(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151556
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】端子、端子付き電線、端子付き電線の製造方法及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
H01R 4/02 20060101AFI20220929BHJP
H01R 11/12 20060101ALI20220929BHJP
H01R 43/02 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H01R4/02 C
H01R11/12 D
H01R43/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196303
(22)【出願日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2021053137
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 賢
(72)【発明者】
【氏名】田中 義和
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 文孝
【テーマコード(参考)】
5E051
5E085
【Fターム(参考)】
5E051LA04
5E051LB03
5E085BB03
5E085BB12
5E085CC03
5E085DD04
5E085DD14
5E085EE12
5E085FF01
5E085FF08
5E085FF16
5E085HH06
5E085HH11
5E085HH26
5E085JJ38
(57)【要約】
【課題】端子への電線の接合を容易にする。
【解決手段】端子2Aは、管状に形成され、複数の金属素線よりなる導体の外周を絶縁被覆で被覆した電線が長手方向に移動可能に貫通し、前記長手方向に交差する方向への前記電線の移動を規制する規制部(バレル部23)と、前記規制部に連なり、前記導体が接合される接合部22と、前記接合部に連なり、接続対象に締結される締結部21と、を備える。前記電線は、前記規制部によって長手方向以外への移動が規制されるため、前記導体を接合するときに前記導体がずれるのを抑えることができ、容易に接合を行うことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状に形成され、複数の金属素線よりなる導体の外周を絶縁被覆で被覆した電線が長手方向に移動可能に貫通し、前記長手方向に交差する方向への前記電線の移動を規制する規制部と、
前記規制部に連なり、前記導体が接合される接合部と、
前記接合部に連なり、接続対象に締結される締結部と、
を備える端子。
【請求項2】
前記規制部の内径は、前記電線が移動可能な内径である
請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記規制部の内周面の少なくとも一部が前記絶縁被覆に接して前記絶縁被覆が変形する
請求項2に記載の端子。
【請求項4】
前記締結部は、前記接合部に連なり平坦な第1平坦部と、前記第1平坦部に連なり傾斜した傾斜部と、前記傾斜部に連なり平坦な第2平坦部を有し、
止水剤を内周部に有し、加熱による収縮で少なくとも前記導体が接合された前記接合部を被覆する収縮チューブと、
を有し、
前記止水剤は、前記収縮チューブの収縮によって前記収縮チューブの外部に押し出された押出部を有し、
前記押出部は、前記止水剤が垂下した状態で固化した垂下部を有し、
前記垂下部の下端の位置が前記締結部の下面の位置よりも上方に位置している
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子。
【請求項5】
前記垂下部において固化した前記止水剤の下端部と、締結部の下側面の位置との間の上下方向の距離は、5mm以下である、請求項4に記載の端子。
【請求項6】
前記傾斜部の高さは、6mm以下である、請求項4又は請求項5に記載の端子。
【請求項7】
前記接合部から前記傾斜部までの距離は、10mm以上である、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の端子。
【請求項8】
前記止水剤の量は、前記収縮チューブの内側に留まっている前記止水剤と、前記収縮チューブの外側に押し出されて、前記押出部を形成している前記止水剤とを合わせて、前記収縮チューブの内周部に収容された状態の厚さに換算して、0.5mm以上、1.5mm以下である、
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の端子。
【請求項9】
前記導体の断面積は、公称断面積で、2mm2以上である、請求項4から請求項8のいずれか一項に記載の端子。
【請求項10】
前記導体の断面積は、公称断面積で、200mm2以下である、請求項9に記載の端子。
【請求項11】
前記端子は、導電性を有する金属材で形成され、前記金属材の板厚は、0.5mm以上、3mm以下である、請求項5から請求項10のいずれか一項に記載の端子。
【請求項12】
前記止水剤は、ホットメルト接着剤よりなる、請求項5から請求項11のいずれか一項に記載の端子。
【請求項13】
前記収縮チューブは、架橋ポリオレフィンを含む、請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の端子。
【請求項14】
前記収縮チューブは、加熱されたときの収縮率が1%以上、30%以下である、
請求項5から請求項13のいずれか一項に記載の端子。
【請求項15】
前記端子は、表面にスズめっき層を有する、請求項5から請求項14のいずれか一項に記載の端子。
【請求項16】
前記端子は、前記締結部を1つのみ備える、請求項5から請求項15のいずれか一項に記載の端子。
【請求項17】
前記端子は、自動車に用いられる、請求項5から請求項16のいずれか一項に記載の端子。
【請求項18】
前記垂下部は、少なくとも、前記第1平坦部の下方で液滴状に固化している、
請求項5から請求項17のいずれか一項に記載の端子。
【請求項19】
前記垂下部はさらに、前記傾斜部の下側面を伝って前記第2平坦部へ向かって流出した状態で固化している、
請求項18に記載の端子。
【請求項20】
前記締結部は、前記接合部に対して傾斜した傾斜部を有する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子。
【請求項21】
請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の端子と、
電線と、を有し、
前記電線の導体が、前記端子の前記接合部に接合されている、
端子付き電線。
【請求項22】
請求項21に記載の端子付き電線を含み、自動車に配索される
ワイヤハーネス。
【請求項23】
管状に形成され、複数の金属素線よりなる導体の外周を絶縁被覆で被覆した電線が長手方向に移動可能に貫通し、前記長手方向に交差する方向への前記電線の移動を規制する規制部と、前記規制部に連なり、前記導体が接合される接合部と、前記接合部に連なり、接続対象に締結される締結部と、を備える端子の前記規制部へ前記電線を挿入するステップと、
前記導体を前記接合部へ接合するステップと、
を備える端子付き電線の製造方法。
【請求項24】
前記規制部を前記電線の径方向に変形させるステップを有する
請求項23に記載の端子付き電線の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子、端子付き電線、端子付き電線の製造方法及びワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
かしめ片をかしめて電線を固定する端子金具として例えば特許文献1に開示された端子金具がある。この端子金具は、第一かしめ片及び第二かしめ片を有している。電線と端子金具とを接続する際には、電線から露出した導体は、第一かしめ片をかしめることによって端子金具に固定され、導体が絶縁被覆によって被覆されている部位は、第一かしめ片より後方にある第二かしめ片をかしめることにより端子金具に固定される。また、特許文献1に開示されている端子金具は、第一かしめ片を有していない構成の場合、導体が超音波溶接等によって端子金具に接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された端子金具においては、第一かしめ片及び第二かしめ片を有する構成の場合、第一かしめ片をかしめるときに第一かしめ片からの圧力によって導体が後方に伸びるため、かしめられた部分より後方にある導体及び絶縁被覆に対してかしめられた部分から力が作用し、第二かしめ片で固定された部分との間で導体及び絶縁被覆に負荷がかかり続けてしまう。また、第一かしめ片を有していない端子金具の場合、導体を溶接する設備と第二かしめ片をかしめる設備が必要になり、設備及び工数が増えることとなる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、端子への電線の接合を容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る端子は、管状に形成され、複数の金属素線よりなる導体の外周を絶縁被覆で被覆した電線が長手方向に移動可能に貫通し、前記長手方向に交差する方向への前記電線の移動を規制する規制部と、前記規制部に連なり、前記導体が接合される接合部と、前記接合部に連なり、接続対象に締結される締結部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る端子は、前記規制部の内径は、前記電線が移動可能な内径である構成としてもよい。
【0008】
本発明の一態様に係る端子は、前記規制部の内周面の少なくとも一部が前記絶縁被覆に接して前記絶縁被覆が変形する構成としてもよい。
【0009】
本発明の一態様に係る端子においては、前記締結部は、前記接合部に連なり平坦な第1平坦部と、前記第1平坦部に連なり傾斜した傾斜部と、前記傾斜部に連なり平坦な第2平坦部を有し、止水剤を内周部に有し、加熱による収縮で少なくとも前記導体が接合された前記接合部を被覆する収縮チューブと、を有し、前記止水剤は、前記収縮チューブの収縮によって前記収縮チューブの外部に押し出された押出部を有し、前記押出部は、前記止水剤が垂下した状態で固化した垂下部を有し、前記垂下部の下端の位置が前記締結部の下面の位置よりも上方に位置している構成としてもよい。
【0010】
本発明の一態様に係る端子においては、前記垂下部において固化した前記止水剤の下端部と、締結部の下側面の位置との間の上下方向の距離は、5mm以下である構成としてもよい。
【0011】
本発明の一態様に係る端子においては、前記傾斜部の高さは、6mm以下である構成としてもよい。
【0012】
本発明の一態様に係る端子においては、前記接合部から前記傾斜部までの距離は、10mm以上である、構成としてもよい。
【0013】
本発明の一態様に係る端子においては、前記止水剤の量は、前記収縮チューブの内側に留まっている前記止水剤と、前記収縮チューブの外側に押し出されて、前記押出部を形成している前記止水剤とを合わせて、前記収縮チューブの内周部に収容された状態の厚さに換算して、0.5mm以上、1.5mm以下である、構成としてもよい。
【0014】
本発明の一態様に係る端子においては、前記導体の断面積は、公称断面積で、2mm2以上である構成としてもよい。
【0015】
本発明の一態様に係る端子においては、前記導体の断面積は、公称断面積で、200mm2以下である構成としてもよい。
【0016】
本発明の一態様に係る端子においては、前記端子は、導電性を有する金属材で形成され、前記金属材の板厚は、0.5mm以上、3mm以下である構成としてもよい。
【0017】
本発明の一態様に係る端子においては、前記止水剤は、ホットメルト接着剤よりなる構成としてもよい。
【0018】
本発明の一態様に係る端子においては、前記収縮チューブは、架橋ポリオレフィンを含む構成としてもよい。
【0019】
本発明の一態様に係る端子においては、前記収縮チューブは、加熱されたときの収縮率が1%以上、30%以下である構成としてもよい。
【0020】
本発明の一態様に係る端子においては、前記端子は、表面にスズめっき層を有する構成としてもよい。
【0021】
本発明の一態様に係る端子においては、前記端子は、前記締結部を1つのみ備える構成としてもよい。
【0022】
本発明の一態様に係る端子においては、前記端子は、自動車に用いられる構成としてもよい。
【0023】
本発明の一態様に係る端子においては、前記垂下部は、少なくとも、前記第1平坦部の下方で液滴状に固化している構成としてもよい。
【0024】
本発明の一態様に係る端子においては、前記垂下部はさらに、前記傾斜部の下側面を伝って前記第2平坦部へ向かって流出した状態で固化している構成としてもよい。
【0025】
本発明の一態様に係る端子においては、前記締結部は、前記接合部に対して傾斜した傾斜部を有する構成としてもよい。
【0026】
本発明に係る端子付き電線は、上記のいずれか一つの構成の端子と、電線と、を有し、前記電線の導体が、前記端子の前記接合部に接合されている。
【0027】
本発明に係るワイヤハーネスは、上記の端子付き電線を含み、自動車に配索される。
【0028】
本発明に係る端子付き電線の製造方法は、管状に形成され、複数の金属素線よりなる導体の外周を絶縁被覆で被覆した電線が長手方向に移動可能に貫通し、前記長手方向に交差する方向への前記電線の移動を規制する規制部と、前記規制部に連なり、前記導体が接合される接合部と、前記接合部に連なり、接続対象に締結される締結部と、を備える端子の前記規制部へ前記電線を挿入するステップと、前記導体を前記接合部へ接合するステップと、を備える。
【0029】
本発明の一態様に係る端子付き電線の製造方法においては、前記規制部を前記電線の径方向に変形させるステップを有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、端子への電線の接合を容易にすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、実施形態に係る端子付き電線の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る端子の斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る端子付き電線の断面図である。
【
図4】
図4は、変形例に係る端子付き電線の斜視図である。
【
図5】
図5は、変形例に係る端子付き電線を+X方向側から見た図である。
【
図6】
図6は、熱収縮チューブで被覆された端子付き電線の斜視図である。
【
図7】
図7は、熱収縮チューブで被覆された端子付き電線の断面図である。
【
図8】
図8は、熱収縮チューブの外側にも止水層を有する端子付き電線の断面図である。
【
図10】
図10は、変形例に係る端子付き電線の斜視図である。
【
図11】
図11は、変形例に係る端子付き電線を+X方向側から見た図である。
【
図12】
図12は、変形例に係る熱収縮チューブで被覆された端子付き電線を+X方向側から見た図である。
【
図13】
図13は、変形例に係る端子付き電線の斜視図である。
【
図14】
図14は、変形例に係る端子付き電線を+X方向側から見た図である。
【
図15】
図15は、変形例に係る端子付き電線の斜視図である。
【
図16】
図16は、変形例に係る端子付き電線を+X方向側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、図中では適宜XYZ座標軸を示し、これにより方向を説明する。XYZ座標軸で示される空間においてX成分が増加する方向を+X方向といい、X成分が減少する方向を-X方向という。同様に、Y、Z成分についても、+Y方向、-Y方向、+Z方向、-Z方向と定義する。なお、Z軸方向は、鉛直方向であって、+Z方向は鉛直上向きであり、-Z方向は鉛直下向きでもある。
【0033】
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る端子付き電線1Aの斜視図であり、
図2は、本発明の実施形態に係る端子2Aの斜視図である。また、
図3は、端子付き電線1AのYZ平面に沿った断面図である。端子付き電線1Aは、端子2Aと被覆電線3とから構成される。
【0034】
被覆電線3は、導体31と、導体31を被覆する被覆部32からなる。導体31は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金製である複数の素線301が撚り合わせられた撚り線である。なお、導体31は、複数の素線301を撚り合わせたものではなく、複数の素線301を束ねたものであってもよい。導体31の公称断面積は、2mm2以上、200mm2以下であるのが好ましく、5mm2以上、17mm2以下であるのがより好ましい。
【0035】
被覆部32は、例えば、絶縁性を有するポリ塩化ビニル(PVC)や、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等、この技術の分野において通常用いられるものを選択することができる。被覆部32は、導体31の外周を被覆している。被覆電線3の先端は、被覆部32が除去されて導体31が露出しており、露出している導体31が端子2Aに接合される。
【0036】
端子2Aは、導体31に電気的及び機械的に接合される端子である。端子2Aは、銅又は銅合金からなる板材をプレス加工することにより形成される。端子2Aを形成する銅合金としては、例えば、黄銅、りん青銅、コルソン系銅合金等が挙げられるが、導体31より高い融点であることが好ましい。また、端子2Aを形成する銅合金は、導体31を形成する材料より縦弾性係数が大きい材料、即ち、導体31を形成する材料より硬い材料であるのが好ましく、例えば縦弾性係数が118GPa以上であるのが好ましい。端子2Aは、-Y方向側から+Y方向側に向かって締結部21、接合部22及びバレル部23を有している。なお、端子2Aは、表面に錫メッキ処理が施された構成であってもよい。端子2Aに錫メッキ処理を施す場合、締結部21にのみ錫メッキ処理を施し、接合部22とバレル部23には錫メッキ処理を施さない構成としてもよい。
【0037】
締結部21は、端子付き電線1Aを他の端子付き電線または電源等の端子に接続するための部分である。締結部21は、板状で-Y方向側の端部が+Z方向側から見て半円形状に形成されている。また、締結部21には、Z軸方向に貫通した穴211が-Y方向側の端部に形成されている。穴211には、端子2Aを接続相手に対して電気的及び機械的に接続するための端子ねじが挿入される。
【0038】
接合部22は、板状の底部221と、底部221の-X方向側の端部に連なりYZ平面に沿った側壁部222Aと、底部221の+X方向側の端部に連なりYZ平面に沿った側壁部222Bを有する。底部221の+Z方向側の表面は、締結部21の+Z方向側の表面に段差なく連なり、導体31の先端を位置合わせするための刻印223が形成されている。導体31は、側壁部222Aと側壁部222Bの間に収められ、底部221に接合される。側壁部222A、222BのZ軸方向の高さは、導体31の公称断面積に応じて設定される。
【0039】
バレル部23は、バレル片231Aとバレル片231Bを有する。バレル部23は、被覆電線3の移動を規制する規制部の一例である。バレル部23は、バレル片231A、231Bをプレス加工によって管状に成形した部位であり、Y軸方向に沿った空間であって+Y方向と-Y方向に開口した中空部232を有する。バレル部23の内径、即ち中空部232の直径は、被覆電線3が挿入可能な直径であり、被覆部32を破損させずに被覆電線3をY軸方向に移動させることが可能な直径であればよい。なお、中空部232の直径は、端子付き電線1Aを製造する作業者の手によって被覆電線3を挿入可能であり、被覆部32を破損させずに被覆電線3をY軸方向に移動させることが可能であれば、被覆電線3の直径より小さい直径であってもよい。バレル部23の内周面は、少なくとも一部が被覆部32に密着し、被覆部32においてバレル部23の内周面に接する部分が変形するようにしてもよい。このようにバレル部23の内周面の少なくとも一部が被覆部32に密着することにより、被覆部32に対してバレル部23の内周面が抵抗となり、中空部232に挿入された被覆電線3が中空部232から抜けるのを防ぐことができる。
【0040】
端子2Aは、予め所定の形状に切断されてXY平面に沿って展開された板材を例えばプレス加工することにより形成される。このプレス加工により板材が曲げられてYZ平面に沿うように側壁部222A、222Bが形成され、XY平面に沿って展開されていたバレル片231A及びバレル片231Bが被覆電線3の外径に応じて管状に成形され、
図2に示す形状の端子2Aが形成される。
【0041】
導体31を端子2Aに接合する際には、まず被覆電線3を+Y方向側から中空部232に挿入する。被覆電線3を中空部232に挿入する際には、導体31の先端が刻印223より-Y方向側に位置せず、導体31が露出していない被覆部32を有する部分が中空部232に収まるように挿入する。中空部232に挿入された被覆電線3がバレル部23を貫通すると、被覆電線3において導体31が露出していない部分が中空部232に収まり、被覆電線3は、被覆電線3の長手方向であるY軸方向へ移動可能であり、被覆電線3の長手方向であるY軸方向以外への移動が規制される。
【0042】
次に底部221の+Z方向側で側壁部222Aと側壁部222Bとの間に位置した導体31を、例えば超音波接合により底部221に接合する。導体31を底部221に接合するときには、被覆電線3においてバレル部23に挿入されている部分がバレル部23によってY軸方向以外への移動が規制されているため、接合するときに導体31がずれるのを抑えることができ、容易に接合を行うことができる。なお、底部221と導体31との接合は、超音波接合に限定されるものではなく、例えば抵抗溶接による接合であってもよい。
【0043】
本実施形態によれば、導体31が接合部22に接合されると導体31が+Y方向へ伸びるため、接合部22より+Y方向側にある導体31及び被覆部32に対して+Y方向にずらす力が作用する。しかしながら、バレル部23が被覆電線3に圧着されていないため、被覆電線3において接合部22より+Y方向側にある部分は、ずらす力に応じて+Y方向側へ移動し、ずらす力を逃がすことが可能となっている。このため、接合された部分より+Y方向側で導体31及び被覆部32に負荷がかかるのを抑え、被覆電線3が破損するのを防ぐことができる。また、本実施形態によれば、バレル部23をかしめて被覆電線3に圧着させないため、端子付き電線1Aを製造する際の工数や設備を少なくすることができ、端子2Aに導体31を容易に接合することができる。なお、バレル部23の内周面の少なくとも一部が被覆部32に密着している構成の場合、被覆部32が+Y方向側へ移動するのをバレル部23の内周面が抑えるが、この抑える力は、導体31が+Y方向へ伸びて導体31及び被覆部32を+Y方向にずらそうとする力より弱いため、導体31が伸びても被覆部32がバレル部23から抜けることがない。なお、導体31を底部221に接合した後、バレル部23に力を加えてバレル部23を径方向(被覆電線3の径方向)に変形させてもよい。この構成によれば、被覆電線3に対して+Y方向側の力が作用しても、導体31の接合部分に力が作用するのを抑えることができる。
【0044】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0045】
上述した実施形態においては、被覆電線3は、XZ平面に沿った断面が円形の電線であるが、被覆電線3は、XZ平面に沿った断面が矩形である偏平電線であってもよい。被覆電線3が偏平電線である場合、XZ平面に沿ったバレル部23及び中空部232の断面形状は、偏平電線の断面に対して所定のクリアランスを有する形状になるように形成される。
【0046】
上述した実施形態においては、端子2Aは、一つの締結部21を有する構成であるが、複数の締結部21を有する構成であってもよい。一つの締結部21を有する構成の場合、少ないスペースにも端子2Aを配置することができ、コストを抑えることができる。複数の締結部21を有する場合、例えば締結部21を中心に端子2Aが回転しないようにすることができる。
【0047】
上述した実施形態においては、端子2Aは、締結部21がXY平面に沿って平坦となっているが、締結部21が平坦な構成に限定されるものではない。
図4は、本発明の変形例に係る端子付き電線1Bの斜視図であり、
図5は、端子付き電線1Bを+X方向側から見た図である。端子付き電線1Bは、端子2Bと被覆電線3とで構成される。端子2Bは、-Y方向側から+Y方向側に向かって締結部21B、接合部22及びバレル部23を有している。締結部21Bは、Z軸方向に段差がある点で締結部21と相違する。締結部21Bは、+Y方向側から-Y方向側に向かって第1平坦部202、傾斜部203及び第2平坦部204を有する。
【0048】
第1平坦部202は、板状であり、+Z方向側の表面が底部221の+Z方向側の表面に段差なく連なっている。傾斜部203は、第1平坦部202に連なり、+Y方向側から-Y方向側に向かって-Z方向側に傾斜している。第2平坦部204は、傾斜部203に連なり、板状で-Y方向側の端部が+Z方向側から見て半円形状に形成されている。また、第2平坦部204においては、穴211が-Y方向側の端部に形成されている。
【0049】
傾斜部203の高さ、即ち、第1平坦部202の-Z方向側の面と第2平坦部204の-Z方向側の面との段差Dは、6mm以下であるのが好ましい。段差Dを6mm以下とすることにより、端子2Bのサイズが大きくなることなく、端子2Bの形成に要する材料のコストを抑え、少ないスペースにも端子2Bを配置することができる。なお、第1平坦部202を備えず傾斜部203が底部221に連なる構成であってもよい。また、傾斜部203を備えず、第2平坦部204が傾斜して第1平坦部202又は接合部22に連なる構成であってもよい。また、端子2Aにおいて、締結部21が傾斜部203のように傾斜して接合部22に連なる構成であってもよい。
【0050】
また、本発明においては、端子付き電線1Bのバレル部23から第1平坦部202までを熱収縮チューブで被覆した構成としてもよい。
図6は、バレル部23から第1平坦部202まで熱収縮チューブ4で被覆された端子付き電線1Bの斜視図であり、
図7は、熱収縮チューブ4で被覆された端子付き電線1BのYZ平面に沿った断面図である。
【0051】
熱収縮チューブ4は、熱が加えられることにより収縮する管状のチューブである。熱収縮チューブ4は、例えば架橋ポリオレフィンを含むポリマー材料がからなり、絶縁、防水、防食、耐熱などの性能を有する。熱収縮チューブ4の収縮率は、1%以上、30%以下であるのが好ましい。熱収縮チューブ4は、少なくともバレル部23、接合部22及び第1平坦部202を被覆する。
【0052】
熱収縮チューブ4の内面より内側には、水の侵入を防ぐ止水層5が形成されている。止水層5は、例えば止水剤の一例であるホットメルト接着剤を加熱して溶融させた後、冷却して固化させることにより形成される。止水剤は、素線301の隙間に浸透する構成であってもよい。熱収縮チューブ4の収縮率が1%以上、30%以下の場合には、熱収縮チューブ4を加熱して収縮させるときに止水剤を介して熱収縮チューブ4を接合部22、導体31及び被覆部32に密着させて止水層5を形成することができ、熱収縮チューブ4及び止水層5により、端子2B及び被覆電線3を保護することができる。また、熱収縮チューブ4の収縮率が1%以上、30%以下の場合、熱収縮チューブ4が収縮したときに止水剤を熱収縮チューブ4の外側に過剰に押し出すのを抑えることができる。
【0053】
なお、止水層5は、熱収縮チューブ4の外側にも形成される構成であってもよい。
図8は、止水層5が熱収縮チューブ4の外側にも形成された端子付き電線1BのYZ平面に沿った断面図である。この構成においては、熱収縮チューブ4が収縮したときに止水剤が-Y方向側に押し出されて垂下し、熱収縮チューブ4の-Y方向側の端より-Y方向側で傾斜部203の-Z方向側の面側(下面側)と傾斜部203の+Z方向側の面側(下面側)とに止水層5が形成されている。傾斜部203の-Z方向側の面側に形成される止水層5は、熱収縮チューブ4から押し出された止水剤が垂下し、傾斜部203の-Z方向側の面を伝って流れた状態で固化したものである。第1平坦部202の-Z方向側の面から傾斜部203の-Z方向側の面側に形成された止水層5の-Z方向側の端までのZ軸方向の距離は、5mm以下であるのが好ましい。なお、熱収縮チューブ4の-Y方向側の端が第1平坦部202の+Y方向側の端までを覆う構成の場合、第1平坦部202の-Z方向側の面上において止水剤が液滴状に固化して止水層5が形成された構成であってもよい。
【0054】
また、熱収縮チューブ4は、例えば予め熱収縮チューブ4と同心円状にして熱収縮チューブ4の内周面に止水剤を層状に有する構成としてもよい。この場合、止水剤の層を構成する止水剤の量が、収縮後の熱収縮チューブ4の内周面に層状に収容された状態の厚さに換算して0.5mm以上、1.5mm以下であることが好ましい。ここで、止水剤の量は、熱収縮チューブ4を収縮させた後に、熱収縮チューブ4の内側に留まっている止水剤と、熱収縮チューブ4の外側に押し出されて、熱収縮チューブ4の外で止水層5を形成している止水剤とを合わせて、熱収縮チューブ4の内周面に層状に配置した状態での厚さに換算したものである。止水剤の量を、この換算値で、0.5mm以上、より好ましくは、0.7mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上、一層好ましくは1.2mm以上としておけば、被覆電線3に対して十分な止水性能を示す止水層5を形成しやすくなる。一方、止水剤の量を、この換算値で、1.5mm以下としておけば、熱収縮時に熱収縮チューブ4から押し出されて熱収縮チューブ4の外で止水層5となる止水剤の量を少なく抑えることができる。
【0055】
また、接合部22から傾斜部203までの距離は、10mm以上であるのが好ましい。接合部22から傾斜部203までの距離が確保されることで、導体31の-Y方向側の先端部を、被覆層および止水剤の層で十分に被覆し、電線に対して高い止水性能を示すことができる。なお、接合部22から傾斜部203までの距離は、被覆層及び止水剤によっては10mm未満であってもよい。
【0056】
また、熱収縮チューブ4で被覆される端子2Bの板厚は、導体31を端子2Bに圧着する場合には、0.5mm以上、3.0mm以下であるのが好ましく、導体31を接合部22に超音波接合する場合には、0.5mm以上、10mm以下が好ましい。この構成によれば、段差Dがある場合に、熱収縮チューブ4から押し出されて熱収縮チューブ4の外側に形成された止水層5によって端子2Bの座面が浮くのを抑制することができ、導体31の先端部を十分な量の止水剤で被覆させ、止水性能を高めやすくなる。
【0057】
また、熱収縮チューブ4を有する端子付き電線1Bにおいて導体31の公称断面積は、2mm2以上、200mm2以下であれば、熱収縮チューブ4から押し出されて熱収縮チューブ4の外側に形成された止水層5によって端子2Aの座面が浮くのを抑制することができ、導体31の先端部を十分な量の止水剤で被覆させ、止水性能を高めやすくなる。
【0058】
上述した実施形態においては、導体31が超音波接合や抵抗溶接によって接合部22に接合される構成であるが、圧着によって接続する構成であってもよい。
図9は、本発明の変形例に係る端子2Cの斜視図である。端子2Cは、接合部22に替えて接合部22Cを有する点で端子2Aと相違する。接合部22Cは、XZ平面に沿った断面が-Z方向側に凸であり+Z方向側に開口した形状であって、-X方向側に圧着片224Aを有し、+X方向側に圧着片224Bを有する。接合部22Cの内面には、複数のセレーション225が形成されている。本変形例においては、セレーション225の本数は3本であるが、本数は3本に限定されるものではない。
【0059】
導体31を端子2Cに接続する際には、まず被覆電線3を+Y方向側からバレル部23(
図1に示す中空部232)に挿入する。被覆電線3をバレル部23に挿入する際には、導体31の先端が締結部21より-Y方向側に位置せず、導体31が露出していない被覆部32を有する部分がバレル部23に収まるように挿入する。次に圧着片224Aと圧着片224Bをかしめ、圧着片224A、224Bを導体31に圧着する。圧着片224A、224Bを導体31に圧着するときには、被覆電線3においてバレル部23に挿入されている部分がバレル部23によってY軸方向以外への移動が規制されているため、圧着するときに導体31がずれるのを抑えることができる。
【0060】
上述した端子付き電線1A、1B又は端子2Cが圧着された電線と、例えば他の端子付き電線とを複数束ねることによりワイヤハーネスを形成してもよい。このワイヤハーネスは、例えば自動車に配索される。
【0061】
図10は、本発明の変形例に係る端子付き電線1Cの斜視図であり、
図11は、端子付き電線1Cを+X方向側から見た図である。なお、実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、実施形態との相違点について説明する。
【0062】
端子付き電線1Cは、端子2Dと被覆電線3とで構成される。端子2Dは、-Y方向側から+Y方向側に向かって締結部21C、接合部22及びバレル部23を有している。締結部21Cは、+Y方向側から-Y方向側に向かって第1平坦部202及び第3平坦部204Aを有する。第3平坦部204Aは、第1平坦部202に連なり、+X方向側から見てXY平面に対して傾斜している。+X方向側から見てXY平面に対して第3平坦部204Aがなす角度θは、例えば10度である。即ち、第3平坦部204Aは、接合部22に対して傾斜している。なお、
図10及び
図11においては、バレル部23に力を加えてバレル部23を径方向に変形させた状態を示している。
【0063】
第3平坦部204Aは、板状で-Y方向側の端部が+Z方向側から見て半円形状に形成されている。また、第3平坦部204Aにおいては、穴211が-Y方向側の端部に形成されている。なお、端子2Dは、第1平坦部202を備えず第3平坦部204Aが底部221に連なる構成であってもよい。
【0064】
例えば、熱収縮チューブ4で被覆された端子付き電線1Aを締結する場合、
図12(a)に示すように、熱収縮チューブ4において接合部22より-Z方向側を被覆する部分が締結部21の締結先である被締結部BXに接し、締結部21が浮いた状態で端子ねじにより締結を行うこととなる。
【0065】
一方、端子2Dは、第1平坦部202に対して第3平坦部204Aが傾斜しているため、
図12(b)に示すように、熱収縮チューブ4において接合部22より-Z方向側を被覆する部分が被締結部BXに接しないため、締結部21Cを浮かせることなく端子ねじにより締結を行うことができる。
【0066】
図13は、本発明の他の変形例に係る端子付き電線1Dの斜視図であり、
図14は、端子付き電線1Dを+X方向側から見た図である。なお、実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、実施形態との相違点について説明する。
【0067】
端子付き電線1Dは、端子2Eと被覆電線3とで構成される。端子2Eは、-Y方向側から+Y方向側に向かって締結部21D、接合部22及びバレル部23を有している。締結部21Dは、+Y方向側から-Y方向側に向かって第1平坦部202及び第4平坦部204Bを有する。第4平坦部204Bは、第1平坦部202に連なり、+X方向側から見てXY平面に対して傾斜している。+X方向側から見てXY平面に対して第4平坦部204Bがなす角度θは、例えば90度である。即ち、第4平坦部204Bは、第1平坦部202に連なり、接合部22に対して傾斜し、XZ平面に沿っている。なお、
図13及び
図14においては、バレル部23に力を加えてバレル部23を径方向に変形させた状態を示している。
【0068】
第4平坦部204Bは、板状で+Z方向側の端部が+Y方向側から見て半円形状に形成されている。また、第4平坦部204Bにおいては、穴211が+Z方向側の端部に形成されている。なお、端子2Eは、第1平坦部202を備えず第4平坦部204Bが底部221に連なる構成であってもよい。
【0069】
図15は、本発明の他の変形例に係る端子付き電線1Eの斜視図であり、
図16は、端子付き電線1Eを+X方向側から見た図である。なお、実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、実施形態との相違点について説明する。
【0070】
端子付き電線1Eは、端子2Fと被覆電線3とで構成される。端子2Fは、-Y方向側から+Y方向側に向かって締結部21E、接合部22及びバレル部23を有している。締結部21Eは、+Y方向側から-Y方向側に向かって第1平坦部202及び第5平坦部204Cを有する。第5平坦部204Cは、第1平坦部202に連なり、+X方向側から見てXY平面に対して傾斜している。+X方向側から見てXY平面に対して第5平坦部204Cがなす角度θは、例えば-90度である。即ち、第5平坦部204Cは、第1平坦部202に連なり、接合部22に対して傾斜し、XZ平面に沿っている。なお、
図15及び
図16においては、バレル部23に力を加えてバレル部23を径方向に変形させた状態を示している。
【0071】
第5平坦部204Cは、板状で-Z方向側の端部が+Y方向側から見て半円形状に形成されている。また、第5平坦部204Cにおいては、穴211が-Z方向側の端部に形成されている。なお、端子2Fは、第1平坦部202を備えず第5平坦部204Cが底部221に連なる構成であってもよい。
【0072】
なお、上述した角度θは、端子2Dでは10度であり、端子2Eでは90度であり、端子2Fでは-90度であるが、これらの角度に限定されるものではなく、端子ねじを穴211に通して第3平坦部204A、第4平坦部204B、第5平坦部204Cを締結できる角度であれば他の角度であってもよい。また、締結部21、21B、21C、21D、21Eの-Y方向側の端部の形状は、+Z方向側から見て半円形状に限定されるものではなく、端子ねじを穴211に通して第2平坦部204、第3平坦部204A、第4平坦部204B、第5平坦部204Cを締結できる形状であれば、例えば多角形の形状等、他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1A、1B、1C、1D、1E 端子付き電線
2A、2B、2C、2D、2E、2F 端子
3 被覆電線
4 熱収縮チューブ
5 止水層
21、21B、21C、21D、21E 締結部
22、22C 接合部
23 バレル部
31 導体
32 被覆部
202 第1平坦部
203 傾斜部
204 第2平坦部
204A 第3平坦部
204B 第4平坦部
204C 第5平坦部
211 穴
221 底部
222A、222B 側壁部
223 刻印
224A、224B 圧着片
225 セレーション
231A、231B バレル片
232 中空部
301 素線
BX 被締結部