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特開2022-152758高分子の分子動力学計算方法、高分子の分子動力学計算装置
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  • 特開-高分子の分子動力学計算方法、高分子の分子動力学計算装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152758
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】高分子の分子動力学計算方法、高分子の分子動力学計算装置
(51)【国際特許分類】
   G16C 20/00 20190101AFI20221004BHJP
   G01N 33/44 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
G16C20/00
G01N33/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055649
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】西原 泰孝
(57)【要約】      (修正有)
【課題】計算を行う系に含まれる高分子を構成する分子情報へのアクセスを容易にした高分子の分子動力学計算方法及び高分子の分子動力学計算装置を提供する。
【解決手段】高分子の分子動力学計算装置における計算方法は、分子動力学計算を行う高分子の分子構造のモデルを作成するモデル作成工程と、モデルを含む系を用いて分子動力学計算を行う計算工程と、を有する。モデル作成工程では、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与する高分子の分子動力学計算方法を提供する。識別記号は、単位構造の種類に応じたラベルと、繰り返し構造内における単位構造ごとに割り当てた数字とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子動力学計算を行う系に含まれる高分子の分子構造のモデルを作成するモデル作成工程と、
前記モデルを含む系を用いて分子動力学計算を行う計算工程と、を有し、
前記モデル作成工程では、前記高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与する高分子の分子動力学計算方法。
【請求項2】
前記識別記号は、前記単位構造の種類に応じたラベルと、前記繰り返し構造内における前記単位構造ごとに割り当てた数字とを含む請求項1に記載の高分子の分子動力学計算方法。
【請求項3】
分子動力学計算を行う系に含まれる高分子の分子構造のモデルを作成するモデル作成部と、
前記モデルを含む系を用いて分子動力学計算を行う計算部と、を有し、
前記モデル作成部では、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与する高分子の分子動力学計算装置。
【請求項4】
前記識別記号は、前記単位構造の種類に応じたラベルと、前記繰り返し構造内における前記単位構造ごとに割り当てた数字とを含む請求項3に記載の高分子の分子動力学計算装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子の分子動力学計算方法、高分子の分子動力学計算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1等に開示されているように、従来から、原子や分子の動きやエネルギーを解析する方法として、分子動力学法が用いられており、近年ではコンピュータの性能向上に伴い、含まれる原子数の多い高分子等にも適用されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-248541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
分子動力学計算を行う場合、多くは事前に作成した分子のモデルを組み合わせて全体の系を作成し、計算に供することがなされている。
【0005】
高分子は例えば原子数が千を超える原子で構成されているが、例えば原子について種類に応じて「C」等のラベルが付けられているのみであり、高分子が有する繰り返し構造の単位構造である分子等については識別されていなかった。このため、高分子を含む系についての分子動力学計算を行い、高分子を構成する特定の位置の分子や、該分子が有する原子について解析する場合等に、高分子を構成する分子情報へのアクセスに時間を要するという問題があった。
【0006】
そこで上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の一側面では、計算を行う系に含まれる高分子を構成する分子情報へのアクセスを容易にした高分子の分子動力学計算方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
分子動力学計算を行う系に含まれる高分子の分子構造のモデルを作成するモデル作成工程と、
前記モデルを含む系を用いて分子動力学計算を行う計算工程と、を有し、
前記モデル作成工程では、前記高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与する高分子の分子動力学計算方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、計算を行う系に含まれる高分子を構成する分子情報へのアクセスを容易にした高分子の分子動力学計算方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】単位構造の例の説明図である。
図2】単位構造と高分子の繰り返し構造との説明図である。
図3】本発明の実施形態に係る高分子の分子動力学計算装置のハードウェア構成図である。
図4】本発明の実施形態に係る高分子の分子動力学計算装置の機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[高分子の分子動力学計算方法]
本実施形態の高分子の分子動力学計算方法は、以下のモデル作成工程と、計算工程とを有することができる。
【0011】
モデル作成工程では、分子動力学計算を行う系に含まれる高分子の分子構造のモデルを作成できる。
【0012】
計算工程では、モデル作成工程で作成したモデルを含む系を用いて分子動力学計算を行うことができる。
【0013】
各工程について以下に説明する。
(モデル作成工程)
モデル作成工程では、上述のように、分子動力学計算を行う系に含まれる高分子の分子構造のモデルを作成できる。
【0014】
モデル作成工程では、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与できる。
【0015】
本発明の発明者は、計算を行う系に含まれる高分子を構成する分子情報へのアクセスを容易にした高分子の分子動力学計算方法について検討を行った。その結果、高分子に含まれる繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与することを見出した。このように、単位構造ごとに識別記号を付与しておくことで、モデルの作成を行う際や、分子動力学計算の結果を解析する際に、目的とする単位構造を容易に識別し、検索することもできる。このため、高分子を構成する分子情報、すなわち例えば特定の単位構造や、該単位構造が有する原子についての情報へのアクセスを容易にできる。なお、分子情報とは、単位構造である分子や、該単位構造を構成する原子について、分子動力学計算に供する各種条件や、分子動力学計算の計算結果の情報を含む。
【0016】
分子動力学計算のプログラムでは、多数の原子時間発展を計算するため、原子の結合等の情報を含むファイルであるトポロジーファイルと、各原子の座標を含むファイルである構造ファイルとに分けることが一般的になされている。しかし、分子モデリングソフトウェアを使用した場合、各ソフトウェアが対象とする分子動力学計算のプログラムに適した形で分子中の原子の並びを変更してしまう場合がある。このため、トポロジーファイルと、構造ファイルとが対応しない場合があった。しかし、本実施形態の分子動力学計算方法によれば、上述のように単位構造ごとに識別する識別記号を付与しておくことで、上述のように並び替えられたとしても、両ファイル間で対応する単位構造や、単位構造を構成する原子を容易に検出できるようになる。
【0017】
ここで、モデル作成工程で、識別記号を付与する手順の例について説明する。
【0018】
ここでは、高分子としてエチルセルロースを用いた場合を例に説明する。エチルセルロースは、例えば以下の化学式(1)で示される構造を有する。
【0019】
なお、本実施形態の高分子の分子動力学計算方法を適用する高分子は特に限定されず、単位構造を複数個有する繰り返し構造を含む高分子を好適に適用でき、例えば単位構造を10個以上有する繰り返し構造を含むことが好ましく、単位構造を50個以上有する繰り返し構造を含むことがより好ましい。
【0020】
【化1】
上記化学式(1)の括弧内の構造が単位構造であり、係る単位構造が繰り返しn個配列することで繰り返し構造が形成される。
【0021】
モデル作成工程では、例えばまず単位構造の分子モデリングを実施できる。具体的には、上記括弧内の構造のモデルを作成できる。例えば図1に示すように、末端部分をメチル基等でキャップをした単位構造10のモデルを作成できる(単位構造モデル作成工程)。図1中、原子11が酸素、原子12が炭素、原子13が水素であり、同じハッチングは同じ種類の原子を意味する。
【0022】
単位構造の分子モデリングを行う際、識別記号として、係る単位構造の種類に応じたラベルを与えることが好ましい。例えば上記単位構造に対して「EC」とのラベルを付与できる。このように単位構造の種類に応じたラベルを付与することで、複数種類の単位構造を含む高分子について計算を行う際に、単位構造の種類を識別しやすくなる。
【0023】
次いで、作成した単位構造を用いて高分子のモデルを作成できる(高分子モデル作成工程)。
【0024】
具体的には、単位構造モデル作成工程で作成した単位構造のキャップ部分を除いて、単位構造を繰り返し配列し、図2に示すような単位構造10を複数個配列した繰り返し構造を含む高分子の分子構造のモデル20を作成できる。この際、識別記号として高分子の繰り返し構造内における単位構造ごとに割り当てた数字を与えることが好ましい。具体的には例えば高分子の繰り返し構造中の一方の端部側から単位構造に数字を割り当てることができる。
【0025】
以上の操作により高分子の繰り返し構造を構成する単位構造には、単位構造の種類に応じたラベルである「EC」と、繰り返し構造内における単位構造ごとに割り当てた数字とを含む識別記号を付与できる。具体的には、高分子の分子構造のモデル20が有する繰り返し構造を構成する各単位構造10には、1EC、2EC、3EC・・・のような識別記号を付与できる。なお、識別記号の表記は、係る構成に限定されるものではなく、任意に表記できる。
【0026】
このように、識別記号は、単位構造の種類に応じたラベルと、繰り返し構造内における単位構造ごとに割り当てた数字とを含むことが好ましい。識別記号が単位構造の種類に応じたラベルと、繰り返し構造内における単位構造ごとに割り当てた数字とを含むことで、単位構造の種類と、番号とから、特に容易に高分子を構成する分子情報へアクセスできるからである。
【0027】
モデル作成工程は、必要に応じてさらに、作成したモデルを用いて、分子動力学計算用の系を作成する反応系作成工程や、所定の出力形式でトポロジーファイルや、構造ファイルを出力する出力工程を有することもできる。
【0028】
構造ファイルの出力例を以下の表1に示す。
【0029】
表1に示すように、繰り返し構造内における単位構造ごとに識別する識別記号を有することで、各単位構造を容易に識別し、検索等も容易に行える。
【0030】
【表1】
(計算工程)
計算工程では、モデル作成工程で作成したモデルを含む系を用いて分子動力学計算を行うことができる。
【0031】
分子動力学計算は、原子の物理的な動きのコンピューターシミュレーション手法であり、ニュートンの運動方程式を数値的に解くことにより、原子の位置の時間発展を求めることができる。従って、計算工程を実施することで、モデル作成工程で作成したモデルを含む系に含まれる各原子の座標の時系列変化を求めることができる。
【0032】
分子動力学計算は、解析の目的等に応じて実施できるため、その条件等は特に限定されない。
【0033】
以上に説明した本実施形態の高分子の分子動力学計算方法によれば、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別記号を付与することで、計算を行う系に含まれる高分子を構成する分子情報へのアクセスを容易にできる。
[高分子の分子動力学計算装置]
本実施形態の高分子の分子動力学計算装置は、モデル作成部と、計算部とを有することができる。
【0034】
モデル作成部は、分子動力学計算を行う系に含まれる高分子の分子構造のモデルを作成できる。
【0035】
計算部は、モデル作成部で作成したモデルを含む系を用いて分子動力学計算を行うことができる。
【0036】
モデル作成部では、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与できる。
【0037】
図3に示したハードウェア構成図に示すように、本実施形態の高分子の分子動力学計算装置30は、例えば、情報処理装置(コンピュータ)で構成され、物理的には、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit:プロセッサ)31と、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)32やROM(Read Only Memory)33と、補助記憶装置34と、入出力インタフェース35と、出力装置である表示装置36等を含むコンピューターシステムとして構成できる。これらは、バス37で相互に接続されている。なお、補助記憶装置34や表示装置36は、外部に設けられていてもよい。
【0038】
CPU31は、高分子の分子動力学計算装置30の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う。CPU31は、ROM33または補助記憶装置34に格納された、例えば後述するプログラム(高分子の分子動力学計算プログラム)を実行して、高分子の分子構造のモデルの作成や、分子動力学計算等を行うことができる。
【0039】
RAM32は、CPU31のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータや情報を記憶する不揮発RAMを含んでもよい。
【0040】
ROM33は、プログラム(高分子の分子動力学計算プログラム)等を記憶することができる。
【0041】
補助記憶装置34は、SSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、高分子の分子動力学計算装置の動作に必要な各種のデータ、ファイル等を格納できる。
【0042】
入出力インタフェース35は、タッチパネル、キーボード、表示画面、操作ボタン等のユーザインタフェースと、外部のデータ収録サーバ等からの情報を取り込み、他の電子機器に解析情報を出力する通信インタフェースとの双方を含む。
【0043】
表示装置36は、モニタディスプレイ等である。表示装置36では、解析画面が表示され、入出力インタフェース35を介した入出力操作に応じて画面が更新される。
【0044】
図3に示した高分子の分子動力学計算装置30の各機能は、例えばRAM32やROM33等の主記憶装置または補助記憶装置34からプログラム(高分子の分子動力学計算プログラム)等を読み込ませ、CPU31により実行することにより、RAM32等におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うと共に、入出力インタフェース35および表示装置36を動作させることで実現できる。
【0045】
図4に、本実施形態の高分子の分子動力学計算装置30の機能ブロック図を示す。
【0046】
図4に示すように、高分子の分子動力学計算装置30は、受付部41、処理装置42、出力部43を有することができる。これらの各部は、高分子の分子動力学計算装置30が有するCPU、記憶装置、各種インタフェース等を備えたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置において、CPUが予め記憶されている例えば既述の高分子の分子動力学計算方法や、高分子の分子動力学計算プログラムを実行することでソフトウェアおよびハードウェアが協働して実現される。
【0047】
各部の構成について以下に説明する。
(A)受付部
受付部41は、処理装置42で実行される処理に関係するユーザーからのコマンドやデータの入力を受け付ける。受付部41としてはユーザーが操作を行い、コマンド等を入力するキーボードやマウス、ネットワークを介して入力を行う通信装置、CD-ROM、DVD-ROM等の各種記憶媒体から入力を行う読み取り装置などが挙げられる。
(B)処理装置
処理装置42は、モデル作成部421、計算部422を有することができる。
(B-1)モデル作成部
モデル作成部421では、分子動力学計算を行う系に含まれる高分子の分子構造のモデルを作成できる。
【0048】
モデル作成部では、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与できる。識別記号は、単位構造の種類に応じたラベルと、繰り返し構造内における単位構造ごとに割り当てた数字とを含むことが好ましい。識別記号が単位構造の種類に応じたラベルと、繰り返し構造内における単位構造ごとに割り当てた数字とを含むことで、単位構造の種類と、番号とから、特に容易に高分子を構成する分子情報へアクセスできるからである。
(B-2)計算部
計算部422は、モデル作成工程で作成したモデルを含む系を用いて分子動力学計算を行うことができる。
【0049】
なお、処理装置42は、必要に応じてさらに、モデル作成部421が作成したモデルを用いて、分子動力学計算用の系を作成する反応系作成部等を有することもできる。この場合、計算部は反応系作成部が作成した系を用いて分子動力学計算を行うことができる。
(C)出力部
出力部43は、ディスプレイ等を有することができる。計算部422で得られた計算結果や、必要に応じてモデル作成部で作成した高分子の分子構造モデルに関する情報を出力できる。
【0050】
出力する計算結果の内容は特に限定されないが、例えば出力部43に、計算結果を画像として出力し、表示することもできる。また、高分子の分子構造モデルに関する情報として、例えば所定の出力形式でトポロジーファイルや、構造ファイルを出力することもできる。
【0051】
以上に説明した本実施形態の高分子の分子動力学計算装置によれば、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別記号を付与することで、計算を行う系に含まれる高分子を構成する分子情報へのアクセスを容易にできる。
[高分子の分子動力学計算プログラム]
次に、本実施形態の高分子の分子動力学計算プログラムについて説明する。
【0052】
本実施形態の高分子の分子動力学計算プログラムは、コンピュータを以下のモデル作成部、計算部として機能させることができる。
【0053】
モデル作成部は、分子動力学計算を行う系に含まれる高分子の分子構造のモデルを作成できる。
【0054】
計算部は、モデル作成工程で作成したモデルを含む系を用いて分子動力学計算を行うことができる。
【0055】
モデル作成部では、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与できる。
【0056】
なお、本実施形態の高分子の分子動力学計算プログラムは、必要に応じてさらに、モデル作成部が作成したモデルを用いて、分子動力学計算用の系を作成する反応系作成部等として機能させることもできる。
【0057】
本実施形態の高分子の分子動力学計算プログラムは、例えば既述の高分子の分子動力学計算装置のRAMやROM等の主記憶装置または補助記憶装置の各種記憶媒体に記憶させておくことができる。そして、係るプログラムを読み込ませ、CPUにより実行することにより、RAM等におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うと共に、入出力インタフェースおよび表示装置を動作させて実行できる。このため、高分子の分子動力学計算装置で既に説明した事項については説明を省略する。
【0058】
上述した本実施形態の高分子の分子動力学計算プログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることで提供してもよい。また、本実施形態の高分子の分子動力学計算プログラムをインターネットなどのネットワークを介して提供、配布するように構成してもよい。
【0059】
本実施形態の高分子の分子動力学計算プログラムは、CD-ROM等の光ディスクや、半導体メモリ等の記録媒体に格納した状態で流通等させてもよい。
【0060】
以上に説明した本実施形態の高分子の分子動力学計算プログラムによれば、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別記号を付与することで、計算を行う系に含まれる高分子を構成する分子情報へのアクセスを容易にできる。
【符号の説明】
【0061】
421 モデル作成部
422 計算部
図1
図2
図3
図4