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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153293
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】共役ジエンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 5/48 20060101AFI20221004BHJP
   B01J 23/44 20060101ALI20221004BHJP
   B01J 23/46 20060101ALI20221004BHJP
   B01J 23/42 20060101ALI20221004BHJP
   C07C 11/167 20060101ALI20221004BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20221004BHJP
【FI】
C07C5/48
B01J23/44 Z
B01J23/46 Z
B01J23/42 Z
C07C11/167
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037804
(22)【出願日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】P 2021055090
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503231882
【氏名又は名称】エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 貢悦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 孟
(72)【発明者】
【氏名】井澤 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】谷口 翔平
(72)【発明者】
【氏名】西尾 拓真
(72)【発明者】
【氏名】リウ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】アルマンド ボルグナ
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169BA01A
4G169BA02A
4G169BA02B
4G169BA04A
4G169BA04B
4G169BA05A
4G169BA05B
4G169BA06A
4G169BA08A
4G169BA08B
4G169BB04A
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BC10A
4G169BC12A
4G169BC13A
4G169BC16A
4G169BC17A
4G169BC18A
4G169BC22A
4G169BC23A
4G169BC26A
4G169BC31A
4G169BC32A
4G169BC35A
4G169BC36A
4G169BC40A
4G169BC42A
4G169BC50A
4G169BC50B
4G169BC51A
4G169BC51B
4G169BC52A
4G169BC54A
4G169BC55A
4G169BC56A
4G169BC58A
4G169BC59A
4G169BC60A
4G169BC62A
4G169BC63A
4G169BC64A
4G169BC65A
4G169BC66A
4G169BC67A
4G169BC68A
4G169BC69A
4G169BC72A
4G169BC72B
4G169BC74A
4G169BC74B
4G169BC75B
4G169BD05A
4G169BD05B
4G169CB07
4G169CB20
4G169CB63
4G169DA05
4G169EA03X
4H006AA02
4H006AB46
4H006AC12
4H006BA22
4H006BA25
4H006BA26
4H006BA55
4H006BB11
4H006BB17
4H006BC15
4H006BE30
4H039CA29
4H039CC10
(57)【要約】
【課題】コンパクトに製造できると共に、液相反応において、十分な生成物選択率を有する共役ジエンの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】担体に周期律表8族、9族及び10族からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を担持してなる触媒を用いて、液相下で、ブテン等の炭素数4以上のモノオレフィンを、酸素含有ガスとの酸化脱水素反応により、対応する1,3-ブタジエン等の共役ジエンを製造する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒を用いて、炭素数4以上のモノオレフィンを、酸素含有ガスとの酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを製造する方法であって、
該酸化脱水素反応が液相反応であり、かつ、
該触媒が、担体に周期律表8族、9族及び10族からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を担持してなる触媒である、共役ジエンの製造方法。
【請求項2】
前記炭素数4以上のモノオレフィンがブテンであり、前記共役ジエンが1,3-ブタジエンである、請求項1に記載の共役ジエンの製造方法。
【請求項3】
前記ブテンが1-ブテンである、請求項2に記載の共役ジエンの製造方法。
【請求項4】
前記金属が、パラジウム及び/又はイリジウムを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
【請求項5】
前記担体が、下記の(1)又は(2)である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
(1)マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、銀、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、バリウム、ランタン、ハフニウム、タリウム、タングステン及びレニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物。
(2)活性炭又は活性炭素繊維。
【請求項6】
溶媒の存在下で前記酸化脱水素反応を行う、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
【請求項7】
前記溶媒が芳香族炭化水素及び/又は脂肪族カルボン酸を含む溶媒である、請求項6に記載の共役ジエンの製造方法。
【請求項8】
前記酸化脱水素反応の最高温度が、80℃以上240℃以下の範囲内である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒を用いて、炭素数4以上のモノオレフィンを、液相で酸素含有ガスとの酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを製造する共役ジエンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブテンやイソペンテン等の炭素数4以上のモノオレフィンと酸素含有ガスとの接触酸化脱水素反応により、これらのモノオレフィンに対応する共役ジエン、例えば1,3-ブタジエンやイソプレンを製造する方法は知られている。
【0003】
例えば、モリブデン、ビスマス、コバルト、ニッケル、鉄、シリカ等を含み、特定の比表面積や細孔分布等を有する複合酸化物触媒を用い、気相で接触酸化脱水素反応を行うことにより、反応効率を向上させる共役ジエンの製造方法が特許文献1に記載されている。
また、酸素の非存在下で、不均一の光触媒を用いて、炭化水素の脱水素反応を気相又は液相下で行う反応が特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-170336号公報
【特許文献2】WO2015/082159号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の製造方法は、気相下での反応であり、大きな設備が必要となる。また、特許文献2に記載の反応は、液相下での反応についても記載されているものの、酸素非存在下で、光触媒を用いて反応を行うものであるが、反応効率は高いとは言い難い。反応効率を高めるには、過大な設備を付加し、長時間反応を継続する必要がある。
【0006】
そこで、この発明は、大きな設備を用いず、コンパクトに製造できると共に、液相反応において、十分な生成物選択率を有する共役ジエンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液相反応を用い、所定の触媒を用いることにより、コンパクトに製造できると共に、生成物選択率を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は下記の[1]~[8]に存する。
[1]触媒を用いて、炭素数4以上のモノオレフィンを、酸素含有ガスとの酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを製造する方法であって、該酸化脱水素反応が液相反応であり、かつ、該触媒が、担体に周期律表8族、9族及び10族からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を担持してなる触媒である、共役ジエンの製造方法。
[2]前記炭素数4以上のモノオレフィンがブテンであり、前記共役ジエンが1,3-ブタジエンである、[1]に記載の共役ジエンの製造方法。
[3]前記ブテンが1-ブテンである、[2]に記載の共役ジエンの製造方法。
[4]前記金属が、パラジウム及び/又はイリジウムを含む、[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
[5]前記担体が、下記の(1)又は(2)である[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
(1)マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、銀、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、バリウム、ランタン、ハフニウム、タリウム、タングステン及びレニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物。
(2)活性炭又は活性炭素繊維。
[6]溶媒の存在下で前記酸化脱水素反応を行う、[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
[7]前記溶媒が芳香族炭化水素及び/又は脂肪族カルボン酸を含む溶媒である、[6]に記載の共役ジエンの製造方法。
[8]前記酸化脱水素反応の最高温度が、80℃以上240℃以下の範囲内である[1]乃至[7]のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、液相反応を行うので、設備のコンパクト化を図ることができ、また、液相反応において、特定の触媒を用いることにより、十分な生成物選択率を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、触媒を用いて、炭素数4以上のモノオレフィンを、液相下で、酸素含有ガスとの酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを製造する共役ジエンの製造方法に係る発明である。
【0010】
<炭素数4以上のモノオレフィン及び共役ジエン>
前記の炭素数4以上のモノオレフィンとしては、1-ブテン、2-ブテン(シス体、トランス体)等のブテン、1-ペンテン、2-ペンテン(シス体、トランス体)、イソペンテン等のペンテン等があげられ、これらに対応する共役ジエンとしては、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、イソプレン等があげられる。
【0011】
<触媒>
本発明で用いられる触媒は、担体に特定の少なくとも1種の金属(以下「特定金属」と称することがある。)、又はこの特定金属を含む複数種の金属の合金を担持したものである。
【0012】
[特定金属]
前記の特定金属としては、長周期型周期律表(Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations 2005)における8族、9族又は10族(以下、単に「8族」、「9族」、「10族」と表記する。)の金属があげられる。具体的には、8族の金属としては、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスニウム(Os)等があげられ、9族の金属としては、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)等があげられ、10族の金属としては、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)等があげられる。この中でも、特定金属として、パラジウム及びイリジウムの一方若しくは両方を用いることが、生成物選択率の点から好ましい。
【0013】
[担体]
前記担体としては、金属酸化物からなる担体(1)、又は炭素系の担体(2)をあげることができる。その具体例としては、下記のものがあげられる。これらを用いることにより、液相反応において、十分な生成物選択率を得ることが可能となる。
(1)マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリ
ウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、銀、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、バリウム、ランタン、ハフニウム、タリウム、タングステン及びレニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物。
(2)活性炭又は活性炭素繊維。
【0014】
<触媒の調製方法>
次に、本発明に係る触媒の調製方法について説明する。まず、前記特定金属を有する化合物(以下「特定金属化合物」と称することがある。)の水溶液に、担体又は担体原料化合物を添加し、前記の担体又は担体原料化合物に触媒成分化合物を含浸させて担持させる。このとき、特定金属化合物中の特定金属の種類は、前記した特定金属の中で、1種であってもよく、2種以上であってもよい。また、担体又は担体原料化合物の種類は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
次いで、固形分を分離後、大気下で焼成工程を行う。そして、所定条件下で還元工程を行うことにより、触媒を得ることができる。
【0015】
[特定金属の担持率]
この触媒における特定金属の担持率は、特に限定されないが、触媒全体に対して、0.5%以上がよく、0.7%以上が好ましい。また、5.0%以下がよく、3.0%以下が好ましい。0.5%より少ないと、液相反応において、十分な触媒能、すなわち、十分な生成物選択率が得られないおそれがある。一方、3.0%より多くてもよいが、特定金属の担持率に見合った触媒能の向上が十分でない傾向があり、3.0%で十分である。
【0016】
[特定金属化合物]
前記特定金属化合物とは、前記特定金属を有する化合物である。特定金属が鉄の場合の化合物としては、塩化鉄、臭化鉄、フッ化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、シュウ酸鉄、酢酸鉄、水酸化鉄、炭酸鉄、硫酸鉄アンモニウム等があげられる。特定金属がルテニウムの場合の化合物としては、塩化ルテニウム等があげられる。特定金属がオスニウムの場合の化合物としては、塩化オスニウム等があげられる。特定金属がコバルトの場合の化合物としては、塩化コバルト、臭化コバルト、フッ化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、シュウ酸コバルト、酢酸コバルト、水酸化コバルト、炭酸コバルト、硫酸コバルトアンモニウム等があげられる。特定金属がロジウムの場合の化合物としては、塩化ロジウム、硝酸ロジウム等があげられる。特定金属がイリジウムの場合の化合物としては、塩化イリジウム等があげられる。特定金属がニッケルの場合の化合物としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、フッ化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、酢酸ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケルアンモニウム等があげられる。特定金属がパラジウムの場合の化合物としては、塩化パラジウム、硝酸パラジウム等があげられる。特定金属が白金の場合の化合物としては、塩化白金、ヘキサクロロ白金酸、ジクロロジアミン白金、ジニトロジアミン白金等があげられる。
【0017】
[担体原料化合物]
前記担体原料化合物とは、担体として金属酸化物を用いる場合において、焼成することにより、担体である金属酸化物となる化合物をいう。それらの例としては、それぞれの金属の水酸化物やその他の化合物をあげることができる。具体例としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、水酸化バナジウム、水酸化クロム、水酸化マンガン、水酸化鉄、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化ガリウム、水酸化ゲルマニウム、水酸化ストロンチウム、水酸化イットリウム、水酸化ジルコニウム、水酸化ニオブ、水酸化モリブデン、水酸化テクネチウム、水酸化銀、水酸化カドミウム、水酸化インジウム、水酸化錫、水酸化アンチモン、水酸化バリウム、水酸化ランタン、水酸化ハフニウム、水酸化タリウム、水酸化タングステン、水酸化レニウム等があげられる。また、その他の化合物の具体例としては、チタンイソプロポキシド、チタン
ブトキシド、ジルコニウムプロポキシド、テトラエトキシシラン等のアルコキシドがあげられる。
【0018】
この担持原料化合物は、前記特定金属化合物を担持させた後に、前記焼成工程を行うことにより、担体である金属酸化物とすることができる。また、前記特定金属化合物の担持前に、この担体原料化合物を焼成することにより、担体である金属酸化物としてもよい。この焼成の条件としては、後記する焼成工程の条件を用いることができる。
【0019】
[焼成工程]
前記焼成工程は、マッフル炉等の炉を用い、大気下で高温加熱処理を行うことをいう。この焼成条件としては、例えば、300℃以上600℃以下、かつ、1時間以上6時間以下の条件があげられる。これにより、担体原料化合物を用いている場合は、これを担体である金属酸化物とし、この担体に特定金属の化合物を担持した焼成体を得ることができる。また、担体原料化合物でなく、担体そのものを用いた場合は、担体に特定金属の化合物を担持した焼成体を得ることができる。
【0020】
[還元工程]
前記還元工程は、管型焼成炉等の焼成炉に前記焼成工程で得られた焼成体を充填し、水素等の還元剤を含む混合ガスを流通させながら、高温で還元させる工程である。還元条件としては、例えば、200℃以上400℃以下、かつ、30分間以上3時間以下の条件があげられる。これにより、前記特定金属を有する化合物は、特定金属の単体とすることができ、触媒とすることができる。
【0021】
前記混合ガスとしては、水素等の還元剤に所定量の不活性ガスを混合したガスを用いることができる。この不活性ガスとしては、窒素や、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等の貴ガスを用いることができる。この混合ガス中の還元剤(水素)の含有量は、還元剤(水素)と不活性ガスの合計量(体積)に対して、5体積%以上20体積%以下であれば十分である。また、この混合ガスを焼成炉に通す量としては、10ml/分以上100ml/分以下がよく、30ml/分以上70ml/分以下が好ましい。
【0022】
<酸化脱水素反応>
本発明は、前記触媒を用い、炭素数4以上のモノオレフィンを、液相下で、酸素含有ガスとの酸化脱水素反応を行う。これにより、対応する共役ジエンを製造することができる。
具体的には、前記触媒を用い、前記の炭素数4以上のモノオレフィンを溶媒に加圧・加温下で溶解させて、液相下で反応を行う。液相下で行うので、設備をコンパクト化することが可能となる。
【0023】
[溶媒]
この溶媒としては、芳香族炭化水素、脂肪族カルボン酸及びそのエステル、アルコール、エーテル等があげられる。これらは、単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。これらの溶媒を用いることにより、触媒表面上への有機物の堆積を防ぎ、触媒性能を長時間持続するという特徴を発揮することができる。
前記芳香族炭化水素の具体例としては、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、ナフタレン、ビフェニル等があげられる。
前記脂肪族カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、トリデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸等があげられる。
前記脂肪族カルボン酸のエステルの具体例としては、ギ酸エチル、酢酸エチル等があげ
られる。
前記アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等があげられる。
前記エーテルの具体例としては、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、フラン、ベンゾフラン、テトラヒドロピラン等があげられる。
【0024】
[反応の流れ]
本発明に係る酸化脱水素反応の具体例を以下に記載する。
まず、高温高圧反応容器に前記溶媒及び前記触媒を投入して密封する。この高温高圧反応容器には、圧力計、ガス出入用配管、内温センサー及び撹拌翼が具備され、ガスの出し入れ、圧力、温度測定等が可能となっている。
そして、原料である炭素数4以上のモノオレフィン、空気及び不活性ガスを導入し、所定圧力とする。このときの不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン等をあげることができる。
次いで、高温高圧反応容器の温度を徐々に上げていき、所定温度に保持する。これにより、酸化脱水素反応を行うことができる。所定時間経過後、冷却し、高温高圧反応容器のガス出入用配管から気体を回収することにより、反応生成物を回収することができる。
【0025】
[酸化脱水素反応時の圧力]
本発明の酸化脱水素反応における圧力は、8bar以上がよく、10bar以上が好ましい。また、20bar以下がよく、17bar以下が好ましい。この範囲内とすることにより、液相反応において、十分な生成物選択率を得ることができる。
この圧力は、原料である炭素数4以上のモノオレフィン、空気及び不活性ガスの反応容器への導入量、及び反応温度で設定できるが、十分な圧力が得られない場合は、不活性ガスを追加することにより、圧力を調整することができる。
【0026】
[酸化脱水素反応における最高温度]
本発明の酸化脱水素反応における最高温度は、80℃以上がよく、130℃以上が好ましい。80℃より低いと、液相反応において、反応速度が遅く、また、生成物選択率が低下するおそれがある。また、反応温度の上限は、240℃以下がよく、220℃以下が好ましい。240℃より高いと、液相反応において、原料の分解や副反応が生じやすく、生成物選択率が低下するおそれがある。
【0027】
[酸化脱水素反応の時間]
本発明の酸化脱水素反応における時間は、6時間以上がよく、7時間以上が好ましい。また、200時間以下がよく、150時間以下が好ましい。この範囲内とすることにより、液相反応において、十分な生成物選択率を得ることができる。
【実施例0028】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0029】
なお、酸化脱水素反応による、ブテン転化率、1,3-ブタジエン選択率、1,3-ブタジエン収率の定義は、下記の通りであり、酸化脱水素反応により得られたガスをガスクロマトグラフィー分析より求めた。
・ブテン転化率(%)={1-{(反応後のブテンの残量)/(導入したブテンの量)}}×100
【0030】
・1-ブテンを用いたときの1,3-ブタジエン選択率(%)
=[(1,3-ブタジエンの生成量)×4/{(1,3-ブタジエンの生成量)×4+(2-ブテンの生成量)×4+(イソブテンの生成量)×4+(メタンの生成量)+(エチレンの生成量)×2+(プロパンの生成量)×3+(COの生成量)}]×100
・2-ブテンを用いたときの1,3-ブタジエン選択率(%)
=[(1,3-ブタジエンの生成量)×4/{(1,3-ブタジエンの生成量)×4+(1-ブテンの生成量)×4+(イソブテンの生成量)×4+(メタンの生成量)+(エチレンの生成量)×2+(プロパンの生成量)×3+(COの生成量)}]×100
・1,3-ブタジエン収率(%)={(ブテン転化率(%))×(1,3-ブタンジエン選択率(%))}/100
【0031】
[原材料]
(特定金属化合物)
・塩化パラジウム…Sigma Aldrich社製
・塩化イリジウム…Alfa Aesar製
・ヘキサクロロ白金酸…Sigma Aldrich社製
【0032】
(担体又は担体原料化合物)
・水酸化ジルコニウム…Chemieliva社製
・チタンイソプロポキシド…Lancaster社製
・酸化チタン…Degussa社製
・シリカ…Evonik社製
・活性炭…Cabot社製
【0033】
<触媒Aの調製>
水酸化ジルコニウムに、パラジウムの担持率が1%となるように塩化パラジウムを含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、500℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。なお、該焼成により、水酸化ジルコニウムは酸化ジルコニウムとなった。さらに管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Aを得た。
【0034】
<触媒Bの調製>
水酸化ジルコニウムを500℃で4時間加熱することにより、酸化ジルコニウムとした。該酸化ジルコニウムに、パラジウムの担持率が1%となるように塩化パラジウムを含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、300℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。次いで管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Bを得た。
【0035】
<触媒Cの調製>
水酸化ジルコニウムに、チタンの含有率が4%となるようにチタンイソプロポキシドを含侵させ、500℃で4時間加熱することにより、チタン含有酸化ジルコニウムとした。該チタン含有酸化ジルコニウムに、パラジウムの担持率が1%となるように塩化パラジウムを含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、300℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。次いで管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Cを得た。
【0036】
<触媒Dの調製>
酸化チタンに、パラジウムの担持率が1%となるように塩化パラジウムを含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、300℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。さらに管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Dを得た。
【0037】
<触媒Eの調製>
シリカに、パラジウムの担持率が1%となるように塩化パラジウムを含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、300℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。さらに管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Eを得た。
【0038】
<触媒Fの調製>
活性炭に、パラジウムの担持率が3%となるように塩化パラジウムを含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、300℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。さらに管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Fを得た。
【0039】
<触媒Gの調製>
シリカに、パラジウムの担持率が1%となるように塩化パラジウム及びイリジウムの担持率が1%となるように塩化イリジウムを含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、300℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。さらに管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Gを得た。
【0040】
<触媒Hの調製>
シリカに、イリジウムの担持率が1%となるように塩化イリジウムを含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、300℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。さらに管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Hを得た。
【0041】
<触媒Iの調製>
シリカに、パラジウムの担持率が1%となるように塩化パラジウム及び白金の担持率が0.33%となるようにヘキサクロロ白金酸を含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、300℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。さらに管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Iを得た。
【0042】
<触媒Jの調製>
シリカに、白金の担持率が1%となるようにヘキサクロロ白金酸を含浸担持させ、触媒担持体とした。
マッフル炉に該触媒担持体を導入し、大気下、300℃で4時間焼成することにより、触媒焼成体とした。さらに管型焼成炉に、該触媒焼成体を充填し、混合ガス(体積比 水
素:アルゴン=1:9)を50ml/分の速度で流通させながら、300℃で1時間、還元処理を行い、触媒Jを得た。
【0043】
[実施例1]
<1-ブテンの液相酸化脱水素反応>
圧力計、ガス出入用配管、内温センサー及び撹拌翼を具備した高温高圧反応容器(内容積300ml)にトルエンを50ml及び触媒Aを500mg投入し、密封した。250rpmで撹拌翼を撹拌させながら、混合ガス(体積比 1-ブテン:窒素=1:9)を出入用配管より導入し、内圧を3.4barとした。更に、次いで、空気を出入用配管より導入し、内圧を6.0barとした。更に、窒素を出入用配管より導入し、内圧を10.5barとした。
【0044】
ヒーターにより、前記高温高圧反応容器の内温を10℃/分の速度で昇温し、150℃に保持して、1-ブテンの液相酸化脱水素反応を6.2時間実施した。次いで、あらかじめ用意した氷水で該高温高圧反応容器を冷却した。該高温高圧反応容器の内温が25℃に達した後に、前記ガス出入用配管にガス捕集袋を接続し、該高温高圧反応容器内のガスを捕集した。結果を表1に示した。
【0045】
[実施例2]
1-ブテンの液相酸化脱水素反応時間を72.2時間とした以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0046】
[実施例3]
高温高圧反応容器へ投入する触媒Aを1000mgとし、反応時間を112.2時間とした以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0047】
[実施例4]
高温高圧反応容器へ投入する触媒Aを2000mgとし、反応時間を72.2時間とした以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0048】
[実施例5]
高温高圧反応容器へ投入する触媒Aを触媒Bに変更した以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0049】
[実施例6]
1-ブテンの液相酸化脱水素反応時間を72.2時間とした以外は実施例5と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0050】
[実施例7]
高温高圧反応容器へ投入する触媒Bを4000mgとし、反応時間を72.2時間とした以外は実施例5と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0051】
[実施例8]
高温高圧反応容器へ投入する触媒Aを触媒Cに変更した以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0052】
[実施例9]
反応時間を72.2時間とした以外は実施例8と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0053】
[実施例10]
高温高圧反応容器へ投入する触媒Aを触媒Dに変更した以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0054】
[実施例11]
反応時間を72.2時間とした以外は実施例10と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0055】
[実施例12]
高温高圧反応容器へトルエンを25ml投入し、触媒Aを触媒Eに変更した以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0056】
[実施例13]
高温高圧反応容器へトルエンを150ml投入し、反応時間を72.2時間とした以外は実施例12と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0057】
[実施例14]
高温高圧反応容器へトルエンを25ml、酢酸を25ml投入した以外は実施例12と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0058】
[実施例15]
高温高圧反応容器へトルエンを50ml、ナフタレンを15.13g投入し、該ナフタレンをトルエンに溶解して溶液とした以外は実施例12と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0059】
[実施例16]
高温高圧反応容器へトルエンを50ml、ビフェニルを18.2g投入し、該ビフェニルをトルエンに溶解して溶液とした以外は実施例12と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0060】
[実施例17]
高温高圧反応容器へ酢酸を50ml、ビフェニルを18.2g投入し、該ビフェニルを酢酸に溶解して溶液とした以外は実施例12と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0061】
[実施例18]
高温高圧反応容器へ酢酸を25ml、無水酢酸を25ml投入した以外は実施例12と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0062】
[実施例19]
高温高圧反応容器へ酢酸エチルを50ml投入した以外は実施例12と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0063】
[実施例20]
高温高圧反応容器へ酢酸を25ml、シクロヘキサンを25ml投入した以外は実施例12と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0064】
[実施例21]
触媒Aを触媒Fに変更した以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0065】
[実施例22]
反応時間を72.2時間とした以外は実施例21と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0066】
[実施例23]
触媒Aを触媒Gに変更した以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0067】
[実施例24]
触媒Aを触媒Hに変更した以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0068】
[実施例25]
触媒Aを触媒Iに変更した以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0069】
[実施例26]
触媒Aを触媒Jに変更した以外は実施例1と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0070】
[実施例27]
<トランス-2-ブテンの液相酸化脱水素反応>
1-ブテンをトランス-2-ブテンに変更した以外は実施例1と同様にしてトランス-2-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0071】
[実施例28]
トランス-2-ブテンの液相酸化脱水素反応時間を72.2時間とした以外は実施例27と同様にしてトランス-2-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0072】
[実施例29]
高温高圧反応容器へ投入する触媒Aを触媒Bに変更した以外は実施例27と同様にしてトランス-2-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0073】
[実施例30]
トランス-2-ブテンの液相酸化脱水素反応時間を72.2時間とした以外は実施例29と同様にしてトランス-2-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0074】
[実施例31]
高温高圧反応容器へトルエンを25ml、酢酸を25ml投入した以外は実施例29と同様にしてトランス-2-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0075】
[比較例1]
高温高圧反応容器へ触媒を投入しなかった以外は実施例14と同様にして1-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0076】
[比較例2]
高温高圧反応容器へ触媒を投入しなかった以外は実施例31と同様にしてトランス-2-ブテンの液相酸化脱水素反応を実施した。結果を表1に示した。
【0077】
【表1】