(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153442
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】プラズマ処理チャンバ内のウエハキャリアのための高度な温度制御
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20221004BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20221004BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H01L21/68 P
H01L21/302 101G
H01L21/205
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022111301
(22)【出願日】2022-07-11
(62)【分割の表示】P 2020146769の分割
【原出願日】2017-03-16
(31)【優先権主張番号】62/332,237
(32)【優先日】2016-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/217,513
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シルベイラ, フェルナンド エム.
(72)【発明者】
【氏名】チャン, チュンレイ
(72)【発明者】
【氏名】クリミナーレ, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ジェヨン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラズマ処理チャンバ内のウエハキャリアについて、高度な温度制御システム及び方法を提供する。
【解決手段】熱交換器450は、ワークピースキャリア404の流体チャネルに温度制御された熱流体を供給し、流体チャネルから熱流体を受け入れる。比例弁は、熱交換器から流体チャネルへの熱流体の流量を制御するために、熱交換器と流体チャネルとの間に存在する。ガス圧弁も、熱交換器から流体チャネルへの熱流体の流量をさらに制御するために、熱交換器と流体チャネルとの間に存在する。温度コントローラは、キャリアの熱センサから測定温度を受信し、この測定温度に応答して、比例弁及びガス圧弁を制御し、熱流体の流量を調節する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースキャリアの流体チャネルに熱流体を供給し、前記流体チャネルから前記熱流体を受け入れるための熱交換器であって、前記熱交換器が、前記熱チャネルに供給される前記熱流体の温度を制御し、前記流体チャネル内の前記熱流体が、ワークピース処理の間、前記キャリアの温度を制御する、熱交換器、
前記熱交換器から前記流体チャネルへの熱流体の流量を制御するための、前記熱交換器と前記流体チャネルとの間の比例弁、
前記熱交換器及び前記流体チャネルからの熱流体の前記流量をさらに制御するための、前記熱交換器と前記流体チャネルとの間のガス圧弁、及び
前記キャリアの熱センサから測定温度を受信し、前記測定温度に応答して、前記比例弁及び前記ガス圧弁を制御し、前記熱流体の前記流量を調節するための温度コントローラ
を備えている装置。
【請求項2】
前記比例弁及び前記ガス圧弁を制御するために、前記温度コントローラが、前記キャリアの複数の熱センサに連結されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記温度コントローラが、前記冷媒の流量が増加するにつれて、前記ガス圧弁を開き、前記比例弁のみを使用して前記比例弁を調節する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記温度コントローラが総流量を決定し、前記総流量が閾値を超える場合、前記温度コントローラが、所望の流量を得るために、前記ガス圧弁を開き、且つ前記比例弁を調節し、前記総流量が前記閾値を下回る場合、前記温度コントローラが、所望の流量を得るために、前記比例弁を所定の流量まで閉じ、且つ前記ガス圧弁を調節する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記比例弁及び前記ガス圧弁は、前記弁のうちの一方の出力が前記弁のうちの他方の入力に連結されるように、直列に接続されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記流体チャネルに連結された圧力センサ及び流量計をさらに備え、前記温度コントローラが、前記圧力センサ及び前記流体チャネルに応答して、前記比例弁及び前記ガス圧弁を制御する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記キャリアが、前記キャリアからの熱を伝達する熱流体を運ぶ複数の異なる独立した冷却チャネルを備え、各流体チャネルが、それぞれの供給部及び戻り部を含み、前記装置が、各供給部内への熱流体の流量を制御するための比例弁及びガス圧弁を備えている、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
ワークピース処理システムであって、
プラズマチャンバ、
前記プラズマチャンバ内でプラズマ含有ガスイオンを生成するためのプラズマ源、
プラズマ処理の間に前記ワークピースを保持し、前記ワークピースの温度を制御するための、前記チャンバ内のワークピースホルダーであって、流体チャネル及び温度センサを有する、ワークピースホルダー、
前記ワークピースホルダーの前記流体チャネルに熱流体を供給し、前記流体チャネルから前記熱流体を受け入れるための熱交換器であって、前記流体チャネル内の前記熱流体が、基板処理の間、前記キャリアの温度を制御する、熱交換器、
前記熱交換器から前記流体チャネルへの熱流体の流量を制御するための比例弁、
前記熱交換器及び前記流体チャネルからの熱流体の前記流量をさらに制御するための、前記熱交換器と前記流体チャネルとの間のガス圧弁、並びに
前記キャリアの熱センサから測定温度を受信し、前記測定温度に応答して、前記比例弁及び前記ガス圧弁を制御し、前記熱流体の前記流量を調節するための温度コントローラ
を備えているワークピース処理システム。
【請求項9】
前記比例弁が、圧力調整弁を備え、前記装置が、前記圧力調整弁を制御するために、前記圧力調整弁に連結された圧力調整器をさらに備え、前記圧力調整器が、前記圧力調整器への無段階アナログ電圧信号を受信するために前記温度コントローラに連結され、前記圧力調整弁への流体圧力を制御し、前記圧力調整弁を制御する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記流体チャネルに連結された圧力センサ及び流量計をさらに備え、前記温度コントローラが、前記圧力センサ及び前記流体計に応答して、前記比例弁及び前記ガス圧弁を制御する、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
ワークピースを処理するための方法であって、
プラズマチャンバ内でプラズマ含有ガスイオンを生成することと、
ワークピースホルダー上のワークピースに前記プラズマを印加することと、
前記ワークピースホルダーの第1の熱区域内の第1の熱流体チャネル及び第2の熱区域内の第2の熱流体チャネルを通して、前記ワークピースの温度を調整することであって、
前記流体チャネルに熱流体を供給し、前記流体チャネルから前記熱流体を受け入れるための熱交換器であって、前記流体チャネル内の熱流体が、基板処理の間、それぞれの前記第1及び第2の熱区域内の前記ワークピースキャリアの温度を制御する、熱交換器と、
前記熱交換器からそれぞれの流体チャネルへの熱流体の前記流量を制御するための、第1の流体チャネルに連結された第1の弁及び第2の流体チャネル内の第2の弁と、
前記ワークピースホルダーの前記第1の熱区域のための第1の熱センサ及び前記第2の熱区域の第2の熱センサから測定温度を受信し、予測モデルを適用することによって、前記測定温度に応答して、前記第1の弁及び前記第2の弁を制御し、前記熱流体の前記流量を調節するための温度コントローラと
を使用することによって、前記ワークピースの温度を調整することと
を含む方法。
【請求項12】
前記予測モデルが、前記第1の熱区域と前記第2の熱区域との間のクロストークを含み、前記流量を制御することが、前記第1の熱センサ及び前記第2の熱センサの両方の温度を使用して、各弁を通して、前記流量を制御することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記予測モデルが、前記第1の熱区域及び前記第2の熱区域に対する予測温度傾斜率を含み、前記流量を制御することが、各弁を通して前記流量を調節して、温度傾斜率設定点を達成することを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記予測モデルが、前記ワークピースキャリアの熱吸収及び熱伝達特性の物理モデルを使用する、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記流体チャネル内の、圧力センサからの流体圧力と、流量計からの流体流量をさらに受信し、前記温度コントローラが、前記圧力センサ及び前記流体チャネルに応答して、前記比例弁を制御することをさらに含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2016年5月5日出願のFernando M. Silveiraらによる「ADVANCED TEMPERATURE CONTROL FOR WAFER CARRIER IN PLASMA PROCESSING CHAMBER」と題する米国仮特許出願第62/332,237号からの優先権を主張するものである。
【0002】
[0002]実施形態は、マイクロエレクトロニクス製造業に関し、より具体的には、処理チャンバ内のウエハキャリア又はウエハの温度を制御する熱流体循環システムを使用する熱制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]マイクロエレクトロニクス及びマイクロメカニカルデバイスは、典型的に、シリコン又は他の種類のウエハ上に部分的に製造される。完成すると、ウエハは、多数のより小さな片に切り分けられ、各ダイは別個のデバイスを形成する。ウエハは、多くの異なる処理に曝され、デバイス上のすべての構成要素が形成される。多くの処理において、ウエハは、処理チャンバ内でチャック、ペデスタル、又は何らか他のキャリアの上で保持される。このようなチャンバのうちの1つは、プラズマ処理チャンバであり、プラズマ処理チャンバ内では、ウエハがプラズマに曝露され、異なる材料が堆積又は除去される。
【0004】
[0004]プラズマエッチングチャンバ又はプラズマ堆積チャンバなどのプラズマ処理チャンバでは、ウエハ及びウエハキャリアの温度は、処理の効果性又は速度を制御する重要なパラメータであることが多い。例えば、チャックの温度は、処理レシピ(process recipe)の間、ウエハを加熱又は冷却するように制御することができる。何らかの方法(例えば、エッチング速度の制御)で処理に影響を及ぼすため、処理中に温度を特定の設定点に変更してもよい。同様に、シャワーヘッド又は上方電極又は他の構成要素の温度も処理レシピの間に制御して、処理に影響を及ぼすことができる。
【0005】
[0005]より正確な温度制御により、堆積やエッチングなどの処理のより正確な制御がもたらされる。マイクロエレクトロニクス特徴が縮小するにつれて、ダイ及び得られた製品をより小さくすることができ、処理チャンバ内で製造している間に精密さがより要求されるようになる。さらに、より高い電力プラズマが、より多くの熱を生成し、より効果的な冷却を必要とする。結果的に、温度制御システムは、より正確でなければならず、多くの異なる処理を支えるために、広範囲にわたって作動しなければならない。
【0006】
[0006]処理チャンバの構成要素は、構成要素内の冷媒チャネルを通して流体を循環させることにより冷却される。冷媒の温度及び構成要素を通る冷媒の流量を制御することによって、冷却の量が制御される。場合によっては、例えば、一部のウエハチャックについては、チャック、それからウエハを加熱するために暖かい流体がさらに使用される。同じ冷媒チャネルを通して、又は、別個のシステムを使用して、暖かい流体を押し流すことができる。冷媒に加えて、又は冷媒の代わりに、電気抵抗加熱器がウエハチャック内でさらに使用され得る。
【発明の概要】
【0007】
[0007]比例(proportional)及びガス圧(pneumatic)の熱流体供給制御システムを用いる熱制御システムが説明される。一実施例では、装置は、ワークピースキャリアの流体チャネルに熱流体を供給し、流体チャネルから熱流体を受け入れるための熱交換器を含む。熱交換器は、熱チャネルに供給される熱流体の温度を制御し、流体チャネル内の熱流体は、ワークピース処理の間、キャリアの温度を制御する。比例弁は、熱交換器から流体チャネルへの熱流体の流量を制御するために、熱交換器と流体チャネルとの間に存在する。ガス圧弁も、熱交換器から流体チャネルへの熱流体の流量をさらに制御するために、熱交換器と流体チャネルとの間に存在する。温度コントローラは、キャリアの熱センサから測定温度を受信し、この測定温度に応答して、比例弁及びガス圧弁を制御し、熱流体の流量を調節する。
【0008】
[0008]ウエハキャリアの温度を制御するために閉ループ制御及び予測モデルを用いる熱制御システムが説明される。測定温度は、キャリアの第1の熱区域の第1の熱センサ及び第2の熱区域の第2の熱センサから受信される。予測モデルは、第1の熱区域に熱的に連結されたキャリアの第1の流体チャネルを通る第1の流量を決定し、第2の熱区域に熱的に連結されたキャリアの第2の流体チャネルを通る第2の流量を決定するために、両方の測定温度に適用される。第1の流体チャネルに連結された第1の弁、及び第2の流体チャネルに連結された第2の弁は、熱交換器からそれぞれの流体チャネルへの熱流体の流量を制御するために調節される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
[0009]本発明の実施形態は、下記の添付図面において、限定ではなく例示のために図示されている。
【
図1】本発明の実施形態に係る、静電チャックのための2区域温度制御システムの図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る、水干渉ボックス内の冷媒流体ラインの図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る、水干渉ボックスの弁及び熱交換器の温度の制御の図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る、静電チャックのための2区域温度制御システムである。
【
図5】本発明の実施形態に係る、種々の弁率において水干渉ボックスの比例弁を通る流量の図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る、水干渉ボックスを使用した構成要素の温度の制御に用いられ得るモデルベース制御ループの処理フロー図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る、チャックアセンブリを含むプラズマエッチングシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0017]wFib(水干渉ボックス(water interface box))、又は任意の他の種類のマイクロエレクトロニクスウエハ処理システムの流量制御システムにおいて使用され得るシステムが説明される。本明細書に記載されたwFibは、デジタルコントローラと共に、連続弁又は比例弁と、デジタル弁又はガス圧弁との組み合わせを通して、温度を連続デジタル制御することをもたらす。弁は、ポンプを備えた熱交換器と静電チャック又は他のウエハ支持体との間で直列に接続される。
【0011】
[0018]弁は、開ループ、閉ループ、予測処理、又は反復処理を含む様々な異なる処理のいずれかを用いて制御され得る。当該システムは、主に、半導体処理用の静電チャックを備えたプラズマチャンバにおける使用について説明されるが、同技法は、表面を加熱又は冷却する流体を用いる半導体チャンバ内の任意の表面の温度を制御するために使用され得る。
【0012】
[0019]記載された実施形態は、閉ループ温度制御システムで作動し得る。低流モード制御のために、ガス圧弁に対してパルスモードが使用され得る。これにより、比例弁のヒステリシスが克服される。ガス圧弁の信頼性の低さを克服するために、比例弁が全般制御のために使用され得る。記載されたシステムは、サービスコストがより低くなる。
【0013】
[0020]静電チャック(ESC)又は真空チャックなどのワークピース支持体の温度は、比例流体供給システムを用いて、又は、パルス式流体供給システムを用いて、制御することができる。比例弁は、流量に対して段階的なアナログ調節をもたらす。パルス弁は、流体弁を開と閉との間で迅速に周期的に切り替え、弁が開いている間の時間量に応じた平均流量を達成する。弁は、チャックへと流れる流体の量を決定する。比例弁によって可能となる流量は、高バイアスRF出力が伴うプラズマ処理の冷却要求を満たす。より低温の処理に対して、又は、より低い流量が望まれるとき、パルス弁は、低流量を正確に制御することを可能にする。
【0014】
ハイブリッド弁構成
[0021]
図1は、プラズマ124処理チャンバ内のワークピース106を支持する静電チャック104のための2区域温度制御システム102の図である。ハイブリッドwFib(水干渉ボックス)140は、比例弁及びガス圧弁の両方を有するように設計されている。MIMO(多入力多出力)コントローラ又は任意の他の種類のコントローラといった熱コントローラ130は、熱制御処理を適用して、弁を制御し、チャック又はチャックによって運ばれるワークピースの温度を調節するために使用される。コントローラ130は、チャック104の複数のプローブ112、114からフィードバックとして温度読取値を取得し、チャックの温度及びその傾斜率を制御する。
【0015】
[0022]チャック104は、シリコンウエハ又は他の種類の基板などのワークピース106を運ぶための上方プレート108を有する。上方プレートは、冷却プレート110によって支持されている。ワークピースを移動且つ支持し、上方プレート及びワークピースにガス、電流、及び他の材料を供給するために、冷却プレートの下方に他の支持体(図示せず)が存在する。一部の製造処理の間、プラズマ124から熱126がワークピースに加えられる。ワークピースは、チャック内のヒータを含む、処理チャンバ内の他の要素及び部品によってさらに加熱され得る。熱は、少なくとも部分的に、ワークピースを通って、上方プレート及び冷却プレートに伝達される。上方プレートは、ワークピースにおいて又はワークピースの近傍で温度を測定する熱プローブ112、114を有する。
【0016】
[0023]冷却プレート110は、冷媒チャネル122を有する。冷媒チャネル122は、入口チャネル116内で冷媒を受け入れ、出口チャネル118を通して冷媒を放出する。矢印は、簡略化するために単一の入口と出口を示しているが、複数の独立したチャネルがあってもよく、それぞれ、入口と出口を有する。これにより、冷却プレートの種々の部品の温度を個別に制御することが可能となる。一例として、チャックの外周は、チャックの中心部より熱くなる傾向がある。別個の周辺又は外部流体チャネルによって、より多くの冷媒をチャックの外周に適用することが可能となる。
【0017】
[0024]本明細書の記載は、プラズマ処理チャンバに関連して、ESCの形態のワークピースキャリアを説明しているが、本明細書に記載されたESCは、多種多様なチャンバ及び多種多様な処理のために使用することができる。特定の実装形態に応じて、ESCの代わりに異なる基板キャリアを使用してもよい。
【0018】
[0025]本明細書の図面は、2つの独立した冷媒流区域を備えた2区域システム又は2ループシステムを示す。wFib140は、熱交換器からの単一の流体入力152及び単一の出力154を有するが、チャックへの2つの別個の流体出力142、146をもたらす。これらは、wFib内で個別に制御され、チャック内の独立した冷媒チャネルに供給され得る。流体は、それぞれの独立したチャネルから、チャックからの2つの別個の且つ独立した戻りライン144、148を通って戻る。2つの戻りラインは、チャックから出た後、任意の点で組み合わされてもよい。この実施例では、
図2で示すように、wFib内の戻りの流量がモニタリングされる。各ループを別々にモニタリングするため、ラインが測定されるまで戻りループは別個のまま置かれる。2つのループが示されているが、記載されたシステムは、3つ、4つ、6つ、又はそれより多い温度制御区域を含むように拡大され得る。
【0019】
[0026]熱交換器には、チャック用の冷却流体のための源152及び戻り部154が設けられる。第2の熱交換器(図示せず)は、
図4で示すように熱源として使用され得る。熱交換器は、戻った流体を受け入れ、それを所定温度まで又は調整分だけ冷却する。熱交換器は、サーモスタットで制御されてもよく、又は、任意の特定の制御があってもなくても、設計に基づいて固定量の冷却を加えてもよい。以下で説明するように、チャック104又は任意の他のワークピースキャリアを通って循環する冷媒の温度は、供給された冷流体の温度によって、且つ、さらに各冷媒ループにおいてチャックを通る流体の流量によって、部分的に制御される。
【0020】
[0027]温度コントローラ130は、光学温度プローブなどの熱センサ112、114から温度信号を受信する。熱センサは、基板の温度を直接的又は間接的に決定するために、処理チャンバ内のワークピース或いはチャック又はキャリア122に取り付けられる。この受信した温度に基づいて、コントローラは、wFib140内の弁を開閉し、キャリア104の冷媒チャネル122を通る流量を制御する。温度コントローラは、弁制御信号、例えば、アナログ電圧、デジタルPWM(パルス幅変調)信号、又はガス圧信号を生成し、これらの信号をwFibに供給し得る。wFibは、
図2に示すように弁を含む。コントローラは、wFibからさらに圧力、温度、及び他の信号を受信する。wFibは、弁を制御して、熱交換器からチャックへの通路を開閉する。流量が大きいほど、流体がより多くの熱をキャリアから伝達することが可能になる。
【0021】
[0028]
図2は、
図1のwFib140内の冷媒流体ラインの図である。簡略化するために、ここでは図示されていない他の多くの構成要素がwFib内に存在し得る。さらに、コントローラ130は、wFib内に組み込まれてもよい。wFibは、水干渉ボックスとして言及されるが、冷媒は、通常、水ではなく、沸点がより高い別の材料である。この別の材料は、例えば、脱イオン水/エチレングリコール、3M社のFluorinert(登録商標)又はSolvay Solexis社のGalden(登録商標)などのフッ素系冷媒、或いは、例えば、過フッ素化不活性ポリエーテル(perfluorinated inert poly ethers)を含有する任意の他の適切な誘電流体であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0022】
[0029]比例弁は、連続的に流れを調節することができる。ガス圧弁は、遮断弁として作動することができ、PWMモードにおける流量制御のためのパルス弁として作動することもできる。図示されているように、熱交換器の冷媒流体供給ライン152は、入力としてwFib130に供給される。この供給部は、T字管176に供給され、供給部が2つの部分に分けられる。これらの部品は、冷媒をwFibの2つの出力142、146に供給し、冷媒をチャックの2つの冷媒チャネルに供給するために使用される。2つのラインは、それぞれ、直列に連結されたガス圧弁166、168及び比例弁162、164を有し、各ガス圧弁の出力は、対応する比例弁の入力に連結される。比例弁の出力は、対応する冷媒出力ライン142、146に連結される。代替的に、比例弁が入力に直接連結され、ガス圧弁が出力に連結されるように、弁の順序が逆であってもよい。
【0023】
[0030]T字管176から2つの冷媒ラインしか示されていないが、追加のT字管を使用することによって、又は、T字管で示された2つのラインより多くの出力ラインを有する流体分配マニホールドを使用することによって、より多くの冷媒ラインが支持され得る。熱交換器入力152から各ガス圧弁内へ供給された圧力量を制御するために、マニホールド内に圧力補正、調節、及び分配構成要素(図示せず)も存在し得る。
【0024】
[0031]チャック冷却プレートからの戻りライン144、148は、それぞれ、対応する流量計170、172に連結される。流量計は、戻った流体の圧力及び流量を測定するために使用され得る。温度もさらに測定され得る。熱交換器及び弁を制御するために、流量計及び任意選択的な温度値が、コントローラ130によって使用され得る。流れを測定した後、戻った流体は、戻りマニホールド174(この場合、単純なT字管)で組み合わされる。戻りマニホールド174は、流体を熱交換器戻りライン154に戻す。
【0025】
[0032]この実施例では、流量制御弁162、164、166、168は、熱交換器出力とウエハキャリアとの間で供給側にある。代わりに、弁を、ウエハキャリアと熱交換器内に戻る流体の戻り入力154との間の戻り側に置くことで、同じ効果を達成することができる。さらなる代替例として、弁を両方の場所においてもよく、又は、ガス圧又は比例のいずれかの一種類の弁をウエハキャリアの一方の側に配置してもよく、他の種類の弁をウエハキャリアの他方の側に置いてもよい。同様に、流量計をウエハキャリアのいずれかの側又はシステム内の別の場所に配置してもよい。幾つかの実施形態では、流量計は熱交換器にある。例示された実施例では、流量計の測定値を対応する熱交換器からの流量データと組み合わせてもよい。
【0026】
[0033]温度コントローラ130は、チャックを通して、所望の流量を達成するために弁162、164、166、168を制御する。比例弁162、164は、電空レギュレータを通して制御され得る。このようなレギュレータには、制御され且つ典型的に一定である圧力で、CDA(Compressed Dry Air:圧縮乾燥空気)が供給される。レギュレータは、熱コントローラからの電気制御信号に応答して、投入されたCDAを調節し、正確なガス圧信号を生成する。レギュレータに無段階アナログ信号が供給される場合、レギュレータは、同様に無段階に変化するレギュレータガス圧を供給することができる。弁の流体チャネルを開閉するために、この調節されたガス圧制御圧力が圧力調整弁に加えられる。
【0027】
[0034]幾つかの実施形態では、CDAは、レギュレータ140の給気電磁弁に加えられる。コントローラからの入力制御電圧が上昇すると、電磁弁が開く。給気弁を通して解放された圧力は、センサによって測定され、制御回路に給送される。給気弁は、測定圧力が制御信号によって示される圧力と一致するまで調節される。排気電磁弁は、レギュレータ内の圧力を軽減し、CDA供給部まで戻すために設けられる。
【0028】
[0035]圧力調節弁は、圧力レギュレータからの制御圧力に応答して、比例流体制御をもたらす。これにより、冷媒流ライン142、146を通る流量の無段制御が可能となる。この弁は、パルス弁に比べてごくわずかしか動かない。これによって、修理が少なくなり、ハードウェアの寿命が延びる。加えて、温度変化への応答がより円滑になる。プラズマ処理中、連続的な流体のオフタイムがない可変流量を用いることにより、温度の応答がより円滑になり、温度振動が低減される。
【0029】
[0036]その一方で、比例弁は、より低い流量では、正確な流れの変動をもたらさない。より低い流量が望まれる場合、流量制御に正確さを加えるために、ガス圧弁166、168がパルス化され得る。
【0030】
[0037]各チャネルを通して、流量の追加制御をもたらすために、追加の弁(図示せず)が流体戻りチャネル144、148内で使用され得る。流体がキャリアを通って流れずに、熱交換器を通って流れることを可能にするように、さらなるバイパス弁178が使用され得る。ガス圧弁又は比例弁162、164、166、168が閉じられると、進入してくる供給流体は、wFib出力142、146を通って流れないように遮断される。wFibの入口152と出口154との間のバイパス弁178が開くと、供給された流体流は、代わりに、戻りライン154に直接戻り、処理チャンバをバイパスする。これにより、対応する熱交換器が、定常温度を確立し、流体の供給を所望の温度に維持することが可能になる。流れの方向をさらに制御するために、追加の弁が使用され得る。
【0031】
[0038]
図3は、弁及び熱交換器の温度制御の図である。制御システムは、複数の入力302を有する。複数の入力302は、レシピ条件(ワークピースに適用される処理に基づき、電力、圧力等を含む)、様々な温度センサプローブ(SP)によって測定されたチャックの内部温度及び外部温度、及びSPからのチャック内部及び外部温度傾斜率を含み得る。
【0032】
[0039]出力310は、意図されている、静電チャック(すなわち、Tesc)の内部及び外部チャネル温度、チャックの内部及び外部チャネル流量、及びチャックの内部及び外部流れ温度を含み得る。
【0033】
[0040]これらの複数の入力302は、MIMOコントローラ304に適用され、次いで、MIMOコントローラ304は弁を作動させる。弁をどのように作動させるかを決定するために、入力が任意の様々な異なる方法で使用され得る。入力、ESC温度、様々なSP値、及びレシピ条件は、ESC温度を制御するために、ESC308からライン316上のフィードバックと共に取り込まれる。幾つかの実施形態では、温度傾斜率又は温度変化率も弁を使用して制御することができる。図示の実施例では、コントローラは、内部及び外部チャネル弁率312を生成する。これは、ガス圧弁及び比例弁の弁開放率を決定する。内部及び外部弁率は、wFib306に適用される。コントローラは、さらに内部及び外部チャネル流量314を決定し、これは、wFibで測定された流量と比較される。次いで、流体は、ESC308を通って循環させられる。ESCからの出力310は、次いで、閉ループ内で戻されて、コントローラに戻り、新しい弁率312及び流量314がさらに決定される。
【0034】
[0041]この実施例では、ESC内に2つの別個の流体チャネル区域122がある。これらは、内部と外部に指定される。各区域の流体の温度及び流量は、他の区域の温度及び流量とは独立している。そのため、2つの独立した流れ供給ライン142、146、2つの独立した流体戻りライン144、148、2つの独立したセンサプローブ112、114、及び2つの独立した一連の弁162、166、164、168がある。各区域は、独立してモニタリング且つ制御されるが、しかしながら、制御処理は、MIMOコントローラ304内で管理され得る。区域は内部及び外部と呼ばれるが、ESC内で任意の所望の相対的物理位置に存在していてもよい。追加の別個の冷媒チャネル及び関連する構成要素をESC内に設けることにより、より多くの区域が同様に存在し得る。
【0035】
[0042]ESCの信頼性(例えば、結合寿命)を改善するために、温度傾斜率が使用されてもよい。温度傾斜率制御によって、異なる熱特徴を有する種々の処理チャンバ間で処理を適合させることがさらに促進される。温度傾斜率に対する制御によって、さらに、HARC(高アスペクト比コンタクト)エッチング、及び高精度を要する他の処理のためのプロセスウィンドウを改善することが促進される。
【0036】
[0043]図示の実施例では、弁率312がwFibに適用されるが、これは、弁のための設定及び制御システムに依存する。この率は、別個の弁コントローラによって受信されるデジタル又はアナログ制御信号の形態であってもよいが、弁コントローラは、次いで、それぞれの弁にガス圧又は電気信号を送信する。弁コントローラは、wFib内にあってもよく、又は、別の場所にあってもよい。比例弁及びガス圧弁の両方を制御するために、wFib又は別のシャーシ内のPLC(プラグラム可能な論理制御装置)が使用され得る。チャック内の電気抵抗加熱器を制御するため、且つ、さらに
図4に示す加熱された流体供給を制御するために、工程を延長させる場合がある。これらの追加の熱システムは、システム用の温度制御ノブをより多く設け、それにより、チャック及びワークピースの温度及びその傾斜率に対する制御が強化される。
【0037】
[0044]
図4は、プラズマ424処理チャンバ内の静電チャック404のための2区域温度制御システム402の図である。このシステムは、チャックの流体チャネルを使用して、冷却と加熱の両方の機能を与えるために、二重冷却器又は熱交換器450、460を有する。二重冷却器/熱交換器設備は、チャンバ温度コントローラ430の要求に応じて、熱い又は冷たい流体の流れを供給する。
【0038】
[0045]
図1の実施例と同様に、ワークピース406は、ESCなどのキャリア404に取り付けられる。プラズマ424は、製造処理の特定の段階中、ワークピースに熱を加える。この実施例のESCは、温度センサプローブ412、414を有する上部プレート408、及び2つ(より多くてもよい)の区域の冷媒チャネルを有する下方冷却プレート410を有する。冷媒チャネルは、wFib440の流体出力442、446に連結された入力ライン416を有する。冷媒チャネルは、wFibに回帰する戻りライン444、446に連結された出力418を有する。ESCの2つの熱区域に対して、2つの冷媒チャネルしか示されていないが、
図1の実施例でより多くあってもよいように、ここでもより多くあってもよい。
【0039】
[0046]温度調整システムは、高温流体又は加熱された流体のための源出力ライン452及び戻り入力ライン454を有する高温流体熱交換器450を有する。戻り部は、流体を熱交換器に戻す。熱交換器は、流体を所定の温度まで加熱するか、又は、流体を調整分だけ加熱し、この流体を加圧下で供給ライン452に供給する。流体温度は、固定されてもよく、又は、制御信号(例えば、コントローラ430又は別のコントローラからの制御信号)に基づいて調節されてもよい。同様に、システムは、第2の熱交換器460用の冷温流体又は冷却された流体のための、源又は出力ライン462、及び戻りライン464を有する。第2の熱交換器460は、戻った低温流体を受け入れ、それを所定の温度まで又は調整分だけ冷却する。第1の及び第2の熱交換器は、図示されているように、単一のユニットであってもよく、又は、2つの別個のデバイスであってもよい。熱交換器は、サーモスタットで制御されてもよく、又は、特定の実施形態に応じて、任意の特定の制御があってもなくても、固定量の加熱又は冷却を加え得る。基板キャリア404を通って循環する冷媒の温度は、供給された高温流体452及び低温流体462の温度によって部分的に制御されるが、さらにESC404に達する高温流体及び低温流体の流量及び混合によって制御される。
【0040】
[0047]高温流体は、3方向バルブ456に供給される。この3方向バルブは、熱交換器からの高温流体の流動を開閉する。同様に、低温流体は、同一の3方向バルブに供給される。この3方向バルブは、第2の熱交換器からの低温流体の流動を開閉する。この弁を通ることを許容される流体は、ウエハキャリア供給ライン内のwFib440に供給される。wFib440は、直列に接続されたガス圧弁及び比例弁を使用して、
図1のwFibと同じ方法で流量を調節する。調節された温度の冷媒は、次いで、ワークピースキャリアを加熱又は冷却する。高温戻りライン454及び低温戻りライン464に連結されている追加の任意選択的な三方弁466が存在する。基板キャリアからの流体は、戻りラインを通ってこの弁まで戻り、それからこの弁を通って、流動元のそれぞれの熱交換器に戻ることが許容される。これらの三方弁は、2つの弁に連結された温度コントローラ430の制御下で操作される。三方弁は、wFib内に含まれ得るか、又は何らかの外部シャーシ又は固定具内に存在し得る。
【0041】
[0048]幾つかの実施形態では、温度コントローラ430は、基板キャリア流体チャネル内の熱流体を加熱又は冷却するため、流量及び使用する熱交換器を決定する。幾つかの実施形態では、冷温熱交換器によって供給される冷媒流体は約0℃であり、高温熱交換器によって供給される冷媒流体は約55℃である。ウエハキャリアの現在の温度に応じて、これらの流体のうちの1つ又はその混合物が、流体チャネルに供給される。例として、キャリアの温度が設定点を上回る場合、低温冷却器からの流体が用いられる。温度が設定点を下回る場合、高温冷却器からの流体が用いられる。流体供給システムは、ワークピースにおける温度を適切な温度範囲内で制御する。流体供給システムは、さらにプラズマ処理中の温度上昇及びオーバーシュートも制御する。
【0042】
[0049]戻り経路(図示せず)を2つの熱交換器に設けることができ、それにより、加熱した流体が、ワークピースキャリア404及び任意選択的にwFib440をバイパスして、高温供給部452から高温戻り部454へ流れることが可能となる。
図2は、このような戻り経路の例を示しており、弁178を用いて開かれる。同様の低温流体戻り弁を使用してもよく、それにより、冷却流体が、キャリアを通過することなく、低温供給部462から低温戻り部464へと直接流れることが可能になる。三方弁456、466の設定によって高温供給又は低温供給のうちのどちらか一方がキャリアに供給されていないとき、高温及び低温流体戻り弁を使用してもよく、それにより、流体が、キャリアを通って流れることなく、対応する熱交換器を通って流れることが可能になる。これにより、対応する熱交換器が、定常温度を確立し、流体の供給を所望の温度に維持することが可能になる。
【0043】
[0050]記載された温度調整システムは、基板キャリア内のチャネルを通って流れる流体の温度が、例えば、0℃から55℃の範囲内で制御されることを可能にする。ワークピースキャリアは、1つよりも多い熱流体チャネルを有し得る。この場合、それぞれの追加のチャネルを支持するために
図4のシステムが複製されてもよい。wFib内への混合物と、冷媒チャネルを通る流量とは、独立して制御することができるので、流体を1つよりも多いチャネルに供給するために、単一の高温熱交換器及び単一の低温熱交換器が使用されてもよい。
【0044】
[0051]
図5は、種々の弁率で比例弁を通る流量を示す。第1の上曲線504は、水平軸の時間において、比例弁に対する種々の制御入力を示す。第1の曲線に対する垂直軸は、右側の目盛りで示されているように、弁に適用されたPWM波形のデューティサイクルを示す。図面の左端と右端で示されたより高いデューティサイクルが弁を閉じる。図面の中央付近で示された低いデューティサイクルは、弁をより開放することを可能にする。
【0045】
[0052]第2の曲線502は、適用されたPWM信号504に応答した、比例弁を通る流量を示す。左側にある流量の垂直目盛りは、目盛り下部のより低い流量から目盛り上部のより高い流量まである。図示されているように、弁が最初に開けられ、PWMデューティサイクルを下げることによって流量がゆっくりと増量するにつれて、比例弁を通る低い流量の領域506がある。この領域では、弁は、入力信号504に対して、定常的で、線状の、且つ反復可能なレスポンスをもたない。この領域506の流量は不規則である。同様に、弁が図の中央の高い流量から低い流量に閉鎖されると、弁は、閉じるにつれて弁のレスポンスがさらに線状又は反復可能でなくなる領域508を有する。この例では、流量は突然最小値まで低下し、回復しない。それと同時に、これらの低流量領域506、508の外では、比例弁は正常であり、入力信号に対して予測可能なレスポンスを有する。
【0046】
[0053]
図5の図は、比例弁の典型的なレスポンスを示す。この非線状のレスポンスを克服するため、直列の2つの弁を備えたwFibは、従来の単一の弁とは異なる方法で作動することができる。実施形態では、比例弁は、より高い流量のための一次弁であり、線状領域で作動し、端の低流量領域506、508では作動しない。低流量を達成するため、比例弁は、予測可能なレンスポンスを依然としてもつ低流量領域まで閉鎖される。次いで、ガス圧弁を作動させることによって、流量がさらに低下する。これにより、低流量領域で高精度が可能となる。より高い流量においては、比例弁が使用され、ガス圧弁は全く使用されない。これにより、依然として流れを正確に制御しながらも、ガス圧弁の摩耗が低減される。
【0047】
制御方法論
[0054]上記の実施形態は、弁コントローラ130、430を含む。弁コントローラは、実施形態に応じて、種々の方法で弁を制御し得る。幾つかの実施形態では、MIMO(多入力多出力)モデルベースコントローラが使用され得る。
MIMOコントローラは、ウエハ処理の間、センサプローブ(SP)の温度読取値に応答し、次いで、温度傾斜率(ランプダウン及びランプアップの両方)を制御するように使用され得る。傾斜率は、幾つかの処理において重要なパラメータである。例として、幾つかの処理では、傾斜率は、結合の信頼性に影響を与える場合がある。当該システムは、主に、半導体処理用の静電チャックを備えたプラズマチャンバにおける使用について説明されるが、同技法は、表面を加熱又は冷却する流体を用いる半導体チャンバ内の任意の表面の温度を制御するために使用され得る。
【0048】
[0055]記載されたモデルに基づくMIMOシステムは、温度傾斜率の制御、並びに区域間のクロストークの管理に使用され得る。例えば、流体チャネルを含むESCのプレートを通る熱流によって、一方の区域の温度が別の区域の温度に影響を与えると、区域間クロストークが生じる。モデルベース設計を、静電チャック温度モデルに加えて、ウエハ温度モデルに拡張することによって、制御ソフトウェアを拡張して、ウエハ温度を制御することができる。結果として、記載された実施形態は、チャンバ内の全体的な適合温度、静電チャックの結合寿命、及びプロセスウィンドウの改善に役立つことができる。
【0049】
[0056]
図3に記載された複数の入力302は、モデルベース設計を有するMIMOコントローラ304、130、430に適用され得る。入力、ESC温度、様々なSP値、及びレシピ条件は、ESC温度、及びその傾斜率を制御するために、ESC308からライン316上のフィードバックと共に取り込まれ得る。コントローラは、内部及び外部チャネル弁率312と、システム内の区域の総数に対する追加のチャネルとをもたらすためにモデルを適用する。
【0050】
[0057]モデルベースの決定は、システムの構成要素の熱吸収及び熱伝達特性の物理モデルに依存する。これらの構成要素は、処理レシピの種々の作動条件を通る、チャック、ワークピース、流体、熱交換器、流体運搬管、及び冷却チャネルのうちの1つ又は複数を含み得る。2つ以上の区域に対して物理モデルが確立され得る。チャック(又は任意の他の構成要素)内の冷却チャネルの複数の区域を有するシステムについて、モデルでは、2つ以上の区域同士の間のクロストークが考慮され得る。クロストークでは、種々の冷媒チャネルによって影響を受ける冷却区域間の熱伝達が考慮される。幾つかの実施形態では、モデルベースコントローラ設計では、クロストークを扱い且つ温度傾斜率を制御するように設計された、線形2次コントローラ又は同様の最適化コントローラが使用される。
【0051】
[0058]ESCの信頼性(例えば、結合寿命)を改善するために、温度傾斜率が使用されてもよい。温度傾斜率制御によって、異なる熱特徴を有する種々の処理チャンバ間で処理を適合させることがさらに促進される。温度傾斜率に対する制御によって、さらに、HARC(高アスペクト比コンタクト)エッチング、及び高精度を要する他の処理のためのプロセスウィンドウを改善することが促進される。
【0052】
[0059]
図6は、冷媒及び少なくとも1つの制御弁を使用して、処理チャンバ内の構成要素の温度を制御するように使用され得るモデルベース制御ループの処理フロー図である。この処理では、以上に記載されたハイブリッド2弁システム、又は任意の他の所望の流れ制御システムが使用され得る。このモデルは、処理が開始する前に、経験的に又は理論的に確立され得る。このモデルは、種々の条件下のプラズマチャンバ内で温度制御された構成要素の挙動を表す動的線状モデルであり得る。予測モデルを用いると、構成要素、例えば、以上で示すESCの将来の挙動を予測することができる。これにより、温度傾斜率をさらに制御することができる。入力として処理レシピを用いると、所望の温度設定点における温度負荷又は変更に先立って、制御された温度を調節することができる。
【0053】
[0060]ボックス604は、モデルを常微分方程式として用いた線状予測制御システムの適用を表す。この実施例では、常微分方程式は、
として表され、式中、A及びBは、このモデルに由来するマトリックスである。2区域システムについては、マトリックスは、4×4マトリックスである。より多くの区域については、マトリックスは、それに応じて拡大する。特定の実装形態に応じて、他のモデルを使用してもよく、非線状モデルも使用してよい。
【0054】
[0061]この実施例では、
は、線状アレイ又は1×4マトリックスであり、
として2区域システムに対して規定される。これは、より多くの区域を対応するために拡大してもよい。区域の温度間のクロストークに対応するために、2つの異なる区域が同一モデル内で扱われる。ESC(静電チャック)の例では、アレイの中の変数は、以下の値が割り当てられ得る:
x
1=ESC内部区域温度
x
2=ESC外部区域温度
x
3=ESC内部区域温度傾斜率
x
4=ESC外部区域温度傾斜率
u=[u
1、u
2]であり、各区域に対して弁を調節するように用いられる制御出力を表す。この実施例では、調節は、弁が開く率又は弁を通る最大総流量の割合として表される。特定の値は、モデルの決定に用いられる値に依存するが、ここでは、
u
1=内部区域弁率
u
2=外部区域弁率
として表される。
ボックス606では、各uのための値は、
u=-Kx+K
rr
として決定されてもよく、ここで、KとK
rは、コントローラゲインを反映する定数である。これらは、学習に基づき時間によって変動してもよく、各u(すなわち、u
1、u
2)のためのモデルによって最初に決定される。rは、温度設定点(すなわち、上記のuによって規定されたように弁を調節することによって、システムがESCで達成しようとしている温度)である。この実施例での設定点は以下の通りである:
r
1=ESC内部区域温度設定点
r
2=ESC外部区域温度設定点
r
3=ESC内部区域温度傾斜率設定点
r
4=ESC外部区域温度傾斜率設定点
【0055】
[0062]ボックス606の演算の後、予定された弁の調節が決定され、所望の温度及び傾斜率設定点が達成される。この処理は、次いで、u1、u2のためのこれらの値を弁作動(比例弁612を発動する電気制御信号又はガス圧弁を発動するガス圧制御信号614など)に変換し得る。ボックス608は、以上に記載された2弁ハイブリッドシステムの演算の例を示す。
【0056】
[0063]演算は、各区域の弁率u(すなわち、u1、u2)に対して、又は、i=1、2、check ui-u0に対して行われる。u0は、比例弁率に対する最小閾値(例えば、10%)を表す。
【0057】
[0064]結果が正である場合、すなわち、比例弁が、10%超開放で設定される場合、612では、対応する比例弁が計算値ui%に設定される。他方では、結果が負である場合、すなわち、比例弁が10%未満開放に設定される場合、614では、比例弁が何らかの低い値(10%等)に設定され、ガス圧パルス化がガス圧弁において適用される。これは、第1に、パルス化をpi%(弁の特徴に応じて、通常、20%から80%の間)のデューティサイクルに設定し、第2に、比例弁を(ui/pi)%に設定することより、適用される。これにより、比例弁が、パルス弁の最適作動範囲を超える残りの流量制御を提供することが可能になる。
【0058】
[0065]ボックス608の演算は、代替的に以下のように説明され得る。温度コントローラは、第1に、各熱区域に対する総流量を決定する。この総流量は、次に、閾値と比較される。閾値はu0超と規定される。以上でu1又はu2と示される総流量が閾値を超える場合、温度コントローラは、ガス圧弁を開き、比例弁を調整し、所望の流量を達成する。他方で、総流量が閾値未満である場合、温度コントローラは、比例弁を所定の流量まで閉じ、ガス圧弁を調整し、所望の総流量を達成する。直列の弁により、第1の弁の制限が第2の弁の制限と組み合わさって、制限された総流量が達成される。
【0059】
[0066]ボックス616では、決定された弁制御値が弁に出力される。上述のように、これらの値は、ボックス606の単一弁システムの場合の直接流率u(すなわち、u1、u2)であってもよく、又は、制御は、任意選択的なボックス608にあるように、複数の弁システムでより複雑であり得る。熱交換器と処理チャンバ構成要素(ESC等)との間の流れ制御システムの特定の実装形態に応じて、ボックス608で示されていない他の方法で弁制御値が決定されてもよい。
【0060】
[0067]弁を通る流れを制御することに加えて、618では、入力パラメータ、すなわち、現在の区域温度値x
1、x
2が読み取られる。傾斜率x
3、x
4も、620において温度値x
1、x
2の変化の導関数又は時間率を用いて推定され得る。これらの値は、次いで、ボックス604において、別のサイクルの調節のための入力値として使用され得る。したがって、
図6の制御処理は、
図6の戻りループ622で示されているように、閉ループ制御システムである。
【0061】
[0068]
図6の処理は、さらに、MIMOコントローラ、温度コントローラ、又はシステムの他の何らかの構成要素において一連の動作を実行することであると説明することができる。測定温度は、キャリアの第1の熱区域の第1の熱センサ及び第2の熱区域の第2の熱センサの両方から受信される。予測モデルは、次いで、第1の熱区域に熱的に連結されたキャリアの第1の流体チャネルを通る第1の流量を決定し、第2の熱区域に熱的に連結されたキャリアの第2の流体チャネルを通る第2の流量を決定するために、両方の測定温度に適用される。これらの決定された流量を用いて、コントローラは、第1の流体チャネルに連結された第1の弁、及び第2の流体チャネルに連結された第2の弁を調整し、熱交換器からそれぞれの流体チャネルへの熱流体の流量を制御する。
【0062】
[0069]この方法は、傾斜率も使用し得る。第1及び第2の熱区域の温度傾斜率は、受信された測定温度を用いて推定される。次に、推定された温度傾斜率を適用することにより、予測モデルが適用される。
【0063】
チャンバ構造
[0070]
図7は、本発明の実施形態に係る、チャックアセンブリ742を含むプラズマエッチングシステム700の概略図である。プラズマエッチングシステム700は、任意の種類の高性能エッチングチャンバであってよい。他の市販のエッチングチャンバは、同様に本明細書に記載されたチャックアセンブリを利用してもよい。例示の実施形態はプラズマエッチングシステム700に関連して記載されているが、本明細書に記載されたチャックアセンブリ及び温度制御システムは、任意のプラズマ製造プロセスの実施に使用される他の処理システム(例えば、プラズマ堆積システム等)にも適合可能である。
【0064】
[0071]
図7を参照すると、プラズマエッチングシステム700は、接地されたチャンバ705を含んでいる。処理ガスは、チャンバに接続された1つ又は複数のガス源729から、マスフローコントローラ749を通ってチャンバ705の内部へ供給される。チャンバ705は、大容量の真空ポンプスタック755に接続された排気弁751を介して、排気される。チャンバ705にプラズマ出力が印加されると、ワークピース710上方の処理領域内でプラズマが形成される。プラズマを励起させるため、プラズマバイアス出力725がチャックアセンブリ742に連結されている。プラズマバイアス出力725は、通常約2MHz~60MHzの間の低周波数を有し、例えば、13.56MHz帯であり得る。
【0065】
[0072]例示の実施形態では、プラズマエッチングシステム700は、RF整合器に接続された、約2MHz帯で動作する第2のプラズマバイアス出力を含む。第1のプラズマバイアス出力25もさらにRF整合器に連結され、出力導管728を介して下側電極にも連結されている。プラズマ源出力730は、別の整合器(図示せず)を通してプラズマ生成要素735に連結され、高周波源出力を供給し、誘導的又は容量的にプラズマを励起する。プラズマ源出力730は、プラズマバイアス出力725より高い周波数(例えば、100MHzと180MHzとの間)を有し得、例えば、162MHz帯の範囲内にあり得る。
【0066】
[0073]ワークピース710は、開口715を通ってロードされ、チャンバ内でチャックアセンブリ742にクランプ固定される。半導体ウエハといったワークピース710は、任意のウエハ、基板、又は半導体処理技術で使われる他の材料であってよく、本発明はこの点において限定されるものではない。ワークピース710は、チャックアセンブリの誘電体層又はパック745の上表面に配置され、誘電体層又はパックは、チャックアセンブリの冷却ベースアセンブリ744の上方に配置されている。クランプ電極(図示せず)が、誘電体層内に埋設されている。クランプ電極は、バイアス出力779の源に連結され、ワークピース710をクランプ固定するための静電力を供給する。具体的な実施形態では、チャックアセンブリ742は、内側チャネル741及び外側チャネルといった、2つ以上の異なる流体チャネル区域を含み得る。各チャネル741を、個別に同一の温度設定点又は異なる温度設定点に制御することが可能であり得る。
【0067】
[0074]システムコントローラ770は、チャンバ内の製造プロセスを制御する多種多様なシステムに連結される。コントローラ770は、温度制御アルゴリズム(例えば、温度フィードバック制御)を実行するために温度コントローラ775を含み得、ソフトウェア又はハードウェアのいずれか、或いは、ソフトウェア及びハードウェアの両方の組み合わせであってもよい。システムコントローラ770は、さらに中央処理装置772、メモリ773、及び入出力インターフェース774を含む。温度コントローラ775は、制御信号を出力するものであり、この制御信号は、チャックアセンブリ742と、様々な流体チャネル用のプラズマチャンバ705の外部にある熱源及び/又はヒートシンクとの間の熱伝導の速度に影響を与える。温度コントローラは、1つ又は複数の温度プローブ743に連結され得る。この温度プローブは、基板キャリア内又は基板キャリア上にあってもよく、流体供給ラインに連結されてもよく、又は任意の他の所望の位置にあってもよい。
【0068】
[0075]熱流体区域は、別々の独立制御される熱流体熱伝達ループを含み得る。この熱伝達ループは、上記のように区域固有の温度フィードバックループに基づいて制御される別々の流体制御を有する。例示的な実施形態では、温度コントローラ775は、第1の熱交換器(HTX)/冷却器777に連結されており、特定の実装形態に応じて、所望により、第2のHTX/加熱器778、及びより多くの熱交換器(図示せず)にも連結され得る。チャックアセンブリ742内の導管を通る熱伝達流体又は冷媒の流量は、上記のように、比例弁システム781、785によって制御される。
【0069】
[0076]比例弁システム781、785は、温度コントローラ775によって制御され、それにより、それぞれの異なる流体チャネルへの熱流体又は熱伝達流体の流量が独立して制御される。温度コントローラは、熱流体を冷却又は加熱するために各熱交換器によって用いられる温度設定点も制御することができる。したがって、各熱交換器は、対応する冷媒チャネルのための熱流体を、流体チャネルに戻す前に異なる温度にもっていくことができる。
【0070】
[0077]熱伝導流体は、例えば、脱イオン水/エチレングリコール、3M社のFluorinert(登録商標)又はSolvay Solexis社のGalden(登録商標)などのフッ素系冷媒、或いは、例えば、過フッ素化不活性ポリエーテルを含有する任意の他の適切な誘電流体といった液体であってもよいが、これらに限定されるものではない。本明細書は、プラズマ処理チャンバに関連するESCについて記載しているが、本明細書に記載されたESCは、多種多様なチャンバにおいて、多種多様な処理のために使用され得る。特定の実装形態に応じて、ESCの代わりに異なる基板キャリアを使用してもよい。
【0071】
[0078]下記の記載では、数々の詳細が述べられているが、本発明がこれらの具体的な詳細なしでも実施され得ることは、当業者には明らかであろう。本発明を不明瞭にしないため、周知の方法及び装置については、場合によっては詳示はせずにブロック図の形態で示している。本明細書全体を通じて、「実施形態」又は「一実施形態」に対する言及は、その実施形態と関連して述べられる特定の特徴、構造、機能、又は特質が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「ある実施形態で」又は「一実施形態で」という語句が本明細書の様々な箇所で現れたとしても、必ずしも本発明の同一の実施形態を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、機能、又は特質は、1つ又は複数の実施形態において、任意の適当な方法で組み合わされ得る。例えば、第1の実施形態と第2の実施形態とは、それら2つの実施形態に関連する特定の特徴、構造、機能、又は特質が相互に排他的でない場合において組み合されてもよい。
【0072】
[0079]本発明の記載及び添付の特許請求の範囲において使用される、単数形の不定冠詞及び定冠詞「a」、「an」、及び「the」は、文脈上で別様に明示されていない限り、複数形も包含するように意図されている。本明細書で用いられる表現「及び/又は」は、関連する列挙されたアイテムのうちの1つ又は複数の任意の及びすべての可能な組み合わせのことを示し、それを含むことをさらに理解されよう。
【0073】
[0080]「連結(coupled)」及び「接続(connected)」という用語、並びにこれらの派生語は、本明細書では、構成要素間の機能的又は構造的関係を説明するために用いられ得る。これらの用語は、互いに対して同義語であることは意図されていないことを理解するべきである。むしろ、特定の実施形態では、「接続」は、2つ以上の要素が、直接、物理的、光学的、又は電気的に互いに接触していることを示すために用いられ得る。「連結」は、2つ以上の要素が、直接的又は間接的に、(中間に介在する他の要素によって)物理的、光学的、又は電気的に互いに接触し、且つ/又は、2つ以上の要素が、互いに協働又は相互作用すること(例えば、因果関係にある等)を示すために用いられ得る。
【0074】
[0081]本明細書で用いられる表現「~の上方に/~の上方の(over)」、「~の下に(under)」、「~の間に(between)」、及び「~上に/~上の(on)」は、ある構成要素又は材料層の、他の構成要素又は層に対する相対的な位置を表しており、この場合、このような物理的関係が注目に値する。例えば、材料層に関連して述べると、他の層の上方に又は下に配置されたある層は、他の層と直接接触している場合もあり、又は、1つ以上の介在層を有する場合もある。さらに、2つの層の間に配置されたある層は、これら2つの層と直接接触している場合もあり、又は、1つ以上の介在層を有する場合もある。対照的に、第2の層「上の」第1の層は、この第2の層と直接接触している。構成要素のアセンブリに関する文脈においては、同様の区別をすべきである。
【0075】
[0082]上記の記載は、例示的であることが意図されており、限定的ではないことが理解するべきである。例えば、図面のフロー図は、本発明の特定の実施形態によって実施される工程の特定の順序を示しているが、このような順序は必須でないことを理解すべきである(例えば、代替的な実施形態では、工程が異なる順序で実施されたり、特定の工程が組み合わされたり、特定の工程が重複していたりする等の場合がある)。さらに、上記の記載を読み、理解することによって、当業者には、多くの他の実施形態が明らかになるであろう。特定の例示的な実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明は、記載された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内の変形例及び代替例で実施できることを認識されよう。それゆえ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に関連して、当該特許請求が権利付与される均等物の全範囲と共に、定められるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース処理システムであって、
プラズマチャンバ、
前記プラズマチャンバ内でプラズマ含有ガスイオンを生成するためのプラズマ源、
プラズマ処理の間にワークピースを保持し、前記ワークピースの温度を制御するための、前記チャンバ内のワークピースホルダーであって、第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルを有する、ワークピースホルダー、
前記ワークピースホルダーの前記第1の流体チャネルに連結された第1の流れラインであって、前記第1の流れラインは第1の供給流れライン及び第1の戻り流れラインを含み、前記第1の戻り流れラインは単一の戻りマニホールドのみに連結された、第1の流れライン、
前記ワークピースホルダーの前記第2の流体チャネルに連結された第2の流れラインであって、前記第2の流れラインは第2の供給流れライン及び第2の戻り流れラインを含み、前記第2の戻り流れラインは前記単一の戻りマニホールドのみに連結され、前記第1の戻り流れライン及び前記第2の戻り流れラインの全ての出力は前記単一の戻りマニホールドに入力され、前記第1の戻り流れライン及び前記第2の戻り流れラインの全ての出力は前記第1の供給流れライン及び前記第2の供給流れラインの全ての出力と同じである、第2の流れライン、
前記第1の供給流れラインに連結された第1の比例弁であって、前記第1の比例弁は前記単一の戻りマニホールドと前記ワークピースホルダーの間にあり、前記第1の比例弁は開位置と閉位置との間で流量の段階的な調整を提供する、第1の比例弁、
前記第2の供給流れラインに連結された第2の比例弁であって、前記第2の比例弁は前記単一の戻りマニホールドと前記ワークピースホルダーの間にあり、前記第2の比例弁は開位置と閉位置との間で流量の段階的な調整を提供する、第2の比例弁、
前記第1の比例弁と前記単一の戻りマニホールドの間の第1の流量計であって、前記第1の比例弁と直列である第1の流量計、及び
前記第2の比例弁と前記単一の戻りマニホールドの間の第2の流量計であって、前記第2の比例弁と直列である第2の流量計、
を備える、ワークピース処理システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の流量計は、前記ワークピースホルダーと前記単一の戻りマニホールドの間にある、請求項1に記載のワークピース処理システム。
【請求項3】
前記第1の流れライン及び前記第2の流れラインに連結された熱交換器を更に備える、請求項1に記載のワークピース処理システム。
【請求項4】
前記第1の比例弁は第1の圧力調整弁を備え、前記第2の比例弁は第2の圧力調整弁を備える、請求項1に記載のワークピース処理システム。
【請求項5】
前記第1の圧力調整弁を制御するために、前記第1の圧力調整弁に連結された第1の圧力調整器と、
前記第2の圧力調整弁を制御するために、前記第2の圧力調整弁に連結された第2の圧力調整器と、
を更に備える、請求項4に記載のワークピース処理システム。
【請求項6】
前記単一の戻りマニホールドと前記第1の比例弁の間の第1のガス圧弁であって、開状態と閉状態の間を切り替える第1のデジタル又はパルス弁である、第1のガス圧弁と、
前記単一の戻りマニホールドと前記第2の比例弁の間の第2のガス圧弁であって、開状態と閉状態の間を切り替える第2のデジタル又はパルス弁である、第2のガス圧弁と、
を更に備える、請求項1に記載のワークピース処理システム。
【請求項7】
前記ワークピースホルダーの熱センサから測定温度を受信し、前記測定温度に応答して前記第1の比例弁及び前記第2の比例弁を制御し、熱流体の前記流量を調節するための温度コントローラを更に備える、請求項1に記載のワークピース処理システム。
【請求項8】
前記熱流体はポリエーテルを含む、請求項1に記載のワークピース処理システム。
【外国語明細書】