(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146625
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】取付構造及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
H04N1/00 519
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047684
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沼崎 朗
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 隆大
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AD01
5C062AD06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】取付部材のフレームへの取付位置を1つの長孔による調整部で調整して固定する場合と比較して、支持部カバーと上部カバーの装置幅方向もしくは奥行き方向での位置ずれの調整作業が容易な取付構造及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置において、取付構造10は、画像形成装置本体の上部に配置された支持部を介して設けられた搬送装置と、支持部の外面に設けられた支持部カバーと、搬送装置の外面に設けられ、支持部カバーの上方側に並んで配置される上部カバーと、支持部の内部に配置された被取付部18に取り付けられ、ブロック部16A及び取付部16Bを備え、支持部カバーを位置決めするブラケット16と、ブラケット16の被取付部18への取り付け位置を、装置幅方向にずらして配置された複数の固定部40のいずれか1つを用いて固定することによって調整する調整部20と、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記録する記録部の上部に配置された支持部を介して設けられ、被搬送体を搬送して情報を読み取る搬送装置と、
前記支持部の外面に設けられた支持部カバーと、
前記搬送装置の外面に設けられ、前記支持部カバーの上方側に並んで配置される上部カバーと、
前記支持部の内部に配置された被取付部に取り付けられ、前記支持部カバーを位置決めする取付部材と、
前記取付部材の前記被取付部への取り付け位置を、装置幅方向にずらして配置された複数の固定部のいずれか1つを用いて固定することによって調整する調整部と、
を有する取付構造。
【請求項2】
前記複数の固定部は、
前記被取付部に設けられ、装置奥行き方向に間隔をおいて配置される複数の穴であって、前記装置幅方向に前記穴の直径より小さい距離でずれている前記複数の穴と、
前記取付部材を前記複数の穴の1つに挿入して固定する挿入部と、
を有する請求項1に記載の取付構造。
【請求項3】
前記複数の固定部は、
前記取付部材に設けられ、装置奥行き方向に間隔をおいて配置される複数の貫通孔であって、前記装置幅方向に前記貫通孔の直径より小さい距離でずれている前記複数の貫通孔と、
前記複数の貫通孔の1つに貫通され、前記取付部材を前記被取付部の装置奥行き方向に設けられた複数の穴の1つに挿入して固定する挿入部と、
を有する請求項1に記載の取付構造。
【請求項4】
前記支持部カバーは、装置前面の一部と前記装置幅方向の外側を覆う外側カバーと、前記外側カバーより前記装置幅方向の内側に配置された内側カバーと、に分割されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の取付構造。
【請求項5】
前記内側カバーが前記取付部材に位置決めされ、前記外側カバーが前記内側カバーに位置決めされており、
前記内側カバーの剛性は、前記外側カバーの剛性よりも大きい構成とされている請求項4に記載の取付構造。
【請求項6】
前記搬送装置に前記支持部の上面が覆われている状態で、前記外側カバーを前記支持部の本体部に固定する位置が前記上部カバーに覆われている請求項5に記載の取付構造。
【請求項7】
前記外側カバーが前記取付部材に位置決めされ、前記内側カバーが前記外側カバーに位置決めされており、
前記外側カバーの剛性は、前記内側カバーの剛性よりも大きい構成とされている請求項4に記載の取付構造。
【請求項8】
前記搬送装置に前記支持部の上面が覆われている状態で、前記内側カバーを前記支持部の本体部に固定する位置が前記上部カバーに覆われている請求項7に記載の取付構造。
【請求項9】
前記支持部カバーの前記内側カバー及び前記外側カバーの少なくとも一方は、前記取付部材の少なくとも装置奥行き方向の奥側でリブがない請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の取付構造。
【請求項10】
前記支持部カバーの下部側は、前記支持部カバーの内部に配置されたフレームに位置決めされている請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の取付構造。
【請求項11】
画像を記録する記録部の上部に配置された支持部を介して設けられ、被搬送体を搬送して情報を読み取る搬送装置と、
前記支持部の外面に設けられた支持部カバーと、
前記搬送装置の外面に設けられ、前記支持部カバーの上方側に並んで配置される上部カバーと、
前記支持部の内部に配置された被取付部に取り付けられ、前記支持部カバーを位置決めする取付部材と、
前記取付部材の前記被取付部への取り付け位置を、装置奥行き方向にずらして配置された複数の固定部のいずれか1つを用いて固定することによって調整する調整部と、
を有する取付構造。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の取付構造と、
前記取付構造に設けられた前記搬送装置によって搬送された前記被搬送体の情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取った情報を記録媒体に記録する記録部を備えた画像形成装置本体と、
を有する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付構造及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、画像読取部と、該画像読取部の位置調整機構を有する画像形成装置において、前記調整機構の全体もしくは一部を覆う外装カバーを前記調整機構が備える移動する調整部材に固定し、該移動する調整部材に前記カバーを追従可能としてなる画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、取付部材のフレームへの取付位置を1つの長孔による調整部で調整して固定する場合と比較して、支持部カバーと上部カバーの装置幅方向もしくは奥行き方向での位置ずれの調整作業が容易な取付構造及び画像形成装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に係る取付構造は、画像を記録する記録部の上部に配置された支持部を介して設けられ、被搬送体を搬送して情報を読み取る搬送装置と、前記支持部の外面に設けられた支持部カバーと、前記搬送装置の外面に設けられ、前記支持部カバーの上方側に並んで配置される上部カバーと、前記支持部の内部に配置された被取付部に取り付けられ、前記支持部カバーを位置決めする取付部材と、前記取付部材の前記被取付部への取り付け位置を、装置幅方向もしくは装置奥行き方向にずらして配置された複数の固定部のいずれか1つを用いて固定することによって調整する調整部と、を有する。
【0006】
第2態様に係る取付構造は、第1態様に記載の取付構造において、前記複数の固定部は、前記被取付部に設けられ、装置奥行き方向に間隔をおいて配置される複数の穴であって、前記装置幅方向に前記穴の直径より小さい距離でずれている前記複数の穴と、前記取付部材を前記複数の穴の1つに挿入して固定する挿入部と、を有する。
【0007】
第3態様に係る取付構造は、第1態様に記載の取付構造において、前記複数の固定部は、前記取付部材に設けられ、装置奥行き方向に間隔をおいて配置される複数の貫通孔であって、前記装置幅方向に前記貫通孔の直径より小さい距離でずれている前記複数の貫通孔と、前記複数の貫通孔の1つに貫通され、前記取付部材を前記被取付部の装置奥行き方向に設けられた複数の穴の1つに挿入して固定する挿入部と、を有する。
【0008】
第4態様に係る取付構造は、第1態様から第3態様までのいずれか1つの態様に記載の取付構造において、前記支持部カバーは、装置前面の一部と前記装置幅方向の外側を覆う外側カバーと、前記外側カバーより前記装置幅方向の内側に配置された内側カバーと、に分割されている。
【0009】
第5態様に係る取付構造は、第4態様に記載の取付構造において、前記内側カバーが前記取付部材に位置決めされ、前記外側カバーが前記内側カバーに位置決めされており、前記内側カバーの剛性は、前記外側カバーの剛性よりも大きい構成とされている。
【0010】
第6態様に係る取付構造は、第5態様に記載の取付構造において、前記搬送装置に前記支持部の上面が覆われている状態で、前記外側カバーを前記支持部の本体部に固定する位置が前記上部カバーに覆われている。
【0011】
第7態様に係る取付構造は、第4態様に記載の取付構造において、前記外側カバーが前記取付部材に位置決めされ、前記内側カバーが前記外側カバーに位置決めされており、前記外側カバーの剛性は、前記内側カバーの剛性よりも大きい構成とされている。
【0012】
第8態様に係る取付構造は、第7態様に記載の取付構造において、前記搬送装置に前記支持部の上面が覆われている状態で、前記内側カバーを前記支持部の本体部に固定する位置が前記上部カバーに覆われている。
【0013】
第9態様に係る取付構造は、第1態様から第8態様までのいずれか1つの態様に記載の取付構造において、前記支持部カバーの前記内側カバー及び前記外側カバーの少なくとも一方は、前記取付部材の少なくとも装置奥行き方向の奥側でリブがない。
【0014】
第10態様に係る取付構造は、第1態様から第9態様までのいずれか1つの態様に記載の取付構造において、前記支持部カバーの下部側は、前記支持部カバーの内部に配置されたフレームに位置決めされている。
【0015】
第11態様に係る画像形成装置は、第1態様から第10態様までのいずれか1つの態様に記載の取付構造と、前記取付構造に設けられた前記搬送装置によって搬送された前記被搬送体の情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取った情報を記録媒体に記録する記録部を備えた画像形成装置本体と、を有する。
【発明の効果】
【0016】
第1態様に係る取付構造によれば、取付部材のフレームへの取付位置を1つの長孔による調整部で調整して固定する場合と比較して、支持部カバーと上部カバーの装置幅方向もしくは奥行き方向での位置ずれの調整作業が容易である。
【0017】
第2態様に係る取付構造によれば、被取付部に複数の穴が装置幅方向に沿って配置されている場合と比較して、取付部材を被取付部に取り付けたときに、穴の直径より小さい位置の調整ができる。
【0018】
第3態様に係る取付構造によれば、取付部材に複数の貫通孔が装置幅方向に沿って配置されている場合と比較して、取付部材を被取付部に取り付けたときに、貫通孔の直径より小さい位置の調整ができる。
【0019】
第4態様に係る取付構造によれば、支持部カバーが一体的に形成されている場合と比較して、取付部材の調整位置に応じて外側カバーと内側カバーの位置を精度よく調整することができる。
【0020】
第5態様に係る取付構造によれば、外側カバーと内側カバーの両方が取付部材に位置決めされている場合と比較して、外側カバーと内側カバーとの境界部分の位置調整が容易となる。
【0021】
第6態様に係る取付構造によれば、外側カバーを本体部に固定する位置が上部カバーの外側に露出している場合と比較して、外側カバーの歪を外部から見えにくい領域に配置することができる。
【0022】
第7態様に係る取付構造によれば、外側カバーと内側カバーの両方が取付部材に位置決めされている場合と比較して、外側カバーと内側カバーとの境界部分の位置調整が容易となる。
【0023】
第8態様に係る取付構造によれば、内側カバーを本体部に固定する位置が上部カバーの外側に露出している場合と比較して、内側カバーの歪を外部から見えにくい領域に配置することができる。
【0024】
第9態様に係る取付構造によれば、内側カバー又は外側カバーにおける取付部材の装置奥行き方向の奥側にリブがある場合と比較して、取付部材の位置の調整代を増やすことができる。
【0025】
第10態様に係る取付構造によれば、支持部カバーの下部側を支点として、支持部カバーの上部側を変形させて取付部材に位置決めすることができる。
【0026】
第11態様に係る画像形成装置によれば、取付部材のフレームへの取付位置を1つの長孔による調整部で調整して固定する場合と比較して、支持部カバーと上部カバーの装置幅方向もしくは奥行き方向での位置ずれの調整作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態に係る取付構造を備えた画像形成装置の一例を示す斜視図であって、搬送装置を画像形成装置本体に対して上方側に回転させた状態を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る取付構造を備えた画像形成装置の一例を示す斜視図であって、搬送装置を画像形成装置本体側に閉止した状態を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る取付構造を備えた画像形成装置において、上部カバーと支持部カバー付近を拡大した状態で示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る取付構造の支持部カバーの内部に配置されるブラケットを被取付部に固定した状態を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る取付構造の支持部カバーの内部に配置されるブラケットに内側カバーアッパを位置決めした状態を示す側面図である。
【
図6】第1実施形態に係る取付構造のブラケットの被取付部への取付位置を調整する状態を示す平面図である。
【
図7】第1実施形態に係る取付構造のブラケットと被取付部とを離した状態で示す平面図である。
【
図8】第1実施形態に係る取付構造の支持部カバーを構成する内側カバーアッパと、内側カバーロアと、外側カバーとを示す斜視図である。
【
図9】(A)は、内側カバーアッパとブラケットとの位置決め位置を示す模式的な正面図であり、(B)は、内側カバーアッパをブラケットに位置決めした状態を示す断面図である。
【
図10】(A)は、内側カバーアッパと内側カバーロアとの位置決め位置を示す模式的な正面図であり、(B)は、内側カバーアッパを内側カバーロアに位置決めした状態を示す断面図である。
【
図11】(A)は、内側カバーロアとフレームとの位置決め位置を示す模式的な正面図であり、(B)は、内側カバーロアをフレームに位置決めした状態を示す断面図である。
【
図12】(A)は、外側カバーと内側カバーアッパとの位置決め位置を示す模式的な正面図であり、(B)は、外側カバーを内側カバーアッパに位置決めした状態を示す断面図である。
【
図13】(A)は、外側カバーと内側カバーロアの上部との位置決め位置を示す模式的な正面図であり、(B)は、外側カバーを内側カバーロアの上部に位置決めした状態を示す断面図である。
【
図14】(A)は、外側カバーと内側カバーロアの下部との位置決め位置を示す模式的な正面図であり、(B)は、外側カバーを内側カバーロアの下部に位置決めした状態を示す断面図である。
【
図15】内側カバーアッパと内側カバーロアの内部を示す断面図である。
【
図16】第2実施形態に係る取付構造のブラケットと被取付部とを離した状態で示す平面図である。
【
図17】第3実施形態に係る取付構造のブラケットと被取付部とを示す平面図である。
【
図18】第4実施形態に係る取付構造の支持部カバーの内部に配置されるブラケットに外側カバーを位置決めした状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の技術を実施するための形態について説明する。以下の説明では、図面において適宜示される矢印Xで示す方向を装置幅方向、矢印Yで示す方向を装置高さ方向とする。また、装置幅方向及び装置高さ方向のそれぞれに直交する方向(矢印Z方向)を装置奥行き方向とする。
【0029】
〔第1実施形態〕
<画像形成装置の構成>
図1及び
図2には、第1実施形態に係る取付構造10を備えた画像形成装置100の一例が示されている。
【0030】
図1及び
図2に示されるように、画像形成装置100は、記録媒体に画像を記録する記録部を備えた画像形成装置本体102と、画像形成装置本体102の上部に配置された支持部104、105を介して配置された搬送装置106と、を備えている。また、画像形成装置100は、搬送装置106によって搬送される被搬送体(図示省略)の情報を読み取る読取部108を備えている。一例として、読取部108は、支持部104、105の上部に設けられている。
【0031】
一例として、支持部104は、画像形成装置本体102の上部の装置幅方向(矢印X方向)の一方側(
図1では装置正面から見て装置幅方向左側)に装置奥行き方向(矢印Z方向)に沿って配置されている。支持部104は、画像形成装置本体102から上方側に柱状に延びている。また、支持部105は、画像形成装置本体102の上部の装置奥行き方向(矢印Z方向)の奥側に装置幅方向(矢印X方向)に沿って配置されている。支持部105は、画像形成装置本体102から上方側に柱状に延びている。本実施形態では、支持部104と支持部105は、装置奥行き方向の奥側で繋がっている。
【0032】
図示を省略するが、画像形成装置本体102の内部には、記録媒体(図示省略)に画像を記録する記録手段と、該記録手段により画像が記録された記録媒体を搬送する搬送手段とが設けられている。記録手段及び搬送手段の構成は特に限定されない。例えば、画像形成装置本体102は、電子写真方式によって記録媒体に画像を記録する構成、又はインクジェット記録方式によって記録媒体に画像を記録する構成などが用いられる。
【0033】
画像形成装置本体102と読取部108との間には、支持部104の側方に、画像形成装置本体102によって画像が記録された記録媒体を排出する排出部110が設けられている。また、画像形成装置100には、搬送装置106の装置奥行き方向の手前側に、画像形成装置100の各種操作を行う操作部112が設けられている。また、画像形成装置100は、本実施形態の取付構造10を備えている。
【0034】
<取付構造の全体構成>
図2及び
図3に示されるように、取付構造10は、搬送装置106と、支持部104の外面に設けられた支持部カバー12と、搬送装置106の外面に設けられた上部カバー14と、を備えている。また、
図4に示されるように、取付構造10は、支持部カバー12の内部で支持部カバー12を位置決めするブラケット16と、ブラケット16の被取付部18への取付位置を調整する調整部20(
図6参照)と、を備えている。ブラケット16は、取付部材の一例である。また、支持部カバー12の位置を調整し固定できるものであれば別の手段でもよい。
【0035】
(搬送装置)
図2に示されるように、画像形成装置100の正面視にて、搬送装置106は、支持部104の上側に配置されている。一例として、画像形成装置100では、搬送装置106は、支持部104の上部の読取部108に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、搬送装置106は、読取部108の装置奥行方向の奥側に配置されたヒンジ(図示省略)により、回転可能に支持されている。言い換えると、搬送装置106は、装置幅方向に沿って配置されたヒンジの軸回りに、支持部104の上部の読取部108に対して回転する構成である。すなわち、搬送装置106は、読取部108に接触する閉止状態(
図2参照)から、装置奥行き方向の手前側が読取部108に対して上方に回転した回転状態と、に移動する(
図1参照)。
【0036】
(支持部カバー)
図2及び
図3に示されるように、支持部カバー12は、支持部104の外面を覆っている。本実施形態では、支持部カバー12は、装置幅方向の外側に配置された外側カバー24と、外側カバー24より装置幅方向の内側に配置された内側カバー26とに分割されている。また、本実施形態では、内側カバー26は、装置上下方向(矢印Y方向)の上側に配置された内側カバーアッパ28と、内側カバー26より装置上下方向の下側に配置された内側カバーロア30とに分割されている。
【0037】
外側カバー24は、支持部104の装置前面の一部と支持部104の装置幅方向外側の側面を覆っている。外側カバー24は、上下方向に沿って配置されており、上下方向に一体的に構成されている。
【0038】
内側カバー26を構成する内側カバーアッパ28と内側カバーロア30は、上下方向に沿って配置されている。内側カバーアッパ28と内側カバーロア30は、支持部104の装置奥行き方向における排出部110側を覆っている。
【0039】
内側カバー26を構成する内側カバーアッパ28の剛性と内側カバーロア30の剛性は、上部カバー14の剛性よりも小さい構成とされている。
図15に示されるように、一般的な支持部カバー200では、支持部カバーの内面にリブ202が設けられている。本実施形態では、ブラケット16の周囲における内側カバーアッパ28の内面と内側カバーロア30の内面は平面状とされており、定められた均一な厚みとされている。ブラケット16の少なくとも装置奥行き方向の奥側における内側カバーアッパ28の内面と内側カバーロア30の内面には、リブが無い。一例として、ブラケット16の周囲には、内側カバーアッパ28の内面と内側カバーロア30の内面にリブが無い(すなわち、
図15に示すようなリブ202は設けられていない)。これにより、ブラケット16の被取付部18への取付位置を装置幅方向(矢印X方向)に調整したときに、ブラケット16の被取付部18の取付位置に追従して、内側カバーアッパ28及び内側カバーロア30が僅かに変形する。なお、ブラケット16の装置奥行き方向の手前側、すなわち装置奥行き方向の前面側における内側カバーアッパ28の内面と内側カバーロア30の内面に、リブを設けてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、内側カバー26を構成する内側カバーアッパ28の剛性と内側カバーロア30の剛性は、外側カバー24の剛性よりも大きい構成とされている。例えば、外側カバー24の内面におけるブラケット16と対向する側にリブを設けず、又は、外側カバー24の厚みを内側カバーアッパ28及び内側カバーロア30の厚みよりも薄くすることで、内側カバーアッパ28の剛性と内側カバーロア30の剛性が外側カバー24の剛性よりも大きくなる。ここで、「内側カバーアッパ28の剛性と内側カバーロア30の剛性が外側カバー24の剛性よりも大きい」とは、内側カバーアッパ28及び内側カバーロア30が外側カバー24よりも変形しにくいこと、すなわち、変形に要する荷重が大きいことを意味している。これにより、ブラケット16の被取付部18の取付位置に追従して、内側カバーアッパ28及び内側カバーロア30が僅かに変形したときに、内側カバーアッパ28及び内側カバーロア30に位置決めされる外側カバー24が内側カバーアッパ28及び内側カバーロア30に連動して変形しやすくなる。
【0041】
(上部カバー)
図2及び
図3に示されるように、上部カバー14は、搬送装置106の少なくとも装置幅方向の一方側(
図2に示す装置幅方向左側)を覆っている。搬送装置106が読取部108に接触する閉止状態(
図2及び
図3参照)で、上部カバー14は、支持部カバー12の上方側に並んで配置されている。ここで、「並んで配置」とは、上部カバー14が支持部カバー12の上方側に直接並んで配置されている(すなわち、隣り合うように配置されている)場合の他、上部カバー14が支持部カバー12の上方側に間接的に並んで配置されている(すなわち、上部カバー14と支持部カバー12との間に他の部材が介在されている)場合も含む意味である。本実施形態、上部カバー14は、支持部カバー12の上方側に隣り合うように配置されている。
【0042】
上部カバー14は、外側カバー24の上方側に外側カバー24と並んで配置された外側部14Aと、内側カバー26の上方側に内側カバー26と並んで配置された内側部14Bと、を備えている。本実施形態では、外側部14Aと内側部14Bとは分割された部材を接合した構成であるが、外側部14Aと内側部14Bとを一体で構成してもよい。
【0043】
(ブラケット)
図4及び
図5に示されるように、ブラケット16は、支持部カバー12の内部に配置されている。本実施形態では、ブラケット16は、支持部カバー12の内側カバーアッパ28を位置決めする。ブラケット16は、支持部104の内部の上下方向の中間部に設けられた被取付部18に取り付けられている。例えば、被取付部18は、支持部104の内部に設けられたフレームの一部で構成されている。被取付部18は、水平方向に配置された取付面18Aを備えている。
【0044】
ブラケット16は、上下方向に延びたブロック部16Aと、ブロック部16Aの下端部から被取付部18に沿って配置された板状の取付部16B、16Cと、を備えている(
図6参照)。ブラケット16は、
図6に示す平面視にて、L字状とされている。取付部16Bは、ブロック部16Aから装置奥行き方向の手前側に延びている。取付部16Cは、ブロック部16Aから装置幅方向の外側に延びている。
【0045】
取付部16Bには、装置奥行き方向に間隔をおいて配置される複数(本実施形態では3つ)の貫通孔34が設けられている。一例として、貫通孔34は、装置奥行き方向に長い長孔である。複数の貫通孔34は、取付部16Bの装置幅方向にずれないように配置されている。
【0046】
また、取付部16Cには、装置幅方向に長い長孔36が設けられている。長孔36は1つ設けられている。長孔36には、ねじ45が貫通され、図示しない被取付部18のねじ穴に締結されることで、取付部16Cが被取付部18の取付面18Aに固定されている。取付部16Cに長孔36が設けられていることで、ブラケット16の位置を装置幅方向(矢印X方向)に調整しても、取付部16Cを被取付部18に固定することができる。ブラケット16の取付部16B、16Cを被取付部18に取り付ける構成については、後に説明する。
【0047】
図5及び
図9(B)に示されるように、ブラケット16のブロック部16Aの上部における装置奥行き方向の手前側の面には、内側カバーアッパ28を位置決めするための凹部52が設けられている。内側カバーアッパ28の内面には、突出部53が設けられており、突出部53の先端に形成されたボス54が凹部52に挿入されることで、内側カバーアッパ28がブラケット16に位置決めされる。支持部カバー12を構成する内側カバーアッパ28、内側カバーロア30、及び外側カバーの位置決め構造については、後で詳述する。
【0048】
(調整部)
調整部20は、ブラケット16の被取付部18への取付位置を装置幅方向(矢印X方向)に調整する機能を有する。
図6及び
図7に示されるように、調整部20は、装置幅方向にずらして配置された複数の固定部40を備えている。複数の固定部40は、被取付部18に設けられた複数(本実施形態では3つ)のねじ穴42と、ブラケット16を複数のねじ穴の1つに挿入して固定するねじ44と、を備えている。ねじ穴42は、穴の一例であり、ねじ44は、挿入部の一例である。
【0049】
複数のねじ穴42は、装置奥行き方向に間隔をおいて配置されると共に、装置幅方向にねじ穴42の直径より小さい距離でずれている。一例として、複数のねじ穴42は、装置幅方向にねじ穴42の半径以上の距離でずれており、複数のねじ穴42の装置幅方向のずれ量は同等である。なお、この構成に代えて、複数のねじ穴42は、装置幅方向にねじ穴42の半径よりも小さい距離でずれている構成でもよい。
【0050】
複数の固定部40は、上記のように、ブラケット16の取付部16Bに設けられた複数(本実施形態では3つ)の長孔からなる貫通孔34を備えている。ねじ穴42の数は、貫通孔34の数と同じである。複数の貫通孔34は、複数のねじ穴42の装置奥行き方向の位置に合わせて配置されている。本実施形態では、複数(本実施形態では3つ)の固定部40は、装置奥行き方向に配置された複数のねじ穴42と、それぞれのねじ穴42に対応して配置された貫通孔34との組み合わせにより構成されている。
【0051】
調整部20は、ブラケット16の被取付部18への取り付け位置を、装置幅方向にずらして配置された複数の固定部40のいずれか1つを用いて固定することによって調整する。具体的には、ねじ44(
図5参照)の軸部をブラケット16の複数の貫通孔34のいずれか1つに貫通させ、その貫通された貫通孔34に対応する被取付部18のねじ穴42の1つにねじ44を締め付ける。これにより、ブラケット16が被取付部18に取り付けられると共に、ブラケット16の被取付部18への取り付け位置が装置幅方向に調整される。本実施形態では、固定部40が3つ設けられているため、ブラケット16の被取付部18への取り付け位置が3段階に調整される。
【0052】
(支持部カバーの位置決め構造)
図5、
図8及び
図9(A)に示されるように、支持部カバー12の内側カバーアッパ28は、第1位置P1において、ブラケット16に位置決めされる。
図9(A)、(B)に示されるように、第1位置P1において、ブラケット16のブロック部16Aの上部における装置奥行き方向の手前側の面には、円形状の凹部52が設けられている。内側カバーアッパ28の内面には、装置奥行き方向の奥側に突出する円柱状のボス54が設けられている。第1位置P1では、ブラケット16の凹部52に、内側カバーアッパ28のボス54が挿入されることで、内側カバーアッパ28がブラケット16に位置決めされている。一例として、内側カバーアッパ28を装置奥行き方向の奥側に向けてブラケット16に取り付けることで、内側カバーアッパ28のボス54がブラケット16の凹部52に挿入される。
【0053】
図8及び
図10(A)に示されるように、支持部カバー12の内側カバーアッパ28は、第2位置P2において、内側カバーロア30に位置決めされる。
図10(A)、(B)に示されるように、第2位置P2において、内側カバーロア30の上部における装置奥行き方向の手前側の面には、U字状の凹部56が設けられている。内側カバーアッパ28の内面には、装置奥行き方向の奥側に突出するリブ58が設けられている。第2位置P2では、内側カバーロア30の凹部56に、内側カバーアッパ28のリブ58が挿入されることで、内側カバーアッパ28が内側カバーロア30に対して相対的に回転することが阻止される。リブ58と凹部56との間には若干隙間があってもよい。一例として、内側カバーアッパ28を装置奥行き方向の奥側に向けて内側カバーロア30に取り付けることで、内側カバーアッパ28のリブ58が内側カバーロア30の凹部56に挿入される。
【0054】
図8及び
図11(A)に示されるように、支持部カバー12の内側カバーロア30の下部側は、第3位置P3において、支持部104の内部のフレーム60に位置決めされる。
図11(A)、(B)に示されるように、第3位置P3において、フレーム60には、円形状の位置決めのための凹部62が設けられている。内側カバーロア30の下部の内面には、装置奥行き方向の奥側に突出する円柱状のボス64が設けられている。第3位置P3では、フレーム60の凹部62に、内側カバーロア30のボス64が挿入されることで、内側カバーロア30の下部側がフレーム60に位置決めされている。一例として、内側カバーロア30を装置奥行き方向の奥側に向けてフレーム60に取り付けることで、内側カバーロア30のボス64がフレーム60の凹部62に挿入される。フレーム60の凹部62の位置は固定されているため、組付け時に内側カバーロア30は、フレーム60の凹部62に挿入されたボス64を支点として上部側が回転する。
【0055】
図8及び
図12(A)に示されるように、支持部カバー12の外側カバー24は、第4位置P4において、内側カバーアッパ28に位置決めされる。
図12(A)、(B)に示されるように、第4位置P4において、内側カバーアッパ28の上部における装置奥行き方向の手前側の面には、円形状の凹部66が設けられている。外側カバー24の内面には、装置奥行き方向の奥側に突出する円柱状のボス68が設けられている。第4位置P4では、内側カバーアッパ28の凹部66に、外側カバー24のボス68が挿入されることで、外側カバー24が内側カバーアッパ28に対して相対的に回転することが阻止される。一例として、外側カバー24を装置奥行き方向の奥側に向けて内側カバーアッパ28に取り付けることで、外側カバー24のボス68が内側カバーアッパ28の凹部66に挿入される。
【0056】
図8及び
図13(A)に示されるように、支持部カバー12の外側カバー24は、第5位置P5において、内側カバーロア30に位置決めされる。
図13(A)、(B)に示されるように、第5位置P5において、内側カバーロア30の上下方向中間部における装置奥行き方向の手前側の面には、円形状の凹部70が設けられている。外側カバー24の内面には、装置奥行き方向の奥側に突出する円柱状のボス72が設けられている。第5位置P5では、内側カバーロア30の凹部70に、外側カバー24のボス72が挿入されることで、外側カバー24が内側カバーロア30に対して相対的に回転することが阻止される。一例として、外側カバー24を装置奥行き方向の奥側に向けて内側カバーロア30に取り付けることで、外側カバー24のボス72が内側カバーロア30の凹部70に挿入される。
【0057】
図8及び
図14(A)に示されるように、支持部カバー12の外側カバー24は、第6位置P6において、内側カバーロア30に位置決めされる。
図14(A)、(B)に示されるように、第6位置P6において、内側カバーロア30の下部側における装置奥行き方向の手前側の面には、円形状の凹部74が設けられている。外側カバー24の内面には、装置奥行き方向の奥側に突出する円柱状のボス76が設けられている。第6位置P6では、内側カバーロア30の凹部74に、外側カバー24のボス76が挿入されることで、外側カバー24が内側カバーロア30に位置決めされる。一例として、外側カバー24を装置奥行き方向の奥側に向けて内側カバーロア30に取り付けることで、外側カバー24のボス76が内側カバーロア30の凹部74に挿入される。
【0058】
上記のような支持部カバー12の位置決め構造では、ブラケット16の被取付部18への取付位置を装置幅方向に動かすことで、第1位置P1が装置幅方向に動く。そして、フレーム60の凹部62に挿入された内側カバーロア30のボス64を支点として、内側カバー26(内側カバーロア30と内側カバーアッパ28)及び外側カバー24がブラケット16に連動して動く。
【0059】
図8に示されるように、内側カバーアッパ28の上面部28Aは、装置奥行き方向の奥側でねじ82により、支持部104の上部フレーム(図示省略)に固定されている。また、外側カバー24の上面部24Aは、装置奥行き方向の奥側でねじ84により、支持部104の上部フレーム(図示省略)に固定されている。上部フレームは本体部の一例である。本実施形態では、搬送装置106に支持部104の上面が覆われている状態で、内側カバーアッパ28がブラケット16に位置決められると共に、外側カバー24を支持部104の上部フレーム(図示省略)に固定する位置(すなわち、ねじ84の固定位置)が上部カバー14に覆われている。
【0060】
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0061】
本実施形態の取付構造10では、画像を記録する画像形成装置本体102の上部に配置された支持部104を介して搬送装置106が設けられている。支持部104の外面には、支持部カバー12が設けられている。搬送装置106の外面には、上部カバー14が設けられている。上部カバー14は、支持部カバー12の上方側に並んで配置されている。また、取付構造10は、支持部104の内部に配置された被取付部18に取り付けられたブラケット16を備えており、ブラケット16は、支持部カバー12を構成する内側カバーアッパ28を位置決めする。また、取付構造10は、ブラケット16の被取付部18への取り付け位置を、装置幅方向にずらして配置された複数の固定部40のいずれか1つを用いて固定することによって調整する調整部20を備えている。
【0062】
一般的に、搬送装置の上部カバーが支持部カバーの上方側に並んで配置されている構成では、上部カバーと支持部カバーが装置幅方向(矢印X方向)に相対的にずれる場合がある。例えば、搬送装置が支持部の上部に対して移動又は回転可能に支持されている構成では、荷重による搬送装置を構成するユニットの変形、搬送装置を構成する各部品の累積交差、又は読取部のスキャン性能を確保するためにユニットを左右に傾ける等により、搬送装置の上部カバーと支持部カバーとが装置幅方向に相対的にずれ易い。特に、搬送装置が支持部の上部に対して移動又は回転可能に連結された連結位置に対して、画像形成装置の前面側が遠い位置に配置された構成では、画像形成装置の前面側で上部カバーと支持部カバーが装置幅方向に相対的にずれると、外観のデザイン品質を損ねる場合がある。
【0063】
本実施形態の取付構造10では、調整部20により、ブラケット16の被取付部18への装置幅方向の取り付け位置が調整される。調整部20では、ブラケット16の複数の貫通孔34(本実施形態では3つ)のうちの1つを、被取付部18の複数(本実施形態では3つ)のねじ穴42のうちの対応するねじ穴42に合わせることで、ブラケット16の装置幅方向の位置を調整する。そして、ねじ44の軸部をブラケット16の貫通孔34に貫通させ、被取付部18のねじ穴42に締め付けることで、ブラケット16を被取付部18に取り付ける。これにより、ブラケット16の被取付部18への装置幅方向の取り付け位置が調整される。
【0064】
さらに、ブラケット16に、支持部カバー12を構成する内側カバーアッパ28を位置決めすることで、搬送装置106上部カバー14に合わせて、支持部カバー12の装置幅方向の位置を調整することができる。
【0065】
取付構造10では、上記のように、調整部20により、ブラケット16の被取付部18への取り付け位置を、装置幅方向にずらして配置された複数の固定部40のいずれか1つを用いて固定することによって調整する。このため、取付構造10では、取付部材のフレームへの取付位置を1つの長孔による調整部で調整して固定する場合と比較して、支持部カバー12と上部カバー14の装置幅方向での位置ずれの調整作業が容易である。したがって、支持部カバー12と上部カバー14の装置幅方向での位置ずれを抑制することができる。
【0066】
取付構造10では、複数の固定部40は、被取付部18に設けられた複数(本実施形態では3つ)のねじ穴42を備えている。複数のねじ穴42は、装置奥行き方向に間隔をおいて配置されると共に、装置幅方向にねじ穴42の直径より小さい距離でずれている。そして、ねじ44をブラケット16の貫通孔34に貫通させ、ねじ44を複数のねじ穴42の1つに締め付けることで、ブラケット16をねじ穴42の1つに固定する。このため、取付構造10では、取付部材に複数の穴が装置幅方向に沿って配置されている場合と比較して、ブラケット16を被取付部18に取り付けたときに、ねじ穴42の直径より小さい位置の調整ができる。
【0067】
取付構造10では、支持部カバー12は、装置前面の一部と装置幅方向の外側を覆う外側カバー24と、外側カバー24より装置幅方向の内側に配置された内側カバー26と、に分割されている。これにより、内側カバー26を構成する内側カバーアッパ28をブラケット16に位置決めしたときに、ブラケット16の装置幅方向の位置に追従して内側カバー26及び外側カバー24が動く。このため、取付構造10では、支持部カバーが一体的に形成されている場合と比較して、ブラケット16の装置幅方向の調整位置に応じて外側カバー24と内側カバー26の位置を精度よく調整することができる。
【0068】
取付構造10では、内側カバー26を構成する内側カバーアッパ28がブラケット16に位置決めされ、外側カバー24が内側カバー26(内側カバーアッパ28及び内側カバーロア30)に位置決めされている。さらに、内側カバー26の剛性は、外側カバー24の剛性よりも大きい構成とされている。これにより、内側カバー26を構成する内側カバーアッパ28をブラケット16に位置決めしたときに、ブラケット16の装置幅方向の位置に追従して内側カバー26及び外側カバー24が動く。このとき、内側カバー26の剛性が外側カバー24の剛性よりも大きいことで、外側カバー24が内側カバー26の位置に追従して動きやすくなる。このため、取付構造10では、外側カバーと内側カバーの両方が取付部材に位置決めされている場合と比較して、外側カバー24と内側カバー26のとの境界部分の位置調整が容易となる。
【0069】
取付構造10では、支持部カバー12の内側カバー26は、ブラケット16の少なくとも装置奥行き方向の奥側でリブがない。これにより、内側カバー26を構成する内側カバーアッパ28をブラケット16に位置決めしたときに、ブラケット16の装置幅方向の位置に追従して内側カバー26が動きやすい。このため、取付構造10では、内側カバーにおける取付部材の装置奥行き方向の奥側にリブがある場合と比較して、ブラケット16の位置の調整代を増やすことができる。
【0070】
取付構造10では、支持部カバー12を構成する内側カバーロア30の下部側は、支持部カバー12の内部に配置されたフレーム60に位置決めされている。本実施形態では、フレーム60の凹部62に、内側カバーロア30のボス64が挿入されることで、内側カバーロア30の下部側がフレーム60に位置決めされている。このため、取付構造10では、支持部カバー12の内側カバー26の下部側を支点として、支持部カバー12の内側カバー26の上部側を変形させてブラケット16に位置決めすることができる。
【0071】
取付構造10では、搬送装置106に支持部104の上面が覆われている状態で、内側カバー26を構成する内側カバーアッパ28がブラケット16に位置決められると共に、外側カバー24を支持部104の上部フレームに固定する位置が上部カバー14に覆われている。本実施形態では、外側カバー24の上面部24Aをねじ84により支持部104の上部フレームに固定する位置は、上部カバー14に覆われている。本実施形態では、内側カバー26を構成する内側カバーアッパ28をブラケット16に位置決めしたときに、ブラケット16の装置幅方向の位置に追従して内側カバー26が動き、内側カバー26の位置に合わせて外側カバー24が動くため、外側カバー24に歪が発生する場合がある。このため、取付構造10では、外側カバーを本体部に固定する位置が上部カバーの外側に露出している場合と比較して、外側カバー24の歪を外部から見えにくい領域に配置することができる。
【0072】
また、画像形成装置100は、取付構造10と、搬送装置106によって搬送された被搬送体の情報を読み取る読取部108と、読取部108によって読み取った情報を記録媒体に記録する記録部を備えた画像形成装置本体102と、を備えている。このため、画像形成装置100では、取付部材のフレームへの取付位置を1つの長孔による調整部で調整して固定する場合と比較して、支持部カバー12と上部カバー14の装置幅方向での位置ずれの調整作業が容易である。したがって、支持部カバー12と上部カバー14との装置幅方向での位置ずれによる外観のデザイン品質の低下が抑制される。
【0073】
〔第2実施形態〕
次に、
図16を用いて、第2実施形態の取付構造について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0074】
図16に示されるように、取付構造120は、第1実施形態の取付構造10の調整部20に代えて、調整部126を備えている。調整部126は、ブラケット122の被取付部124への取り付け位置を、装置幅方向にずらして配置された複数(本実施形態では3つ)の固定部128のいずれか1つを用いて固定することによって調整する。複数の固定部128は、ブラケット122に設けられた複数(本実施形態では3つ)の貫通孔130を備えている。複数の貫通孔130は、装置奥行き方向に間隔をおいて配置されると共に、装置幅方向に貫通孔130の短手方向の直径より小さい距離でずれている。貫通孔130は、装置奥行き方向に長い長孔である。ブラケット122は、取付部材の一例である。
【0075】
また、被取付部124には、装置奥行き方向に間隔をおいて配置される複数(本実施形態では3つ)のねじ穴132が設けられている。ねじ穴132は、穴の一例である。また、挿入部の一例としてのねじ(
図6参照)が複数の貫通孔130の1つに貫通され、被取付部124の複数のねじ穴132の1つに締め付けられることで、ブラケット122が複数のねじ穴132の1つに固定される。なお、取付構造120の他の構成は、第1実施形態の取付構造10と同様である。
【0076】
上記の取付構造120では、第1実施形態の取付構造10と同様の構成による効果に加えて、以下の作用及び効果を得ることができる。
【0077】
取付構造120では、ブラケット122の複数の貫通孔130は、装置奥行き方向に間隔をおいて配置されると共に、装置幅方向に貫通孔130の短手方向の直径より小さい距離でずれている。そして、ねじ(
図6参照)が複数の貫通孔130の1つに貫通され、被取付部124の複数のねじ穴132の1つに締め付けられることで、ブラケット122が複数のねじ穴132の1つに固定される。このため、取付構造120では、取付部材に複数の貫通孔が装置幅方向に沿って配置されている場合と比較して、ブラケット122を被取付部124に取り付けたときに、貫通孔130の短手方向の直径より小さい位置の調整ができる。
【0078】
〔第3実施形態〕
次に、
図17を用いて、第3実施形態の取付構造について説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0079】
図17に示されるように、取付構造140は、第1実施形態の取付構造10の調整部20に代えて、調整部142を備えている。調整部142は、ブラケット144の被取付部18への取り付け位置を、装置幅方向にずらして配置された複数(本実施形態では3つ)の固定部40のいずれか1つを用いて固定することによって調整する。複数の固定部40は、被取付部18に設けられた複数(本実施形態では3つ)のねじ穴42を備えている。複数のねじ穴42は、装置奥行き方向に間隔をおいて配置されると共に、装置幅方向にねじ穴42の直径より小さい距離でずれている。ブラケット144は、取付部材の一例である。
【0080】
また、ブラケット144の装置奥行き方向に沿った縁部には、ねじ穴42の位置に対応する複数の凹部146が設けられている。複数の凹部146は、一例として、鋸状とされている。挿入部の一例としてのねじ(
図6参照)が複数の凹部146の1つを通り、被取付部18の複数のねじ穴42の1つに締め付けられることで、ブラケット144が複数のねじ穴42の1つに固定される。なお、取付構造140の他の構成は、第1実施形態の取付構造10と同様である。
【0081】
上記の取付構造140では、第1実施形態の取付構造10と同様の構成により、同様の作用及び効果を得ることができる。
【0082】
〔第4実施形態〕
次に、
図18を用いて、第4実施形態の取付構造について説明する。なお、前述した第1~第3実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0083】
図18に示されるように、取付構造160は、支持部カバー162は、外側カバー164と、内側カバー166とに分割されている。外側カバー164には、突出部53の先端にボス170が設けられており、ボス170がブラケット172の凹部52に挿入されることで、外側カバー164がブラケット172に位置決められる。ブラケット172は、取付部材の一例である。
【0084】
取付構造160では、内側カバー166が外側カバー164に位置決めされている。内側カバー166及び外側カバー164の位置決め構造は、例えば、第1実施形態の内側カバー26と外側カバー24の位置決め構造(
図9~
図14参照)を逆にした構造である。
【0085】
また、外側カバー164の剛性は、内側カバー166の剛性よりも大きい構成とされている。ここで、「外側カバー164の剛性が内側カバー166の剛性よりも大きい」とは、外側カバー164が内側カバー166よりも変形しにくいこと、すなわち、変形に要する荷重が大きいことを意味している。例えば、一般的な外側カバーでは、外側カバーから装置奥行き方向の奥側に延びたリブ210が設けられているが、本実施形態の外側カバー164には、ブラケット172の少なくとも装置奥行き奥側にリブ(
図18に示すリブ210)が設けられていない。
【0086】
また、取付構造160では、搬送装置106(
図1参照)に支持部104の上面が覆われている状態で、外側カバー164がブラケット172に位置決めされると共に、内側カバー166を支持部104の上部フレーム(図示省略)に固定する位置(
図8に示すねじ82参照)が上部カバー14に覆われている。なお、取付構造160の他の構成は、第1実施形態の取付構造10と同様である。
【0087】
上記の取付構造160では、第1実施形態の取付構造10と同様の構成による効果に加えて、以下の作用及び効果を得ることができる。
【0088】
取付構造160では、外側カバーと内側カバーの両方が取付部材に位置決めされている場合と比較して、外側カバー164と内側カバー166との境界部分の位置調整が容易となる。
【0089】
また、取付構造160では、内側カバーを本体部に固定する位置が上部カバーの外側に露出している場合と比較して、内側カバー166の歪を外部から見えにくい領域に配置することができる。
【0090】
〔その他〕
第1~第4実施形態において、内側カバーと外側カバーとの位置決め構造は、本開示の技術を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0091】
また、第1~第3実施形態では、調整部として、被取付部に複数のねじ穴と、ねじ穴に締め付けられるねじを備えているが、本開示はこの構成に限定されるものではない。例えば、ねじ穴に代えて、穴を設け、穴に挿入部が挿入された状態で、挿入部が穴に係止等により固定される構成でもよい。例えば、挿入部がピンであり、ピンが穴に係止等により固定される構成でもよい。また、ねじ穴もしくはねじ穴に代わる穴は、貫通せずくぼんでいるものや、凹部を含むものである。
【0092】
また、第1~第4実施形態では、搬送装置が装置奥行き方向の奥側で支持されている構成であるが、本開示はこの構成に限定されるものではない。例えば、搬送装置が装置幅方向の右側又は中心付近など他の位置で支持される構成も含む。搬送装置が装置幅方向の右側又は中心付近など他の位置で支持される構成では、奥行き方向に位置ずれが生じる場合がある。このため、上記の構成では、取付部材の被取付部への取り付け位置を、装置奥行き方向にずらして配置された複数の固定部のいずれか1つを用いて固定することによって調整する調整部を設けることが好ましい。調整部としては、例えば、第1~第3実施形態の装置幅方向にずらした複数の固定部の構成を、装置奥行き方向にずらした複数の固定部の構成に変更する構成などが用いられる。
【0093】
また、第1~第4実施形態では、搬送装置を画像形成装置本体に対して装置幅方向に沿って配置された軸回りに回転可能とした例を記載したが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、搬送装置は、回転可能ではなく画像形成装置本体に固定される構成でもよい。
【0094】
また、第1~第4実施形態では、支持部カバーを構成する内側カバーと外側カバーの剛性をリブの有無又はリブの数を変更することによって変えたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、内側カバーと外側カバーの厚みを変えたり、内側カバーと外側カバーの材料(例えば、ガラス繊維を混ぜるなど)を変更することによって、内側カバーと外側カバーの剛性を変えてもよい。
【0095】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0096】
10 取付構造
12 支持部カバー
14 上部カバー
16 ブラケット(取付部材の一例)
18 被取付部
20 調整部
24 外側カバー
26 内側カバー
28 内側カバーアッパ(内側カバーの一例)
30 内側カバーロア(内側カバーの一例)
40 固定部
42 ねじ穴(穴の一例)
44 ねじ(挿入部の一例)
60 フレーム
100 画像形成装置
102 画像形成装置本体
104 支持部
106 搬送装置
108 読取部
120 取付構造
122 ブラケット(取付部材の一例)
124 被取付部
126 調整部
128 固定部
130 貫通孔
132 ねじ穴(穴の一例)
140 取付構造
142 調整部
144 ブラケット(取付部材の一例)
160 取付構造
162 支持部カバー
164 外側カバー
166 内側カバー
170 ボス
172 ブラケット(取付部材の一例)