(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146639
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】NMN等含有組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/15 20160101AFI20220928BHJP
A61K 31/7076 20060101ALI20220928BHJP
A61K 31/198 20060101ALI20220928BHJP
A61P 21/06 20060101ALI20220928BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A23L33/15
A61K31/7076
A61K31/198
A61P21/06
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047706
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(71)【出願人】
【識別番号】519127797
【氏名又は名称】三菱商事ライフサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160978
【弁理士】
【氏名又は名称】榎本 政彦
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 正樹
(72)【発明者】
【氏名】三浦 雅臣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寿哉
(72)【発明者】
【氏名】深水 祐一郎
【テーマコード(参考)】
4B018
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4B018MD19
4B018MD23
4B018ME14
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
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4C086NA05
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4C086ZA94
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4C206AA02
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4C206MA02
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4C206MA72
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA94
4C206ZC75
(57)【要約】
【課題】
本発明は、スポーツ競技、労働、日常生活における歩く、立つ等の動作を持続するために必要な筋肉増強、又は筋肉量を増加させる、筋肉増強用組成物、筋肉量増加用組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】
ロイシンとNMNを摂取することで、本願発明の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
β-ニコチンアミドモノヌクレオチド又はその薬理学的に許容される塩、並びにそれらの溶媒和物、且つロイシン又はその薬理学的に許容される塩、並びにそれらの溶媒和物、を含む組成物。
【請求項2】
β-ニコチンアミドモノヌクレオチド又はその薬理学的に許容される塩、並びにそれらの溶媒和物、且つロイシン又はその薬理学的に許容される塩、並びにそれらの溶媒和物、を有効成分として含む筋肉増強用組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組成物を含有し、筋肉を増強させるために摂取される、健康補助食品。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の組成物を含有し、筋肉を増強させるために摂取される、健康補助飼料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋肉増強用組成物、筋肉量増加用組成物、例えば筋肉増強用、又は筋肉量増加用の医薬品、健康補助食品 、飼料、飼料添加剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、交通手段の発達や情報・通信技術の発展に伴う運動不足、さらに、高齢者においては、加齢による影響と相まって筋肉量の減少がみられる。しかし、一般的に高齢者においては筋肉量を増強するに十分な運動を行うことが困難な場合がある。高齢者は一般に筋肉量が少なく、安全に生活するために、筋肉量の増強、筋肉量低下の抑制が望まれることがある。また、高齢者に限らず、スポーツ選手は必要な筋肉の増強のために、必要な栄養補給を行い、その際に医薬品またはサプリメントなどを使用する場合もある。
【0003】
筋肉の疲労を防ぎ、筋肉を増強用として、バリン、ロイシン、イソロイシンなどの分岐鎖アミノ酸が摂取されている。これらは、分岐鎖アミノ酸特に運動時に接種することで効率よく、筋肉の疲労を防ぐことが知られている。
【0004】
また、β-Nicotinamide mononucleotide(β-NMN)は、生体内のde novo経路やSalvage経路の代謝物質であるβ-Nicotinamide adenine dinucleotide(NAD)の中間代謝物質である (特許文献1~4、非特許文献1)。β-NMNは、生体に投与することによりNADの生合成を直接に誘導、組織中のNAD濃度を向上させることが出来る (非特許文献2)。β-NMNが関わる機能として、「糖代謝異常の改善 (非特許文献2)」、「サ-カディアンズムへの関与 (非特許文献3、4)」、「老化ミトコンドリアの機能改善 (非特許文献5)」、「虚血再灌流からの心臓の保護 (非特許文献6)」、「老化による神経幹細胞の減少の抑制 (非特許文献7)」、「エピジェネティク制御機構によりClaudin-1の発現を抑制し、糖尿病性腎症のアルブミン尿の低下 (非特許文献8)」、「プログラム細胞死の制御 (非特許文献9)」、「パ-キンソン病の改善 (非特許文献10)」、「老化による酸化ストレスや血管機能障害の回復 (非特許文献11)」などが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO2014/146044
【特許文献2】中国特許公報登録第101601679 B
【特許文献3】米国特許公開第2011-0123510 A1
【特許文献4】米国特許登録第7737158号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Liana, R Stein . et al. The dynamic regulation of NADmetabolism in mitochondria. Trends in Endocrinology and Metabolism. 2012, Vol. 23, No. 9
【非特許文献2】J, Yoshino . et al. Nicotinamide Mononucleotide, a Key NAD+ Intermediate, Treats the Pathophysiology of Diet- and Age-Induced Diabetes in Mice . Cell Metab. 2011, 14(4), P. 528-536.
【非特許文献3】Clara Bien Peek1 . et al. Circadian Clock NAD+ Cycle Drives Mitochondrial Oxidative Metabolism in Mice . Science. 2013, 342(6158), 1243417.
【非特許文献4】Ramsey, KM . et al. Circadian clock feedback cycle through NAMPT-mediated NAD+ biosynthesis . Science. 2009, 324(5927), P. 651-654.
【非特許文献5】Ana, P. Gomes . et al. Declining NAD+ Induces a Pseudohypoxic State Disrupting Nuclear-Mitochondrial Communication during Aging . Cell. 2013, 155(7), P. 1624-1638.
【非特許文献6】T, Yamamoto . et al. Nicotinamide mononucleotide, an intermediate of NAD+ synthesis, protects the heart from ischemia and reperfusion . PLoS One. 2014, 9(6), e98972.
【非特許文献7】Liana, R Stein . et al. Specific ablation of Nampt in adult neural stem cells recapitulates their functional defects during aging . EMBO J. 2014, 33(12), P. 1321-1340
【非特許文献8】K, Hasegawa . et al. Renal tubular Sirt1 attenuates diabetic albuminuria by epigenetically suppressing Claudin-1 overexpression in podocytes . Nat Med. 2013, 19(11), P. 1496-1504
【非特許文献9】Nicolas Preyat. et al. Complex role of nicotinamide adenine dinucleotide in the regulation of programmed cell death pathways . Biochem Pharmacology. 2015, S0006-2952(15)
【非特許文献10】Lei lu . et al. Nicotinamide mononucleotide improves energy activity and survival rate in an in vitro model of Parkinson’s disease . Exp Ther Med. 2014, 8(3), P. 943-950.
【非特許文献11】Natalie E.de Picciotto . et al. Nicotinamide mononucleotide supplementation reverses vascular dysfunction and oxidative stress with aging in mice. Aging cell. 2016, 15, P. 522-530.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のような背景の中、本発明は、スポーツ競技、労働、日常生活における歩く、立つ等の動作を持続するために必要な筋肉増強、又は筋肉量を増加させる、筋肉増強用組成物、筋肉量増加用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題の解決につき鋭意研究の結果、ロイシンとNMNを摂取することで、本願発明の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、
(1)β-ニコチンアミドモノヌクレオチド又はその薬理学的に許容される塩、並びにそれらの溶媒和物、且つロイシン又はその薬理学的に許容される塩、並びにそれらの溶媒和物、を含む組成物、
(2)β-ニコチンアミドモノヌクレオチド又はその薬理学的に許容される塩、並びにそれらの溶媒和物、且つロイシン又はその薬理学的に許容される塩、並びにそれらの溶媒和物、を有効成分として含む筋肉増強用組成物、
(3)(1)又は(2)に記載の組成物を含有し、筋肉を増強させるために摂取される、健康補助食品、
(4)(1)又は(2)に記載の組成物を含有し、筋肉を増強させるために摂取される、飼料、
に係るものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の組成物は、ヒトを含む動物の筋肉の増強、又は筋肉量の増加させる効果を有する医薬品、健康補助食品または飼料等の筋肉増強用組成物を提供することができる。また、本発明により、ヒトを含む動物の筋肉を増強、筋肉量の減少抑制、又は筋肉量を増加させるための方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、「筋肉の増強」又は「筋肉量の増加」とは、主として骨格筋の筋肉量または筋力を増加させることをいい、筋重量の増加等がこれに含まれる。また、筋肉量又は筋力の低下を筋肉減衰というが、本発明にいう筋肉増強は筋肉減衰の改善も包含する。
【0012】
本発明において「ロイシン」とは、アミノ酸であって、L - ロイシン又はその生理学的に許容可能な塩のことを意味する。本発明において適用可能なロイシンとしては、特に制限はないが、天然由来のもの、化学合成されたもの、又はこれらを組み合わせたものなどが挙げられる。市販品のL - ロイシンとしては、例えば、L - ロイシン(協和発酵バイオ社製)などである。また、ロイシンを含む組成物、例えば、酵母エキス、蛋白加水分解物などでも良い。
【0013】
本発明において、適用可能な「β-Nicotinamide mononucleotide(β-NMN)」は、特に制限はない。β-NMNの調製方法も制限はない。例えば、化学合成法、酵素法、発酵法等により、得られたβ-NMNを精製したものを、有効成分として用いることができる。また、β-NMNは広く生体に存在する成分であるため、動物、植物、微生物などの天然原料から抽出・精製することによって得られたβ-NMNを有効成分として用いることもできる。また、市販されているβ-NMNを使用してもよい。β-NMNを含む組成物、例えば酵母エキスなどでも良い。
【0014】
本発明において、ロイシン、β-NMNは、の薬理学的に許容される塩であってもよい。無機酸塩、アミンのような塩基性部位を有する有機酸塩であってもよい。このような酸塩を構成する酸としては、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸等が挙げられる。また、アルカリ塩であってもよく、カルボン酸のような酸性部位を有する有機塩であってもよい。このような酸塩を構成する塩基としては、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であって、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、アンモニア、トリメチルアンモニア、トリエチルアンモニア、エチレンジアミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、プロカイン、ジエタノールアミン、N-ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の塩基から誘導されるものが挙げられる。
【0015】
本願発明では、ロイシンとβ-NMNの混合方法に制限はなく、一般的な方法で良い。粉末状態で混合しても良いし、水などに溶解又は分散させた後、混合しても良い。また、混合比も任意であり、制限はない。
【0016】
本願発明では、ロイシン、β-NMN以外に、その他の有効成分を含有していてもよい。当該他の有効成分としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されるものではない。当該他の有効成分としては、例えば、公知の筋肉増大効果を有する組成物が挙げられる。具体的には、当該他の有効成分としては、例えば、ロイシン以外分岐鎖アミノ酸、ホエイタンパク質、カテキン類などがあげられる。さらに、その他のサプリメントや医薬品に混合される種々の成分を本発明の効果を損なわないものであれば含有させることができる。例えば、アミノ酸、タウリン、グルタチオン、カルニチン、クレアチン、コエンザイムQ、グルクロン酸、グルクロノラクトン、トウガラシエキス、ショウガエキス、カカオエキス、ガラナエキス、ガルシニアエキス、テアニン、γ-アミノ酪酸、カプサイシン、カプシエイト、各種有機酸、フラボノイド類、ポリフェノール類、カテキン類、キサンチン誘導体、フラクトオリゴ糖などの難消化性オリゴ糖、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0017】
本願発明では有効成分を医薬用無毒担体と組み合わせて、製剤上の常套手段により様々な剤型に製剤化することができる。本発明に係る分泌向上剤の剤型のうち、経口投与剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤等の固形剤;溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤;凍結乾燥製剤等が挙げられる。非経口投与剤としては、注射剤のほか、坐剤、噴霧剤、経皮吸収剤等が挙げられる。
【0018】
製剤化に使用する医薬用無毒担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、果糖、還元麦芽糖等の糖類;デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、デキストリン、β-シクロデキストリン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の炭水化物;マンニトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール等の糖アルコール;脂肪酸グリセリド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエステル類;ポリエチレングリコール、エチレングリコール、アミノ酸、アルブミン、カゼイン、二酸化珪素、水、生理食塩水等が挙げられる。また、本発明に係る分泌向上剤の製剤化においては、製剤上の必要に応じて、安定化剤、滑剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、溶解補助剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、矯味矯臭剤、着色剤等の慣用の添加剤を適宜添加することができる。
【0019】
本願発明は、ヒト、ヒト以外の動物に投与することが好ましい。ヒト以外の動物としては、特に制限はないが、家畜、ペットなどの動物が想定できる。
【0020】
本願発明の組成物の投与・摂取量は、投与される動物の生物種、年齢(月齢)、体重、症状、疾患の程度、投与スケジュール、製剤形態等により、適宜選択・決定される。例えば、成人1人あたりの1日量を、β-NMN量として、0.1mg~10g、好ましくは0.5mg~7g、より好ましくは10mg~5g、さらに好ましくは100mg~2gを、1回又は数回に分けて投与することができる。また、ロイシンについても投与される動物の生物種、年齢(月齢)、体重、症状、疾患の程度、投与スケジュール、製剤形態等により、適宜選択・決定される。例えば、成人1人あたりの1日量を、ロイシン量として、0.1mg~10g、好ましくは0.5mg~7g、より好ましくは10mg~5g、さらに好ましくは100mg~2gを、1回又は数回に分けて投与することができる。
【0021】
本願発明のロイシン及びβ-NMNは、生体構成成分であり、食品中にも含まれている成分であることから、安全性が高いと考えられる。そこで、本発明の組成物は、健康補助食品の有効成分として用いることができる。健康補助食品は、健康状態の維持又は改善を目的として栄養を補助するためのものであり、特定保健用食品、栄養機能食品などを含むものである。本発明の組成物は、動物の健康維持のためなどのために動物用飼料に含有させ、健康補助飼料として使用することもできる。
【0022】
本発明に係る健康補助食品及び飼料は、その他の食品素材や種々の添加剤を含有することができる。食品素材としては、ビタミン類、糖質、蛋白質、脂質、食物繊維、果汁等が挙げられる。具体的には、例えば、ビタミンB1誘導体、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB13、ビオチン、パントテン酸、ニコチン酸、葉酸等のビタミンB群;ビタミンE、ビタミンD又はその誘導体、ビタミンK1、ビタミンK2、βカロチン等の脂溶性ビタミン;カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛等のミネラル;酵母、L-カルニチン、クレアチン、α-リポ酸、グルタチオン、グルクロン酸、タウリン、コラーゲン、大豆イソフラボン、レシチン、ペプチド、アミノ酸、γ-アミノ酪酸、ジアシルグリセロール、DHA、EPA、カプサイシン、コンドロイチン硫酸、アガリクス茸エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、青汁、レシチン、ローヤルゼリー、プロポリス、オクタコサノール、フラバンジェノール、ピクノジェノール、マカ、キトサン、ガルシニアエキス、コンドロイチン、グルコサミン等が挙げられる。添加剤としては、甘味料、有機酸等の酸味料、安定剤、香料、着色料等が挙げられる。
【0023】
本発明に係る健康補助食品及び飼料は、ロイシン、β-NMN等に適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、粉末状、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ペースト状等に形成することによって製造できる。本発明に係る健康補助食品は、そのまま摂取してもよく、種々の食品や飲料に混合させた状態で食用に供してもよい。例えば、粉末状の健康補助食品を、水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲料に溶解又は分散させた状態で摂取させることができる。本発明に係る飼料も、そのまま動物に摂取させてもよく、他の固形飼料や飲料水に混合させた状態で動物に摂取させてもよい。
【実施例0024】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、全ての動物実験は東京大学構内にて、東京大学の動物実験委員会のガイドラインに従って実施した。
【0025】
2か月間、老齢マウス(C57B6/J 80週齢 雄 n=3)にコントロール、1.5重量%含有L-ロイシン(1500mg/kg BW)、NMN(500mg/kgBW)、1.5重量%含有L-ロイシン(1500mg/kg BW)+NMN(500mg/kgBW)飲水を自由摂取で投与の後、骨格筋を採取して筋肉重量の評価を行った。なお、マウスの体重を30g、飲水を3mL/日とした。
【0026】
結果を
図1に示す。ロイシンとNMNを併用摂取したマウス群のみ、筋肉重量の増加が認められた。
以上詳述したように、本発明により、ヒトおよび非ヒト動物の筋肉の増強に有効な筋肉増強用又は筋肉量増加用組成物を提供することができる。また、本発明により、ヒトおよび非ヒト動物の筋肉を増強、又は筋肉量を増加させるために有効な方法を提供することができる。