(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148361
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】バスバー配索構造、及びバスバー配索方法
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20220929BHJP
H02G 3/14 20060101ALI20220929BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20220929BHJP
H01R 4/58 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H02G3/16
H02G3/14
H05K7/06 C
H01R4/58 C
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050012
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】元 慎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 明憲
(72)【発明者】
【氏名】池田 慎
(72)【発明者】
【氏名】藤田 旭
(72)【発明者】
【氏名】中里 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】河端 学
【テーマコード(参考)】
5G361
【Fターム(参考)】
5G361AA06
5G361AB12
5G361AD01
5G361AD03
5G361AE01
5G361BA02
5G361BA03
5G361BB01
5G361BC01
(57)【要約】
【課題】第1バスバー配置部40の下面側に配置した電線4と第1バスバー配置部40の上面側に配置した第3バスバー23とを、貫通孔41aの大きさを抑えて接続できるバスバー配索構造、及びバスバー配索方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第1バスバー21と、第1バスバー21が配索される第1バスバー配置部40とを備えたバスバー配索構造であって、第1バスバー配置部40は、第1バスバー21が挿通される貫通孔41aが設けられ、第1バスバー21は、貫通孔41aに配置される貫通部211と、前方隔壁部分41bの下面に配置される前方延設部212と、後方隔壁部分41cの上面に配置される後方延設部213とが設けられ、前方延設部212及び後方延設部213は、厚み方向への回動によって前方隔壁部分41bの下面及び後方隔壁部分41cの上面に配置された構成であることを特徴とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定幅を有して長手方向に延びる板状であるとともに、長手方向の一端側に第1配電部材が接続される接続部を有し、前記長手方向の他端側に第2配電部材が接続される接続部を有するバスバーと、
該バスバーが配索される主面部材とを備えたバスバー配索構造であって、
前記主面部材は、
前記バスバーが前記長手方向に沿って挿通される貫通孔が設けられ、
前記バスバーは、
前記主面部材の前記貫通孔に配置される貫通部と、
該貫通部から前記長手方向の一方側へ延びて、前記主面部材の一方の主面に配置される一方側延設部と、
前記貫通部から前記長手方向の他方側へ延びて、前記主面部材の他方の主面に配置される他方側延設部とが設けられ、
前記一方側延設部及び前記他方側延設部は、
前記貫通孔に挿通された前記バスバーの厚み方向への回動によって、前記一方の主面及び前記他方の主面にそれぞれ当接して配置された構成である
バスバー配索構造。
【請求項2】
前記主面部材は、
前記主面に配置された前記バスバーの幅方向の側面に沿って立設した壁面部が設けられた
請求項1に記載のバスバー配索構造。
【請求項3】
前記バスバーは、
前記一方側延設部または前記他方側延設部のいずれかにおける前記貫通部の近傍に、前記貫通孔よりも幅方向に突出する突出部が設けられた
請求項1又は請求項2に記載のバスバー配索構造。
【請求項4】
前記主面部材は、
前記貫通孔に前記幅方向で隣接するとともに、前記主面に配置された前記バスバーの前記突出部が前記貫通孔へ向かう長手方向側で当接する当接部が設けられた
請求項3に記載のバスバー配索構造。
【請求項5】
前記当接部は、
前記貫通孔に前記バスバーを挿通する際に前記突出部が当接する第1当接部分と、
前記主面に配置された前記バスバーの前記突出部が前記長手方向で当接する第2当接部分と、
前記第1当接部分と前記第2当接部分とを滑らかな円弧面で結ぶ弧状面部分とが備えられた
請求項4に記載のバスバー配索構造。
【請求項6】
前記貫通孔から離間する長手方向を離間方向として、
前記主面部材は、
前記突出部を設けた前記一方側延設部または他方側延設部の前記離間方向の位置を規制する位置規制部が設けられた
請求項3又は請求項5に記載のバスバー配索構造。
【請求項7】
前記主面部材は、
前記突出部を設けた前記一方側延設部または他方側延設部を、前記主面に配置された状態で保持する保持部が設けられた
請求項3乃至請求項6のうちいずれかに記載のバスバー配索構造。
【請求項8】
前記主面部材は、
前記突出部を設けた前記一方側延設部または他方側延設部が配置される側とは反対側の前記主面と、前記貫通孔との境界となる縁端が円弧状に面取りされた
請求項3乃至請求項7のうちいずれかに記載のバスバー配索構造。
【請求項9】
前記主面部材は、
前記主面に配置された前記バスバーの前記接続部に対応する箇所に、前記接続部を介して締結部材が螺合するナットが埋設された
請求項1乃至請求項8のうちいずれかに記載のバスバー配索構造。
【請求項10】
前記バスバーは、平板状であり、
前記主面部材は、
前記バスバーの前記一方側延設部が配置される前記一方の主面と、前記バスバーの前記他方側延設部が配置される前記他方の主面とが、前記バスバーの厚み方向に前記バスバーの厚み分だけ離間した段差形状に形成された
請求項1乃至請求項9のうちいずれかに記載のバスバー配索構造。
【請求項11】
前記主面部材は、
前記バスバーの前記一方側延設部が配置される前記一方の主面と、前記バスバーの前記他方側延設部が配置される前記他方の主面とが、前記貫通孔を挟んで面一に形成され、
前記バスバーは、
前記一方側延設部と前記他方側延設部とが、前記貫通部を介して段付き形状に形成された
請求項1乃至請求項9のうちいずれかに記載のバスバー配索構造。
【請求項12】
前記バスバーは、
前記一方側延設部と前記他方側延設部とが、前記貫通部を介して段付き形状に形成され、
前記主面部材は、
前記バスバーの前記一方側延設部が配置される前記一方の主面と、前記バスバーの前記他方側延設部が配置される前記他方の主面とが、前記バスバーの厚み方向に離間した段差形状に形成された
請求項1乃至請求項9のうちいずれかに記載のバスバー配索構造。
【請求項13】
前記主面部材は、電気接続箱の筐体における一面を構成し、
前記主面部材の一方と他方とは、前記筐体における外部側と内部側であり、
前記第1配電部材は、外部配電部材であり、
前記第2配電部材は、前記筐体内部に配置された内部配電部材である
請求項1乃至請求項12のうちいずれかに記載のバスバー配索構造。
【請求項14】
所定幅を有して長手方向に延びる板状であるとともに、長手方向の一端側に第1配電部材が接続される接続部を有し、前記長手方向の他端側に第2配電部材が接続される接続部を有するバスバーを、主面部材に配索するバスバー配索方法であって、
前記主面部材に設けられた貫通孔に、前記バスバーを前記長手方向に沿って挿通する挿通工程と、
前記バスバーの貫通部が前記貫通孔に挿通された状態において、前記バスバーの厚み方向へ前記バスバーを回動開始する回動工程と、
前記バスバーの回動によって、前記貫通部から前記長手方向の一方側へ延びる前記バスバーの一方側延設部を、前記主面部材の一方の主面に当接して配置するとともに、前記貫通部から前記長手方向の他方側へ延びる前記バスバーの他方側延設部を、前記主面部材の他方の主面に当接して配置する配置工程とを行う
バスバー配索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車などの車両に搭載された電気接続箱において、第1配電部材と第2配電部材とを電気的に接続するバスバーのようなバスバー配索構造、及びバスバー配索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両に搭載される電気接続箱として、例えば、特許文献1には、電線が接続されるコネクタと、リレーなどの電装品をコネクタに接続するバスバー群と、これらを収容する筐体とで構成されたものが知られている。
この特許文献1では、筐体の底面部における一方の主面(内面)にバスバー群を配置して、電線や電装品が一方の主面側に接続されるように構成している。
【0003】
ところで、例えば特許文献1において、筐体の底面部における一方の主面側にバスバー及び電装品が配置され、他方の主面側に電線が配置された場合、底面部に大きな貫通孔を設けて、貫通孔を介してバスバーと電線とを接続することが考えられる。
【0004】
あるいは、例えばバスバーの厚み方向に挿通される貫通孔を介して、クランク形状のバスバーの一端側を一方の主面側に配置し、他端側を他方の主面側に配置して、バスバーと電線とを接続することが考えられる。このような場合、バスバーが挿通される貫通孔が比較的大きくなり易い。
【0005】
しかしながら、筐体に大きな貫通孔を設けた場合、筐体の剛性が低下するおそれがあるだけでなく、貫通孔の大きさやバスバーの形状によっては筐体が大型化するという問題があった。このため、一方の主面側に配置した配電部材と他方の主面側に配置した配電部材とをバスバーで接続する場合、バスバー配索構造に改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑み、一方の主面側に配置した配電部材と他方の主面側に配置した配電部材とを、貫通孔の大きさを抑えて接続できるバスバー配索構造、及びバスバー配索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、所定幅を有して長手方向に延びる板状であるとともに、長手方向の一端側に第1配電部材が接続される接続部を有し、前記長手方向の他端側に第2配電部材が接続される接続部を有するバスバーと、該バスバーが配索される主面部材とを備えたバスバー配索構造であって、前記主面部材は、前記バスバーが前記長手方向に沿って挿通される貫通孔が設けられ、前記バスバーは、前記主面部材の前記貫通孔に配置される貫通部と、該貫通部から前記長手方向の一方側へ延びて、前記主面部材の一方の主面に配置される一方側延設部と、前記貫通部から前記長手方向の他方側へ延びて、前記主面部材の他方の主面に配置される他方側延設部とが設けられ、前記一方側延設部及び前記他方側延設部は、前記貫通孔に挿通された前記バスバーの厚み方向への回動によって、前記一方の主面及び前記他方の主面にそれぞれ当接して配置された構成であることを特徴とする。
【0009】
第1配電部材及び第2配電部材は、ヒューズやリレーなどの電装品、電線、あるいはバスバーなどのこという。
上記主面部材は、例えば電気接続箱の筐体における底面部や上面部、もしくは筐体の内部空間を隔てる隔壁部などのことをいう。
【0010】
この発明によれば、バスバー配索構造は、一方の主面側に配置した配電部材と他方の主面側に配置した配電部材とを、貫通孔の大きさを抑えて接続することができる。
具体的には、一方側延設部が一方の主面に配置され、他方側延設部が他方の主面に配置されるため、バスバー配索構造は、一方の主面側と他方の主面側とに板状のバスバーを露出させることができる。
【0011】
このため、バスバー配索構造は、一方の主面側で第1配電部材とバスバーとを接続し、他方の主面側で第2配電部材とバスバーとを接続できるとともに、主面部材の一方の主面及び他方の主面のスペースを有効活用することができる。
【0012】
さらに、このバスバーは、長手方向に沿って主面部材の貫通孔に挿通したのち、厚み方向へ回動することで、一方側延設部が一方の主面に配置され、他方側延設部が他方の主面に配置される。
このため、主面部材の貫通孔は、バスバーの幅方向の長さ及び厚み方向の長さよりも僅かに大きい開口であればよい。
【0013】
これにより、バスバー配索構造は、例えばクランク形状のバスバーの一端側が厚み方向に挿通される貫通孔に比べて、バスバーが挿通される貫通孔を小さくすることができる。
よって、バスバー配索構造は、大きさを抑えた貫通孔を介して配索したバスバーで、一方の主面側に配置した配電部材と他方の主面側に配置した配電部材とを接続することができる。
【0014】
この発明の態様として、前記主面部材は、前記主面に配置された前記バスバーの幅方向の側面に沿って立設した壁面部が設けられてもよい。
この構成によれば、バスバー配索構造は、バスバーの幅方向の位置を壁面部で規制できるため、回動するバスバーが幅方向に位置ズレする、あるいは主面に配置されたバスバーが幅方向へ位置ズレすることを防止できる。
【0015】
これにより、バスバー配索構造は、主面部材の所望位置に安定してバスバーを配置することができる。このため、バスバー配索構造は、例えば主面部材に埋設したナットに対応する位置に、バスバーの接続部を確実に配置することができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記バスバーは、前記一方側延設部または前記他方側延設部のいずれかにおける前記貫通部の近傍に、前記貫通孔よりも幅方向に突出する突出部が設けられてもよい。
【0017】
この構成によれば、バスバー配索構造は、バスバーが主面部材の貫通孔に挿通された際、バスバーの突出部を主面部材に接触させることができる。このため、バスバー配索構造は、バスバーが貫通孔を通過して、主面部材から脱落することを防止できる。
さらに、バスバーは、突出部と主面部材との接触箇所近傍を回転中心として回動することができる。
【0018】
これにより、バスバー配索構造は、バスバーの回転中心の位置を安定させることができるため、バスバーの一方側延設部及び他方側延設部を主面部材の所望位置に容易に配置することができる。このため、バスバー配索構造は、主面部材に対するバスバーの組付け性を向上することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記主面部材は、前記貫通孔に前記幅方向で隣接するとともに、前記主面に配置された前記バスバーの前記突出部が前記貫通孔へ向かう長手方向側で当接する当接部が設けられてもよい。
【0020】
この構成によれば、バスバー配索構造は、主面に配置されたバスバーが、貫通孔へ向かう長手方向側へ移動することを、主面部材の当接部によって阻止できる。このため、バスバー配索構造は、主面部材の所望位置にバスバーが配置された状態を安定して維持することができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記当接部は、前記貫通孔に前記バスバーを挿通する際に前記突出部が当接する第1当接部分と、前記主面に配置された前記バスバーの前記突出部が前記長手方向で当接する第2当接部分と、前記第1当接部分と前記第2当接部分とを滑らかな円弧面で結ぶ弧状面部分とが備えられてもよい。
【0022】
この構成によれば、バスバー配索構造は、当接部の第1当接部分によって、バスバーが貫通孔を通過して主面部材から脱落することを確実に阻止することができる。
さらに、バスバー配索構造は、第1当接部分に当接したバスバーの回動を、当接部の弧状面部分によって案内することができる。
【0023】
これにより、バスバー配索構造は、バスバーの回転中心がより安定するとともに、バスバーが回動に伴って長手方向に位置ズレすることを防止できる。
加えて、当接部の第2当接部分によって、バスバーの長手方向への移動を規制できるため、バスバー配索構造は、主面部材の所望位置にバスバーが配置された状態をより安定して維持することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記貫通孔から離間する長手方向を離間方向として、前記主面部材は、前記突出部を設けた前記一方側延設部または他方側延設部の前記離間方向の位置を規制する位置規制部が設けられてもよい。
【0025】
この構成によれば、バスバー配索構造は、主面に配置されたバスバーの離間方向への位置ズレを阻止することができる。このため、バスバー配索構造は、主面部材の所望位置にバスバーが配置された状態を、さらに安定して維持することができる。
【0026】
加えて、例えば離間方向とは逆方向への移動を規制する当接部を設けることで、バスバー配索構造は、主面部材の所望位置に配置された状態をより一層安定して維持することができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記主面部材は、前記突出部を設けた前記一方側延設部または他方側延設部を、前記主面に配置された状態で保持する保持部が設けられてもよい。
上記保持するとは、突出部を設けた一方側延設部または他方側延設部の主面を、遊びを設けた状態で保持する、あるいは接触して保持することをいう。
【0028】
この構成によれば、バスバー配索構造は、主面に配置されたバスバーが主面から離間するように回動することを保持部によって防止できる。このため、バスバー配索構造は、第1配電部材とバスバーの接続部との接続作業性、及び第2配電部材とバスバーの接続部との接続作業性を向上することができる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記主面部材は、前記突出部を設けた前記一方側延設部または他方側延設部が配置される側とは反対側の前記主面と、前記貫通孔との境界となる縁端が円弧状に面取りされてもよい。
【0030】
この構成によれば、バスバー配索構造は、主面に直交する方向から見た貫通孔の大きさを大きくすることなく、バスバーが回動するスペースを確保することができる。よって、バスバー配索構造は、バスバーがスムーズに回動できるため、バスバーの回動をより容易にすることができる。
【0031】
またこの発明の態様として、前記主面部材は、前記主面に配置された前記バスバーの前記接続部に対応する箇所に、前記接続部を介して締結部材が螺合するナットが埋設されてもよい。
【0032】
この構成によれば、バスバー配索構造は、第1配電部材または/および第2配電部材と、バスバーとを主面部材に固定することができる。このため、バスバー配索構造は、主面部材の所望位置にバスバーが配置された状態をさらに一層安定して維持することができる。
【0033】
またこの発明の態様として、前記バスバーは、平板状であり、前記主面部材は、前記バスバーの前記一方側延設部が配置される前記一方の主面と、前記バスバーの前記他方側延設部が配置される前記他方の主面とが、前記バスバーの厚み方向に前記バスバーの厚み分だけ離間した段差形状に形成されてもよい。
【0034】
この構成によれば、バスバー配索構造は、主面部材の所望位置に対して、平板状のバスバーを回動によって配索することができる。これにより、バスバー配索構造は、一方の主面と他方の主面の段差を抑えられるため、バスバーの厚み方向における主面部材の大型化を抑えることができる。
【0035】
またこの発明の態様として、前記主面部材は、前記バスバーの前記一方側延設部が配置される前記一方の主面と、前記バスバーの前記他方側延設部が配置される前記他方の主面とが、前記貫通孔を挟んで面一に形成され、前記バスバーは、前記一方側延設部と前記他方側延設部とが、前記貫通部を介して段付き形状に形成されてもよい。
【0036】
この構成によれば、バスバー配索構造は、主面部材の所望位置に対して、段付き形状のバスバーを回動によって配索することができる。
さらに、バスバー配索構造は、バスバーの貫通部が貫通孔に接触することで、主面に配置されたバスバーの長手方向への移動を規制することができる。
【0037】
これにより、バスバー配索構造は、例えば長手方向へのバスバーの移動を規制する規制部を別途設けることを不要にできるため、主面部材の小型化を図るとともに、レイアウトの自由度を向上することができる。
【0038】
またこの発明の態様として、前記バスバーは、前記一方側延設部と前記他方側延設部とが、前記貫通部を介して段付き形状に形成され、前記主面部材は、前記バスバーの前記一方側延設部が配置される前記一方の主面と、前記バスバーの前記他方側延設部が配置される前記他方の主面とが、前記バスバーの厚み方向に離間した段差形状に形成されてもよい。
【0039】
この構成によれば、バスバー配索構造は、一方の主面と他方の主面とが段差形状の主面部材の所望位置に対して、段付き形状のバスバーを回動によって配索することができる。
さらに、バスバー配索構造は、バスバーの貫通部が貫通孔に接触することで、主面に配置されたバスバーの長手方向への移動を規制することができる。
【0040】
これにより、バスバー配索構造は、例えば長手方向へのバスバーの移動を規制する規制部を別途設けることを不要にできるため、主面部材の小型化を図るとともに、レイアウトの自由度を向上することができる。
【0041】
またこの発明の態様として、前記主面部材は、電気接続箱の筐体における一面を構成し、前記主面部材の一方と他方とは、前記筐体における外部側と内部側であり、前記第1配電部材は、外部配電部材であり、前記第2配電部材は、前記筐体内部に配置された内部配電部材であってもよい。
【0042】
この構成によれば、バスバー配索構造は、筐体の一面を挟んで配置された外部配電部材と内部配電部材とを、大きさを抑えた貫通孔を介して配索したバスバーで電気的に接続することができる。
【0043】
これにより、バスバー配索構造は、電気接続箱におけるバスバーの組付け性を向上できるとともに、筐体の一面における両方の主面を有効活用して、レイアウトの自由度を向上することができる。このため、バスバー配索構造は、電気接続箱の大型化を抑えることができる。
【0044】
またこの発明は、所定幅を有して長手方向に延びる板状であるとともに、長手方向の一端側に第1配電部材が接続される接続部を有し、前記長手方向の他端側に第2配電部材が接続される接続部を有するバスバーを、主面部材に配索するバスバー配索方法であって、前記主面部材に設けられた貫通孔に、前記バスバーを前記長手方向に沿って挿通する挿通工程と、前記バスバーの貫通部が前記貫通孔に挿通された状態において、前記バスバーの厚み方向へ前記バスバーを回動開始する回動工程と、前記バスバーの回動によって、前記貫通部から前記長手方向の一方側へ延びる前記バスバーの一方側延設部を、前記主面部材の一方の主面に当接して配置するとともに、前記貫通部から前記長手方向の他方側へ延びる前記バスバーの他方側延設部を、前記主面部材の他方の主面に当接して配置する配置工程とを行うことを特徴とする。
【0045】
この発明によれば、バスバー配索方法は、貫通孔に挿通した板状のバスバーを、一方の主面側と他方の主面側とに露出させることができる。このため、バスバー配索方法は、一方の主面側に配置した配電部材と他方の主面側に配置した配電部材とを、貫通孔の大きさを抑えて接続することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明により、一方の主面側に配置した配電部材と他方の主面側に配置した配電部材とを、貫通孔の大きさを抑えて接続できるバスバー配索構造、及びバスバー配索方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】前方上方視における電気接続箱の外観を示す外観斜視図。
【
図2】前方下方視における電気接続箱の外観を示す外観斜視図。
【
図3】前方上方視におけるバスバー群の外観を示す外観斜視図。
【
図5】バスバーが配置されたバスバー配置部の外観を示す平面図。
【
図6】バスバーが配置されたバスバー配置部の外観を示す底面図。
【
図9】前方下方視におけるバスバー配置部を示す断面斜視図。
【
図10】B-B矢視断面における要部を拡大した要部拡大断面図。
【
図12】バスバー挿入工程の概略を説明する説明図。
【
図13】バスバー当接工程の概略を断面で説明する説明図。
【
図14】バスバー回動工程の概略を断面で説明する説明図。
【
図15】別の実施形態における要部の拡大断面を示す要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態は、例えば自動車などの車両に搭載された電気接続箱1において、電線4と第3バスバー23とを電気的に接続する第1バスバー21のバスバー配索構造について、
図1から
図11を用いて説明する。
【0049】
なお、
図1は前方上方視における電気接続箱1の外観斜視図を示し、
図2は前方下方視における電気接続箱1の外観斜視図を示し、
図3は前方上方視におけるバスバー群2の外観斜視図を示し、
図4は
図1中のA-A矢視断面図を示している。
【0050】
さらに、
図5はバスバーが配置されたバスバー配置部の平面図を示し、
図6はバスバーが配置されたバスバー配置部の底面図を示し、
図7は
図5中のB-B矢視断面図を示し、
図8は
図5中のC-C矢視断面図を示している。
【0051】
加えて、
図9は前方下方視におけるバスバー配置部の断面斜視図を示し、
図10はB-B矢視断面における要部を拡大した要部拡大断面図を示し、
図11は
図6中のD-D矢視断面図を示している。
【0052】
また、
図1中の上側を電気接続箱1の上方側、
図1中の下側を電気接続箱1の下方側として、図中の矢印Xは電気接続箱1の前後方向(以降、前後方向Xと呼ぶ)を示し、矢印Yは前後方向Xに平面視直交する方向(以降、幅方向Yと呼ぶ)を示している。
【0053】
さらに、前後方向Xにおいて、
図1中の右側から左側へ向かう方向を前方側Xfとし、
図1中の左側から右側へ向かう方向を後方側Xrとする。加えて、幅方向Yにおいて、
図1中の左側から右側へ向かう一方側を幅方向右側YRとし、
図1中の右側から左側へ向かう他方側を幅方向左側YLとする。
【0054】
まず、電気接続箱1は、例えば車両の駆動力としてのモーターに対して電力を供給する電池パックに設けられている。この電気接続箱1は、
図1及び
図2に示すように、複数のバスバーからなるバスバー群2と、リレーなど電装品(図示省略)と、これらを収容する筐体である接続箱本体3とで構成されている。
【0055】
バスバー群2は、導電性を有する金属板である複数のバスバーを連結して構成している。このバスバー群2は、前部側が電線4(
図1参照)に接続され、後部側が接続箱本体3に収容した電装品に接続されている。
【0056】
具体的には、バスバー群2は、
図1及び
図3に示すように、幅方向右側YRに配置され、前部が電線4に接続される第1バスバー21と、第1バスバー21に対して幅方向左側YLに並置され、前部が電線4に接続される第2バスバー22とを備えている。
【0057】
さらに、バスバー群2は、
図1及び
図3に示すように、前部が第1バスバー21の後部にボルト5を介して接続され、後部が電装品に接続される第3バスバー23と、前部が第2バスバー22の後部にボルト6を介して接続され、後部が電装品に接続される第4バスバー24とを備えている。
【0058】
また、接続箱本体3は、合成樹脂製の筐体であって、前後方向Xに長い平面視略矩形の箱状に形成されている。この接続箱本体3は、
図1及び
図2に示すように、前面をなす前壁部31と、後面をなす後壁部32と、幅方向Yで対向する側面をなす一対の側壁部33とで、接続箱本体3の外周壁を構成している。
【0059】
さらに、接続箱本体3には、
図2及び
図4に示すように、前壁部31、後壁部32、及び一対の側壁部33で囲われた内部空間を上下に隔てる板状部分と、内部空間を隔てる板状部分の下方を通って、接続箱本体3の内部へ電線4を案内する一対の電線案内部34とが設けられている。
なお、接続箱本体3における上方の開口は、図示を省略した蓋体で閉塞されてもよい。
【0060】
ここで、一対の電線案内部34は、
図2に示すように、接続箱本体3の前端近傍において、前後方向Xに延びる凹溝状に形成されている。この一対の電線案内部34は、接続箱本体3の内部空間を隔てる板状部分の一部である案内隔壁部341と、幅方向右側YRの側壁部33と、幅方向右側YRの側壁部33に幅方向左側YLで対向する第1案内壁部342と、第1案内壁部342に幅方向左側YLで対向する第2案内壁部343とで構成されている。
【0061】
そして、一対の電線案内部34は、一方の電線案内部34が案内隔壁部341、幅方向右側YRの側壁部33、及び第1案内壁部342で構成され、他方の電線案内部34が案内隔壁部341、第1案内壁部342、及び第2案内壁部343で構成されている。
【0062】
なお、案内隔壁部341の下面は、
図4に示すように、後端近傍が後方へ向かうほど下方に位置する傾斜面に形成されている。
このような一対の電線案内部34の後方側Xrには、
図5及び
図6に示すように、第1バスバー21及び第2バスバー22が、前後方向Xに沿って配置されている。
【0063】
引き続き、上述した第1バスバー21と、接続箱本体3の第1バスバー21が配置される部分である第1バスバー配置部40と、第2バスバー22と、接続箱本体3の第2バスバー22が配置される部分である第2バスバー配置部50とについて詳述する。
【0064】
まず、第1バスバー21は、
図3に示すように、所定幅を有して所定方向に延びる平板状に形成されている。さらに、第1バスバー21は、厚み方向を上下方向に略一致させ、所定方向である長手方向を前後方向Xに略一致させた状態で、第1バスバー配置部40に配置されている。
【0065】
この第1バスバー21は、
図5から
図7に示すように、第1バスバー配置部40に配置された状態において、後述する第1バスバー配置部40の貫通孔41aに位置する貫通部211と、貫通部211から前方側Xfへ延びる前方延設部212と、貫通部211から後方側Xrへ延びる後方延設部213とで一体形成されている。
加えて、第1バスバー21には、
図3及び
図6に示すように、前方延設部212から幅方向右側YRに突出した突出部214が設けられている。
【0066】
具体的には、前方延設部212は、
図6及び
図7に示すように、前後方向Xに長い平面視略矩形に形成されている。なお、前方延設部212の下面は、
図7に示すように、前端近傍が前方へ向かうほど上方に位置するように傾斜した傾斜面に形成されている。
【0067】
さらに、前方延設部212の前端近傍には、
図3及び
図7に示すように、上下方向に貫通するとともに、電線4が接続される電線接続孔21aが開口形成されている。なお、電線接続孔21aは前後方向Xに長い長楕円形状に形成されている。
【0068】
後方延設部213は、
図5及び
図7に示すように、前方延設部212と略同じ幅方向Yの長さと、前方延設部212よりも長い前後方向Xの長さとを有する平面視略矩形に形成されている。
【0069】
さらに、後方延設部213の後端近傍には、
図3及び
図7に示すように、上下方向に貫通するとともに、第3バスバー23を接続するためのボルト5が挿通されるバスバー接続孔21bが開口形成されている。なお、バスバー接続孔21bは、略円形に形成されている。
【0070】
突出部214は、
図6に示すように、前方延設部212の後部近傍における幅方向右側YRの縁端から幅方向右側YRへ向けて突設されている。この突出部214は、
図6に示すように、後述する第1バスバー配置部40の貫通孔41aよりも幅方向右側YRへ突出するとともに、前後方向Xに長い平面視略矩形に形成されている。
【0071】
このような第1バスバー21は、
図7に示すように、接続箱本体3に配索された状態において、前方延設部212の上面が後述する第1バスバー配置部40の下面に当接して配置され、後方延設部213の下面が後述する第1バスバー配置部40の上面に当接して配置されている。
【0072】
また、接続箱本体3の第1バスバー配置部40は、
図5から
図7に示すように、第1バスバー21の主面が当接する隔壁部41と、隔壁部41から立設された一対の壁面部42とを備えている。
さらに、第1バスバー配置部40は、
図6及び
図7に示すように、所望位置に配置された第1バスバー21の移動を規制する位置規制部43、当接部44、及び一対の保持部45を備えている。
【0073】
詳述すると、隔壁部41は、
図7に示すように、接続箱本体3の内部空間を隔てる板状部分の一部であって、電線案内部34の案内隔壁部341の後端よりも上方の位置に設けられている。
【0074】
この隔壁部41は、上下方向に主面を有する形状に形成されている。
さらに、隔壁部41には、
図7に示すように、前後方向Xの所定位置に、上下方向に貫通する貫通孔41aが開口形成されている。
【0075】
なお、隔壁部41において、貫通孔41aよりも前方の部分を前方隔壁部分41bとし、貫通孔41aよりも後方の部分を後方隔壁部分41cとする。
そして、隔壁部41は、前方隔壁部分41bの下面と後方隔壁部分41cの上面とが、第1バスバー21の厚み分だけ離間した段差形状に形成されている。
【0076】
具体的には、貫通孔41aは、
図6、
図7、及び
図9に示すように、第1バスバー21の後方延設部213よりも僅かに長い幅方向Yの長さと、第1バスバー21の厚みよりも僅かに長い前後方向Xの長さとを有する底面視略矩形に開口形成されている。
【0077】
前方隔壁部分41bは、
図7に示すように、前後方向Xに沿った縦断面において、平坦な下面を主面として有する形状に形成されている。この前方隔壁部分41bの下面は、所望位置に配置された第1バスバー21における前方延設部212の上面が当接可能に形成されている。
【0078】
さらに、前方隔壁部分41bには、
図7及び
図9に示すように、所望位置に配置された第1バスバー21の電線接続孔21aに対して上下方向で対向する部分に、電線4を第1バスバー21に接続するための締結部材(図示省略)が螺合する第1ナット7が埋設されている。
【0079】
一方、後方隔壁部分41cは、
図7及び
図10に示すように、前後方向Xに沿った縦断面において、前方隔壁部分41bの下面に対して第1バスバー21の厚み分だけ下方に位置する平坦な上面を主面として有する形状に形成されている。この後方隔壁部分41cの上面は、所望位置に配置された第1バスバー21における後方延設部213の下面が当接可能に形成されている。
【0080】
さらに、後方隔壁部分41cには、
図7に示すように、所望位置に配置された第1バスバー21のバスバー接続孔21bに対して上下方向で対向する部分に、第3バスバー23を第1バスバー21に接続するためのボルト5が螺合する第2ナット8が埋設されている。
【0081】
加えて、後方隔壁部分41cの前端は、
図10に示すように、前後方向Xに沿った縦断面において、後方隔壁部分41cの前端から下方へ延びる延設部分との境界が、所定半径の円弧状に面取りされている。換言すると、後方隔壁部分41cの前端と貫通孔41aとの境界部分は、前後方向Xに沿った縦断面において、所定半径の円弧状に面取りされている。
【0082】
また、一対の壁面部42は、第1バスバー21の幅方向Yへの移動を規制する規制部であって、第1バスバー21の幅方向Yの長さに略同じ幅方向Yの間隔を隔てて対向配置されている。
【0083】
具体的には、一対の壁面部42は、
図5及び
図6に示すように、所望位置に配置された第1バスバー21の幅方向右側YR及び幅方向左側YLに隣接するとともに、隔壁部41から上方及び下方へ向けて立設されている。
なお、一対の壁面部42のうち、幅方向右側YRの壁面部42は、第1バスバー21に隣接する幅方向右側YRの側壁部33の一部で構成されている。
【0084】
また、位置規制部43は、
図7に示すように、所望位置に配置された第1バスバー21の前端に対して前方側Xfに僅かに離間した位置で、第1バスバー21の前方側Xfへの移動を規制している。この位置規制部43は、
図7及び
図10に示すように、前方隔壁部分41bの下面と、電線案内部34の案内隔壁部341の下面とを略鉛直に連結する壁面部分で構成されている。
【0085】
また、当接部44は、長手方向を上下方向に略一致させて、下方から上方へ向けて貫通孔41aに挿通した第1バスバー21を、所望位置へ案内するとともに、所望位置に配置された第1バスバー21の後方側Xrへの移動を規制している。
【0086】
この当接部44は、
図6及び
図10に示すように、貫通孔41aの下方、かつ貫通孔41aの幅方向右側YRに隣接して配置されるとともに、所望位置に配置された第1バスバー21の突出部214の後端に前端が隣接する形状に形成されている。
【0087】
具合的には、当接部44は、
図10に示すように、後方隔壁部分41cの前端から前方へ延びる第1当接部分44aと、前方隔壁部分41bの下面から下方へ延びる第2当接部分44bと、第1当接部分44aと第2当接部分44bとを滑らかな円弧面で結ぶ弧状面部分44cとで構成されている。
つまり、当接部44は、幅方向右側YRの側壁部33と貫通孔41aとの間において、後方隔壁部分41cの前端と前方隔壁部分41bの下面とに跨る側面視略L字状に形成されている。
【0088】
第1当接部分44aは、下方から上方へ向けて貫通孔41aに挿通された第1バスバー21の突出部214が当接する略平坦な下面を有する形状に形成されている。
第2当接部分44bは、所望位置に配置された第1バスバー21の突出部214が後方側Xrで当接する略平坦な前面を有する形状に形成されている。
弧状面部分44cは、第1当接部分44aの上面と、第2当接部分44bの前面とを連結する所定半径の円弧面を有する形状に形成されている。
【0089】
また、一対の保持部45は、
図6及び
図11に示すように、所望位置に配置された第1バスバー21の前部が、隔壁部41から下方へ離間するように移動することを規制している。この一対の保持部45は、
図6に示すように、第1バスバー配置部40の前端近傍の位置において、所望位置に配置された第1バスバー21を挟んで幅方向Yで対向して配置されている。
【0090】
具体的には、保持部45は、
図10及び
図11に示すように、前方隔壁部分41bの前部から下方へ向けて延設した柱状部分45aと、柱状部分45aの先端から他方の保持部45へ向けて突出した爪部分45bとで形成されている。
【0091】
この保持部45の爪部分45bは、第1バスバー21の前方延設部212における下面に係止されるように形成されている。なお、爪部分45bは、
図11に示すように、所望位置に配置された第1バスバー21の前方延設部212の下面に対して、僅かに離間した位置に上面を有する形状に形成されている。
【0092】
また、第2バスバー22は、
図3に示すように、第1バスバー21と略同じ所定幅を有し、第1バスバー21よりも短い長さで所定方向に延びる平板状に形成されている。さらに、第2バスバー22は、厚み方向を上下方向に略一致させ、所定方向である長手方向を前後方向Xに略一致させた状態で、第2バスバー配置部50に配置されている。
【0093】
この第2バスバー22は、
図5、
図6、及び
図8に示すように、第1バスバー21と同様に、第2バスバー配置部50の貫通孔51aに位置する貫通部221と、貫通部221から前方側Xfへ延びる前方延設部222と、貫通部221から後方側Xrへ延びる後方延設部223とで一体形成されている。
さらに、第2バスバー22には、
図3及び
図6に示すように、前方延設部222から幅方向左側YLに突出した突出部224が設けられている。
【0094】
加えて、第2バスバー22は、
図3及び
図8に示すように、第1バスバー21と同様に、前方延設部222の前端近傍に電線4が接続される電線接続孔22aが開口形成され、後方延設部223の後端近傍に第4バスバー24を接続するためのボルト6が挿通されるバスバー接続孔22bが開口形成されている。
【0095】
このような第2バスバー22は、
図8に示すように、接続箱本体3に配索された状態において、前方延設部222の上面が後述する第2バスバー配置部50の下面に当接して配置され、後方延設部223の下面が後述する第2バスバー配置部50の上面に当接して配置されている。
【0096】
また、接続箱本体3の第2バスバー配置部50は、
図5、
図6、及び
図8に示すように、第2バスバー22の主面が当接する隔壁部51と、隔壁部51から立設された一対の壁面部52とを備えている。
さらに、第2バスバー配置部50は、
図6及び
図8に示すように、所望位置に配置された第2バスバー22の移動を規制する位置規制部53、当接部54、及び一対の保持部55を備えている。
【0097】
詳述すると、隔壁部51は、
図5、
図6、及び
図8に示すように、第2バスバー22が挿通される貫通孔51aと、貫通孔51aよりも前方側Xfの前方隔壁部分51bと、貫通孔51aよりも後方側Xrの後方隔壁部分51cとで構成されている。
【0098】
なお、隔壁部51の貫通孔51a、前方隔壁部分51b、及び後方隔壁部分51cは、第1バスバー配置部40の貫通孔41a、前方隔壁部分41b、及び後方隔壁部分41cと略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0099】
さらに、前方隔壁部分51bには、
図8及び
図9に示すように、所望位置に配置された第2バスバー22の電線接続孔22aに対して上下方向で対向する部分に、電線4を第2バスバー22に接続するための締結部材(図示省略)が螺合する第1ナット9が埋設されている。
【0100】
一方、後方隔壁部分51cには、
図8に示すように、所望位置に配置された第2バスバー22のバスバー接続孔22bに対して上下方向で対向する部分に、第4バスバー24を第2バスバー22に接続するためのボルト6が螺合する第2ナット10が埋設されている。
【0101】
また、一対の壁面部52は、第2バスバー22の幅方向Yへの移動を規制する規制部であって、第2バスバー22の幅方向Yの長さに略同じ幅方向Yの間隔を隔てて対向配置されている。
【0102】
具体的には、一対の壁面部52は、
図5及び
図6に示すように、所望位置に配置された第2バスバー22の幅方向右側YR及び幅方向左側YLに隣接するとともに、隔壁部51から上方及び下方へ向けて立設されている。
なお、一対の壁面部52のうち、幅方向右側YRの壁面部52は、第1バスバー配置部40の壁面部42で構成されている。
【0103】
また、位置規制部53は、
図8に示すように、所望位置に配置された第2バスバー22の前端に対して前方側Xfに僅かに離間した位置で、第2バスバー22の前方側Xfへの移動を規制している。この位置規制部53は、第1バスバー配置部40の位置規制部43と同様に、前方隔壁部分51bの下面と、電線案内部34の案内隔壁部341の下面とを略鉛直に連結する壁面部分で構成されている。
【0104】
また、当接部54は、長手方向を上下方向に略一致させて、下方から上方へ向けて貫通孔51aに挿通した第2バスバー22を、所望位置へ案内するとともに、所望位置に配置された第2バスバー22の後方側Xrへの移動を規制している。
【0105】
この当接部54は、
図6に示すように、貫通孔51aの下方、かつ貫通孔51aの幅方向左側YLに隣接して配置されるとともに、所望位置に配置された第2バスバー22の突出部224の後端に前端が隣接する形状に形成されている。
なお、当接部54は、第1バスバー配置部40の当接部44と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0106】
また、一対の保持部55は、
図6及び
図11に示すように、所望位置に配置された第2バスバー22の前部が、隔壁部51から下方へ離間するように移動することを規制している。
【0107】
この一対の保持部55は、
図6に示すように、第2バスバー配置部50の前端近傍の位置において、所望位置に配置された第2バスバー22に対して幅方向Yに隣接するとともに、前後方向Xに離間した位置に配置されている。
なお、一対の保持部55は、第1バスバー配置部40の保持部45と略同じ形状のため、その詳細な説明を省略する。
【0108】
次に、上述した構成の接続箱本体3に第1バスバー21を配索する配索工程について、
図12から
図14を用いて詳述する。なお、第2バスバー22を配索する配索工程は、第1バスバー21の配索工程と同じため、その詳細な説明を省略する。
【0109】
また、
図12はバスバー挿入工程の概略を説明する説明図を示し、
図13はバスバー当接工程の概略を断面で説明する説明図を示し、
図14はバスバー回動工程の概略を断面で説明する説明図を示している。
【0110】
まず、作業者または組立装置は、
図12に示すように、第1バスバー21の長手方向が上下方向となるとともに、後方延設部213が上方に位置するように、第1バスバー21を起立させる。
【0111】
その後、作業者または組立装置は、
図12に示すように、バスバー挿入工程を開始して、第1バスバー配置部40の貫通孔41aに対して、起立させた第1バスバー21を下方から上方へ向けて挿入開始する。つまり、作業者または組立装置は、第1バスバー21の長手方向に沿って、第1バスバー21を第1バスバー配置部40の貫通孔41aに挿入開始する。
【0112】
この際、作業者または組立装置は、
図13に示すように、第1バスバー21の突出部214の上端が、第1バスバー配置部40における当接部44の下面(第1当接部分44aの下面)に当接するまで、第1バスバー21を貫通孔41aに挿入する。
【0113】
第1バスバー21の突出部214が第1バスバー配置部40の当接部44に当接すると、作業者または組立装置は、
図14に示すように、バスバー回動工程を開始して、前方延設部212が前方上方へ向かうように、第1バスバー21を厚み方向へ向けて回動開始する。
【0114】
この際、作業者または組立装置は、
図14に示すように、第1バスバー21の突出部214を、第1バスバー配置部40の当接部44に当接させながら、第1バスバー21を回動させる。このため、第1バスバー21は、
図14に示すように、所望位置へ向けて案内されるように、当接部44の弧状面部分44cに沿って回動する。
【0115】
なお、第1バスバー21は、弧状面部分44cにおける円弧面の中心近傍を中心に回動する。
さらに、この際、第1バスバー21の前方延設部212は、第1バスバー配置部40の一対の保持部45を幅方向Yへ押し広げながら回動する。
【0116】
その後、バスバー配置工程として、作業者または組立装置は、
図7に示すように、第1バスバー21の前方延設部212の上面を第1バスバー配置部40の前方隔壁部分41bの下面に当接させるとともに、第1バスバー21の後方延設部213の下面を第1バスバー配置部40の後方隔壁部分41cの上面に当接させて回動完了する。
【0117】
この際、回動完了した第1バスバー21は、前方側Xfへの移動が位置規制部43によって規制され、後方側Xrへの移動が当接部44によって規制された状態で、前方延設部212が一対の保持部45に係止されるように保持される。
【0118】
そして、第1バスバー21が一対の保持部45で保持された状態において、作業者または組立装置は、第3バスバー23を接続箱本体3に組付けるとともに、ボルト5を用いて、第1バスバー21及び第3バスバー23を接続箱本体3に固定して、第1バスバー21の配索を完了する。
【0119】
このようにして、第1バスバー21は、厚み方向への回動によって、前方延設部212及び後方延設部213が前方隔壁部分41bの下面及び後方隔壁部分41cの上面にそれぞれ当接して配置されている。
【0120】
以上のように、本実施形態のバスバー配索構造は、所定幅を有して長手方向に延びる板状であるとともに、長手方向の一方側に電線4が接続される電線接続孔21aを有し、長手方向の他方側に第3バスバー23が接続されるバスバー接続孔21bを有する第1バスバー21と、第1バスバー21が配索される第1バスバー配置部40とを備えている。
さらに、第1バスバー配置部40は、第1バスバー21が長手方向に沿って挿通される貫通孔41aが設けられたものである。
【0121】
加えて、第1バスバー21は、第1バスバー配置部40の貫通孔41aに配置される貫通部211と、貫通部211から前方側Xfへ延びて、第1バスバー配置部40の前方隔壁部分41bの下面に配置される前方延設部212と、貫通部211から後方側Xrへ延びて、第1バスバー配置部40の後方隔壁部分41cの上面に配置される後方延設部213とが設けられたものである。
【0122】
そして、前方延設部212及び後方延設部213は、貫通孔41aに挿通された第1バスバー21の厚み方向への回動によって、前方隔壁部分41bの下面及び後方隔壁部分41cの上面にそれぞれ当接して配置された構成である。
【0123】
これによれば、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40の下面側に配置した電線4と第1バスバー配置部40の上面側に配置した第3バスバー23とを、貫通孔41aの大きさを抑えて接続することができる。
【0124】
具体的には、前方延設部212が前方隔壁部分41bの下面に配置され、後方延設部213が後方隔壁部分41cの上面に配置されるため、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40の下面側と第1バスバー配置部40の上面側とに板状の第1バスバー21を露出させることができる。
【0125】
このため、バスバー配索構造は、前方隔壁部分41bの下面側で電線4と第1バスバー21とを接続し、後方隔壁部分41cの上面側で第3バスバー23と第1バスバー21とを接続することができるとともに、第1バスバー配置部40の下面及び上面のスペースを有効活用することができる。
【0126】
さらに、この第1バスバー21は、長手方向に沿って第1バスバー配置部40の貫通孔41aに挿通したのち、厚み方向へ回動することで、前方延設部212が前方隔壁部分41bの下面に配置され、後方延設部213が後方隔壁部分41cの上面に配置される。
このため、第1バスバー配置部40の貫通孔41aは、第1バスバー21の幅方向Yの長さ及び厚み方向の長さよりも僅かに大きい開口であればよい。
【0127】
これにより、バスバー配索構造は、例えばクランク形状のバスバーの一端側が厚み方向、すなわち上下方向に挿通される貫通孔に比べて、第1バスバー21が挿通される貫通孔41aを小さくすることができる。
よって、バスバー配索構造は、大きさを抑えた貫通孔41aを介して配索した第1バスバー21で、第1バスバー配置部40の下面側に配置した電線4と第1バスバー配置部40の上面側に配置した第3バスバー23とを接続することができる。
【0128】
また、第1バスバー配置部40は、第1バスバー配置部40に配置された第1バスバー21の幅方向Yの側面に沿って立設した一対の壁面部42が設けられたものである。
この構成によれば、バスバー配索構造は、第1バスバー21の幅方向Yの位置を一対の壁面部42で規制できるため、回動する第1バスバー21が幅方向Yに位置ズレする、あるいは第1バスバー配置部40に配置された第1バスバー21が幅方向Yへ位置ズレすることを防止できる。
【0129】
これにより、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40の所望位置に安定して第1バスバー21を配置することができる。このため、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40に埋設した第1ナット7及び第2ナット8に対応する位置に、第1バスバー21の電線接続孔21a及びバスバー接続孔21bを確実に配置することができる。
【0130】
また、第1バスバー21は、前方延設部212における貫通部211の近傍に、貫通孔41aよりも幅方向Yに突出する突出部214が設けられたものである。
この構成によれば、バスバー配索構造は、第1バスバー21が第1バスバー配置部40の貫通孔41aに挿通された際、第1バスバー21の突出部214を第1バスバー配置部40に接触させることができる。
【0131】
このため、バスバー配索構造は、第1バスバー21が貫通孔41aを通過して、第1バスバー配置部40から脱落することを防止できる。
さらに、第1バスバー21は、突出部214と第1バスバー配置部40との接触箇所近傍を回転中心として回動することができる。
【0132】
これにより、バスバー配索構造は、第1バスバー21の回転中心の位置を安定させることができるため、第1バスバー21の前方延設部212及び後方延設部213を第1バスバー配置部40の所望位置に容易に配置することができる。このため、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40に対する第1バスバー21の組付け性を向上することができる。
【0133】
また、第1バスバー配置部40は、貫通孔41aに幅方向Yで隣接するとともに、第1バスバー配置部40に配置された第1バスバー21の突出部214が後方側Xrで当接する当接部44が設けられたものである。
この構成によれば、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40に配置された第1バスバー21が後方側Xrへ移動することを、第1バスバー配置部40の当接部44によって阻止できる。このため、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40の所望位置に第1バスバー21が配置された状態を安定して維持することができる。
【0134】
また、当接部44は、貫通孔41aに第1バスバー21を挿通する際に突出部214が当接する第1当接部分44aと、第1バスバー配置部40に配置された第1バスバー21の突出部214が後方側Xrで当接する第2当接部分44bと、第1当接部分44aと第2当接部分44bとを滑らかな円弧面で結ぶ弧状面部分44cとが備えられたものである。
【0135】
この構成によれば、バスバー配索構造は、当接部44の第1当接部分44aによって、第1バスバー21が貫通孔41aを通過して第1バスバー配置部40から脱落することを確実に阻止することができる。
さらに、バスバー配索構造は、第1当接部分44aに当接した第1バスバー21の回動を、当接部44の弧状面部分44cによって案内することができる。
【0136】
これにより、バスバー配索構造は、第1バスバー21の回転中心がより安定するとともに、第1バスバー21が回動に伴って前後方向Xに位置ズレすることを防止できる。
加えて、当接部44の第2当接部分44bによって、第1バスバー21の後方側Xrへの移動を規制できるため、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40の所望位置に第1バスバー21が配置された状態をより安定して維持することができる。
【0137】
また、第1バスバー配置部40は、突出部214を設けた前方延設部212の前方側Xfの位置を規制する位置規制部43が設けられてもよい。
この構成によれば、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40に配置された第1バスバー21の前方側Xfへの位置ズレを阻止することができる。このため、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40の所望位置に第1バスバー21が配置された状態を、さらに安定して維持することができる。
【0138】
加えて、後方側Xrへの移動を規制する当接部44を設けることで、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40の所望位置に配置された状態をより一層安定して維持することができる。
【0139】
また、第1バスバー配置部40は、突出部214を設けた前方延設部212を、第1バスバー配置部40に配置された状態で保持する保持部45が設けられたものである。
この構成によれば、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40に配置された第1バスバー21が主面から離間するように回動することを保持部45によって防止できる。このため、バスバー配索構造は、電線4と第1バスバー21の電線接続孔21aとの接続作業性、及び第3バスバー23と第1バスバー21のバスバー接続孔21bとの接続作業性を向上することができる。
【0140】
また、第1バスバー配置部40は、第1バスバー配置部40における後方隔壁部分41cの上面と、貫通孔41aとの境界となる縁端が円弧状に面取りされたものである。
この構成によれば、バスバー配索構造は、平面視における貫通孔41aの大きさを大きくすることなく、第1バスバー21が回動するスペースを確保することができる。よって、バスバー配索構造は、第1バスバー21がスムーズに回動できるため、第1バスバー21の回動をより容易にすることができる。
【0141】
また、第1バスバー配置部40は、第1バスバー配置部40に配置された第1バスバー21の電線接続孔21aに対応する箇所に、電線接続孔21aを介して締結部材が螺合する第1ナット7が埋設され、バスバー接続孔21bに対応する箇所に、バスバー接続孔21bを介してボルト5が螺合する第2ナット8が埋設されたものである。
この構成によれば、バスバー配索構造は、電線4及び第3バスバー23と、第1バスバー21とを第1バスバー配置部40に固定することができる。このため、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40の所望位置に第1バスバー21が配置された状態をさらに一層安定して維持することができる。
【0142】
また、第1バスバー21は、平板状に形成されたものである。一方、第1バスバー配置部40は、第1バスバー21の前方延設部212が配置される前方隔壁部分41bの下面と、第1バスバー21の後方延設部213が配置される後方隔壁部分41cの上面とが、上下方向に第1バスバー21の厚み分だけ離間した段差形状に形成されたものである。
【0143】
この構成によれば、バスバー配索構造は、第1バスバー配置部40の所望位置に対して、平板状の第1バスバー21を回動によって配索することができる。これにより、バスバー配索構造は、前方隔壁部分41bの下面と後方隔壁部分41cの上面の段差を抑えられるため、第1バスバー21の厚み方向における第1バスバー配置部40の大型化を抑えることができる。
【0144】
また、第1バスバー配置部40は、電気接続箱1の接続箱本体3における一面を構成している。さらに、第1バスバー配置部40の下方と上方とは、接続箱本体3における外部側と内部側である。そして、電線4は、外部配電部材であり、第3バスバー23は、接続箱本体3内部に配置された内部配電部材である。
【0145】
この構成によれば、バスバー配索構造は、接続箱本体3の一面を挟んで配置された外部配電部材である電線4と内部配電部材である第3バスバー23とを、大きさを抑えた貫通孔41aを介して配索した第1バスバー21で電気的に接続することができる。
【0146】
これにより、バスバー配索構造は、電気接続箱1における第1バスバー21の組付け性を向上できるとともに、接続箱本体3の第1バスバー配置部40における上下面を有効活用して、レイアウトの自由度を向上することができる。このため、バスバー配索構造は、電気接続箱1の大型化を抑えることができる。
【0147】
また、本実施形態のバスバー配索方法は、所定幅を有して長手方向に延びる板状であるとともに、長手方向の一方側に電線4が接続される電線接続孔21aを有し、長手方向の他方側に第3バスバー23が接続されるバスバー接続孔21bを有する第1バスバー21を、第1バスバー配置部40に配索する方法である。
【0148】
さらに、バスバー配索方法は、第1バスバー配置部40に設けられた貫通孔41aに、第1バスバー21を長手方向に沿って挿通する挿通工程と、第1バスバー21の貫通部211が貫通孔41aに挿通された状態において、第1バスバー21の厚み方向へ第1バスバー21を回動開始する回動工程とを行うものである。
【0149】
加えて、バスバー配索方法は、第1バスバー21の回動によって、貫通部211から前方側Xfへ延びる第1バスバー21の前方延設部212を、第1バスバー配置部40の前方隔壁部分41bの下面に当接して配置するとともに、貫通部211から後方側Xrへ延びる第1バスバー21の後方延設部213を、第1バスバー配置部40の後方隔壁部分41cの上面に当接して配置する配置工程を行うものである。
【0150】
これによれば、バスバー配索方法は、貫通孔41aに挿通した板状の第1バスバー21を、第1バスバー配置部40の下面側と第1バスバー配置部40の上面側とに露出させることができる。このため、バスバー配索方法は、第1バスバー配置部40の下面側に配置した電線4と第1バスバー配置部40の上面側に配置した第3バスバー23とを、貫通孔41aの大きさを抑えて接続することができる。
【0151】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の第1配電部材及び外部配電部材は、実施形態の電線4に対応し、
以下同様に、
接続部は、電線接続孔21aに対応し、
第2配電部材及び内部配電部材は、第3バスバー23に対応し、
接続部は、バスバー接続孔21bに対応し、
バスバーは、第1バスバー21に対応し、
主面部材は、第1バスバー配置部40に対応し、
主面部材の一方の主面は、前方隔壁部分41bの下面に対応し、
一方側延設部は、前方延設部212に対応し、
主面部材の他方の主面は、後方隔壁部分41cの上面に対応し、
他方側延設部は、後方延設部213に対応し、
貫通孔へ向かう長手方向側は、後方側Xrに対応し、
離間方向は、前方側Xfに対応し、
締結部材は、ボルト5及び締結部材に対応し、
ナットは、第1ナット7及び第2ナット8に対応し、
筐体は、接続箱本体3に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0152】
例えば、上述の実施形態において、電線4と第3バスバー23とを接続する第1バスバー21、及び電線4と第4バスバー24とを接続する第2バスバー22としたが、これに限定せず、電線と電装品とを接続するバスバー、バスバー同士を接続するバスバー、あるいは電線と電線とを接続するバスバーなどであってもよい。
【0153】
また、第1バスバー21及び第2バスバー22が配設される接続箱本体3としたが、これに限定せず、貫通孔を有するとともに、回動によってバスバーを配置可能であれば、端子台などの適宜の筐体であってもよい。
【0154】
接続箱本体3の内部空間を隔てる隔壁部41に第1バスバー21及び第2バスバー22を配索する構成としたが、これに限定せず、接続箱本体3の上面部や底面部にバスバーを配索する構成であってもよい。
【0155】
また、第1バスバー21の前方延設部212が、第1バスバー配置部40の前方隔壁部分41bの下面側に配置され、第1バスバー21の後方延設部213が、第1バスバー配置部40の後方隔壁部分41cの上面側に配置されたが、これに限定しない。例えば、第1バスバー21の前方延設部212が、第1バスバー配置部の前方隔壁部の上面側に配置され、第1バスバー21の後方延設部213が、第1バスバー配置部の後方隔壁部の下面側に配置される構成であってもよい。
【0156】
また、第1バスバー配置部40の貫通孔41aに対して、第1バスバー21を下方から上方へ向けて挿入したが、これに限定せず、第1バスバー配置部の貫通孔に対して、第1バスバーを上方から下方へ向けて挿入してもよい。
【0157】
この場合、第1バスバーは、後方延設部に突出部を設けた構成とする。さらに、接続箱本体3の当接部は、貫通孔の上方、かつ貫通孔の幅方向Yに隣接して配置されるとともに、所望位置に配置された第1バスバーの突出部の前端に後端が隣接する形状に形成する。
【0158】
また、前方延設部212の下面との間に隙間を有する一対の保持部45としたが、これに限定せず、前方延設部212の下面に接触して係止する保持部としてもよい。
また、前方隔壁部分41bと、前方隔壁部分41bの下面に対して第1バスバー21の厚み分だけ下方向に離間した位置に上面を有する後方隔壁部分41cとを備えた第1バスバー配置部40に、平板状の第1バスバー21を配置する構成としたが、これに限定しない。
【0159】
例えば、別の実施形態における要部拡大断面図を示す
図15(a)のように、前方隔壁部分61bの下面と後方隔壁部分61cの上面とが、貫通孔61aを挟んで面一に形成されたバスバー配置部60に、バスバー25を配置する構成であってもよい。
【0160】
この場合、バスバー25は、
図15(a)に示すように、前方延設部252と、前方延設部252の上面に略同じ上下方向の位置に下面を有する後方延設部253とが、貫通部251を介して連結された段付き形状に形成する。
【0161】
これによれば、バスバー配索構造は、バスバー配置部60の所望位置に対して、段付き形状のバスバー25を回動によって配索することができる。
さらに、バスバー配索構造は、バスバー25の貫通部251が貫通孔61aに接触することで、バスバー配置部60に配置されたバスバー25の前後方向Xへの移動を規制することができる。
【0162】
これにより、バスバー配索構造は、例えば前後方向Xへのバスバー25の移動を規制する規制部を別途設けることを不要にできるため、バスバー配置部60の小型化を図るとともに、レイアウトの自由度を向上することができる。
【0163】
あるいは、別の実施形態における要部拡大断面図を示す
図15(b)のように、後方隔壁部分71cの上面が、前方隔壁部分71bの下面に対して上方に位置するように離間した段差形状のバスバー配置部70に、バスバー26を配置する構成であってもよい。
【0164】
この場合、バスバー26は、
図15(b)に示すように、前方延設部262と、前方延設部262の上面よりも上方に下面を有する後方延設部263とが、貫通部261を介して連結された段付き形状に形成する。
【0165】
これによれば、バスバー配索構造は、前方隔壁部分71bの下面と後方隔壁部分71cの上面とが段差形状のバスバー配置部70の所望位置に対して、段付き形状のバスバー26を回動によって配索することができる。
さらに、バスバー配索構造は、バスバー26の貫通部261が貫通孔71aに接触することで、バスバー配置部70に配置されたバスバー26の前後方向Xへの移動を規制することができる。
【0166】
これにより、バスバー配索構造は、例えば前後方向Xへのバスバー26の移動を規制する規制部を別途設けることを不要にできるため、バスバー配置部70の小型化を図るとともに、レイアウトの自由度を向上することができる。
【符号の説明】
【0167】
1…電気接続箱
3…接続箱本体
4…電線
5…ボルト
7…第1ナット
8…第2ナット
21…第1バスバー
21a…電線接続孔
21b…バスバー接続孔
23…第3バスバー
25,26…バスバー
40…第1バスバー配置部
41a,61a,71a…貫通孔
41b,61b,71b…前方隔壁部分
41c,61c,71c…後方隔壁部分
42…壁面部
43…位置規制部
44…当接部
44a…第1当接部分
44b…第2当接部分
44c…弧状面部分
45…保持部
60,70…バスバー配置部
211,251,261…貫通部
212,252,262…前方延設部
213,253,263…後方延設部
214…突出部