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  • 特開-フェノールの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150556
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】フェノールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 37/72 20060101AFI20220929BHJP
   C07C 39/04 20060101ALI20220929BHJP
   C07C 37/58 20060101ALI20220929BHJP
   C07C 37/74 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
C07C37/72
C07C39/04
C07C37/58
C07C37/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021053202
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】丹野 善裕
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 豪
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC41
4H006AD11
4H006AD16
4H006BB31
4H006FC52
4H006FE13
(57)【要約】
【課題】フェノール製造方法の油水分離工程における油水分離を良好におこなうことができるフェノールの製造方法を提供する。
【解決手段】クメンを酸化してクメンハイドロパーオキシドを製造する工程、クメンハイドロパーオキシドを酸の存在下分解してフェノールとアセトンを含有する溶液を製造する工程、フェノールとアセトンを含有する溶液をアルカリ水溶液で中和した後、油水分離する工程、及び油水分離後の油相液を油相水洗装置を用いて水洗用水で水洗する油相水洗工程を有するフェノールの製造方法であって、前記油相水洗工程において、油相水洗装置入口における前記油相液と水洗用水の混合液が、下記(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすことを特徴とするフェノールの製造方法。(1)ナトリウム濃度が250ppm以下。(2)有機酸濃度が520ppm以下。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クメンを酸化してクメンハイドロパーオキシドを製造する工程、
クメンハイドロパーオキシドを酸の存在下分解してフェノールとアセトンを含有する溶液を製造する工程、
フェノールとアセトンを含有する溶液をアルカリ水溶液で中和した後、油水分離する工程、及び
油水分離後の油相液を油相水洗装置を用いて水洗用水で水洗する油相水洗工程、
を有するフェノールの製造方法であって、
前記油相水洗工程において、油相水洗装置入口における前記油相液と水洗用水の混合液が、下記(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすことを特徴とするフェノールの製造方法。
(1)ナトリウム濃度が250ppm以下
(2)有機酸濃度が520ppm以下
【請求項2】
前記油相水洗工程において、油相水洗装置入口における前記油相液と水洗用水との混合液中の硫酸濃度が50ppm以下である請求項1に記載のフェノールの製造方法。
【請求項3】
前記油相水洗工程の後、油相水を蒸留してフェノールを得る請求項1又は2に記載のフェノールの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノールは、工業的には、一般的にクメン法により製造される。クメン法によるフェノールの製造は、クメンを酸化してクメンハイドロパーオキサイド(以下CHPという。)を含む反応液を生成させる酸化工程、CHPを酸分解することによりフェノールとアセトンとを生成させる酸分解工程、分解生成液を中和し洗浄により塩を除去する中和洗浄工程、及び洗浄液中のフェノール以外の成分を分離する精製工程を有する。
【0003】
クメン法によるフェノール製造方法における酸分解工程では、硫酸などの酸を加えてCHPを効率的に分解する。この酸分解生成物中に酸が残留すると、後の精製工程において加熱による重質物を生成する触媒となる。そのため、精製工程前の中和洗浄工程にて炭酸ナトリウム等のアルカリを加えた洗浄水を酸分解生成物に接触させ、酸を洗浄水中に抽出除去する。また、中和洗浄工程では同時にCHPを製造する酸化工程で不純物として生成する有機酸類も抽出除去される。
【0004】
この酸分解生成物と接触させた洗浄水中には、抽出された酸、塩類が含まれ、これが精製工程に持ち込まれると蒸留塔内でナトリウム塩として析出し、塔を閉塞させる(特許文献1)。塔閉塞は蒸留塔の運転を不安定にし、最終的にはプラントを停止して洗浄する必要があり、プラント連続運転の障害となる。このため、抽出した後の洗浄水を酸分解生成物から分離させる必要がある。
【0005】
酸分解生成物と洗浄水の分離は、油水分離であり、この油水分離の方法としては静置分離、フィルターによる凝集分離、遠心分離等の方法がある。
【0006】
油水分離速度には、液組成の違い、界面活性物質の有無、混合攪拌速度等による違いから生じる油水密度差、界面張力、分散液滴径等の物理性質が影響するが、フェノール製造工程の各種工程で生成する種々の不純物類が油水分離にどのような影響を与えるかについては、十分には解明されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7-24211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、フェノール製造方法の油水分離工程における油水分離を良好におこなうことができるフェノールの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、フェノール製造方法における油水分離工程において、有機酸およびナトリウムが同時に存在する場合に油水分離が悪化することを発見し、有機酸及びナトリウムの濃度の少なくとも一方を所定値以下にすることで、油水分離を良好にすることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、次を要旨とする。
【0010】
[1] クメンを酸化してクメンハイドロパーオキシドを製造する工程、
クメンハイドロパーオキシドを酸の存在下分解してフェノールとアセトンを含有する溶液を製造する工程、
フェノールとアセトンを含有する溶液をアルカリ水溶液で中和した後、油水分離する工程、及び
油水分離後の油相液を油相水洗装置を用いて水洗用水で水洗する油相水洗工程、
を有するフェノールの製造方法であって、
前記油相水洗工程において、油相水洗装置入口における前記油相液と水洗用水の混合液が、下記(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすことを特徴とするフェノールの製造方法。
(1)ナトリウム濃度が250ppm以下
(2)有機酸濃度が520ppm以下
【0011】
[2] 前記油相水洗工程において、油相水洗装置入口における前記油相液と水洗用水との混合液中の硫酸濃度が50ppm以下である[1]に記載のフェノールの製造方法。
【0012】
[3] 前記油相水洗工程の後、油相水を蒸留してフェノールを得る[1]又は[2]に記載のフェノールの製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、フェノール製造方法の油水分離工程における油水分離を良好におこなうことができる。これにより、中和洗浄水中に含まれる有機酸塩等の蒸留塔への持ち込みによる閉塞を抑え、設備を連続して安定して運転することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】油水分離実験装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されない。
【0016】
本発明はクメン法に基づくフェノールの製造方法に関する。その各工程を以下に順に説明する。
【0017】
フェノールの製造方法に関しては、例えば特開2017-178826号公報に記載の条件など、公知の方法が使用できる。
【0018】
[クメンの酸化工程]
クメンの酸化に用いられるクメンは、通常、ベンゼンとプロピレンとを反応させ蒸留により99.5重量%以上に精製されたものを使用することが好ましい。これに、後述のCHP濃縮工程から回収されたクメンや、フェノール合成後のフェノール、アセトン等の混合物から蒸留塔で分離されたα-メチルスチレンを水素化してクメンにしたものなどを混合してもかまわない。
【0019】
クメンの酸化は40℃~130℃で、常圧化または加圧下、酸素と不活性ガスとを含む混合ガスを吹き込む事により行われる。この混合ガスとしては空気、及び酸素濃度を増加又は減少させた空気等が挙げられ、このうち酸素濃度を増加させた空気が好ましい。酸化反応器は、反応を1段階で行わせるものでも、2段階以上の多段階で行わせるものでもよい。後者の場合には、通常、各段階毎に酸素と不活性ガスとを含む混合ガスを追加供給する。なお、α-メチルスチレンを目的物の一つとする場合には、この酸化反応時に、ジメチルベンジルアルコールが所望量発生するようにそのプラントに適した条件を選べばよい。
【0020】
[CHP濃縮工程]
上述のクメンの酸化反応により、通常CHPを10~40重量%含んでいるクメン溶液が得られる。このクメン溶液を濃縮し、CHP濃度を好ましくは65重量%以上、より好ましくは80重量%以上、より好ましくは80重量%以上90重量%以下とする。CHPは、温度が高い状態や、触媒の存在下では激しく開裂反応を起こすため、安全の面から90重量%以下であることが好ましい。濃縮方法は特に限定されないが、減圧により濃縮することが好ましい。減圧濃縮することにより、酸化反応時に吹き込んだ空気などを脱ガスすることもできる。濃縮したCHP溶液は、アセトンにより希釈され、次の酸分解工程に供される。
【0021】
[CHPの酸分解工程]
上述の濃縮工程後、触媒を用いてCHPの酸分解を行う。具体的にはCHPの開裂反応を起し、フェノール、アセトン、そして前述のジメチルベンジルアルコールに起因するα-メチルスチレンその他の副生物の混合物を得る。ここで用いられる触媒は酸触媒が好ましく、最も好ましくは硫酸である。
【0022】
反応温度は通常60℃~90℃で行われる。CHPの開裂反応は激烈であり、反応時の発熱が激しいため、除熱を行う。CHPはほぼ全量開裂してフェノールとアセトンになるが、それに副生物としてフェノールのダイマーやクミルフェノール等の重質油分(HE(ヘビーエンド))および有機酸等が含まれた混合物よりなる酸分解生成物が得られる。
【0023】
[中和洗浄及び油水分離工程]
酸分解工程で得られた、フェノール、アセトン、α-メチルスチレン、HE等の酸分解生成物を、中和洗浄し、次いで油水分離する。この中和洗浄及び油水分離は、ラインミキサー等の混合装置と静置分離槽のような油水分離装置を用いて行うことができる。
【0024】
<中和洗浄工程>
中和洗浄工程では、酸分解生成物と洗浄水とを複数回接触及び分離させる。これにより、酸分解時に使用した硫酸等の酸触媒を中和後、中和塩と、酸化工程及び酸分解工程で副生した有機酸とを洗浄水中に移行させる(抽出する)。酸分解生成物と洗浄水との接触は、向流で行い、また多段階で行うのが好ましい。
【0025】
中和洗浄の際には洗浄水としてアルカリ水溶液を使用することが好ましい。アルカリ水溶液による中和に用いる中和剤としては、アンモニアの水溶液や、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する塩基性化合物の水溶液や陰イオン交換樹脂などを用いることができる。これらのうち、ナトリウムフェノラート、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム含有塩基性化合物の水溶液が好適に用いられる。この水溶液中のナトリウム含有塩基性化合物は、中和後の水相pHが6程度になる量加えるのが好ましい。
【0026】
<油水分離工程>
中和洗浄後の酸分解生成物と中和洗浄水との混合物は、油水分離装置により水相と有機相(油相液)とに分離され、水相を除去することにより有機相が得られる。なお、アルカリ金属含有塩基性化合物により中和した場合には、フェノールの一部がアルカリ金属との塩(ナトリウムフェネート等)となり、水相側に移行してフェノール収率が低下する。そのため、水相に硫酸ナトリウム等の塩類を加えて、有機相中のフェノールが水相側に移行しないようにするのが好ましい。
【0027】
[有機相(油相液)水洗工程]
上記のCHPの酸分解工程は前述のように硫酸を用いて行うことが好ましく、用いた硫酸は、中和洗浄工程により芒硝(硫酸ナトリウムの10水和物)に変換される。油水分離で分離後の有機相(油相液)には、この芒硝などの中和塩が含まれるため、これを除去するためにさらに有機相(油相液)の水洗を行う。
【0028】
有機相の水洗は、中和に用いた装置と同様にラインミキサー等の混合装置と静置分離槽のような油水分離装置を用いて行っても良いし、コアレッサー等の抽出分離装置を用いて行っても良い。有機相水洗後の水相を前述の中和洗浄工程での洗浄水に利用してもよく、これにより、水相側に移行したフェノールの回収を行うことができる。
【0029】
有機相の水洗に用いる洗浄水はイオン交換水、蒸留水が好ましい。有機相水洗工程は、有機相中の塩類を除く目的のために行うものであり、中和洗浄工程時に比べ、用いる洗浄水中に含まれる硫酸ナトリウム等の塩類を少なくする必要がある。有機相水洗工程入口における中和洗浄工程出口油相液と有機相水洗水用洗浄との混合液中の硫酸濃度は50ppm以下が好ましく、20ppm以下がより好ましい。
【0030】
有機相水洗工程においてナトリウムおよび有機酸が同時に存在すると、有機相水洗後の油水分離が悪化することから、本発明では、ナトリウムおよび有機酸の少なくとも一方の濃度を所定値以下とする。
【0031】
ナトリウム濃度の低減方法としては、中和洗浄工程における洗浄水への酸(好ましくは硫酸)添加によるpHの低下、油水分離設備の多段化による洗浄効率の増加などが挙げられる。有機相水洗工程入口における中和工程出口油相液と水洗水との混合液中のナトリウムの濃度は250ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。
【0032】
有機酸濃度の低減方法としては、中和洗浄工程における洗浄水へのアルカリ類添加によるpHの上昇、洗浄油水分離設備の多段化による洗浄効率の増加などが挙げられる。添加するアルカリ類としては前述した中和洗浄工程でのアルカリ洗浄水に含まれるものが好ましい。水洗工程入口における中和工程出口油相液と水洗水との混合液中の有機酸の濃度は520ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。
【0033】
[蒸留工程]
有機相側のフェノールとアセトンとα―メチルスチレンとHEとを含む混合物は、蒸留によりそれぞれの成分に分離される。
【0034】
蒸留に関しては、例えば特開2015-178476号公報、特開2015-182986号公報に記載の条件など、公知の方法が使用できる。
【0035】
蒸留の回数や、何回目の蒸留でどの成分を取り出すかに関しては、任意に設定すればよいが、通常は最初の蒸留で、軽質分、特にアセトンをターゲットに水や未反応のクメンなどを留去させ、2回目の蒸留でフェノールやα―メチルスチレンを留去させ、残ったものをヘビーエンド(HE)とし、留去分に3回目の蒸留を行ってフェノールとα―メチルスチレンを分離しても良いし、あるいは最初の蒸留で、アセトンとα―メチルスチレンをターゲットに水や未反応のクメンなどを留去させ、2回目の蒸留でフェノールとHEを分離する。そしてもちろんそれとは別に最初の蒸留で得られたアセトンとα―メチルスチレンを分離してもよい。いずれにしても目的物の数以上の蒸留が必要になり、更に純度を向上させるために、蒸留の回数を増やすことも行われる。また必要に応じ適当な溶媒を添加しながら蒸留を行う抽出蒸留を行っても良い。
【0036】
蒸留後、所望の純度に達したフェノールを製品とする。
【実施例0037】
フェノール製造方法の油水分離工程を模擬した実験を行い、本発明方法の効果を推認した。
【0038】
[実施例1]
イオン交換水およびアセトン、クメン、α-メチルスチレン、フェノールを混合し、表1中の実施例1の混合組成液を得た。アセトン、クメン、α-メチルスチレン、フェノールは富士フイルム和光純薬工業製試薬特級品を用いた。なお、後述の実施例2~6及び比較例1におけるギ酸、水酸化ナトリウムも富士フイルム和光純薬工業製試薬特級品である。
【0039】
得られた混合組成液について、図1に示す実験装置を用いて油水の分離を行い、得られた油相試料中の水分濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
油水分離装置は、撹拌機1を備えた内容積1.8Lの原料槽2、送液ポンプ4、内容積0.7Lのコアレッサー槽6およびカーボンファイバー製、容量100mL、ろ過精度15μmのフィルターエレメント5で構成されている。
【0041】
油水分離手順は以下の通りである。原料液1kgを原料槽2に投入後、液が均一になるように撹拌機1で混合攪拌し、ヒーター3で液温を40℃とした。その後送液ポンプ4で流速150mL/minで液を送液し、フィルターエレメントに通液して油水を分離させ、分離後水相をコアレッサー槽6内に沈降させ、分離後油相を出口ノズル7より得た。
【0042】
分離した油相中の水分濃度を、日東精工アナリテック製水分計CA-200型およびアクアミクロン滴定剤SS-Z3mg、アクアミクロン脱水溶剤KTXを用いた、カールフィッシャー試薬容量滴定法にて求めた。
【0043】
[実施例2]
実施例1において原料としてさらにギ酸を混合し、表1の実施例2の混合組成液を得た。実施例1と同様の手順で実験を行い、得られた油相試料中の水分濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0044】
[実施例3]
実施例1において原料としてさらに水酸化ナトリウムを混合し、表1の実施例3の混合組成液を得た。実施例1と同様の手順で実験を行い、得られた油相試料中の水分濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0045】
[実施例4,5、比較例1]
実施例1において原料としてさらにギ酸及び水酸化ナトリウムを混合し、表1の実施例4,5、比較例1の混合組成液を得た。実施例1と同様の手順で実験を行い、得られた油相試料中の水分濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
[考察]
実施例1~5では分離された油相中の水分濃度に変化は見られなかったが、ギ酸及びナトリウムの濃度が高い比較例1では、油相中の水分濃度が高い。すなわちギ酸、ナトリウム単独では油水分離に影響を与えないが、ギ酸とナトリウムが同時に存在した場合油水分離に悪影響をおよぼし、油水分離後の油相中の水分濃度が上昇することが認められた。
【符号の説明】
【0048】
1 原料撹拌機
2 原料槽
3 原料槽ヒーター
4 送液ポンプ
5 フィルターエレメント
6 コアレッサー槽
7 油相側出口ノズル
8 水相側出口ノズル
図1