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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153352
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】露光後ベークのための装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20221004BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20221004BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H01L21/30 566
G03F7/38 511
H01L21/304 651B
H01L21/304 643
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022093382
(22)【出願日】2022-06-09
(62)【分割の表示】P 2020213208の分割
【原出願日】2017-05-02
(31)【優先権主張番号】15/196,725
(32)【優先日】2016-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン, カイル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン, グレゴリー ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ババヤン, ヴィアチェスラフ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】浸漬フィールドガイド式露光後ベークプロセスを実行するための方法及び装置に関する。
【解決手段】装置は、処理空間を画定するチャンバ本体を含む。処理空間に隣接して電極が配置され、電場が生成される。浸漬フィールドガイド式露光後ベークプロセスを容易にするために、複数の流体導管を介して処理空間に処理流体が供給される。基板をすすぎ、現像し、乾燥させるための後処理チャンバがまた提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理空間を画定するチャンバ本体であって、前記処理空間の長軸が垂直に配向され、前記処理空間の短軸が水平に配向される、チャンバ本体と、
前記チャンバ本体に連結される移動可能なドアと、
前記ドアに連結され、基板をその上で支持するように構成される第1の電極と、
前記チャンバ本体に連結され、前記処理空間を少なくとも部分的に画定する第2の電極と、
前記処理空間に隣接した前記チャンバ本体の側壁に形成される第1の複数の流体ポートと、
前記第1の複数の流体ポートと反対側の前記処理空間に隣接した前記チャンバ本体の前記側壁に形成される第2の複数の流体ポートと
を含む基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の電極と前記ドアとの間に配置されるバッキング板
を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1の複数のチャネル及び前記第1の複数の流体ポートを介して、前記処理空間と流体連結する処理流体源
を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
第2の複数のチャネル及び前記第2の複数の流体ポートを介して、前記処理空間と流体連結する流体出口
を更に含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の複数のチャネルのうちの21のチャネルが、前記チャンバ本体の中に形成される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の複数のチャネルのうちの21のチャネルが、前記チャンバ本体の中に形成される、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電極が、基板をその上で真空チャックするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
真空源が、前記第1の電極と流体連結する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記チャンバ本体が、ポリテトラフルオロエチレンから形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の複数の流体ポートが、前記処理空間の直径にわたって均一に分散される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の複数の流体ポートが、前記処理空間の前記直径にわたって均一に分散される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記処理空間の幅が、4.0mmから4.5mmまでの間である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の電極に連結され、前記基板の外径に隣接した基板の裏側に接触するように位置決めされる第1のOリングと、
前記第1の電極の外径に隣接した、前記第1の電極に連結され、前記チャンバ本体の側壁の表面に接触する第2のOリングと、
前記第2の電極の外径に連結され、前記チャンバ本体の側壁と接触して位置決めされる第3のOリングと
を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
処理空間を画定するチャンバ本体と、
前記処理空間内に配置される回転可能なペデスタルと、
前記処理空間に洗浄流体を供給するように構成される流体供給アームと、
モータによって上げ下げ可能であり、前記回転可能なペデスタルの直径より大きい内径を有し、前記回転可能なペデスタルの半径方向外側に配置されるシールドと
を含む基板処理装置。
【請求項15】
基板を処理する方法であって、
処理チャンバの処理空間に隣接して基板を位置決めすることと、
5L/分未満の第1の流量で前記処理空間に処理流体を供給することと、
前記処理空間の一部を処理流体で充填した後に、5L/分を上回る第2の流量で前記処理空間に前記処理流体を供給することと、
前記処理空間を前記処理流体で完全に充填した後に、5L/分未満の第3の流量で前記処理空間に前記処理流体を供給することと、
第3の流量で前記処理空間に前記処理流体を供給する間、前記処理空間に電場を生成することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、基板を処理するための方法及び装置に関し、より具体的には、浸漬フィールドガイド式露光後ベークプロセスを実行するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、単一のチップ上に何百万もの部品(例えばトランジスタ、コンデンサ、及びレジスタ)を含むことができる、複雑なデバイスへと進化してきた。フォトリソグラフィは、チップ上に部品を形成するために使用されうるプロセスである。概して、フォトリソグラフィのプロセスには、いくつかの基礎段階が含まれる。最初に、基板上にフォトレジスト層が形成される。化学的増幅型フォトレジストは、レジスト樹脂及び光酸発生剤を含みうる。光酸発生剤は、この後の露光段階で電磁放射に露光されると、現像プロセスにおけるフォトレジストの溶解性を変化させる。電磁放射は、例えば、193nmのArFレーザ、電子ビーム、イオンビーム、又は他の適切な源などの任意の適切な波長を有しうる。
【0003】
露光段階において、基板の特定の領域を選択的に電磁放射に露光させるために、フォトマスク又はレチクルが使用されうる。他の露光法は、マスクレス露光法でありうる。光酸発生剤は光への露光によって分解されうるため、それによって酸が生成され、レジスト樹脂内に潜在的な酸の画像がもたらされる。露光の後、基板は、露光後ベークプロセスにおいて加熱されうる。露光後ベークプロセスの間、光酸発生剤によって生成された酸は、レジスト樹脂と反応し、この後の現像プロセスの間のレジストの溶解性を変化させる。
【0004】
露光後ベークの後、基板、特にフォトレジスト層は、現像され、すすがれうる。使用されたフォトレジストのタイプに応じて、電磁放射に露光された基板の領域は、除去に対する耐性を有するか、又はより除去され易くなるかのどちらかでありうる。現像及びすすぎの後、マスクのパターンは、湿式又はドライエッチング処理を使用して、基板に転写される。
【0005】
チップの設計の進化によって、絶えず、より高速でより高密度な回路が必要とされる。より高密度な回路への需要によって、集積回路部品の寸法の縮小が必要となる。集積回路部品の寸法が縮小するにつれて、より多くの要素が、半導体集積回路上の所与のエリア内に配置されることが求められる。それに応じて、リソグラフィ処理は、更により小さな特徴を基板上に転写しなければならず、それは、精密に、正確に、かつ損傷なく行われなければならない。特徴を精密かつ正確に基板上に転写するために、高解像度リソグラフィは、短波長の放射を提供する光源を使用しうる。短波長は、基板又はウエハ上の最小プリント可能サイズを縮小することに資する。しかし、短波長リソグラフィは、低スループット、ラインエッジラフネスの増大、及び/又はレジスト感度の低下といった問題に悩まされる。
【0006】
最近の展開では、リソグラフィの露光/現像解像度の向上のため、電磁放射が伝達されるフォトレジスト層の一部分の化学的特性を修正するために、露光プロセスの前又は後に基板上に配置されたフォトレジスト層に電場を形成するのに、電極アセンブリが利用される。しかしながら、そのようなシステムを実施する際の課題は、まだ十分に克服されていない。
【0007】
したがって、浸漬フィールドガイド式露光後ベーク処理を改良するための改良された方法及び装置が必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態では、基板処理装置が提供される。装置は、処理空間(process volume)を画定するチャンバ本体を含む。処理空間の長軸は、垂直に配向され、処理空間の短軸は、水平に配向される。移動可能なドアがチャンバ本体に連結され、第1の電極がドアに連結される。第1の電極は、基板をその上で支持するように構成される。第2の基板は、チャンバ本体に連結され、処理空間を少なくとも部分的に画定する。第1の複数の流体ポートが、処理空間に隣接したチャンバ本体の側壁に形成され、第2の複数の流体ポートが、第1の複数の流体ポートと反対側の処理空間に隣接したチャンバ本体の側壁に形成される。
【0009】
別の実施形態では、基板処理装置が提供される。装置は、処理空間を画定するチャンバ本体と、処理空間内に配置された回転可能なペデスタルとを含む。流体供給アームは、処理空間に洗浄流体を供給するように構成される。装置はまた、モータによって上げ下げ可能であり、回転可能なペデスタルの半径方向外側に配置されるシールドを含む。
【0010】
更に別の実施形態では、基板を処理する方法が提供される。方法は、処理チャンバの処理空間に隣接して基板を位置決めすることと、第1の流量で処理空間に処理流体を供給することとを含む。処理空間の一部を処理流体で充填した後に、処理流体が、第1の流量を上回る第2の流量で処理空間に供給される。処理空間を処理流体で完全に充填した後に、第2の流量未満の第3の流量で処理空間に処理流体が供給される。第3の流量で処理空間に処理流体を供給する間、処理空間に電場が生成される。
【0011】
本開示の上記の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約されている本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、実施形態のうちの一部は、添付の図面に示される。しかし、添付図面は例示的な実施形態を示しているにすぎず、従って、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容されうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書に記載の実施形態による処理チャンバの概略断面図を示す。
図2】本明細書に記載の実施形態による、図1の処理チャンバの一部の詳細な図を示す。
図3】本明細書に記載の実施形態による、図1の処理チャンバの様々な構成要素の概略側面図を示す。
図4】本明細書に記載の実施形態による後処理チャンバを示す。
図5】本明細書に記載の実施形態による、基板を処理するための方法の工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると想定される。
【0014】
図1は、本明細書に記載の実施形態による処理チャンバ100の概略断面図を示す。一実施形態では、処理チャンバ100は、浸漬フィールドガイド式露光後ベーク(iFGPEB)処理を実行するように構成される。チャンバ100は、基板が処理されているときに、基板の長軸が垂直に配向され、基板の短軸が水平に配向されるように、垂直配向に位置決めされる。チャンバ100は、アルミニウム、ステンレス鋼、並びにそれらの合金及び組み合わせなどの金属材料から製造されるチャンバ本体102を含む。代替的には、チャンバ本体102は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのポリマー材料、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの高温プラスチックから製造される。
【0015】
本体102は、その中に少なくとも部分的に、処理空間104を画定する。例えば、本体102の側壁148は、処理空間104の直径を画定する。処理空間104の長軸は、垂直に配向され、処理空間104の短軸は、水平に配向される。第1の複数の流体ポート126が、側壁148を通ってチャンバ本体102に形成される。第2の複数の流体ポート128もまた、第1の複数の流体ポート126とは反対側のチャンバ本体102の側壁148に形成される。第1の複数の流体ポート126は、第1の導管134を介して処理流体源132と流体連結している。第2の複数の流体ポート128は、第2の導管138を介して流体出口136と流体連結している。処理流体源132は、単独で、又は他の装置と組み合わせて、流体が処理空間104に入る前に、処理流体を約70℃から約130℃の間、例えば約110℃の温度に予熱するように構成される。
【0016】
一実施形態では、パージガス源150もまた、第1の流体導管134及び第1の複数の流体ポート126を介して、処理空間104と流体連結している。パージガス源150によって提供されるガスは、iFGPEB処理中又は処理後に処理空間104をパージするために、窒素、水素、不活性ガスなどを含みうる。必要に応じて、パージガスは、流体出口136を介して処理空間104から排出されうる。
【0017】
ドア106は、チャンバ本体102に動作可能に連結される。図示される実施形態では、ドア106は、チャンバ本体102に隣接して配置され、かつチャンバ本体102に当接するように、処理位置に配向される。ドア106は、チャンバ本体102のために選択された材料と同様の材料から形成される。代替的には、チャンバ本体は、ポリマー材料などの第1の材料から形成され、ドア106は、金属材料などの第1の材料とは異なる第2の材料から形成されうる。シャフト107は、ドア106を通って延び、ドア106を開閉するためにドア106が回転する軸(すなわちZ軸)を提供する。
【0018】
ドア106は、トラック(図示せず)に連結されていてもよく、ドア106は、X軸のトラックに沿って並進するように構成される。モータ(図示せず)は、ドア106のX軸に沿った移動を容易にするために、ドア106及び/又はトラックに連結されうる。ドア106は閉じた処理位置に示されているが、ドア106の開閉は、ドア106をZ軸の周囲で回転させる前に、ドア106をチャンバ本体102からX軸に沿って離すことによって実行されうる。例えば、ドア106は、搬入中に基板が破損する可能性を低減しつつ、第1の電極108上に基板110を位置決めすることができるように、図示された処理位置から搬入位置まで約90°回転しうる。
【0019】
バッキング板112は、ドア106に連結され、第1の電極108は、バッキング板112に連結される。バッキング板112は、所望の実施態様に応じて、ドア106又はチャンバ本体102と類似の材料から形成される。第1の電極108は、導電性金属材料から形成されうる。更に、第1の電極108に利用される材料は、非酸化性材料でありうる。第1の電極108のために選択された材料は、第1の電極108の表面にわたって望ましい電流均一性及び低抵抗を提供する。特定の実施形態において、第1の電極108は、第1の電極108の表面にわたって電圧の不均一性を導入するように構成されたセグメント電極である。この実施形態では、第1の電極108の異なるセグメントに電力を供給するために複数の電源が利用される。
【0020】
第1の電極108は、その上への基板110の取り付けを収容するようにサイズ決定される。第1の電極108はまた、チャンバ本体102及び処理空間104に隣接して位置決め可能となるようにサイズ決定される。一実施形態では、第1の電極108は、バッキング板112及びドア106に固定可能に連結される。別の実施形態では、第1の電極108は、バッキング板112及びドア106に回転可能に連結される。この実施形態では、モータ109は、ドア106に連結され、バッキング板112又は第1の電極108のいずれかに回転運動を与えるように構成される。一実施形態では、第1の電極108は、接地電極として構成される。
【0021】
真空源116は、第1の電極108の基板受容面と流体連結している。真空源116は、真空源116からドア106、バッキング板112、及び第1の電極108を通って延びる導管114に連結される。一般に、真空源116は、基板110を第1の電極108に真空チャックするように構成される。
【0022】
第1の電極108には、熱源118、温度感知装置120、電源122、及び感知装置124が連結される。熱源118は、第1の電極108内に配置された、抵抗ヒータなどの1つ又は複数の加熱要素に電力を供給する。熱源118がバッキング板112内に配置された加熱要素に電力を供給しうることも考えられる。熱源118は、一般に、iFGPEBプロセス中の流体の予熱を容易にするために、第1の電極108及び/又はバッキング板112のいずれかを加熱するように構成される。熱源118はまた、処理流体の予熱に加えて、又はそれとは区別して、基板処理中に処理流体の所望の温度を維持するために利用されうる。一実施形態では、熱源118は、第1電極108を約70℃から約130℃、例えば約110℃などの温度まで加熱するように構成される。
【0023】
熱電対などの温度感知装置120は、温度フィードバックを提供し、第1の電極108の加熱を容易にするために熱源118に通信可能に連結される。電源122は、例えば、約1Vから約20kVの間で第1の電極108に供給するように構成される。利用される処理流体の種類に応じて、電源122によって生成される電流は、数十ナノアンペアから数百ミリアンペアのオーダーでありうる。一実施形態では、電源122は、約1kV/mから約2MV/mの範囲の電場を生成するように構成される。いくつかの実施形態において、電源122は、電圧制御モード又は電流制御モードのいずれかで動作するように構成される。両方のモードで、電源は、AC、DC、及び/又はパルスDC波形を出力しうる。必要ならば、方形波又は正弦波が利用されうる。電源122は、約0.1Hzから約1MHzの間、例えば約5kHzなどの周波数で電力を供給するように構成されうる。パルスDC電力又はAC電力のデューティサイクルは、約5%から約95%の間、例えば約20%から約60%の間でありうる。
【0024】
パルスDC電力又はAC電力の立ち上がり及び立ち下がり時間は、約1nsから約1000nsの間、例えば約10nsから約500nsの間などでありうる。電圧計などの感知装置124は、電気的フィードバックを提供し、第1の電極108に印加される電力の制御を容易にするために、電源122に通信可能に連結される。感知装置124はまた、電源122を介して第1の電極108に印加された電流を感知するように構成されてもよい。
【0025】
第2の電極130は、処理空間104に隣接してチャンバ本体102に連結され、処理空間104を部分的に画定する。第1の電極108と同様に、第2の電極130は、熱源140、温度感知装置142、電源144、及び感知装置146に連結される。熱源140、温度感知装置142、電源144、及び感知装置146は、熱源118、温度感知装置120、電源122、及び感知装置124と同様に機能しうる。一実施形態では、第2の電極130は、能動的に電力供給される電極であり、第1の電極108は、接地電極である。前述の電極配置の結果として、基板110上に配置されたレジストの露光時に発生する酸は、パターニング及びレジスト保護解除特性を改善するために、iFGPEB処理中に変調されうる。
【0026】
図2は、本明細書に記載の実施形態による、図1の処理チャンバ100の一部の詳細な図を示す。処理空間104は、基板110と第2の電極130との間に画定された幅214を有する。一実施形態では、処理空間104の幅214は、約1.0mmから約10mmまでの間、例えば約4.0mmから約4.5mmまでの間などである。基板110と第2の電極130との間の比較的小さい間隙は、処理空間104の容積を減少させ、iFGPEB処理中に減少した処理流体の量を利用可能にする。加えて、第2の電極130と基板との間の距離を画定する幅214は、基板110の表面にわたって実質的に均一な電場を提供するように構成される。実質的に均一な電場は、iFGPEB処理の結果として、改善されたパターニング特性を提供する。幅214を有する間隙の他の利点は、所望の電場を発生させるために利用される電圧の減少である。
【0027】
動作中、処理空間104には、iFGPEB処理中に処理流体が充填される。処理流体が処理空間から漏れる可能性を減らすために、処理空間の流体封じ込めの完全性を維持するために複数のOリングが利用される。第1のOリング202は、第1の電極108の基板受容面上の第1の電極108内に配置される。第1のOリング202は、基板110の外径から半径方向内側の第1の電極上に位置決めされうる。
【0028】
一例では、第1のOリング202は、基板110の外径から半径方向内側に約1mmから約10mmまでの間の距離で第1の電極108上に位置決めされる。第1のOリングは、基板が第1の電極108にチャックされるときに、基板110の裏側に接触するように位置決めされる。側壁148の第1の表面206は、基板110が図示された処理位置にあるときに、基板110のエッジ領域と接触するように形状及びサイズが決定される。
【0029】
一実施形態では、第1のOリング202は、側壁148の第1の表面206とは反対側の第1の電極108内に配置される。第1のOリング202は、処理空間104から、第1の電極108の基板支持面などの基板110の背後の領域への処理流体の漏れを防止しうると考えられる。有利には、基板110の真空チャックが維持され、処理流体が真空源116に到達するのを防止する。
【0030】
第1の電極108は、第1のOリングの半径方向外側に配置されたレッジ210を有する。レッジ210は、第1のOリング202の位置から半径方向外側に配置される。第2のOリング204は、レッジ210の半径方向外側で第1の電極108に連結される。側壁148の第2の表面208は、第1の電極108の外径に隣接し、かつそこから半径方向内側に延びる第1の電極108と接触するように形状及びサイズが決定される。一実施形態では、第2のOリング204は、基板110が処理位置に配置されるときに、側壁148の第2の表面208と接触するように配置される。第2のOリング204は、第1の電極108の外径を超えて処理空間108から処理流体が漏れるのを防止しうると考えられる。
【0031】
第3のOリング212は、第2の電極130の外径に沿って第2の電極130に連結される。第3のOリング212もまた、チャンバ本体102の側壁148と接触して配置される。第3のOリング212は、処理流体が第2の電極130の背後を流れるのを防止するように構成される。Oリング202、204、212の各々は、ポリマーなどのエラストマー材料から形成される。一実施形態では、Oリング202、204、212は、円形の断面を有する。別の実施形態では、Oリング202、204、212は、三角形の断面などのような非円形の断面を有する。また、Oリング202、204、212の各々が、Oリング202、204、212を越えて処理流体が通過するのを防止し、処理空間104を流体的に密閉するのに適した圧縮力を受けることも考えられる。
【0032】
図3は、本明細書に記載の実施形態による、図1の処理チャンバ100の様々な構成要素の概略側面図を示す。処理空間104が、その中に形成された第1の複数の流体ポート126及び第2の複数の流体ポート128と共に示される。第1の複数のチャネル302は、第1の複数の流体ポート126と第1の導管134との間に連結される。第2の複数のチャネル304は、第2の複数の流体ポート128と第2の導管138との間に連結される。
【0033】
第1の複数のチャネル302のうちの10のチャネルが図示されているが、約5のチャネルと約30のチャネルの間、例えば、約9のチャネルと約21のチャネルの間で実施されうると考えられる。同様に、約5のチャネルから約30のチャネルの間、例えば、約9のチャネルから約21のチャネルの間で、第2の複数のチャネル304に利用されうる。チャネル302、304の数は、処理空間104の充填中に適切な流体流量を可能にするように選択される。チャネル302、304はまた、第1の電極108及び基板110がチャンバ本体102の第1の表面206に対して位置決めされるときに、処理空間104の剛性を維持するように構成される。一実施形態では、9の第1のチャネル302及び9の第2のチャネル304が、処理空間104に連結される。別の実施形態では、21の第1のチャネル302及び21の第2のチャネル304が、第1の処理空間104に連結される。
【0034】
第1の複数のチャネル302及び第2の複数のチャネル304は、処理チャンバ100の本体102内に形成される。第1の複数のチャネル302及び第2の複数のチャネル304の各々は、第1の流体ポート126及び第2の流体ポート128において、それぞれ約3.0mmから約3.5mm、例えば約3.2mmの直径を有する。別の実施形態では、処理空間104の直径に沿った各チャネルの直径は異なる。一実施形態では、第1の複数のチャネル302のチャネルは、処理空間104の直径にわたって均等に離間している。同様に、第2の複数のチャネル304のチャネルは、処理空間104の直径にわたって均等に離間している。また、第1の複数のチャネル302及び第2の複数のチャネル304のチャネルは、処理空間104の直径にわたって不均一に離間していてもよいと考えられる。
【0035】
第1の複数のチャネル302及び第2の複数のチャネル304のチャネルの間隔は、処理空間104に出入りする処理流体の乱流を減少させるように構成される。乱流は処理流体中に気泡を発生させ、気泡はその後に印加される電場内で絶縁体として作用するので、気泡の形成を減少させるための手段が取られる。以下で詳細に説明されるように、処理流体の流量は、乱流を減少させるために、第1の複数のチャネル302及び第2の複数のチャネル304の設計と組み合わせて調整される。
【0036】
処理流体の流路は、処理流体源132から始まり、第1の導管134を通って第1の複数のチャネル302へと進む。流体は、第1の複数のチャネル302を出て第1の流体ポート126を介して処理空間104に入る。処理空間104に処理流体がいったん充填されると、処理流体は、処理空間104を出て第2の流体ポート128を介して第2の複数のチャネル304に入る。処理流体は、第2の導管138内へと続き、最終的に流体出口136内で処理チャンバ100から除去される。
【0037】
1つの動作可能な実施形態では、電場の活性化の前に処理空間104に処理流体が充填されるのに利用される第1の流量は、約5L/分から約10L/分までの間である。処理空間104に処理流体がいったん充填されると、電場が印加され、約0L/分から約5L/分までの間の第2の流量の処理流体が、iFGPEB処理中に利用される。処理流体充填及び処理時間は、約30秒から約90秒までの間、例えば約60秒などである。一実施形態において、処理流体は、iFGPEB処理中に流れ続ける。この実施形態では、処理空間104の容積は、処理される基板当たり約1倍から約10倍までの間で交換される。別の実施形態では、処理流体は、処理中に大部分が静止している。この実施形態では、処理空間104の容積は、各基板の基板処理中に交換されない。
【0038】
別の動作可能な実施形態では、処理空間104を最初に充填するために、第1の流量が利用される。第1の流体ポート126が水没するように、処理空間104を充填するための時間において、第1の流量は、5L/分未満である。次いで、5L/分を超える第2の流量が、処理空間104の残りを充填するために利用される。iFGPEB処理において電場を印加する間、5L/分未満の第3の流量が利用される。第1の流量と第2の流量との間の流量変調は、処理空間104内での流体の乱流を減少させ、その中の気泡の形成を減少又は排除するように構成される。しかし、気泡が形成されると、気泡の浮力により、気泡が第2の流体ポート128を介して処理空間104から逃げることができるようになり、それによってiFGPEB処理中の電場に対する気泡の絶縁効果が最小化される。したがって、iFGPEB処理を改善するためにより均一な電場が実現されうる。
【0039】
図4は、本明細書に記載の実施形態による後処理チャンバ400を示す。処理チャンバ100内で基板をiFGPEB処理した後、基板は、後処理チャンバ400に搬送される。後処理チャンバ400は、処理空間404を画定するチャンバ本体402と、処理空間404内に配置されるペデスタル408とを含む。ペデスタル408上に位置決めされた基板406は、基板406を冷却し、すすぐことによって後処理される。冷却とすすぎを組み合わせることによって、基板処理のベークから冷却までの遅延が最小化される。
【0040】
基板406がペデスタル408上に位置決めされると、基板は、真空源414からの真空の適用によって真空チャックされる。基板406がいったんチャックされると、基板406の冷却が始まる。流体導管410がペデスタル408内に形成され、流体導管410が冷却流体源412と流体連結する。冷却流体が流体導管410を通って流れ、基板406を冷却する。
【0041】
冷却中に、基板406もまたすすがれて、基板表面上に依然として存在するあらゆる残留処理流体を除去する。洗浄液は、流体供給ノズル420を含みうる流体供給アーム418から基板406のデバイス側に分配される。脱イオン水などのすすぎ流体が、アーム418及びノズル420を介してすすぎ流体源422から供給される。
【0042】
洗浄及び冷却の後、ペデスタル408を回転させることによって、基板406がスピン乾燥される。ペデスタル408は、ペデスタル408を回転可能にする電源416に連結される。基板406のスピン乾燥中に、シールド424が上昇して、基板406から振り落とされた流体を集める。シールド424は、リングのような形状であり、ペデスタル408の直径よりも大きい内径を有するサイズである。シールド424もまた、ペデスタル408の半径方向外側に配置される。シールド424は、スピン乾燥中に基板406の上方に延びるように、シールド424を上下させるモータ428に連結される。スピン乾燥中にシールド424によって集められた流体は、ドレイン426を介して処理空間404から除去される。基板406の冷却中及びすすぎ中に、シールド424は、下降位置に配置され、続いて基板406のスピン乾燥中に上昇しうることに留意されたい。シールド424はまた、基板406の装填及び装填解除中に下げられてもよい。
【0043】
基板406がいったん乾燥されると、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などのデベロッパを塗布することによって、基板406上のレジストが現像される。一実施形態では、デベロッパは、アーム418及びノズル420から分配される。現像後、基板406は、次の処理のため基板406を準備するために、オプションで、脱イオン水ですすぎ、再び乾燥させてもよい。
【0044】
図5は、本明細書に記載の実施形態による、基板を処理するための方法500の工程を示す。工程510において、基板は、処理チャンバ100などの処理チャンバの処理空間に隣接して又はその中に位置決めされる。工程520で、処理空間が処理流体で充填され、工程530で、iFGPEB処理が行われる。工程540で、処理流体を処理空間から除去し、工程550で、基板を後処理チャンバ400などの後処理チャンバに移送する。オプションで、基板ハンドリング中に処理流体がこぼれるのを防止するために、工程540中に、基板がスピン乾燥されてもよい。
【0045】
工程560において、基板は、基板から処理流体を除去するために洗浄流体ですすがれる。工程560はまた、特定の実施形態では基板のスピン乾燥を含みうる。工程570において、基板上に配置されたレジストが現像され、工程580において、基板が洗浄流体で再度すすがれる。工程590において、基板が、スピン乾燥され、その後の処理のために準備される。
【0046】
要約すると、iFGPEB処理を改善するための装置及び方法が提供される。本明細書に記載の処理チャンバは、iFGPEB動作中の処理流体の効率的な使用及び改善された電場の印加を可能にする。基板の後処理もまた、同時冷却及びすすぎ動作を可能にする装置を利用することによってベークからクール遅延を減らすことによって改善される。したがって、iFGPEB処理動作は、本明細書に記載の装置及び方法を利用することによって改善することができる。
【0047】
以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてもよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理空間を部分的に画定するチャンバ本体であって、第1のシール面を有する、チャンバ本体と、
前記チャンバ本体に移動可能に連結されるドアであって、軸の周りに回転可能なドアと、
前記ドアに連結される第1の電極であって、前記第1のシール面に当接して前記処理空間を流体シールするように構成された第2のシール面を有する、第1の電極と、
前記チャンバ本体に連結される第2の電極であって、前記第1のシール面よりも半径方向内側に配置されている第2の電極と、
前記処理空間の周囲に沿って、前記チャンバ本体の側壁に形成された第1の複数の流体ポートと、
前記処理空間の周囲に沿って、前記チャンバ本体の前記側壁に形成された第2の複数の流体ポートであって、前記第1の複数の流体ポートと反対側に配置された第2の複数の流体ポートと
を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記処理空間の長軸が実質的に垂直に配向され、前記処理空間の短軸が実質的に水平に配向される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記チャンバ本体がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の電極と移動可能な前記ドアとの間に配置されるバッキング板を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ドア、前記バッキング板および前記第1の電極を通って延びる導管を更に備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電極が、該第1の電極の上に基板を真空チャックするように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記チャンバ本体内に形成された第1の複数のチャネルをさらに備え、前記第1の複数のチャネルは、前記第1の複数の流体ポートと、前記チャンバ本体の外部との間に流体連結されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記チャンバ本体内に形成された第2の複数のチャネルをさらに備え、前記第2の複数のチャネルは、前記第2の複数の流体ポートと、前記チャンバ本体の前記外部との間に流体連結されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の複数の流体ポートは、前記処理空間の直径にわたって均一に分散されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の複数の流体ポートは、前記処理空間の直径にわたって均一に分散されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
処理空間を部分的に画定するチャンバ本体であって、第1のシール面を有する、チャンバ本体と、
前記チャンバ本体に移動可能に連結されるドアであって、軸の周りに回転可能なドアと、
前記ドアに連結される第1の電極であって、前記第1のシール面に当接して前記処理空間を流体シールするように構成された第2のシール面を有し、かつ、前記処理空間の直径よりも大きな直径を有する、第1の電極と、
前記チャンバ本体に連結される第2の電極であって、前記第1のシール面よりも半径方向内側に配置されており、かつ、前記処理空間の前記直径よりも小さな直径を有する、第2の電極と、
前記処理空間の周囲に沿って、前記チャンバ本体の側壁に形成された第1の複数の流体ポートと、
前記処理空間の周囲に沿って、前記チャンバ本体の前記側壁に形成された第2の複数の流体ポートであって、前記第1の複数の流体ポートと反対側に配置された第2の複数の流体ポートと
を備える基板処理装置。
【請求項12】
前記処理空間の長軸が実質的に垂直に配向され、前記処理空間の短軸が実質的に水平に配向される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記チャンバ本体がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の電極と移動可能な前記ドアとの間に配置されるバッキング板を更に備える、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記ドア、前記バッキング板および前記第1の電極を通って延びる導管であって、真空源に流体連結された導管を更に備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記チャンバ本体内に形成された第1の複数のチャネルをさらに備え、前記第1の複数のチャネルは、前記第1の複数の流体ポートと、前記チャンバ本体の外部との間に流体連結されている、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記チャンバ本体内に形成された第2の複数のチャネルをさらに備え、前記第2の複数のチャネルは、前記第2の複数の流体ポートと、前記チャンバ本体の前記外部との間に流体連結されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の複数の流体ポートは、前記処理空間の前記直径にわたって均一に分散されている、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記第2の複数の流体ポートは、前記処理空間の前記直径にわたって均一に分散されている、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
処理空間を部分的に画定するチャンバ本体であって、前記チャンバ本体は第1のシール面を有し、前記処理空間の長軸が実質的に垂直に配向され、前記処理空間の短軸が実質的に水平に配向される、チャンバ本体と、
前記チャンバ本体に移動可能に連結されるドアであって、軸の周りに移動可能なドアと、
前記ドアに連結される第1の電極であって、前記第1のシール面に当接して前記処理空間を流体シールするように構成された第2のシール面を有し、かつ、前記処理空間の直径よりも大きな直径を有する、第1の電極と、
前記チャンバ本体に連結される第2の電極であって、前記第1のシール面よりも半径方向内側に配置されており、かつ、前記処理空間の前記直径よりも小さな直径を有する、第2の電極と、
前記処理空間の周囲に沿って、前記チャンバ本体の側壁に形成された第1の複数の流体ポートと、
前記処理空間の周囲に沿って、前記チャンバ本体の前記側壁に形成された第2の複数の流体ポートであって、前記第1の複数の流体ポートと反対側に配置された第2の複数の流体ポートと
を備える基板処理装置。
【外国語明細書】