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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152850
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】パネル状モジュール
(51)【国際特許分類】
   H02S 30/10 20140101AFI20221004BHJP
【FI】
H02S30/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055780
(22)【出願日】2021-03-29
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の新市場創造技術開発」共同研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000183646
【氏名又は名称】出光興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 優介
(72)【発明者】
【氏名】北野 貴寛
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA18
5F151JA07
5F151JA09
5F151JA27
(57)【要約】
【課題】パネルにかかる応力を緩和することができるパネル状モジュールを提供する。
【解決手段】パネル状モジュール10は、パネル100と、パネル100の端部に沿って第1方向に延びた第1フレーム220と、パネル100の端部に沿って、上記第1方向に交差する第2方向に延びた第2フレーム230と、を有する。上記第2方向に直交する断面において第2フレーム230の上記第1方向に関する第2断面二次モーメントが、上記第1方向に直交する断面において第1フレーム220の上記第2方向に関する第1断面二次モーメントよりも小さい。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルと、
前記パネルの端部に沿って第1方向に延びた第1フレームと、
前記パネルの端部に沿って、前記第1方向に交差する第2方向に延びた第2フレームと、を有し、
前記第2方向に直交する断面において前記第2フレームの前記第1方向に関する第2断面二次モーメントが、前記第1方向に直交する断面において前記第1フレームの前記第2方向に関する第1断面二次モーメントよりも小さい、パネル状モジュール。
【請求項2】
前記第2断面二次モーメントは、前記第1断面二次モーメントの40%以下である、請求項1に記載のパネル状モジュール。
【請求項3】
前記第2断面二次モーメントは、前記第1断面二次モーメントの20%以上である、請求項1又は2に記載のパネル状モジュール。
【請求項4】
前記パネルに直交する方向における前記第2フレームの長さが、前記パネルに直交する方向における前記第1フレームの長さよりも短い、請求項1から3のいずれか1項に記載のパネル状モジュール。
【請求項5】
前記パネルの裏側に配置され、前記第2方向に沿って延びたサポートフレームを有し、
前記サポートフレームは、前記第2フレームから間隔をあけて設けられており、
前記第2方向に直交する断面において前記サポートフレームの前記第1方向に関する第3断面二次モーメントが、前記第1断面二次モーメントよりも小さい、請求項1から4のいずれか1項に記載のパネル状モジュール。
【請求項6】
前記第3断面二次モーメントが、前記第2断面二次モーメントの1.5倍以上、かつ2.0倍以下である、請求項5に記載のパネル状モジュール。
【請求項7】
前記パネルに直交する方向における前記サポートフレームの長さが、前記パネルに直交する方向における前記第1フレームの長さよりも短い、請求項5又は6に記載のパネル状モジュール。
【請求項8】
前記第2方向に直交する断面において前記パネルの前記第1方向に関する断面二次モーメントが、前記第1断面二次モーメントの10%以下である、請求項1から7のいずれか1項に記載のパネル状モジュール。
【請求項9】
一対の前記第2フレームが、前記パネルの対向する両端部に設けられており、
2本の前記サポートフレームが、一対の前記第2フレームの間で、実質的に等間隔で配置されており、
前記第2断面二次モーメントは、前記第1断面二次モーメントの30%以上、かつ40%以下であり、
前記第3断面二次モーメントは、前記第1断面二次モーメントの50%以上、かつ70%以下である、請求項5から8のいずれか1項に記載のパネル状モジュール。
【請求項10】
一対の前記第2フレームが、前記パネルの対向する両端部に設けられており、
3本の前記サポートフレームが、一対の前記第2フレームの間で、実質的に等間隔で配置されており、
前記第2断面二次モーメントは、前記第1断面二次モーメントの20%以上、かつ30%以下であり、
前記第3断面二次モーメントは、前記第1断面二次モーメントの40%以上、かつ50%以下である、請求項5から8のいずれか1項に記載のパネル状モジュール。
【請求項11】
前記第1方向における前記第1フレームの長さは、前記第2方向における前記第2フレームの長さよりも長い、請求項1から10のいずれか1項に記載のパネル状モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル状モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールのようなパネル状モジュールが知られている。特許文献1は、屋外に設置された太陽電池モジュールを開示する。特許文献1に記載された太陽電池モジュールは、パネル本体と、パネル本体の周囲に配置された横枠及び縦枠と、パネル本体の裏側に配置された中間枠と、を有する。
【0003】
横枠及び縦枠は、パネル本体を取り囲むよう略長方形状に配置される。中間枠は、横枠の長手方向の略中央部で、縦枠と平行に配置される縦長の部材である。横枠、縦枠及び中間枠は、パネル本体の撓みを防止し、パネル本体全体の強度を確保する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6670152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
太陽電池モジュールのようなパネル状モジュールは、屋外に設置されることがある。この場合、パネル状モジュールは、例えば風や雪等により外力を受けることがある。この外力により、パネルは湾曲し、パネルに応力が生じる。この応力により、パネルが劣化したり、壊れたりすることがある。
【0006】
パネルは、通常、横枠及び縦枠のところで湾曲しないよう固定される。本願の出願人は、この場合に、横枠と縦枠が交差した領域付近でパネルに高い応力が生じることがあることを見出した。特にパネルが湾曲し易いものである場合、当該領域でパネルに高い応力が生じることがある。
【0007】
したがって、パネルにかかる応力を緩和することができるパネル状モジュールが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係るパネル状モジュールは、パネルと、前記パネルの端部に沿って第1方向に延びた第1フレームと、前記パネルの端部に沿って、前記第1方向に交差する第2方向に延びた第2フレームと、を有する。前記第2方向に直交する断面において前記第2フレームの前記第1方向に関する第2断面二次モーメントが、前記第1方向に直交する断面において前記第1フレームの前記第2方向に関する第1断面二次モーメントよりも小さい。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、パネルにかかる応力を緩和することができるパネル状モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るパネル状モジュールの斜視図である。
図2】裏面から見たパネル状モジュールの平面図である。
図3図1の3A-3A線に沿ったパネル状モジュールの部分的断面図である。
図4】第1実施形態に係る第1フレームの側面図である。
図5】第1実施形態に係る第1フレームの斜視図である。
図6図1の6A-6A線に沿ったパネル状モジュールの部分的断面図である。
図7】第1実施形態に係る第2フレームの側面図である。
図8】第1実施形態に係る支持フレームの側面図である。
図9】第1実施形態におけるパネルの撓みを示す模式図である。
図10】参考例におけるパネルの撓みを示す模式図である。
図11】第1条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示す図である。
図12】第2条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示す図である。
図13】第3条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示す図である。
図14】第4条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示す図である。
図15】裏面から見た第2実施形態に係るパネル状モジュールの平面図である。
図16】第5条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示す図である。
図17】第6条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示す図である。
図18】第7条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示す図である。
図19】第8条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示す図である。
図20】第3実施形態に係る第1フレームの斜視図である。
図21】第3実施形態に係る第2フレームの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るパネル状モジュールの斜視図である。図2は、裏面から見たパネル状モジュールの平面図である。図3は、図1の3A-3A線に沿ったパネル状モジュールの部分的断面図である。図4は、第1実施形態に係る第1フレームの側面図である。図5は、第1実施形態に係る第1フレームの斜視図である。図6は、図1の6A-6A線に沿ったパネル状モジュールの部分的断面図である。図7は、第1実施形態に係る第2フレームの側面図である。図8は、第1実施形態に係る支持フレームの側面図である。
【0013】
パネル状モジュール10は、屋外用のモジュールであってよい。パネル状モジュール10は、例えば太陽電池モジュールであることが好ましい。パネル状モジュール10は、パネル100と、フレーム構造体200と、を有する。パネル100の厚みは、特に制限されないが、例えば2.5mm以下であってもよい。
【0014】
パネル状モジュール10が太陽電池モジュールである場合、パネル100は、光を電気に変換する光電変換素子を含む。この場合、パネル100の表面は光を受ける受光面に相当し、パネル100の裏面は非受光面に相当する。パネル100は、平板状であってよい。本実施形態では、パネル100は、パネル100の表面に直交する方向(高さ方向)から見て、略長方形状である。パネル100の背面(非受光面)には、電力の取り出し口となる端子箱や出力ケーブル(不図示)が取り付けられていてよい。
【0015】
フレーム構造体200は、パネル100の周囲に取り付けられている。フレーム構造体200は、少なくとも第1フレーム220と第2フレーム230を有していてよい。第1フレーム220及び第2フレーム230は、それぞれパネル100の端部に沿って設けられている。本実施形態では、第1フレーム220は、パネル100の端部に沿って第1方向(以下、「横方向」と称することもある。)に延びている。なお、横方向は、図のX方向に相当する。
【0016】
第2フレーム230は、上記横方向に交差する第2方向(以下、「縦方向」と称することもある。)に延びていてよい。ここで、第1方向(横方向)と第2方向(縦方向)は、互いに交差する方向であればよく、好ましくは互いに直交する方向である。なお、縦方向は、図のY方向に相当する。
【0017】
パネル100は、図1に示す態様では略長方形状であり、一対の第1フレーム220がパネル100の一対の長辺に沿って設けられている。同様に、一対の第2フレーム230がパネル100の互いに対向する一対の短辺に沿って設けられている。したがって、横方向における第1フレーム220の長さは、縦方向における第2フレーム230の長さよりも長い。図1に示す態様では、フレーム構造体200は、一対の第1フレーム220と一対の第2フレーム230とによって構成されている。
【0018】
第1フレーム220は、第1保持部221、第1脚部222、第1側壁部223、第1フランジ224及び第1受け入れ部225を有していてよい(図3図5参照)。第1フランジ224は、第1側壁部223の上部から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、パネル100の端部の表面側を覆っている。第1フランジ224は、横方向に沿って延びていてよい。
【0019】
第1フランジ224は、パネル100の裏面側の方に向かって突出した突起部224aを有していてよい。突起部224aは、第1フランジ224のY方向における先端に設けられていてよい。突起部224aは、第1フランジ224と同様に横方向に沿って延びていてよい。
【0020】
第1保持部221は、第1側壁部223から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、第1フランジ224と対向している。第1保持部221は、パネル100の端部を下方から支えるよう構成されている。
【0021】
第1受け入れ部225は、第1保持部221と、第1側壁部223と、第1フランジ224とによって構成されていてよい。具体的には、第1受け入れ部225は、第1フレーム220の延在方向(横方向)に直交する断面において、略「C」の字型の形状を有する。これにより、第1受け入れ部225は、パネル100の端部を受け入れ可能に構成されている。
【0022】
第1フランジ224と第1保持部221との間の間隔は、パネル100の内側に向かうにつれて広がっていてよい。言い換えると、第1フランジ224と第1保持部221との間の間隔は、第1受け入れ部225の入口側に向かうにつれて広がっている。これにより、パネル100を第1受け入れ部225に挿入し易くなる。
【0023】
第1受け入れ部225の内部には、第1接着材229が充填されていてよい。これにより、第1受け入れ部225は、パネル100の端部を受け入れた状態で、パネル100を保持することができる。第1接着材229の材料は、特に限定されないが、例えばシリコーン系の接着材であってよい。
【0024】
第1脚部222は、第1保持部221から下方に向かって延び、第1フレーム220の底部でパネル100の外側の方(縦方向)に向かって突出していてよい。第1脚部222は、パネル100の表面に直交する方向において、第1保持部221に関して、第1フランジ224とは反対側に位置する。
【0025】
第1保持部221、第1脚部222、第1側壁部223及び第1フランジ224は、それぞれ第1フレーム220の延在方向に延びていてよい。第1保持部221、第1脚部222、第1側壁部223及び第1フランジ224は、一体に形成されていてよい。
【0026】
第1脚部222は、横方向における第1フレーム220の両端部のところで、第2フレーム230と当接する(図1及び図2参照)。第1フレーム220の第1脚部222は、横方向における両端部付近に、ボルトのような締結部材240が挿通可能な第1孔部226を有していてよい。締結部材240は、第2フレーム230を第1フレーム220に取り付けるために設けられる。
【0027】
第1実施形態において、第1保持部221及び第1フランジ224の横方向(X方向)における端部は、部分的に切り欠かれていてよい(図1及び図5参照)。これにより、第1保持部221及び第1フランジ224は、後述する第2フレーム230の第2保持部231及び第1フランジ234と干渉しないよう構成されている。第1孔部226は、第1脚部222の、第1保持部221及び第1フランジ224よりも外側に延出した部分に設けられていてよい。
【0028】
第2フレーム230は、第1フレーム220と同種又は同一の材料により構成されていてよい。第2フレーム230は、第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233、第2フランジ234及び第2受け入れ部235を有していてよい。第2フランジ234は、第2側壁部233の上部から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、パネル100の端部の表面側を覆っている。第2フランジ234は、パネル100の端部に沿って縦方向に延びていてよい。
【0029】
第2保持部231は、第2側壁部233から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、第2フランジ234と対向している。第2保持部231は、パネル100の端部を下方から支えるよう構成されている。
【0030】
第2受け入れ部235は、第2保持部231と、第2側壁部233と、第2フランジ234とによって構成されていてよい。具体的には、第2受け入れ部235は、第2フレーム230の延在方向(縦方向)に直交する断面において、略「C」の字型の形状を有する(図6及び図7参照)。これにより、第2受け入れ部235は、パネル100の端部を受け入れ可能に構成されている。
【0031】
第2フランジ234と第2保持部231との間の間隔は、パネル100の内側に向かうにつれて広がっていてよい。言い換えると、第2フランジ234と第2保持部231との間の間隔は、第2受け入れ部235の入口側に向かうにつれて広がっている。これにより、パネル100を第2受け入れ部235に挿入し易くなる。
【0032】
第2受け入れ部235の内部には、第2接着材239が充填されていてよい(図7参照)。これにより、第2受け入れ部235は、パネル100の端部を受け入れた状態で、パネル100を保持することができる。第2接着材239の材料は、第1接着材229の材料と同じであっても、異なっていてもよい。
【0033】
第2脚部232は、パネル100に直交する方向において、第2保持部231に関して第2フランジ234と反対側に位置する。第2脚部232は、第2保持部231から下方に延びている。
【0034】
第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233及び第2フランジ234は、それぞれ第2フレーム230の延在方向に延びていてよい。第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233及び第2フランジ234は、一体に形成されていてよい。
【0035】
第1実施形態において、第2保持部231、第2脚部232及び後述するC字型の壁部237は、縦方向(Y方向)において第2フレーム230の縁まで達していてよい。これにより、第2保持部231、第2脚部232及び後述するC字型の壁部237は、第1フレーム220に当接する。
【0036】
第2脚部232は、縦方向における第2フレーム230の両端部のところで、第1フレーム220と当接する。第2脚部232には、ボルトのような締結部材240が挿通可能な第2孔部236が形成されていてよい。第2孔部236は、断面視でC字型の壁部237によって囲まれている。C字型の壁部237は、第2フレーム230の延在方向に沿って延びている。したがって、C字型の壁部237は、略円筒状の形状を有する。
【0037】
第2フレーム230の第2孔部236は、第1フレーム220の第1孔部226と位置合わせされている。ボルトのような締結部材240は、第1フレーム220の第1孔部226と第2フレーム230の第2孔部236の両方を通る。これにより、第1フレーム220と第2フレーム230が、フレーム構造体200の隅のところで互いに締結される。
【0038】
パネル100に直交する方向における第2フレーム230の長さH2は、パネル100に直交する方向における第1フレーム220の長さH1よりも短いことが好ましい。第2フレーム230の長さH2は、第1フレーム220の長さH1の80%以下であることがより好ましい。
【0039】
パネル状モジュール10は、パネル100の裏側に配置されたサポートフレーム210を有していてよい。サポートフレーム210は、縦方向(Y方向)に沿って延びている。サポートフレーム210は、パネル100に面する上部212と、パネル100から離れる方向に延びた起立部214と、パネル100から最も離れたところに位置する脚部216と、を有していてよい。上部212、起立部214及び脚部216は、一体に形成されていてよい。サポートフレーム210の上部212、起立部214及び脚部216によって、断面視で略Iの字型の形状が形成されていてよい。サポートフレーム210の上部244は、接合材によってパネル100と接合されていてよい。
【0040】
サポートフレーム210は、起立部214に、ボルトのような締結部材が挿通可能な孔部218を有する。孔部218は、断面視でC字型の構造215によって囲まれている。サポートフレーム210の孔部218は、第1フレーム220の脚部222に形成された不図示の孔部と位置合わせされている。ボルトのような締結部材が、第1フレーム220に形成された孔部とサポートフレーム210の孔部218の両方を通っている。これにより、第1フレーム220とサポートフレーム210が互いに締結される。
【0041】
パネル100に直交する方向におけるサポートフレーム210の長さH3は、パネル100に直交する方向における第1フレーム220の長さH1よりも短いことが好ましい。サポートフレーム210の長さH3は、第1フレーム220の長さH1の80%以下であることがより好ましい。
【0042】
第1実施形態において、第2方向(Y軸)に直交する断面において第2フレーム230の第1方向(X軸)に関する断面二次モーメント(以下、「第2断面二次モーメント」と称する。)が、第1方向(X軸)に直交する断面において第1フレーム220の第2方向(Y軸)に関する断面二次モーメント(以下、「第1断面二次モーメント」と称する。)よりも小さい。好ましくは、第2フレーム230の第2断面二次モーメントは、第1フレーム220の第1断面二次モーメントの40%以下である。
【0043】
本明細書において、第1フレーム220のY軸に関する断面二次モーメント(Iy1)は、以下の式1によって定義される。
(式1)
ここで、「z」は、Z軸方向における位置を表す。「A」は、X軸に直交する断面における第1フレーム220の形状を表す。「dA」は、X軸に直交する断面における第1フレーム220中の微小領域を表す。したがって、式1における積分は、第1フレーム220の断面(X軸に直交する断面)にわたる積分を意味する。
【0044】
本明細書において、第2フレーム230、サポートフレーム210及びパネル100のX軸に関する断面二次モーメント(Ix2)は、以下の式2によって定義される。
(式2)
【0045】
また、本明細書において、サポートフレーム210のX軸に関する断面二次モーメント(Ix3)は、以下の式3によって定義される。
(式3)
【0046】
さらに、本明細書において、パネル100のX軸に関する断面二次モーメント(Ixp)は、以下の式4によって定義される。
(式4)
式2~式4)において、「z」は、Z軸方向における位置を表す。「A」は、それぞれ、Y軸に直交する断面における第2フレーム230、サポートフレーム210及びパネル100の形状を表す。「dA」は、それぞれ、Y軸に直交する断面における第2フレーム230、サポートフレーム210及びパネル100中の微小領域を表す。したがって、式2~式4における積分は、それぞれ、第2フレーム230、サポートフレーム210及びパネル100の断面(Y軸に直交する断面)にわたる積分を意味する。
【0047】
断面二次モーメントの算出において、Z軸方向における基準(原点)は、各々の断面の図形における図心を通過するよう設定されていてよい。言い換えると、Z軸方向における基準(原点)は、断面一次モーメントが「0」になるよう設定されていてよい。
【0048】
上記式1~式4で定義された断面二次モーメントは、第1フレーム220、第2フレーム230、サポートフレーム210及びパネル100のZ軸方向に沿った曲がり難さを示す指標となる。すなわち、上記式1~式4で定義された断面二次モーメントが小さいほど、第1フレーム220、第2フレーム230、サポートフレーム210及びパネル100は外力に対して曲がり易くなる。
【0049】
図9は、第1実施形態におけるパネルの撓みを示す模式図である。ここで、図9は、パネル100の全領域のうちの1/4の領域を示している。具体的には、図9における「E」は、パネル100の角に相当する。図9における「Cx」は、X方向におけるパネル100の中心に相当する。図9における「Cy」は、Y方向におけるパネル100の中心に相当する。図9における「C」は、パネル100の中心に相当する。なお、これらの表記は、図10図14及び図16図19でも同様である。
【0050】
前述したように、第2フレーム230の第2断面二次モーメントは、第1フレーム220の第1断面二次モーメントよりも小さい。これにより、パネル100は、Y方向に沿って曲がり易く、かつX方向に沿って曲がり難くなる。すなわち、パネル100は、外力を受けたときに、一軸方向(Y方向)のみに曲がり易い(図9参照)。
【0051】
図10は、参考例におけるパネルの撓みを示す模式図である。ここで、図10は、図9と同様に、パネル100の全領域のうちの1/4の領域を示している。図10に示す参考例では、第2フレーム230の第2断面二次モーメントが第1フレーム220の第1断面二次モーメントと同程度の場合におけるパネル100の撓みを示している。この場合、第1フレーム220と第2フレーム230の両方が曲がり難くなる。一方で、パネル100の中心は、外力を受けて凹状に湾曲する。すなわち、パネル100は、外力を受けたときに、二軸方向(X方向及びY方向)に曲がることになる(図10参照)。このとき、パネル100の角付近、すなわち図10の領域10A付近において、パネル100に高い応力が生じてしまう。これは、パネル100が二軸方向に曲がる影響と考えられる。
【0052】
第1実施形態では、パネル100を一軸方向に敢えて曲がり易くすることによって、パネル100の角付近に生じる応力を緩和することができる。したがって、パネルの劣化や破壊を抑制することができる。
【0053】
また、縦方向に直交する断面においてサポートフレーム210の横方向に関する断面二次モーメント(以下、「第3断面二次モーメント」と称する。)が、第1フレーム220の第1断面二次モーメントよりも小さいことが好ましい。これにより、パネル100が一軸方向(Y方向)に敢えて曲がり易くなる。
【0054】
より好ましくは、第2フレーム230の第2断面二次モーメントが第1フレーム220の第1断面二次モーメントの40%以下であり、かつサポートフレーム210の第3断面二次モーメントが、第2フレーム230の第2断面二次モーメントの1.5倍以上、かつ2.0倍以下である。サポートフレーム210の第3断面二次モーメントがこの範囲である場合、サポートフレーム210は、第2フレーム230とともに同程度に曲がり、その結果、パネル100が比較的綺麗に一軸方向に曲がると考えられる。そのため、パネル100が外力を受けたときにパネル100に局所的に生じる応力を緩和し易い。
【0055】
上記の断面二次モーメントの関係性を有するフレーム210,220,230は、比較的小さい断面二次モーメントを有するパネル100に好適に利用できる。例えば、縦方向(Y方向)に直交する断面においてパネル100の横方向(X方向)に関する断面二次モーメントは、第1フレーム220の第1断面二次モーメントの10%以下であることが好ましい。このようなパネル100は、フレーム210,220,230を硬くしたとしても外力に応じて撓む。そのため、敢えてパネル100を一軸方向に曲げ易くすることによって応力を緩和することにより、パネル100に生じる局所的な応力を緩和することができる。
【0056】
サポートフレーム210、第1フレーム220及び第2フレーム230の断面二次モーメントは、これらの断面形状を変えることによって設計することができる。上記の式1~式4によれば、「z」の積分により、断面二次モーメントは、「z」に比例する項を含む。したがって、断面二次モーメントは、サポートフレーム210、第1フレーム220及び第2フレーム230のZ方向における長さ、すなわちパネル100に直交する方向の長さに強く影響される。
【0057】
さらに、第1フレーム220のY方向における長さについての設計の余地は小さい。これは、Y方向における第1フレーム220の長さは、パネル100を保持する、パネル100を大幅に覆わない、パネル状モジュール10のサイズを大きくしない等の観点から、決定されるためである。同様に、第2フレーム230のX方向における長さについての設計の余地は小さい。これは、X方向における第2フレーム230の長さは、パネル100を保持する、パネル100を大幅に覆わない、パネル状モジュール10のサイズを大きくしない等の観点から、決定されるためである。これらの事情も、第1フレーム220又は第2フレーム230のZ方向における長さが、断面二次モーメントに対して支配的に影響を与える一因となる。
【0058】
前述した観点により、パネル100に直交する方向における第2フレーム230の長さH2は、パネル100に直交する方向における第1フレーム220の長さH1よりも短いことが好ましい。より好ましくは、前述したように、第2フレーム230の長さH2は、第1フレーム220の長さH1の80%以下である。これにより、第1フレーム220と第2フレーム230の前述した断面二次モーメントの関係性を容易に実現することができる。
【0059】
同様の観点から、パネル100に直交する方向におけるサポートフレーム210の長さH3は、パネル100に直交する方向における第1フレーム220の長さよりも短いことが好ましい。より好ましくは、前述したように、サポートフレーム210の長さH3は、第1フレーム220の長さH1の80%以下である。これにより、第1フレーム220と第2フレーム230の前述した断面二次モーメントの関係性を容易に実現することができる。
【0060】
また、第2フレーム230の第2断面二次モーメントは、第1フレーム220の第1断面二次モーメントの20%以上であることが好ましい。これにより、第2フレーム230とともにパネル100が撓みすぎることを抑制することができる。この場合にも、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントが、第2フレーム230の第2断面二次モーメントの1.5倍以上、かつ2.0倍以下であることが好ましい。これにより、サポートフレーム210とともにパネル100が撓みすぎることを抑制することができ、パネル100は一軸方向に綺麗に曲がり易くなる。
【0061】
次に、図11図14を参照し、パネル100に生じる応力のシミュレーション結果について説明する。図11図14で実行したシミュレーションの条件が、以下の表1に示されている。ここで、図11図14で実行したシミュレーションでは、図2に示すように、2本のサポートフレーム210が、一対の第2フレーム230の間で、実質的に等間隔で配置されている。より具体的には、サポートフレーム210どうしの間の間隔と、サポートフレーム210と第2フレーム230との間の間隔とが、実質的に等しい。
【0062】
また、第1条件~第4条件の各条件において、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するパネル100の第2断面二次モーメントIxpの比が、0.07であった。
【0063】
第1条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対する第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の比が、0.6であった。第2条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対する第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の比が、0.4であった。第3条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対する第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の比が、0.3であった。第4条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対する第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の比が、0.05であった(表1参照)。
【0064】
また、第1条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するサポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3の比が、1.0であった。第2条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するサポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3の比が、0.7であった。第3条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するサポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3の比が、0.5であった。第4条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するサポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3の比が、0.1であった。各条件1~4において、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3は、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の1.5倍以上、かつ2.0倍以下に維持されている。
【0065】
(表1)
【0066】
図1及び図2に示すパネル状モジュールについて上記の条件1~4で、パネル100に直交する方向に2400Paの外力をかけたときに、パネル100に生じる応力σをシミュレーションソフトウェアによって算出した。このシミュレーションの結果が、図11図14に示されている。図11図12図13及び図14は、それぞれ第1条件、第2条件、第3条件及び第4条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示している。
【0067】
図11図14は、図9と同様に、パネル全体のうちの1/4の領域を示していることに留意されたい。また、図11図14では、応力の分布が濃淡によって示されている。なお、図11図14において、サポートフレーム210と第2フレーム230から離れた領域では、パネル100に生じる応力が最も小さかった。
【0068】
最も高いレベルの応力が表れた場合、表1に、「高レベル領域あり」と示されている。第1条件(図11)では、最も高いレベルの応力がサポートフレーム210付近に表れた(領域Hs参照)。これは、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3が大きすぎ、パネル100がサポートフレーム210付近で一軸方向に曲がらず、サポートフレーム210付近でひずみが生じたためと考えられる。
【0069】
図11図14に示しように、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3と第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2を小さくすればするほど、サポートフレーム210付近に生じる応力は小さくなる傾向があった。したがって、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3が、第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1よりも小さいことが好ましいことがわかる。より好ましくは、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2が第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1の40%以下であることがわかる。
【0070】
また、第4条件(図14)では、最も高いレベルの応力がパネル100の角付近に表れた(領域Hs参照)。パネル100の角付近に生じる応力は、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2を大きくするとともに小さくなった。したがって、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2は、概ね第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1の概ね20%以上、より好ましくは30%以上であることがよいことがわかる。
【0071】
より好ましくは、第1条件~第4条件の場合では、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2は、第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1の30%以上、かつ40%以下であることが最も好ましい(第2条件及び第3条件)。同様に、第1条件~第4条件の場合では、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3は、第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1の50%以上、かつ70%以下であることがより好ましい(第2条件及び第3条件)。
【0072】
(第2実施形態)
次に、図15図19を参照し、第2実施形態に係るパネル状モジュール10におけるパネル100に生じる応力の別のシミュレーション結果について説明する。第2実施形態では、サポートフレーム210の数と位置が、第1実施形態と異なっている。
【0073】
図15は、裏面から見た第2実施形態に係るパネル状モジュールの平面図である。図15に示すように、3本のサポートフレーム210が、一対の第2フレーム230の間で、実質的に等間隔で配置されている。より具体的には、サポートフレーム210どうしの間の間隔と、サポートフレーム210と第2フレーム230との間の間隔とが、実質的に等しい。
【0074】
このサポートフレーム210の配置で、いくつかの断面二次モーメントの値の組み合わせで、パネル100に生じる応力をシミュレーションした。図16図19で実行したシミュレーションの条件(第5条件~第8条件)が、以下の表2に示されている。
【0075】
また、第5条件~第8条件の各条件において、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するパネル100の第2断面二次モーメントIxpの比が、0.05であった。
【0076】
第5条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対する第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の比が、0.6であった。第6条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対する第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の比が、0.3であった。第7条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対する第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の比が、0.2であった。第8条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対する第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の比が、0.05であった(表1参照)。
【0077】
また、第5条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するサポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3の比が、1.0であった。第6条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するサポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3の比が、0.5であった。第7条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するサポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3の比が、0.4であった。第8条件では、第1フレーム220の断面二次モーメントIy1に対するサポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3の比が、0.1であった。各条件5~8において、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3は、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2の1.5倍以上、かつ2.0倍以下に維持されている。
【0078】
(表2)
【0079】
図15に示すパネル状モジュールについて上記の条件1~4で、パネル100に直交する方向に1600Paの外力をかけたときに、パネル100に生じる応力σをシミュレーションソフトウェアによって算出した。このシミュレーションの結果が、図16図19に示されている。図16図17図18及び図19は、それぞれ第5条件、第6条件、第7条件及び第8条件においてパネルに生じる応力をシミュレーションした結果を示している。
【0080】
図16図19は、図9と同様に、パネル全体のうちの1/4の領域を示していることに留意されたい。また、図16図19では、応力の分布が濃淡によって示されている。なお、図16図19において、サポートフレーム210と第2フレーム230から離れた領域では、パネル100に生じる応力が最も小さかった。
【0081】
最も高いレベルの応力が表れた場合、表2に、「高レベル領域あり」と示されている。第5条件(図16)では、最も高いレベルの応力がサポートフレーム210付近に表れた(領域Hs参照)。これは、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3が大きすぎ、パネル100がサポートフレーム210付近で一軸方向に曲がらず、サポートフレーム210付近でひずみが生じたためと考えられる。
【0082】
図16図19に示しように、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3と第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2を小さくすればするほど、サポートフレーム210付近に生じる応力は小さくなる傾向があった。したがって、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3が、第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1よりも小さいことが好ましいことがわかる。また、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2が第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1の概ね40%以下、より好ましくは30%以下がよいことがわかる。
【0083】
また、第8条件(図19)では、最も高いレベルの応力がパネル100の角付近、より具体的には第2フレーム230付近に表れた(領域Hs参照)。第2フレーム230付近に生じる応力は、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2を大きくするとともに小さくなった。したがって、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2は、概ね第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1の20%以上であることがよいことがわかる。
【0084】
より好ましくは、第5条件~第8条件の場合では、第2フレーム230の第2断面二次モーメントIx2は、第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1の20%以上、かつ30%以下であることが最も好ましい(第2条件及び第3条件)。同様に、第5条件~第8条件の場合では、サポートフレーム210の第3断面二次モーメントIx3は、第1フレーム220の第1断面二次モーメントIy1の40%以上、かつ50%以下であることがより好ましい(第2条件及び第3条件)。
【0085】
(第3実施形態)
次に、図20及び図21を参照して第3実施形態に係るフレーム構造体及びパネル状モジュールについて説明する。図20は、第3実施形態に係る第1フレームの斜視図である。図21は、第3実施形態に係る第2フレームの側面図である。
【0086】
第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されている。また、第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0087】
第3実施形態において、第1フレーム220は、第1実施形態と概ね同様の構成を有するが、第1保持部221の形状が第1実施形態と異なっている。具体的には、第1保持部221は、第1側壁部223から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、第1フランジ224と平行に延びている。
【0088】
また、第3実施形態において、第2フレーム230は、第1実施形態と異なる形状を有する。第2フレーム230は、第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233、第2フランジ234及び第2受け入れ部235を有する。第3実施形態では、第2脚部232は、第2側壁部233から連続的に延びている。第2脚部232の底部が、パネル100の内側の方へ突出しており、この第2脚部232の底部にC字型の壁部237が設けられている。すなわち、C字型の壁部237は、第2脚部232よりも内側に位置する。これにより、C字型の壁部237に挿入した締結部材が雨水に接触し難くなっている。
【0089】
第3実施形態においても、前述した断面二次モーメントの関係性は満たされている。第1フレーム220、第2フレーム230、サポートフレーム210及びパネル100に生じる応力は、断面二次モーメント及びその関係性で定まる。そのため、断面二次モーメントの関係性が維持される限り、第1フレーム220、第2フレーム230及びサポートフレーム210の形状は、上記実施形態で説明したものに限定されない。
【0090】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0091】
例えば、前述した実施形態では、フレーム構造体210は、パネル100が第2フレーム230に沿った方向に曲がり易くなるよう構成されている。この代わりに、フレーム構造体210は、パネル100が第1フレーム220に沿った方向に曲がり易くなるよう構成されていてもよい。これは、「前述した断面二次モーメントの関係性を維持しつつ、かつ第2フレーム230が第1フレーム220よりも長い」という条件と言い換えることもできる。
【0092】
パネル100に生じ得る歪みの大きさをなるべく低減するという観点からは、前述した断面二次モーメントの関係性を維持しつつ、かつ第1フレーム220が第2フレーム230よりも長いことが望ましい。
【0093】
また、前述した実施形態では、2本又は3本のサポートフレーム210が設けられている。この代わりに、サポートフレーム210は設けられていなくてもよい。また、1本のサポートフレーム210がX方向における中央に設けられていてもよい。さらに、X方向を1:2:1の領域に区分するよう、2本のサポートフレーム210が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10 パネル状モジュール
100 パネル
210 支持フレーム
220 第1フレーム
230 第2フレーム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21