、商品の外部に取り付けられた稼働部を動かすことによって商品に人をより惹きつけるものである。ここで、商品とは、例えば店舗等で販売されている商品である。稼働部は、商品に対して直接又は間接的に、動きを与えることが可能なアタッチメント部品である。商品に対して直接動きを与えるとは、商品の形状を変化させることで商品に動きを与えることである。商品に対して間接的に動きを与えるとは、商品に取り付けた部品、商品を載せた台に取り付けた部品又は商品を制御するための制御手段を操作するための部品を動かすことで商品に動きを与えることである。本発明における制御システムでは、商品に対して生物の身体部位のように動作可能な稼働部を取り付けて商品を動かす、商品を載せた台を移動可能な稼働部(例えば、車輪)により移動させることで商品を動かす、商品の形状を変化可能に商品に稼働部を取り付け、又は、商品の内部に設けて商品の形状を変化させることで商品を動かす、商品の動作を制御するための制御手段(例えば、ボタン、スイッチ及びツマミ等)を操作可能に商品に稼働部を取り付けて商品を動かす(動作させる)、といった制御を行う。
以下、各実施形態について詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、商品に対して生物の身体部位のように動作可能な稼働部を取り付けて商品を動かす構成である。
図1は、第1の実施形態の制御システム1の構成を示すシステム構成図である。制御システム1は、制御装置100、制御対象商品2、センサ10及びスピーカー30を備える。制御対象商品2は、制御装置100によって動きが加えられる対象となる商品である。ここで、商品に加えられる動きとは、商品に取り付けた稼働部による動き、商品の移動による動き、商品の形状変化による動きなどである。第1の実施形態における制御対象商品2は、商品21と、複数のアクチュエータ20-1~20-2と、複数の稼働部25-1~25-2とで構成される。制御対象商品2は、図1に示すように、商品21の外部に対して、アクチュエータ20-1~20-2及び稼働部25-1~25-2が取り付けられる。これにより、商品21に生物の身体部位に相当する機能が取り付けられた構成となり、商品に生物のような動きを与えることができる。センサ10及びスピーカー30の配置位置は、図1に示す位置に限られず、他の位置(例えば、商品21の前後左右のいずれかの位置)に設置されてもよい。なお、制御システム1が備えるセンサ10、アクチュエータ20及びスピーカー30の数は特に限定されない。
【0018】
センサ10は、所定の場所に訪れた人物を検出する。センサ10は、人物を検出すると、検出された人物に関する情報を制御装置100に出力する。センサ10は、センサの種類に応じて異なる情報を検出してもよい。例えば、センサ10は、人物を検知すると、人物が訪れたことを示す信号を制御装置100に出力してもよい。例えば、センサ10が、カメラ等の画像を撮像する装置(例えば、画像センサ)である場合、検出された人物の姿を示す画像を制御装置100に出力する。また、センサ10は、デプスセンサ等の人物の位置を検出するセンサが用いられてもよい。この場合、センサ10は、検出された人物の位置を示す座標情報を制御装置100に出力してもよい。センサ10は、商品21の近傍に設置される。図1においてセンサ10は、商品21の下に設置されているが、センサ10は商品21を見た人物を検出可能な位置であればどの位置に設置されてもよい。制御システム1は、複数種類のセンサ10を備え、複数種類のセンサ10を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
制御装置100は、センサ10によって人物が検知されると、アクチュエータ20-1~20-2、スピーカー30の1つ以上を制御する。以下、いずれのアクチュエータであるかを区別しないときは、単にアクチュエータ20と称して説明する。
【0020】
制御装置100、センサ10、アクチュエータ20及びスピーカー30は、いずれもネットワークを介して通信可能である。ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)又はインターネット等のネットワークである。ネットワークは、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワークは、USB(Universal Serial Bus)やマイコンで構成されてもよい。ネットワークは、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。ネットワークは、VPN(Virtual Private Network)等の閉域通信網であってもよい。
【0021】
なお、ネットワークは、各装置の通信を実現するためのネットワークの具体例にすぎず、各装置の通信を実現するためのネットワークとして他の構成が採用されてもよい。例えば、特定の装置間の通信が他の装置間の通信に用いられるネットワークとは異なるネットワークを用いて実現されてもよい。具体的には、制御装置100とセンサ10との間の通信は、制御装置100及びアクチュエータ20の各装置間の通信とは異なるネットワークで実現されてもよい。本実施形態では、センサ10、アクチュエータ20及びスピーカー30は、いずれも制御装置100に接続されているが、これに限定されない。例えば、アクチュエータ20及びスピーカー30は、いずれもネットワークを介して制御装置100と通信可能に接続されていてもよい。
【0022】
アクチュエータ20-1及び20-2それぞれは、制御装置100の制御に応じて駆動する。アクチュエータ20-1及び20-2それぞれには、生物の身体部位のように動作可能な稼働部25-1及び25-2が取り付けられる。アクチュエータ20-1及び20-2は、例えば商品21に取り付けられ、制御装置100の制御に応じて駆動することで稼働部25-1及び25-2を動作させる。アクチュエータ20-1及び20-2は、制御装置100の制御に応じて稼働部25-1及び25-2を6軸に駆動する。6軸は、X軸、Y軸、Z軸の3軸と、それぞれ軸の周りの回転の3軸である。X軸は、左方向及び右方向に対応する。Y軸は、上方向及び下方向に対応する。Z軸は、前方向及び後方向に対応する。アクチュエータ20-1及び20-2は、例えば制御装置100の制御に応じて稼働部25-1及び25-2を、X軸、Y軸、Z軸の3軸いずれかの軸で時計回りに回転させる。アクチュエータ20は、X軸、Y軸、Z軸の3軸のどの方向においても稼働部25-1及び25-2を時計回りに回転させることができる。商品21は、アクチュエータ20-1及び20-2が稼働部25-1及び25-2を時計回りに回転させると、駆動に応じて時計回りに回転する。アクチュエータ20-1及び20-2は、例えば制御装置100の制御に応じて稼働部25-1及び25-2を、X軸、Y軸、Z軸の3軸いずれかの軸で反時計回り回転させる。なお、アクチュエータ20は、X軸、Y軸、Z軸の3軸のどの方向においても稼働部25-1及び25-2を反時計回りに回転させることができる。商品21は、アクチュエータ20-1及び20-2が稼働部25-1及び25-2を反時計回りに回転させると、駆動に応じて反時計回りに回転する。
【0023】
アクチュエータ20-1及び20-2は、例えば制御装置100の制御に応じて上方向又は下方向に駆動する。アクチュエータ20-1及び20-2が稼働部25-1及び25-2を上方向に駆動させると、稼働部25-1及び25-2は上方向に移動し、アクチュエータ20-1及び20-2が稼働部25-1及び25-2を下方向に駆動させると、稼働部25-1及び25-2は下方向に移動する。稼働部25-1及び25-2が上方向に移動している場合には、商品21が手を挙げているように見せることができる。稼働部25-1及び25-2が下方向に移動している場合には、商品21が手を下げているように見せることができる。
【0024】
アクチュエータ20-1及び20-2は、例えば制御装置100の制御に応じて左方向又は右方向に駆動する。アクチュエータ20-1及び20-2が稼働部25-1及び25-2を左方向及び右方向に連続して駆動させると、稼働部25-1及び25-2は左方向及び右方向に連続して移動する。稼働部25-1及び25-2が左方向及び右方向に連続して移動している場合には、商品21が手を振っているように見せることができる。
アクチュエータ20-1及び20-2は、例えば制御装置100の制御に応じて前方向又は後方向に駆動する。アクチュエータ20-1及び20-2が稼働部25-1及び25-2を前方向又は後方向に連続して駆動させると、稼働部25-1及び25-2は前方向又は後方向に連続して移動する。稼働部25-1及び25-2が前方向又は後方向に連続して移動している場合には、商品21が手招きしているように見せることができる。
【0025】
稼働部25-1及び25-2は、商品21の外部にアクチュエータ20-1及び20-2を介して取付けられたアタッチメント部品である。稼働部25-1及び25-2は、アクチュエータ20-1及び20-2の駆動により稼働する。図1では、稼働部25-1が右腕として動作し、稼働部25-2が左腕として動作する例を示している。稼働部25は、これらに限らず、生物の身体部位(例えば、手、足、首、胴、尾及び触覚等)として動作可能なアタッチメント部品であってもよい。商品21に取り付けられる稼働部25の数は特に限定されない。
【0026】
稼働部25-1及び25-2が、両腕として動作することによって、稼働部25-1及び25-2が取り付けられた商品21は、物を保持する装置(例えば、物を載せる、物を挟む、物を被せる等)として機能することができる。稼働部25-1及び25-2が、両足として動作することによって、稼働部25-1及び25-2が取り付けられた商品21は、二足歩行をする生物を模倣した身体表現を行うことができる。商品21に対して稼働部25が4つ(両腕、両足)取り付けられた場合には、稼働部25が取り付けられた商品21は、四足歩行をする生物を模倣した身体表現や二足歩行をする生物であって、かつ、物を保持する生物を模倣した身体表現を行うことができる。このように、稼働部25が動くことによって、あたかも商品21が動いているように見せることができる。
【0027】
スピーカー30は、アクチュエータ20の近傍に訪れた人物に聞かせる音を出力する。例えば、スピーカー30は、アクチュエータ20の近傍に訪れた人物に聞かせる音声を出力する。アクチュエータ20の近傍に訪れた人物に聞かせる音声は、例えば商品21が、人物に対して話をかけているように思わせる音声である。具体的には、アクチュエータ20の近傍に訪れた人物に聞かせる音声は、商品21自身が、自己アピールする内容の音声や、通りかかりの人に問いかけする内容の音声である。スピーカー30から出力される音声の言語は、特に限定されない。例えば、音声の言語は、日本語であってもよいし、英語であってよいし、その他の言語であってもよい。スピーカー30は、商品21を紹介するように、商品21を見る人物に商品紹介の音声を出力する。スピーカー30は、例えば商品21の近傍に設置される。スピーカー30は、例えば指向性スピーカーであってもよい。スピーカー30は、制御装置100の制御に応じて、音声を出力してもよい。スピーカー30は、BGMやサウンドエフェクト等を再生して出力してもよい。以下の各実施形態においてもスピーカー30の位置は、商品21の近傍であればよい。
【0028】
次に、制御装置100の具体的な構成について説明する。
制御装置100は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置を用いて構成される。制御装置100は、アクチュエータ20及びスピーカー30を制御するための制御機能が実装されている。制御機能は、ハードウェア(回路を含む)によって制御装置100に実装されてもよいし、ソフトウェアのインストールによって実装されてもよい。制御装置100は、通信部101、制御情報記憶部102及び制御部103を備える。
【0029】
通信部101は、ネットワークインタフェース等の通信装置である。通信部101は所定のプロトコルでネットワークや、制御装置100に接続された他の機器(例えば、センサ10、アクチュエータ20又はスピーカー30)に通信可能に接続する。通信部101は、制御部103の制御に応じて他の装置との間でデータ通信する。
【0030】
制御情報記憶部102は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。制御情報記憶部102は、制御情報テーブルを記憶する。制御情報テーブルは、制御情報レコードを複数記憶する。制御情報レコードには、アクチュエータ20及びスピーカー30に対する制御の内容を示す制御情報が登録される。
【0031】
図2は、第1の実施形態の制御情報テーブルの一具体例を示す図である。制御情報レコードは、識別情報、条件、制御対象、動作内容及び音声の各値を有する。制御情報レコードは、複数の制御対象、動作内容及び音声の値を有してもよい。識別情報は、制御情報レコードを一意に識別可能な情報である。識別情報は、例えば数字及び文字を組み合わせた情報であってもよい。識別情報は、他の識別情報と重複しない情報であればどのような情報であってもよい。条件は、制御対象に対して制御を実行するための条件を示す。制御装置100に入力された情報が条件を満たすと、当該制御情報レコードに登録された制御の内容が実行される。制御装置100に入力される情報は、例えばセンサ10によって人物が検知されたことであってもよい。制御装置100に入力される情報は、年齢、性別又は身長等の人物の特徴や視線や歩行速度等の人物の行動に関する情報を条件としてもよい。制御対象は、制御装置100によって制御されるアクチュエータ20を識別する情報を示す。制御対象は、アクチュエータ20を識別可能な情報であればどのような情報であってもよい。制御対象は、全てのアクチュエータ20を示す情報(例えば、全アクチュエータ)であってもよい。動作内容は、制御対象によって識別されるアクチュエータ20をどのように制御するかを示す情報である。動作内容は、例えば時計回り、反時計回り、上下移動又は左右移動等のアクチュエータ20によって動作可能な内容であればどのような内容であってもよい。時計回り及び反時計回りについては、どの軸において時計回り及び反時計回りさせるのかが含まれていてもよい。音声は、スピーカー30によって出力される音声を文字列にした情報を示す。音声は、アクチュエータ20に対応付けされたスピーカーによって出力される。音声は、文字列の出力される速度や音量に関する情報を有していてもよい。
【0032】
図2に示される例では、制御情報テーブルの最上段の制御情報レコードは、識別情報の値が“Scinario001”、条件の値が“1人以上”、制御対象が、“アクチュエータ20-1及び20-2”、動作内容が“時計回り(40度)、反時計回り(40度)”、音声が“いらっしゃいませ。僕とってもおいしいよ”である。従って、制御情報テーブルの最上段のレコードによると、センサ10によって1人以上の人物が検知された場合、制御装置100は、識別情報“Scinario001”を示す制御情報レコードを取得する。制御装置100は、取得された制御情報レコードに基づいて、アクチュエータ20-1及び20-2とスピーカー30とを制御する。具体的には、制御装置100は、アクチュエータ20-1を時計回り(40度)に回転するように制御し、アクチュエータ20-2を反時計回り(40度)に回転するように制御する。これにより、アクチュエータ20-1で駆動される稼働部25-1が時計回りに回転し、アクチュエータ20-2で駆動される稼働部25-2が反時計回りに回転する。制御装置100は、スピーカー30から音声で示される文字列を出力するように制御する。なお、図2に示される制御情報テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図2とは異なる態様で制御情報テーブルが構成されてもよい。
【0033】
図1に戻って、制御システム1の説明を続ける。制御部103は、制御装置100の各部の動作を制御する。制御部103は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)を用いて構成される。制御部103は、プロセッサが特定のプログラムを実行することによって、制御情報決定部131及び機器制御部132として機能する。
【0034】
制御情報決定部131は、センサ10によって取得された情報に基づいて、制御情報を決定する。具体的には、制御情報決定部131は、センサ10によって検出された人物に関する情報を取得する。制御情報決定部131は、取得された情報に基づいて条件情報を生成する。制御情報決定部131は、例えばセンサ10によって検出された情報に基づいて、検出された人物の数を推定する。制御情報決定部131は、推定された人物の数を条件情報として生成する。また、制御情報決定部131は、検出された人物に関する情報を推定する。人物に関する情報は、例えば、人物の性別、年代、人種、服装又は身長等の人物の特徴に関する情報や、人物の3次元位置の情報や、人物の行動に関する情報であればどのような情報であってもよい。人物の3次元位置の情報は、人物が位置している場所の位置情報(例えば、緯度、経度)である。人物の3次元位置の情報を取得することで、商品21の位置、人物の位置との相対的な位置関係を求めることができ、商品21の位置を人物の位置している方向に変更することが可能になる。人物の3次元位置の情報は、画像センサにより得られた画像から求められてもよい。人物の行動に関する情報は、人物の視線方向、人物が移動しているか否か(移動しているか、立ち止まっているか)等の情報である。人物の視線方向は、既存の技術により取得されてもよい。人物が移動しているか否かは、トラッキングにより取得されてもよい。制御情報決定部131は、推定された情報を条件情報として生成する。条件情報は、アクチュエータ20とスピーカー30との制御内容を決めるための条件を示す。制御情報決定部131は、条件情報に基づいて決めた制御内容を制御情報として決定する。制御情報決定部131は、推定に当たって、公知の手法を用いてもよい。なお、推定される情報は、センサ10の種類によって異なってもよい。
【0035】
機器制御部132は、決定された制御情報に基づいて、アクチュエータ20又はスピーカー30を制御する。例えば、機器制御部132は、制御情報が示す内容に基づいて、制御処理を実行することで、アクチュエータ20又はスピーカー30を制御する。制御処理は、制御情報の内容に応じて実行される。機器制御部132は、例えば決定された制御情報に基づいて、アクチュエータ20を制御することで稼働部25を動作させて商品21を動かす。
【0036】
ここで一例として、機器制御部132が、図2に示す最上段の制御情報レコードが有する制御情報に基づいて制御処理を実行する場合について説明する。この場合、機器制御部132は、アクチュエータ20-1を時計回りに回転するように制御し、アクチュエータ20-2を反時計回りに回転するように制御する。機器制御部132は、アクチュエータ20-1及び20-2の回転中に、スピーカー30から音声“いらっしゃいませ。僕とってもおいしいよ。”を出力する。
【0037】
図3は、第1の実施形態における制御システム1が行う制御処理の流れの一具体例を示す図である。制御処理は、例えばセンサ10によって人物が検知されたタイミングで実行される。制御装置100の制御情報決定部131は、センサ10によって検知された情報を取得する(ステップS101)。なお、制御情報決定部131は、センサ10が複数設けられている場合には、そのうちの1つのセンサ10によって検知された情報を取得して利用してもよいし、複数種類のセンサ10が設けられている場合には、各センサ10によって検知された情報を組み合わせて利用すればよい。次に、制御情報決定部131は、条件情報を生成する(ステップS102)。具体的には、制御情報決定部131は、取得された情報に基づいて、検知された人物の数や、検知された人物の特徴を推定する。制御情報決定部131は、推定された情報に基づいて条件情報を生成する。条件情報は、複数の制御情報レコードのうち、1つの制御情報レコードを決定するための条件を示す。
【0038】
制御情報決定部131は、生成された条件情報に基づいて、制御情報を決定する(ステップS103)。具体的には、制御情報決定部131は、制御情報記憶部102から制御情報テーブルを取得する。制御情報決定部131は、生成された条件情報が示す情報を、条件カラムの値に有する制御情報レコードを1つ取得する。なお、制御情報決定部131は、生成された条件情報が示す情報を条件カラムの値に有する制御情報レコードが複数存在する場合、ランダムに1つの制御情報レコードを選択してもよい。例えば、制御情報決定部131は、順番に制御情報レコードを選択してもよいし、乱数を生成して、生成された乱数に基づいて制御情報レコードを選択してもよい。制御情報決定部131は、制御情報レコードを1つ取得できるならばどのような手段を用いてもよい。機器制御部132は、取得された制御情報レコードに基づいて制御処理を実行する(ステップS104)。具体的には、機器制御部132は、制御情報レコードが示す制御対象、動作内容及び音声を取得する。機器制御部132は、取得された制御対象と動作内容とに基づいてアクチュエータ20を駆動させる。また、機器制御部132は、取得された音声に基づいてスピーカー30から音声を出力する。
【0039】
このように構成されることで、制御システム1のセンサ10は、商品21の近傍に訪れた人物を検知する。制御装置100の制御情報決定部131は、検知された情報に基づいてアクチュエータ20及びスピーカー30の制御情報を決定する。機器制御部132は、制御情報に基づいてアクチュエータ20及びスピーカー30を制御する。アクチュエータ20の駆動により、アクチュエータ20に取り付けられている稼働部25が動く。また、スピーカー30から音声が出力されることで商品21は話をしているように、人に見せることができる。このため、制御システム1は、商品21を生物のように振る舞わせることができ、人を商品21に対してより惹きつけることが可能となる。
【0040】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、商品を載せた台を移動可能な稼働部により移動させることで商品を動かす構成である。
第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、制御対象商品の構成及び制御装置の制御内容である。その他の制御システム1の構成は、第1の実施形態と同様である。以下、相違点について説明する。
【0041】
図4は、第2の実施形態における制御システム1で用いられる制御対象商品2aの構成を示す図である。
第2の実施形態における制御対象商品2aは、センサ10と、商品21と、複数のアクチュエータ20a-1~20a-2と、複数の稼働部26-1~26-2と、スピーカー30とで構成される。制御対象商品2aは、図4に示すように、商品21を移動させるための機体(以下「移動機体」という。)の上に、センサ10、商品21及びスピーカー30が備えられている。移動機体は、複数のアクチュエータ20a-1、20a-2、不図示の台及び複数の稼働部26-1、26-2で構成される。このように、商品21が移動機体上に備えられ、商品21自体が移動する構成となり、商品に動きを与えることができる。センサ10及びスピーカー30の配置位置は、図4に示す位置に限られず、他の位置(例えば、商品21の前後左右のいずれかの位置)に設置されてもよい。
【0042】
アクチュエータ20a-1及び20a-2それぞれは、制御装置100の制御に応じて駆動する。アクチュエータ20a-1及び20a-2それぞれには、商品を移動可能な稼働部26-1及び26-2が取り付けられる。アクチュエータ20a-1及び20a-2は、制御装置100の制御に応じて駆動することで稼働部26-1及び26-2を動作させる。
【0043】
稼働部26-1及び26-2は、商品を載せた台を移動可能に商品21の外部に設けられ、アクチュエータ20a-1及び20a-2の駆動に応じて動作する。稼働部26-1及び26-2は、例えば車輪である。稼働部26-1及び26-2が回転駆動することによって、商品21を移動させることができる。
【0044】
制御装置100における制御情報記憶部102は、第1の実施形態と異なる内容の制御情報テーブルを記憶する。以下、第1の実施形態における制御情報テーブルと異なる点について説明する。
【0045】
図5は、第2の実施形態の制御情報テーブルの一具体例を示す図である。制御情報レコードは、識別情報、条件、制御対象、動作内容及び音声の各値を有する。図5に示される例では、制御情報テーブルの最上段の制御情報レコードは、識別情報の値が“Scinario001”、条件の値が“1人以上”、制御対象が、“アクチュエータ20a-1及び20a-2”、動作内容が“<近づく>時計回り(50cm分)”、音声が“いらっしゃいませ。僕とってもおいしいよ”である。従って、図5に示す制御情報テーブルの最上段のレコードによると、センサ10によって1人以上の人物が検知された場合、制御装置100は、識別情報“Scinario001”を示す制御情報レコードを取得する。制御装置100は、取得された制御情報レコードに基づいて、アクチュエータ20a-1及び20a-2とスピーカー30とを制御する。具体的には、制御装置100は、アクチュエータ20a-1及び20a-2を時計回り(50cm移動可能な量だけ時計回り)に回転するように制御する。これにより、アクチュエータ20a-1及び20a-2で駆動される稼働部25-1及び25-2が時計回りに回転する。その結果、商品21が50cm分だけ移動する。
【0046】
制御情報決定部131は、第1の実施形態と同様に、センサ10によって取得された情報に基づいて、制御情報を決定する。具体的には、制御情報決定部131は、センサ10によって取得された情報に基づいて、商品21の外部に設けられたアクチュエータ20a-1及び20a-2の制御情報を決定する。
【0047】
機器制御部132は、第1の実施形態と同様に、決定された制御情報に基づいて、アクチュエータ20a又はスピーカー30を制御する。例えば、機器制御部132は、制御情報が示す情報に基づいて、制御処理を実行することで、アクチュエータ20a又はスピーカー30を制御する。機器制御部132は、例えば決定された制御情報に基づいて、アクチュエータ20a-1及び20a-2を回転駆動させることによって商品21を移動させる。
【0048】
このように構成されることで、商品21が、センサ10により検知された人物の方向に向かって移動する。さらに、スピーカー30から音声が出力されることで商品21は話をしているように、人に見せることができる。このため、制御システム1は、商品21を生物のように振る舞わせることができ、人を商品21に対してより惹きつけることが可能となる。
【0049】
以下、第2の実施形態の変形例について説明する。
上記の実施形態では、1台の商品21を移動させる構成を示した。制御装置100は、複数台の商品21を移動させるように構成されてもよい。例えば、制御装置100は、センサ10により人物が検出された場合、一部の商品21を移動させた後に、異なる商品21を移動させて複数の商品21を人物に推薦するように制御してもよい。
【0050】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、商品の形状を変化可能に商品に稼働部を取り付け、又は、商品の内部に稼働部を設けて商品の形状を変化させることで商品を動かす構成である。
第3の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、制御対象商品の構成及び制御装置の制御内容である。その他の制御システム1の構成は、第1の実施形態と同様である。以下、相違点について説明する。
【0051】
図6は、第3の実施形態における制御システム1で用いられる制御対象商品2bの構成を示す図である。
第3の実施形態における制御対象商品2bは、センサ10と、商品21bと、複数のアクチュエータ20b-1~20b-4と、複数の稼働部27-1~27-4と、固定軸28とで構成される。制御対象商品2bは、図6に示すように、商品21bの内部に、アクチュエータ20b-1~20b-4、稼働部27-1~27-4及び固定軸28が備えられている。このように、商品21bの内部に稼働部27-1~27-4が備えられる構成によって、商品21bの形状を変化させることが可能となり、商品に動きを与えることができる。センサ10の配置位置は、図6に示す位置に限られず、他の位置(例えば、商品21の前後左右のいずれかの位置)に設置されてもよい。
【0052】
アクチュエータ20b-1~20b-4それぞれは、制御装置100の制御に応じて駆動する。アクチュエータ20b-1~20b-4それぞれには、商品の形状を変化可能な稼働部27-1~27-4が取り付けられる。アクチュエータ20b-1~20b-4は、制御装置100の制御に応じて駆動することで稼働部27-1~27-4が稼働する。アクチュエータ20b-1~20b-4は、個別に駆動可能である。
【0053】
稼働部27-1~27-4は、アクチュエータ20b-1~20b-4の駆動に応じて稼働する。稼働部26-1及び26-2は、例えば棒や特殊な形を有する部品(例えば、Y字の部品や折り曲げ可能な部品等)である。アクチュエータ20b-1~20b-4の駆動に応じて稼働部27-1~27-4が動くことによって、商品21bの形状を変化させることができる。例えば、アクチュエータ20b-1が駆動すると、アクチュエータ20b-1の駆動に合わせて稼働部27-1も駆動する。その結果、商品21bの稼働部27-1が設けられている部分の形状が変化する。
【0054】
制御装置100における制御情報記憶部102は、第1の実施形態と異なる内容の制御情報テーブルを記憶する。以下、第1の実施形態における制御情報テーブルと異なる点について説明する。
【0055】
図7は、第3の実施形態の制御情報テーブルの一具体例を示す図である。制御情報レコードは、識別情報、条件、制御対象、動作内容及び音声の各値を有する。図7に示される例では、制御情報テーブルの最上段の制御情報レコードは、識別情報の値が“Scinario001”、条件の値が“1人以上”、制御対象が、“アクチュエータ20b-1及び20b-2”、動作内容が“<おじぎ>時計回り(40度)+静止(0.5秒)+反時計回り(40度)”、音声が“いらっしゃいませ。僕とってもおいしいよ”である。従って、図7に示す制御情報テーブルの最上段のレコードによると、センサ10によって1人以上の人物が検知された場合、制御装置100は、識別情報“Scinario001”を示す制御情報レコードを取得する。制御装置100は、取得された制御情報レコードに基づいて、アクチュエータ20b-1及び20b-2とスピーカー30とを制御する。具体的には、制御装置100は、アクチュエータ20b-1及び20-2を時計回り(40度)に回転させた後に、0.5秒静止し、その後にアクチュエータ20b-1及び20b-2を反時計回り(40度)に回転させるように制御する。これにより、アクチュエータ20b-1及び20b-2で駆動される稼働部25-1及び25-2がアクチュエータ20b-1及び20b-2と同様に稼働する。その結果、商品21bがお辞儀しているように見える。
【0056】
制御情報決定部131は、第1の実施形態と同様に、センサ10によって取得された情報に基づいて、制御情報を決定する。具体的には、制御情報決定部131は、センサ10によって取得された情報に基づいて、商品21bの内部に設けられたアクチュエータの制御情報を決定商品21の外部に設けられたアクチュエータ20b-1及び20b-2の制御情報を決定する。
【0057】
機器制御部132は、第1の実施形態と同様に、決定された制御情報に基づいて、アクチュエータ20b又はスピーカー30を制御する。例えば、機器制御部132は、制御情報が示す情報に基づいて、制御処理を実行することで、アクチュエータ20b又はスピーカー30を制御する。機器制御部132は、例えば決定された制御情報に基づいて、アクチュエータ20bを動作させることによって商品21bの形状を変化させる。
【0058】
このように構成されることで、商品21bの形状を変化させることができる。すなわち、商品21bが動いているように見せることができる。さらに、スピーカー30から音声が出力されることで商品21は話をしているように、人に見せることができる。このため、制御システム1は、商品21bを生物のように振る舞わせることができ、人を商品21bに対してより惹きつけることが可能となる。
【0059】
以下、第3の実施形態の変形例について説明する。
上記の実施形態では、商品21bの内部にアクチュエータ20b及び稼働部27を設ける構成を示したが、アクチュエータ20b及び稼働部27は、商品21bの外部に設けられて商品21bの形状を変化させるように構成されてもよい。
【0060】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、商品の動作を制御するための制御手段(例えば、ボタン、スイッチ及びツマミ等)を操作可能に商品に稼働部を取り付けて商品を動かす構成である。
第4の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、制御対象商品の構成及び制御装置の制御内容である。その他の制御システム1の構成は、第1の実施形態と同様である。以下、相違点について説明する。
【0061】
図8は、第4の実施形態における制御システム1で用いられる制御対象商品2cの構成を示す図である。
第4の実施形態における制御対象商品2cは、センサ10と、商品21cと、アクチュエータ20cと、稼働部28とで構成される。制御対象商品2cには、図8に示すように、商品21cの動作を制御するための制御手段を操作可能な位置にアクチュエータ20c及び稼働部28が備えられている。図8では、商品21cとして扇風機を例に説明するが、商品21cはこれに限定されない。例えば、商品21cは、商品そのものの機能を稼働させるための制御手段を有する商品であればよい。ここで、制御手段とは、例えばボタン、スイッチ及びツマミなどの機能のオンオフを制御する手段(例えば、図8におけるボタン29)であってもよいし、商品21cが通信を行う装置であれば通信イベントを発生させる手段であってもよい。センサ10の配置位置は、図8に示す位置に限られず、他の位置(例えば、商品21cの前後左右のいずれかの位置)に設置されてもよい。
【0062】
アクチュエータ20cは、制御装置100の制御に応じて駆動する。アクチュエータ20cには、商品21cの動作を制御するための制御手段を操作可能な稼働部28が取り付けられる。アクチュエータ20cは、制御装置100の制御に応じて駆動することで稼働部28を動作させる。
【0063】
稼働部28は、アクチュエータ20cの駆動に応じて動作する。稼働部28は、例えば棒である。アクチュエータ20cの駆動に応じて稼働部28が動くことによって、商品21cの制御手段(例えば、ボタン29)を押下することができる。
【0064】
制御装置100における制御情報記憶部102は、第1の実施形態と異なる内容の制御情報テーブルを記憶する。以下、第1の実施形態における制御情報テーブルと異なる点について説明する。
【0065】
図9は、第4の実施形態の制御情報テーブルの一具体例を示す図である。制御情報レコードは、識別情報、条件、制御対象、動作内容及び音声の各値を有する。図5に示される例では、制御情報テーブルの最上段の制御情報レコードは、識別情報の値が“Scinario001”、条件の値が“1人以上”、制御対象が、“アクチュエータ20c”、動作内容が“<ボタン押す>時計回り(120度)”、音声が“お客さん暑そうですね。今冷たい風を送りますね。 よいしょ どうです。いい風来てるでしょ”である。従って、図9に示す制御情報テーブルの最上段のレコードによると、センサ10によって1人以上の人物が検知された場合、制御装置100は、識別情報“Scinario001”を示す制御情報レコードを取得する。制御装置100は、取得された制御情報レコードに基づいて、アクチュエータ20cとスピーカー30とを制御する。具体的には、制御装置100は、まずスピーカー30を制御して“お客さん暑そうですね。今冷たい風を送りますね”と音声出力させた後に、アクチュエータ20cを時計回りに120度回転するように制御する。これにより、アクチュエータ20cで駆動される稼働部28が時計回りに回転する。その結果、商品21cの制御手段が稼働部28により押下される。機器制御部132は、アクチュエータ20cの回転中に、スピーカー30から音声“よいしょ”を出力する。その後、制御装置100は、スピーカー30を制御して“どうです。いい風来てるでしょ”と音声を出力させる。
【0066】
制御情報決定部131は、第1の実施形態と同様に、センサ10によって取得された情報に基づいて、制御情報を決定する。具体的には、制御情報決定部131は、センサ10によって取得された情報に基づいて、商品21cに取り付けられたアクチュエータ20cの制御情報を決定する。
【0067】
機器制御部132は、第1の実施形態と同様に、決定された制御情報に基づいて、アクチュエータ20c又はスピーカー30を制御する。例えば、機器制御部132は、制御情報が示す情報に基づいて、制御処理を実行することで、アクチュエータ20c又はスピーカー30を制御する。機器制御部132は、例えば決定された制御情報に基づいて、アクチュエータ20cを動作させることによって商品21cの制御手段を制御する。
【0068】
このように構成されることで、人物が商品21cに近づいた際に、商品21cの実演を行うことができる。さらに、スピーカー30から音声が出力されることで商品21cは話をしているように、人に見せることができる。このため、制御システム1は、商品21cを生物のように振る舞わせることができ、人を商品21cに対してより惹きつけることが可能となる。
【0069】
上述の制御システム1は、第1~第4の実施形態のうち、複数の実施形態を組み合わせて構成されてもよい。例えば、第1の実施形態と、第2の実施形態とを組み合わせた場合には、制御装置100は、センサ10が人を検知した場合、一部の商品を移動させ、他の商品の稼働部25を駆動させるようにアクチュエータ20、20a及びスピーカー30の動作を制御する。
【0070】
制御装置100は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、制御装置100が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、制御情報決定部131と機器制御部132とはそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。
【0071】
第1~第4の実施形態において、マイク、スイッチ及びキーボードなどの入力装置を介して制御対象商品2、2a、2b、2cとコミュニケーションをとれるように構成されてもよい。このように構成される場合、制御情報テーブルには、識別情報、入力装置を介して入力された内容に基づく条件、制御対象、動作内容及び音声の各値を有する制御情報レコードが登録される。例えば、制御情報レコードとして、条件の値が“こんにちは”、制御対象が、“アクチュエータ20-1”、動作内容が“時計回り(40度)”、音声が“こんにちは”が登録されているとする。この場合、制御装置100の制御情報決定部131は、入力装置を介して入力された内容に基づいて制御情報を決定する。例えば、入力装置を介して“こんにちは”と入力された場合、制御装置100は、条件“こんにちは”に対応する制御情報レコードを取得する。制御装置100は、取得された制御情報レコードに基づいて、アクチュエータ20-1とスピーカー30とを制御する。具体的には、制御装置100は、アクチュエータ20-1を時計回り(40度)に回転するように制御する。これにより、アクチュエータ20-1で駆動される稼働部25-1が時計回りに回転する。制御装置100は、スピーカー30から“こんにちは”と音声で出力するように制御する。
このように構成されることによって、制御対象商品2、2a、2b、2cの近傍に訪れた人物は、制御対象商品2、2a、2b、2cとコミュニケーションを取ることができる。さらに、その光景を見たほかの人物の興味も引くことができる。そのため、商品に人をより惹きつけることが可能になる。
【0072】
上記の各実施形態では、制御装置100は、アクチュエータ20、20a、20b、20c及びスピーカー30の両方を制御する構成を示したが、アクチュエータ20、20a、20b、20c及びスピーカー30のいずれか一方のみを制御するように構成されてもよい。このように構成される場合、制御情報テーブルには、条件に対応付けてアクチュエータ20、20a、20b、20c及びスピーカー30のいずれか一方のみを制御する内容が登録される。具体的には、制御装置100は、制御情報テーブルを参照し、満たされた条件に応じて、アクチュエータ20、20a、20b、20c及びスピーカー30のいずれか一方のみを制御する。
【0073】
上述した実施形態における制御装置100をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0074】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1…制御システム、 10…センサ、20-1~20-2、20a-1~20a-2、20b-1~20b-4、20c…アクチュエータ、 21、21a、21b、21c…商品、 30…スピーカー、 100…制御装置、 101…通信部、 102…制御情報記憶部、 103…制御部、 131…制御情報決定部、 132…機器制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9