IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ UBE三菱セメント株式会社の特許一覧

特開2022-146550破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法
<>
  • 特開-破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法 図1
  • 特開-破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法 図2
  • 特開-破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法 図3
  • 特開-破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法 図4
  • 特開-破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法 図5
  • 特開-破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法 図6
  • 特開-破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146550
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法
(51)【国際特許分類】
   B02C 13/13 20060101AFI20220928BHJP
   B09B 3/20 20220101ALI20220928BHJP
   B29B 17/02 20060101ALI20220928BHJP
   B29B 17/04 20060101ALI20220928BHJP
   C10L 5/48 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B02C13/13 ZAB
B09B3/00 301Q
B29B17/02
B29B17/04
C10L5/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047567
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】521297587
【氏名又は名称】UBE三菱セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100153969
【弁理士】
【氏名又は名称】松澤 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】今田 祐介
(72)【発明者】
【氏名】栗原 一浩
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄大
(72)【発明者】
【氏名】安部 健剛
(72)【発明者】
【氏名】藤田 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】霜出 修
(72)【発明者】
【氏名】表 誠治
【テーマコード(参考)】
4D004
4D065
4F401
4H015
【Fターム(参考)】
4D004AA07
4D004AA46
4D004AA50
4D004AC05
4D004BA03
4D004BA05
4D004CA04
4D004CA09
4D004CB03
4D004CB05
4D004CB13
4D004CB43
4D004CB46
4D065AA05
4D065BB04
4D065BB12
4D065BB20
4D065EB02
4D065EB14
4D065EB20
4D065ED06
4D065ED12
4D065ED22
4D065ED23
4D065ED35
4D065ED50
4D065EE02
4D065EE07
4F401AA27
4F401AC08
4F401BA01
4F401BA10
4F401CA14
4F401CA23
4F401FA20X
4H015AA02
4H015AA17
4H015AB01
4H015BA01
4H015BA02
4H015BA08
4H015BA11
4H015BB10
4H015CB01
(57)【要約】
【課題】本開示は、廃棄物をより効率的に処理することが可能な破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法を説明する。
【解決手段】破砕機は、投入された廃棄物が破砕具によって破砕されるように構成された破砕室と、破砕室の下方に設けられた第1の排出口と、破砕具と第1の排出口との間に配置されており、破砕具によって所定の大きさ以下に破砕された破片が通過可能に構成されたスクリーンと、破砕室と連通する異物排出路と、異物排出路の下方に設けられた第2の排出口と、破砕室と異物排出路との間に配置されており、破砕室と異物排出路とが連通する開状態と、破砕室と異物排出路とが閉鎖された閉状態との間で開閉可能に構成されたゲートと、閉状態においてゲートと破砕室の側壁又は異物排出路の側壁との間の隙間を少なくとも部分的に閉塞するように配置された閉塞部材とを備える。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された廃棄物が破砕具によって破砕されるように構成された破砕室と、
前記破砕室の下方に設けられた第1の排出口と、
前記破砕具と前記第1の排出口との間に配置されており、前記破砕具によって所定の大きさ以下に破砕された破片が通過可能に構成されたスクリーンと、
前記破砕室と連通する異物排出路と、
前記異物排出路の下方に設けられた第2の排出口と、
前記破砕室と前記異物排出路との間に配置されており、前記破砕室と前記異物排出路とが連通する開状態と、前記破砕室と前記異物排出路とが閉鎖された閉状態との間で開閉可能に構成されたゲートと、
前記閉状態において前記ゲートと前記破砕室の側壁又は前記異物排出路の側壁との間の隙間を少なくとも部分的に閉塞するように配置された閉塞部材とを備える、破砕機。
【請求項2】
前記閉塞部材は、前記閉状態において前記ゲートと前記破砕室の側壁又は前記異物排出路の側壁との間の隙間を全体的に閉塞するように配置されている、請求項1に記載の破砕機。
【請求項3】
前記閉塞部材は、前記破砕室の側壁又は前記異物排出路の側壁に設けられている、請求項1又は2に記載の破砕機。
【請求項4】
前記閉塞部材は、前記閉状態において、前記ゲートよりも前記破砕室側に位置している、請求項1~3のいずれか一項に記載の破砕機。
【請求項5】
前記閉塞部材の少なくとも一部は、前記閉状態において、前記ゲートと重なり合っている、請求項4に記載の破砕機。
【請求項6】
前記ゲートは、前記閉状態において、前記破砕具から相対的に遠い遠位部分と、前記破砕具に相対的に近い近位部分とを含み、
前記閉塞部材は、前記閉状態において、前記ゲートの前記遠位部分と重なり合う幅広部分と、前記ゲートの前記近位部分と重なり合わない幅狭部分とを含む、請求項5に記載の破砕機。
【請求項7】
前記ゲートは、
回動軸を介して前記破砕室の側壁又は前記異物排出路の側壁に取り付けられた上端部と、
前記近位部分に対応する下端部とを含む、請求項6に記載の破砕機。
【請求項8】
前記破砕室に生ずる振動を検知するように構成されたセンサと、
前記センサが所定の大きさ以上の振動を所定回数以上検知したときに、前記閉状態から前記開状態へと前記ゲートを動作させるように構成された制御部とをさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の破砕機。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の破砕機と、
前記破砕機に前記廃棄物を投入するように構成されたフィーダと、
前記破砕機から排出された排出物を下流に搬送するように構成された搬送部と、
前記搬送部によって搬送されている前記排出物から金属を分離するように構成された選別機と、
前記選別機によって前記排出物から金属が分離された後の廃プラスチック類を貯留するように構成された貯留部と、
前記貯留部の前記廃プラスチック類を代替燃料として他の設備に供給するように構成された供給部とを備える、廃棄物処理システム。
【請求項10】
投入された廃棄物が破砕具によって破砕されるように構成された破砕室と、前記破砕室の下方に設けられた第1の排出口と、前記破砕具と前記第1の排出口との間に配置されており、前記破砕具によって所定の大きさ以下に破砕された破片が通過可能に構成されたスクリーンと、前記破砕室と連通する異物排出路と、前記異物排出路の下方に設けられた第2の排出口と、前記破砕室と前記異物排出路との間に配置されており、前記破砕室と前記異物排出路とが連通する開状態と、前記破砕室と前記異物排出路とが閉鎖された閉状態との間で開閉可能に構成されたゲートとを備える破砕機を改造する方法であって、
前記閉状態において前記ゲートと前記破砕室の側壁又は前記異物排出路の側壁との間の隙間を少なくとも部分的に閉塞するように、前記ゲート、前記破砕室の側壁又は前記異物排出路の側壁に閉塞部材を設ける工程を含む、破砕機の改造方法。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか一項に記載の破砕機によって廃棄物を処理する方法であって、
前記ゲートが前記閉状態のときに前記破砕室に前記廃棄物を投入して、前記破砕具によって前記廃棄物を破砕することと、
前記スクリーンを通過できない大きさの異物が前記破砕室に存在しているときに前記ゲートを前記開状態として、前記異物排出路を通じて前記異物を前記第2の排出口から排出することとを含む、廃棄物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シュレッダーダスト、自動車シュレッダーダスト、都市ゴミなどの廃棄物から金属資源を回収し、廃プラスチック類を化石燃料の代替として工場等(例えば、セメントの焼成炉)で用いることにより、環境負荷の低減を図りつつ廃棄物の有効利用が行われている。例えば、特許文献1は、廃棄物を所定の大きさに固形化するハンマーミル型のシュレッダと、シュレッダから排出された廃棄物ユニットを鉄類と非鉄類とに選別する磁力選別機とを備える廃棄物燃料化設備を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-235576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、廃棄物をより効率的に処理することが可能な破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
破砕機の一例は、投入された廃棄物が破砕具によって破砕されるように構成された破砕室と、破砕室の下方に設けられた第1の排出口と、破砕具と第1の排出口との間に配置されており、破砕具によって所定の大きさ以下に破砕された破片が通過可能に構成されたスクリーンと、破砕室と連通する異物排出路と、異物排出路の下方に設けられた第2の排出口と、破砕室と異物排出路との間に配置されており、破砕室と異物排出路とが連通する開状態と、破砕室と異物排出路とが閉鎖された閉状態との間で開閉可能に構成されたゲートと、閉状態においてゲートと破砕室の側壁又は異物排出路の側壁との間の隙間を少なくとも部分的に閉塞するように配置された閉塞部材とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る破砕機、廃棄物処理システム、破砕機の改造方法及び廃棄物処理方法によれば、廃棄物をより効率的に処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、廃棄物処理システムの一例を示す概略図である。
図2図2は、破砕機の一例を側方から見て示す断面図である。
図3図3は、図2のIII-III線断面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線断面図である。
図5図5は、図3のV-V線断面図である。
図6図6は、破砕機の他の例を、図2のIII-III線において切断して示す断面図である。
図7図7は、破砕機の他の例を、図3のIV-IV線又はV-V線において切断して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、図の上、下、右、左というときは、図中の符号の向きを基準とすることとする。
【0009】
[廃棄物処理システムの構成]
まず、図1を参照して、廃棄物処理システム1の構成の一例について説明する。廃棄物処理システム1は、シュレッダーダスト、自動車シュレッダーダスト、都市ゴミなどの廃棄物Wを処理して、廃棄物Wから金属Mを回収すると共に、廃プラスチック類Pを化石燃料の代替燃料として貯留するように構成されている。廃棄物処理システム1は、フィーダ2と、破砕機10と、搬送部Cv1~Cv3と、選別機3と、貯留部4,5と、供給部6と、コントローラCtr(制御部)を備える。
【0010】
フィーダ2は、コントローラCtrからの制御信号に基づいて動作し、供給源(図示せず)からの廃棄物Wを破砕機10に搬送及び投入するように構成されている。フィーダ2は、例えば、振動フィーダであってもよい。
【0011】
破砕機10は、コントローラCtrからの制御信号に基づいて動作し、フィーダ2によって投入された廃棄物Wを破砕するように構成されている。破砕機10は、例えば、回転ハンマ式の破砕機であってもよい。この場合、破砕機10は、横型(ハンマの回転軸が水平に沿って延びる形態)であってもよいし、縦型(ハンマの回転軸が鉛直に沿って延びる形態)であってもよい。破砕機10の詳細については後述する。
【0012】
搬送部Cv1,Cv2は、コントローラCtrからの制御信号に基づいて動作し、破砕機10から排出された排出物D(例えば、廃プラスチック類P、金属M又はこれらの混合物)を、下流側に搬送するように構成されている。搬送部Cv1,Cv2は、例えば、振動コンベアであってもよいし、ベルトコンベアであってもよい。
【0013】
選別機3は、コントローラCtrからの制御信号に基づいて動作し、搬送部Cv2において搬送されている排出物Dから金属M(例えば、鉄、銅、アルミ、ステンレスなど)を選別するように構成されている。選別機3は、排出物Dから選別した金属Mを貯留部4に貯留するように構成されている。選別機3は、例えば、永久磁石や電磁石を用いた磁力選別機であってもよいし、渦電流を利用した選別機であってもよい。なお、選別機3によって排出物Dから金属Mが分離された後の廃プラスチック類Pは、例えば、搬送部Cv2の下流端から搬送部Cv3へと落下してもよい。
【0014】
搬送部Cv3は、コントローラCtrからの制御信号に基づいて動作し、選別機3によって排出物Dから金属Mが分離された後の廃プラスチック類Pを搬送するように構成されている。搬送部Cv3は、例えば、振動コンベアであってもよいし、ベルトコンベアであってもよい。
【0015】
貯留部5は、搬送部Cv3によって搬送された廃プラスチック類Pを貯留するように構成されている。供給部6は、コントローラCtrからの制御信号に基づいて動作し、貯留部5に貯留されている廃プラスチック類Pを、廃棄物処理システム1とは別の設備100に供給するように構成されている。別の設備100は、供給された廃プラスチック類Pを化石燃料の代替燃料として利用する。別の設備100は、例えば、セメント製造装置の焼成炉などであってもよい。
【0016】
コントローラCtrは、例えば、記録媒体(図示せず)に記録されているプログラム又はオペレータからの操作入力等に基づいて、廃棄物処理システム1の各部を動作させるための信号を生成するように構成されている。コントローラCtrは、生成した当該信号を、廃棄物処理システム1の各部に送信するように構成されている。
【0017】
[破砕機の構成]
続いて、図2図5を参照して、破砕機10の構成の一例について説明する。破砕機10は、図2に示されるように、破砕室20と、回転ハンマ30(破砕具)と、スクリーン40と、異物排出路50と、ゲート60と、閉塞部材70と、センサSEとを備える。
【0018】
破砕室20は、一対の側壁21(破砕室の側壁)と、上壁22と、端壁23とを含む。一対の側壁21は、水平方向において対向するように配置されている。上壁22は、一対の側壁21の上端部を接続するように延びている。端壁23は、一対の側壁21の側端部を接続するように延びている。
【0019】
破砕室20は、投入口20aと、排出口20b(第1の排出口)とを含む。投入口20aは、破砕室20の上部(上壁22)に設けられており、破砕室20の内部と連通している。投入口20aは、フィーダ2からの廃棄物Wが投入される入口である。排出口20bは、破砕室20の下部に設けられており、破砕室20の内部と連通している。排出口20bは、破砕機10で破砕された廃棄物Wが排出される出口である。破砕室20の下部は、図2に例示されるように、排出口20bに近づくにつれて(下方に向かうにつれて)窄まる形状を呈していてもよい。
【0020】
回転ハンマ30は、回転軸31と、ロータ32と、複数のハンマ33とを含む。回転軸31は、水平方向に沿って延びており、一対の側壁21に対して回転可能に取り付けられている。回転軸31には、図示しない動力源が接続されている。コントローラCtrからの制御信号に基づいて当該動力源が動作することにより、回転軸31が回転する。
【0021】
ロータ32は、筒状(例えば円筒状)を呈しており、回転軸31の長手方向に沿って延びている。ロータ32は、回転軸31に挿通された状態で回転軸31に固定されている。そのため、ロータ32は、回転軸31の回転に伴い回転する。
【0022】
複数のハンマ33は、ロータ32の周面から径方向外方に突出するように、ロータ32に取り付けられている。ロータ32の回転に伴い複数のハンマ33が回転し、複数のハンマ33が廃棄物Wに衝突する衝撃によって、廃棄物Wが元のサイズよりも小さな破片に破砕される。ロータ32の周面には、ロータ32の周方向において所定間隔をおいて並ぶ所定個(例えば6個)のハンマ33で構成されたハンマ群が配置されていると共に、ロータ32の長手方向において所定間隔をおいて当該ハンマ群が複数配置されていてもよい。
【0023】
スクリーン40は、破砕室20内において、回転ハンマ30と排出口20bとの間に配置されている。スクリーン40は、ハンマ33との接触を避けるために、ハンマ33の先端から所定の離隔距離を有した状態で、回転ハンマ30の下方に位置している。すなわち、スクリーン40、側壁21、上壁22及び端壁23で囲まれる空間V1が、廃棄物Wの破砕が行われる破砕空間として機能する。
【0024】
スクリーン40は、例えば板状体を呈しており、ハンマ33の先端の回転軌跡に対応する形状に湾曲している。スクリーン40には、複数の貫通孔40aが設けられている。貫通孔40aは、例えば、35mm×70mm程度の長方形状を呈していてもよい。破砕室20において回転ハンマ30で破砕された廃棄物Wの大きさが貫通孔40a以下となると、廃棄物Wの破片が貫通孔40aを通じて落下し、排出口20bを通じて搬送部Cv1に落下する。換言すれば、廃棄物Wは、回転ハンマ30によって貫通孔40a以下のサイズとなるまでスクリーン40を通過することができず、破砕室20内(空間V1内)に留まる。
【0025】
異物排出路50は、破砕室20内(空間V1内)の異物を、スクリーン40を迂回(バイパス)して破砕機10から排出するための通路である。当該異物としては、例えば、回転ハンマ30によって破砕することが困難な、大きな金属片が挙げられる。
【0026】
異物排出路50は、一対の側壁51(異物排出路の側壁)と、外側端壁52と、内側端壁53とを含む。一対の側壁51は、水平方向において対向するように配置されている。側壁51と側壁21とは、単一の部材で構成されており継目がない形態であってもよいし、異なる部材が一体的に接合された形態であってもよい。
【0027】
外側端壁52は、上壁22の端部から水平方向に沿って延び、屈曲した後に、下方に向けて延びている。外側端壁52は、一対の側壁51の外側の端縁を接続するように、一対の側壁51の間に配置されている。内側端壁53は、スクリーン40の内側端部(異物排出路50側の端部)から水平方向に沿って延び、屈曲した後に、下方に向けて延びている。内側端壁53は、一対の側壁51の内側(破砕室20側)の端縁を接続するように、一対の側壁51の間に配置されている。
【0028】
換言すれば、異物排出路50は、側方から見たときに、全体として略L字状を呈している。また、異物排出路50の上端部分は、破砕室20と接続されている。すなわち、異物排出路50の内部は、破砕室20の内部と連通している。
【0029】
異物排出路50は、排出口50a(第2の排出口)を含む。排出口50aは、異物排出路50の下部に設けられており、異物排出路50の内部と連通している。排出口50aは、異物(例えば、破砕室20でスクリーン40を通過することができなかった比較的大きな廃棄物W)が排出される出口である。異物排出路50の下部は、図2に例示されるように、排出口50aに近づくにつれて(下方に向かうにつれて)窄まる形状を呈していてもよい。
【0030】
ゲート60は、破砕機10内であって、破砕室20と異物排出路50との間の境界の空間V2又はその近傍に配置されている。ゲート60は、回動軸61と、ゲート本体62と、を含む。
【0031】
回動軸61は、水平方向に沿って延びており、一対の側壁21及び/又は一対の側壁51に対して回転可能に取り付けられている。回動軸61には、図示しない動力源が接続されている。コントローラCtrからの制御信号に基づいて当該動力源が動作することにより、回動軸61が回動する。なお、一対の側壁21及び一対の側壁51は共に、破砕機10の筐体の側壁をなすものであるので、以下では、側壁21,51をまとめて「側壁SW」と称することとする。
【0032】
ゲート本体62は、図3及び図4に示されるように、一対の側壁SWの間を回動軸61の延在方向(水平方向)に沿って延びている。ゲート本体62は、回動軸61が固定された上端部62a(遠位部分)と、下端部62b(近位部分)とを含む。そのため、ゲート本体62は、回動軸61を中心として、破砕室20と異物排出路50とが連通する開状態(図2において破線で示されたゲート本体62を参照)と、破砕室20と異物排出路50とが閉鎖された閉状態(図2において実線で示されたゲート本体62を参照)との間で回動(揺動)する。すなわち、ゲート60は、ゲート本体62が開状態と閉状態との間で開閉可能に構成されている。
【0033】
図3図5に示されるように、ゲート本体62の側縁と側壁SWとは離隔している。ゲート本体62の側縁と側壁SWとの離隔距離L1(図4参照)は、例えば、20cm~40cm程度であってもよい。
【0034】
閉状態において、ゲート本体62は、図2及び図3に示されるように、上壁22及び/又は外側端壁52の上部とスクリーン40の内側端部40bとの間を上下方向に沿って延びている。閉状態において、ゲート本体62は、図2に例示されるように、側方から見たときに、スクリーン40の湾曲に連なって延びるように湾曲していてもよい。この場合、ゲート本体62は、下端部62bよりも上端部62aが回転ハンマ30から離れるように湾曲していてもよい。例えば、図2に示されるように、ゲート本体62は、下端部62bから上端部62aに向かうにつれて、回転ハンマ30から離れるように湾曲していてもよい。
【0035】
閉塞部材70は、閉状態のゲート本体62と側壁SWとの間の隙間を閉塞するように配置されている。閉塞部材70は、図2及び図3に例示されるように、閉状態のゲート本体62と側壁SWとの間の隙間を全体的に閉塞するように構成されていてもよい。閉塞部材70は、10mm~20mm程度の板状部材であってもよい。ゲート本体62が湾曲している場合、閉塞部材70は、ゲート本体62に対応して湾曲していてもよい。
【0036】
閉塞部材70は、図2図5に示されるように、ゲート本体62が閉状態において、ゲート本体62よりも回転ハンマ30側に位置している。閉塞部材70は、図4及び図5に示されるように、側壁SWに固定されていてもよい。例えば、閉塞部材70は、溶接ビード80を介して、側壁SWに溶接されていてもよい。
【0037】
閉塞部材70は、図3図5に示されるように、上方に位置する幅広部分70aと、下方に位置する幅狭部分70bとを含む。幅広部分70aは、閉状態におけるゲート本体62の上端部62aに対応する位置に配置されている。幅広部分70aは、図4に例示されるように、閉状態のゲート本体62と側壁SWとの間の隙間を完全に閉塞している。すなわち、幅広部分70aの幅は、閉状態のゲート本体62と側壁SWとの間の隙間以上の大きさであってもよい。幅広部分70aの先端部分は、図4に例示されるように、回動軸61の延在方向及び上下方向の双方に直交する方向から見て、閉状態におけるゲート本体62の側端部と重なり合っている。
【0038】
幅狭部分70bは、閉状態におけるゲート本体62の下端部62bに対応する位置に配置されている。幅狭部分70bは、図5に例示されるように、閉状態のゲート本体62と側壁SWとの間の隙間を部分的に閉塞している。すなわち、幅狭部分70bの幅は、閉状態のゲート本体62と側壁SWとの間の隙間よりも小さくてもよい。そのため、幅狭部分70bは、図5に例示されるように、回動軸61の延在方向及び上下方向の双方に直交する方向から見て、閉状態におけるゲート本体62と重なり合っていない。回動軸61の延在方向における幅狭部分70bとゲート本体62との離隔距離L2は、例えば、15mm以下であってもよいし、10mm以下であってもよい。
【0039】
センサSEは、破砕室20に生ずる振動を検知するように構成されている。センサSEは、検知した振動の大きさのデータをコントローラCtrに送信するように構成されている。センサSEは、破砕室20内においてハンマ33が異物と衝突したときに生ずる比較的大きな振動を検知したときに、検知した旨をコントローラCtrに送信してもよい。センサSEは、破砕室20に生ずる振動を所定のサンプリング周期で継続的に検知し、そのデータを継続的にコントローラCtrに送信してもよい。コントローラCtrは、センサSEから送信されたデータに基づいて、センサSEが所定の大きさ以上の振動を所定回数以上検知したときに、閉状態から開状態へとゲート本体62を動作させるように構成されている。なお、当該所定回数は、例えば1回であってもよいし、5回であってもよい。
【0040】
[廃棄物処理方法]
続いて、図1及び図2を参照して、廃棄物処理システム1を用いた廃棄物Wの処理方法について説明する。まず、破砕機10のゲート本体62が閉状態のときに、フィーダ2によって投入口20aから破砕室20内に廃棄物Wを投入する。これにより、破砕室20内において、回転するハンマ33が廃棄物Wに衝突して、廃棄物Wが小さな破片に破砕される。スクリーン40の貫通孔40aよりも小さく破砕された破片は、貫通孔40aを通過して、排出口20bから搬送部Cv1に落下する。
【0041】
一方、ハンマ33との衝突によってもスクリーン40を通過できない大きさの異物(金属片など)が廃棄物Wに含まれている場合、異物の存在によって破砕室20に比較的大きな振動が生ずることがある。センサSEがそのような比較的大きな振動を所定回数検知した場合には、コントローラCtrがゲート60に指示して、ゲート本体62を開状態とする。これにより、破砕室20と異物排出路50とが連通し、異物が異物排出路50を通過して排出口50aから搬送部Cv1に落下する。
【0042】
搬送部Cv1に落下した排出物D(破片又は異物)は、搬送部Cv1,Cv2によって下流側に搬送される。排出物Dが搬送部Cv2の下流端の近傍まで搬送されると、選別機3によって排出物Dから金属Mが選別される。排出物Dから選別した金属Mは、貯留部4に貯留される。
【0043】
一方、排出物Dから金属Mが分離された後の廃プラスチック類Pは、搬送部Cv2の下流端から搬送部Cv3に落下して、搬送部Cv3によって貯留部5に搬送される。貯留部5に貯留された廃プラスチック類Pは、必要に応じて供給部6によって別の設備100に供給され、別の設備100において化石燃料の代替燃料として利用される。
【0044】
[破砕機の改造方法]
続いて、閉塞部材70を備えない破砕機10(改造前の破砕機10)に対して閉塞部材70を設置する方法(破砕機10の改造方法)について、説明する。まず、ゲート本体62の形状(湾曲等)に対応する形状の閉塞部材70を準備する。次に、閉状態においてゲート本体62と側壁SWとの間の隙間に閉塞部材70が位置するように、閉塞部材70を側壁SWに固定する(例えば溶接する)。これにより、破砕機10の改造が完了する。
【0045】
[作用]
以上の例によれば、スクリーン40を通過できない大きさの金属片が廃棄物Wに含まれていたとしても、閉塞部材70が存在しているので、ゲート本体62の閉状態において、ゲート本体62と側壁SWとの間の隙間に金属片が侵入し難くなっている。そのため、当該隙間への金属片の詰まりや堆積が抑制される。したがって、破砕機10を停止して当該隙間をメンテナンスする頻度が少なくなるので、破砕機10を継続的に動作させることができる。例えば、閉塞部材70を備えない破砕機10の場合、離隔距離L1を30mmとして、廃棄物Wとして、シュレッダーダスト、自動車用シュレッダーダスト及び都市ゴミの混合物を破砕機10に投入して破砕したところ、ゲート本体62と側壁SWとの間の隙間に10mm程度の金属片が詰まることが確認された。この詰まりを排除するのに一月あたり2時間程度の操業停止が発生し得たが、破砕機10が閉塞部材70を備えることにより、操業停止がほとんど発生しなくなった。その結果、破砕機10において、廃棄物Wbをより効率的に処理することが可能となる。
【0046】
以上の例によれば、閉塞部材70は、ゲート本体62の閉状態においてゲート本体62と側壁SWとの間の隙間を全体的に閉塞するように配置されうる。この場合、ゲート本体62の閉状態において、ゲート本体62と側壁SWとの間の隙間に金属片がより侵入し難くなる。そのため、廃棄物Wをさらに効率的に処理することが可能となる。
【0047】
以上の例によれば、閉塞部材70は、側壁SWに設けられうる。この場合、ゲートが開閉動作をする際に、閉塞部材が静止したままである。すなわち、ゲート本体62と側壁SWとの間の隙間が保たれた状態で、ゲート本体62が開閉動作する。そのため、隙間を閉塞部材70で閉塞しつつ、ゲート本体62の開閉動作時にゲート本体62と側壁SWとの接触を抑制することが可能となる。
【0048】
以上の例によれば、閉塞部材70は、ゲート本体62の閉状態において、ゲート本体62よりも破砕室20側に位置しうる。この場合、ゲートが開閉動作するのとは反対側に閉塞部材が位置する。そのため、ゲートの開閉動作時に、ゲートと閉塞部材の接触を抑制することが可能となる。
【0049】
以上の例によれば、閉塞部材70の少なくとも一部が、ゲート本体62の閉状態において、ゲート本体62と重なり合いうる。この場合、ゲート本体62の閉状態において、ゲート本体62と側壁SWとの間の隙間が閉塞部材70の当該一部によって完全に閉塞される。そのため、ゲート本体62の閉状態において、閉塞部材70の当該一部からゲート本体62と側壁SWとの間の隙間に金属片が侵入し難い。したがって、廃棄物Wをいっそう効率的に処理することが可能となる。
【0050】
以上の例によれば、ゲート本体62とハンマ33とが相対的に近いゲート本体62の下端部62bに対応して、閉塞部材70の幅狭部分70bが配置されうる。幅狭部分70bは、破砕室20の内部へのせり出し量が相対的に少ないので、ハンマ33と幅狭部分70bとの接触を抑制することが可能となる。一方、以上の例によれば、ゲート本体62とハンマ33とが相対的に遠いゲート本体62の上端部62aに対応して、閉塞部材70の幅広部分70aが配置されうる。幅広部分70aは、破砕室20の内部へのせり出し量が相対的に大きいものの、ゲート本体62の上端部62aに対応して配置されているので、ハンマ33と幅広部分70aとの接触を抑制することが可能となる。加えて、ゲート本体62と側壁SWとの間の隙間が幅広部分70aによって完全に閉塞される。そのため、ゲート本体62の閉状態において、幅広部分70aからゲート本体62と側壁SWとの間の隙間に金属片が侵入し難い。したがって、廃棄物Wをいっそう効率的に処理することが可能となる。
【0051】
以上の例によれば、コントローラCtrは、センサSEが所定の大きさ以上の振動を所定回数以上検知したときに、閉状態から開状態へとゲート本体62を動作させるようにゲート60を制御しうる。この場合、破砕機10に投入される廃棄物Wの状態や破砕機10の性能などに応じて、センサSEによって検知される振動の回数の閾値を設定することにより、ゲート本体62の開閉動作の回数が抑制される。そのため、ハンマ33による廃棄物Wの処理が長時間連続的に行われやすくなる。したがって、廃棄物Wをいっそう効率的に処理することが可能となる。
【0052】
[変形例]
本明細書における開示はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲及びその要旨を逸脱しない範囲において、以上の例に対して種々の省略、置換、変更などが行われてもよい。
【0053】
(1)以上の例では、横型回転ハンマ式の破砕機10を例示したが、他の形態の破砕機10に対しても本開示の技術を適用しうる。
【0054】
(2)閉塞部材70は、ゲート本体62の閉状態においてゲート本体62と側壁SWとの間の隙間の一部を閉塞するように配置されていてもよい。
【0055】
(3)閉塞部材70は、ゲート本体62に設けられていてもよい。すなわち、閉塞部材70は、ゲート本体62及び側壁SWの一方に設けられていてもイオ。
【0056】
(4)図6(a)に例示されるように、ゲート本体62の閉状態において、閉塞部材70の全体がゲート本体62と重なり合っていてもよい。あるいは、図6(b)に例示されるように、ゲート本体62の閉状態において、閉塞部材70の全体がゲート本体62と重なり合っていなくてもよい。
【0057】
(5)ゲート本体62の閉状態において、ゲート本体62の上端部62aが回転ハンマ30に対して相対的に近くに位置しており、ゲート本体62の下端部62bが回転ハンマ30に対して相対的に遠くに位置していてもよい。あるいは、ゲート本体62の閉状態において、ゲート本体62と回転ハンマ30とは、全体的に略一定の離隔距離が保たれていてもよい。
【0058】
(6)図7に例示されるように、閉塞部材70は、ゲート本体62の閉状態において、ゲート本体62の閉状態と側壁SWとの間に位置していてもよい。
【0059】
[他の例]
例1.破砕機の一例は、投入された廃棄物が破砕具によって破砕されるように構成された破砕室と、破砕室の下方に設けられた第1の排出口と、破砕具と第1の排出口との間に配置されており、破砕具によって所定の大きさ以下に破砕された破片が通過可能に構成されたスクリーンと、破砕室と連通する異物排出路と、異物排出路の下方に設けられた第2の排出口と、破砕室と異物排出路との間に配置されており、破砕室と異物排出路とが連通する開状態と、破砕室と異物排出路とが閉鎖された閉状態との間で開閉可能に構成されたゲートと、閉状態においてゲートと破砕室の側壁又は異物排出路の側壁との間の隙間を少なくとも部分的に閉塞するように配置された閉塞部材とを備える。この場合、スクリーンを通過できない大きさの金属片が廃棄物に含まれていたとしても、閉塞部材が存在しているので、ゲートの閉状態において、ゲートと側壁との間の隙間に金属片が侵入し難くなっている。そのため、当該隙間への金属片の詰まりや堆積が抑制される。したがって、破砕機を停止して当該隙間をメンテナンスする頻度が少なくなるので、破砕機を継続的に動作させることができる。その結果、破砕機において、廃棄物をより効率的に処理することが可能となる。
【0060】
例2.例1の破砕機において、閉塞部材は、閉状態においてゲートと破砕室の側壁又は異物排出路の側壁との間の隙間を全体的に閉塞するように配置されていてもよい。この場合、ゲートの閉状態において、ゲートと側壁との間の隙間に金属片がより侵入し難くなる。そのため、廃棄物をさらに効率的に処理することが可能となる。
【0061】
例3.例1又は例2の破砕機において、閉塞部材は、破砕室の側壁又は異物排出路の側壁に設けられていてもよい。この場合、ゲートが開閉動作をする際に、閉塞部材が静止したままである。すなわち、ゲートと側壁との間の隙間が保たれた状態で、ゲートが開閉動作する。そのため、隙間を閉塞部材で閉塞しつつ、ゲートの開閉動作時にゲートと側壁との接触を抑制することが可能となる。
【0062】
例4.例1~例3のいずれかの破砕機において、閉塞部材は、閉状態において、ゲートよりも破砕室側に位置していてもよい。この場合、ゲートが開閉動作するのとは反対側に閉塞部材が位置する。そのため、ゲートの開閉動作時に、ゲートと閉塞部材の接触を抑制することが可能となる。
【0063】
例5.例4の破砕機において、閉塞部材の少なくとも一部は、閉状態において、ゲートと重なり合っていてもよい。この場合、ゲートの閉状態において、ゲートと側壁との間の隙間が閉塞部材の当該一部によって完全に閉塞される。そのため、ゲートの閉状態において、閉塞部材の当該一部からゲートと側壁との間の隙間に金属片が侵入し難い。したがって、廃棄物をいっそう効率的に処理することが可能となる。
【0064】
例6.例5の破砕機において、ゲートは、閉状態において、破砕具から相対的に遠い遠位部分と、破砕具に相対的に近い近位部分とを含み、閉塞部材は、閉状態において、ゲートの遠位部分と重なり合う幅広部分と、ゲートの近位部分と重なり合わない幅狭部分とを含んでいてもよい。例6の場合、ゲートと破砕具とが相対的に近い近位部分に対応して、閉塞部材の幅狭部分が配置されている。幅狭部分は、破砕室の内部へのせり出し量が相対的に少ないので、破砕具と幅狭部分との接触を抑制することが可能となる。一方、例6の場合、ゲートと破砕具とが相対的に遠い遠位部分に対応して、閉塞部材の幅広部分が配置されている。幅広部分は、破砕室の内部へのせり出し量が相対的に大きいものの、ゲートの遠位部分に対応して配置されているので、破砕具と幅広部分との接触を抑制することが可能となる。加えて、ゲートと側壁との間の隙間が幅広部分によって完全に閉塞される。そのため、ゲートの閉状態において、幅広部分からゲートと側壁との間の隙間に金属片が侵入し難い。したがって、廃棄物をいっそう効率的に処理することが可能となる。
【0065】
例7.例6の破砕機において、ゲートは、回動軸を介して破砕室の側壁又は異物排出路の側壁に取り付けられた上端部と、近位部分に対応する下端部とを含んでいてもよい。
【0066】
例8.例1~例7のいずれかの破砕機は、破砕室に生ずる振動を検知するように構成されたセンサと、センサが所定の大きさ以上の振動を所定回数以上検知したときに、閉状態から開状態へとゲートを動作させるように構成された制御部とをさらに備えていてもよい。この場合、破砕機に投入される廃棄物の状態や破砕機の性能などに応じて、センサによって検知される振動の回数の閾値を設定することにより、ゲートの開閉動作の回数が抑制される。そのため、破砕具による廃棄物の処理が長時間連続的に行われやすくなる。したがって、廃棄物をいっそう効率的に処理することが可能となる。
【0067】
例9.廃棄物処理システムの一例は、例1~8のいずれかに記載の破砕機と、破砕機に廃棄物を投入するように構成されたフィーダと、破砕機から排出された排出物を下流に搬送するように構成された搬送部と、搬送部によって搬送されている排出物から金属を分離するように構成された選別機と、選別機によって排出物から金属が分離された後の廃プラスチック類を貯留するように構成された貯留部と、貯留部の廃プラスチック類を代替燃料として他の設備に供給するように構成された供給部とを備える。この場合、例1の破砕機と同様の作用効果が得られる。
【0068】
例10.破砕機の改造方法の一例は、投入された廃棄物が破砕具によって破砕されるように構成された破砕室と、破砕室の下方に設けられた第1の排出口と、破砕具と第1の排出口との間に配置されており、破砕具によって所定の大きさ以下に破砕された破片が通過可能に構成されたスクリーンと、破砕室と連通する異物排出路と、異物排出路の下方に設けられた第2の排出口と、破砕室と異物排出路との間に配置されており、破砕室と異物排出路とが連通する開状態と、破砕室と異物排出路とが閉鎖された閉状態との間で開閉可能に構成されたゲートとを備える破砕機を改造する方法である。当該方法は、閉状態においてゲートと破砕室の側壁又は異物排出路の側壁との間の隙間を少なくとも部分的に閉塞するように、ゲート、破砕室の側壁又は異物排出路の側壁に閉塞部材を設ける工程を含む。この場合、例1の破砕機と同様の作用効果が得られる。
【0069】
例11.廃棄物処理方法の一例は、例1~例8のいずれかの破砕機によって廃棄物を処理する方法であって、ゲートが閉状態のときに破砕室に廃棄物を投入して、破砕具によって廃棄物を破砕することと、スクリーンを通過できない大きさの異物が破砕室に存在しているときにゲートを開状態として、異物排出路を通じて異物を第2の排出口から排出することとを含む。この場合、例1の破砕機と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0070】
1…廃棄物処理システム、2…フィーダ、3…選別機、5…貯留部、6…供給部、10…破砕機、20…破砕室、20b…排出口(第1の排出口)、21…側壁(破砕室の側壁)、30…回転ハンマ(破砕具)、40…スクリーン、50…異物排出路、50a…排出口(第2の排出口)、51…側壁(異物排出路の側壁)、60…ゲート、61…回動軸、62…ゲート本体、62a…上端部(遠位部分)、62b…下端部(近位部分)、70…閉塞部材、70a…幅広部分、70b…幅狭部分、100…他の設備、Ctr…コントローラ(制御部)、Cv1~Cv3…搬送部、D…排出物、M…金属、P…廃プラスチック類、SE…センサ、SW…側壁、W…廃棄物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7