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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152119
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/213 20140101AFI20221004BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20221004BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20221004BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20221004BHJP
   A63F 13/285 20140101ALI20221004BHJP
【FI】
A63F13/213
A63F13/52
A63F13/79
A63F13/54
A63F13/285
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054768
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】松本 惇
(57)【要約】
【課題】ホラーゲームにおいて、より効果的な恐怖演出を行うことが可能なゲームシステム等を提供すること。
【解決手段】ゲームシステムは、プレーヤ端末に対するプレーヤの操作に基づいてホラーゲームのゲーム処理を行うゲーム処理部と、ホラーゲームにおける恐怖演出を制御する演出制御部と、プレーヤ端末に備わるセンサ部の出力から算出された光量のパラメータに基づいて、プレーヤのゲームのプレイ環境が所与の条件を満たすか否かを判定するプレイ環境判定部とを含み、演出制御部は、プレイ環境判定部の判定結果に基づいて恐怖演出を制御する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の光量を検出するセンサ部を備えたプレーヤ端末に対するプレーヤの操作に基づいてホラーゲームのゲーム処理を行うゲームシステムであって、
前記プレーヤ端末に対するプレーヤの操作に基づいて前記ゲーム処理を行うゲーム処理部と、
前記ホラーゲームにおける恐怖演出を制御する演出制御部と、
前記センサ部の出力から算出された光量のパラメータに基づいて、プレーヤのゲームのプレイ環境が所与の条件を満たすか否かを判定するプレイ環境判定部とを含み、
前記演出制御部は、
前記プレイ環境判定部の判定結果に基づいて、前記恐怖演出を制御することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記恐怖演出は、ゲーム画面の出力方法を変化させる演出であることを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記恐怖演出は、前記ホラーゲームにおいて発生するゲームイベントを変更する演出であることを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記プレイ環境判定部は、
算出された前記パラメータが一定の値以下である場合に、前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすと判定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記プレイ環境判定部は、
前記センサ部の所与の期間の出力から算出された前記パラメータに基づいて、前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすか否かを判定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記プレイ環境判定部は、
記憶部に記憶された、プレーヤの過去の前記プレイ環境に応じて更新される基準値と、算出された前記パラメータとを比較し、比較結果に基づいて、前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすか否かを判定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項において、
前記演出制御部は、
算出された前記パラメータの大きさに応じて前記恐怖演出を制御することを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項において、
前記恐怖演出は、前記プレーヤ端末に備わる音出力部から出力される音の大きさ、音質又は種類を変更する演出であることを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項において、
前記恐怖演出は、前記プレーヤ端末に備わる音出力部から出力される音を追加する演出であることを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項において、
前記恐怖演出は、前記プレーヤ端末に備わる振動発生部で発生させる振動の大きさ又は種類を変更する演出であることを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項において、
前記演出制御部は、
前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすと判定された場合に、第1モードから、前記第1モードよりも前記恐怖演出の程度が高い第2モードに切り替える制御を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
請求項11において、
前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすと判定された場合に、前記第1モードでプレイ中のプレーヤに対して前記第2モードに切り替え可能である旨を通知する通知部を更に含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
請求項12において、
前記演出制御部は、
前記通知部による通知を受けたプレーヤによる前記第2モードへの切り替えを指示する操作に基づいて、前記第1モードから前記第2モードに切り替えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれか1項において、
前記演出制御部は、
プレーヤによる事前設定に基づいて、前記第1モードから前記第2モードへの切り替えを無効にすることを特徴とするゲームシステム。
【請求項15】
請求項11乃至14のいずれか1項において、
前記演出制御部は、
プレーヤによる前記第1モードへの切り替えを指示する操作に基づいて、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項16】
周囲の光量を検出するセンサ部を備えたプレーヤ端末に対するプレーヤの操作に基づいてホラーゲームのゲーム処理を行うサーバ装置であって、
前記プレーヤ端末に対するプレーヤの操作に基づいて前記ゲーム処理を行うゲーム処理部と、
前記ホラーゲームにおける恐怖演出を制御する演出制御部と、
前記センサ部の出力から算出された光量のパラメータに基づいて、プレーヤのゲームのプレイ環境が所与の条件を満たすか否かを判定するプレイ環境判定部とを含み、
前記演出制御部は、
前記プレイ環境判定部の判定結果に基づいて、前記恐怖演出を制御することを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム(ホラーゲーム)中のシーンにおけるプレーヤの動揺度合を算出し、算出した動揺度合いに応じて恐怖演出のイベントを発生させるゲームシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-226319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のホラーゲームでは、プレーヤのゲームプレイ環境に応じた恐怖演出の制御は行われていなかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ホラーゲームにおいて、より効果的な恐怖演出を行うことが可能なゲームシステム及びサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、周囲の光量を検出するセンサ部を備えたプレーヤ端末に対するプレーヤの操作に基づいてホラーゲームのゲーム処理を行うゲームシステムであって、前記プレーヤ端末に対するプレーヤの操作に基づいて前記ゲーム処理を行うゲーム処理部と、前記ホラーゲームにおける恐怖演出を制御する演出制御部と、前記センサ部の出力から算出された光量のパラメータに基づいて、プレーヤのゲームのプレイ環境が所与の条件を満たすか否かを判定するプレイ環境判定部とを含み、前記演出制御部は、前記プレイ環境判定部の判定結果に基づいて、前記恐怖演出を制御することを特徴とするゲームシステムに関する。また本発明は、上記各部を含むサーバ装置に関する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記プログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。
【0007】
本発明によれば、プレーヤ端末に備わるセンサ部で周囲の光量を測定してプレーヤのゲームのプレイ環境を判定し、判定結果に基づき恐怖演出を制御することで、プレーヤのゲームプレイ環境に応じた効果的な恐怖演出を行うことができる。
【0008】
(2)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記恐怖演出は、ゲーム画面の出力方法を変化させる演出であってもよい。
【0009】
(3)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記恐怖演出は、前記ホラーゲームにおいて発生するゲームイベントを変更する演出であってもよい。
【0010】
(4)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記プレイ環境判定部は、算出された前記パラメータが一定の値以下である場合に、前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすと判定してもよい。
【0011】
(5)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記プレイ環境判定部は、前記センサ部の所与の期間の出力から算出された前記パラメータに基づいて、前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0012】
本発明によれば、光量の瞬間的な変化による影響を緩和して、ゲームプレイ環境を適切に判定することができる。
【0013】
(6)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記プレイ環境判定部は、記憶部に記憶された、プレーヤの過去の前記プレイ環境に応じて更新される基準値と、算出された前記パラメータとを比較し、比較結果に基づいて、前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0014】
本発明によれば、プレーヤの普段のゲームプレイ環境と現在のゲームプレイ環境との差に応じて適切に恐怖演出を制御することができる。
【0015】
(7)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記演出制御部は、算出された前記パラメータの大きさに応じて前記恐怖演出を制御してもよい。
【0016】
(8)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記恐怖演出は、前記プレーヤ端末に備わる音出力部から出力される音の大きさ、音質又は種類を変更する演出であってもよい。
【0017】
(9)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記恐怖演出は、前記プレーヤ端末に備わる音出力部から出力される音を追加する演出であってもよい。
【0018】
(10)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記恐怖演出は、前記プレーヤ端末に備わる振動発生部で発生させる振動の大きさ又は種類を変更する演出であってもよい。
【0019】
(11)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記演出制御部は、前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすと判定された場合に、第1モードから、前記第1モードよりも前記恐怖演出の程度が高い第2モードに切り替える制御を行ってもよい。
【0020】
(12)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記プレイ環境が前記所与の条件を満たすと判定された場合に、前記第1モードでプレイ中のプレーヤに対して前記第2モードに切り替え可能である旨を通知する通知部を更に含んでも(通知部として更にコンピュータを機能させても)よい。
【0021】
本発明によれば、不意打ち的に恐怖演出の程度が高い第2モードに切り替わることを防ぎ、プレーヤに心の準備期間を与えることができる。
【0022】
(13)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記演出制御部は、前記通知部による通知を受けたプレーヤによる前記第2モードへの切り替えを指示する操作に基づいて、前記第1モードから前記第2モードに切り替えてもよい。
【0023】
本発明によれば、プレーヤが第2モードへの切り替えを選択することができるようになる。
【0024】
(14)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記演出制御部は、プレーヤによる事前設定に基づいて、前記第1モードから前記第2モードへの切り替えを無効にしてもよい。
【0025】
本発明によれば、恐怖演出の程度が高くなることを望まないプレーヤが第2モードへの切り替えを回避することができるようになる。
【0026】
(15)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記演出制御部は、プレーヤによる前記第1モードへの切り替えを指示する操作に基づいて、前記第2モードから前記第1モードに切り替えてもよい。
【0027】
本発明によれば、プレーヤが第1モードへの切り替えを任意に選択することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施形態のゲームシステムを示す図。
図2】本実施形態の端末の機能ブロック図の一例を示す図。
図3】第1モードにおけるゲーム画面の一例を示す図。
図4】第2モードにおけるゲーム画面の一例を示す図。
図5】本実施形態のゲームシステムの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0030】
1.構成
図1は、本実施形態のゲームシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10(プレーヤ端末)とサーバ20(サーバ装置)とによって構成される。つまり、図1に示すように、本実施形態のゲームシステムは、サービスを提供するサーバ20と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0031】
サーバ20は、端末10からの要求に応じてオンラインゲームサービスを提供する情報処理装置である。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、マッチングサーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
【0032】
本実施形態では、プレーヤの端末10においてゲームが実行され、サーバ20では、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム媒体(キャラクタ、アイテム等)、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報が管理される。
【0033】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0034】
図2に、本実施形態の端末10の機能ブロックの一例を示す。なお本実施形態の端末は図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0035】
入力部150は、プレーヤからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、プレーヤの入力情報(操作情報)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
【0036】
センサ部160は、端末10の周囲の光量を検出するセンサ(輝度センサ、照度センサ、環境光センサ)であり、検出信号を処理部100に出力する。
【0037】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0038】
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのディスプレイにより実現できる。
【0039】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0040】
振動発生部194は、処理部100からの制御信号に基づいて振動を発生する振動源であり、その機能は、振動モータなどにより実現できる。
【0041】
通信部196はサーバ20や他の端末10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0042】
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0043】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作情報)、センサ部160からの検出信号、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲームを進行させる処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。端末10の処理部100は、ゲーム処理部110、演出制御部112、プレイ環境判定部114、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0044】
ゲーム処理部110は、入力部150からの操作情報(プレーヤの操作)に基づいて、ホラーゲームを進行させるゲーム処理を実行する。
【0045】
演出制御部112は、ホラーゲームにおける恐怖演出(プレーヤに恐怖を感じさせるための演出)を制御する。恐怖演出は、ゲーム画面の出力方法(ゲーム画面の明度やコントラスト、色相、彩度、ゲーム画面に適用するフィルタ等)を変化させる演出であってもよいし、ホラーゲームにおいて発生するゲームイベントを変更する(追加する、削除する)演出であってもよい。また、恐怖演出は、音出力部192から出力される音の大きさや音
質、種類を変更する演出であってもよいし、音出力部192から出力される音を追加する演出であってもよい。また、恐怖演出は、振動発生部194で発生させる振動の大きさや種類を変更する演出であってもよい。
【0046】
プレイ環境判定部114は、センサ部160の出力(検出信号)から算出されたパラメータ(光量パラメータ)に基づいて、プレーヤのゲームのプレイ環境が所与の条件を満たすか否かを判定する。例えば、プレイ環境判定部114は、算出された光量パラメータが一定の値以下である場合に、プレイ環境が所与の条件を満たすと判定してもよい。また、プレーヤの過去のプレイ環境に応じて更新される基準値(光量パラメータの基準値)を記憶部170に記憶しておき、プレイ環境判定部114は、算出された光量パラメータと当該基準値とを比較し、比較結果に基づいてプレイ環境が所与の条件を満たすか否かを判定する(例えば、算出された光量パラメータが当該基準値以下である場合に、プレイ環境が所与の条件を満たすと判定する)ようにしてもよい。また、プレイ環境判定部114は、所与の期間にセンサ部160から取得した複数の検出信号に基づき算出された光量パラメータに基づいて上記判定を行ってもよい。
【0047】
演出制御部112は、プレイ環境判定部114の判定結果に基づいて恐怖演出を制御する。例えば、演出制御部112は、プレイ環境が所与の条件を満たすと判定された場合に、恐怖演出のモードを、第1モードから、第1モードよりも恐怖演出の程度が高い第2モードに切り替える制御を行ってもよい。また、演出制御部112は、算出された光量パラメータの大きさに応じて恐怖演出を制御し、算出された光量パラメータが小さいほど恐怖演出の程度が高くなるように制御してもよい。
【0048】
処理部100は、通知部116を更に含んでもよい。通知部116は、プレイ環境が所与の条件を満たすと判定された場合に、第1モードでプレイ中のプレーヤに対して第2モードに切り替え可能である旨を通知する(当該通知に係る通知画像を表示部190に表示させる、当該通知に係る通知音を音出力部192に出力する)。この場合、演出制御部112は、通知部116による通知を受けたプレーヤによる第2モードへの切り替えを指示する操作に基づいて、第1モードから第2モードに切り替えてもよい。また、演出制御部112は、プレーヤによる事前設定に基づいて、第1モードから第2モードへの切り替えを無効にする(プレイ環境が所与の条件を満たすと判定されても、第2モードに切り替えない、第2モードに切り替え可能である旨の通知を行わない)。また、演出制御部112は、第2モードでプレイ中のプレーヤによる第1モードへの切り替えを指示する操作に基づいて、第2モードから第1モードに切り替えてもよい。
【0049】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、オブジェクト空間(ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成してもよい。
【0050】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0051】
また、本実施形態のゲームシステムをサーバシステムとして構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバシステムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ)に基づいて、処理部100の各部の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成
用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。また、処理部100の各部の処理を、サーバと端末で分散して実行するようにゲームシステムを構成してもよい。
【0052】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。本実施形態のゲームシステムは、端末10においてホラーゲームを実行する。例えば、仮想空間内にプレーヤキャラクタを配置し、プレーヤの操作に基づいて仮想空間におけるプレーヤキャラクタの移動・動作を制御する。仮想空間内の仮想カメラはプレーヤキャラクタに同期して移動し、ゲーム画面には、プレーヤキャラクタの視点から見た画像が表示される。また、ゲームの進行に応じて、敵キャラクタ(幽霊キャラクタ、ゾンビキャラクタ等)が視界に出現するゲームイベントや、叫び声や不気味な音が聞こえたり、端末10が振動したりする等のゲームイベントが発生する。ホラーゲームは、プレーヤに恐怖を感じさせやすい画面構成となっており、ゲーム画面が全体的に暗く(ゲーム画面を構成する画素の平均輝度が低い)、ゲーム画面を構成する色数が少なく黒色の比率が高い。
【0053】
本実施形態のゲームシステムでは、端末10に備わるセンサ部160で周囲の光量を測定してプレーヤのゲームプレイ環境(明るい環境でプレイしているか暗い環境でプレイしているか)を判定し、プレーヤが暗い環境でゲームをプレイしている場合、プレーヤがより恐怖を感じ易くなるように、ホラーゲームにおける恐怖演出を制御する。
【0054】
具体的には、恐怖演出のモードとして、第1モードと、第1モードよりも恐怖演出の程度が高い第2モードを設け、センサ部160の出力から算出される光量パラメータが基準値以下となった場合に、プレイ環境が所与の条件を満たす(暗い環境である)として、恐怖演出のモードを第1モードから第2モードに切り替える。このとき、センサ部160の所定期間(現時点から所定時間遡った時間内)の出力(例えば、複数の出力値から外れ値を除いた平均)に基づいて光量パラメータを算出してもよい。これにより、センサ部160がプレーヤの手で覆われる等により検出される光量が瞬間的に変化することでプレイ環境を適切に判定できないといったことを防止することができる。また、光量パラメータと比較される基準値は、予め定められた値であってもよいし、プレーヤの過去の(普段の)プレイ環境に応じて更新される値であってもよい。後者の場合、プレーヤの普段のプレイ環境が暗い環境であるほど基準値が小さくなるようにしてもよい。例えば、センサ部160の出力から定期的に光量パラメータを算出し、算出した光量パラメータが現在の基準値よりも大きい場合には基準値を大きくし、算出した光量パラメータが現在の基準値よりも小さい場合には基準値を小さくするようにしてもよい。
【0055】
恐怖演出の制御としては、ゲーム画面の出力方法(ゲーム画面の明度やコントラスト、彩度、色相、ゲーム画面に適用するフィルタ)を変化させる制御を行うようにしてもよい。例えば、第2モードでは、第1モードよりも、ゲーム画面の明度が低く且つコントラストが高くなるように制御してもよいし、ゲーム画面の彩度が低くなるように制御してもよいし、ゲーム画面の色相が青色又は緑色がかった色相となるように制御してもよい。また、第2モードでは、ゲーム画面に所定のフィルタ(例えば、ノイズを加えるフィルタ、映像を乱れさせるフィルタ等)を適用する制御を行ったり、第1モードで適用するフィルタよりも強い(効果の高い)フィルタを適用する制御を行うようにしてもよい。
【0056】
図3に、第1モードにおけるゲーム画面の一例を示し、図4は、第2モードにおけるゲーム画面の一例を示す。図3に示すように、第1モードにおけるゲーム画面GIでは、恐怖演出として、画面の周辺部の明度を低くしている。また、図4に示すように、第2モー
ドにおけるゲーム画面GIでは、第1モードにおけるゲーム画面GIの明度を全体的に低くするとともにコントラストを高くすることで、画面中央部の明度の高い領域がより狭くなる(画面周辺部の明度の低い領域がより広くなる)ようにしている。これにより、プレーヤに、ゲーム内における状況を第1モードよりも把握させ難くし、第1モードよりも不安を感じさせるようにしている。
【0057】
また、恐怖演出の制御として、ゲームにおいて発生するゲームイベントを変更する制御を行ってもよい。例えば、第2モードにおいて、第1モードでは出現しない幽霊キャラクタを出現させるようにしてもよい。また、第2モードにおいて、第1モードでは通れていたルートが通れなくなるようにしてもよいし、第1モードでは使用できたアイテムが使用できなくなるようにしてもよい。また、第2モードで出現する幽霊キャラクタのヒットポイント(体力値)を、第1モードで出現する幽霊キャラクタのヒットポイントよりも大きくしたり、第2モードで出現する幽霊キャラクタの移動速度を、第1モードで出現する幽霊キャラクタの移動速度よりも大きくしたり、第2モードで出現する幽霊キャラクタにマッピングされるテクスチャを、第1モードで出現する幽霊キャラクタにマッピングされるテクスチャよりもリアルなものにしたりしてもよい。
【0058】
また、恐怖演出の制御として、ゲームにおいて再生される音の大きさや音質、種類を変更する制御や、ゲームにおいて再生される音を追加する制御を行ってもよい。例えば、第2モードにおいて聞こえる音の音量を、第1モードにおいて聞こえる音よりも大きくしたり、第2モードにおいて聞こえる音を、第1モードにおいて聞こえる音よりも生々しい音(例えば、よりリアルな声)にしたりしてもよい。また、第2モードにおいて、第1モードで聞こえる音にエコーやノイズエフェクトといった音響効果を適用して音質を変えた音が聞こえるようにしたり、第1モードでは聞こえない音(例えば、虫が動き回る音などの不快な音)が聞こえるようにしたりしてもよい。
【0059】
また、恐怖演出の制御として、ゲームにおいて発生させる振動の大きさ(振幅)や種類(振動パターン等)を変更する制御を行ってもよい。例えば、第2モードにおいて発生する振動を、第1モードにおいて発生する振動よりも大きくするようにしてもよい。また、第2モードにおいて、第1モードで発生する振動とは異なる周期の振動を発生させたり、第1モードでは発生しない不規則な振動や波のような振動を発生させたりしてもよい。
【0060】
また、算出される光量パラメータの大きさに応じて恐怖演出を制御し、算出される光量パラメータが小さいほど、恐怖演出の程度が高くなるように制御してもよい。例えば、算出される光量パラメータが小さいほど、ゲーム画面の明度が低く、コントラストが高く、彩度が低くなるようにしたり、出現する幽霊キャラクタの数が多くなるようにしたり、通れなくなるルートの数や使用できなくなるアイテムの数が多くなるようにしたり、幽霊キャラクタのヒットポイントや移動速度が大きくなるようにしたり、聞こえる音の音量や適用される音響効果の程度が大きくなるようにしたり、聞こえる音の数や種類が多くなるようにしたり、発生する振動が大きくなるようにしたり、発生する振動の回数や種類が多くなるようにしてもよい。
【0061】
第1モードにおいてプレイ環境が所与の条件を満たすと判定された場合に、無条件で第1モードに切り替えるのではなく、第1モードでプレイ中のプレーヤのゲーム画面に、第2モードに切り替え可能である旨を表示(例えば、ポップアップ表示)し、当該プレーヤが当該ゲーム画面において所定の操作(第2モードへの切り替えを指示する操作)を行った場合に、第1モードから第2モードに切り替えるようにしてもよい。このようにすると、不意打ち的に恐怖演出の程度が高い第2モードに切り替わることを防ぎ、プレーヤに心の準備期間を与えることができる。また、第1モードから第2モードへの切り替えを無効する設定を用意しておき、プレーヤが事前に当該設定を行っていた場合には、プレイ環境
が所与の条件を満たすと判定されたとしても、第2モードへの切り替え(及び、第2モードに切り替え可能である旨の通知)を行わないようにしてもよい。このようにすると、恐怖演出の程度が高くなることを望まないプレーヤが第2モードへの切り替えを回避することができるようになる。また、第2モードでプレイ中のプレーヤがゲーム画面において所定の操作(第1モードへの切り替えを指示する操作)を行った場合に、第2モードから第1モードに切り替えるようにしてもよい。
【0062】
本実施形態のゲームシステムによれば、端末10に備わるセンサ部160で周囲の光量を測定してプレーヤのゲームプレイ環境を判定し、判定結果に基づき恐怖演出を制御する(プレーヤが暗い環境でゲームをプレイしている場合、恐怖演出の程度を高くする)ことで、プレーヤのゲームプレイ環境に応じた効果的な恐怖演出を行うことができる。
【0063】
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステム(端末10)の処理の一例について図5のフローチャートを用いて説明する。
【0064】
まず、ゲーム処理部110は、プレーヤの操作に基づいてホラーゲームのゲーム処理を実行する(ステップS10)。このとき、演出制御部112は、現在の恐怖演出のモードに基づいてホラーゲームにおける恐怖演出を制御する。次に、プレイ環境判定部114は、センサ部160の出力から光量パラメータを算出し(ステップS11)、算出した光量パラメータが基準値以下である(プレイ環境が所定の条件を満たす)か否かを判断する(ステップS12)。
【0065】
算出した光量パラメータが基準値以下である場合(ステップS12のY)には、演出制御部112は、現在の恐怖演出のモードが第1モードであるか否かを判断する(ステップS13)。現在のモードが第1モードである場合(ステップS13のY)には、通知部116は、第2モードに切り替え可能である旨をプレーヤに通知する(ステップS14)。次に、演出制御部112は、プレーヤによる第2モードへの切り替えを指示する操作があったか否かを判断し(ステップS15)、当該操作があった場合(ステップS15のY)には、恐怖演出のモードを第1モードから第2モードに切り替える(ステップS16)。
【0066】
次に、演出制御部112は、プレーヤ(第2モードでプレイ中のプレーヤ)による第1モードへの切り替えを指示する操作があったか否かを判断し(ステップS17)、当該操作があった場合(ステップS17のY)には、恐怖演出のモードを第2モードから第1モードに切り替える(ステップS18)。次に、ゲーム処理部110は、ゲーム処理を継続するか否かを判断し(ステップS19)、ゲーム処理を継続する場合(ステップS19のY)には、ステップS10に移行する。
【0067】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0068】
10…端末、20…サーバ、100…処理部、110…ゲーム処理部、112…演出制御部、114…プレイ環境判定部、116…通知部、120…画像生成部、130…音生成部、150…入力部、160…センサ部、170…記憶部、190…表示部、192…音出力部、194…振動発生部、196…通信部
図1
図2
図3
図4
図5