(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150676
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】フランジ構造の液抜出ノズルを有する液体用大型タンク及び該液抜出ノズルの気密試験方法
(51)【国際特許分類】
G01M 3/26 20060101AFI20220929BHJP
B65D 90/22 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G01M3/26 M
B65D90/22 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021053380
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136825
【弁理士】
【氏名又は名称】辻川 典範
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】永元 良治
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 智孝
【テーマコード(参考)】
2G067
3E170
【Fターム(参考)】
2G067AA07
2G067BB04
2G067BB22
2G067BB34
2G067DD02
3E170AA03
3E170AB01
3E170AB09
3E170AB28
3E170CA08
3E170CB03
3E170GB04
3E170GB08
3E170GB15
3E170KC01
3E170KC03
(57)【要約】
【課題】 本体母材に熱による悪影響を与えることなく、短時間で簡易に行うことが可能な液抜出ノズルの構造を有する大型タンクを提供する。
【解決手段】 内側フランジ構造の液抜出ノズル20を有する液体用大型タンク1であって、液抜出ノズル20は液体用大型タンク1の側壁部1aを貫通する円筒状短管部21からなり、円筒状短管部21のタンク内部側端部に内側フランジ23が溶接されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側フランジ構造の液抜出ノズルを有する液体用大型タンクであって、前記液抜出ノズルは前記液体用大型タンクの側壁部を貫通する円筒状短管部からなり、前記円筒状短管部のタンク内部側端部に内側フランジが溶接されていることを特徴とする液体用大型タンク。
【請求項2】
内側フランジ構造の液抜出ノズルを有する液体用大型タンクの該液抜出ノズルに対して行う気密試験方法であって、前記内側フランジに、圧力計及び閉止弁を有する窒素封入用冶具が取り付けられたブラインドフランジをボルトナットで締結するステップと、前記液抜出ノズルのタンク外部側端部に接続しているバルブを全閉するステップと、前記窒素封入用冶具から前記液抜出ノズル内に窒素ガスを充填するステップと、前記圧力計の指示値が所定の圧力に到達した時点で前記閉止弁を全閉して漏洩の有無を確認するステップとを有することを特徴とする液体用大型タンクの液抜出ノズルの気密試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク内側がフランジ構造の液抜出ノズルを有する液体用大型タンク及び該液抜出ノズルの気密試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油化学工場、非鉄金属製錬工場、薬品工場などの生産プラントでは、液状の原料や副原料、液状の中間製品や最終製品等の液体の一時的な貯留のため、一般的に略円筒形状の貯蔵タンクが用いられている。この貯蔵タンク内に受け入れた液体を抜き出す場合は、該貯蔵タンクの側壁の下部に設けられている液抜出ノズルを介して行われる。この液抜出ノズルから貯蔵タンク内の液体を抜き出す時は、通常は液抜出ノズル内を秒速数メートル程度の速度で液体が通過するため、該液抜出ノズル及びこれに接続する配管系の接液部において減肉が生じやすい。特に、貯蔵タンク内の液体がスラリー状の場合は、摩耗の影響を受けて接液部が顕著に減肉することがある。また、貯蔵タンク内の液体が強酸性や強塩基性の場合は、腐食の影響を受けて接液部が顕著に減肉することがある。
【0003】
上記の接液部の減肉が進行した結果、液抜出ノズルに穴があいて漏れが発生すると、貯蔵タンク内の液体が外部に流出して人的被害や環境被害をもたらすおそれがあり、場合によっては操業停止にまで発展して多大な経済的損失を被ることになる。このような事態を防ぐため、貯蔵タンクは新設時や改造時に加えて、定期点検の際に該液抜出ノズルに穴があいていないことを確認するための漏洩試験が一般的に行われる。
【0004】
上記の液抜出ノズルの漏洩試験は、例えば該液抜出ノズルに接続する配管系に設けたバルブを全閉にした状態で貯蔵タンク内に水を張ることで確認することができる。しかしながら、この漏洩試験の方法では、例えば硫酸のように水よりも比重の大きい液体を貯蔵するタンクでは漏洩の有無を適正に確認することはできなかった。その理由は、液抜出ノズルにかかる圧力(ヘッド圧)は液体の比重に比例するため、貯蔵タンクに水を張ったときに液抜出ノズルにかかる圧力は、実操業において硫酸を貯蔵タンクに張ったときに液抜出ノズルにかかる圧力には到達しないからである。そこで、実操業で使用する硫酸を用いて漏洩試験を行うことが考えられるが、この場合は、漏洩試験の際に硫酸の漏れが発生するリスクがある。
【0005】
実操業で使用する液体の漏れのリスクを伴うことなく実操業の際に液抜出ノズルにかかる圧力をかけて漏洩の有無を確認する方法として、気密試験を挙げることができる。例えば特許文献1には、気密試験により時間をかけることなく正確にタンク及びパイプ類の漏洩の有無を確認する技術が開示されている。この特許文献1の技術は、試験対象のタンク及びパイプ類に通じる全ての開口部を閉鎖することで系内を気密状態とし、この状態で系内に例えば窒素ガス等の不活性ガスを充填することで一定の加圧状態を維持すると共に、系内の圧力を例えばマノメータや大型ブルドン管式圧力計で測定する。これにより、漏洩箇所がある場合は、そこから系内の不活性ガスが漏洩して時間の経過と共に系内の圧力が低下するので、この圧力の低下の有無を確認することによって漏洩の有無を判断するものである。
【0006】
また、特許文献2には、地下タンクに窒素ガスを導入することで気密試験を行う技術が開示されている。具体的には、地下タンクに連通している複数の管路を1本を除いて全て閉鎖し、該閉鎖しない1本の管路から窒素ガスを導入することで地下タンクの内部を加圧状態に維持すると共に、圧力センサーで該地下タンクの内部の圧力を監視する。そして、地下タンクの内部の圧力に変化が生じた場合は、地下タンクに漏洩が生じていると判断するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1-203931号公報
【特許文献2】特開2008-120414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1及び2の気密試験の方法で漏洩試験を行うことで、実操業の液体が漏れ出すリスクを伴うことなく適正に漏洩の有無を確認することが可能になる。しかしながら、上記方法の気密試験では、試験対象となる機器が液体用大型タンクの場合は、窒素ガスをタンク全体に導入して加圧状態にする必要があるため、窒素ガスのコストがかかりすぎることが問題になっていた。そこで、タンク全体ではなく、漏洩が生じやすい液抜出ノズルだけに限定して窒素ガスによる気密試験を行うことが考えられる。
【0009】
すなわち、一般的な液体用大型タンクでは、液抜出ノズルは先端部がフランジ構造の円筒状の短管からなり、タンク本体を構成する側壁部の下側部分においてタンクの外側に突出するように溶接により設けられている。このフランジ構造の液抜出ノズルは、一般的にバタフライ弁、ボール弁等の第1バルブを介して抜出ラインに接続しており、この第1バルブを閉鎖することによりタンクの内部と抜出ラインとの流通を遮断できるようになっている。
【0010】
上記構造の液抜出ノズルだけに対して気密試験を行う場合、該液抜出ノズルの外側の端部は上記のように第1バルブによって簡単に閉鎖することができるが、液抜出ノズルのタンク側端部はタンクの側壁部に溶接されているため、タンクの外側から閉鎖することはできなかった。そのため、先ずタンク内部に入ってタンクの内壁部のうち液抜出ノズルが溶接されている開口部分に、タンクの内壁面に沿って湾曲した鉄板を溶接することで該内壁部の開口部を塞ぐ必要があった。
【0011】
このように、従来の液体用大型タンクでは、液抜出ノズルだけを気密試験する場合はタンクの母材に内側から鉄板等を直接溶接する必要があるため、溶接時の熱により該母材に悪影響を及ぼすおそれがあった。また、気密試験を行う度に上記鉄板の溶接及び試験後の上記鉄板の取り外し作業が必要になるため、長時間を要することが問題になっていた。本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、液体用大型タンクの液抜出ノズルの気密試験を、該大型タンク本体の母材に熱による悪影響を与えることなく、短時間で簡易に行うことが可能な特徴的な構造の液抜出ノズルを有する大型タンク及び該液抜出ノズルの気密試験方法を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る液体用大型タンクは、内側フランジ構造の液抜出ノズルを有する液体用大型タンクであって、前記液抜出ノズルは前記液体用大型タンクの側壁部を貫通する円筒状短管部からなり、前記円筒状短管部のタンク内部側端部に内側フランジが溶接されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る液抜出ノズルの気密試験方法は、内側フランジ構造の液抜出ノズルを有する液体用大型タンクの該液抜出ノズルに対して行う気密試験方法であって、前記内側フランジに、圧力計及び閉止弁を有する窒素封入用冶具が取り付けられたブラインドフランジをボルトナットで締結するステップと、前記液抜出ノズルのタンク外部側端部に接続しているバルブを全閉するステップと、前記窒素封入用冶具から前記液抜出ノズル内に窒素ガスを充填するステップと、前記圧力計の指示値が所定の圧力に到達した時点で前記閉止弁を全閉して漏洩の有無を確認するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本体母材に熱による悪影響を与えることなく短時間で簡易に液体用大型タンクの液抜出ノズルの気密試験を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一般的な液体用大型タンク及びこれに接続される配管系の模式的なフロー図である。
【
図2】従来の液体用大型タンクの液抜出ノズルの断面図(a)及びその気密試験時の状態を示す断面図(b)である。
【
図3】本発明の実施形態の液体用大型タンクの液抜出ノズルの断面図(a)及びその気密試験時の状態を示す断面図(b)である。
【
図4】
図3(a)に示す液抜出ノズルの代替例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のフランジ構造の液抜出ノズルを有する液体用大型タンクの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、液体用大型タンク1は、一般的には略円筒形状の側壁部1aと、その上部に位置するドーム状又は円錐状の天井部1bとから本体が構成されており、天井部1bには、貯蔵される液体の供給ラインのノズル、機器類接続用ノズル、ベント用ノズル、後述する液抜出ノズルから抜き出した液体の戻りラインのノズル等の各種ノズルが設けられている。
【0017】
一方、側壁部1bの下部には、大型タンク1内の液体を抜き出すための液抜出ノズル2が設けられている。この液抜出ノズル2には、バタフライ弁やボール弁等の第1バルブ3が互いにフランジ同士ボルトナットで締結されている。液抜出ノズル2はこの第1バルブ3を介して液抜出ライン4に接続しており、液抜出ライン4上には液抜出ポンプ5が設けられている。上記の
図1に示す液体用大型タンク1において、1点鎖線で囲んだ液抜出ノズル2には、従来は
図2(a)に示す構造のものが用いられていた。すなわち、この
図2(a)に示す従来の液抜出ノズル2は、側壁部1aに一端部が溶接されている円筒状短管部11と、この短管部11の他端部に溶接されている外部フランジ12とから構成される。
【0018】
上記の液抜出ノズル2に対して漏洩の有無を確認する場合は、第1バルブ3を全閉にした状態で液体用大型タンク1の内部に水を張ることで目視にて漏洩を確認する試験方法が考えられるが、この試験方法では、硫酸のように水より比重の大きい液体用の貯蔵タンクでは適切な圧力をかけて漏洩試験を行うことができなかった。そこで、
図2(b)に示すような窒素封入用冶具を液抜出ノズル2のタンク側端部に取り付けることで、充填した窒素ガスによって適切な圧力をかけながら漏洩の有無を確認する試験が行われていた。
【0019】
すなわち、従来構造の液抜出ノズル2の漏洩試験では、先ず大型タンク1の側壁部1aの母材において、液抜出ノズル2が取り付けられている開口部分に側壁部1aの壁面に沿うように湾曲させた円形の鉄板15を直接溶接すると共に、第1バルブ3を全閉にすることで液抜出ノズル2を密閉する必要があった。上記の鉄板15はその中心部が開口しており、この開口部分に鉄製パイプ16が突出するように取り付けられている。この鉄製パイプ16の先端部には閉止弁17が設けられており、また、中間部には圧力計18が設けられている。そして閉止弁17の端部には図示しない窒素ガス供給源から供給される窒素ガス用のフレキシブルホースFの端部が接続する接続口19が備わっている。
【0020】
かかる機構により、閉止弁17を開にした状態で、接続口19に接続したフレキシブルホースFから窒素ガスを導入し、圧力計18の指示値が所定の圧力に到達した時点で閉止弁17を全閉にする。この状態で所定の時間保持したときに、圧力計18の指示値が上記所定の圧力より低下しているか否かを確認することで漏洩の有無を判断する。これにより、液抜出ノズル2に対して、実操業で取り扱う液体を考慮した適切な圧力をかけた状態で漏洩試験を行うことが可能になる。
【0021】
しかしながら、この従来の漏洩試験方法では、試験を行う度にタンク側壁部の母材に対して鉄板の溶接と試験後の鉄板の撤去とを行う必要があるうえ、溶接後は浸透探傷検査も行う必要があるので試験に多大な手間と時間を要していた。また、鉄板の溶接時に母材に熱による悪影響を及ぼすおそれがあり、これが起点となって腐食が進む可能性があった。このため、上記の従来の漏洩試験法はタンクの点検整備時に何度も行うことはできなかった。
【0022】
これに対して、本発明の実施形態においては、液体用大型タンク1に
図3(a)に示す構造の液抜出ノズル20を用いることで、上記の従来の液抜出ノズル2が抱える問題が生じなくなる。具体的に説明すると、本発明の実施形態の液体用大型タンク1が有する液抜出ノズル20は、タンク側壁部1aを貫通する円筒状短管部21からなる。この短管部21のタンク外部側端部には第1バルブ3にフランジ結合するための外側フランジ22が溶接されており、タンク内部側端部には後述する窒素封入用冶具を備えたブラインドフランジを結合するための内側フランジ23が溶接されている。
【0023】
かかる構成により、下記の手順で簡易且つ短時間に気密試験を行うことが可能になる。すなわち、先ず液抜出ノズル20の内側フランジ23にブラインドフランジ24をボルトナット25で締結する。このブラインドフランジ24はその中心部が開口しており、この開口部分に鉄製パイプ26が突出するように取り付けられている。この鉄製パイプ26の先端部には閉止弁27が設けられており、また中間部には圧力計28が設けられている。そして、閉止弁27の端部には図示しない窒素ボンベ等の窒素ガス供給源から供給される窒素ガス用のフレキシブルチューブFの端部が接続する接続口29が備わっている。
【0024】
上記の閉止弁27を開にした状態で接続口29に接続したフレキシブルチューブFから窒素ガスを液抜出ノズル20の内部に導入し、圧力計28の指示値が所定の圧力になるまで加圧する。該所定の圧力に到達した時点で閉止弁27を全閉にする。この状態のまま所定の時間保持したときに圧力計28の指示値が上記所定の圧力よりも低下しているか否かを確認することで、実操業で取り扱う液体を考慮した適切な圧力をかけた状態で漏洩試験を行うことができる。なお、上記のように圧力計28において圧力の低下を確認することに代えて、あるいはこれに加えて、液抜出ノズル20に外部から石鹸水などの液体を塗布し、泡発生が生じた場合に漏洩ありと判断してもよい。
【0025】
上記の漏洩試験の終了後は、フレキシブルチューブFを接続口29から外すと共に閉止弁27を開いて液抜出ノズル20内に充填している窒素ガスを放出する。その後、ボルトナット25を外してブラインドフランジ24を内側フランジ23から切り離すことで作業が完了する。このように本発明の実施形態の気密試験方法では、窒素封入用冶具を備えたブラインドフランジ24を内側フランジ23に着脱するだけで気密試験を行うことができるので、従来の鉄板等を溶接する気密試験方法に比べて試験時間を短縮化できるうえ、溶接時の熱によるタンク母材への悪影響をなくすことができる。
【0026】
以上、本発明の実施形態の液体用大型タンク及びその液抜出ノズルの気密試験方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の代替例や変更例を含むことができる。例えば、上記の液抜出ノズル20は、一体物の短管部21が液体用大型タンク1の側壁部1aを貫通するものであったが、これに限定されるものではなく、例えば
図4に示す液抜出ノズル120のように、既設の液体用大型タンク1の液抜出ノズル2を改造することで、外側フランジ22を有する短管部21aのタンク側端部に、内側フランジ23を有する追加短管部21bがタンクの内側から溶接された構造にしてもよい。
【実施例0027】
下記表1に示す既設の液体用大型タンク1に備わっている従来の構造の12インチの液抜出ノズル2を改造して、
図4に示す構造の液抜出ノズル120にした。すなわち、既存の円筒状短管部21aのタンク側端部に、タンク内側から同形状の円筒状短管部21bを溶接により接続した。なお、この短管部21bには内部フランジ23を溶接しておいた。このとき、タンクの内壁面から内部フランジ23のフランジ面までの長さは250mmであった。
【0028】
【0029】
この液抜出ノズル120の内部フランジ23に、
図3(b)に示すような窒素封入用冶具を備えたブラインドフランジ24をボルトナット25により締結して気密試験を行った。具体的には、接続口29に窒素ガス用のフレキシブルチューブFを接続して第1バルブ3を全閉にした後、ブラインドフランジ24の窒素封入用冶具から液抜出ノズル20内に窒素ガスを充填し、圧力計28の指示値が所定の圧力に到達した時点で閉止弁27を全閉し、そのままの状態で30分間保持し、その間に10分経過毎に圧力計28の指示値を読みとって上記の所定の圧力から低下しているか否かを調べると共に、液抜出ノズル120に外部から石鹸水をかけて泡が生じるか否か点検した。
【0030】
また、比較のため、従来の液抜出ノズル2を有する液体用大型タンク1に対して、ブラインドフランジ24に代えて
図2(b)に示す構造の窒素封入用冶具を備えた鉄板15をタンクの側壁部1aに溶接し、浸透探傷検査を行った。以降は上記実施例と同様にして気密試験を行った。この比較例では更に気密試験後に上記鉄板を取り外す作業が必要であった。上記の実施例及び比較例の気密試験に要した時間を下記表2に示す
【0031】
【0032】
上記表2に示す通り、比較例に比べて本発明は、液抜出ノズルに対する気密試験の時間を大幅に短縮することができた。また、実施例ではタンクの側壁部1aへの溶接がないので、熱による悪影響を懸念する必要がなくなり、定期修理の度に液抜出ノズルのみの気密試験を行うことが可能になった。