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特開2022-155719衝突回避装置、衝突回避方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155719
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】衝突回避装置、衝突回避方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221006BHJP
   E02F 9/24 20060101ALI20221006BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20221006BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20221006BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G08G1/16 C
E02F9/24 B
E02F9/26 A
B60Q1/50 Z
B60Q1/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059084
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中山 裕次郎
【テーマコード(参考)】
2D015
3K339
5H181
【Fターム(参考)】
2D015GA03
2D015GB06
2D015GB07
2D015HA03
3K339AA22
3K339AA31
3K339AA43
3K339BA09
3K339BA22
3K339BA26
3K339CA30
3K339EA02
3K339EA04
3K339FA04
3K339JA22
3K339MA02
3K339MA07
3K339MB05
3K339MB10
3K339MC01
3K339MC03
3K339MC35
3K339MC36
3K339MC48
3K339MC77
3K339MC81
5H181AA07
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF05
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL08
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】衝突回避機能を働かせながら、作業を中断させることなく、作業を円滑に進めることができる衝突回避装置、衝突回避方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】実施形態の衝突回避装置は、判定部及び制御部を含む。判定部は、車両が対象に接触することを検出した場合に、前記対象への接触を許容するか否かを判定する。制御部は、前記対象への接触を許容しない場合には、接触を回避する制御を実行し、前記対象への接触を許容する場合には、接触を回避する制御を実行しない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が対象に接触することを検出した場合に、前記対象への接触を許容するか否かを判定する判定部と、
前記対象への接触を許容しない場合には、接触を回避する制御を実行し、前記対象への接触を許容する場合には、接触を回避する制御を実行しない制御部と、を備える衝突回避装置。
【請求項2】
前記車両の作業対象である作業対象物の位置を記憶する記憶部をさらに備え、
前記判定部は、前記対象が作業対象である場合に前記対象への接触を許容すると判定する、請求項1に記載の衝突回避装置。
【請求項3】
周囲の物体の位置を計測する計測部と、
前記計測部による計測に基づき、前記周囲の物体の位置が、前記記憶部に記憶された前記作業対象物の位置と異なる場合、前記記憶部に記憶された前記作業対象物の位置を更新する更新部と、をさらに備える、請求項2に記載の衝突回避装置。
【請求項4】
前記記憶部は、作業を行う範囲を記憶し、
前記制御部は、前記車両が前記範囲外に向かうことを検出した場合に、前記車両が前記範囲外に向かうことを防止するための制御を実行する、請求項2又は請求項3に記載の衝突回避装置。
【請求項5】
前記記憶部に記憶されている内容に基づく作業内容を表示する表示部をさらに備える、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の衝突回避装置。
【請求項6】
前記表示部は、画像を投影するプロジェクターを含んで構成され、
前記プロジェクターは、作業を行う場所に前記作業内容を画像として投影する、請求項5に記載の衝突回避装置。
【請求項7】
2種類以上のセンサーで前記対象を検出する検出部をさらに備える、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の衝突回避装置。
【請求項8】
前記判定部は、レーダー及びLIDARの少なくともいずれかが出力する信号に基づいて、前記車両が前記対象に接触することを検出し、カメラが撮像した画像に基づいて、前記対象への接触を許容するか否かを判定する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の衝突回避装置。
【請求項9】
車両が対象に接触することを検出した場合に、前記対象への接触を許容するか否かを判定し、
前記対象への接触を許容しない場合には、接触を回避する制御を実行し、前記対象への接触を許容する場合には、接触を回避する制御を実行しない、衝突回避方法。
【請求項10】
衝突回避装置が備えるプロセッサーを、
車両が対象に接触することを検出した場合に、前記対象への接触を許容するか否かを判定する判定部と、
前記対象への接触を許容しない場合には、接触を回避する制御を実行し、前記対象への接触を許容する場合には、接触を回避する制御を実行しない制御部と、して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝突回避装置、衝突回避方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物への衝突を回避する機能が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、建設車両などは、作業対象物と接触しながら作業する場合がある。この場合において、衝突回避機能が働くと、作業が中断してしまい、作業を円滑に進めることが困難になる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/189013号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、衝突回避機能を働かせながら、作業を中断させることなく、作業を円滑に進めることができる衝突回避装置、衝突回避方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の衝突回避装置は、判定部及び制御部を含む。判定部は、車両が対象に接触することを検出した場合に、前記対象への接触を許容するか否かを判定する。制御部は、前記対象への接触を許容しない場合には、接触を回避する制御を実行し、前記対象への接触を許容する場合には、接触を回避する制御を実行しない。
【0006】
実施形態の衝突回避装置は、記憶部をさらに備えても良い。記憶部は、前記車両の作業対象である作業対象物の位置を記憶する。判定部は、前記対象が作業対象である場合に前記対象への接触を許容すると判定しても良い。
【0007】
実施形態の衝突回避装置は、計測部をさらに備えても良い。計測部は、周囲の物体の位置を計測する。制御部は、前記車両が前記範囲外に向かうことを検出した場合に、前記車両が前記範囲外に向かうことを防止するための制御を実行しても良い。
【0008】
記憶部は、作業を行う範囲を記憶しても良い。制御部は、前記車両が前記範囲外に向かうことを検出した場合に、前記車両が前記範囲外に向かうことを防止するための制御を実行しても良い。
【0009】
実施形態の衝突回避装置は、表示部をさらに備えても良い。表示部は、記憶部に記憶されている内容に基づく作業内容を表示する。
【0010】
表示部は、画像を投影するプロジェクターを含んで構成されても良い。前記プロジェクターは、作業を行う場所に前記作業内容を画像として投影する。
【0011】
実施形態の衝突回避装置は、検出部をさらに備えても良い。検出部は、2種類以上のセンサーで前記対象を検出する。
【0012】
判定部は、レーダー又はLIDARが出力する信号に基づいて、車両が対象に接触するか否かを検出し、カメラが撮像した画像に基づいて、前記対象への接触を許容するか否かを判定しても良い。
【0013】
実施形態の衝突回避方法は、車両が対象に接触することを検出した場合に、前記対象への接触を許容するか否かを判定する。実施形態の衝突回避方法は、前記対象への接触を許容しない場合には、接触を回避する制御を実行し、前記対象への接触を許容する場合には、接触を回避する制御を実行しない。
【0014】
実施形態のプログラムは、衝突回避装置が備えるプロセッサーを、判定部及び制御部として機能させる。判定部は、車両が対象に接触することを検出した場合に、前記対象への接触を許容するか否かを判定する。制御部は、前記対象への接触を許容しない場合には、接触を回避する制御を実行し、前記対象への接触を許容する場合には、接触を回避する制御を実行しない。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、衝突回避機能を働かせながら、作業を中断させることなく、作業を円滑に進めることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る衝突回避システム及び当該衝突回避システムに含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図。
図2図1中の衝突回避センサーの配置及び検知範囲の一例を示す図。
図3図1中の車両の制御部のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図4図1中の車両の制御部のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図5】プロジェクターが道路に画像を投影している様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態に係る衝突回避システムについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
【0018】
図1は、実施形態に係る衝突回避システム1及び衝突回避システム1に含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図である。衝突回避システム1は、一例として、車両100及びサーバー装置200を含む。なお、図1には車両100及びサーバー装置200をそれぞれ1台ずつ示すが、車両100及びサーバー装置200のそれぞれの台数は2台以上であっても良い。
車両100及びサーバー装置200は、ネットワークNWに接続する。ネットワークNWは、例えば、インターネットを含む通信網である。ネットワークNWは、例えば、WAN(wide area network)を含む通信網である。ネットワークNWは、例えば、イントラネットなどのプライベートネットワークを含む通信網である。ネットワークNWは、例えば、LAN(local area network)を含む通信網である。また、ネットワークNWは、無線回線でも良いし有線回線でも良く、無線回線と有線回線とが混在していても良い。また、ネットワークNWは、専用線などを含んでも良い。
【0019】
車両100は、例えば、クレーン車(移動式クレーン)、ショベルカー、ブルドーザー又はダンプカーなどの建設車両などである。車両100は、一例として、制御部110、駆動部120、可動部130、衝突回避センサー140、マッピングセンサー150、GNSS(global navigation satellite system)アンテナ160、表示デバイス170、入力デバイス180及びスピーカー190を含む。なお、車両100は、衝突回避装置の一例である。
【0020】
制御部110は、車両100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターである。制御部110は、例えば、ECU(electronic control unit)などを含む。制御部110は、一例として、プロセッサー111、ROM(read-only memory)112、RAM(random-access memory)113、補助記憶装置114及び通信インターフェース115を含む。そして、バス116などが、これら各部を接続する。なお、制御部110は、衝突回避装置の一例である。
【0021】
プロセッサー111は、制御部110の中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー111は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー111は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー111は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー111は、ROM112又は補助記憶装置114などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、車両100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー111は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー111の回路内に組み込まれていても良い。
【0022】
ROM112及びRAM113は、制御部110の主記憶装置である。
ROM112は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM112は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM112は、プロセッサー111が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM113は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM113は、プロセッサー111が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM113は、典型的には揮発性メモリである。
【0023】
補助記憶装置114は、制御部110の補助記憶装置である。補助記憶装置114は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置114は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置114は、プロセッサー111が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー111での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0024】
また、補助記憶装置114は、例えばサーバー装置200などからダウンロードされる作業情報を記憶する。補助記憶装置114は、例えば、作業現場ID(identifier)などと関連付けて、当該作業現場IDによって特定される作業現場についての作業情報を記憶する。作業現場IDは、作業現場ごとにユニークに付与される識別情報である。
【0025】
作業情報は、例えば、以下のような情報を含む。
・作業に係る設計図及び仕様図などの情報。
・作業の計画、工程及び予定などを示す情報。
・作業に用いられる資材及び工具などが置かれている位置及び置かれる予定の位置並びに当該資材及び工具などの大きさ及び外見的特徴などを示す情報。
・作業に用いられる機械の設置されている位置及び設置予定位置並びに当該機械の大きさ及び外見的特徴などを示す情報。
・作業を行う位置及び当該位置で行う作業内容を示す情報。
・現在の作業進行状況を示す情報。
・作業完了時の状態を示す情報。
・作業対象の工作物及び建物などの建築物の位置、現在の状態及び外見的特徴などを示す情報。
・作業現場の位置及び範囲を示す位置情報。
・作業現場の地形を示す情報。
・作業現場周辺の各種情報。
・作業現場及び作業現場周辺の地図情報。
【0026】
なお、作業情報に含まれる情報のうち、資材、工具、機械及び建築部などの各物体の位置を示す情報及び地図情報を作業地図情報というものとする。作業情報の一部は、例えば、作業の設計者及び管理者などによって作成される。
なお、補助記憶装置114は、記憶部の一例である。
【0027】
通信インターフェース115は、車両100がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。
【0028】
バス116は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、制御部110の各部で授受される信号を伝送する。
【0029】
駆動部120は、車両100を走行させたり、車両100の各部を駆動させたりする部分である。駆動部120は、例えば、エンジン、電動機、ギヤ、シャフト、車輪、無限軌道、制動装置、クラッチ及びステアリングなどである。車両100の種類などによって、車両100が備える駆動部120は異なる。
【0030】
可動部130は、車輪又は無限軌道などを備えたシャーシに対して可動な部分である。例えば、車両100が旋回台を備える場合の可動部130は、旋回台及び旋回台とともに回転する部分である。旋回台とともに回転する部分は、例えば、ブーム及びアーム、並びにブーム又はアームの先のバケット、フック及びドリルなどである。車両100が旋回台を備えない場合の可動部130は、例えば、ブーム、アーム、バケット、フック、リッパー、及びダンプカーの荷台などである。ただし、車両100の種類によっては可動部130を備えない。
【0031】
衝突回避センサー140は、車両100と物体との衝突回避に用いられるセンサーである。衝突回避センサー140は、例えば、図2に示すように車両100の周囲をセンシング可能なように配置される。図2は、衝突回避センサー140の配置及び検知範囲の一例を示す図である。図2では、一例として、車両100が4つの衝突回避センサー140を備える。範囲AR1は、衝突回避センサー140が物体を検知可能な範囲を示す。衝突回避センサー140は、例えば、カメラ、レーダー及びLIDAR(light detection and ranging)などの少なくともいずれかである。カメラは、車両100の周囲などの静止画又は動画などの画像を撮影(撮像)する。カメラは、ステレオカメラ又は深度センサー付きのカメラなどの、深度情報を計測可能なカメラであっても良い。レーダー及びLIDARは、車両100の周囲にある物体の距離、方向及び速度などを計測する。衝突回避センサー140は、センシング結果などを示す情報を出力する。なお、衝突回避センサー140は、検出部の一例である。
【0032】
マッピングセンサー150は、車両100の周囲のマッピングに用いられるセンサーである。マッピングセンサー150は、例えば、カメラ、レーダー及びLIDARなどの少なくともいずれかである。なお、衝突回避センサー140とマッピングセンサー150は、一部又は全部が共通のセンサーであっても良い。マッピングセンサー150は、例えば、車両100の周囲をセンシング可能なように配置される。マッピングセンサー150は、センシング結果などを示す情報を出力する。なお、マッピングセンサー150は、計測部の一例である。
【0033】
GNSSアンテナ160は、GNSS信号などを受信する。GNSS信号は、GPS(Global Positioning System)又は準天頂衛星システムなどのGNSSを構成する航法衛星などから送信される。プロセッサー111は、GNSS信号を用いて車両100の位置を求めることで、車両100の位置情報を取得する。なお、プロセッサー111は、補助GPSなどを用いて車両100の位置求めても良い。また、プロセッサー111は、GNSSを用いる以外の方法で車両100の位置を求めても良い。
【0034】
表示デバイス170は、車両100の操作者に各種情報を通知するための画像を表示する。なお、画像は、文字などを含んでも良い。表示デバイス170は、例えば、ディスプレイ及びプロジェクターの少なくともいずれかである。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどである。ディスプレイは、HUD(head-up display)又はHMD(head-mounted display)などであっても良い。なお、表示デバイス170は、表示部の一例である。
【0035】
入力デバイス180は、車両100の操作者による操作を受け付ける。入力デバイス180は、例えば、キーボード、キーパッド、タッチパッド又はコントローラーなどである。また、表示デバイス170及び入力デバイス180としては、タッチパネルを用いることもできる。この場合、タッチパネルが備える表示パネルは、表示デバイス170として機能する。そして、タッチパネルが備える、タッチ入力によるポインティングデバイスは、入力デバイス180として機能する。
【0036】
スピーカー190は、入力される音声信号を音波として出力する。
【0037】
サーバー装置200は、車両100に最新の作業情報を配信する。また、サーバー装置200は、車両100から送信される情報に基づき作業情報を更新する。サーバー装置200は、一例として、プロセッサー201、ROM202、RAM203、補助記憶装置204及び通信インターフェース205を含む。そして、バス206などが、これら各部を接続する。
【0038】
プロセッサー201は、サーバー装置200の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理を行う。プロセッサー201は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー201は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー201は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー201は、ROM202又は補助記憶装置204などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、サーバー装置200の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー201は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー201の回路内に組み込まれていても良い。
【0039】
ROM202及びRAM203は、プロセッサー201を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM202は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM202は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM202は、プロセッサー201が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM203は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM203は、プロセッサー201が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM203は、典型的には揮発性メモリである。
【0040】
補助記憶装置204は、プロセッサー201を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置204は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置204は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置204は、プロセッサー201が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー201での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
また、補助記憶装置204は、各作業情報の最新版などを記憶する。補助記憶装置204は、例えば、各作業情報について、作業現場を特定する作業現場IDと関連付けて記憶する。
【0041】
通信インターフェース205は、サーバー装置200がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。
【0042】
バス206は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、サーバー装置200の各部で授受される信号を伝送する。
【0043】
以下、実施形態に係る衝突回避システム1の動作を図3及び図4などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図3及び図4は、車両100の制御部110のプロセッサー111による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー111は、例えば、ROM112又は補助記憶装置114などに記憶されたプログラムに基づいて図3及び図4の処理を実行する
プロセッサー111は、例えば、車両100の起動などにともない図3及び図4に示す処理を開始する。なお、プロセッサー111は、図3の処理と図4の処理を別プロセス、別スレッド又は別タスクで実行するなどして、図3の処理と図4の処理を並列で処理する。
【0044】
図3のステップST11において車両100のプロセッサー111は、車両100の周囲のマッピングを開始するか否かを判定する。プロセッサー111は、例えば、計測開始情報の入力があった場合にマッピングを開始すると判定する。計測開始情報は、例えば、入力デバイス180に対する入力、又は他の装置から入力されるコマンドなどに基づく。計測開始情報は、マッピングを開始するようにプロセッサー111に指示する情報である。また、計測開始情報は、マッピングの対象である作業現場を示す作業現場IDを含む。なお、プロセッサー111は、車両100の位置情報から、作業現場IDを特定しても良い。作業現場IDに関連付けられた作業情報には、作業現場の位置情報が含まれている。プロセッサー111は、車両100の位置情報と、作業現場の位置情報が同じ場所を示す場合に、当該作業現場についての作業現場IDを取得する。プロセッサー111は、マッピングを開始しないならば、ステップST11においてNoと判定してステップST11の処理を繰り返す。対して、プロセッサー111は、マッピングを開始するならば、ステップST11においてYesと判定してステップST12へと進む。
【0045】
ステップST12においてプロセッサー111は、補助記憶装置114から、計測開始情報に含まれる作業現場IDに関連付けられた作業情報(以下「対象作業情報」という)を読み込む。なお、プロセッサー111は、対象作業情報が補助記憶装置114に記憶されていない場合、作業情報を読み込まずにステップST12の処理を終了する。
【0046】
ステップST13においてプロセッサー111は、対象作業情報の更新を確認する。プロセッサー111は、例えば、ステップST12で読み込んだ対象作業情報が最新の対象作業情報であるか確認する。例えば、プロセッサー111は、サーバー装置200に問い合わせることで、対象作業情報が最新であるか確認する。
【0047】
ステップST14においてプロセッサー111は、対象作業情報を更新するか否かを判定する。プロセッサー111は、例えば、ステップST13で読み込んだ対象作業情報が最新でない場合、対象作業情報を更新すると判定する。また、プロセッサー111は、ステップST12で作業情報を読み込んでいない場合、対象作業情報を更新すると判定する。プロセッサー111は、対象作業情報を更新するならば、ステップST14においてYesと判定してステップST15へと進む。
【0048】
ステップST15においてプロセッサー111は、例えば、サーバー装置200から、対象作業情報の最新版を取得する。そして、プロセッサー111は、例えば、サーバー装置200から取得した最新版の対象作業情報で、補助記憶装置114に記憶された対象作業情報を上書きするなどして対象作業情報を更新する。あるいは、プロセッサー111は、補助記憶装置114に記憶されている対象作業情報と最新の対象作業情報との差分だけをサーバー装置200から取得して、当該差分を補助記憶装置114に記憶された対象作業情報に適用することで対象作業情報を更新する。
【0049】
対して、プロセッサー111は、対象作業情報を更新しないならば、ステップST14においてNoと判定してステップST16へと進む。また、プロセッサー111は、ステップST15の処理の後、ステップST16へと進む。
【0050】
ステップST16においてプロセッサー111は、GNSSアンテナ160などを用いて車両100の位置情報を取得する。
【0051】
ステップST17においてプロセッサー111は、マッピングセンサー150が出力する情報を用いて車両100の現在位置の周囲をマッピングする。なお、プロセッサー111は、例えば、公知の方法を用いて車両100の周囲をマッピングする。例えば、プロセッサー111は、レーダー及びLIDARの少なくともいずれかを用いて車両100の周囲の点群データを得る。例えば、プロセッサー111は、カメラで撮影された画像に映っている対象それぞれまでの距離を計測する。
【0052】
ステップST18においてプロセッサー111は、対象作業情報に含まれる作業地図(以下「対象作業地図」という。)を更新するか否かを判定する。プロセッサー111は、更新の判定を例えば次のように行う。
【0053】
プロセッサー111は、例えば、ステップST17のマッピングの結果と対象作業地図とで異なる部分を検出した場合に、対象作業地図を更新すると判定する。例えば、対象作業地図にはあるがマッピング結果には無い物体がある部分、及び対象作業地図には無いがマッピング結果にはある物体がある部分が、マッピングの結果と対象作業地図とで異なる部分である。なお、対象作業地図は、時刻によって物体の有無及び位置が変わる場合がある。例えば、所定の時間の間だけ資材が所定の位置に置かれる予定である場合などにおいては、当該間だけ当該所定の位置に当該資材があることが対象作業地図には記憶されている。プロセッサー111は、このような時間変化も考慮してマッピングの結果と対象作業地図とで異なる部分を検出する。なお、プロセッサー111は、対象作業地図には無いがマッピング結果にはある物体が、人間などの動物である場合又は車両などの移動中の物体である場合には、当該物体を、マッピングの結果と対象作業地図とで異なる部分とはみなさないようにしても良い。プロセッサー111は、マッピング結果中の物体が人間であることを、例えば、カメラで撮影された画像を用いて画像認識することによって特定する。また、プロセッサー111は、マッピング結果中の物体が移動中の物体であることを、例えば、LIDAR又はレーダーなどによって速度を計測することで特定する。
【0054】
なお、プロセッサー111は、対象作業地図では所定の位置には第1の物体があるのに対し、マッピングの結果では当該所定の位置に第1の物体とは異なる第2の物体がある場合、当該第2の物体をマッピングの結果と対象作業地図とで異なる部分とみなしても良い。なお、プロセッサー111は、例えば、カメラで撮影された画像を用いて画像認識することで、第1の物体と第2の物体が異なる物体であることを特定する。プロセッサー111は、例えば、LIDAR又はレーダーなどによって計測した第2の物体の形状を第1の物体と比べることで、第1の物体と第2の物体が異なる物体であることを特定する。プロセッサー111は、例えば、第1の物体の特徴量と第2の物体の特徴量を比較することで、第1の物体と第2の物体が異なる物体であることを特定する。一例として、第1の物体が鉄骨で第2の物体が廃材である場合のように第1の物体と第2の物体が異なる種類の物体である場合、第1の物体と第2の物体は異なる物体である。一例として、第1の物体が10メートルの鉄骨で第2の物体が3メートルの鉄骨である場合のように第1の物体と第2の物体が異なるサイズである場合、第1の物体と第2の物体は異なる物体である。
【0055】
また、プロセッサー111は、対象作業地図にある物体とマッピング結果にある物体の位置が異なっており、当該2つの物体が同じ物体である場合、当該物体を、マッピングの結果と対象作業地図とで異なる部分であるとみなしても良い。なお、プロセッサー111は、当該2つの物体が同じ物体であるか否かを、例えば、カメラで撮影された画像を用いた画像認識によって判定する。
【0056】
プロセッサー111は、対象作業地図を更新するならば、ステップST18においてYesと判定してステップST19へと進む。
【0057】
ステップST19においてプロセッサー111は、ステップST17のマッピングの結果と対象作業地図とで異なる部分に基づき、対象作業地図を更新する。プロセッサー111は、例えば、対象作業地図にはあるがマッピング結果には無い物体がある場合、当該物体を対象作業地図から削除する。プロセッサー111は、例えば、対象作業地図には無いがマッピング結果にはある物体を、対象作業地図に追加する。なお、前述の場合と同様に、プロセッサー111は、人間などの動物及び移動中の物体は対象作業地図に追加する対象とはしない。また、プロセッサー111は、対象作業地図に物体を追加する場合、例えば、当該物体を、当該物体の位置、サイズ及び外見の特徴量などを関連付けて対象作業情報に記憶する。
また、プロセッサー111は、第1の物体と第2の物体が異なる物体である場合、第1の物体を対象作業地図から削除して第2の物体を対象作業地図に追加する。
また、プロセッサー111は、対象作業地図にある物体とマッピング結果にある物体の位置が異なっており、当該2つの物体が同じ物体である場合、作業対象地図の当該物体の位置をマッピング結果が示す位置に変更する。
【0058】
また、プロセッサー111は、更新情報をサーバー装置200に送信する。更新情報は、対象作業地図の更新内容を示す情報と、対象作業情報の作業現場IDを含む。
サーバー装置200のプロセッサー201は、更新情報に含まれる更新内容に基づき、補助記憶装置204に記憶された、更新情報に含まれる作業現場IDに関連付けられた作業情報を更新する。すなわち、プロセッサー201は、当該作業情報の内容を、更新情報に含まれる更新内容に基づき書き換える。これにより、補助記憶装置204に記憶された作業情報の最新版が更新される。更新された最新版の作業情報は、各車両100に送信される。
【0059】
以上より、プロセッサー111は、ステップST19の処理を行うことで、対象作業地図にある物体の位置を更新する更新部の一例として機能する。
【0060】
対して、プロセッサー111は、作業地図を更新しないならば、ステップST18においてNoと判定してステップST20へと進む。また、プロセッサー11は、ステップST19の処理の後、ステップST20へと進む。
【0061】
ステップST20においてプロセッサー111は、車両100の周囲のマッピングを終了するか否かを判定する。プロセッサー111は、例えば、マッピングを終了するようにプロセッサー111に指示する情報の入力があった場合に、マッピングを終了すると判定する。当該入力は、例えば、入力デバイス180に対する入力、又は他の装置から入力されるコマンドなどに基づく。プロセッサー111は、マッピングを終了しないならば、ステップST20においてNoと判定してステップST13へと戻る。
このように、プロセッサー111は、マッピングを終了する指示があるまで、ステップST13~ステップST20を繰り返す。この際、車両100が作業現場内を走行することで、作業地図のうち、車両100が通行した周囲を示す部分が更新されていく。
【0062】
対して、プロセッサー111は、マッピングを終了するならば、ステップST20においてYesと判定してステップST11へと戻る。
【0063】
一方、図4のステップST31において車両100のプロセッサー111は、車両100を用いた作業現場での作業の開始を示す通知を受けるのを待ち受ける。プロセッサー111は、例えば、作業開始情報の入力があった場合に作業の開始を示す通知を受けたと判定する。作業開始情報は、例えば、入力デバイス180に対する入力、又は他の装置から入力されるコマンドなどに基づく。作業開始情報は、車両100を用いた作業が開始されることをプロセッサー111に通知する情報である。また、作業開始情報は、作業の対象である作業現場を示す作業現場IDを含む。なお、プロセッサー111は、車両100の位置情報から、作業現場IDを特定しても良い。作業現場IDに関連付けられた作業情報には、作業現場の位置情報が含まれている。プロセッサー111は、車両100の位置情報と、作業現場の位置情報が同じ場所を示す場合に、当該作業現場についての作業現場IDを取得する。なお、作業開始情報に含まれる作業現場IDに関連付けられた作業情報は、対象作業情報である。また、計測開始情報と作業開始情報は、同じ情報であっても良い。プロセッサー111は、車両100が作業現場での作業を開始することを示す通知を受けたならば、ステップST31においてYesと判定してステップST32へと進む。
【0064】
ステップST32においてプロセッサー111は、衝突回避センサー140が出力する情報を用いて、車両100と接触しそうな物体(以下「検知対象」という。)の検出を開始する。なお、プロセッサー111は、車両100の走行によって車両100と接触しそうになっている物体だけでなく、可動部130が動作することによって車両100と接触しそうになっている物体を検出しても良い。
プロセッサー111は、例えば、各衝突回避センサー140のうちのいずれかが接触可能性範囲AR2内に物体を検知したならば、検知対象を検出したと判定する。接触可能性範囲AR2は、例えば、検知範囲AR1に含まれる範囲である。接触可能性範囲AR2は、例えば、検知範囲AR1のうち、衝突回避センサー140からの距離が所定の距離内である範囲である。当該所定の距離は、例えば、車両100の設計者などによって予め定められる。なお、接触可能性範囲AR2は、車両100の速度などの様々な要因によって変化する範囲であっても良い。また、各衝突回避センサー140は、接触可能性範囲AR2の大きさや形状が他の衝突回避センサー140と異なっていても良い。
【0065】
ステップST33においてプロセッサー111は、検知対象を検出したか否かを判定する。プロセッサー111は、プロセッサー111は、検知対象を検出していないならば、ステップST33においてNoと判定してステップST34へと進む。
【0066】
ステップST34においてプロセッサー111は、対象作業情報に記憶されている、作業現場において作業を行う範囲(以下「作業範囲」という。)の外に車両100が向かうことを検出したか否かを判定する。作業範囲は、例えば、作業現場の全範囲であっても良いし、作業現場のうちの車両100が作業を行う範囲であっても良い。プロセッサー111は、例えば、車両100が作業範囲から出そうであること又は出たことを検出した場合、車両100が作業範囲の外に向かうと検出する。プロセッサー111は、例えば、可動部130が動くことで可動部130の少なくとも一部が作業範囲の外に向かっている場合に、車両100が作業範囲の外に向かっていると検出する。また、プロセッサー111は、例えば、車両100が走行することで車両100が作業範囲の外に向かっていることを検出する。プロセッサー111は、例えば、可動部130の位置及び速度並びに車両100の位置及び速度の少なくともいずれかから、車両100が作業範囲の外に向かうことを検出する。例えば、プロセッサー111は、可動部130の位置又は車両100の位置が、作業範囲の境界から所定の距離以内である場合に、作業範囲から車両100が作業範囲の外に向かうっていると検出する。当該所定の距離は、例えば、車両100の設計者などによって予め定められる。プロセッサー111は、車両100が作業範囲の外に向かうことを検出したならば、ステップST34においてNoと判定してステップST35へと進む。
【0067】
ステップST35においてプロセッサー111は、表示デバイス170に表示した作業画像を更新するか否かを判定する。プロセッサー111は、作業画像を更新しないならば、ステップST35においてNoと判定してステップST36へと進む。作業画像については後述する。
【0068】
ステップST36においてプロセッサー111は、車両100を用いた作業現場での作業の終了を示す通知を受けたか否かを判定する。プロセッサー111は、作業終了の通知を受けていないならば、ステップST36においてNoと判定してステップST33へと戻る。かくして、プロセッサー111は、検知対象を検出するか、車両100が作業範囲の外に向かうことを検出するか、作業画像を更新すると判定するか、作業の終了を示す通知を受けるまでステップST33~ステップST36を繰り返す待受状態となる。
【0069】
プロセッサー111は、ステップST33~ステップST36の待受状態にあるときに検知対象を検出したならば、ステップST33においてYesと判定してステップST37へと進む。
ステップST37においてプロセッサー111は、車両100と検知対象との接触を許容するか否かを判定する。
例えば、車両100は、作業を行う対象物を、作業として運搬する場合、当該対象物と接触する。例えば、車両100は、作業を行う対象物を、作業として解体する場合、当該対象物と接触する。例えば、車両100は、作業を行う対象物に、作業として掘削などを行う場合、当該対象物と接触する。したがって、プロセッサー111は、例えば、検知対象が、車両100が作業を行う作業対象物である場合に接触を許容すると判定する。プロセッサー111は、例えば、対象作業情報を用いて検知対象が作業対象物であるか否かを判定する。プロセッサー111は、例えば、検知対象の位置が、作業対象地図において作業対象物の位置として記憶されている場合に、検知対象が作業対象物であるとみなす。また、プロセッサー111は、カメラによって撮影された、検知対象が映っている画像を用いて画像認識することで、検知対象の種類を特定しても良い。そして、プロセッサー111は、当該検知対象の種類又は大きさが、作業対象地図において作業対象物として記憶されている物体とは異なる場合、当該検知対象は、作業対象物ではないとみなす。
ただし、プロセッサー111は、検知対象が作業対象物である場合であっても車両100が検知対象と接触する位置によっては、車両100と検知対象との接触を許容しないと判定する。例えば、プロセッサー111は、車両100の後部など、車両100のうち作業と関係ない位置と検知対象が接触する場合、車両100と検知対象との接触を許容しないと判定する。また、プロセッサー111は、例えば、車両100がクレーン車又はショベルカーなどである場合、車両100のバケット又はフックなどの、物体と接触することで機能を発揮する部分以外の部分と検知対象が接触する場合、車両100と検知対象との接触を許容しないと判定しても良い。例えば、バケットは、物体を内部に入れる場合に物体と接触する。例えば、フックは、物体を吊り上げる場合に物体と接触する。例えば、ドリルは、物体を掘削等するために物体と接触する。
【0070】
プロセッサー111は、車両100と検知対象との接触を許容する判定する場合、ステップST37においてYesと判定してステップST33へと戻る。対して、プロセッサー111は、車両100と検知対象との接触を許容しないと判定するならば、ステップST37においてNoと判定してステップST38へと進む。
以上より、プロセッサー111は、ステップST32、ステップST33及びステップST37の処理を行うことで、車両100が検知対象に接触することを検出した場合に、当該検知対象への接触を許容するか否かを判定する判定部の一例として機能する。
【0071】
ステップST38においてプロセッサー111は、車両100と検知対象との接触を回避する(防ぐ)制御を行う。これにより、プロセッサー111は、衝突を回避する。例えば、プロセッサー111は、ブレーキをかけて車両100の速度を減速させることで、衝突を回避する。例えば、プロセッサー111は、ステアリングを操作して車両100の進行方向を変更することで、衝突を回避する。例えば、プロセッサー111は、可動部130の動作を停止させることで、衝突を回避する。例えば、プロセッサー111は、可動部130を現在移動している方向とは他の方向に移動させることで衝突を回避する。また、プロセッサー111は、衝突しそうであることを車両100の運転手などに報知することで、衝突を回避しても良い。例えば、プロセッサー111は、衝突しそうであることを示す画像などを表示デバイス170に表示させることで運転手などに報知することで、衝突を回避する。例えば、プロセッサー111は、衝突しそうであることを示す音声などをスピーカー190から出力させることで運転手などに報知することで、衝突を回避する。その他、プロセッサー111は、公知の方法を用いて衝突を回避しても良い。プロセッサー111は、ステップST38の処理の後、ステップST33へと戻る。
以上より、プロセッサー111は、ステップST37及びステップST38の処理を行うことで、検知対象への接触を許容しない場合には接触を回避するための制御を実行し、許容する場合には接触を回避する制御を実行しない制御部の一例として機能する。
【0072】
また、プロセッサー111は、ステップST33~ステップST36の待受状態にあるときに車両100が出ること又は出たことを検出したならば、ステップST34においてYesと判定してステップST39へと進む。
ステップST39においてプロセッサー111は、車両100が作業範囲の外に向かうことを回避するための制御を行う。例えば、プロセッサー111は、可動部130の動作を停止させることで、可動部130が作業範囲の外に向かうことを回避する。例えば、プロセッサー111は、可動部130を現在移動している方向とは他の方向に移動させることで可動部130が作業範囲の外に向かうことを回避する。例えば、プロセッサー111は、ブレーキをかけることで、車両100が作業範囲の外に向かうことを回避する。また、プロセッサー111は、車両100が作業範囲の外に向かっていることを車両100の運転手などに報知することで、作業範囲の外に向かうことを回避しても良い。例えば、プロセッサー111は、車両100が作業範囲の外に向かっていること示す画像などを表示デバイス170に表示させることで運転手などに報知する。例えば、プロセッサー111は、車両100が作業範囲の外に向かっていることを示す音声などをスピーカー190から出力させることで運転手などに報知する。プロセッサー111は、ステップST39の処理の後、ステップST33へと戻る。
【0073】
作業画像について説明する。作業画像は、例えば、車両100の運転手などに対して、作業の内容を報知するための画像である。作業画像は、例えば、現在行っている作業内容及び次に行う作業内容を示す。プロセッサー111は、対象作業情報を用いて作業画像を生成する。
【0074】
プロセッサー111は、プロジェクターである表示デバイス170を用いて、車両100の周囲の地面及び物体などに作業画像を投影しても良い。図5には、一例として、プロジェクター171が道路Rに画像IMを投影している様子を示している。なお、プロジェクター171は、表示デバイス170に含まれる。プロセッサー111は、例えば、作業対象の資材などの物体がどの物体であるか分かるように当該物体又は当該物体の周りに作業画像を投影する。プロセッサー111は、例えば、次にどこに向かえばいいか分かるように矢印などを作業画像として地面などに投影する。
また、プロセッサー111は、HUD又はHMDである表示デバイス170を用いて、AR(augmented reality)により作業画像を表示しても良い。例えば、プロセッサー111は、作業対象の資材などの物体がどの物体であるか分かるように、当該物体を強調するような作業画像を表示する。例えば、プロセッサー111は、例えば、次にどこに向かえばいいか分かるように、空中に浮いているように見える矢印又は地面などに書かれたように見える矢印などを作業画像として表示する。
【0075】
プロセッサー111は、車両100による作業が進行して次の作業を行う場合などにおいて、作業画像を更新すると判定する。プロセッサー111は、ステップST33~ステップST36の待受状態にあるときに作業画像を更新すると判定するならば、ステップST35においてYesと判定してステップST40へと進む。
【0076】
ステップST40においてプロセッサー111は、対象作業情報に基づき、作業画像の内容を更新して、表示デバイス170の表示内容を変更する。プロセッサー111は、ステップST40の処理の後、ステップST33へと戻る。
【0077】
また、プロセッサー111は、ステップST33~ステップST36の待受状態にあるときに作業の終了を示す通知を受けたならば、ステップST36においてYesと判定してステップST41へと進む。
【0078】
ステップST41においてプロセッサー111は、ステップST32で開始した検出を終了する。プロセッサー111は、ステップST41の処理の後、ステップST31へと戻る。
【0079】
実施形態の車両100は、車両100が物体と接触することを検出した場合に、当該物体が車両100と接触することを許容する場合には衝突回避を行わず、接触を許容しない場合には衝突回避を行う。これにより、実施形態の車両100は、衝突回避が工事などの作業の妨げになることを防ぐことができる。
【0080】
また、実施形態の車両100は、検知対象が作業対象物である場合に、接触して良いと判定する。これにより、実施形態の車両100は、検知対象が接触して良い物体であるか否かを適切に判定することができる。
【0081】
また、実施形態の車両100は、マッピングの結果と対象作業地図とで異なる部分がある場合、対象作業地図を、マッピングの結果と同じになるように更新する。これにより、作業地図が、作業現場の最新の状態を示すものとなる。
【0082】
また、実施形態の車両100は、車両100が作業範囲の外に向かっている場合に、車両100が当該範囲から出ること又はこれ以上出ることを防ぐ。これにより、実施形態の車両100が、意図せず作業現場から離れてしまうことがなくなる。
【0083】
また、実施形態の車両100は、作業の内容を示す作業画像を表示する。これにより、車両100の運転手などは、作業内容を把握しやすい。
【0084】
また、実施形態の車両100は、プロジェクターによって車両100の外に作業画像を表示する。これにより、車両100の運転手は、作業内容を把握しやすい。また、車両100の外にいる作業員なども、作業内容を把握しやすい。
【0085】
また、実施形態の車両100は、2種類以上のセンサーで検知対象を検出する。これにより、検出の精度が向上する。また、実施形態の車両100は、LIDAR又はレーダーと、カメラとを組み合わせることで、特に検出の精度が向上する。
【0086】
上記の実施形態は、以下のような変形も可能である。
実施形態の衝突回避装置は、建設車両以外の車両に適用することもできる。
【0087】
プロセッサー111及びプロセッサー201は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0088】
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLANなどのネットワークを介したダウンロードにより実現できる。
【0089】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 衝突回避システム
100 車両
110 制御部
111,201 プロセッサー
112,202 ROM
113,203 RAM
114,204 補助記憶装置
115,205 通信インターフェース
116,206 バス
120 駆動部
130 可動部
140 衝突回避センサー
150 マッピングセンサー
160 GNSSアンテナ
170 表示デバイス
180 入力デバイス
190 スピーカー
200 サーバー装置
図1
図2
図3
図4
図5