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特開2022-155070コンピュータシステム及びゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155070
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】コンピュータシステム及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20221005BHJP
   A63F 13/847 20140101ALI20221005BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20221005BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20221005BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20221005BHJP
【FI】
A63F13/69 500
A63F13/847
A63F13/45
A63F13/795
A63F13/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058402
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(71)【出願人】
【識別番号】514071082
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコスタジオ
(71)【出願人】
【識別番号】510067625
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコオンライン
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 辰巳
(57)【要約】
【課題】複数のプレーヤが楽しむゲームにおいて、意外性のあるゲームイベントの実行を可能とすること。
【解決手段】複数のプレーヤが共通のゲーム空間で各々のプレーヤキャラクタ20を操作して楽しむゲームにおいて、所局地範囲に存在するプレーヤキャラクタ20の集合条件を少なくとも含むイベント発動条件を満たす局地である条件充足局地14を検出し、条件充足局地14に存在するプレーヤキャラクタ20の中からゲームイベントに参加する参加プレーヤキャラクタを選出し、選出された参加プレーヤキャラクタに基づいてゲームイベントの内容及び/又は難易度を決定して、参加プレーヤキャラクタが参加するゲームイベントを発生させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレーヤが共通のゲーム空間で各々のキャラクタ(以下、プレーヤの操作対象のキャラクタを「PC」という)を操作して楽しむゲームにおけるゲームイベントの実行を制御するコンピュータシステムであって、
所与の局地範囲に存在する前記PCの集合条件を少なくとも含む所与のイベント発動条件を満たす局地である条件充足局地を前記ゲーム空間の中から検出する条件充足局地検出手段と、
前記条件充足局地に存在する前記PCの中から、一部又は全部のPCを前記ゲームイベントに参加する参加PCとして選出する参加PC選出手段と、
前記参加PCが参加する所与のゲームイベントを発生させるイベント実行制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記集合条件は、所与のプレーヤ条件を満たす前記PCが所与の人数条件を満たす数だけ前記局地範囲に存在すること、である、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記PCには、所属するグループが設定されており、
前記集合条件は、同一のグループに設定された前記PCが所与の人数条件を満たす数だけ前記局地範囲に存在すること、或いは、異なるグループに設定された前記PCが当該グループ別の人数として所与の人数条件を満たす数だけ前記局地範囲に存在すること、である、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記参加PC選出手段は、
前記条件充足局地に存在する前記PCのプレーヤに、前記ゲームイベントへの招待通知を行うことと、
前記招待通知に対して承認操作がなされたプレーヤの前記PCを前記参加PCとして選出することと、
を行う、
請求項1~3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記PCそれぞれには、当該PCのプレーヤによって設定操作が可能な前記ゲームイベントへの参加可否設定が対応付けられており、
前記参加PC選出手段は、前記条件充足局地に存在する前記PCのうち、前記参加可否設定が可に設定されているPCを前記参加PCとして選出する、
請求項1~3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記イベント実行制御手段は、前記参加PC選出手段により選出された参加PCに基づいて、発生させるゲームイベントの内容及び/又は難易度を決定する、
請求項1~5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記イベント実行制御手段は、発生させるゲームイベントの地理的影響範囲を設定する、
請求項1~6の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記イベント実行制御手段は、前記参加PC選出手段により選出された参加PCの配置状況に基づいて、前記地理的影響範囲を設定する、
請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記イベント実行制御手段は、前記参加PC選出手段により選出された参加PCの保有アイテムに基づいて、前記地理的影響範囲を設定する、
請求項7又は8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記PCのうちの前記参加PC以外の不参加PCについて、1)前記地理的影響範囲から離れた位置へ移動させる、2)前記地理的影響範囲への進入を抑制する、の何れかの制御を行う立ち入り抑制制御手段、を更に備える、
請求項7~9の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記地理的影響範囲外に位置する前記PCであって、前記ゲームイベントへの所与の飛び入り参加条件を満たすPCを、新たな前記参加PCとして追加する参加PC追加制御手段、
を更に備える請求項7~10の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記参加PC追加制御手段は、前記地理的影響範囲外であって前記地理的影響範囲から所与の近距離条件を満たす位置にいることを前記飛び入り参加条件に含めて、前記飛び入り参加条件を満たすPCか否かを判定する、
請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記ゲーム空間中の前記地理的影響範囲を識別表示する手段、
を更に備える請求項9~12の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記条件充足局地検出手段は、複数の前記条件充足局地を検出し、
前記参加PC選出手段は、前記条件充足局地毎に前記参加PCを選出し、
前記イベント実行制御手段は、前記条件充足局地毎の前記参加PCを単位として、別々の前記ゲームイベントを発生させた後、時間経過に応じて、当該別々のゲームイベントを統合イベントに統合するイベント統合処理手段を有する、
請求項1~13の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記ゲームイベントは、勝敗が決まるイベントであり、
前記ゲームイベントで勝利した前記参加PCに対して所与の特典を付与する特典付与手段、
を更に備える、請求項1~14の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
請求項1~15の何れか一項に記載のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
前記サーバシステムと通信を行い、マンマシンインターフェースの機能を担う前記プレーヤのプレーヤ端末と、
を具備するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレーヤが共通のゲーム空間で各々のキャラクタを操作して楽しむゲームにおけるゲームイベントの実行を制御するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のプレーヤが共通のゲーム空間で各々のキャラクタを操作して楽しむゲームがよく知られている。このようなゲームには、1又は複数のプレーヤが参加可能なゲームイベントの例としてクエストが実行されるものがある(例えば、特許文献1の[0051]-[0055]段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-176472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲームにおいて実行されるゲームイベントは、その内容が予め設定されているものが多く、意外性に乏しい。また、限られたゲームイベントを繰り返しプレイすることでマンネリ化し、興趣性が低下する問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のプレーヤが楽しむゲームにおいて、意外性のあるゲームイベントの実行を可能とすること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、
複数のプレーヤが共通のゲーム空間で各々のキャラクタ(以下、プレーヤの操作対象のキャラクタを「PC」という)を操作して楽しむゲームにおけるゲームイベントの実行を制御するコンピュータシステムであって、
所与の局地範囲に存在する前記PCの集合条件を少なくとも含む所与のイベント発動条件を満たす局地である条件充足局地を前記ゲーム空間の中から検出する条件充足局地検出手段(例えば、図7の条件充足局地検出部212)と、
前記条件充足局地に存在する前記PCの中から、一部又は全部のPCを前記ゲームイベントに参加する参加PCとして選出する参加PC選出手段(例えば、図7の参加PC選出部214)と、
前記参加PCが参加する所与のゲームイベントを発生させるイベント実行制御手段(例えば、図7のイベント実行制御部216)と、
を備えるコンピュータシステムである。
【0007】
第1の発明によれば、複数のプレーヤが楽しむゲームにおいて、意外性のあるゲームイベントの実行を可能とすることができる。つまり、所与の局地範囲に存在するPCの集合条件を少なくとも含むイベント発動条件を満たす条件充足局地に存在するPCの中から、一部又は全部のPCがゲームイベントに参加する参加PCとして選出され、参加PCが参加する所与のゲームイベントが発生される。これにより、例えば、PCの人数が所定人数以上であることを集合条件とするといったことで、ゲーム空間の一定箇所に多くのPCが集まるとゲームイベントが突発的に発生することになり、意外性のあるゲームイベントとすることができる。また、一定箇所に集まったPCのうちから参加PCが選出されるので、不特定多数のプレーヤ同士で楽しむゲームイベントとなり、ゲームイベントの興趣性を向上させることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、
前記集合条件は、所与のプレーヤ条件を満たす前記PCが所与の人数条件を満たす数だけ前記局地範囲に存在すること、である、
コンピュータシステムである。
【0009】
第2の発明によれば、プレーヤ条件を満たすPCが人数条件を満たす数だけ局地範囲に存在することが、イベント発動条件に含まれることになる。これにより、プレーヤ条件を満たすPCが一定箇所に集まったときにイベントが発生することになるため、プレーヤの予測し難い突発的なゲームイベントであっても、プレーヤが居ない或いは少ない状況で発生することを回避できる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、
前記PCには、所属するグループが設定されており、
前記集合条件は、同一のグループに設定された前記PCが所与の人数条件を満たす数だけ前記局地範囲に存在すること、或いは、異なるグループに設定された前記PCが当該グループ別の人数として所与の人数条件を満たす数だけ前記局地範囲に存在すること、である、
請求項1に記載のコンピュータシステムである。
【0011】
第3の発明によれば、PCの所属するグループに関する条件が、イベント発動条件に含まれる。これにより、グループに関する条件を満たすPCが一定箇所に集まったときにイベントが発生することになるため、プレーヤの予測し難い突発的なゲームイベントであっても、PC同士で参加し易いゲームイベントとなったり、グループ内での共通の話題にすることができるゲームイベントとすることができる。
【0012】
第4の発明は、第1~第3の発明において、
前記参加PC選出手段は、
前記条件充足局地に存在する前記PCのプレーヤに、前記ゲームイベントへの招待通知を行うことと、
前記招待通知に対して承認操作がなされたプレーヤの前記PCを前記参加PCとして選出することと、
を行う、
コンピュータシステムである。
【0013】
第4の発明によれば、条件充足局地に存在するPCのうち、ゲームイベントへの招待通知に対する承認操作がなされたプレーヤのPCが、ゲームイベントの参加PCとして選出される。これにより、プレーヤのゲームイベントへの参加意思を確認し参加したいプレーヤをゲームイベントに参加させることで、意に反したプレーヤを巻き込むといった問題を回避することができる。
【0014】
第5の発明は、第1~第3の何れかの発明において、
前記PCそれぞれには、当該PCのプレーヤによって設定操作が可能な前記ゲームイベントへの参加可否設定が対応付けられており、
前記参加PC選出手段は、前記条件充足局地に存在する前記PCのうち、前記参加可否設定が可に設定されているPCを前記参加PCとして選出する、
コンピュータシステムである。
【0015】
第5の発明によれば、条件充足局地に存在するPCのうち、プレーヤによってゲームイベントへの参加可否設定が可に設定されているPCが、ゲームイベントの参加PCとして選出される。これにより、プレーヤがゲームイベントへ参加するか否かの参加可否を予め設定しておくことで、参加したいプレーヤをゲームイベントに参加させ、意に反したプレーヤを巻き込むといった問題を回避することができる。
【0016】
第6の発明は、第1~第5の何れかの発明において、
前記イベント実行制御手段は、前記参加PC選出手段により選出された参加PCに基づいて、発生させるゲームイベントの内容及び/又は難易度を決定する、
コンピュータシステムである。
【0017】
第6の発明によれば、参加PCに基づいて、ゲームイベントの内容及び/又は難易度が決定される。ゲームイベントごとに参加PCが異なるから、例えば、参加PCの人数やレベル等に応じた適切な内容・難易度のゲームイベントを発生させることができる。また、参加PCが異なれば発生するゲームイベントの内容・難易度が様々に異なり得るから、飽きのこないゲームイベントとすることができる。
【0018】
第7の発明は、第1~第6の何れかの発明において、
前記イベント実行制御手段は、発生させるゲームイベントの地理的影響範囲を設定する、
コンピュータシステムである。
【0019】
第7の発明によれば、ゲームイベントの地理的影響範囲が設定される。
【0020】
第8の発明は、第7の発明において、
前記イベント実行制御手段は、前記参加PC選出手段により選出された参加PCの配置状況に基づいて、前記地理的影響範囲を設定する、
コンピュータシステムである。
【0021】
第8の発明によれば、参加PCの配置状況に基づいて、地理的影響範囲が設定される。例えば、参加PCの配置位置を含むとともに、参加PCの配置密度や、参加PCの予測される移動方向等を考慮して、地理的影響範囲を設定するといったことができる。
【0022】
第9の発明は、第7又は第8の発明において、
前記イベント実行制御手段は、前記参加PC選出手段により選出された参加PCの保有アイテムに基づいて、前記地理的影響範囲を設定する、
コンピュータシステムである。
【0023】
第8の発明によれば、参加PCの保有アイテムに基づいて、地理的影響範囲が設定される。これにより、地理的影響範囲はゲームイベントのプレイに影響を及ぼし得るので、例えば、所定のアイテムを保有する参加PCに有利なように地理的影響範囲を設定するといったことができる。
【0024】
第10の発明は、第7~第9の何れかの発明において、
前記PCのうちの前記参加PC以外の不参加PCについて、1)前記地理的影響範囲から離れた位置へ移動させる、2)前記地理的影響範囲への進入を抑制する、の何れかの制御を行う立ち入り抑制制御手段、を更に備える、
コンピュータシステムである。
【0025】
第10の発明によれば、ゲームイベントの不参加PCについては、当該ゲームイベントの地理的影響範囲から離れた位置へ移動される、又は、地理的影響範囲への進入が抑制される。これにより、不参加PCをゲームイベントに干渉させないようにすることができる。
【0026】
第11の発明は、第7~第10の何れかの発明において、
前記地理的影響範囲外に位置する前記PCであって、前記ゲームイベントへの所与の飛び入り参加条件を満たすPCを、新たな前記参加PCとして追加する参加PC追加制御手段(例えば、図7の参加PC追加制御部220)、
を更に備えるコンピュータシステムである。
【0027】
第11の発明によれば、地理的影響範囲外に位置するPCであっても、飛び入り参加条件を満たすPCを新たな参加PCとして追加してゲームイベントに参加させることができる。これにより、例えば、実行されているゲームイベントを見て参加を希望するプレーヤのPCをそのゲームイベントに参加させるといったことができ、ゲームイベントを盛り上げることができる。
【0028】
第12の発明は、第11の発明において、
前記参加PC追加制御手段は、前記地理的影響範囲外であって前記地理的影響範囲から所与の近距離条件を満たす位置にいることを前記飛び入り参加条件に含めて、前記飛び入り参加条件を満たすPCか否かを判定する、
コンピュータシステムである。
【0029】
第12の発明によれば、地理的影響範囲外であって所与の近距離条件を満たす位置にいることが、飛び入り参加条件に含まれる。これにより、ゲームイベントの地理的影響範囲の近くに位置するPCを、そのゲームイベントに参加させることができる。
【0030】
第13の発明は、第9~第12の何れかの発明において、
前記ゲーム空間中の前記地理的影響範囲を識別表示する手段(例えば、図7の地理的影響範囲識別表示制御部222)、
を更に備えるコンピュータシステムである。
【0031】
第13の発明によれば、ゲーム空間中の地理的影響範囲が識別表示される。これにより、ゲームイベントの参加PCのプレーヤにとっては、地理的影響範囲を把握しその範囲内でゲームイベントをプレイするといったゲームイベントのプレイの手助けとなる。一方、不参加PCのプレーヤにとっては、ゲームイベントの発生及びその場所を知ることができる。
【0032】
第14の発明は、第1~第13の何れかの発明において、
前記条件充足局地検出手段は、複数の前記条件充足局地を検出し、
前記参加PC選出手段は、前記条件充足局地毎に前記参加PCを選出し、
前記イベント実行制御手段は、前記条件充足局地毎の前記参加PCを単位として、別々の前記ゲームイベントを発生させた後、時間経過に応じて、当該別々のゲームイベントを統合イベントに統合するイベント統合処理手段(例えば、図17の統合処理部226)を有する、
コンピュータシステムである。
【0033】
第14の発明によれば、複数の条件充足局地毎に発生させた別々のゲームイベントが、時間経過に応じて、統合イベントに統合される。ゲームイベントは、局地範囲に存在するPCの人数に基づくイベント発動条件を満たす場合に発生するものであり、プレーヤにとって予測し難く突発的に発生する。このような突発的なイベントがゲーム空間において複数発生した場合に、これらのイベントが統合され得る。統合イベントとして統合されることそれ自体も、より予測し難く突発的に発生するイベントとなる。このため、ゲームイベントの興趣性の更なる向上を図ることができる。
【0034】
第15の発明は、第1~第14の何れかの発明において、
前記ゲームイベントは、勝敗が決まるイベントであり、
前記ゲームイベントで勝利した前記参加PCに対して所与の特典を付与する特典付与手段(例えば、図7の特典付与部224)、
を更に備える、コンピュータシステムである。
【0035】
第15の発明によれば、ゲームイベントにおいて勝利した参加PCに対して所与の特典が付与される。これにより、ゲームイベントの参加及びプレイに対するプレーヤの動機付けとすることができる。
【0036】
第16の発明は、
第1~第15の何れかの発明のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
前記サーバシステムと通信を行い、マンマシンインターフェースの機能を担う前記プレーヤのプレーヤ端末と、
を具備するゲームシステムである。
【0037】
第16の発明によれば、第1~第15の何れかの発明と同様の作用効果を奏するゲームシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ゲームシステムの構成例。
図2】ゲームの概要図。
図3】イベント発動条件の説明図。
図4】イベント招待通知画面の一例。
図5】イベントの一例。
図6】不参加プレーヤキャラクタの地理的影響範囲への進入抑制の説明図。
図7】サーバシステムの機能構成図。
図8】プレーヤ管理データの一例。
図9】イベント発動条件テーブルの一例。
図10】イベントステージ設定テーブルの一例。
図11】飛び入り参加条件リストの一例。
図12】特典設定テーブルの一例。
図13】ゲーム初期設定データの一例。
図14】プレイデータの一例。
図15】プレーヤ端末の機能構成図。
図16】ゲーム処理のフローチャート。
図17】サーバシステムの他の構成例。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態の一例について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
【0040】
[ゲームシステム]
図1は、本実施形態のゲームシステムの構成の一例を示す図である。図1によれば、本実施形態のゲームシステム1は、通信ネットワークNに接続可能なサーバシステム1000と、通信ネットワークNを介してサーバシステム1000にアクセスし、サーバシステム1000との間で通信可能な複数のプレーヤ端末1500とを備える。
【0041】
通信ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0042】
サーバシステム1000は、本体装置1010と、キーボード1002と、ディスプレイ1004と、ストレージ1030とを有し、本体装置1010に制御基板1020を搭載するコンピュータシステムである。
【0043】
制御基板1020には、CPU(Central Processing Unit)1021やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種プロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1022、通信装置1023が搭載されている。なお、制御基板1020の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。これらの演算回路もプロセッサということができる。そして、サーバシステム1000は、制御基板1020が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、本実施形態のゲームを運営するための各種サービスを実現する。例えば、プレーヤ登録に係るプレーヤ管理機能、プレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0044】
なお、サーバシステム1000は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1000として機能させる構成であってもよい。
【0045】
プレーヤ端末1500は、プレーヤ3がゲームプレイのために個別に使用するコンピュータシステムであって、通信ネットワークNを介してサーバシステム1000と通信を行い、マンマシンインターフェースの機能を担う電子機器である。本実施形態のプレーヤ端末1500は、ハードウェアとしてはいわゆるスマートフォンと呼ばれる装置として説明するが、携帯型ゲーム装置や、家庭用ゲーム装置、家庭用ゲーム装置のゲームコントローラ、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等でもよい。また、図1に示す単体の装置に限らず、複数の装置が連携して一体的に機能する構成であってもよい。
【0046】
[ゲームの説明]
ゲームシステム1において提供されるオンラインゲームは、複数のプレーヤが共通のゲーム空間で各々のキャラクタ(以下、プレーヤの操作対象のキャラクタを「プレーヤキャラクタ(PC)」という)を操作して楽しむゲームである。
【0047】
図2は、本実施形態のゲームの概要を示す図である。図2に示すように、本実施形態のゲームはロールプレイングゲームであり、ゲーム空間に構築されたゲームフィールド10上に、複数のプレーヤ3(3a,3b,・・・)それぞれのプレーヤキャラクタ20が配置される。プレーヤ3は、自身のプレーヤキャラクタ20を操作し、ゲームフィールド10上を移動させる等してゲームを進めてゆく。
【0048】
本実施形態のゲームでは、複数のプレーヤキャラクタ20が参加可能なゲームイベント(以下、単に「イベント」という)が発生する。イベントは、ゲーム状況が所定のイベント発動条件が満たされると発生する。イベント発動条件は、プレーヤキャラクタ20に関する集合条件を少なくとも含む。集合条件とは、ゲームフィールド10上の任意の場所にプレーヤキャラクタ20が集まっているとみなす条件である。
【0049】
図3は、イベント発動条件を説明する図である。図3に示すように、ゲームフィールド10には複数の局地範囲12が定められており、この局地範囲12を単位としてイベント発動条件を満たすかが判定される。具体的には、局地範囲12に存在するプレーヤキャラクタ20の人数が所定の人数条件を満たすことを集合条件として、イベント発動条件を満たすかが判定される。例えば、「局地範囲12内に存在するプレーヤキャラクタ20の人数が“10人以上”」といったようにプレーヤキャラクタ20の人数の下限を定めた条件や、「局地範囲12に存在するプレーヤキャラクタ20の人数が“10人以上30人以下”」といったようにプレーヤキャラクタ20の人数の下限及び上限を定めた条件等が、人数条件の一例である。
【0050】
集合条件は、更に、レベルや属性、種類、所属するチーム(グループ)、保有アイテム、装備、フレンドの数といったプレーヤキャラクタ20に関する条件であるプレーヤ条件を満たすプレーヤキャラクタ20についての条件としてもよい。例えば、「“レベルが6以上”のプレーヤキャラクタ20の人数」といったように、集合条件を満たすべきプレーヤキャラクタ20のレベルの下限及び/又は上限を定めた条件である。又は、「“同一チームに所属”するプレーヤキャラクタ20の人数」や「“異なるチームに所属”するプレーヤキャラクタ20のチーム別の所属人数」といったように、集合条件を満たすべきプレーヤキャラクタ20の所属チームを定めた条件である。又は、「“アイテムAを保有”するプレーヤキャラクタ20」といったように、集合条件を満たすべきプレーヤキャラクタの保有アイテムを定めた条件である。又は、「“フレンドの数が5人以上”のプレーヤキャラクタ20の人数」といったように、集合条件を満たすプレーヤキャラクタ20のフレンドの数を定めた条件である。
【0051】
図3では、ゲームフィールド10を区切って定めた局地範囲12を示しているが、局地範囲12の形状や大きさは任意に定めてよい。更には、局地範囲12を固定の範囲とせずに境界を不定としてランダムに決定する範囲としてもよいし、位置を固定しない浮動の範囲としてもよい。そして、イベント発動条件を満たす局地範囲12が検出されると、イベント発動条件を満たした局地範囲12である条件充足局地14に存在するプレーヤキャラクタ20を対象としたイベントが発生する。なお、イベント発動条件を満たしたら直ちにイベントを発生させるのではなく、更に、所与の確率演算に従って確率的にイベントを発生させるか否かを決定するようにしてもよい。
【0052】
イベントに参加するプレーヤキャラクタ20(参加プレーヤキャラクタ22)は、イベント発動条件を満たした局地範囲12である条件充足局地14内に存在するプレーヤキャラクタ20のうちから選出される。
【0053】
イベントの実行にあたり、先ず、条件充足局地14内に存在するプレーヤキャラクタ20のプレーヤ3に、イベントへの招待通知が行われる。図4は、イベントの招待通知画面の一例である。図4に示すように、イベント招待通知画面W3には、イベントの種類(図4では、“ボスキャラとの戦闘”)や発生場所(図4では、“〇〇付近”)とともに、イベントへの参加を問うメッセージが表示される。イベント招待通知画面W3は、例えば、ゲーム画面W1に重ねてポップアップ表示される。プレーヤ3は、イベント招待通知画面W3において、イベントの招待通知を承諾する(イベントに参加する)か否かの選択操作を行うことができる。
【0054】
招待通知から所定時間以内に当該招待通知を承諾したプレーヤ3のプレーヤキャラクタ20が、イベントに参加するプレーヤキャラクタ20(参加プレーヤキャラクタ22)として選出されることになる。参加プレーヤキャラクタ22として選出されたプレーヤキャラクタ20以外は、条件充足局地14外に存在するプレーヤキャラクタ20も含めて、イベントに参加しない不参加プレーヤキャラクタ24となる。図3に示すようなマップ画面をプレーヤ端末1500に表示するならば、図3に示すマップ画面のうち、参加プレーヤキャラクタ22と不参加プレーヤキャラクタ24とを識別表示して、どのキャラクタがイベントに参加することになったかをプレーヤ3に分かり易く通知することとしてもよい。この場合、招待通知に対して参加承諾するかどうかを迷っているプレーヤ3に、参加するように促す効果が期待される。
【0055】
なお、イベントへの招待通知は、条件充足局地14内に存在する全てのプレーヤキャラクタ20のプレーヤ3に対して行ってもよいし、当該プレーヤ3のうち、イベントへの参加が可能であることが予め設定されているプレーヤ3のみに対して行うとしてもよい。この場合、事前設定画面などを表示して、イベントが発生した場合に当該イベントへの参加をするか否かをプレーヤ3が事前に設定可能にすることで実現する。
【0056】
図5は、イベントの実行を説明する図である。本実施形態において実行されるイベントの種類は任意である。図5では、イベントの種類の一例として、参加プレーヤキャラクタ22同士で協力して共通の敵キャラクタであるボスキャラクタ30と対戦する“ボスキャラ戦”が実行される例を示している。イベントに関するオブジェクトとして、ボスキャラクタ30が出現している。
【0057】
なお、イベントの他の種類としては、参加プレーヤキャラクタ22が複数のチームに分かれてチームを単位として対戦する“チームバトル”や、参加プレーヤキャラクタ22それぞれが個人として他の参加プレーヤキャラクタ22と順位を競う“レースゲーム”、参加プレーヤキャラクタ22それぞれが生き残りをかけて互いに戦闘する“バトルロイヤルゲーム”、等がある。
【0058】
また、ゲームフィールド10には、イベントの影響が及ぶ地理的影響範囲16が設定される。イベントは、この地理的影響範囲16内で実行される。地理的影響範囲16は、参加プレーヤキャラクタ22の位置やイベントに関するオブジェクトの位置を含む範囲であり、その大きさや形状は、イベントの種類や内容、参加プレーヤキャラクタ22の配置位置や保有アイテム等に応じて定められる。ゲームフィールド10は三次元空間であるので、地理的影響範囲16も三次元の範囲となる。図5では、各参加プレーヤキャラクタ22の位置と、対戦するボスキャラクタ30の出現位置とを含む円筒形状(又は半球形状)の範囲が、地理的影響範囲16として定められている。
【0059】
なお、地理的影響範囲16をイベントの内容に応じて定める場合には、例えば、出現させるボスキャラクタ30の種類や強さに応じた大きさとすることができる。また、地理的影響範囲16を参加プレーヤキャラクタ22の配置位置に応じて定める場合には、例えば、参加プレーヤキャラクタ22の密度が高い場所(多く集まっている場所)を中心として定めるようにしてもよいし、その場所の周辺の広さを他の場所より広くした形状としてもよい。また、地理的影響範囲16を参加プレーヤキャラクタ22の保有アイテムに応じて定める場合には、例えば、所定のアイテムを保有する参加プレーヤキャラクタ22の位置を中心として定めるようにしてもよい。また、参加プレーヤキャラクタ22が所定のアイテムを保有する場合と保有していない場合とで地理的影響範囲16の大きさを異なるように定めるようにしてもよい。また、地理的影響範囲16を、参加プレーヤキャラクタ22の人数やレベルに応じて異なる大きさ・形状としてもよい。
【0060】
他の種類のイベントとして、例えば“チームバトル”では、各参加プレーヤキャラクタ22の位置と、各チームの拠点施設の位置とを含む範囲が、地理的影響範囲16として設定される。拠点施設はイベントに関するオブジェクトの1つとなる。また、“レースゲーム”では、各参加プレーヤキャラクタ22の位置と、スタート位置からゴール位置に至るレースコースの設置位置とを含む範囲が、地理的影響範囲16として設定される。レースコースを形成する事物が、イベントに関するオブジェクトの1つとなる。
【0061】
イベントの実行中は、ゲームフィールド10上のプレーヤキャラクタ20のうち、参加プレーヤキャラクタ22のみが当該イベントの地理的影響範囲16内に存在し、参加プレーヤキャラクタ22以外のプレーヤキャラクタ20(イベントに参加しない不参加プレーヤキャラクタ24)は地理的影響範囲16内に存在しないように制御される。
【0062】
このために、図6に示すように、イベントの実行に先立ち、地理的影響範囲16内に存在する不参加プレーヤキャラクタ24は、強制的に、地理的影響範囲16外に移動される。そして、イベントの実行中は、不参加プレーヤキャラクタ24の地理的影響範囲16内への進入が抑制される。
【0063】
イベントの実行中はプレーヤキャラクタ20を含めたオブジェクトが地理的影響範囲16の内側と外側とを行き来できないことの演出として、例えば、地理的影響範囲16の周縁に沿った柵や壁、地理的影響範囲を覆うバリア、といったオブジェクトを配置して、地理的影響範囲16の内側と外側とを区分するようにしてもよい。このような地理的影響範囲16の内側と外側とを区分するオブジェクトは、ゲーム画面における地理的影響範囲16の識別表示となる。
【0064】
或いは、ゲーム画面において、地理的影響範囲16の内側と外側とで、色や明るさ、透明度を異ならせて表示するようにしてもよい。更に、ゲームフィールド10の全体を概略表示するレーダー画面やマップ画面において、実行中のイベントの地理的影響範囲16を識別表示するようにしてもよい。更には、レーダー画面やマップ画面において、当該イベントの参加プレーヤキャラクタ22の位置を識別表示するようにしてもよい。ゲーム画面において、実行中のイベントに関する情報(例えば、イベントの種類や内容、参加プレーヤキャラクタ22に関する情報、進行状況等)も併せて表示するようにしてもよい。
【0065】
また、地理的影響範囲16外に存在する(つまり、イベントに不参加である)が飛び入り参加条件を満たすプレーヤキャラクタ20については、追加の参加プレーヤキャラクタ22としてイベントに追加参加することができる。飛び入り参加条件としては、例えば、イベントの地理的影響範囲16からの距離が所定距離以下である近距離条件を満たすこと、ゲーム内通貨による所定の参加費を払うこと、所定のアイテムを所有していること、所定のアイテムを使用すること、等がある。
【0066】
なお、イベントへの追加参加は、プレーヤ3のイベントへの参加意思を更なる条件としてもよい。プレーヤ3によるイベントへの参加意思としては、例えば、イベントへの参加が可能であることを予め設定しておくこととしてもよいし、所定の参加費を払う、所定のアイテムを使用するといった飛び入り参加条件を満たす操作を行うこととしてもよい。
【0067】
また、不参加プレーヤキャラクタ24のプレーヤ3がイベントの発生を把握して当該イベントへの追加参加の参加意思を表明できるようにするために、条件充足局地14外に存在するプレーヤキャラクタ20のプレーヤ3に対しても、イベントの発生を通知するようにしてもよい。
【0068】
[機能構成]
図7は、サーバシステム1000の機能構成を示すブロック図である。図7によれば、サーバシステム1000は、操作入力部102と、画像表示部104と、音出力部106と、通信部108と、サーバ処理部200と、サーバ記憶部300とを備える。
【0069】
操作入力部102は、サーバシステム1000の管理のための各種の操作入力に応じて操作入力信号をサーバ処理部200に出力する。図1のキーボード1002がこれに該当する。
【0070】
サーバ処理部200は、例えば、CPUやGPU等のプロセッサや、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部102やサーバ記憶部300を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部102からの操作入力信号、プレーヤ端末1500からの受信データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1000の動作を統合的に制御する。図1の制御基板1020がこれに該当する。また、サーバ処理部200は、プレーヤ管理部202と、ゲーム管理部210と、計時部230と、画像生成部234と、音生成部236と、通信制御部238とを有する。勿論、これら以外の機能も適宜含めることができる。
【0071】
プレーヤ管理部202は、プレーヤ3の登録管理に係る各種処理を行う。本実施形態では、登録プレーヤへの固有のプレーヤアカウントの付与、プレーヤアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理、ゲームデータの管理等の各機能を有する。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられるデータの管理機能も適宜含めることができる。プレーヤ管理部202は、プレーヤ登録手続きを経たプレーヤ3に固有のアカウント(プレーヤID)を割り当ててプレーヤ管理データ340を生成することで、各プレーヤ3に関するデータの管理を行う。
【0072】
図8は、プレーヤ管理データ340の一例を示す図である。図8によれば、プレーヤ管理データ340は、登録プレーヤ3毎に生成され、プレーヤアカウント341と、当該プレーヤ3のプレーヤ端末1500に関するプレーヤ端末情報342と、プレイ履歴データ343と、ゲームセーブデータ344とイベント参加可否フラグ345とを含む。プレーヤアカウント341は、当該プレーヤ3に割り当てた固有のプレーヤIDのほか、当該プレーヤ3によって任意に設定されるプレーヤ名やログイン認証のためのパスワード等を含む。プレイ履歴データ343は、ログイン日時やログアウト日時、ゲーム結果等を含む。ゲームセーブデータ344は、プレーヤ3のレベルや、ゲームで使用するプレーヤキャラクタ20、保有するキャラクタやアイテム等を含む。イベント参加可否フラグ345は、当該プレーヤ3により設定されたイベントに参加するか否か(参加可否)を示すフラグである。この設定は、プレーヤ3は任意のタイミングで行うことができる。
【0073】
ゲーム管理部210は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部210は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。
本実施形態では、ゲームサーバプログラム302に従って、複数のプレーヤ3が共通のゲーム空間で各々のプレーヤキャラクタ20を操作して楽しむゲームを進行制御する。また、ゲーム管理部210は、条件充足局地検出部212と、参加PC選出部214と、イベント実行制御部216と、立ち入り抑制制御部218と、参加PC追加制御部220と、地理的影響範囲識別表示制御部222と、特典付与部224とを有する。
【0074】
条件充足局地検出部212は、所与の局地範囲に存在するプレーヤキャラクタ(PC)の集合条件を少なくとも含む所与のイベント発動条件を満たす局地である条件充足局地をゲーム空間の中から検出する。集合条件は、所与のプレーヤ条件を満たすプレーヤキャラクタが所与の人数条件を満たす数だけ局地範囲に存在すること、である。また、プレーヤキャラクタには、所属するグループが設定されており、集合条件は、同一のグループに設定されたプレーヤキャラクタが所与の人数条件を満たす数だけ局地範囲に存在すること、或いは、異なるグループに設定されたプレーヤキャラクタが当該グループ別の人数として所与の人数条件を満たす数だけ局地範囲に存在すること、である。
【0075】
具体的には、条件充足局地検出部212は、ゲームフィールド10に定められた局地範囲12それぞれについてイベント発動条件を満たすかを判定し、イベント発動条件を満たす局地範囲12を条件充足局地14として検出する(図3参照)。ゲームフィールド10における局地範囲12は、局地範囲設定データ322(図13参照)として定められている。また、イベント発動条件は、イベント発動条件テーブル324として定められている。
【0076】
図9は、イベント発動条件テーブル324の一例を示す図である。図9によれば、イベント発動条件テーブル324は、イベントの種類それぞれについて、複数のイベント発動条件を対応付けて定めている。イベント発動条件は、局地範囲12に存在するプレーヤキャラクタ20の人数に関する人数条件を含み、更に、レベルや所属するチーム(グループ)、保有するアイテム、装備、フレンドの数等のプレーヤ条件を満たすプレーヤキャラクタ20の人数に関する人数条件も含んでいる。
【0077】
条件充足局地検出部212は、イベント発動条件テーブル324において定められているイベント発動条件のうち、局地範囲12に存在するプレーヤキャラクタ20が満たすイベント発動条件が1つ以上あるならば、当該局地範囲12は条件充足局地14であるとする。そして、満たしたイベント発動条件に対応付けられているイベントの種類を、当該局地範囲12に存在するプレーヤキャラクタ20を対象として実行するイベントの種類とする。満たしたイベント発動条件に対応付けられているイベントの種類が複数ならば、満たしたイベントの発動条件の数が最も多いイベントの種類を実行するイベントの種類としてもよいし、イベント発動条件それぞれに優先度を予め定めておき、満たしたイベント発動条件のうち、優先度が最も高い発動条件に対応するイベントの種類を実行するイベントの種類としてもよい。発動条件を満たしたイベントの種類の中からランダムに選択することで、実行するイベントの種類を決定してもよい。
【0078】
参加PC選出部214は、条件充足局地に存在するプレーヤキャラクタの中から、一部又は全部のプレーヤキャラクタをゲームイベントに参加する参加プレーヤキャラクタとして選出する。また、条件充足局地に存在するプレーヤキャラクタのプレーヤに、ゲームイベントへの招待通知を行うことと、招待通知に対して承認操作がなされたプレーヤのプレーヤキャラクタを参加プレーヤキャラクタとして選出することと、を行う。また、プレーヤキャラクタそれぞれには、当該プレーヤキャラクタのプレーヤによって設定操作が可能なゲームイベントへの参加可否設定が対応付けられており、条件充足局地に存在するプレーヤキャラクタのうち、参加可否設定が可に設定されているプレーヤキャラクタを参加プレーヤキャラクタとして選出する。
【0079】
具体的には、条件充足局地検出部212により検出された条件充足局地14に存在するプレーヤキャラクタ20のプレーヤ3のうち、イベントの参加可否設定が可に設定されている各プレーヤ3に、例えばゲーム画面W1にイベント招待通知画面W3を表示させることで、イベントへの招待通知を行う(図4参照)。そして、所定時間以内に招待通知への承認操作がなされたプレーヤ3のプレーヤキャラクタ20を、イベントの参加プレーヤキャラクタ22として選出する。イベントの参加可否設定は、該当するプレーヤ管理データ340のイベント参加可否フラグ345として記憶されている。なお、参加可否設定が可に設定されているプレーヤキャラクタについては、自動的に参加プレーヤキャラクタとして選出することとしてもよい。
【0080】
イベント実行制御部216は、参加プレーヤキャラクタが参加する所与のゲームイベントを発生させる。また、参加PC選出部214により選出された参加プレーヤキャラクタに基づいて、発生させるゲームイベントの内容及び/又は難易度を決定する。また、発生させるゲームイベントの地理的影響範囲を設定する。地理的影響範囲は、参加PC選出部214により選出された参加プレーヤキャラクタの配置状況や保有アイテムに基づいて設定する。
【0081】
具体的には、発生させるイベントの種類に応じたイベントステージ設定テーブル332に従って、イベントの内容や難易度、地理的影響範囲16を設定して、イベントの実行を制御する。
【0082】
図10は、イベントステージ設定テーブル332の一例を示す図である。イベントステージ設定テーブル332は、イベントの種類毎に用意されており、図10では、イベントの種類が“ボスキャラ戦”に対応するイベントステージ設定テーブル332の一例を示している。図10によれば、イベントステージ設定テーブル332は、イベントの内容及び難易度を設定するためのテーブルである出現ボスキャラ設定テーブル332A、及び、ボスキャラ出現位置設定テーブル332Bと、地理的影響範囲を設定するためのテーブルである地理的影響範囲設定テーブル332Cと、を含む。
【0083】
出現ボスキャラ設定テーブル332Aは、出現させるボスキャラクタ30を設定するためのテーブルであり、ボスキャラクタの種類と、設定条件とを対応付けて格納している。設定条件は、参加プレーヤキャラクタ22に関する条件であり、例えば、参加プレーヤキャラクタ22の人数やレベル、属性等の条件を定めている。
【0084】
イベント実行制御部216は、出現ボスキャラ設定テーブル332Aに従って、イベントの参加プレーヤキャラクタ22が満たす設定条件を判定し、満たした設定条件に対応付けられている種類のボスキャラクタ30を出現させるように設定する。出現させるボスキャラクタ30の種類によってイベントの難易度が決まるから、難易度が高い順にボスキャラクタ30に対応付けられている設定条件を満たすかを判定し、最初に満たすと判定した設定条件に対応付けられている種類のボスキャラクタ30を出現させるようにする。
【0085】
ボスキャラ出現位置設定テーブル332Bは、ボスキャラクタ30の出現位置を設定するためのテーブルであり、ボスキャラクタの出現位置と、設定条件とを対応付けて格納している。設定条件は、参加プレーヤキャラクタ22に関する条件であり、例えば、参加プレーヤキャラクタ22の配置位置等の条件を定めている。なお、参加プレーヤキャラクタ22の配置位置としては、各参加プレーヤキャラクタ22の所定時間後(例えば10秒後や1分後など)の予測される位置を用いることとしてもよい。予測される位置は、参加プレーヤキャラクタ22の現在位置から現在の移動方向へ、現在の移動速度で移動した場合の所定時間後の位置を求めることで予測することができる。
【0086】
イベント実行制御部216は、ボスキャラ出現位置設定テーブル332Bに従って、イベントの参加プレーヤキャラクタ22が満たす設定条件を判定し、満たした設定条件に対応付けられているボスキャラクタ30の出現位置となるように設定する。満たした設定条件が複数ある場合には、例えば、ランダムに選択した1つの設定条件に対応する出現位置となるように設定してもよいし、設定条件に優先度を予め定めておき、優先度が最も高い設定条件に対応する出現位置となるように設定してもよい。
【0087】
地理的影響範囲設定テーブル332Cは、イベントの地理的影響範囲と、設定条件とを対応付けて格納している。設定条件は、参加プレーヤキャラクタ22に関する条件であり、例えば、参加プレーヤキャラクタ22の配置位置やレベル、保有アイテム等の条件を定めている。
【0088】
イベント実行制御部216は、地理的影響範囲設定テーブル332Cに従って、イベントの参加プレーヤキャラクタ22が満たす設定条件を判定し、満たした設定条件に対応付けられている地理的影響範囲16となるように設定する。満たした設定条件が複数ある場合には、例えば、ランダムに選択した1つの設定条件に対応する地理的影響範囲16となるように設定してもよいし、設定条件に優先度を予め定めておき、優先度が最も高い設定条件に対応する地理的影響範囲16となるように設定してもよい。
【0089】
なお、図10に示すイベントステージ設定テーブル332では、イベントの内容及び難易度を、イベントへの参加プレーヤキャラクタ22に応じて設定するように定めているが、条件充足局地14に存在するプレーヤキャラクタ20に応じて設定するようにしてもよい。
【0090】
また、例えば、イベントの種類が“チームバトル”のイベントステージ設定テーブル332では、地理的影響範囲設定テーブルのほか、イベントの内容及び難易度を設定するためのテーブルとして、各チームの拠点施設の位置を設定するためのテーブル、等を含むことになる。また、イベントの種類が“レースゲーム”のイベントステージ設定テーブル332では、地理的影響範囲設定テーブルのほか、イベントの内容及び難易度を設定するためのテーブルとして、スタート位置やゴール位置、スタート位置からゴール位置に至るレースコースを設定するためのテーブル、等を含むことになる。
【0091】
立ち入り抑制制御部218は、プレーヤキャラクタのうちの参加プレーヤキャラクタ以外の不参加プレーヤキャラクタについて、1)地理的影響範囲から離れた位置へ移動させる、2)地理的影響範囲への進入を抑制する、の何れかの制御を行う。
【0092】
具体的には、イベントの実行に先立ち、地理的影響範囲16に存在する不参加プレーヤキャラクタ24を、強制的に、地理的影響範囲外に移動させる。そして、イベントの実行中は、参加プレーヤキャラクタ22については地理的影響範囲16外へ進出させないようにするとともに、不参加プレーヤキャラクタ24については地理的影響範囲16内へ進入させないようにすることで、参加プレーヤキャラクタ22のみが当該イベントの地理的影響範囲16内に存在し、不参加プレーヤキャラクタ24は地理的影響範囲16内に存在しないように制御する(図6参照)。
【0093】
参加PC追加制御部220は、地理的影響範囲外に位置するプレーヤキャラクタであって、ゲームイベントへの所与の飛び入り参加条件を満たすプレーヤキャラクタを、新たな参加プレーヤキャラクタとして追加する。また、地理的影響範囲外であって地理的影響範囲から所与の近距離条件を満たす位置にいることを飛び入り参加条件に含めて、飛び入り参加条件を満たすプレーヤキャラクタか否かを判定する
【0094】
具体的には、不参加プレーヤキャラクタ24について、実行中のイベントの種類に対応する飛び入り参加条件リスト334に従って、飛び入り参加条件を満たすか否かを判定する。そして、飛び入り参加条件を満たすと判定したならば、当該不参加プレーヤキャラクタ24を地理的影響範囲16内に移動させ、新たな参加プレーヤキャラクタ22としてイベントに追加参加させる。
【0095】
なお、飛び入り参加条件を満たすか否かの判定は、全ての不参加プレーヤキャラクタ24を対象としてもよいし、イベントへの参加意思を表明しているプレーヤ3の不参加プレーヤキャラクタ24のみとしてもよい。プレーヤ3のイベントへの参加意思は、例えば、イベントの参加可否設定であり、該当するプレーヤ管理データ340のイベント参加可否フラグ345として記憶されている。
【0096】
図11は、飛び入り参加条件リスト334の一例を示す図である。図11に示すように、飛び入り参加条件リスト334は、複数の飛び入り参加条件を列挙した一覧である。飛び入り参加条件としては、例えば、イベントの地理的影響範囲16からの距離が所定距離以下である近距離条件を満たす位置にいること、所定のアイテムを所有していること、所定のアイテムを使用すること、ゲーム内通貨による所定の参加費を支払うこと、といった不参加プレーヤキャラクタ24自身に関する条件としてもよいし、イベントの参加プレーヤキャラクタ22とのレベル差が所定レベル以内であること、参加プレーヤキャラクタ22と同じチーム(グループ)に所属すること、といったイベントの参加プレーヤキャラクタ22に応じた条件としてもよい。なお、飛び入り参加条件リスト334は、イベントの種類毎に用意されるとするが、全ての種類のイベントにおいて共通としてもよい。
【0097】
地理的影響範囲識別表示制御部222は、ゲーム空間中の地理的影響範囲を識別表示する。具体的には、例えば、地理的影響範囲16の周縁に沿った柵や壁、地理的影響範囲16を覆うバリア、といったオブジェクトを配置することで、プレーヤ3が、ゲーム画面において地理的影響範囲16を識別可能とすることができる。或いは、ゲーム画面において、地理的影響範囲16の内側と外側とで、色や明るさ、透明度を異ならせて表示するようにしてもよい。更に、ゲームフィールド10の全体を概略表示するレーダー画面やマップ画面において、実行中のイベントの地理的影響範囲16を識別表示するようにしてもよい。更には、ゲーム画面において、実行中のイベントに関する情報(例えば、イベントの種類や内容、参加プレーヤキャラクタ22に関する情報、進行状況等)も併せて表示するようにしてもよい。
【0098】
特典付与部224は、ゲームイベントで勝利した参加PCに対して所与の特典を付与する。本実施形態では、ゲームイベントは、勝敗が決まるイベントであるため、必ず勝者の参加PCが存在することになる。
【0099】
具体的には、イベントの実行が終了すると、参加プレーヤキャラクタそれぞれの勝敗(勝利及び敗北)を決める。勝利の決め方は、イベントの種類に応じて異なる。例えば、“ボスキャラ戦”ならば、制限時間内にボスキャラクタ30を倒すことができたならば、参加プレーヤキャラクタ22の全員が勝利であり、できなかったならば、参加プレーヤキャラクタ22の全員が敗北であると判定する。また、“チームバトル”ならば、チーム単位で勝敗を判定し、勝利したチームの参加プレーヤキャラクタ22の全員が勝利であり、敗北したチームの参加プレーヤキャラクタ22の全員が敗北である、と判定する。また、“レースゲーム”ならば、ゴールへの到達順に順位付けし、所定順以上の参加プレーヤキャラクタ22が勝利であり、その他の参加プレーヤキャラクタ22が敗北である、と判定する。
【0100】
そして、イベントの種類に対応する特典設定テーブル336に従って、勝利と判定した参加プレーヤキャラクタ22に特典を付与する。図12は、特典設定テーブル336の一例を示す図である。特典設定テーブル336は、イベントの種類毎に用意されており、図12では、イベントの種類が“ボスキャラ戦”に対応する特典設定テーブル336の一例を示している。図12によれば、特典設定テーブル336は、特典の付与条件と、付与する特典とを対応付けて格納している。付与条件は、対戦したボスキャラクタ30の種類及び貢献度の順位の組み合わせの条件として定めている。貢献度は、例えば、ボスキャラクタ30に与えたダメージ量に基づく値であり、ダメージ量が多いほど貢献度が高い値となる。
【0101】
なお、複数の参加プレーヤキャラクタ22でパーティを組んで行う種類のイベントである場合には、特典の付与の対象を、参加プレーヤキャラクタ22個人ではなく、当該イベントでのパーティとしてもよい。
【0102】
なお、イベントの種類が“チームバトル”ならば、例えば、相手チームの参加プレーヤキャラクタ22に与えたダメージ量に基づく貢献度を、特典の付与条件とするこができる。また、“レースゲーム”ならば、順位を付与条件とすることができる。
【0103】
計時部230は、システムクロックを利用して現在日時等の計時を行う。
【0104】
画像生成部234は、サーバシステム1000のシステム管理に関する画像や、プレーヤ端末1500で表示させるための画像等を生成する。そして、システム管理に関する画像信号を画像表示部104へ出力する。画像表示部104は、画像生成部234から入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクタといった画像表示装置によって実現できる。図1のディスプレイ1004がこれに該当する。
【0105】
音生成部236は、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1000のシステム管理やゲームプレイに係る操作音やBGM等の音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号を音出力部106へ出力する。音出力部106は、音声信号に基づく音声を放音する。図1の本体装置1010やディスプレイ1004が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0106】
通信制御部238は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部108を介して外部装置とのデータのやり取りを実現する。通信部108は、通信ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の通信装置1023がこれに該当する。
【0107】
サーバ記憶部300は、サーバ処理部200にサーバシステム1000を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200の作業領域として用いられ、サーバ処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク、オンラインストレージ等によって実現される。サーバ記憶部300には、ゲームサーバプログラム302と、配信用クライアントプログラム304と、ゲームの実行制御に必要なゲーム初期設定データ310と、プレーヤ管理データ340と、プレイデータ350とが記憶される。
【0108】
ゲームサーバプログラム302は、本実施形態のオンラインゲームのゲームサーバとしての機能を実現させるためのプログラムである。配信用クライアントプログラム304は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるクライアントプログラム702(図15参照)のオリジナルである。
【0109】
図13は、ゲーム初期設定データ310の一例を示す図である。図13に示すように、ゲーム初期設定データ310は、ゲーム空間初期設定データ312と、キャラクタ初期設定データ314とを含む。
【0110】
ゲーム空間初期設定データ312は、ゲーム空間に構築されるゲームフィールド10に関する初期設定データであり、ゲームフィールド10を構成する地形や構造物等の定義データを格納する。
【0111】
キャラクタ初期設定データ314は、ゲームに登場するキャラクタ(プレーヤキャラクタ20や敵キャラクタを含む)に関する初期設定データであり、キャラクタ毎に、種類、レベル、レアリティ値、属性、戦闘能力値、攻撃力、防御力等の初期値のほか、モデルデータ等の当該キャラクタの定義データを格納する。
【0112】
イベント初期設定データ320は、ゲームにおいて実行されるイベントに関する定義データであり、局地範囲設定データ322と、イベント発動条件テーブル324(図9参照)と、イベント詳細設定データ330とを含む。イベント詳細設定データ330は、イベントの種類ごとに用意され、イベントステージ設定テーブル332(図10参照)と、飛び入り参加条件リスト334(図11参照)と、特典設定テーブル336(図12参照)とを含む。
【0113】
図14は、プレイデータ350の一例を示す図である。図14によれば、プレイデータ350は、ゲームプレイに関する各種データとして、プレーヤキャラクタデータ351と、ノンプレーヤキャラクタデータ352と、発生イベントデータ353とを格納する。
【0114】
プレーヤキャラクタデータ351は、ゲームに登場するプレーヤキャラクタ20に関するデータであり、プレーヤキャラクタ20毎に、キャラクタIDに対応付けて、操作するプレーヤのプレーヤIDや位置、パラメータ等を格納している。ノンプレーヤキャラクタデータ352は、ゲームに登場する敵キャラクタ等のノンプレーヤキャラクタに関するデータであり、ノンプレーヤキャラクタ毎に、キャラクタIDに対応付けて、位置やパラメータ等を格納している。
【0115】
発生イベントデータ353は、ゲームにおいて発生させたイベントに関するデータであり、1回のイベントごとに生成される。1つの発生イベントデータ353は、イベントIDに対応付けて、当該イベントの発生日時と、条件充足局地と、地理的影響範囲と、イベント内容データと、追加参加した参加プレーヤキャラクタを含む参加プレーヤキャラクタのリスト(参加プレーヤキャラクタリスト)と、勝敗を含むイベント結果と、勝利した参加プレーヤキャラクタに付与した特典(付与特典)とを格納している。イベント内容データは、当該イベントの種類や内容(種類が“ボスキャラ戦”ならば、出現させたボスキャラクタの種類や出現位置等、種類が“チームバトル”ならば、各チームの所属プレーヤキャラクタや拠点位置等、種類が“レースゲーム”ならば、スタート位置やゴール位置、レースコースの位置等)のデータである。
【0116】
[プレーヤ端末]
図15は、プレーヤ端末1500の機能構成の一例を示すブロック図である。図15によれば、プレーヤ端末1500は、操作入力部502と、画像表示部504と、音出力部506と、通信部508と、端末処理部600と、端末記憶部700とを備える。
【0117】
操作入力部502は、プレーヤ3による各種の操作入力に応じて操作入力信号を端末処理部600に出力する。例えば、タッチパネル、プッシュスイッチやジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール等によって実現できる。
【0118】
端末処理部600は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部502や端末記憶部700を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部502からの操作信号、サーバシステム1000からの受信データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、プレーヤ端末1500の動作を制御する。また、端末処理部600は、端末演算部610と、計時部620と、音生成部626と、通信制御部628とを有する。
【0119】
端末演算部610は、操作信号送信制御部612と、画像表示制御部614とを有し、プレーヤ端末1500をサーバシステム1000と通信するクライアント装置としての機能を実現させるための制御を行う。
【0120】
操作信号送信制御部612は、操作入力部502になされた操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1000へ送信するための処理を実行する。
【0121】
画像表示制御部614は、サーバシステム1000から受信した各種画像データに基づいてゲーム画面や各種の操作画面等を表示するための制御を行う。そして、それらの画像を表示させるための画像信号を生成し、画像表示部504に出力する。画像表示部504は、画像表示制御部614から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示する。例えば、タッチパネル、フラットパネルディスプレイ、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
【0122】
計時部620は、システムクロックを利用して現在日時等の計時を行う。
【0123】
音生成部626は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーディック等によって実現され、ゲームに係る効果音やBGM、各種操作音等の音信号を生成し、音出力部506に出力する。音出力部506は、音生成部626から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を出力する。
【0124】
通信制御部628は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部508を介して外部装置とのデータのやり取りを実現する。通信部508は、通信ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0125】
端末記憶部700は、端末処理部600に所与の機能を実現させるためのシステムプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部600の作業領域として用いられ、端末処理部600が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作入力部502からの入力データ等を一時的に記憶する。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現される。本実施形態では、端末記憶部700は、クライアントプログラム702を記憶する。
【0126】
[処理の流れ]
図16は、ゲーム処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、1回のイベントの実行制御に関する処理であり、ゲーム管理部210が実行する。
【0127】
先ず、条件充足局地検出部212が、ゲームフィールド10に設定されている複数の局地範囲12それぞれについて、所定のイベント発動条件を満たすかを判定する(ステップS1)。イベント発動条件を満たす局地範囲12である条件充足局地14を検出したならば(ステップS3:YES)、参加PC選出部214が、条件充足局地14に存在するプレーヤキャラクタ20のプレーヤ3のうち、イベントの参加可否の設定が参加可に設定されているプレーヤ3に、イベントへの参加招待を通知する(ステップS5)。そして、招待通知から所定時間内に参加招待の承認操作を行ったプレーヤ3のプレーヤキャラクタ20を、イベントの参加プレーヤキャラクタ22として選出する(ステップS7)。
【0128】
次いで、イベント実行制御部216が、参加プレーヤキャラクタ22に応じてイベントの内容を設定する(ステップS9)。すなわち、満たしたイベント発動条件によって決まるイベントの種類に対応するイベントステージ設定テーブル332に従って、イベントの内容及び難易度を設定する。そして、イベントの地理的影響範囲16を設定する(ステップS11)。
【0129】
続いて、立ち入り抑制制御部218が、不参加プレーヤキャラクタ24の地理的影響範囲16への立ち入りを抑制する制御を行う(ステップS13)。すなわち、地理的影響範囲16内の不参加プレーヤキャラクタ24を強制的に地理的影響範囲16外に移動させ、イベントの実行中、不参加プレーヤキャラクタ24の地理的影響範囲16内への進入を抑制する。
【0130】
その後、イベント実行制御部216は、イベントの実行を開始する(ステップS15)。イベントの実行中、参加PC追加制御部220は、飛び入り参加条件を満たすと判定した不参加プレーヤキャラクタ24が存在するならば(ステップS17:YES)、その不参加プレーヤキャラクタ24を、新たな参加プレーヤキャラクタ22としてイベントに追加参加させる(ステップS19)。
【0131】
イベントの実行が終了すると(ステップS21:YES)、イベントの勝敗を判定する(ステップS23)。そして、特典付与部224が、勝利した参加プレーヤキャラクタ22に特典を付与する(ステップS25)。以上の処理を行うと、本処理は終了となる。
【0132】
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、イベント発動条件を満たす条件充足局地14に存在するプレーヤキャラクタ20の中から、一部又は全部のプレーヤキャラクタ20がゲームイベントに参加する参加プレーヤキャラクタ22として選出され、参加プレーヤキャラクタ22が参加するゲームイベントが発生される。これにより、例えば、プレーヤキャラクタ20の人数が所定人数以上であることをイベント発動条件とするといったことで、ゲーム空間の一定箇所に多くのプレーヤキャラクタが集まるとゲームイベントが突発的に発生することになり、意外性のあるゲームイベントとすることができる。また、一定箇所に集まったプレーヤキャラクタ20のうちから参加プレーヤキャラクタ22が選出されるので、不特定多数のプレーヤ3同士で楽しむゲームイベントとなり、ゲームイベントの興趣性を向上させることができる。
【0133】
また、参加プレーヤキャラクタ22に基づいて、ゲームイベントの内容及び/又は難易度が決定される。ゲームイベントごとに参加プレーヤキャラクタ22が異なるから、例えば、参加プレーヤキャラクタ22の人数やレベル等に応じた適切な内容・難易度のゲームイベントを発生させることができる。また、参加プレーヤキャラクタ22が異なれば発生するゲームイベントの内容・難易度が様々に異なり得るから、飽きのこないゲームイベントとすることができる。
【0134】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0135】
(A)複数のイベントの統合
例えば、ゲームフィールド10上で発生させた別々の複数のイベントを、時間経過に応じて、1つの統合イベントに統合するようにしてもよい。
【0136】
この場合、図17に示すように、上述したイベント実行制御部216を、統合処理部226を更に備えるイベント実行制御部216Aとしたサーバシステム1000Aを構成する。サーバシステム1000Aにおいて、条件充足局地検出部212は、複数の条件充足局地14を検出する。参加PC選出部214は、複数の条件充足局地14毎に参加プレーヤキャラクタ22を選出する。イベント実行制御部216Aは、条件充足局地14毎の参加プレーヤキャラクタ22を単位として、別々のイベントを発生させる。
【0137】
そして、統合処理部226は、時間経過に応じて、別々のイベントを統合イベントに統合する。統合するイベントは、イベント実行制御部216Aが発生させた複数のイベントのうち、例えば、同じ種類の複数のイベントとすると好適である。統合の仕方としては、例えば、各イベントの地理的影響範囲16を、時間経過に応じて徐々に移動させて最終的に1つの地理的影響範囲に統合する、といったことで実現する。例えば、種類が“ボスキャラ戦”である複数のイベントを統合する場合には、各イベントのボスキャラクタが、時間経過とともに徐々に所定箇所(例えば、各ボスキャラクタから等距離の場所)に向かって移動して集まった後に、統合してより強いボスキャラクタに変身するとともに、各イベントの地理的影響範囲が統合されて1つの地理的影響範囲となる、といったように構成することができる。これにより、例えば、所定時間以内にイベントをクリアしないと、他のイベントと統合されてより難易度の高いイベントが発生する、といった演出とすることができる。
【0138】
(B)コンピュータシステム
また、上述の実施形態では、クライアント・サーバ型のコンピュータシステムであるゲームシステム1においてオンラインゲームを実現する例を挙げたが、複数のプレーヤ端末1500をピアツーピア接続したコンピュータシステムにおいて実現するとしてもよい。この場合、何れかのプレーヤ端末1500に、上述の実施形態のサーバシステム1000の機能を担わせる。或いは、複数のプレーヤ端末1500でゲーム管理部210の機能を分担して担う構成としてもよい。
【0139】
(C)ゲームの種類
また、上述の実施形態では、ゲームシステム1が提供するゲームをロールプレイングゲームとしたが、複数のプレーヤが共通のゲーム空間で各々のプレーヤキャラクタを操作して楽しむゲームであれば、同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0140】
1…ゲームシステム
1000…サーバシステム
200…サーバ処理部
202…プレーヤ管理部
210…ゲーム管理部
212…条件充足局地検出部
214…参加PC選出部
216…イベント実行制御部
218…立ち入り抑制制御部
220…参加PC追加制御部
222…地理的影響範囲識別表示制御部
224…特典付与部
300…サーバ記憶部
302…ゲームサーバプログラム
304…配信用クライアントプログラム
310…ゲーム初期設定データ
340…プレーヤ管理データ
350…プレイデータ
1500…プレーヤ端末
3…プレーヤ
10…ゲームフィールド
12…局地範囲
14…条件充足局地
16…地理的影響範囲
20…プレーヤキャラクタ
22…参加プレーヤキャラクタ
24…不参加プレーヤキャラクタ
30…ボスキャラクタ
W3…イベント招待通知画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17