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特開2022-146889土質定数推定装置、プログラム及び土質定数推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146889
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】土質定数推定装置、プログラム及び土質定数推定方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/04 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
E02D1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023232
(22)【出願日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2021047303
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000166627
【氏名又は名称】五洋建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504196300
【氏名又は名称】国立大学法人東京海洋大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 一彦
(72)【発明者】
【氏名】江守 辰哉
(72)【発明者】
【氏名】秋本 哲平
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】片山 遥平
(72)【発明者】
【氏名】谷 和夫
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043AB01
2D043BA01
(57)【要約】
【課題】一般的に用いられないデータを用いることで土質定数をより高い精度で推定する。
【解決手段】機械学習ステージとして、コーン貫入試験時に得られるデータ群を説明変数とし、ボーリング調査によって得られた土質定数を目的変数とした機械学習により学習モデルを生成し、次に土質定数推定ステージとして、この学習モデルを用いて、コーン貫入試験が実施された地点における土質定数を推定する。コーン貫入試験時に得られるデータ群は、コーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値及び間隙水圧値といった三成分データのほか、コーン貫入試験時において画像データ生成装置21によって得られた地中の画像データ、コーンに設けられた音波送受信装置22によって計測された音波データ、又は、地中の画像データ若しくは地中で計測された音波データに基づいて分類された土質データのうち少なくともいずれか1つを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーン貫入試験時に得られるデータ群であって、三成分データと、少なくとも地中の画像に関する画像データ群、コーンに設けられた音波送受信装置によって計測された音波データ群、又は、地中の画像に関する画像データ若しくは地中で計測された音波データに基づいて分類された土質データ群のうちのいずれか1つのデータ群とを説明変数とし、ボーリングによって得られた土質定数を目的変数とした機械学習により学習モデルを生成する生成部と、
土質定数の推定対象地点で実施されたコーン貫入試験時に得られた説明変数であって、前記学習モデルにおける前記説明変数に相当するデータ群を、生成された前記学習モデルに入力して、前記推定対象地点における土質定数を推定する推定部と
を備える土質定数推定装置。
【請求項2】
前記画像に関するデータは、可視画像データである
請求項1記載の土質定数推定装置。
【請求項3】
前記可視画像データは、コーンに設けられたカメラによって撮像されたデータである
請求項2記載の土質定数推定装置。
【請求項4】
前記コーンの外周に突起部が設けられている
請求項3記載の土質定数推定装置。
【請求項5】
前記画像に関するデータは、非可視画像データである
請求項1~4のいずれか1項に記載の土質定数推定装置。
【請求項6】
前記非可視画像データは、コーンに設けられた電磁波送受信装置の計測値に基づく非可視画像データである
請求項5記載の土質定数推定装置。
【請求項7】
前記電磁波送受信装置によって送受信される電磁波は、ガンマ線、中性子線又は赤外線のうち少なくともいずれかの電磁波である
請求項6記載の土質定数推定装置。
【請求項8】
コンピュータを、
コーン貫入試験時に得られるデータ群であって、三成分データと、少なくとも地中の画像に関する画像データ群、コーンに設けられた音波送受信装置によって計測された音波データ群、又は、地中の画像に関する画像データ若しくは地中で計測された音波データに基づいて分類された土質データ群のうちのいずれか1つのデータ群とを説明変数とし、ボーリングによって得られた土質定数を目的変数とした機械学習により学習モデルを生成する生成部と、
土質定数の推定対象地点で実施されたコーン貫入試験時に得られた説明変数であって、前記学習モデルにおける前記説明変数に相当するデータ群を、生成された前記学習モデルに入力して、前記推定対象地点における土質定数を推定する推定部と
して機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の土質定数推定装置が実行する土質定数推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤の土質定数を推定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地盤調査方法としては、ボーリング調査が一般的であり、設計に用いる土質定数を得るために標準貫入試験やサンプリング試料を用いた室内土質試験が実施されている。また、比較的簡易な地盤調査手法として、電気式コーン貫入試験(以下、CPTとも記載する)に代表されるサウンディング試験があり、CPTから得られるデータは、土質定数と相関があることが知られており、これまでに様々な換算式や土質定数を推定する仕組みが提案されている。
【0003】
ボーリング調査から、N値及びFc(細粒分含有率)を取得するためには、標準貫入試験や室内土質試験が必要であり、調査費用や調査期間は非常に大きなものとなる。一方で、CPTに代表されるサウンディング試験は、比較的安価で地盤調査を実施することが可能であり、土質定数の推定も可能ではあるが、その推定精度は地盤条件によっては著しく低くなることもあり、あくまでも、ボーリング調査の補完的な位置づけとなっている。
【0004】
例えば特許文献1には、ボーリングデータと削孔データとに基づいて機械学習を行ってN値とFcを推定する学習モデルを生成し、この学習モデルに対し、N値及びFcが未知の地点における削孔データを入力することで、その地点におけるN値及びFcを推定するための仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-100949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、土質定数の推定精度は高いほうが望ましく、土質推定のためのデータとして一般的に用いられていないデータを用いることで、より高い精度の土質推定を行うことが出来る。本発明は、一般的に用いられないデータを用いることでより高い精度で土質定数を推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、コーン貫入試験時に得られるデータ群であって、三成分データと、少なくとも地中の画像に関する画像データ群、コーンに設けられた音波送受信装置によって計測された音波データ群、又は、地中の画像に関する画像データ若しくは地中で計測された音波データに基づいて分類された土質データ群のうちのいずれか一つのデータ群とを説明変数とし、ボーリングによって得られた土質定数を目的変数とした機械学習により学習モデルを生成する生成部と、土質定数の推定対象地点で実施されたコーン貫入試験時に得られた説明変数であって、前記学習モデルにおける前記説明変数に相当するデータ群を、生成された前記学習モデルに入力して、前記推定対象地点における土質定数を推定する推定部とを備える土質定数推定装置を提供する。
【0008】
前記画像に関するデータは、可視画像データであってもよい。
【0009】
前記可視画像データは、コーンに設けられたカメラによって撮像されたデータであってもよい。
【0010】
前記コーンの外周に突起部が設けられていてもよい。
【0011】
前記画像に関するデータは、非可視画像データであってもよい。
【0012】
前記非可視画像データは、コーンに設けられた電磁波送受信装置の計測値に基づく非可視画像データであってもよい。
【0013】
前記電磁波送受信装置によって送受信される電磁波は、ガンマ線、中性子線又は赤外線のうち少なくともいずれかの電磁波であってもよい。
【0014】
また、本発明は、土質定数推定装置として、コンピュータを、コーン貫入試験時に得られるデータ群であって、三成分データと、少なくとも地中の画像に関する画像データ群、コーンに設けられた音波送受信装置によって計測された音波データ群、又は地中の画像に関する画像データ若しくは地中で計測された音波データに基づいて分類された土質データ群のうちのいずれか一つのデータ群とを説明変数とし、ボーリングによって得られた土質定数を目的変数とした機械学習により学習モデルを生成する生成部と、土質定数の推定対象地点で実施されたコーン貫入試験時に得られた説明変数であって、前記学習モデルにおける前記説明変数に相当するデータ群を、生成された前記学習モデルに入力して、前記推定対象地点における土質定数を推定する推定部として機能させるためのプログラムを提供する。
【0015】
また、本発明は、上記土質定数推定装置が実行する土質定数推定方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、土質定数推定装置は、コーン貫入試験時に得られた三成分データと、少なくとも地中の画像に関する画像データ、コーンに設けられた音波送受信装置によって計測された音波データ、又は地中の画像に関する画像データ若しくは地中で計測された音波データに基づいて分類された土質データの何れか一つのデータと、ボーリングによって得られた土質定数とを用いて機械学習させた学習済モデルを生成する。この学習済モデルが用いられることにより、土質定数を容易に推定することができる。
【0017】
また、本発明によれば、土質定数推定装置は、コーン貫入試験時に得られた三成分データと、少なくとも地中の画像に関する画像データ、コーンに設けられた音波送受信装置によって計測された音波データ、又は地中の画像に関する画像データ若しくは地中で計測された音波データに基づいて分類された土質データの何れか一つのデータを説明変数として学習済モデルに入力して得られる目的変数に基づき、土質を推定することができる。これにより、土質定数の変化を容易に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係るシステム全体の構成の一例を示すブロック図。
図2】第1実施形態に係る土質定数推定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図3】第1土質定数推定装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図4】第1実施形態において学習モデルを生成する方法の一例を示すフローチャート。
図5】第1実施形態において学習モデルを用いて土質定数を推定する方法の一例を示すフローチャート。
図6】本発明の第2実施形態に係るシステム全体の構成の一例を示すブロック図。
図7】本発明の第3実施形態の効果を説明するための実験結果を表す表。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態の一例について説明する。
[第1実施形態]
[構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係るシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。システム1は、地盤に孔を掘削してボーリング調査を行うボーリングシステム10と、地盤に対して電気式コーン貫入試験を行うコーン貫入試験システム20と、地盤の土質定数を推定する土質定数推定装置30とを備える。コーン貫入試験システム20の電気式コーンの内部には、画像データ生成装置21が設けられている。画像データ生成装置21は、例えば可視画像を撮像するためのカメラ及びライト等によって構成される。電気式コーンの先端部側面の一部分はクリスタルガラス等の透明部材で構成されている。コーン貫入試験が実施されている期間にわたって、画像データ生成装置21を構成するライトがこの透明部材を介してコーン外の地中に光を照射し、画像データ生成装置21を構成するカメラがこの地中の画像を撮像する。これにより、コーン貫入試験時における地中の画像データが画像データ生成装置21により生成される。この画像データは、動画データであってもよいし、時間的に連続した複数の静止画データの集合であってもよいが、本実施形態では動画データとする。
【0020】
ボーリングシステム10と土質定数推定装置30との間、又は、コーン貫入試験システム20と土質定数推定装置30との間は、それぞれ有線又は無線を介して電気的に接続されてもよいし、接続されていなくてもよい。ボーリングシステム10と土質定数推定装置30との間、又は、コーン貫入試験システム20と土質定数推定装置30との間が電気的に接続されている場合は、ボーリングシステム10又はコーン貫入試験システム20から出力されるデータは、有線又は無線を介して土質定数推定装置30に入力される。ボーリングシステム10と土質定数推定装置30との間、又は、コーン貫入試験システム20と土質定数推定装置30との間が電気的に接続されていない場合は、ボーリングシステム10又はコーン貫入試験システム20から出力されるデータは、例えば所定の記憶媒体を介して又はオペレータの手動操作により、土質定数推定装置30に入力される。
【0021】
ボーリングシステム10が行うボーリング調査により、地盤の土質定数として例えば強度特性(以下、N値という)及び細粒分含有率(以下、Fcという)が測定される。ボーリング調査と併用して実施される標準貫入試験から得られるN値は、多くの設計用土質定数の推定に使用可能であるため、その利用価値は非常に大きい。また、サンプリング試料を用いた室内土質試験から得られるFcは、地盤の透水性や液状化抵抗性に影響している。ボーリング調査はこれらデータを直接的に計測することができ、計測精度が高いものの、コストが大きく、土質によってはボーリング調査の実施そのものが難しいという問題がある。
【0022】
コーン貫入試験システム20は、コーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値及び間隙水圧値といった三成分データを同時に測定可能な電気式コーンをロッド先端に取り付けて地盤に貫入し、上記の三成分データを連続的に測定するシステムである。コーン貫入試験によれば、測定したデータにより、例えば地層区分判定、地盤改良効果の確認、或いは液状化判定などが可能となる。さらに、これらの三成分データは、経験的に、ボーリング調査その他の土質調査から得られる土質定数とも相関関係があるとされており、その換算式も多数提案されている。
【0023】
本実施形態に係るシステム1において、まず機械学習ステージとして、コーン貫入試験時に得られるデータ群を説明変数とし、ボーリング調査によって得られた土質定数を目的変数とした機械学習により学習モデルを生成し、次に土質定数推定ステージとして、この学習モデルを用いて、コーン貫入試験が実施された地点における土質定数を推定する。コーン貫入試験時に得られるデータ(以下、コーン貫入試験データという)には、コーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値及び間隙水圧値といった三成分データのほか、コーン貫入試験時において画像データ生成装置21によって得られた地中の画像データ群がある。コーン貫入試験時の地中の画像データの特徴は、その地中における土質定数、例えば不連続面(地層境界)の判定や土質(粘性土または砂質土等)に相関があると考えられるから、そのような画像データや地中の画像に関する画像データに基づいて分類された土質データ群を説明変数として含む学習モデルは、そのような画像データを説明変数として含まない学習モデルと比較すると、土質定数の推定精度を向上させると考えられる。
【0024】
図2は、土質定数推定装置30のハードウェア構成を示す図である。土質定数推定装置30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。これらの各装置は図示せぬ電源から供給される電力によって動作する。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。土質定数推定装置30のハードウェア構成は、図2に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0025】
土質定数推定装置30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、他の装置から送信されてきたデータを取得したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0026】
プロセッサ3001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ3001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ3001によって実現されてもよい。
【0027】
プロセッサ3001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ3003及び通信装置3004の少なくとも一方からメモリ3002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。土質定数推定装置30の機能ブロックは、メモリ3002に格納され、プロセッサ3001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ3001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ3001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ3001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介して土質定数推定装置30に送信されてもメモリ3002やストレージ3003にインストールされてもよい。
【0028】
メモリ3002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ3002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ3002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0029】
ストレージ3003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ3003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0030】
通信装置3004は、有線又は無線の少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0031】
入力装置3005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタンなど)である。出力装置3006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置3005及び出力装置3006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0032】
土質定数推定装置30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ3001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0033】
図3は、土質定数推定装置30の機能構成の一例を示す図である。土質定数推定装置30によって実現される各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0034】
図3において、データ取得部31は、土質定数推定装置30の外部から各種のデータを取得する。このデータには、ボーリングシステム10によるボーリング調査によって測定された土質定数であるN値及びFcと、コーン貫入試験システム20によって実施されたコーン貫入試験時に得られるコーン貫入試験データが含まれる。コーン貫入試験データは、前述したように、コーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値及び間隙水圧値といった三成分データのほか、コーン貫入試験時に得られた地中の画像データ群も含んでいる。
【0035】
教師データ生成部32は、機械学習ステージにおいて、データ取得部31によって取得されたデータを用いて、学習モデルを生成するために用いる教師データを生成する。より具体的には、教師データ生成部32は、前述したコーン貫入試験データ(コーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値、間隙水圧値といった三成分データ及び画像データ群)を説明変数とし、土質定数であるN値及びFcを目的変数とした学習モデルにおける教師データを生成する。つまり、教師データ生成部32は、コーン貫入試験において或る地点及び深度において検出された三成分データ及びそのときに撮像された画像を表す画像データ(説明変数)と、その地点及び深度においてボーリング調査によって得られたN値及びFc(目的変数)とを1セットとし、これらのセットの集合を教師データとする。この学習モデルは、例えばニューラルネットワークによる機械学習によって得られるモデルである。
【0036】
モデル生成部33は、機械学習ステージにおいて、説明変数たるコーン貫入試験データ及び目的変数たるN値及びFcを教師データとして、例えば、ニューラルネットワークによる機械学習を実施して、学習モデルを生成する。ニューラルネットワークによる機械学習によれば、教師データに含まれる説明変数及び目的変数の関係を解析することで、説明変数に相当するデータが入力されたときに目的変数に相当するデータを出力する学習モデルを生成することができる。
【0037】
モデル格納部34は、機械学習ステージにおいて、モデル生成部33により生成された学習モデルを格納する。
【0038】
検証部35は、機械学習ステージにおいて、学習モデルの精度を検証する。より具体的には、検証部35は、モデル格納部34に格納された学習モデルにコーン貫入試験データを適用して、N値及びFcが既知の地点におけるN値及びFcを推定し、その推定値を既知のN値及びFcと比較し、その差分を評価する。その差分が閾値を超えるなど、学習モデルの精度が不十分であれば、モデル生成部33が学習モデルにおける教師データの量を増やす、重みづけを見直す、またはハイパーパラメータ等を見直すなどして、精度が十分となるような学習モデルを生成する。
【0039】
推定部36は、モデル格納部34に格納された学習モデルと、土質定数推定ステージにおいてコーン貫入試験が実施された地点についてデータ取得部31により取得されたコーン貫入試験データ(三成分データ及び画像データ群)とを用いて、その地点におけるN値及びFcを推定して出力する。このN値及びFcに基づいて設計用土質定数の決定がなされ、施工前の設計等に用いられることになる。
【0040】
[動作]
[機械学習ステージにおける動作]
まず、機械学習ステージにおける本実施形態の動作を説明する。図4は、土質定数推定装置30が学習モデルを生成する方法の一例を示すフローチャートである。まず、ボーリングシステム10により、或る地点にボーリング調査が実施される(ステップS11)。これにより、その地点における地盤のN値及びFcが測定される。
【0041】
次に、コーン貫入試験システム20により、ボーリング調査が実施された地点に対してコーン貫入試験が行われる(ステップS12)。これにより、ボーリング調査地点におけるコーン貫入試験データ(コーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値、間隙水圧値といった三成分データ及び、画像データ群)が得られる。なお、ステップS11のボーリング調査とステップS12のコーン貫入試験はどちらが先に行われてもよい。
【0042】
このような、ボーリング調査及びコーン貫入試験が機械学習を行うのに十分な数の地点に対して行われたのち、これら各地点におけるN値、Fc及びコーン貫入試験データのセットが土質定数推定装置30に入力される(ステップS13)。これにより、土質定数推定装置30のデータ取得部31は、複数の地点についてのN値、Fc、及びコーン貫入試験データを取得する。
【0043】
次に、土質定数推定装置30の教師データ生成部32は、データ取得部31によって取得されたコーン貫入試験データを説明変数とし、データ取得部31によって取得されたN値及びFcを目的変数とした教師データを生成する(ステップS14)。
【0044】
次に、モデル生成部33は、上記教師データを用いて機械学習を実施する(ステップS15)、これにより生成された学習モデルがモデル格納部34に格納される(ステップS16)。
【0045】
次に、検証部35は、モデル格納部34に格納されている学習モデルの精度を検証する(ステップS17)。具体的には、検証部35は、各地点におけるコーン貫入試験データを説明変数として学習モデルに入力し、その結果、目的変数として得られたN値及びFcと、その地点においてボーリング調査によって得られたN値及びFcとを比較し、その差分を評価する。
【0046】
学習モデルの精度が不十分であれば(ステップS18;No)、モデル生成部33は学習モデルにおけるハイパーパラメータ等を見直して、精度が十分となるまで学習モデルの生成を繰り返し実施する(ステップS16~S17)。学習モデルの精度が十分と判断されると(ステップS18;Yes)、図4に示す処理は終了する。
【0047】
[土質定数推定ステージにおける動作]
次に、土質定数推定ステージにおける本実施形態の動作を説明する。図5は、学習モデルを用いて土質定数を推定する方法の一例を示すフローチャートである。まず、土質定数が推定される対象となる地点(以下、推定対象地点という)に対してコーン貫入試験が実施され、その結果得られたコーン貫入試験データ(コーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値、間隙水圧値といった三成分データ及び画像データ群)、つまり、学習モデルにおける説明変数に相当するデータ群が土質定数推定装置30に入力される(ステップS19)。
【0048】
次に、土質定数推定装置30の推定部36は、コーン貫入試験データを説明変数として、モデル格納部34に格納されている学習モデルに入力する(ステップS20)。
【0049】
そして、推定部36は、学習モデルから目的変数として得られたN値及びFcを取得する(ステップS21)。このN値及びFcは、推定対象地点において推定されるN値及びFcである。
【0050】
上述した第1実施形態によれば、土質定数に相関があると考えられる地中の可視画像データも説明変数として学習モデルを生成するから、その学習モデルを用いることにより高い精度で土質定数を推定することが可能となる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態に係るシステム1aの全体構成の一例を示すブロック図である。システム1aは、第1実施形態と同様のボーリングシステム10と、コーン貫入試験システム20と、土質定数推定装置30とを備えるが、コーン貫入試験システム20のコーンの内部には、第1実施形態の画像データ生成装置21に代えて、またはこの画像データ生成装置21に加えて、音波送受信装置22が設けられている。音波送受信装置22は、コーン貫入試験が実施されている期間にわたって所定周波数の音波を地中に発信し、地中で反射した音波を受信して、その結果計測された音波データを出力する。音波送受信装置22による音波の発信方向は、コーンの貫入方向であってもよいし、その貫入方向に対して所定の角度をなす方向(例えば貫入方向に対して90度をなす方向)であってもよい。音波送受信装置22は、地中で反射した音波を受信しやすいような位置にそれぞれ配置された音波送信装置及び音波受信装置に分離した構造であってもよい。このようにして計測された音波データ群の特徴に対しては、地中の地盤の硬軟の状態が寄与すると考えられる。この第2実施形態においては、第1実施形態で用いたコーン貫入試験データとしての画像データ群に代えて、またはこの画像データ群に加えて上記の音波データ群が説明変数の1つとして用いられて学習モデルの生成及び土質定数の推定が行われる。又、この第2実施形態においては、さらに音波データに基づいて分類された土質データ群を説明変数に含めて生成された学習モデルを用いるようにしてもよい。この第2実施形態によれば、土質定数に相関があると考えられる音波データを説明変数として学習モデルを用いるから、音波データを説明変数に含まない学習モデルを用いる場合と比べて、より高い精度で土質定数を推定することが可能となる。
【0052】
また、音波データは、非可聴音声データと可聴音声データを含む。可聴音声データとしては、コーン貫入時のコーンと対象地盤との接触音を用いるため、音波送受信装置22としてコーン先端部の側面に収音用マイクを設置して収音する。なお、可聴音声データを用いる際には、コーン貫入試験データとして画像データに紐づけた状態で用いることが望ましい。
【0053】
画像データと可聴音声データとの紐づけは、コーン貫入時の時刻および/または貫入されるコーンの深度を用いて関連付けることができる。なお、後述する非可視画像との紐づけにおいても同様にコーン貫入時の時刻および/または深度を用いる。
【0054】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るシステムは、第1実施形態と同様のボーリングシステム10と、コーン貫入試験システム20と、土質定数推定装置30とを備える。コーン貫入試験システム20のコーンの内部には、第1実施形態の画像データ生成装置21が少なくとも設けられている。なお、この画像データ生成装置21に加えて、第2実施形態の音波送受信装置22が設けられていてもよい。
【0055】
第3実施形態における説明変数は、コーン貫入試験時に得られる三成分データと、地中の画像に関する画像データ、若しくは地中で計測された音波データに基づいて分類された土質を表す土質データ群とを少なくとも含む。つまり、第3実施形態における説明変数は、三成分データ及び土質データ群を含んでいればよく、これら以外に、第1実施形態で説明した画像データ群や、第2実施形態で説明した音波データ群を含んでいてもよい。
【0056】
土質定数推定装置30は、第1実施形態で説明したものと同様の方法によって地中の画像に関する画像データを取得し、取得した画像データに基づいて土質を分類する。また、土質定数推定装置30自身が土質を分類する処理を行わずに、上記画像データに基づいて他の装置や人間の判断によって土質を分類し、その分類の結果に応じた土質データを土質定数推定装置30に入力するようにしてもよい。
【0057】
地中の画像に関する画像データに基づいて土質を分類する方法としては、例えば地中の画像に関する画像データを説明変数とし、その地中の状態を周知の土質分類手法で土質を分類した結果を目的変数とした機械学習を用いる方法などが考えられる。ただし、これはあくまで一例であって、その他の方法を用いてもよい。例えば上述した画像データに加えて、三成分データのうち間隙水圧値を用いて土質を分類する方法も考えられる。
【0058】
また、土質定数推定装置30は、第2実施形態で説明したものと同様の方法によって地中で音波データを取得し、取得した音波データに基づいて土質を分類する。また、土質定数推定装置30自身が土質を分類する処理を行わずに、上記音波データに基づいて他の装置や人間の判断によって土質を分類し、その分類の結果に応じた土質データを土質定数推定装置30に入力するようにしてもよい。
【0059】
地中で計測した音波データに基づいて土質を分類する方法としては、例えば地中で計測した音波データを説明変数とし、その地中の状態を周知の土質分類手法で土質を分類した結果を目的変数とした機械学習を用いる方法などが考えられる。ただし、これはあくまで一例であって、その他の方法を用いてもよい。例えば上述した音波データに加えて、三成分データのうち間隙水圧値を用いて土質を分類する方法も考えられる。
【0060】
ここで、図7を参照して、第3実施形態の効果について説明する。本願発明者らは、異なる地点A,B,Cにおいて、それぞれ異なる説明変数で推定した土質定数と、ボーリング調査によって得られた現実の土質定数とを比較した。
【0061】
まず、図7の表におけるケース1では、地点A,B,Cにおいて、機械学習ステージで各地点及び各深度の三成分データ及び画像データと、その地点及び深度においてボーリング調査によって得られたN値及びFc(目的変数)とを1セットとし、これらのセットの集合のうち、75%に相当するセット群を教師データとして学習モデルを生成し、残りの25%のセット群を用いて、その学習モデルの精度を検証した。つまり、モデル格納部34に格納された学習モデルに対し、残りの25%に対応するコーン貫入試験データを適用して、N値及びFcが既知の地点におけるN値及びFcを推定し、その推定値を既知のN値及びFcと比較し、その誤差(差分)を評価した。このケース1では、Fcの誤差が6.9%であり、N値の誤差が2.1であった。
【0062】
次に、図7の表におけるケース2では、地点A,Bにおいて、機械学習ステージで各地点及び各深度の三成分データ及び画像データと、その地点及び深度においてボーリング調査によって得られたN値及びFc(目的変数)とを1セットとし、これらのセットの集合を教師データとして学習モデルを生成し、機械学習未対象地である地点Cにおいてその学習モデルの精度を検証した。つまり、モデル格納部34に格納された地点A,Bのデータを用いた学習モデルに対し、地点Cに対応するコーン貫入試験データを適用して、地点CにおけるN値及びFcを推定し、その推定値を地点Cの既知のN値及びFcと比較し、その誤差(差分)を評価した。このケース2では、Fcの誤差が30.6%であり、N値の誤差が145.3であった。
【0063】
そして、図7の表におけるケース3では、地点A,Bにおける機械学習ステージで各地点及び各深度の三成分データ及び土質データと、その地点及び深度においてボーリング調査によって得られたN値及びFc(目的変数)とを1セットとし、これらのセットの集合を教師データとして学習モデルを生成し、機械学習未対象地である地点Cにおいてその学習モデルの精度を検証した。つまり、モデル格納部34に格納された地点A,Bのデータを用いた学習モデルに対し、地点Cに対応するコーン貫入試験データ及び土質データを適用して、地点CにおけるN値及びFcを推定し、その推定値を地点Cの既知のN値及びFcと比較し、その誤差(差分)を評価した。このケース3では、Fcの誤差が11.2%であり、N値の誤差が7.6であった。
【0064】
以上のことから、土質定数を推定する推定対象地点における教師データを用いて機械学習を行った場合(ケース1:既学習地データ)には、土質定数の推定対象地点以外の地点における教師データを用いて機械学習を行った場合(ケース2:未学習地データ)よりも、土質定数の推定精度は高い。
【0065】
また、土質定数の推定対象地点以外の地点における教師データを用いて機械学習を行う場合であっても(ケース2、3:未学習地データ)、推定対象地点の画像データに基づいて分類した土質データを説明変数として用いた機械学習を行った場合(ケース3)は、推定対象地点の画像データに基づいて分類した土質データを説明変数として用いない機械学習を行った場合(ケース2)よりも、土質定数の推定精度は高い。
【0066】
即ち、第3実施形態によれば、土質定数の推定対象地点以外の地点における教師データを用いて機械学習を行った場合であっても、土質定数の推定精度として、或る程度高いレベルを期待することが可能となる。
【0067】
[変形例]
上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の1つ以上の変形例を上述した実施形態に組み合わせて実施してもよい。
【0068】
推定される土質定数は、第1~第3実施形態で例示したN値又はFcに限らない。推定される土質定数は、例えば地盤の密度、粒度組成、含水比、飽和度、変形特性値、強度特性、透水係数等であってもよいが、これらの例にも限定されない。
【0069】
第1実施形態において、コーンの外周に1以上の突起部が設けられていてもよい。このようにすれば、コーン貫入時の地盤の変形または局部破壊の状態を画像で取得できるので地中の画像データとして、土質定数の推定に寄与する特徴がより顕著な画像データとなることが考えられる。
【0070】
同様に、第2実施形態においてもコーンの外周に1以上の突起部が設けられていてもよい。このようにすれば、土質定数の推定に寄与する特徴がより顕著な音波データとなることが考えられる。
【0071】
第1実施形態において機械学習の説明変数として用いる、コーン貫入試験時の画像に関するデータは、上述したような画像データそのものであってもよいし、その画像データの特徴(例えば画像のヒストグラム等)を表すデータであってもよい。同様に、第2実施形態において機械学習の説明変数として用いる、コーンに設けられた音波送受信装置22やマイクによって計測された音波データは、上述したような音波データそのものであってもよいし、その音波データの特徴(例えば音波のスペクトル等)を表すデータであってもよい。第2実施形態において画像データを用いるときも上記と同様である。また、第3実施形態において用いられる土質データ群において画像データ、若しくは音波データを用いるときも上記と同様である。
【0072】
第1実施形態において、機械学習の説明変数として用いる、コーン貫入試験時の画像に関するデータは可視画像データであったが、非可視画像データであってもよい。具体的には、コーンの内部に画像データ生成装置21として、電磁波送受信装置が設けられており、その電磁波送受信装置が送信した電磁波に対する反射波の計測値に基づいて非可視画像データが生成される。このとき用いられる電磁波としては、例えばガンマ線、中性子線、赤外線の少なくも一つが考えられる。これらの波長の特性を考慮すると、ガンマ線による非可視画像データの特徴に関連する土質定数としては、地中の密度や含水比であり、中性子線による非可視画像データの特徴に関しては土質(例えば粘性土又は砂質土など)、含水比の推定に寄与し、赤外線による非可視画像データの特徴に関しては、地中の埋設物や空洞の有無の推定に寄与すると考えられる。なお、第1実施形態において、機械学習の説明変数として、上記の可視画像データ及び非可視画像データの双方を用いてもよいし、可視画像データ及び/又は非可視画像データと、音波送受信装置22や収音マイクによって計測された音波データの双方を用いてもよい。第2実施形態において画像データを用いるときも上記と同様である。また、第3実施形態において用いられる土質データ群において画像データ、若しくは音波データを用いるときも上記と同様である。
【0073】
第1実施形態に用いる学習モデルは、説明変数としてコーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値及び間隙水圧値の三成分データのほかに少なくとも画像データを用いて学習したモデルが望ましく、第2実施形態に用いる学習モデルは、説明変数としてコーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値及び間隙水圧値の三成分データのほかに少なくとも音波データを用いて学習したモデルが望ましく、第3実施形態に用いる学習モデルは、説明変数としてコーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値及び間隙水圧値の三成分データのほかに少なくとも土質データを用いて学習したモデルが望ましい。学習モデルは、説明変数としてコーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値及び間隙水圧値の三成分データと、画像データ、音波データ及び土質データとを用いて機械学習した学習モデルを用い、土質定数の推定時における説明変数としても三成分データ、画像データ、音波データ及び土質データを用いることがより望ましい。さらに、第1~第3実施形態で用いる学習モデルは、コーン貫入抵抗値、周面摩擦抵抗値及び間隙水圧値の三成分データについては、これらのうち少なくともいずれか1以上のデータを用いるものであってもよい。
【0074】
本発明は、第1~第3実施形態に係る土質定数推定装置が実行するプログラム又は土質定数推定方法であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,1a:システム、10:ボーリングシステム、20:コーン貫入試験システム、21:画像データ生成装置、22:音波送受信装置、30:土質定数推定装置、31:データ取得部、32:教師データ生成部、33:モデル生成部、34:モデル格納部、35:検証部、36:推定部、3001:プロセッサ、3002:メモリ、3003:ストレージ、3004:通信装置、3005:入力装置、3006:出力装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7