(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155212
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20221005BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
G01N35/00 C
G01N35/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058610
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】牧野 英一
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058BB02
2G058BB08
2G058CE02
2G058GA01
2G058GC02
2G058GC05
(57)【要約】
【課題】
本発明の課題は、自動分析装置上に載置した開封後の試薬容器内の液体が蒸発又は変質することを防止する機構を備えた自動分析装置を提供することである。
【解決手段】
試薬容器を載置保持する保持部と、
前記保持部に対して上部から当接し、前記試薬容器に接触することなく前記試薬容器を密閉可能な蓋部と、
前記保持部を前記蓋部材の下部に搬送可能な搬送部と、
前記蓋部材を昇降させる昇降手段と、
を備えた自動分析装置を提供することにより、課題を解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬容器を載置保持する保持部と、
前記保持部に対して上部から当接し、前記試薬容器に接触することなく前記試薬容器を密閉可能な蓋部と、
前記保持部を前記蓋部材の下部に搬送可能な搬送部と、
前記蓋部を昇降させる昇降部と、
を備えた自動分析装置。
【請求項2】
試薬容器を温調する保持部を備えた請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
保持部に緩衝材を備えた請求項1及び請求項2記載の自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、血清、血漿、尿などの試料中に含まれる微量物質を分析する自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
免疫検査や生化学検査の分野で用いられる分析には、試料中の測定対象物と酵素標識試薬との結合物に基質試薬液を添加し、光学的に検出可能な生成物を生じさせて、測定対象物の濃度に従った光学的信号を検出する方法がある。
【0003】
前記の試薬の容器として、試薬液の保存安定性を向上させるため、光透過性のない試薬容器(例えば、特許文献1参照)にシール材が付され、分注ノズルの先端部により試薬容器の密閉シールを穿孔して開口する(例えば、特許文献2参照)。試薬容器内に残った試薬液を再度利用する場合は、試薬液を装置内にオンボードで貯蔵するが、オンボード時間が長いと試薬容器の開口後は空気の流出入により、二酸化炭素による試薬液のpH低下、及び試薬液の蒸発による減少により試薬性能劣化が起こり、そのことが原因で測定の誤判定となる懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-161349号公報
【特許文献2】特開2018-004270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、自動分析装置上に載置した開封後の試薬容器内の液体が蒸発又は変質することを防止する機構を備えた自動分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
試薬容器を載置保持する保持部と、
前記保持部に対して上部から当接し、前記試薬容器に接触することなく前記試薬容器を密閉可能な蓋部と、
前記保持部を前記蓋部材の下部に搬送可能な搬送部と、
前記蓋部材を昇降させる昇降手段と、
を備えた自動分析装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0007】
分析測定中、待機中、分析測定終了後、又は停止後に試薬液が残っている試薬容器を蓋で密閉することで、試薬が二酸化炭素を吸収しpHの低下を防ぐことや試薬液の蒸発による減少を防ぐことが可能となる。それ故に、オンボード時間が経過した状態で再度測定する際に、分析の誤判定を抑制することができ、測定ごとに試薬容器を交換することなく、オンボード時間内は使い切るまで使用することが可能となる。また、蓋装置の蓋部と試薬容器の開口部を接触せずに試薬容器を密閉することにより、他の試薬によるコンタミネーションを防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】蓋装置と試薬容器を載置した保持部との一態様を示した断面図である。
【
図2】基質試薬容器と蓋装置の一態様を示した斜視図である。
【
図3】本発明の自動分析装置の一態様を示した図である。
【
図5】試薬容器を載置した保持部と蓋装置の位置関係の一態様を示した側面図である。
【
図6】試薬容器を載置した保持部と蓋装置の位置関係の一態様を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、血液、血清、血漿、尿などの試料中に含まれる微量物質を分析する自動分析装置に関するものであり、検体容器及び反応試薬容器が少なくとも載置されている試薬テーブル、基質試薬容器が少なくとも載置されている搬送部、各種容器を移送する移送部、酵素免疫測定を行う測定部、前記反応試薬容器又は前記基質試薬容器を保持する保持部、前記保持部を水平方向に移動させる駆動部、前記基質試薬容器の開口部を密閉可能な蓋部、前記蓋部を昇降させる昇降部を少なくとも備えている。
【0010】
本発明の自動分析装置は、測定開始前に開封された基質試薬容器を、測定中、測定待機中、測定停止後または測定終了後に保持部に載置された基質試薬容器が蓋部の下方となるように保持部を移動させ、蓋部を降下させて基質試薬容器を密閉する。次の測定を開始する際又は測定を再開する際には蓋部が上昇し、基質試薬容器を保持したまま保持部は移動する。
【0011】
本発明において、保持部は、反応試薬容器又は基質試薬容器を載置する複数の保持位置を設けておくことが好ましく、保持位置はこれらの試薬容器の側部又は底部を接触させることにより位置決めできる形状とするのが好ましい。また、保持部は基質試薬を反応容器に分注前に予め加温する機能を有していても良い。さらに、保持部は、待機中、測定中または測定停止後、保持部に載置され蓋装置で密封された基質試薬容器の温度を調節する機能を有していても良い。なお、保持部に保持された基質試薬容器の保存期間(オンボード時間)は基質試薬液が劣化や蒸発することを考慮し、10時間以内が好ましい。
【0012】
なお、基質試薬液の劣化や蒸発を考慮し、開封された基質試薬容器が5秒以上放置状態では保持部に載置された基質試薬容器を、蓋部により密閉することが好ましい。蓋部により密閉される容器は基質試薬容器に限定されず、保持部に載置可能な形状の容器であれば良い。加温により蒸発した基質試薬液のコンタミネーションを防ぐため、蓋装置の蓋部は基質試薬容器と接触せずに、蓋部の縁と保持部上面を接触させることで、保持部に載置された開封状態の基質試薬容器を密閉する形態をとることが好ましい(
図1参照)。
【0013】
本発明において蓋部の密閉性を向上させるために、保持部の上部に多孔質シリコンやゴムのような緩衝材が装着されていてもよい。緩衝材は密閉性を考慮し、厚さは2~5mmが望ましい。なお、緩衝材は開口部の縁に合う部材ならば形状は問わないが、自動分析装置のコストや密閉性を考慮し平面が好ましい。また、蓋の縁全体に緩衝材が接触するように基質試薬容器載置箇所を除く、保持部上面に緩衝材を設置することが望ましい。
【0014】
本発明の搬送部には保持部、廃棄口、ピペットチップラックが設置されている(
図2参照)が、一体である形態に限定されず保持部、廃棄口、ピペットチップラックそれぞれが独立した形態でも良い。
【0015】
本発明において、基質試薬容器の密閉シールを開封する分注ユニットは分注ノズルに試薬吸引用のピペットチップを装着させ、密閉シールを穿孔することにより、基質試薬容器の開口部の孔の大きさを最小限に抑えるのが好ましい。
【実施例0016】
以下、本発明の実施の一態様を、添付の図面を参照して詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
【0017】
自動化学発光酵素免疫測定装置(自動分析装置)300の各ユニットは、制御部(図示せず)に入力された検体の情報と測定項目に応じて、プログラムに従って分析工程が進行する。
【0018】
試薬テーブル15には、検体容器16が設置された検体ラック17及び反応試薬を収容した反応試薬容器19が設置された測定容器トレイ18が配置される。反応試薬容器には試薬収容部が二箇所あり、一方には磁性微粒子を担体として分析対象物質に結合する抗体が固定された固相試薬が緩衝液の塩成分や添加剤とともに凍結乾燥状態で収容され、他方には分析対象物質に結合する抗体が酵素標識された標識試薬が緩衝液の塩成分や添加剤とともに凍結乾燥状態で収容され、両試薬の収容部ともに防湿用の密閉シールで密閉されている。
【0019】
搬送部20には、酵素反応に供せられる基質試薬を収容した基質試薬容器21、装置点検のための点検用試料を収容した点検用試料容器22、検体の前処理試薬を収容した前処理試薬容器23が設置される。基質試薬容器は二箇所の試薬収容部があり、一方に液体の化学発光基質試薬が、他方に液体のエンハンサー試薬が収容され、アルミニウム箔層とポリエチレン等の樹脂フィルム層を含む、試薬の蒸発を防ぐことが出来る密閉シールで密閉されている。点検用容器は、共通試薬の汚染を検査するもので、密閉シールで密閉されている。
【0020】
さらに、搬送部20には、ピペットチップ26を設置したピペットチップラック25が配置され、基質試薬を反応試薬容器に分注する前に予め加温する保持部200、使用済みのピペットチップ26及び使用済の反応試薬容器を廃棄する廃棄口27がある。
【0021】
試薬テーブル15、搬送部20及び分注撹拌部24は、測定工程中にコードリーダー31等が、適宜その機能を実施できる位置にそれぞれ移動することができる。
【0022】
制御部から、自動分析装置の運転開始が指示されると、コードリーダー31は試薬テーブル15及び搬送部20上の試薬類をスキャンして、各場所に設置された試薬の認識情報を読み取って、制御部に記憶する。
【0023】
測定開始の指示がなされると、コードリーダー31は分注部用駆動部32と試薬テーブル15の移動によって、目的の測定項目の反応試薬容器19の上方に移動し、反応試薬容器の密閉シールに印刷されたコードを読み取り、目的の測定項目用の反応試薬が入った反応試薬容器であることを確認する。確認したら、移送部30は、反応試薬容器を分注撹拌部24に移送し、シールブレイカー14で反応試薬容器の二箇所の試薬収容部のシール剤を穿孔して開封する。
【0024】
分注部33はピペットチップ26を装着し、分注水供給部28で分注水を必要量吸引し、分注撹拌部24で開封された反応試薬容器の標識試薬に吐出し、分注部33は同じピペットチップで再度分注水を必要量吸引してから、測定対象の検体容器16上に移動し、必要量の検体を吸引し、分注撹拌部24で開封された反応試薬容器の固相試薬に吐出し、分注撹拌部24は反応試薬容器を撹拌し、固相試薬を溶解する。分注撹拌部24は反応条件温度で加温されており、検体が含まれる分注水で溶解された固相試薬は、検体中に測定対象物質が含まれる場合には抗体抗原反応が開始される。分注部33は廃棄口27上に移動し、装着したピペットチップを廃棄する。
【0025】
使用する基質試薬容器が未開封の場合、蓋装置100は作動しないが、基質試薬容器が開封済みの場合、検体を反応試薬容器へ分注してからピペットチップの廃棄まで、駆動モーター40が作動し、駆動モーターの軸に配置されたベルトプーリー41が回転することで、ベルト42も回転運動する。ベルトが回転運動すると基質試薬容器が載置された保持部は連動し、水平方向に移動し、蓋部11の下まで移動する(
図4参照)。移動後、蓋装置100に付随する蓋装置用モーター12が作動し、蓋装置用モーター12の軸に配置された昇降部13の回転により蓋部11が降下し、蓋部の縁と保持部の上面の緩衝材29が接触し密閉状態となる(
図5、6参照)。反応試薬容器の搬送ターンテーブル36の載置前に、蓋装置用モーター12の軸に配置された昇降部13の回転により蓋部11が上昇し基質試薬容器が開放状態となり、次に駆動モーター40が作動し、駆動モーターの軸に配置されたベルトプーリー41が回転することで、ベルト42も回転運動する。ベルトが回転運動することで、基質試薬容器が載置された保持部は連動し、水平方向に移動し、元の位置まで移動する。
【0026】
移送部30は、抗体抗原反応が開始した反応試薬容器を保持して、測定ユニット400の反応温度に加温された反応部35の搬送ターンテーブル36の容器保持位置39へ容器出入口38を通して載置する。
【0027】
使用する基質試薬容器が未開封の場合、蓋装置100は作動しないが、基質試薬容器が開封済みの場合、検体を反応試薬容器へ分注してからピペットチップの廃棄まで、駆動モーター40が作動し、駆動モーターの軸に配置されたベルトプーリー41が回転することで、ベルト42も回転運動する。ベルトが回転運動すると基質試薬容器が載置された保持部は連動し、水平方向に移動し、蓋部11の下まで移動する。移動後、蓋装置100に付随する蓋装置用モーター12が作動し、蓋装置用モーター12の軸に配置された昇降部13の回転により蓋部11が降下することにより、蓋部の縁と保持部の上面の緩衝材が接触し密閉状態となる。ターンテーブル36に載置された反応試薬容器を分注撹拌部24に移送する前に、蓋装置用モーター12が作動し、蓋装置用モーター12の軸に配置された昇降部13の回転により蓋部11が上昇し基質試薬容器が開放状態となる。次に駆動モーター40が作動し、駆動モーターの軸に配置されたベルトプーリー41が回転することで、ベルト42も回転運動する。ベルトが回転運動することで、基質試薬容器が載置された保持部は連動し、水平方向に移動し、元の位置まで移動する。
【0028】
搬送ターンテーブル36に載置された反応試薬容器は搬送ターンテーブル上で反応に必要な時間インキュベートされた後、固相に結合しない成分は反応液とともに洗浄ノズルで吸引排除される。B/F洗浄ユニット37で洗浄液の吐出、固相の収集、吸引排除を繰り返した後、反応試薬容器は搬送ターンテーブル36で容器出入口38に搬送され、移送部30で一旦、分注撹拌部24に戻される。
【0029】
使用する基質試薬容器が未開封の場合、蓋装置100は作動しないが、基質試薬容器が開封済みの場合、検体を反応試薬容器へ分注してからピペットチップの廃棄まで、駆動モーター40が作動し、駆動モーターの軸に配置されたベルトプーリー41が回転することで、ベルト42も回転運動する。ベルトが回転運動すると基質試薬容器が載置された保持部は連動し、水平方向に移動し、蓋部11の下まで移動する。移動後、蓋装置100に付随する蓋装置用モーター12が作動し、蓋装置用モーター12の軸に配置された昇降部13の回転により蓋部11が降下することにより、蓋部の縁と保持部の上面の緩衝材が接触し密閉状態となる。基質試薬容器を保持部200へ搬送する前に、蓋装置用モーター12が作動し、蓋装置用モーター12の軸に配置された昇降部13の回転により蓋部11が上昇し基質試薬容器が開放状態となる。次に駆動モーター40が作動し、駆動モーターの軸に配置されたベルトプーリー41が回転することで、ベルト42も回転運動する。ベルトが回転運動することで、基質試薬容器が載置された保持部は連動し、水平方向に移動し、元の位置まで移動する。
【0030】
移送部30は、搬送部に載置された未開封の基質試薬容器21を保持して、保持部200に移動させ基質試薬容器を加温する。
【0031】
分注部33はピペットチップ26を装着して、分注撹拌部24に設置された反応試薬容器に入った必要量の標識試薬を吸引して固相試薬に吐出し、撹拌部29は反応溶液を撹拌して、固相試薬の抗体と結合していた測定対象物質と標識試薬との抗体抗原反応が開始され、分注部33は廃棄口27上に移動し、分注ノズル34に装着したピペットチップを廃棄する。
【0032】
移送部30は、反応が開始した反応試薬容器を保持して、再度測定ユニット400への搬送を行い、反応温度に加温された反応部の搬送ターンテーブル36の容器保持位置39へ容器出入口38を通して設置する。
【0033】
搬送ターンテーブル36に設置された反応試薬容器は搬送ターンテーブル上で反応に必要な時間インキュベートされた後、固相試薬と測定対象物質と標識試薬からなる結合物を作らなかった成分は、反応液とともに洗浄ノズルで吸引排除される。B/F洗浄ユニット37で洗浄液の吐出、固相の収集、吸引排除を繰り返した後、反応試薬容器は搬送ターンテーブル36で容器出入口38へ搬送され、移送部300で再度、分注撹拌部24に戻される。
【0034】
使用する基質試薬容器が未開封の場合、分注部33はピペットチップ26を装着して、基質試薬容器の密閉シールを最初に化学発光基質試薬、続いてエンハンサー試薬の順にピペットチップの先端で穿孔して開封し、分注部33は廃棄口27上に移動し、装着したピペットチップを廃棄する。
【0035】
分注部33はピペットチップ26を装着して、保持部200に設置された開封済みの基質試薬容器から必要量のエンハンサー試薬、化学発光基質試薬をこの順に吸引し、反応試薬容器の固相が入った収容部に全量を吐出し、分注撹拌部24は反応試薬容器を撹拌して、標識試薬の酵素反応が開始され、分注部33は廃棄口27上に移動し、装着したピペットチップを廃棄する。
【0036】
移送部30は、前記の酵素反応が開始された反応試薬容器を保持して、再々度測定ユニット400への搬送を行い、反応温度に加温された反応部の搬送ターンテーブル36の容器保持位置39へ容器出入口38を通して反応試薬容器を載置する。
【0037】
搬送ターンテーブル36に設置された反応試薬容器はテーブル上で必要な時間インキュベートされた後、測定ユニットに移動し、発光値が測定され記憶部に記憶される。測定された発光値から、解析部で測定対象物資の濃度が計算され、表示部に表示される。
【0038】
解析部による解析が完了した反応試薬容器は搬送ターンテーブル36で容器出入口38へ搬送され、移送部30により反応試薬容器を廃棄口27に廃棄する。
【0039】
反応試薬容器を廃棄口27へ廃棄前に、駆動モーター40が作動し、駆動モーターの軸に配置されたベルトプーリー41が回転することで、ベルト42も回転運動する。ベルトが回転運動すると基質試薬容器が載置された保持部は連動し、水平方向に移動し、蓋部11の下まで移動する。移動後、蓋装置100に付随する蓋装置用モーター12が作動し、蓋装置用モーター12の軸に配置されたガイドにより蓋部11が降下することにより、蓋部の縁と保持部の上面の緩衝材29が接触し密閉状態となる。
【0040】
反応試薬容器の廃棄中から試薬テーブルに載置された別の反応試薬容器が移送部30により分注撹拌部に移送し、反応試薬容器を分注撹拌部24に移送し、分注部33に備わるシールブレイカーで反応試薬容器の二箇所の試薬収容部のシール剤を穿孔して開封するまで基質試薬容器の密閉状態を保つ。
【0041】
反応試薬容器の開封後、蓋装置用モーター12が作動し、蓋装置用モーター12の軸に配置された昇降部13の回転により蓋部11の上昇し基質試薬容器が開放状態となる。次に駆動モーター40が作動し、駆動モーターの軸に配置されたベルトプーリー41が回転することで、ベルト42も回転運動する。ベルトが回転運動することで、基質試薬容器が載置された保持部は連動し、水平方向に移動し、元の位置まで移動する。
【0042】
なお、測定開始前に開封済み且つ使用中の基質試薬容器は測定開始時まで保持部200に載置され、蓋部11により密閉状態となっている。
【0043】
測定開始後、蓋部11の上昇により基質試薬容器が開放状態なり、次に駆動モーター40が作動し、駆動モーターの軸に配置されたベルトプーリー41が回転することで、ベルト42も回転運動する。ベルトが回転運動することで、基質試薬容器が載置された保持部は連動し、水平方向に移動し、元の位置まで移動する。