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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152731
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】排ガス冷却装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 7/60 20060101AFI20221004BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20221004BHJP
   F23J 15/06 20060101ALI20221004BHJP
   F27D 17/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
C04B7/60
F23J15/00 Z
F23J15/06
F27D17/00 104D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055604
(22)【出願日】2021-03-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】高木 智広
【テーマコード(参考)】
3K070
4K056
【Fターム(参考)】
3K070DA09
3K070DA35
3K070DA72
4K056AA12
4K056CA08
4K056DB04
4K056DB05
(57)【要約】
【課題】
冷却ガスのプローブ内での逆流を抑制し、排ガスと冷却ガスとの混合を円滑にし冷却効率が高く、プローブ内の圧力損失の少ない、排ガス冷却装置及び方法を提供すること。
【解決手段】
本発明の排ガス冷却装置及び方法においては、排ガス(EG2)と冷却ガス(CG)とをプローブ(2)内で混合した混合ガスを排出する排ガス冷却装置及び方法において、該プローブ(2)は円筒形であり、該プローブ(2)の円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部(3)を設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部(4)が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント原料を焼成するキルンと、該キルンから排出される排ガスの一部を抽気するプローブと、該プローブに冷却ガスを導入し、該排ガスと該冷却ガスとを該プローブ内で混合した混合ガスを排出する排ガス冷却装置において、
該プローブは円筒形であり、
該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が設けられていることを特徴とする排ガス冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排ガス冷却装置において、該導入部の開口の中心から該冷却ガスの導入方向への延長線上には、該プローブの円筒形の中心軸が配置されていないことを特徴とする排ガス冷却装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の排ガス冷却装置において、該冷却ガスの導入方向は、該プローブの円筒形の中心軸に沿って該排ガスの下流に向かう成分を有していることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス冷却装置において、該冷却ガスの導入方向又は導入速度は、該プローブの該排ガスの入口と該分岐部との間における圧力損失が最小になるように設定されていることを特徴とする排ガス冷却装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガス冷却装置において、該プローブの該排ガスの入口に対し反対側に位置する端部は、閉塞されていることを特徴とする排ガス冷却装置。
【請求項6】
セメント原料を焼成するキルンから排出される排ガスの一部を抽気し、前記抽気した排ガスと冷却ガスとを混合した混合ガスを排出する排ガス冷却方法において、該排ガスと該冷却ガスとの混合は円筒形のプローブ内で行い、該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が設けられていることを特徴とする排ガス冷却方法。
【請求項7】
請求項6に記載の排ガス冷却方法において、該導入部の開口の中心から該冷却ガスの導入方向への延長線上には、該プローブの円筒形の中心軸が配置されていないことを特徴とする排ガス冷却方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の排ガス冷却方法において、該冷却ガスの導入方向は、該プローブの円筒形の中心軸に沿って該排ガスの下流に向かう成分を有していることを特徴とする排ガス冷却方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載の排ガス冷却方法において、該冷却ガスの導入方向又は導入速度は、該プローブの該排ガスの入口と該分岐部との間における圧力損が最小になるように設定されていることを特徴とする排ガス冷却方法。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれかに記載の排ガス冷却方法において、該プローブの該排ガスの入口に対し反対側に位置する端部は、閉塞されていることを特徴とする排ガス冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス冷却装置及び方法に関し、特に、セメント原料を焼成するキルンと、該キルンから排出される排ガスの一部を抽気するプローブと、該プローブに冷却ガスを導入し、該排ガスと該冷却ガスとを該プローブ内で混合した混合ガスを排出する排ガス冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セメント産業において、ナトリウム、カリウム等のアルカリや塩素等の種々の揮発性の不純物が含まれている産業廃棄物等をセメント原料の一部として利用することが進められている。これは、リサイクルの観点からも要望されている。特に、近年は、セメント生産量に対し、塩素含有産業廃棄物の処理量の増加や、高濃度塩素含有産業廃棄物の処理等が期待されており、セメントから塩素を除去する技術が望まれている。
【0003】
セメントから塩素を除去する技術としては、セメントキルンから排出される排ガスの一部をプローブで抽気し、該プローブ内で該排ガスの温度を1000℃程度から450℃以下に冷却し、塩素等の揮発性成分を排ガス中の微粉部分に濃縮し、当該微粉部分を分級除去することが提案されている。抽気するガスは、キルンの窯尻からの排ガスや、当該排ガスが導入されるプレヒータからの排ガスの何れであっても良い。
【0004】
特許文献1では、冷却ガスの一部がプローブ内を逆流し、プレヒータ等に流入することを抑制するため、プローブの排ガスを抽気する方向と冷却ガスをプローブ内に向けて供給する方向とがなす角度を70度以下に設定することが開示されている。なお、この角度は、後述する角度θ3を用いると、「90°-θ3」で表示される。
【0005】
また、特許文献2では、プローブ内の燃焼ガス(排ガス)の吸引方向に対して直角方向、かつ、燃焼ガス流れの中心方向に低温ガス(冷却ガス)を吐出する複数の吐出口を備えた、直交流冷却型プローブが開示されている。
【0006】
プローブ内の排ガスを単に冷却するだけであれば、排ガスに対する冷却ガスの流量を増加するだけでも良いが、冷却ガスの流速や流量を増加すると、プローブの入口側(プレヒータ側)へ冷却ガスが逆流し、冷却ガスのリーク量が増加する原因となる。その結果、例えばプレヒータに供給される排ガスの温度が低下し、適切な石灰石の脱炭素率を実現するために必要な燃料も増加するなどの不具合を生じる。
【0007】
プローブでは、抽気された排ガスを急冷し、揮発性物質を速やかに気相から固相に相変化させることで、プローブの内面に付着し易い液相状態となることを抑制することが重要である。冷却効率が悪く急冷できない場合には、プローブ内に液相状態の揮発性物質が付着しコーチングを生成し、プローブの閉塞等の操業トラブルの原因にもなる。
【0008】
特許文献1の方法では、冷却ガスの流速が不足した場合には、冷却ガスと排ガスとの混合が不十分となる。また、特許文献2の方法では、冷却ガスが排ガスの流れに対して直角に導入されるため、冷却ガスの流速が大きくなると、冷却ガスがプレヒータへ逆流する不具合も生じる。このように、従来のプローブにおいても、冷却効率をより一層高めることが期待されている。
【0009】
さらに、プローブの出口側では、排ガスと冷却ガスとが混合した混合ガスをファンで吸引することが行われているが、プローブの入口側と出口側との間では圧力損失が発生するため、ファンの負担が増大する。しかも、冷却ガスの逆流により圧力損失はさらに拡大するため、圧力損失のより少ないプローブの構造が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第5582414号公報
【特許文献2】特許第5411126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、冷却ガスのプローブ内での逆流を抑制し、排ガスと冷却ガスとの混合を円滑にし冷却効率が高く、プローブ内の圧力損失の少ない、排ガス冷却装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の排ガス冷却装置及び方法は、以下の技術的特徴を有する。
(1) セメント原料を焼成するキルンと、該キルンから排出される排ガスの一部を抽気するプローブと、該プローブに冷却ガスを導入し、該排ガスと該冷却ガスとを該プローブ内で混合した混合ガスを排出する排ガス冷却装置において、該プローブは円筒形であり、該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
(2) 上記(1)に記載の排ガス冷却装置において、該導入部の開口の中心から該冷却ガスの導入方向への延長線上には、該プローブの円筒形の中心軸が配置されていないことを特徴とする。
【0014】
(3) 上記(1)又は(2)に記載の排ガス冷却装置において、該冷却ガスの導入方向は、該プローブの円筒形の中心軸に沿って該排ガスの下流に向かう成分を有していることを特徴とする。
【0015】
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の排ガス冷却装置において、該冷却ガスの導入方向又は導入速度は、該プローブの該排ガスの入口と該分岐部との間における圧力損失が最小になるように設定されていることを特徴とする。
【0016】
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の排ガス冷却装置において、該プローブの該排ガスの入口に対し反対側に位置する端部は、閉塞されていることを特徴とする。
【0017】
(6) セメント原料を焼成するキルンから排出される排ガスの一部を抽気し、前記抽気した排ガスと冷却ガスとを混合した混合ガスを排出する排ガス冷却方法において、該排ガスと該冷却ガスとの混合は円筒形のプローブ内で行い、該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
(7) 上記(6)に記載の排ガス冷却方法において、該導入部の開口の中心から該冷却ガスの導入方向への延長線上には、該プローブの円筒形の中心軸が配置されていないことを特徴とする。
【0019】
(8) 上記(6)又は(7)に記載の排ガス冷却方法において、該冷却ガスの導入方向は、該プローブの円筒形の中心軸に沿って該排ガスの下流に向かう成分を有していることを特徴とする。
【0020】
(9) 上記(6)乃至(8)のいずれかに記載の排ガス冷却方法において、該冷却ガスの導入方向又は導入速度は、該プローブの該排ガスの入口と該分岐部との間における圧力損が最小になるように設定されていることを特徴とする。
【0021】
(10) 上記(6)乃至(9)のいずれかに記載の排ガス冷却方法において、該プローブの該排ガスの入口に対し反対側に位置する端部は、閉塞されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、排ガスと冷却ガスとをプローブ内で混合した混合ガスを排出する排ガス冷却装置及び方法において、該プローブは円筒形であり、該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が設けられているため、プローブの周面から入った冷却ガスが同じ周面から出るルートを確保でき、圧力損失の増大を抑制した排ガス冷却装置及び方法を提供することが可能となる。
【0023】
しかも、該導入部の開口の中心から該冷却ガスの導入方向への延長線上には、該プローブの円筒形の中心軸が配置されていないため、冷却ガスのプローブ内での逆流を抑制しながら、冷却ガスと排ガスとの混合を円滑に行い、排ガスの冷却効果を高めた排ガス冷却装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】排ガス用の配管から直接抽気する様子を説明する図である。
図2】排ガス用の配管からボックスを介し抽気する様子を説明する図である。
図3】プローブ内に冷却ガスを導入する様子を説明する側面図である。
図4図3の点線Aにおける断面図である。
図5】冷却ガスの導入時の速度ベクトルの説明図である。
図6】プローブに冷却ガス導入部及び混合ガス分岐部を設ける様子を説明する図である。
図7図6の点線Bにおける断面図である。
図8】プローブ内を移動する冷却ガス(θ2=90度)の仮想の流れを模式的に示す図である。
図9】プローブ内を移動する冷却ガス(θ2<90度)の仮想の流れを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の排ガス冷却装置及び方法について、好適例を用いて詳細に説明する。
図6及び7に示すように、本発明の排ガス冷却装置及び方法においては、排ガス(EG2)と冷却ガス(CG)とをプローブ(2)内で混合した混合ガス(MG)を排出する排ガス冷却装置及び方法において、該プローブ(2)は円筒形であり、該プローブ(2)の円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部(3)を設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部(4)が設けられていることを特徴とする。以下では、排ガス冷却装置を中心に説明する。
【0026】
本発明の排ガス冷却装置に使用する排ガスは、セメント原料を焼成するキルンの窯尻から抽出される排ガスであり、図1に示すように、窯尻から排出される排ガス(EG1)を案内する配管1の途中に、排ガス(EG1)の一部(EG2)を抽気するプローブ2を設けている。また、図2では、配管1から分岐するボックス10を設け、そのボックス内の排ガス(EG1’)の一部(EG2)を抽気するプローブ2を設けている。このようなボックス10を介することで、流量や流速の安定した排ガスをプローブ2に導入することができる。
【0027】
図1及び2に示した配管1は、キルンの窯尻から直接排出される排ガスを導入する配管に限定されない。キルンから排出される排ガスをセメント原料を加熱するプレヒータに導入する場合、プレヒータから排出される排ガスを案内する配管であっても良い。
【0028】
図3は、本発明の排ガス冷却装置に使用されるプローブ2の一部を示す断面図である。プローブ2は円筒形であり、その周面の一部に冷却ガス(CG)を導入する導入管3が接続されている。導入管3の断面形状は、円形に限らず矩形であっても良い。断面の円形の直径や矩形の幅に相当する図4の太さWは、プローブの円筒形の半径Rと比較し、半分以下、より好ましくは3分の1以下のように、狭く設定されている。これは後述するように、プローブの円筒形の中心軸C1に向かう角度から所定角度θ2だけ外れた方向に冷却ガスを噴出する効果を高めるためである。また、導入管3の中心軸(C1)方向の高さhは、冷却ガスの導入量にも依存するが、上記太さW以上に設定される。
【0029】
本発明の一つの特徴である冷却ガスのプローブ内への導入方向は、図4に示すように、導入部3の開口の中心(C2)から冷却ガスの導入方向への延長線上には、プローブの円筒形の中心軸が配置されていないことを特徴とする。この構成により、プローブ2の円筒形の内壁に沿って、中心軸(C1)周りに回転する気流が発生し、排ガス(EG2)と冷却ガス(CG)との混合を滑らかに行うことができる。中心軸(C1)を中心とした回転する気流の流量を増加させるには、所謂、「冷却ガスの運動量モーメント」を増加させることが好ましい。
【0030】
上記「冷却ガスの運動量モーメント」とは、導入部3の開口から導入される冷却ガスの流速と導入方向に着目したパラメータである。具体的には、図5に示すように、冷却ガスの速度ベクトルVは、プローブ2の円筒形の中心軸C1に対して平行な速度ベクトル成分Vzと、中心軸C1に垂直な断面(S)に平行な速度ベクトル成分Vsに分解できる。中心軸(C1)周りに回転する気流に寄与するのは、専ら速度ベクトル成分Vsである。
【0031】
「冷却ガスの運動量モーメント」は、冷却ガスが、プローブ内を通過する排ガスに対して、プローブの中心軸C1周りに回転する気流を発生させるために、冷却ガスが持つ単位時間当たり運動量モーメントであり、冷却ガスの密度ρと、導入部3の冷却ガスが流れる方向に垂直な断面の面積D(図3のhと図4のWを用いてD=h×W)、中心軸(C1)に垂直な断面(S)における冷却ガスの流速Vの速度ベクトル成分Vsと、冷却ガスの速度ベクトル成分Vsの延長線と中心軸(C1)との距離Rsinθ2を用いて、以下のように定義される。
冷却ガスの運動量モーメント:ρ×D×Vs×Rsinθ2
なお、ρ×D×Vは質量流量Mであり、Vs=Vcosθ3であるため、上記式は、以下のように書き直せる。
ρ×D×Vs×Rsinθ2=M×R×sinθ2×cosθ3
これは、仮に、質量流量が一定の場合には、角度θ2及びθ3が、冷却ガスの運動量モーメントに影響を与えることが理解される。
【0032】
図4の冷却ガスを導入する導入部3は、角度θ2を変化させる場合、点線3aから3bに示すような範囲で設定できる。中心軸C1周りに回転する気流の方向を逆にする場合には、点線3bより図面の上側に導入部が配置される。本発明では、冷却ガスの導入方向が中心軸C1を通過する導入部3bの配置は選択しない。点線3bの導入部に沿った一点鎖線STNは、角度θ2の基準となる基準線でもある。また、点線3aの導入部の角度θ2は、ほぼ90度となる。
【0033】
冷却ガスの速度ベクトルVは、図3及び図5に示すように、プローブの円筒形の中心軸(C1)に平行な方向であり、かつ排ガスが流れる方向を向いたベクトル成分Vzを持つことが好ましい。この速度ベクトルVと断面S(図3の点線A)とがなす角度θ3は、断面Sより下流側のプローブの長さなども考慮する必要があるが、プローブ2内を冷却ガスが逆流することを抑制するためにも、例えば、20度より大きい、より好ましくは30度以上のように所定の範囲に設定される。
【0034】
本発明の特徴は、図6に示すように、プローブ2の円筒形の周面の一部に分岐部4を設け、排ガス(EG2)と冷却ガス(CG)とを混合した混合ガス(MG)を、2つの矢印(MG1とMG2)に分岐して排気するものである。さらに、分岐部の下流に位置するプローブを点線20のように閉塞し、混合ガスの排気を分岐部4のみで形成することも可能である。図7は、図6の点線Bにおける断面であり、参考までに冷却ガスの導入部3を併せて記載している。
【0035】
導入部3と分岐部4との配置関係と、冷却ガス(CG)の導入方向との関係について検討する。冷却ガスの導入方向は、図7に示す角度θ2と、図6に示す角度θ3を備えている。また、図7に示すように、プローブの周面に沿った導入部3の位置は、基準線STNを基準に、角度θ2だけ移動した位置に設定される。また、分岐部4、基準線STNから角度θ1だけ移動した位置に設定される。さらに、図6に示すように、導入部3の開口の中心C2と、分岐部4の入口の中心C3までの距離はΔHで表される。
【0036】
分岐部4の形状は円筒形に限らず矩形であっても良い。図6では、分岐部4のプローブ側の開口(入口)を内径φ1とし、途中、内径が拡大する部分を経て内径φ2へと変化させている。分岐部4の内径を変化させず、一定することも可能である。図6の距離d及び角度δは、後述するシミュレーションにおける、分岐部の排出位置であり、排ガス(混合ガス)の出口静圧を測定する位置40を特定する値である。プローブの中心軸から位置40までの距離dと、プローブの中心軸と分岐部の中心軸とが形成する角度δである。
【0037】
ここで角度θ2が90度の場合は、図8に示すように、プローブの内周面の接線方向からプローブ内に冷却ガス(CG)が導入される。ここで、冷却ガスがその初速を保ってプローブの内周面に沿って進行したと仮定した場合、内周面上の冷却ガスの流れの軌跡は、点線の矢印で表示できる。冷却ガスが導入される点C2から冷却ガスが分岐部4へ排出される点C3’(角度θ1’)までの冷却ガスの移動は、点C3’が点C3に近い(角度θ1’≒θ1)と仮定すると、図8の図面内で距離Lだけ移動し、図面に垂直な方向にΔHだけ移動したことになる。
【0038】
ここで、図8のΔθを用いて距離Lを導出すると、以下のようになる。
L=2πR×(Δθ/360°)
ただし、Rはプローブの半径であり、Δθは、さらに以下のように変形できる。
Δθ=360°-(θ1’+θ2)≒270°-θ1
また、図8の図面に垂直方向(図6の上下方向)にΔH移動することから、LとΔHとの関係は、tanθ3=ΔH/Lで表現することができる。この関係を満足する場合、点C2から入った冷却ガスが点C3(点C3’)から排出されるため、冷却ガスの流れが円滑で、圧力損失も少なくなることが予想される。なお、角度θ1及びθ2(=90度)が決まると、角度θ3は上記式より算出することが可能となる。
【0039】
上記の関係式では、冷却ガスの導入位置を点C2とし、冷却ガスの排出位置を示す点(C3’)を、分岐部4の入口の中心C3と仮定した。しかしながら、実際には、導入部の開口や分岐部の入口の大きさは、点状では無く有限の大きさを有している。また、排ガス(EG2)が図6のように、一定の速度で下流側に流れているため、冷却ガス(CG)が排ガスの流れに押され、図5の速度ベクトル成分Vzがその分だけ大きくなることが予想される。このため、圧力損失が少なくなる条件も、上述した角度θ3に係る関係式から若干ずれた値となる。
【0040】
本発明では、プローブに導入する冷却ガスの適切な導入速度や導入角度を調べるため、プローブ2の排ガスの入口と分岐部4との間における圧力損失に着目している。この圧力損失が最小となるように、冷却ガスの導入方向と呼び導入速度を設定する。なお、本発明において「圧力損失が最小」とは、その最小値に限定するという意味では無く、当該最小値を含む比較的圧力損失が低い範囲を選択可能であることを意味する。
【0041】
上述したtanθ3=ΔH/Lの式では、導入角度(θ2、θ3)が影響を与えることが容易に理解できる。また、この式には導入速度Vの影響は反映されていない。しかしながら、冷却ガスの導入速度によって、排ガスと冷却ガスとの混合状態も異なるため、圧力損失は変化することとなる。
【0042】
図9は、角度θ2が90度未満の場合に、プローブ内での冷却ガスの流れを模式的に示したものである。この場合も、図8と同様に、実際の冷却ガスの流れは、多くの要素の影響を受けるため、単純に表現することは出来ないが、一つの目安にはなる。点C2から入った冷却ガスが分岐部の開口の一部(点C3’)に到達するまでの長さ(図9のように、プローブの中心軸に垂直な面に投影した距離。図8のLに相当する。)Lは、以下の式で表示される。
L=L1+L2=2Rcosθ2+2πR×(Δθ’/360°)
ただし、Δθ’は、点C3’を点C3と仮定すると、以下のとおりとなる。
Δθ’=360°-(90°+(90°-θ2)+θ1’)≒180°-θ1+θ2
この場合も、角度θ1及びθ2が設定されると、上記Lがtanθ3=ΔH/Lの式を満足するように、導入角度のθ3が算出される。
【0043】
角度θ2及びθ3の最適値を判断するため、図2の形状のモデルを使って、以下の境界条件を用いて、シミュレーションを行った。
(プローブの形状)
プローブの半径R:0.7[m]
(抽気ガスの特性)
プローブ入口での排ガス温度:1091℃
質量流量Q:34.1[kg/s]
密度ρ:0.266[kg/m
流速V:14[m/s]
運動量F(=Q×V):477[kg・m/s
(冷却ガス)
冷却ガスの温度:30℃
質量流量Q:4.83[kg/s]
密度ρ:1.203[kg/m
導入部の開口の高さh:0.9[m]
導入部の開口の幅wは、流速に応じて変更。
プローブの入口から導入部の開口の中心C2までの距離H:1.5[m]
【0044】
さらにシミュレーションでは、導入部から下流側に1m移動した場所から、プローブ内に散水量0.5[t/h]の噴霧を行っていると仮定した。
また、プローブの冷却ガスの導入部から下流側にプローブの半径が、円錐台部分を経て狭くなる、所謂「絞り」がある場合についてもシミュレーションを行った。結果としては、「絞り」がある場合は、排ガスと冷却ガスの混合を補助する効果がある一方、冷却ガスがプローブの入口側に逆流する問題も発生し易い。ただし、絞りが存在しても、結果は大きく変化しなかったため、ここでは、絞りなしの結果を例示している。
【0045】
シミュレーション結果の評価方法は、「プローブの出口における温度」「冷却ガスの導入部付近の下流側での排ガスと冷却ガスとの混合状態」を用いて評価した。
(評価条件)
・プローブの出口における温度:計算結果の温度を「出口温度℃」で表示し、「温度評価」を350℃以下を「○」、それ以外を「×」で評価した。
・冷却ガスの導入部付近の下流側におけるプローブ内壁付近の温度分布を見て、排ガスと冷却ガスとの混合状態(表中の「混合状態」)を評価した。冷却ガスがプローブ内壁付近に留まって温度が低い場合を「×」、排ガスと混合し温度が上昇している場合を「○」で評価した。
【0046】
比較例として、冷却ガスの流速を15~150m/sの範囲で変化させ、角度θ2=90度、角度θ3=0度に設定した。その結果を表1に示す。この結果、プローブの内壁に沿って冷却ガスを導入(ただし、θ3=0度)しただけでは、流速が低い15m/sの場合は、冷却ガスのリークも少なく、混合ガスの温度を350℃以下に下げることが可能となる。しかしながら、流速が30m/s以上に設定すると、冷却ガスの逆流及びリークが発生し、混合ガスの温度を適切に下げることが難しいことが理解される。ただし、流速が50m/s以上であると、排ガスと冷却ガスとの混合状態が改善している。このことからも、本発明では、冷却ガスの流速が40~150m/sの範囲においても、より高い冷却効果を得られるよう、冷却ガスの導入方向を調整している。
【0047】
【表1】
【0048】
以下の結果2では、冷却ガスの流速100m/sとし、角度θ2を90度に設定すると共に、角度θ3を10~64度の範囲で変化させた。結果1(比較例)の角度θ3=0度で流速100m/sの出口温度が554℃であったものが、冷却ガスの導入角度θ3=30度に設定するだけで、約200℃程度下げることができている。しかも、流速が100m/sでは、θ3の角度に依らず、排ガスと冷却ガスとの混合状態を良好に維持している。よって、角度θ3を30度以上に設定することで、プローブの出口温度を350℃以下まで下げ、混合ガスの混合状態も良好に維持することが可能となる。
【0049】
【表2】
【0050】
以下の結果3では、冷却ガスの流速50m/sとし、角度θ2を90度に設定すると共に、角度θ3を10~60度の範囲で変化させた。プローブの出口温度を改善するには、結果2の流速が100m/sの場合よりも、角度θ3をより大きくすることが必要となることが理解される。結果としては、角度θ3は35度以上に設定することが、好ましい。
【0051】
【表3】
【0052】
以下の結果4では、プローブの他端(点線20)を閉塞し、図6に示すように分岐部を設け、冷却ガスの流速は100m/sとし、角度θ1は15度、角度θ2は90度に設定した。この場合でも、上記結果2と同様に、高い冷却効果が得られていることが確認できる。
【0053】
【表4】
【0054】
以上のことから、冷却ガスの導入方向の延長線上にプローブの中心軸C1が無い場合には、排ガスと冷却ガスとが円滑に混合され、高い冷却効果が得られる。しかも、プローブの中心軸C1に対する角度θ3を調整することで、より高い冷却効果を得ることができる。また、本発明には必要に応じて冷却ガスの導入部の下流側に散水機構や「絞り」を設けることができることは、言うまでもない。
【0055】
次に、図6及び7のように、分岐部4を設け、プローブ2の排ガス入口と反対側の他端20を閉塞した場合についてシミュレーションを行った。
上述したシミュレーションの条件に加え、以下の分岐部に関する条件を設定した。
(分岐部)
冷却ガスの導入部の開口の中心C2から分岐部の入口の中心C3までの距離ΔH:2m
分岐部の角度θ1:15度
プローブの中心軸から出口静圧の測定位置40までの距離d:4m
分岐部の内径φ1:1.1m
分岐部の内径φ2:1.2m
プローブの中心軸と分岐部の中心軸との角度δ:60度
冷却ガスの流速を100m/sとして、導入角度のθ3を10~60度の範囲で変化させた場合の、プローブの入口と分岐部の出口(図6の符号40)との間の圧力損失を、結果5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
結果5より、θ3=40度付近で、圧力損失が最小となることが理解される。
また、上述したtanθ3=ΔH/Lの式に当てはめて計算すると、θ3=32.7度となり、結果5にある程度近い値も得られる。
【0058】
さらに、冷却ガスの流速を50m/sとして、導入角度のθ3を10~60度の範囲で変化させた場合の、プローブの入口と分岐部の出口との間の圧力損失を、結果6に示す。
【0059】
【表6】
【0060】
この場合も、結果5と同様に角度θ3=40度付近で、圧力損失が最小となることが理解される。また、結果5と結果6とを比較すると、導入速度が100m/sから50m/sに変化した場合、圧力損失の値自体は大きく変動することも理解される。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上説明したように、本発明によれば、冷却ガスのプローブ内での逆流を抑制し、排ガスと冷却ガスとの混合を円滑にし冷却効率が高く、プローブ内の圧力損失の少ない、排ガス冷却装置及び方法を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0062】
1 キルンからの排ガス用の配管
2 プローブ(円筒形)
3 冷却ガス導入部
4 分岐部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント原料を焼成するキルンと、該キルンから排出される排ガスの一部を抽気するプローブと、該プローブに冷却ガスを導入し、該排ガスと該冷却ガスとを該プローブ内で混合した混合ガスを排出する排ガス冷却装置において、
該プローブは円筒形であり、
該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を1カ所のみ設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が1カ所のみ設けられており、
該冷却ガスの導入方向又は導入速度は、該プローブの該排ガスの入口と該分岐部との間における圧力損失が最小になるように設定されていることを特徴とする排ガス冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排ガス冷却装置において、該導入部の開口の中心から該冷却ガスの導入方向への延長線上には、該プローブの円筒形の中心軸が配置されていないことを特徴とする排ガス冷却装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の排ガス冷却装置において、該冷却ガスの導入方向は、該プローブの円筒形の中心軸に沿って該排ガスの下流に向かう成分を有していることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス冷却装置において、該冷却ガスの導入方向と該プローブの中心軸に垂直な面とがなす角度は30度以上であり、該冷却ガスの導入速度は40~150m/sであることを特徴とする排ガス冷却装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガス冷却装置において、該プローブの該排ガスの入口に対し反対側に位置する端部は、閉塞されていることを特徴とする排ガス冷却装置。
【請求項6】
セメント原料を焼成するキルンから排出される排ガスの一部を抽気し、前記抽気した排ガスと冷却ガスとを混合した混合ガスを排出する排ガス冷却方法において、
該排ガスと該冷却ガスとの混合は円筒形のプローブ内で行い、該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を1カ所のみ設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が1カ所のみ設けられており、
該冷却ガスの導入方向又は導入速度は、該プローブの該排ガスの入口と該分岐部との間における圧力損失が最小になるように設定されていることを特徴とする排ガス冷却方法。
【請求項7】
請求項6に記載の排ガス冷却方法において、該導入部の開口の中心から該冷却ガスの導入方向への延長線上には、該プローブの円筒形の中心軸が配置されていないことを特徴とする排ガス冷却方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の排ガス冷却方法において、該冷却ガスの導入方向は、該プローブの円筒形の中心軸に沿って該排ガスの下流に向かう成分を有していることを特徴とする排ガス冷却方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載の排ガス冷却方法において、該冷却ガスの導入方向と該プローブの中心軸に垂直な面とがなす角度は30度以上であり、該冷却ガスの導入速度は40~150m/sであることを特徴とする排ガス冷却方法。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれかに記載の排ガス冷却方法において、該プローブの該排ガスの入口に対し反対側に位置する端部は、閉塞されていることを特徴とする排ガス冷却方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の排ガス冷却装置及び方法は、以下の技術的特徴を有する。
(1) セメント原料を焼成するキルンと、該キルンから排出される排ガスの一部を抽気するプローブと、該プローブに冷却ガスを導入し、該排ガスと該冷却ガスとを該プローブ内で混合した混合ガスを排出する排ガス冷却装置において、該プローブは円筒形であり、該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を1カ所のみ設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が1カ所のみ設けられており、
該冷却ガスの導入方向又は導入速度は、該プローブの該排ガスの入口と該分岐部との間における圧力損失が最小になるように設定されていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の排ガス冷却装置において、該冷却ガスの導入方向と該プローブの中心軸に垂直な面とがなす角度は30度以上であり、該冷却ガスの導入速度は40~150m/sであることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
(6) セメント原料を焼成するキルンから排出される排ガスの一部を抽気し、前記抽気した排ガスと冷却ガスとを混合した混合ガスを排出する排ガス冷却方法において、該排ガスと該冷却ガスとの混合は円筒形のプローブ内で行い、該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を1カ所のみ設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が1カ所のみ設けられており、該冷却ガスの導入方向又は導入速度は、該プローブの該排ガスの入口と該分岐部との間における圧力損失が最小になるように設定されていることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
(9) 上記(6)乃至(8)のいずれかに記載の排ガス冷却方法において、該冷却ガスの導入方向と該プローブの中心軸に垂直な面とがなす角度は30度以上であり、該冷却ガスの導入速度は40~150m/sであることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明は、排ガスと冷却ガスとをプローブ内で混合した混合ガスを排出する排ガス冷却装置及び方法において、該プローブは円筒形であり、該プローブの円筒形の周面の一部に、該排ガスの上流側に該冷却ガスの導入部を1カ所のみ設け、該排ガスの下流側に該混合ガスを排出する分岐部が1カ所のみ設けられているため、プローブの周面から入った冷却ガスが同じ周面から出るルートを確保でき、圧力損失の増大を抑制した排ガス冷却装置及び方法を提供することが可能となる。