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  • 特開-通信用電線及びワイヤハーネス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155824
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】通信用電線及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01B 11/02 20060101AFI20221006BHJP
   H01B 11/00 20060101ALI20221006BHJP
   H01B 7/04 20060101ALI20221006BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H01B11/02
H01B11/00 B
H01B7/04
H01B7/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059239
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岩 徹也
【テーマコード(参考)】
5G309
5G311
5G319
【Fターム(参考)】
5G309AA11
5G311AA04
5G311AB05
5G311AC02
5G311AD03
5G319DA07
5G319DB04
5G319DC01
(57)【要約】
【課題】コネクタハウジングへの挿入を容易にできる通信用電線及びワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】通信用電線1Aは、2本の絶縁電線11A、11Bを対撚りした対撚り線2と、前記対撚り線2の外周を覆う樹脂で形成された中空のシース12Aと、を有し、前記対撚り線2において前記シース12Aから露出して撚りを解かれた部分の長さが10mmの場合、当該部分の先端を鉛直な平板に垂直に押し当てて前記平板の方向に荷重し、当該部分が座屈した時の荷重が8.5N以上である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の絶縁電線を対撚りした対撚り線と、
前記対撚り線の外周を覆う樹脂で形成された中空のシースと、
を有し、
前記対撚り線において前記シースから露出して撚りを解かれた部分の長さが10mmの場合、
当該部分の先端を鉛直な平板に垂直に押し当てて前記平板の方向に荷重し、当該部分が座屈した時の荷重が8.5N以上である
通信用電線。
【請求項2】
前記部分の長さが15mmの場合、前記部分が座屈した時の荷重が5N以上であり、
前記部分の長さが20mmの場合、前記部分が座屈した時の荷重が3.5N以上である
請求項1に記載の通信用電線。
【請求項3】
前記シースと前記絶縁電線の密着力は、JASO D 625に規定される密着力試験で4N以上である
請求項1又は請求項2に記載の通信用電線。
【請求項4】
前記絶縁電線は、銅合金で形成された導体と、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂で形成された被覆とを有する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の通信用電線。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の通信用電線を含み、自動車に配索されるワイヤハーネス。
【請求項6】
含まれる前記通信用電線の数が2本以上である請求項5に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信用電線及びワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタハウジングへの端子挿入時に電線が座屈するのを防ぐ発明として、例えば、特許文献1、2に開示された絶縁電線がある。特許文献1に開示された絶縁電線は、曲げ弾性率を2.0GPa超とすることにより電線を座屈しにくいものとしている。特許文献2に開示された絶縁電線は、被覆の材料がポリ塩化ビニルを含有するものであり、ポリ塩化ビニル100質量部、可塑剤10~20質量部、塩素化ポリエチレン1~6質量部、MBS系樹脂1~6質量部を含有し、且つ、前記塩素化ポリエチレンとMBS系樹脂の合計量が2~7質量部とすることにより、電線を座屈しにくいものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-181850号公報
【特許文献2】国際公開第2012/165480号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車に配索される電線においては、例えば自動車内でイーサネット(登録商標)の通信に用いられるものがある。イーサネットの通信に用いられる電線は、2本の電線が対撚りされた対撚り線であり、2本の電線の各々に端子が接合されてコネクタハウジングに挿入される。電線を端子に接合する際には、対撚り線の撚りを解いて端子を接合するが、シースから露出させて撚りを解く長さが長くなると、イーサネットの通信で要求される伝送特性を満たさなくなってしまうこととなる。伝送特性を満たすように撚りを解く長さを短くすると、電線を1本ずつ保持してコネクタに挿入するのが困難となるため、2本同時に座屈することなくコネクタに挿入できることが求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コネクタハウジングへの挿入を容易にできる通信用電線及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る通信用電線は、2本の絶縁電線を対撚りした対撚り線と、前記対撚り線の外周を覆う樹脂で形成された中空のシースと、を有し、前記対撚り線において前記シースから露出して撚りを解かれた部分の長さが10mmの場合、当該部分の先端を鉛直な平板に垂直に押し当てて前記平板の方向に荷重し、当該部分が座屈した時の荷重が8.5N以上である。
【0007】
本発明の一態様に係る通信用電線は、前記部分の長さが15mmの場合、前記部分が座屈した時の荷重が5N以上であり、前記部分の長さが20mmの場合、前記部分が座屈した時の荷重が3.5N以上である構成としてもよい。
【0008】
本発明の一態様に係る通信用電線においては、前記シースと前記絶縁電線の密着力は、JASO D 625に規定される密着力試験で4N以上である構成であってもよい。
【0009】
本発明の一態様に係る通信用電線においては、前記絶縁電線は、銅合金で形成された導体と、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂で形成された被覆とを有する構成であってもよい。
【0010】
本発明に係るワイヤハーネスは、上記のいずれかの通信用電線を含み、自動車に配索されるワイヤハーネスである。
【0011】
本発明の一態様に係るワイヤハーネスは、含まれる前記通信用電線の数が2本以上である構成であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コネクタハウジングへの挿入を容易にできる通信用電線及びワイヤハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、図1は、実施形態に係る通信用電線の断面図である。
図2図2は、対撚り線の撚り方を示す図である。
図3図3は、座屈力の測定方法を示す図である。
図4図4は、変形例に係る通信用電線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信用電線1Aの断面図である。通信用電線1Aは、100Ω±10Ωの範囲の特性インピーダンスを有している。通信用電線1Aは、例えば自動車に配索され、配索された自動車においてイーサネットの規格に従った通信に用いられる。
【0016】
通信用電線1Aは、絶縁電線11A、絶縁電線11B、及びシース12Aで構成されている。絶縁電線11Aと絶縁電線11Bは、対撚りされて対撚り線2を構成し、対撚り線2は、シース12Aで被覆されている。
【0017】
(シース)
シース12Aは、対撚り線2の保護や対撚り線2の対撚りの安定化、対撚り線2と周囲環境との距離の確保に寄与するものであり、中空のパイプ型である。シース12Aは、ポリオレフィン系樹脂をベース材とした樹脂で形成されているのが好ましい。本実施例では、シース12Aは、ポリオレフィン系樹脂であるポリエチレンをベースとし、難燃剤や酸化防止材を添加したハロゲンフリー材で形成されている。シース12Aの厚さは、通信用電線1Aの特性インピーダンスが100Ω±10Ωとなるように、導体111の直径や後述する絶縁被覆112の厚さと合わせて調整される。
【0018】
シース12Aの硬さについては、柔らかすぎると摩耗や変形などの問題が発生する虞があり、硬すぎると温度が上昇したときに対撚り線2が開かなくなるため、望ましい硬度の範囲がある。本実施形態では、シース12Aは、JIS K 6253-3に従ってタイプDのデュロメータで測定したときに硬度がD25~D70の範囲内であるのが好ましく、D40~D60の範囲内であるのがより好ましい。
【0019】
なお、対撚り線2を保護するシースは、図1に示すパイプ型のシース12Aに替えて、中空ではない充実型のシースとしてもよい。また、対撚り線2とシース12Aとの間にテープ等の介在があってもよい。
【0020】
(絶縁電線)
絶縁電線11Aは、導体111と絶縁被覆112で構成されている。導体111は、S撚りされた7本の素線1111を圧縮して形成された圧縮導体を焼鈍したものである。導体111は、撚線の一例である。この圧縮導体に対して行う焼鈍については、圧縮導体の引張り強さが600MPa~1200MPaの範囲内であり、破断伸びが1%以上、且つ7%未満となるように、加熱の温度、加熱時間、加熱後の温度保持時間、冷却時間を設定して焼鈍を行うのが好ましい。導体111の径方向の断面積は、特性インピーダンスを100Ω±10Ωとするために、0.05mm(0.05sq)以上、且つ0.35mm(0.35sq)以下とするのが好ましい。また、自動車に配索したときの軽量化や細径化の観点から、導体111の径方向の断面積を0.22mm(0.22sq)未満とするのが好ましく、0.13mm(0.13sq)とするのがより好ましい。なお、撚線である導体111を構成する素線1111の本数は、7本に限定されるものではなく、他の本数であってもよい。また、導体111は、撚られたものではなく単線であってもよい。
【0021】
素線1111は、錫の濃度が0.7質量%の銅合金で形成されている。なお、素線1111における錫の濃度は、0.4質量%以上、且つ0.8%以下が望ましく、より好ましくは、0.6質量%以上、且つ0.8質量%以下であるのが望ましい。また、素線1111は、銀の濃度が1質量%以上、且つ4質量%以下の銅合金であってもよく、めっきが施されたものであってもよい。
【0022】
絶縁被覆112は、誘電率が低い樹脂であるのが好ましく、例えば、PE(ポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニル)又はPP(ポリプロピレン)等のポリオレフィン系樹脂をベース材とした樹脂で形成されている。本実施形態では、絶縁被覆112は、PEをベースとし、難燃剤や酸化防止材を添加したハロゲンフリー材で形成されている。絶縁被覆112の厚さは、通信用電線1Aの特性インピーダンスが100Ω±10Ωとなるように、導体111の直径やシース12Aの厚さと合わせて調整される。絶縁被覆112の硬さについては、通信用電線1Aが自動車に配索されて温度が上昇したときに塑性変形を起こさない程度の硬さであるのが好ましく、例えば、絶縁被覆112の硬さは、シース12Aと同等であるのが好ましい。なお、絶縁電線11Bは、絶縁電線11Aと同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0023】
シース12Aと絶縁電線11A、11Bの密着力については、公益社団法人 自動車技術会の規格であるJASO D 625(旧規格:JASO D 611、JASO D 618)で規定されている密着力試験で4N以上であるのが好ましい。
【0024】
(対撚り線)
図2は、対撚り線2の撚り方を示す図である。対撚り線2は、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bをダブルツイストバンチャー型の撚線機で対撚りした撚線である。本実施例では、対撚り線2は、ピッチが20mmであり、Z撚りで撚られている。
【0025】
ところで、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bとを撚り合わせる場合、単に撚り合わせると絶縁電線11Aと絶縁電線11Bのそれぞれが捻じれた状態で撚り合わされてしまい、この捻じれが撚りを解く力が働くため、対撚り線2がばらけやすくなる。
【0026】
したがって本実施例では、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bとを撚り合わせながら、その撚り合わせの回転方向とは逆の回転方向(すなわち、撚り合わせによる絶縁電線11Aの捻じれと絶縁電線11Bの捻じれを緩和する回転方向)に、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bのそれぞれをひねって回転させるという、いわゆる撚り返しを施して、捻じれを防止している。
【0027】
ここで、撚り合わせの回転角X1と撚り返しの回転角Y1との比Y1/X1を、撚り返し率と称する。すなわち絶縁電線11Aと絶縁電線11Bに撚り返しが全く施されておらず、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bが捩じれたままの状態では、撚り返し率の値は0%であり、撚り返しが施され、絶縁電線11A自体の捻じれと絶縁電線11B自体の捩じれが全くない状態では撚り返し率の値は100%である。本実施例では、対撚り線2の撚り返し率は、100%としている。撚り返し率を100%とすることにより、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bがばらけにくくなっている。
【0028】
(評価)
前述した通信用電線1Aについて、座屈力を測定した。座屈力の試験は、絶縁電線11A、11Bの座屈の程度を評価する試験である。この測定に際し、通信用電線1Aの構成を備える実施例1~6及び比較例1~3を各々3つ作成した。実施例1~3は、素線1111を錫の濃度が0.7質量%の銅合金とし、導体111の径方向の断面積を0.13sqとし、ポリエチレンを主成分とした樹脂で絶縁被覆112を形成したものである。実施例4~6は、素線1111を鉄の濃度が1質量%でチタンの濃度が0.4質量%の銅合金とし、導体111の径方向の断面積を0.13sqとし、ポリエチレンを主成分とした樹脂で絶縁被覆112を形成したものである。比較例1~3は、素線1111をタフピッチ銅の軟質材とし、導体111の径方向の断面積を0.13sqとし、ポリエチレンを主成分とした樹脂で絶縁被覆112を形成したものである。
【0029】
実施例1、実施例4及び比較例1は、図3に示すようにシース12Aを除去して対撚り線2の撚りを解き、シース12Aを有する部分の長さYを20mmとし、露出した絶縁電線11A、11Bの長さX(撚り解きの長さ)を10mmとした。実施例2、実施例5及び比較例2は、シース12Aを有する部分の長さYを20mmとし、露出した絶縁電線11A、11Bの長さXを15mmとし、実施例3、実施例6及び比較例3は、シース12Aを有する部分の長さYを20mmとし、露出した絶縁電線11A、11Bの長さXを20mmとした。
【0030】
なお、シース12Aと絶縁電線11A、11Bの密着力については、実施例1~6及び比較例1~3は、公益社団法人 自動車技術会の規格であるJASO D 625で規定されている密着力試験で10Nとなっている。
【0031】
座屈力の測定は、図3に示すように実施例1~6及び比較例1~3においてシース12Aを有する部分を万力VCで挟んで把持し、万力VCをフォースゲージFGの計測軸AXで平板PLの方向へ押すことにより、絶縁電線11A、11Bの先端を鉛直な平板PLに垂直に押し当てて平板PLの方向へ荷重した。荷重を大きくして絶縁電線11A、11Bが座屈した時の荷重をフォースゲージFGで測定し、測定された荷重を座屈力とした。平板PLは、例えば厚さが1cmの合板であり、1mmの深さの穴H1と、穴H2が形成されている。穴H1の中心と穴H2の中心との間隔は2mmであり、穴H1と穴H2は、直径が絶縁電線11A、11Bの直径に対応して0.85mm~1mm程度となっている。平板PLは、金属製又は樹脂製であってもよい。平板PLは、例えば図示省略した万力によって鉛直に固定され、露出した絶縁電線11A、11Bは、座屈力の測定の際に一方が穴H1の底に押し当てられ他方が穴H2の底に押し当てられる。フォースゲージFGは、アイコーエンジニアリング株式会社のプッシュプルゲージであるS9502ANを用いた。なお、万力VCでシース12Aを把持する際には、図3に示すようにシース12Aにおいて絶縁電線11A、11Bが露出している側の先端を万力VCにおいて電線を把持する部分の先端に合わせるようにする。測定される座屈力は、数値が高い方が座屈し難いことを示す。座屈力の測定結果を表1に示す。なお、表1に示した測定結果は、実施例1~6及び比較例1~3の各々について作成された3個で測定された値の平均値である。
【0032】
【表1】
【0033】
表1に示されているように、実施例と比較例とで撚り解きの長さが同じである場合、実施例1~6は、比較例1~3よりも座屈力が大きくなっている。よって、実施例1~6は、端子が接合された絶縁電線11A、11Bを2本同時にコネクタハウジングに挿入するときに比較例より座屈しにくいものとなっている。測定の結果から、通信用電線1Aは、長さXが10mmの場合には、座屈力が8.5N以上であるのが好ましく、9N以上であるのがより好ましい。また、通信用電線1Aは、長さXが15mmの場合には、座屈力が5N以上であるのが好ましく、5.5N以上であるのがより好ましい。また、通信用電線1Aは、長さXが20mmの場合には、座屈力が3.5N以上であるのが好ましく、4N以上であるのがより好ましい。
【0034】
(ワイヤハーネス)
圧着端子を絶縁電線11Aの導体111と、絶縁電線11Bの導体111のそれぞれに接合させることにより端子付き電線が形成される。また、端子付き電線の圧着端子が図示しないコネクタハウジングに挿入されてコネクタ付き電線が形成されることもある。また、圧着端子と通信用電線1Aとを備える端子付き電線を他の電線と束ねてコネクタに挿入することにより、ワイヤハーネスが形成される。このワイヤハーネスは、例えば自動車に配索される。
【0035】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0036】
上述した実施形態においては、絶縁被覆112がパイプ型であるが、パイプ型に替えて充実型の被覆としてもよい。また、上述した実施形態においては、シース12Aがパイプ型であるが、シースと絶縁電線11A、絶縁電線11Bとの間に空隙がない充実型のシースとしてもよい。図4は、充実型のシース12Bを備える通信用電線1Bの断面図である。また、対撚り線2とシース12A、12Bとの間にテープ等の介在があってもよい。シースを充実型のシース12Bとする場合、シース12Bの硬度は、JIS K 6253-3に従ってタイプDのデュロメータで測定したときにD30~D40の範囲内であるのが好ましい。
【符号の説明】
【0037】
1A、1B 通信用電線
2 対撚り線
11A、11B 絶縁電線
12A、12B シース
111 導体
112 絶縁被覆
1111 素線
AX 計測軸
FG フォースゲージ
H1、H2 穴
PL 平板
VC 万力
図1
図2
図3
図4