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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153112
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】収納ケース及び梱包物
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/575 20060101AFI20221004BHJP
   B65D 85/57 20060101ALI20221004BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B65D85/575 Q
B65D85/57 J
B65D85/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056175
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角屋 陽介
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA01
3E068AB01
3E068AC05
3E068BB02
3E068CC03
3E068CE03
3E068DD06
3E068DD11
3E068DD40
3E068DE12
3E068DE14
3E068EE09
3E068EE40
(57)【要約】
【課題】複数の磁気テープカートリッジの側面を支持する支持面全面で複数の磁気テープカートリッジの側面を支持する構造に比して、支持面の摩耗を低減する収納ケース及び梱包物を提供する。
【解決手段】収納ケースは、複数の磁気テープカートリッジの側面を支持する支持面を備え、支持面は、第1面と、第1面よりも側面の側に位置する第2面と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の磁気テープカートリッジの側面を支持する支持面を備え、
前記支持面は、
第1面と、
前記第1面よりも前記側面の側に位置する第2面と、
を有する
収納ケース。
【請求項2】
前記第1面は、前記支持面の外周縁側に位置し、
前記第2面は、前記第1面よりも前記支持面の中央側に位置する
請求項1に記載の収納ケース。
【請求項3】
前記支持面は、樹脂材料によって形成されている
請求項1又は請求項2に記載の収納ケース。
【請求項4】
前記第2面は、平面である
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の収納ケース。
【請求項5】
前記第1面と第2面との間には、段差が形成され、
前記段差の寸法は、0.1mm以上1.3mm以下である
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の収納ケース。
【請求項6】
複数の前記支持面を有する
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の収納ケース。
【請求項7】
ポリエチレンテレフタレートで形成されている
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の収納ケース。
【請求項8】
ポリプロピレン又はポリスチレンで形成されている
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の収納ケース。
【請求項9】
前記支持面としての第1支持面を有する第1ケース部材と、
前記支持面としての第2支持面を有する第2ケース部材と、を備える
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の収納ケース。
【請求項10】
前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、前記第1支持面及び前記第2支持面が対向する方向に重ね合わされることにより、前記磁気テープカートリッジを収納する、
請求項9に記載の収納ケース。
【請求項11】
前記第1ケース部材は、前記第1支持面を含む第1重ね合わせ面を有し、
前記第2ケース部材は、前記第2支持面が向く方向と反対方向を向く第2重ね合わせ面を有し、
前記第1重ね合わせ面及び前記第2重ね合わせ面は、互いに重ね合わさる形状を有する、
請求項9又は請求項10に記載の収納ケース。
【請求項12】
前記側面の中央部は、前記側面の端部よりも前記磁気テープカートリッジの内周側に凹んでおり、
前記第1面は、前記端部を支持し、
前記第2面は、前記中央部を支持する
請求項1から請求項11の何れか一項に記載の収納ケース。
【請求項13】
請求項1から請求項12の何れか一項に記載の収納ケースと、
複数の前記磁気テープカートリッジと、
を備える梱包物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、収納ケース及び梱包物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、磁気テープ巻回リールが内設される扁平体状のカートリッジを収納するカートリッジ収納ケースが開示されている。カートリッジ収納ケースは、複数のカートリッジを厚み方向に並置させてブロック状としたカートリッジ群を保持する複数の区画室と、区画室を実質的に形成するように収納ケース内を区切る仕切り部とを備えている。
【0003】
特許文献2には、磁気テープ巻回リールが内設される扁平体状のカートリッジを収納するカートリッジ収納ケースが開示されている。カートリッジ収納ケースは、複数のカートリッジを厚さ方向に並置させてブロック状としたカートリッジ群を保持する少なくとも1つの区画室と、区画室の少なくともカートリッジ厚さ方向外面に突出形成された緩衝リブとを備えている。
【0004】
特許文献3には、磁気テープ巻回リールが内設される扁平体状のカートリッジを収納するカートリッジ収納ケースカートリッジ収納ケースが開示されている。カートリッジ収納ケースは、他のカートリッジ収納ケースと重ね合わされて使用され、カートリッジを内部に保持可能である。また、カートリッジ収納ケースは、複数のカートリッジを並置させてなるカートリッジ群を収納する少なくとも1つの区画室を有してなり、区画室の内壁面における緩衝部内に、調湿剤を配置してなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-204080号公報
【特許文献2】特開2007-204086号公報
【特許文献3】特開2009-78829号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、複数の磁気テープカートリッジの側面を支持する支持面全面で複数の磁気テープカートリッジの側面を支持する構造に比して、支持面の摩耗を低減することができる収納ケース及び梱包物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の技術に係る第1の態様は、複数の磁気テープカートリッジの側面を支持する支持面を備え、支持面は、第1面と、第1面よりも側面の側に位置する第2面と、を有する収納ケースである。
【0008】
本開示の技術に係る第2の態様は、第1面は、支持面の外周縁側に位置し、第2面は、第1面よりも支持面の中央側に位置する第1の態様に係る収納ケースである。
【0009】
本開示の技術に係る第3の態様は、支持面は、樹脂材料によって形成されている第1の態様又は第2の態様に係る収納ケースである。
【0010】
本開示の技術に係る第4の態様は、第2面は、平面である第1の態様から第3の態様の何れか1つの態様に係る収納ケースである。
【0011】
本開示の技術に係る第5の態様は、第1面と第2面との間には、段差が形成され、段差の寸法は、0.1mm以上1.3mm以下である第1の態様から第4の態様の何れか1つの態様に係る収納ケースである。
【0012】
本開示の技術に係る第6の態様は、複数の支持面を有する第1の態様から第5の態様の何れか1つの態様に係る収納ケースである。
【0013】
本開示の技術に係る第7の態様は、ポリエチレンテレフタレートで形成されている第1の態様から第6の態様の何れか1つの態様に係る収納ケースである。
【0014】
本開示の技術に係る第8の態様は、ポリプロピレン又はポリスチレンで形成されている第1の態様から第6の態様の何れか1つの態様に係る収納ケースである。
【0015】
本開示の技術に係る第9の態様は、支持面としての第1支持面を有する第1ケース部材と、支持面としての第2支持面を有する第2ケース部材と、を備える第1の態様から第8の態様の何れか1つの態様に係る収納ケースである。
【0016】
本開示の技術に係る第10の態様は、第1ケース部材及び第2ケース部材は、第1支持面及び第2支持面が対向する方向に重ね合わされることにより、磁気テープカートリッジを収納する第9の態様に係る収納ケースである。
【0017】
本開示の技術に係る第11の態様は、第1ケース部材は、第1支持面を含む第1重ね合わせ面を有し、第2ケース部材は、第2支持面が向く方向と反対方向を向く第2重ね合わせ面を有し、第1重ね合わせ面及び第2重ね合わせ面は、互いに重ね合わさる形状を有する第9の態様又は第10の態様に係る収納ケースである。
【0018】
本開示の技術に係る第12の態様は、側面の中央部は、側面の端部よりも磁気テープカートリッジの内周側に凹んでおり、第1面は、端部を支持し、第2面は、中央部を支持する第1の態様から第11の態様の何れか1つの態様に係る収納ケースである。
【0019】
本開示の技術に係る第13の態様は、第1の態様から第12の態様の何れか1つの態様に係る収納ケースと、複数の磁気テープカートリッジと、を備える梱包物である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る収納ケースの斜視図である。
図2図1の収納ケースの分解斜視図である。
図3図1の収納ケースが備える下ケースの平面図である。
図4図3の4X-4X線断面図である。
図5図4の矢印5Xで指し示す部分の拡大図である。
図6図1の収納ケースが備える上ケースを下方から見た下面図である。
図7図2の上ケースの上に下ケースを重ねた状態での図4に対応する断面図である。
図8】変形例の収納ケースの図5に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に従って本開示の技術に係る収納ケース及び梱包物の実施形態の一例について説明する。
【0022】
まず、図1図7を参照しながら、収納ケース10の構成の一例について説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1図4において、矢印A方向を収納ケース10の上方向とし、収納ケース10の上方向の側を収納ケース10の上側とする。以下に示す構造の説明において、「上」とは、収納ケース10の上側を指す。
【0023】
また、以下の説明では、説明の便宜上、図1及び図2において、矢印A方向と逆の方向を下方向とし、収納ケース10の下方向の側を収納ケース10の下側とする。以下に示す構造の説明において、「下」とは、収納ケース10の下側を指す。
【0024】
また、以下の説明では、説明の便宜上、図1及び図2において、矢印A方向と直交する矢印B方向を収納ケース10の前方向とし、収納ケース10の前方向の側を収納ケース10の前側とする。以下に示す構造の説明において、「前」とは、収納ケース10の前側を指す。
【0025】
また、以下の説明では、説明の便宜上、図1及び図2において、矢印B方向と逆の方向を後方向とし、収納ケース10の後方向の側を収納ケース10の後側とする。以下に示す構造の説明において、「後」とは、収納ケース10の後側を指す。
【0026】
また、以下の説明では、説明の便宜上、図1及び図2において、矢印A方向及び矢印B方向と直交する方向を矢印Cで示し、矢印C方向を収納ケース10の左方向とし、収納ケース10の左方向の側を収納ケース10の左側とする。以下に示す構造の説明において、「左」とは、収納ケース10の左側を指す。
【0027】
また、以下の説明では、説明の便宜上、図1及び図2において、矢印C方向と逆の方向を右方向とし、収納ケース10の右方向の側を収納ケース10の右側とする。以下に示す構造の説明において、「右」とは、収納ケース10の右側を指す。
【0028】
また、以下の説明において、方向を示すときは、ケース上下方向、ケース前後方向、ケース左右方向のように収納ケース10を「ケース」と略称する。
【0029】
なお、収納ケース10の前後方向及び左右方向は、図1で示される方向に限定されるものではない。
【0030】
一例として図2に示すように、収納ケース10は、複数の磁気テープカートリッジ50を収納するのに用いられる。以下の説明では、磁気テープカートリッジ50を適宜カートリッジ50と略称する。
【0031】
一例としてカートリッジ50の形状は、扁平状である。カートリッジ50の内部には、カートリッジリール(図示省略)が収容されている。カートリッジリールは、カートリッジ50内の回転支持機構(図示省略)により回転可能に支持されている。カートリッジリールの外周面には、磁気テープ(図示省略)が巻き回されている。カートリッジリールの回転軸方向は、カートリッジ50の厚み方向に相当する。
【0032】
一例として図2に示すように、収納ケース10は、下ケース12と、上ケース14と、を備えている。下ケース12は、収納ケース10の下側半分を形成している。上ケース14は、収納ケース10の上側半分を形成している。収納ケース10は、下ケース12と上ケース14とが上下方向に組付けられることにより形成される。下ケース12は、本開示の技術に係る「第1ケース部材」の一例である。上ケース14は、本開示の技術に係る「第2ケース部材」の一例である。
【0033】
収納ケース10の内部には、複数の収納室11が形成されている。一例として収納ケース10の内部には、4つの収納室11が形成されている。それぞれの収納室11は、複数のカートリッジ50をカートリッジ50の厚み方向に並べた状態で収納する大きさを有している。一例として、それぞれの収納室11は、5巻のカートリッジ50をカートリッジ50の厚さ方向に並べた状態で収納する大きさである。したがって、収納ケース10には、それぞれの収納室11に5巻ずつカートリッジ50を収納した場合、合計20巻のカートリッジ50を収納することができる。
【0034】
一例として図2及び図3に示すように、下ケース12は、底板16、周壁18、及びフランジ部20を有している。
【0035】
底板16は、平面視で矩形状に形成されている(図3参照)。ここで「平面視で矩形状」には、平面視で角部が円弧状に湾曲した矩形も含む。
【0036】
周壁18は、底板16の周縁に立設されている。また、周壁18は、平面視で矩形枠状に形成されている(図3参照)。ここで「平面視で矩形枠状」には、平面視で角部及び/又は隅部が円弧状に湾曲した矩形枠も含む。一例として、周壁18は、ケース前方に位置する前壁部18Aと、ケース後方向に位置する後壁部18Bと、ケース右方向に位置する右壁部18Cと、ケース左方向に位置する左壁部18Dとを有している。
【0037】
フランジ部20は、周壁18の上端部から底板16側と反対側へ張り出している。一例として、フランジ部20は、フランジ部20A、20B、20C、及び20Dを有する。フランジ部20Aは、前壁部18Aから張り出す部分である。フランジ部20Bは、後壁部18Bから張り出す部分である。フランジ部20Cは、右壁部18Cから張り出す部分である。フランジ部20Dは、左壁部18Dから張り出す部分である。フランジ部20Cとフランジ部20Dには、それぞれ取手孔22が形成されている。取手孔22は、ユーザーが下ケース12を持ち運ぶ場合に使用される。
【0038】
また、下ケース12は、係合凸部24と、係合凹部26とを有している。係合凸部24は、フランジ部20の表面に形成されている。一例として、係合凸部24は、フランジ部20の表面を周壁18の周方向に沿って延びている。詳細には、係合凸部24は、フランジ部20Cのケース前後方向の中央部からフランジ部20Bを通ってフランジ部20Dのケース前後方向の中央部まで延びている。係合凹部26は、係合凸部24と係合する形状を有している。係合凸部24は、フランジ部20の表面に形成されている。一例として、係合凹部26は、フランジ部20の表面を周壁18の周方向に沿って延びている。詳細には、係合凸部24は、フランジ部20Cのケース前後方向の中央部からフランジ部20Aを通ってフランジ部20Dのケース前後方向の中央部まで延びている。
【0039】
一例として図2及び図3に示すように、底板16には、第1リブ28及び第2リブ30が設けられている。一例として第1リブ28は、底板16を上方に向けて突出させることにより形成された突出部である。第1リブ28は、前壁部18Aのケース左右方向の中央部から後壁部18Bのケース左右方向の中央部までケース前後方向に沿って延びている。
【0040】
一例として第2リブ30は、底板16を上方に向けて突出させることにより形成された突出部である。第2リブ30は、右壁部18Cのケース前後方向の中央部から左壁部18Dのケース前後方向の中央部までケース左右方向に延びている。第1リブ28と第2リブ30は、互いに底板16の中央部でつながっている。
【0041】
一例として第1リブ28と第2リブ30とによって、下ケース12の内部が4つの収納領域32に区画されている。下ケース12の4つの収納領域32は、収納ケース10の4つの収納室11を形成する。一例として図3に示すように、収納領域32は、平面視で周壁18と第1リブ28と第2リブ30とで囲まれる領域である。
【0042】
一例として図2及び図3に示すように、底板16には、それぞれの収納領域32に対応する領域に支持部34が形成されている。支持部34は、複数のカートリッジ50の側面50Bを支持する支持面35を備えている。また、支持部34は、内側支持部36と、外側支持部38とを有している。支持面35は、本開示の技術に係る「支持面」及び「第1支持面」の一例である。
【0043】
一例として、内側支持部36は、底板16を上方に向けて突出させることにより形成された突出部である。内側支持部36は、平面視で矩形状に形成されている(図3参照)。
【0044】
一例として、外側支持部38は、底板16を上方に向けて突出させることにより形成された突出部である。外側支持部38は、平面視で矩形枠状に形成されている(図3参照)。外側支持部38は、内側支持部36を囲んでいる。
【0045】
一例として、支持面35は、外側支持面39と、内側支持面37と、を有している。外側支持面39は、本開示の技術に係る「第1面」の一例である。内側支持面37は、本開示の技術に係る「第2面」の一例である。
【0046】
一例として、外側支持面39は、外側支持部38の上面である。外側支持面39は、平面視で矩形枠状に形成されている。外側支持面39は、支持面35の外周縁側に位置している。
【0047】
一例として、内側支持面37は、内側支持部36の上面である。内側支持面37は、平面視で矩形状に形成されている。内側支持面37は、平面である。内側支持面37は、外側支持面39よりも支持面35の中央側に位置している。ここで、「平面」とは、完全な平面の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの平面を指す。
【0048】
一例として図4に示すように、内側支持面37は、外側支持面39よりもカートリッジ50の側面50Bの側に位置する。ここでカートリッジ50の側面50Bの側に位置するとは、下ケース12において、内側支持面37が外側支持面39よりもケース上方に位置することを指す。
【0049】
一例として図5に示すように、外側支持面39と内側支持面37との間には、段差40が形成されている。段差40のケース上下方向の寸法Hは、0.1mm以上1.3mm以下である。
【0050】
一例として、下ケース12の収納領域32には、カートリッジ50がドライブ装置(図示省略)に装填される方向の側面50A(図1参照)を上に向けた状態で収納される。この場合、カートリッジ50の側面50Aと反対側の側面50Bが支持面35によって支持される(図4参照)。ここでカートリッジ50の側面50Bの長手方向の中央部50BAは、内側支持面37によって支持される。一方、カートリッジ50の側面50Bの長手方向の端部(すなわち、エッジ部)50BBは、外側支持面39に接触することにより支持される。例えば、外側支持面39は、輸送時の振動を受けた場合などに、カートリッジ50の側面50Bと接触することでカートリッジ50の側面50Bを支持する。ここで側面50Bの長手方向とは、カートリッジ50を収納ケース10に収納した状態において、ケース前後方向に相当する。
【0051】
一例として図4に示すように、底板16の下面には、内側支持部36と外側支持部38との間に矩形枠状の枠部42が形成されている(図2参照)。
【0052】
一例として図3に示すように、下ケース12のケース前後方向の中央を通る中央線CLよりもケース前側に位置する2つの支持部34と、中央線CLよりもケース後側に位置する2つの支持部34は、内側支持面37の大きさが異なっている。以下の説明では、中央線CLよりもケース前側に位置する2つの支持部34を支持部34Aと称し、中央線CLよりもケース後側に位置する2つの支持部34を支持部34Bと称する。
【0053】
一例として支持部34Aにおける内側支持部36の外形の大きさが支持部34Bにおける内側支持部36の外形の大きさよりも大きい。
【0054】
一例として底板16における支持部34Aの反対側に形成される枠部42を以下では枠部42Aと称する。また、底板16における支持部34Bの反対側に形成される枠部42を以下では枠部42Bと称する。枠部42Bの大きさは、枠部42Aの内側に収まる大きさである。
【0055】
一例として図6に示すように、上ケース14の形状と下ケース12の形状が同じである。ここで、「同じ」とは、完全な同じの他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの同じを指す。このため、図6では、上ケース14の各部位に付す符号は、底板16に相当する天板17を除き、下ケース12の各部位に付す符号と同じものとしている。
【0056】
上ケース14の備える支持面35は、本開示の技術に係る「支持面」及び「第2支持面」の一例である。また、上ケース14の備える外側支持面39は、本開示の技術に係る「第1面」の一例である。上ケース14の備える内側支持面37は、本開示の技術に係る「第2面」の一例である。
【0057】
ここで、下ケース12の支持面35と上ケース14の支持面35とが対向する方向に下ケース12と上ケース14が重ね合わされることにより、収納ケース10内に収納室11が形成される。詳細には、下ケース12のフランジ部20の表面が上ケース14のフランジ部20の表面と重ね合わさるように、下ケース12の上に上ケース14を載せる。そして、下ケース12の係合凸部24及び係合凹部26を上ケース14の係合凹部26及び係合凸部24にそれぞれ係合させることにより、下ケース12と上ケース14が組付けられる。ここで、下ケース12の収納領域41に複数のカートリッジ50を収納した状態で下ケース12と上ケース14を組付けた場合、収納ケース10内に複数のカートリッジ50が収納される。これにより、収納ケース10内に複数のカートリッジ50が収納された梱包物52が完成する。
【0058】
一例として、下ケース12と上ケース14が樹脂材料で形成されている。下ケース12と上ケース14を形成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。本実施形態では、下ケース12と上ケース14がポリエチレンテレフタレートで形成されている。また、一例として、下ケース12と上ケース14はそれぞれ樹脂の一体成形品である。このため、本実施形態の下ケース12の支持面35は、樹脂材料で形成されている。また、本実施形態の上ケース14の支持面35は、樹脂材料で形成されている。
【0059】
一例として図7に示すように、下ケース12の下面12Aは、枠部42A及び枠部42Bを含む重ね合わせ面12Bを有している。また、上ケース14の上面14Aは、枠部42A及び枠部42Bを含む重ね合わせ面14Bを有している。ここで、重ね合わせ面12Bと重ね合わせ面14Bは互いに重ね合わさる形状である。例えば、上ケース14の上に下ケース12を載せた場合、上ケース14の重ね合わせ面14Bに下ケース12の重ね合わせ面12Bが重ね合わされる。また、一例として、下ケース12は、支持面35を含む重ね合わせ面12Cを有している。ここで、下ケース12の重ね合わせ面12Cと上ケース14の重ね合わせ面14Bは互いに重ね合わさる形状である。また、一例として、上ケース14は、支持面35を含む重ね合わせ面14Cを有している。ここで、上ケース14の重ね合わせ面14Cと下ケース12の重ね合わせ面12Bは互いに重ね合わさる形状である。下ケース12の重ね合わせ面12Cは、本開示の技術に係る「第1重ね合わせ面」の一例である。上ケース14の重ね合わせ面14Bは、本開示の技術に係る「第2重ね合わせ面」の一例である。
【0060】
次に、収納ケース10の効果について説明する。
収納ケース10では、カートリッジ50の側面50Bを下ケース12の支持面35で支持する。支持面35は、外側支持面39と、内側支持面37とを有している。内側支持面37は、外側支持面39よりも側面50B側に位置している。このため、カートリッジ50の側面50Bが内側支持面37で支持される。したがって、本構成によれば、例えば、支持面35全面でカートリッジ50の側面50Bを支持する構造に比して、外側支持面39の摩耗を抑制できる分、支持面35の摩耗を低減することができる。これにより、下ケース12の支持面35が摩耗することで生じる摩耗粉が低減される。
【0061】
収納ケース10では、外側支持面39が支持面35の外周縁側に位置し、内側支持面37が外側支持面39よりも支持面35の中央側に位置している。このため、内側支持面37によってカートリッジ50の側面50Bの中央部50BAが支持される。したがって、本構成によれば、例えば、外側支持面39でカートリッジ50の側面50Bの端部50BB(すなわち、エッジ部)を支持する構成と比して、カートリッジ50の端部50BBによる外側支持面39の削れを抑制することができる。
【0062】
収納ケース10では、支持面35が樹脂材料によって形成されている。したがって、本構成によれば、例えば、支持面35が金属材料によって形成されている構成と比して、カートリッジ50に対して支持面35が変形できる。これにより、カートリッジ50と支持面35との間の接触圧が低減され、カートリッジ50の側面50Bの傷付きを抑制することができる。
【0063】
収納ケース10では、内側支持面37が平面である。したがって、本構成によれば、例えば、支持面35が円弧状に湾曲している構成と比して、内側支持面37とカートリッジ50の側面50Bとの接触面積が増える。これにより、カートリッジ50の収納姿勢を安定させることができる。
【0064】
収納ケース10では、内側支持面37と外側支持面39との間には、段差40が形成されている。そして、段差40の寸法が0.1mm以上1.3mm以下である。ここで、段差40の寸法が0.1mm未満の場合、支持面35の摩耗を抑制できない。一方、段差40の寸法が1.3mmを超えている場合、カートリッジ50のバランス性が悪化する。したがって、本構成によれば、例えば、段差40の寸法が0.1mm以上1.3mm以下を満たさない場合と比して、支持面35の摩耗の抑制とカートリッジ50のバランス性を両立することができる。
【0065】
収納ケース10では、複数の支持面35を有している。したがって、本構成によれば、例えば、支持面35が一つの場合と比して、複数の支持面35毎に複数のカートリッジ50を支持させることができる。これにより、収納ケース10内に複数のカートリッジ50を分散して収納することができる。
【0066】
収納ケース10では、下ケース12及び上ケース14をポリエチレンテレフタレートで形成している。したがって、本構成によれば、例えば、下ケース12及び上ケース14を摩耗粉が生じやすい樹脂材料で形成する構成と比べて、支持面35の摩耗を抑制することができる。
【0067】
収納ケース10では、下ケース12と上ケース14とがそれぞれ支持面35を有している。したがって、本構成によれば、例えば、下ケース12又は上ケース14のいずれかが支持面35を有していない構成と比して、下ケース12と上ケース14のそれぞれの支持面35の摩耗による摩耗粉の発生を抑制することができる。
【0068】
収納ケース10では、下ケース12及び上ケース14を互いの支持面35が対向する方向で重ね合わされることにより、カートリッジ50が収納される。そして、カートリッジ50の側面50Bが下ケース12の支持面35で支持される。また、カートリッジ50の側面50Aが上ケース14の支持面35で支持される。したがって、本構成によれば、例えば、下ケース12又は上ケース14のいずれかが支持面35を有していない構成と比して、下ケース12と上ケース14のそれぞれの支持面35の摩耗による摩耗粉の発生を抑制することができる。
【0069】
収納ケース10では、下ケース12の重ね合わせ面12Cと上ケース14の重ね合わせ面14Bとが互いに重ね合わさる形状を有している。ここで、下ケース12の周壁18の内側に上ケース14を上下逆にした状態で入れることにより、下ケース12の重ね合わせ面12Cと上ケース14の重ね合わせ面14Bとが重ね合わさる。したがって、本構成によれば、例えば、下ケース12の重ね合わせ面12Cと上ケース14の重ね合わせ面12Bとが互いに重ね合わされない形状と比して、下ケース12と上ケース14を多段に重ねた場合のスペース(例えば、多段に重ねたケースの高さ)を小さくすることできる。また、収納ケース10では、下ケース12の重ね合わせ面12Bと上ケース14の重ね合わせ面14Bとが互いに重ね合わさる形状を有している。このため、収納ケース10の上に別の収納ケース10を積載する場合、下の収納ケース10の重ね合わせ面14Bに、上の収納ケース10の重ね合わせ面12Bが重なる。したがって、本構成によれば、例えば、下ケース12の重ね合わせ面12Bと上ケース14の重ね合わせ面12Bとが互いに重ね合わされない形状と比して、複数の収納ケース10を積載した場合の収納ケース10のがたつきを抑制することができる。
【0070】
梱包物52では、本開示に係る技術の一例が適用された収納ケース10に複数のカートリッジ50が収納されている。したがって、本構成によれば、例えば、収納ケース10が、支持面35全面でカートリッジ50の側面50Bを支持する構造に比して、外側支持面39による摩耗を抑制できる分、支持面35の摩耗を低減することができる。これにより、支持面35が摩耗することで生じる摩耗粉を低減することができる。
【0071】
上記実施形態では、下ケース12及び上ケース14をポリエチレンテレフタレートで形成しているが、本開示の技術はこの構成に限定されない。例えば、下ケース12及び上ケース14をポリプロピレン又はポリスチレンで形成してもよい。
【0072】
なお、収納ケース10では、カートリッジ50の側面50Aを上ケース14の支持面35で支持する。したがって、上ケース14の支持面35においても、下ケース12の支持面35と同様の効果を奏することができる。
【0073】
上記実施形態では、下ケース12の形状と上ケース14の形状を同じ形状としているが、本開示の技術はこの構成に限定されず、下ケース12の形状と上ケース14の形状が異なっていてもよい。例えば、下ケース12を収納ケースのケース本体とし、上ケース14を収納ケースの蓋としてもよい。この場合においてもケース本体及び蓋がそれぞれ支持面35を備えることで、上記実施形態の収納ケース10と同様の効果を奏することができる。
【0074】
上記実施形態では、支持面35を樹脂材料で形成しているが、本開示の技術はこの構成に限定されない。例えば、図8に示すように、支持部34の上面にシート状の軟質部材60を設けてもよい。ここで、軟質部材60の表面が支持面35に相当する。軟質部材60としては、例えば、フェルト等の布材及び/又は、スポンジ等のクッション材等が挙げられる。この場合、支持面35が樹脂材料で形成される構成と比して、カートリッジ50の側面が傷付くのを抑制することができる。
【0075】
上記実施形態では、カートリッジ50の側面50Bが直線状とされているが、側面50Bの中央部50BAが側面50Bの端部50BBよりもカートリッジ50の内周側に凹んでいてもよい。上記のようにカートリッジ50の側面50Bの形状がカートリッジ50の内周側に凹んでいても、収納ケース10では、外側支持面39によって側面50Bの端部50BBが支持され、内側支持面37によって側面50Bの中央部50BAが支持される。したがって、本構成によれば、例えば、外側支持面39のみで側面50Bの端部50BB(すなわち、エッジ部)を支持する構成と比して、側面50Bの端部50BBによる外側支持面39の削れを抑制することができる。
【0076】
上記実施形態では、下ケース12の上に上ケース14を組付けているが、本開示の技術はこの構成に限定されない。例えば、上ケース14を下ケースとし、下ケース12を上ケースとして用いてもよい。この場合、上ケース14は、本開示の技術に係る「第1ケース部材」の一例である。下ケース12は、本開示の技術に係る「第2ケース部材」の一例である。
【0077】
上記実施形態では、収納ケース10が下ケース12と上ケース14を備えているが、本開示の技術はこの構成に限定されない。例えば、収納ケース10が下ケース12のみで形成されてもよい。
【0078】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0079】
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
【0080】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0081】
10 収納ケース
11 収納室
12 下ケース
12A 下面
12B 重ね合わせ面
12C 重ね合わせ面
14 上ケース
14A 上面
14B 重ね合わせ面
14C 重ね合わせ面
16 底板
17 天板
18 周壁
18A 前壁部
18B 後壁部
18C 右壁部
18D 左壁部
20 フランジ部
20A フランジ部
20B フランジ部
20C フランジ部
20D フランジ部
22 取手孔
24 係合凸部
26 係合凹部
28 第1リブ
30 第2リブ
32 収納領域
34 支持部
34A 支持部
34B 支持部
35 支持面
36 内側支持部
37 内側支持面
38 外側支持部
39 外側支持面
40 段差
41 収納領域
42 枠部
42A 枠部
42B 枠部
50 磁気テープカートリッジ
50A 側面
50B 側面
50BA 中央部
50BB 端部
52 梱包物
60 軟質部材
CL 中央線
A 収納ケースの上方向
B 収納ケースの前方向
C 収納ケースの左方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8