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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156115
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/87 20140101AFI20221006BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20221006BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20221006BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20221006BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20221006BHJP
【FI】
A63F13/87
A63F13/79
A63F13/79 500
A63F13/69
A63F13/53
A63F13/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059647
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 徹
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(57)【要約】
【課題】ゲーム状況等に応じた適切なメッセージをプレーヤに表示できるゲームシステム等の提供。
【解決手段】ゲーム処理部は、ゲーム処理部と、第1のプレーヤがメッセージ設定場所においてメッセージを設定した場合に、設定されたメッセージを受け付けるメッセージ処理部と、メッセージの情報を、第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報に関連づけて記憶するメッセージ記憶部と、第2のプレーヤがメッセージ設定場所において所定の条件を満たした場合には、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、メッセージの内容情報又は第1のゲーム状況情報とに基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを、第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う表示判定部と、表示すると判定されたメッセージを第2のプレーヤに対して表示する処理を行う表示処理部を含む。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレーヤがゲーム空間においてプレイするゲームの処理を行うゲーム処理部と、
前記複数のプレーヤの第1のプレーヤが、前記ゲーム空間のメッセージ設定場所においてメッセージを設定した場合に、設定されたメッセージを受け付けるメッセージ処理部と、
受け付けられたメッセージの情報を、メッセージを設定した前記第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報に関連づけて記憶するメッセージ記憶部と、
前記複数のプレーヤの第2のプレーヤが、前記メッセージ設定場所において所定の条件を満たした場合には、前記第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、前記メッセージ設定場所に設定されたメッセージの内容情報又はメッセージに関連づけられた前記第1のゲーム状況情報とに基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを、前記第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う表示判定部と、
表示すると判定されたメッセージを、前記第2のプレーヤに対して表示する処理を行う表示処理部と、
を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記表示判定部は、
メッセージを設定した前記第1のプレーヤのステータスパラメータに基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを前記第2のプレーヤに表示するかどうかの前記表示判定を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記表示判定部は、
メッセージを設定した前記第1のプレーヤの所持アイテム又は装備アイテムの情報に基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを前記第2のプレーヤに表示するかどうかの前記表示判定を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記表示判定部は、
メッセージを設定した前記第1のプレーヤのプレイ傾向の情報に基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを前記第2のプレーヤに表示するかどうかの前記表示判定を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記表示判定部は、
メッセージを設定した前記第1のプレーヤとの関係性の情報に基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを前記第2のプレーヤに表示するかどうかの前記表示判定を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記表示処理部は、
メッセージを表示する際に、メッセージを設定した第1のプレーヤの情報も併せて表示する処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記メッセージ処理部は、
前記第1のプレーヤが設定したメッセージが前記第2のプレーヤに表示された場合に、メッセージを設定した前記第1のプレーヤに対して特典を付与する処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項7において、
前記メッセージ処理部は、
前記第1のプレーヤが設定したメッセージに対する前記第2のプレーヤからの評価を受け付けて、前記評価の結果に応じて、前記第1のプレーヤに対して付与する前記特典を変化させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項7又は8において、
前記メッセージ処理部は、
前記メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容に応じて、前記第1のプレーヤに対して付与する前記特典を変化させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記メッセージ処理部は、
前記第1のプレーヤが設定したメッセージが前記第2のプレーヤに表示された場合に、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの関係性の更新処理又は前記関係性の申請処理を可能にすることを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかにおいて、
前記メッセージ処理部は、
前記第1のプレーヤが設定したメッセージに関連づけて、前記第2のプレーヤのメッセージを追加設定する処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかにおいて、
前記表示処理部は、
前記メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容に応じて、前記メッセージ設定場所の表示態様の変更処理を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
複数のプレーヤがゲーム空間においてプレイするゲームの処理を行うゲーム処理部と、
前記複数のプレーヤの第1のプレーヤが、前記ゲーム空間のメッセージ設定場所においてメッセージを設定した場合に、設定されたメッセージを受け付けるメッセージ処理部と、
受け付けられたメッセージの情報を、メッセージを設定した前記第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報に関連づけて記憶するメッセージ記憶部と、
前記複数のプレーヤの第2のプレーヤが、前記メッセージ設定場所において所定の条件を満たした場合には、前記第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、前記メッセージ設定場所に設定されたメッセージの内容情報又はメッセージに関連づけられた前記第1のゲーム状況情報とに基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを、前記第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う表示判定部と、
表示すると判定されたメッセージを、前記第2のプレーヤに対して表示する処理を行う表示処理部として、
コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲームに関するプレーヤのメッセージを受け付けるゲームシステムが知られている。例えば特許文献1には、記憶部に記憶されるメッセージから所定の抽出条件を満たすメッセージを抽出して、プレーヤに提示するゲームシステムが開示されている。また特許文献2には、プレーヤのキャラクタの位置が、メッセージを表示すべきゲームフィールドの位置から所定範囲の位置である場合に、プレーヤにメッセージを配信するゲームシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-235897号公報
【特許文献2】特開2010-88695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プレーヤのメッセージを所定の場所に設定できるシステムでは、各プレーヤが自身の主観に応じたアドバイスをメッセージとして設定するため、ゲームフィールド上の同じ場所に、有用なメッセージと意味の無いメッセージが混在してしまうという問題があった。
【0005】
本実施形態の幾つかの態様によれば、ゲーム状況等に応じた適切なメッセージをプレーヤに表示できるゲームシステム及びプログラム等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、複数のプレーヤがゲーム空間においてプレイするゲームの処理を行うゲーム処理部と、前記複数のプレーヤの第1のプレーヤが、前記ゲーム空間のメッセージ設定場所においてメッセージを設定した場合に、設定されたメッセージを受け付けるメッセージ処理部と、受け付けられたメッセージの情報を、メッセージを設定した前記第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報に関連づけて記憶するメッセージ記憶部と、前記複数のプレーヤの第2のプレーヤが、前記メッセージ設定場所において所定の条件を満たした場合には、前記第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、前記メッセージ設定場所に設定されたメッセージの内容情報又はメッセージに関連づけられた前記第1のゲーム状況情報とに基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを、前記第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う表示判定部と、表示すると判定されたメッセージを、前記第2のプレーヤに対して表示する処理を行う表示処理部と、を含むゲームシステムに関係する。また本開示の一態様は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0007】
本開示の一態様によれば、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、メッセージの内容情報又は第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報とを判断して、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかを判定できるようになる。従って、第2のプレーヤにとって有用なメッセージなどの適切なメッセージを第2のプレーヤに表示できるようになり、ゲーム状況に応じた適切なメッセージをプレーヤに表示できるゲームシステム等の提供が可能になる。
【0008】
また本開示の一態様では、前記表示判定部は、メッセージを設定した前記第1のプレーヤのステータスパラメータに基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを前記第2のプレーヤに表示するかどうかの前記表示判定を行ってもよい。
【0009】
このようにすれば、プレーヤのステータスパラメータを反映させた表示判定処理の実現が可能になり、ステータスパラメータに応じた適切なメッセージを第2のプレーヤに表示できるようになる。
【0010】
また本開示の一態様では、前記表示判定部は、メッセージを設定した前記第1のプレーヤの所持アイテム又は装備アイテムの情報に基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを前記第2のプレーヤに表示するかどうかの前記表示判定を行ってもよい。
【0011】
このようにすれば、プレーヤの所持アイテム又は装備アイテムを反映させた表示判定処理の実現が可能になり、所持アイテム又は装備アイテムに応じた適切なメッセージを第2のプレーヤに表示できるようになる。
【0012】
また本開示の一態様では、前記表示判定部は、メッセージを設定した前記第1のプレーヤのプレイ傾向の情報に基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを前記第2のプレーヤに表示するかどうかの前記表示判定を行ってもよい。
【0013】
このようにすれば、プレーヤのプレイ傾向を反映させた表示判定処理の実現が可能になり、プレイ傾向に応じた適切なメッセージを第2のプレーヤに表示できるようになる。
【0014】
また本開示の一態様では、前記表示判定部は、メッセージを設定した前記第1のプレーヤとの関係性の情報に基づいて、前記第1のプレーヤが設定したメッセージを前記第2のプレーヤに表示するかどうかの前記表示判定を行ってもよい。
【0015】
このようにすれば、プレーヤ間の関係性の情報を反映させた表示判定処理の実現が可能になり、プレーヤ間の関係性に応じた適切なメッセージを第2のプレーヤに表示できるようになる。
【0016】
また本開示の一態様では、前記表示処理部は、メッセージを表示する際に、メッセージを設定した第1のプレーヤの情報も併せて表示する処理を行ってもよい。
【0017】
このようにメッセージと共に第1のプレーヤの情報も併せて表示することで、より有用であったり、より良い判断材料となる情報を、第2のプレーヤに提示できるようになる。
【0018】
また本開示の一態様では、前記メッセージ処理部は、前記第1のプレーヤが設定したメッセージが前記第2のプレーヤに表示された場合に、メッセージを設定した前記第1のプレーヤに対して特典を付与する処理を行ってもよい。
【0019】
このようにすれば、第1のプレーヤは、自身が設定したメッセージが表示されることで特典が付与されることが動機づけとなって、ゲーム空間のメッセージ設定場所にメッセージを設定するようになる。
【0020】
また本開示の一態様では、前記メッセージ処理部は、前記第1のプレーヤが設定したメッセージに対する前記第2のプレーヤからの評価を受け付けて、前記評価の結果に応じて、前記第1のプレーヤに対して付与する前記特典を変化させてもよい。
【0021】
このようにすれば、第1のプレーヤは、第2のプレーヤの評価に応じて、自身に付与される特典が変化するようになるため、より適切なメッセージを設定するようになる。
【0022】
また本開示の一態様では、前記メッセージ処理部は、前記メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容に応じて、前記第1のプレーヤに対して付与する前記特典を変化させてもよい。
【0023】
このようにすれば、同じメッセージ設定場所に設定されたメッセージの数や内容を反映させた特典を、メッセージを設定した第1のプレーヤに対して付与できるようになる。
【0024】
また本開示の一態様では、前記メッセージ処理部は、前記第1のプレーヤが設定したメッセージが前記第2のプレーヤに表示された場合に、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの関係性の更新処理又は前記関係性の申請処理を可能にしてもよい。
【0025】
このようにすれば、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されことを契機として、第1のプレーヤと第2のプレーヤの関係性の更新処理や関係性の申請処理を行えるようになる。
【0026】
また本開示の一態様では、前記メッセージ処理部は、前記第1のプレーヤが設定したメッセージに関連づけて、前記第2のプレーヤのメッセージを追加設定する処理を行ってもよい。
【0027】
このようにすれば、第1のプレーヤが設定したメッセージに対して、そのメッセージに関連する内容のメッセージが追加設定されるようになる。
【0028】
また本開示の一態様では、前記表示処理部は、前記メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容に応じて、前記メッセージ設定場所の表示態様の変更処理を行ってもよい。
【0029】
このようにすれば、プレーヤは、メッセージ設定場所に対応する場所がどのような場所なのかを、変更された表示態様の画像を見ることで、視覚的に認識できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1(A)~図1(F)は本実施形態のゲームシステムを実現するハードウェア装置の説明図。
図2】本実施形態のゲームシステムの構成例。
図3】本実施形態の比較例の手法の問題点についての説明図。
図4】本実施形態の手法の説明図。
図5】本実施形態の手法の説明図。
図6】本実施形態の手法の説明図。
図7】本実施形態の手法を説明するシステム構成図。
図8】本実施形態の処理を説明するフローチャート。
図9】本実施形態の処理を説明するフローチャート。
図10】ゲーム状況情報の例を示す図。
図11】メッセージを設定したプレーヤの情報も併せて表示する手法の説明図。
図12】メッセージを設定したプレーヤに特典を付与する処理を説明するフローチャート。
図13】メッセージに対する評価結果やメッセージの内容又は数に応じて特典を変化させる処理を説明するフローチャート。
図14】メッセージが表示された場合のプレーヤ間の関係性の更新処理や申請処理を説明するフローチャート。
図15】メッセージの他のプレーヤのメッセージを追加設定する手法の説明図。
図16】メッセージの内容又は数に応じてメッセージ設定場所の表示態様を変更する処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、必須構成要件であるとは限らない。
【0032】
1.ゲームシステム
まず、図1(A)~図1(F)を用いて、本実施形態のゲームシステムを実現するハードウェア装置について説明する。
【0033】
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1~TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1~TMnはクライアントである。なお、本実施形態のゲームシステム及びその処理は、サーバシステム500により実現してもよいし、或いはサーバシステム500と端末装置TM1~TMnの分散処理により実現してもよい。
【0034】
また本実施形態のゲームシステム及び処理は、ブロックチェーンの手法により実現することも可能である。例えばイーサリウム(Ethereum)で実行可能なスマートコントラクトと呼ばれるプログラムを用いて、本実施形態のゲームシステムの各処理を実行してもよい。この場合には端末装置TM1~TMnはピア・ツー・ピアで接続されることになる。また端末装置TM1~TMnの間で通信されるゲーム情報等の各種の情報は、ブロックチェーンを用いて転送されることになる。なお、以下では、TM1~TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
【0035】
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、ユーザ端末である端末装置TMによりサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるネットワークゲームのプレイが可能になる。
【0036】
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
【0037】
端末装置TM(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、図1(C)に示すスマートフォンや携帯電話機などの携帯型通信端末、図1(D)に示す携帯型ゲーム装置、図1(E)に示す業務用ゲーム装置、或いは図1(F)に示すパーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型PC等の情報処理装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、プレーヤの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
【0038】
図2に本実施形態のゲームシステムの構成例を示す。なお、ゲームシステムの構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態のゲームシステムにより実現されるゲームは、シングルプレイのゲームであってもよいし、マルチプレイのゲームであってもよい。またゲームのジャンルについても特に限定はなく、RPG(ロールプレイングゲーム)、アクションゲーム、格闘ゲーム、シューティングゲーム、競争ゲーム、リズムゲーム(音楽ゲーム)又はパズルゲームなどの種々のゲームに適用できる。また対戦ゲームである場合は、1対1の対戦でもよいし、多対多の対戦でもよい。或いは、1対多(一人対複数の敵)の対戦や、多対1(複数の味方対複数の敵)の対戦でもよい。また対戦相手は、他のプレーヤでもよいし、NPC(Non Player Character)でもよい。例えば、複数のプレーヤでパーティを組んで協力して、NPCの敵と対戦するゲームでもよい。また、プレーヤがキャラクタを操作せずに、AI(Artificial Intelligence)がプレーヤ側のキャラクタの操作を行うようにしてもよい。AIが操作するプレーヤ側のキャラクタは、全員でもよいし、一部でもよい。
【0039】
ゲームシステムは、処理部100と記憶部170と通信部196を含む。このゲームシステムは、例えば図1(A)のサーバシステム500により実現することができ、ネットワーク510を介して端末装置TM1~TMnに通信接続されている。
【0040】
処理部100(プロセッサ)は、記憶部170に記憶される各種の情報、プログラム、又は操作情報等に基づいて、ゲーム処理、メッセージ処理、表示判定処理、管理処理、通信処理、表示処理、或いは音処理などを行う。
【0041】
処理部100の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部100の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
【0042】
処理部100は、ゲーム処理部102、メッセージ処理部104、表示判定部106、管理部118、表示処理部120、音処理部130を含む。なお処理部100の構成はこれに限定されず、これらの構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0043】
ゲーム処理部102はプレーヤがゲームをプレイするための種々のゲーム処理を行う。ゲーム処理は、例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、開始したゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、或いはゲーム成績等のゲーム結果を演算する処理などである。ゲーム処理部102は例えばゲームサーバにより実現できる。具体的には、例えばゲーム処理部102、メッセージ処理部104、表示判定部106、表示処理部120、音処理部130がゲームサーバにより実現できる。
【0044】
ブラウザゲームを例にとれば、ゲーム処理部102は、プレーヤの各種の情報をプレーヤごとに管理することで、プレーヤごとにゲームの進行を制御する。プレーヤの情報はプレーヤ情報記憶部174に記憶される。例えばゲーム処理部102は、ゲームサービスを提供するウェブサイトを構成するウェブページを、端末装置TMからの要求に応じて、端末装置TMに表示させる。具体的には端末装置TMが備えるウェブブラウザによりウェブページが表示される。表示されたウェブページのハイパーリンクがプレーヤにより選択されると、ゲーム処理部102は、ハイパーリンクに対応する新たなHTMLデータを端末装置TMに送信し、端末装置TMでは新たなHTMLデータに基づくウェブページが表示される。このようにゲーム処理部102によって、ウェブページが、プレーヤの操作に応じて端末装置TMに順次に提供されることで、端末装置TMでのプレーヤの操作に基づきゲームを進行させることが可能になる。或いは端末装置TMの各々がCG画像等のゲーム画像の生成処理を行うことで、端末装置TMの表示部にゲーム画像が表示される。
【0045】
メッセージ処理部104はメッセージの受け付け処理等のメッセージについての種々の処理を行う。表示判定部106はメッセージの表示判定処理を行う。メッセージ処理部104、表示判定部106の詳細については後述する。
【0046】
管理部118は、例えばプレーヤの認証処理を行う。例えば端末装置を用いてログインしたプレーヤの認証処理を行う。この認証処理は、例えばプレーヤが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。また管理部118は、種々の課金処理を行う。例えば課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等を行う。また管理部118は、各種の管理処理を行う。例えば各種サービスの管理処理や、各種情報の管理処理を行う。管理部118は例えば管理サーバにより実現できる。
【0047】
例えばプレーヤは、図1(A)のサーバシステム500等が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、プレーヤは、ネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、プレーヤ間でのメッセージ交換や、フレンドプレーヤの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理部118は、このようなプレーヤのアカウント情報の管理処理等も行う。
【0048】
表示処理部120は、端末装置TMの表示部に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データ(HTMLデータ等)を生成する。端末装置TMの表示部は、例えばLCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。
【0049】
音処理部130は、端末装置TMの音出力部から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。端末装置TMの音出力部は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0050】
また端末装置TMは操作部を有している。操作部は、ユーザであるプレーヤが、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。タッチパネル型ディスプレイを用いる場合には、操作部となるタッチパネルと、ディスプレイとなる表示部とが一体に設けられることになる。
【0051】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるものであり、その機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、メッセージ記憶部172、プレーヤ情報記憶部174を含む。メッセージ記憶部172はメッセージについて各種の情報を記憶する。例えばメッセージ記憶部172は、複数のプレーヤが設定した複数のメッセージの情報を記憶する。例えばメッセージ記憶部172は、メッセージの情報、メッセージ設定場所の情報(位置情報)、メッセージを設定したプレーヤについてのゲーム状況情報などを記憶する。プレーヤ情報記憶部174は、ユーザであるプレーヤについての各種の情報を記憶する。例えばプレーヤ情報記憶部174は、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をプレーヤ情報(ユーザ情報)として記憶する。例えば、プレーヤのアカウント情報(プレーヤID)もプレーヤ情報として記憶される。例えば課金処理の対象となる課金情報は、各プレーヤの各アカウント情報に対応づけられる。
【0052】
通信部196は、外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。例えば通信インターフェースである通信部196は、ネットワーク510を介して端末装置TM(TM1~TMn)と通信するための各種の通信処理を行う。
【0053】
また図2のゲームシステムは、本実施形態のプログラムに基づいて本実施形態の各処理を行う。このプログラムは、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)である。このプログラムは例えば情報記憶媒体に記憶される。即ち本実施形態のゲームシステムは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。コンピュータにより読み取り可能な媒体である情報記憶媒体は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワークを介して配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本実施形態の範囲内に含めることができる。
【0054】
そして図2に示すように本実施形態のゲームシステム(サーバシステム)は、ゲーム処理部102、メッセージ処理部104、表示判定部106、表示処理部120、メッセージ記憶部172を含む。また本実施形態のプログラムは、ゲーム処理部102、メッセージ処理部104、表示判定部106、表示処理部120、メッセージ記憶部172としてコンピュータを機能させる。
【0055】
ゲーム処理部102は、複数のプレーヤがゲーム空間においてプレイするゲームの処理を行う。例えばゲーム処理部102は、複数のプレーヤが同一のゲーム空間においてプレイするためのゲーム処理を行う。例えばゲーム処理部102は、複数のプレーヤの第1のプレーヤがゲーム空間においてゲームをプレイするためのゲーム処理と、複数のプレーヤの第2のプレーヤが、第1のプレーヤとは異なる時間軸において、第1のプレーヤと同じゲーム空間においてゲームをプレイするためのゲーム処理を行う。例えば第1のプレーヤの第1のキャラクタがゲーム空間のゲームフィールド上を移動し、ゲームフィールドにおいて発生する種々のゲームイベントをクリアするゲーム処理が行われる。またこの第1のプレーヤのゲームプレイとは異なる時間軸において、第2のプレーヤの第2のキャラクタがゲーム空間のゲームフィールド上を移動し、ゲームフィールドにおいて発生する種々のゲームイベントをクリアするゲーム処理が行われる。
【0056】
メッセージ処理部104はメッセージの受け付け処理を行う。例えばメッセージ処理部104は、複数のプレーヤの第1のプレーヤが、ゲーム空間のメッセージ設定場所においてメッセージを設定した場合に、設定されたメッセージを受け付ける処理を行う。メッセージ設定場所は、例えばゲーム空間における所定の場所であり、具体的には例えばゲーム空間のゲームフィールドにおける所定の場所である。例えばゲーム空間においてプレーヤによるメッセージの設定が可能な場所がメッセージ設定場所として用意されている。そして本実施形態では、同じメッセージ設定場所に、複数のプレーヤによる複数のメッセージの設定(登録)が可能になっている。そして複数のプレーヤの各プレーヤが、そのメッセージ設定場所において、メッセージを登録する設定を行うと、メッセージ処理部104は、当該メッセージを受け付ける。ここでメッセージの設定場所は、ゲーム空間のオブジェクトに設定される場所でもある。例えばゲームフィールド上の地面や洞窟や壁や建築物の壁や立て看板などの、ゲーム空間において所定の場所に固定されているオブジェクトをメッセージ設定場所として、メッセージが設定可能になっている。或いはメッセージ設定場所は、ゲーム空間で移動するオブジェクトに設定される場所であってもよい。例えば敵キャラクタやゲームフィールド上で転がる石ころなど、ゲームフィールド上で位置が変化し得るオブジェクトに対しても、メッセージを設定できるようにする。この場合に、例えばゲームフィールド上を回遊しているボスのモンスターに対してメッセージが設定されると、第2のプレーヤがそのモンスターに遭遇した際には、場所を問わずに、当該モンスターのオブジェクトに対して第1のプレーヤが設定したメッセージを参照できるようになる。
【0057】
メッセージ記憶部172は、メッセージ処理部104により受け付けられたメッセージの情報を記憶する。例えばメッセージ記憶部172は、受け付けられたメッセージの情報を、メッセージを設定した第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報に関連づけて記憶する。例えばメッセージ記憶部172は、メッセージの情報と、メッセージを設定した際における第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報を関連づけて記憶する。例えばメッセージ処理部104は、第1のプレーヤがメッセージ設定場所においてメッセージを設定したときの第1のプレーヤのゲーム状況情報である第1のゲーム状況情報を取得する。ゲーム状況情報はゲーム処理部102から取得できる。そして、第1のプレーヤが設定したメッセージの情報が、取得された第1のゲーム状況情報に関連づけてメッセージ記憶部172に記憶される。またメッセージ記憶部172は、第1のプレーヤがメッセージを設定したメッセージ設定場所の情報(位置情報等)についても、メッセージの情報に関連づけて記憶してもよい。
【0058】
メッセージの情報は、例えばメッセージの内容情報やメッセージの表示や特定に必要な情報などである。メッセージの内容情報は、メッセージのテキスト情報自体であってもよいし、所定のワードが含まれるのかという情報であってもよい。例えばメッセージの内容情報は、例えば「敵」、「強い」、「弱い」、「楽勝」等の所定のキーワードや、固有の敵キャラクタ名称や固有のアイテム名称などの所定の固有名称が、メッセージに含まれるのかという情報であってもよい。ゲーム状況情報は、プレーヤのゲームの進行状況、ゲーム成績の状況、ゲームレベルの状況、ステージクリア数の状況、クエストのクリア状況、ゲームプレイの回数や時間や頻度、ゲーム操作状況などのゲームプレイ状況、プレーヤのキャラクタのパラメータやステータスなどのキャラクタの状況、プレーヤのアイテムの使用状況や所持状況などのアイテムの状況、或いはプレーヤの課金状況などである。
【0059】
表示判定部106は、プレーヤにメッセージを表示するかどうかの表示判定を行う。例えば表示判定部106は、メッセージに関連づけられたゲーム状況情報又はメッセージの内容情報と、プレーヤのゲーム状況情報とのマッチング処理などを行うことで、メッセージ設定場所に設定された複数の他のプレーヤの複数のメッセージの中から、プレーヤに表示するメッセージを抽出する。具体的には表示判定部106は、複数のプレーヤの第2のプレーヤが、メッセージ設定場所において所定の条件を満たした場合には、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの内容情報又はメッセージに関連づけられた第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。例えば表示判定部106は、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報とメッセージの内容情報とに基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかを判定する。或いは表示判定部106は、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報とに基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかを判定する。ここで所定の条件は、プレーヤがメッセージを受領可能になるかの条件であり、例えばメッセージの受領条件である。例えば所定の条件は、プレーヤ(プレーヤのキャラクタ)がメッセージ設定場所に位置するかどうかの条件や、プレーヤがメッセージ指定場所を指定したかどうかの条件や、或いはプレーヤがメッセージを受領する操作を行ったかどうかの条件などである。例えば第2のプレーヤ(第2のプレーヤのキャラクタ)がメッセージ設定場所に位置したり、第2のプレーヤがメッセージ設定場所を指定したり、或いは第2のプレーヤがメッセージを受領する操作を行うと、所定の条件が満たされて、メッセージ設定場所に設定されたメッセージを受領可能になる。そして第2のプレーヤがメッセージ設定場所において所定の条件を満たした場合には、表示判定部106は、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの内容情報又はメッセージに関連づけられた第1のゲーム状況情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。例えば表示判定部106は、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの内容情報又はメッセージに関連づけられた第1のゲーム状況情報とのマッチング処理を行うことで、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。
【0060】
表示処理部120は、表示判定部106により表示すると判定されたメッセージを、第2のプレーヤに対して表示する処理を行う。例えば表示処理部120は、抽出条件により抽出された第1のプレーヤのメッセージを、例えば第2のプレーヤの端末装置TMの表示部に表示するための処理を行う。
【0061】
また表示判定部106は、メッセージを設定した第1のプレーヤのステータスパラメータに基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。また表示判定部106は、第2のプレーヤのステータスパラメータに基づいて、当該表示判定を行うことができる。プレーヤのステータスパラメータは、ゲーム状況情報の1つであり、例えば攻撃力、防御力又は魔法力などの能力パラメータ、体力パラメータ、経験値パラメータ又は所持アイテムのパラメータなどである。例えばプレーヤに対応するキャラクタがゲーム空間に登場するゲームでは、プレーヤのステータスパラメータはキャラクタのステータスパラメータと言うこともできる。例えば第1のプレーヤがメッセージ設定場所においてメッセージを設定した際における第1のプレーヤのステータスパラメータが、第1のゲーム状況情報として、第1のプレーヤが設定したメッセージに関連づけてメッセージ記憶部172に記憶される。表示判定部106は、第1のプレーヤ(第1のプレーヤのキャラクタ)のステータスパラメータと、第2のプレーヤ(第2のプレーヤのキャラクタ)のステータスパラメータのマッチング処理を行って、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。例えば表示判定部106は、第1のプレーヤと第2のプレーヤのステータスパラメータのマッチング度合いが高いなど、マッチング処理の結果が所定の条件を満たした場合に、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示すると判定する。例えば第1のプレーヤと第2のプレーヤのステータスパラメータの類似度が高いほど、マッチング度合いが高いと判断される。
【0062】
また表示判定部106は、メッセージを設定した第1のプレーヤの所持アイテム又は装備アイテムの情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。また表示判定部106は、第2のプレーヤの所持アイテム又は装備アイテムの情報に基づいて、当該表示判定を行うことができる。アイテムは、ゲームでの武器、防具、装備品、道具又は部品等であり、ゲームに使用される電子的なデータであるゲームプレイ要素(ゲーム媒体)の1つである。例えばプレーヤに対応するキャラクタがゲーム空間に登場するゲームでは、プレーヤの所持アイテム又は装備アイテムは、キャラクタの所持アイテム又は装備アイテムと言うこともできる。例えば第1のプレーヤがメッセージ設定場所においてメッセージを設定した際における第1のプレーヤの所持アイテム又は装備アイテムの情報が、第1のゲーム状況情報として、第1のプレーヤが設定したメッセージに関連づけてメッセージ記憶部172に記憶される。表示判定部106は、第1のプレーヤ(第1のプレーヤのキャラクタ)の所持アイテム又は装備アイテムの情報と、第2のプレーヤ(第2のプレーヤのキャラクタ)の所持アイテム又は装備アイテムの情報のマッチング処理を行って、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。例えば表示判定部106は、第1のプレーヤと第2のプレーヤの所持アイテム又は装備アイテムのマッチング度合いが高いなど、マッチング処理の結果が所定の条件を満たした場合に、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示すると判定する。例えば第1のプレーヤと第2のプレーヤの所持アイテム又は装備アイテムの類似度が高いほど、マッチング度合いが高いと判定される。
【0063】
また表示判定部106は、メッセージを設定した第1のプレーヤのプレイ傾向の情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。また表示判定部106は、第2のプレーヤのプレイ傾向の情報に基づいて、当該表示判定を行うことができる。プレイ傾向は、過去のプレーヤのゲームプレイの履歴に基づき判断されるプレーヤのゲームプレイの傾向であり、プレーヤが行う行動の傾向である。プレイ傾向はプレイスタイルとも呼ばれる。例えばプレーヤが過去のゲームプレイにおいて行った行動を解析することで、プレーヤのプレイ傾向の情報が取得される。例えばプレーヤが、ゲームプレイにおいて攻撃の行動を行う頻度が高い場合には、攻撃傾向であると判断され、守りの行動を行う頻度が高い場合には、守り傾向であると判断され、魔法を使う頻度が高い場合には、魔法傾向であると判断される。例えば第1のプレーヤがメッセージ設定場所においてメッセージを設定した際における第1のプレーヤのプレイ傾向の情報が、第1のゲーム状況情報として、第1のプレーヤが設定したメッセージに関連づけてメッセージ記憶部172に記憶される。表示判定部106は、第1のプレーヤのプレイ傾向の情報と、第2のプレーヤのプレイ傾向の情報のマッチング処理を行って、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。例えば表示判定部106は、第1のプレーヤと第2のプレーヤのプレイ傾向のマッチング度合いが高いなど、マッチング処理の結果が所定の条件を満たした場合に、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示すると判定する。例えば第1のプレーヤと第2のプレーヤのステータスパラメータのプレイ傾向の類似度が高いほど、マッチング度合いが高いと判断される。
【0064】
また表示判定部106は、メッセージを設定した第1のプレーヤとの関係性の情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。ここでのプレーヤの関係性は、例えばプレーヤ同士の年齢、性別、は居住地域の関係性(属性)などである。或いはプレーヤの関係性は、例えばプレーヤが同じチームやギルドなどの団体に所属しているかどうかの関係性や、プレーヤ同士がフレンド関係にあるかどうかの関係性であってもよい。例えば第1のプレーヤがメッセージ設定場所においてメッセージを設定した際における関係性の情報が、第1のゲーム状況情報として、第1のプレーヤが設定したメッセージに関連づけてメッセージ記憶部172に記憶される。表示判定部106は、第1のプレーヤと第2のプレーヤの関係性の情報についてのマッチング処理を行って、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。例えば表示判定部106は、第1のプレーヤと第2のプレーヤの関係性のマッチング度合いが高いなど、マッチング処理の結果が所定の条件を満たした場合に、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示すると判定する。例えば第1のプレーヤと第2のプレーヤの年齢、性別、居住地域又は所属団体等の関係性(類似度)が高いほど、マッチング度合いが高いと判断される。
【0065】
また表示処理部120は、メッセージを表示する際に、メッセージを設定した第1のプレーヤの情報も併せて表示する処理を行う。例えば表示処理部120は、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示すると判定された場合に、第1のプレーヤのメッセージと共に、第1のプレーヤの情報についても、第2のプレーヤの端末装置TMの表示部に表示する処理を行う。第1のプレーヤの情報は、例えば第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報の一部の情報であり、第2のプレーヤがゲームをプレイするための判断材料となる情報である。例えば第1のプレーヤの情報は、第1のプレーヤのゲームレベル、経験値、武器や防具等の装備状況、ステージクリア数の状況又はクエストのクリア状況などである。
【0066】
またメッセージ処理部104(特典処理部)は、第1のプレーヤが設定したメッセージが第2のプレーヤに表示された場合に、メッセージを設定した第1のプレーヤに対して特典を付与する処理を行う。特典は、プレーヤを、より有利にしたり、より優遇するためのものである。具体的には特典は、例えばゲームにおいてプレーヤを有利にしたり優遇するためのものである。例えば自身のメッセージが第2のプレーヤなどの他のプレーヤに表示されることで特典が付与された第1のプレーヤは、自身がゲーム空間においてプレイするゲームにおいて、有利にゲームを進めることが可能になったり、ゲームにおいて種々の優遇を受けることが可能になる。具体的には、自身のメッセージが表示された第1のプレーヤに対して、経験値又は体力などの各種のゲームポイントが付与されたり、第1のプレーヤの能力パラメータ等のパラメータが上昇したり、或いは特定のアイテムが付与される。なお特典は、例えばゲーム外において仮想通貨、各種ポイント又は景品としてプレーヤに付与されるものであってもよい。
【0067】
またメッセージ処理部104は、第1のプレーヤが設定したメッセージに対する第2のプレーヤからの評価を受け付けて、評価の結果に応じて、第1のプレーヤに対して付与する特典を変化させる。例えば第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示された場合に、表示処理部120は、メッセージの評価画面や評価ウィンドウを第2のプレーヤの端末装置TMの表示部に表示する。そして第2のプレーヤが端末装置TMの操作部を用いて、評価画面や評価ウィンドウにおいて第1のプレーヤのメッセージへの評価を入力する。例えば第2のプレーヤはメッセージが「役に立った」、「役に立たなかった」、「どちらでもない」などの評価を入力する。すると、メッセージ処理部104は、この第2のプレーヤの評価の入力を受け付けて、評価の結果に応じて、第1のプレーヤに対して付与する特典を変化させる。例えばメッセージ処理部104は、メッセージに対する第2のプレーヤの評価が高いほど、より価値の高い特典が付与されるように、第1のプレーヤに付与する特典の内容又は種類等を変化させる。例えばメッセージ処理部104は、第2のプレーヤを含む複数のプレーヤによる第1のプレーヤのメッセージに対する評価の結果に応じて、第1のプレーヤに対して付与する特典を変化させる。例えばメッセージ処理部104は、メッセージへの評価が高いほど、第1のプレーヤに付与する各種のポイントの値を増加させたり、第1のプレーヤのキャラクタの能力を上昇させたり、或いは、よりレア度の高いアイテムを付与するなどの特典の付与処理を行う。
【0068】
またメッセージ処理部104は、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容に応じて、第1のプレーヤに対して付与する特典を変化させる。例えば同じメッセージ設定場所に複数のメッセージが設定された場合に、そのメッセージの数又は内容に応じて、第1のプレーヤに対して付与する特典を変化させる。例えばメッセージ設定場所に設定されるメッセージの数が多い場合には、第1のプレーヤのメッセージに対する評価が高くても、第1のプレーヤに対して低い価値の特典が付与され、例えばゲームにおいて第1のプレーヤをそれほど有利にしない特典が付与される。一方、メッセージ設定場所に設定されるメッセージの数が少ない場合には、第1のプレーヤには高い価値の特典が付与され、プレーヤをゲームにおいてより有利にする特典が付与される。またメッセージ設定場所に設定された他のプレーヤによるメッセージが、第1のプレーヤのメッセージに対する評価よりも高い評価となる内容のメッセージである場合には、第1のプレーヤには低い価値の特典が付与される。一方、メッセージ設定場所に設定された他のプレーヤによるメッセージが、第1のプレーヤのメッセージに対する評価よりも低い評価の内容のメッセージである場合には、第1のプレーヤに対して高い価値の特典が付与される。
【0069】
またメッセージ処理部104は、第1のプレーヤが設定したメッセージが第2のプレーヤに表示された場合に、第1のプレーヤと第2のプレーヤの関係性の更新処理又は関係性の申請処理を可能にする処理を行う。例えばメッセージ処理部104は、第1のプレーヤが設定したメッセージが第2のプレーヤに表示された場合に、第1のプレーヤと第2のプレーヤの関係性の更新処理又は関係性の申請処理を許可する。例えばメッセージ処理部104は、関係性の更新処理又は関係性の申請処理の処理許可フラグをオンにして、当該更新処理や申請処理の実行を可能にする。ここでの関係性は、例えばフレンド関係、チーム関係、対戦関係又は協力プレイ関係などである。例えば第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されると、第1のプレーヤと第2のプレーヤの間でフレンド関係やチーム関係などの関係性を構築したり、プレーヤ間の関係をより良い関係にする関係性の更新処理が可能になる。また第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されると、例えばフレンド申請、チームを組むことの申請、バトル申請又は協力プレイ申請などが可能になる。
【0070】
またメッセージ処理部104は、第1のプレーヤが設定したメッセージに関連づけて、第2のプレーヤのメッセージを追加設定する処理を行う。例えばメッセージ処理部104は、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示された場合に、第2のプレーヤによるメッセージの入力を受け付けて、第2のプレーヤのメッセージを、第1のプレーヤのメッセージに関連づけて追加する処理を行う。例えばメッセージの表示エリアにおいて、ツイッター(Twitterは登録商標)におけるリプライのように、第1のプレーヤのメッセージを補足するような形で第2のプレーヤのメッセージが追加されて、第1のプレーヤのメッセージと第2のプレーヤのメッセージとが関連づけて表示される。
【0071】
また表示処理部120は、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容に応じて、メッセージ設定場所の表示態様の変更処理を行う。例えば表示処理部120は、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容が、第1の個数又は第1の内容である場合には、メッセージ設定場所の画像を第1の表示態様で表示し、第2の個数又は第2の内容である場合には、メッセージ設定場所の画像を第2の表示態様で表示する処理を行う。メッセージ設定場所の表示態様の変更処理は、メッセージ設定場所に対応するオブジェクトの画像の色、輝度又はテクスチャ等の画像のプロパティを変更する処理や、所定のエフェクト画像を付加する処理などである。例えばメッセージ設定場所に対して多数のメッセージが設定されている場合や、メッセージの内容が要注意ゾーンや危険ゾーンを示唆する内容である場合には、表示処理部120は、メッセージ設定場所は要注意ゾーンや危険ゾーンであることを知らせるような表示態様で、メッセージ設定場所の画像を表示する処理を行う。
【0072】
なお、以上に説明した図2の本実施形態のゲームシステムや処理は、図1(A)のサーバシステム500により実現したり、サーバシステム500と端末装置の分散処理により実現するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態のプログラムとしては、スマートフォンのアプリケーションプログラム、家庭用ゲーム装置のゲームプログラム、PC用のゲームプログラム、スマートフォンやPC用のブラウザゲームプログラム、或いは業務用ゲーム装置のプログラムなどの種々のプログラムに適用できる。
【0073】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。
【0074】
2.1 ゲーム状況に応じたメッセージの表示
図3は本実施形態の比較例の手法の問題点についての説明図である。図3では、プレーヤは、自身のキャラクタCHをゲームフィールド上において移動させて、ダンジョンのクリアなどの各種のクエストをクリアするゲームをプレイする。図3では、プレーヤのキャラクタCHは、A1に示す敵の砦の入り口の前の場所に位置しており、この場所はメッセージ設定場所になっている。プレーヤは、例えばA2に示す操作を行うことで、クエストのクリア対象である敵の砦に入ることができる。
【0075】
そして、このゲームでは、例えばプレーヤとは異なる時間軸(過去の時間軸)において、他のプレーヤP1、P2、P3、P4、P5も同じゲームをプレイしており、砦の入り口の前のメッセージ設定場所には、プレーヤP1、P2、P3、P4、P5のメッセージが登録されて設定されている。例えばプレーヤP1、P2、P3、P4、P5は、各々、「この先、敵が強い」、「剣技を使え」、「回復アイテムが必須」、「魔法技を使え」、「弱いから楽勝」というメッセージMS1、MS2、MS3、MS4、MS5を残している。
【0076】
このように本実施形態では、プレーヤは、ゲームフィールド上の所定の場所に紐づいたアドバイスのメッセージを設定して登録できる。これにより各プレーヤは同じ場所に訪れたオンライン上の他のプレーヤに対してアドバイスを行うことが可能になる。しかしながら複数のプレーヤがそれぞれの主観に応じたアドバイスのメッセージを登録するため、同じ場所に対して有用なメッセージと意味のないメッセージが混在してしまう。図3を例にとれば、キャラクタCHを操作するプレーヤにとって、有用なメッセージと有用ではないメッセージが混在している。例えばプレーヤP1が残したメッセージMS1は「この先、敵が強い」であるのに対して、プレーヤP5が残したメッセージMS5は「弱いから楽勝」であるため、プレーヤは、敵が手強いのか、弱いのかが分からず、混乱してしまう。またプレーヤP2が残したメッセージMS2は「剣技を使え」であるのに対して、プレーヤP4が残したメッセージMS4は「魔法技を使え」であるため、プレーヤは、剣で勝負した方が良いのか、魔法で勝負した方が良いのかが分からず、混乱してしまう。
【0077】
そこで本実施形態では、メッセージを所定の場所に残した他のプレーヤと、その所定の場所を訪れたプレーヤとの関連性に応じて、メッセージの表示を制御する手法を採用する。例えば他のプレーヤのゲーム状況情報とプレーヤのゲーム状況情報との関連性に応じて、他のプレーヤのメッセージをプレーヤに表示するか否かを制御する。例えばゲーム状況がプレーヤと近い他のプレーヤのメッセージが設定したメッセージを選別して、プレーヤに表示するようにする。
【0078】
例えば図4では、キャラクタCHを操作するプレーヤは、ゲームレベルが低いプレーヤ(キャラクタ)となっている。また「この先、敵が強い」というメッセージMS1は、ゲームレベルが低いプレーヤP1が設定(登録)したメッセージである。このため図4では、ゲームレベルが低いプレーヤに対して、同じゲームレベルが低いプレーヤP1が設定したメッセージMS1を抽出して表示する。そして図3においてゲームレベルが高いプレーヤP5が設定した「弱いから楽勝」というメッセージMS5はプレーヤに表示しないようにする。このようにすれば、図3のメッセージMS1~MS5の中から、ゲームレベルが低いプレーヤに有用な「この先、敵が強い」というメッセージMS1を抽出して表示できるようになる。これによりゲームレベルが低いプレーヤは、この先の敵が強いことを認識して、十分な装備等を揃えて、砦に入って敵と戦えるようになる。
【0079】
また図5では、キャラクタCHを操作するプレーヤは、剣を装備しているプレーヤ(キャラクタ)となっている。また「剣技を使え」というメッセージMS2は、剣を装備しているプレーヤP2が設定したメッセージである。このため図5では、剣を装備しているプレーヤに対して、同じく剣を装備しているプレーヤP2が設定したメッセージMS2を抽出して表示する。そして図3において魔法が得意なプレーヤP4が設定した「魔法技を使え」というメッセージMS4はプレーヤに表示しないようにする。このようにすれば、図3のメッセージMS1~MS5の中から、剣を装備しているプレーヤに有用な「剣技を使え」というメッセージMS2を抽出して表示できるようになる。これにより剣を装備しているプレーヤは、砦に入って、アドバイスされた剣技を使って敵と有利に戦えるようになる。
【0080】
また図6では、キャラクタCHを操作するプレーヤは、体力が低いプレーヤ(キャラクタ)となっている。また「回復アイテムが必須」というメッセージMS3は、体力が低いプレーヤP3が設定したメッセージである。このため図6では、体力が低いプレーヤに対して、同じく体力が低いプレーヤP3が設定したメッセージMS3を抽出して表示する。このようにすれば、図3のメッセージMS1~MS5の中から、体力が低いプレーヤに有用な「回復アイテムが必須」というメッセージMS3を抽出して表示できるようになる。これにより体力の低いプレーヤは、回復アイテム等を十分に揃えて、砦に入って敵と戦えるようになる。
【0081】
図7は本実施形態の手法を説明するシステム構成図である。図7ではプレーヤP1~Pnが端末装置TM1~TMnを用いてオンラインのゲームをプレイしている。またプレーヤPLは端末装置TMを用いて同じオンライのゲームをプレイしている。プレーヤP1~Pn、PLの各々は、例えば時系列において異なる各期間においてゲームをプレイする。ゲーム処理部102は、プレーヤP1~Pn、PLがゲームをプレイするためのゲーム処理を行う。そしてプレーヤP1~Pnが、ゲーム空間のメッセージ設定場所においてアドバイス等のメッセージを設定すると、そのメッセージの登録情報が、プレーヤP1~Pnの端末装置TM1~TMnからサーバシステム500に送信される。メッセージ処理部104は、これらのメッセージの登録を受け付ける。そしてメッセージ記憶部172は、受け付けられたメッセージの情報を、メッセージ設定場所の情報やメッセージを登録したプレーヤのゲーム状況情報に関連づけて記憶する。そしてプレーヤPLがメッセージ設定場所に位置するなどの所定条件が満たされると、表示判定部106は、プレーヤPL(第2のプレーヤ)のゲーム状況情報(第2のゲーム状況情報)と、プレーヤP1~Pn(第1のプレーヤ)のメッセージの内容情報又はプレーヤP1~Pnのゲーム状況情報(第1のゲーム状況情報)とに基づいて、マッチング処理等による抽出処理を行う。そして表示処理部120は、抽出処理により抽出されたメッセージを、プレーヤPLの端末装置TMの表示部に表示する処理を行う。
【0082】
2.2 本実施形態の処理例
図8図9は本実施形態の処理を説明するフローチャートである。まず図8に示すようにゲームシステムは、第1のプレーヤがメッセージ設定場所において、メッセージを設定する登録を行った否かを判断する(ステップS1)。第1のプレーヤは図7のプレーヤP1~Pnである。そしてゲームシステムは、メッセージを設定する登録が行われると、その第1のプレーヤのメッセージを受け付ける(ステップS2)。そしてゲームシステムは、メッセージの情報(内容情報等)を、メッセージを設定した第1のプレーヤのゲーム状況情報やメッセージ設定場所の情報等に関連づけてメッセージ記憶部172に記憶する(ステップS3)。
【0083】
また図9に示すようにゲームシステムは、第2のプレーヤがメッセージ設定場所において所定の条件を満たしたか否かを判断する(ステップS11)。第2のプレーヤは図7のプレーヤPLである。また所定の条件は、第2のプレーヤがメッセージ設定場所に位置したり、メッセージ設定場所を指定したり、メッセージの受領の操作を行った場合に満たされる。そしてゲームシステムは、第2のプレーヤのゲーム状況情報と、メッセージの内容情報又はメッセージに関連づけられた第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定処理を行う(ステップS12)。そしてゲームシステムは、表示すると判定されたメッセージを第2のプレーヤに表示する(ステップS13)。
【0084】
このように本実施形態では、第1のプレーヤがメッセージ設定場所において設定したメッセージの情報が記憶される。そして第2のプレーヤが所定の条件を満たすと、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、第1のプレーヤのメッセージの内容情報又は第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報とに基づいて、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかが判定され、表示すると判定されたメッセージが第2のプレーヤに表示される。例えば図4図6で説明したように、第2のプレーヤのゲームレベル、装備又は体力等の第2のゲーム状況情報と、第1のプレーヤのゲームレベル、装備又は体力等の第1のゲーム状況情報とのマッチング処理等が行われ、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報とが適合又は類似等する場合に、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されるようになる。図4を例にとれば、第2のプレーヤのゲームレベルと第1のプレーヤのゲームレベルは適合又は類似すると判断されて、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示される。図5を例にとれば、第2のプレーヤの装備と第1のプレーヤの装備は適合又は類似すると判断されて、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示される。図6を例にとれば、第2のプレーヤの体力と第1のプレーヤの体力は適合又は類似すると判断されて、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示される。或いは、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、第1のプレーヤのメッセージの内容情報とのマッチング処理等が行われ、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と第1のプレーヤのメッセージの内容情報とが適合又は類似等する場合に、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されるようになる。図4を例にとればメッセージMS1は、「この先、敵が強い」という内容であり、「敵」、「強い」などのキーワードを含んでいる。そして第2のプレーヤのゲームレベルが低い場合には、このメッセージMS1は第2のプレーヤに表示するのが適切であると判定されて、第2のプレーヤに表示されるようになる。図5を例にとればメッセージMS2は、「剣技を使え」という内容であり、「剣技」、「使え」などのキーワードを含んでいる。そして第2のプレーヤが剣を装備している場合には、このメッセージMS2は第2のプレーヤに表示するのが適切であると判定されて、第2のプレーヤに表示されるようになる。図6を例にとればメッセージMS3は、「回復アイテムが必須」という内容であり、「回復アイテム」、「必須」などのキーワードを含んでいる。そして第2のプレーヤの体力が低い場合には、このメッセージMS3は第2のプレーヤに表示するのが適切であると判定されて、第2のプレーヤに表示されるようになる。このようにすれば、第2のプレーヤの第2のゲーム状況情報と、第1のプレーヤのメッセージの内容情報又は第1のプレーヤの第1のゲーム状況情報との適合性又は類似性などを判断して、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかを判定できるようになる。従って、第2のプレーヤにとって有用なメッセージなどの適切なメッセージを、第2のプレーヤに表示できるようになり、ゲーム状況に応じた適切なメッセージをプレーヤに表示できるゲームシステム等の提供が可能になる。
【0085】
なお第2のプレーヤがメッセージを読むためには対価が必要になるようにしてもよい。例えば第2のプレーヤに第1のプレーヤのメッセージを表示すると判定された場合に、第2のプレーヤの対価の支払いを条件に、第2のプレーヤに当該メッセージを表示する。対価の支払いは、仮想通貨の支払いであってもよいし、ゲーム内ポイント等の所定ポイントの消費による支払いであってもよいし、所定のアイテムを使用することによる支払いであってもよい。また第2のプレーヤが、どのような相手からのメッセージなのかを見た上で読むか否かを判断できるようにしてもよいし、プレーヤ間の相性度に応じて対価が異なっていてもよい。また第1のプレーヤのキャラクタがゲームオーバー状態か否かで、第1のプレーヤが設定できるメッセージが異なっていてもよい。例えば第1のプレーヤがゲームオーバー状態である死亡状態の場合には、簡素なメッセージのみを設定できるようにし、生存状態の場合には詳細なメッセージを設定可能にする。また第1のプレーヤの能力パラメータに応じて、設定できるメッセージの詳細度が異なるようにしてもよい。例えば第1のプレーヤ(第1のプレーヤのキャラクタ)の知力パラメータが低い場合には、プリセットの単語を繋ぎ合わせたメッセージしか設定できないようにし、知力パラメータが高い場合には、キーボード等の操作部を用いた自由なメッセージの入力を可能にする。
【0086】
図10にプレーヤのゲーム状況情報の例を示す。プレーヤのゲーム状況情報としては、プレーヤのステータスパラメータ、プレーヤの所持アイテム又は装備アイテム、プレーヤのプレイ傾向情報、或いはプレーヤ間の関係性情報などがある。
【0087】
そして本実施形態では、例えばメッセージを設定した第1のプレーヤ(第1のプレーヤのキャラクタ)のステータスパラメータに基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。このようにすれば、メッセージを設定した第1のプレーヤのキャラクタの能力パラメータ等のステータスパラメータを抽出条件やマッチング条件として、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定ができるようになり、プレーヤのステータスパラメータを反映させた表示判定処理を実現できる。例えば図4では、第1のプレーヤのステータスパラメータであるゲームレベルのパラメータが低いため、第1のプレーヤのメッセージMS1は、ゲームレベルのパラメータが低い第2のプレーヤに表示されるようになる。図6では、第1のプレーヤのステータスパラメータである体力パラメータが低いため、第1のプレーヤのメッセージMS1は、体力パラメータが低い第2のプレーヤに表示されるようになる。これにより、第1のプレーヤのステータスパラメータに適合又は類似するステータスパラメータの第2のプレーヤに対して、第1のプレーヤのメッセージを表示できるようになる。
【0088】
また本実施形態では、メッセージを設定した第1のプレーヤ(第1のプレーヤのキャラクタ)の所持アイテム又は装備アイテムの情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。このようにすれば、メッセージを設定した第1のプレーヤの所持アイテム又は装備アイテムを抽出条件やマッチング条件として、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定ができるようになり、プレーヤの所持アイテム又は装備アイテムを反映させた表示判定処理を実現できる。例えば図5では、第1のプレーヤ(第1のプレーヤのキャラクタ)は剣を装備しており、第1のプレーヤのメッセージMS2は、剣技を勧めるメッセージとなっている。このため第1のプレーヤのメッセージMS2は、剣を装備している第2のプレーヤに表示されるようになる。或いは第1のプレーヤが特定のアイテムを所持している場合に、この所持アイテムの情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行ってもよい。例えばクエストのクリアに必要な特定のアイテムを第1のプレーヤが所持している場合に、第1のプレーヤのメッセージを、同じ特定のアイテムを所持している第2のプレーヤに表示するようにする。このようにすれば、当該特定のアイテムを所持している場合に有効なメッセージを第2のプレーヤに表示できるようになる。
【0089】
また本実施形態では、メッセージを設定した第1のプレーヤのプレイ傾向の情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。このようにすれば、メッセージを設定した第1のプレーヤのプレイ傾向を抽出条件やマッチング条件として、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定ができるようになり、プレーヤのプレイ傾向を反映させた表示判定処理を実現できる。例えば第1のプレーヤのプレイ傾向が攻め傾向である場合には、同じく攻め傾向の第2のプレーヤに対して、第1のプレーヤのメッセージを表示する。このようにすれば敵に対する攻撃の際に有効な第1のプレーヤのアドバイス等のメッセージを、第2のプレーヤに表示できるようになる。また第1のプレーヤのプレイ傾向が守り傾向である場合には、同じく守り傾向の第2のプレーヤに対して、第1のプレーヤのメッセージを表示する。このようにすれば敵からの防御の際に有効な第1のプレーヤのアドバイス等のメッセージを、第2のプレーヤに表示できるようになる。例えば過去のプレイ履歴から判定したプレイ傾向に似た他のプレーヤのメッセージを優先的に表示するようにする。即ち第1のプレーヤの過去のプレイ履歴から第1のプレーヤのプレイ傾向を判定すると共に、第2のプレーヤの過去のプレイ履歴から第2のプレーヤのプレイ傾向を判定する。そして第1のプレーヤの過去のプレイ履歴から判定されたプレイ履歴と、第2のプレーヤの過去のプレイ履歴から判定されたプレイ履歴とが適合又は類似する場合には、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するようにする。このようにしれば、プレーヤの過去のプレイ履歴を反映させた表示判定処理を実現できるようになる。
【0090】
また本実施形態では、メッセージを設定した第1のプレーヤとの関係性の情報に基づいて、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定を行う。関係性の情報は、例えばプレーヤの属性についての関係性の情報などである。このようにすれば、第1のプレーヤと第2のプレーヤの関係性の情報を抽出条件やマッチング条件として、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定ができるようになり、プレーヤ間の関係性の情報を反映させた表示判定処理を実現できる。例えば第1のプレーヤと第2のプレーヤの年齢、性別又は居住地域などの関係性を判断する。そして第1のプレーヤと同じ年齢層、同じ性別、又は同じ居住地域である第2のプレーヤに対して第1のプレーヤのメッセージを表示するようにする。この場合に、第1のプレーヤと第2のプレーヤの間の年齢層、性別又は居住地域などの関係性要素の一致数に応じて、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの判定処理を行ってもよい。例えば年齢層、性別、居住地域などの関係性要素の一致数が、所定数以上である場合に、第1のプレーヤのプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するようにする。また例えば第1のプレーヤと第2のプレーヤが、フレンド関係である場合や、同じチームやギルド等の団体に属しているという関係にある場合に、第1のプレーヤのメッセージを第2のプレーヤに表示するようにしてもよい。
【0091】
なお本実施形態では、ゲーム状況情報として、例えばプレーヤのゲームのプレイ時間情報やプレーヤの課金情報などを用いてもよい。例えばプレイ時間(総時間)が多いプレーヤのメッセージについては、同じようにプレイ時間が多いプレーヤに表示し、課金額の多いプレーヤのメッセージについては、同じように課金額が多いプレーヤに表示するようにする。
【0092】
また本実施形態では、メッセージを表示する際に、メッセージを設定した第1のプレーヤの情報も併せて表示する処理を行う。このようにメッセージと共に第1のプレーヤの情報も併せて表示することで、第2のプレーヤがゲームプレイを進める上において、より有用であったり、より良い判断材料となる情報を、第2のプレーヤに提示できるようになる。例えば図11では、第1のプレーヤのメッセージと共に、例えばメッセージを設定した際における第1のプレーヤのレベル、装備、経験値、体力等の第1のプレーヤの情報についても併せて、第2のプレーヤに表示している。このように、例えば、レベル10で、特定の槍、盾を装備し、経験値が650で体力が85である第1のプレーヤが、このメッセージを残したということを、第2のプレーヤが分かれば、第2のプレーヤにとって有用で、より良い判断材料となる情報を提示できる。そして第2のプレーヤは、例えば第1のプレーヤのレベル、装備、経験値、体力を勘案しながら、装備する武器やアイテム等を決定して、敵との戦いに挑戦できるようになり、有用なメッセージに基づくゲームプレイが可能になる。
【0093】
また本実施形態では、第1のプレーヤが設定したメッセージが第2のプレーヤに表示された場合に、メッセージを設定した第1のプレーヤに対して特典を付与する処理を行う。図12はこの場合の本実施形態の処理を説明するフローチャートである。
【0094】
まずゲームシステムは、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定処理を行う(ステップS21)。例えばゲームシステムは、各プレーヤのステータスパラメータ、所持アイテム又は装備アイテム、プレイ傾向又は関係性の情報などのゲーム状況情報や、メッセージの内容情報に基づいて、表示判定処理を行う。そしてゲームシステムは、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかを判定し(ステップS22)、表示すると判定した場合に第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示する(ステップS23)。そして、このように第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示された場合に、ゲームシステムは、第1のプレーヤに対して特典を付与する(ステップS24)。
【0095】
このように本実施形態では、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されると、メッセージを設定した第1のプレーヤに対して特典が付与されるようになる。このようにすれば、第1のプレーヤは、自身が設定したメッセージが表示されたことにより特典が付与されることが動機づけとなって、ゲーム空間のメッセージ設定場所にメッセージを設定するようになる。これにより、同一のゲーム空間においてプレイする複数のプレーヤ間においてアドバイス等のメッセージのやり取りが頻繁に行われるようになる。これにより、プレーヤ間の有効なコミュニケーションを実現できるメッセージの伝達システムを実現でき、このメッセージの伝達システムを有効活用して、プレーヤのゲームへの熱中度や没入度を高めることが可能になる。
【0096】
また本実施形態では、第1のプレーヤが設定したメッセージに対する第2のプレーヤからの評価を受け付けて、評価の結果に応じて、第1のプレーヤに対して付与する特典を変化させる。或いはメッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容に応じて、第1のプレーヤに対して付与する特典を変化させる。図13はこの場合の本実施形態の処理を説明するフローチャートである。
【0097】
まずゲームシステムは、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定処理を行い(ステップS31)、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示すると判定した場合に、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示する(ステップS32、S33)。そしてゲームシステムは、第1のプレーヤが設定したメッセージに対する第2のプレーヤの評価を受け付ける(ステップS34)。例えばゲームシステムは、第2のプレーヤの端末装置の表示部に対して、メッセージに対する評価を入力するための評価画面や評価ウィンドウを表示する。そして第2のプレーヤが端末装置の操作部を用いて、第1のプレーヤのメッセージに対する評価を入力すると、ゲームシステムは、入力された評価の情報を受信する受け付け処理を行う。またゲームシステムは、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容の情報を取得する(ステップS35)。例えば本実施形態では同じメッセージ設定場所において、例えば複数のプレーヤによる複数のメッセージを設定することが可能になっており、ゲームシステムは、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数の情報を取得する。またゲームシステムは、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの内容の情報も取得し、例えばメッセージ設定場所に設定された複数のメッセージの内容の傾向情報等も解析する。そしてゲームシステムは、第2のプレーヤの評価、或いはメッセージの数又は内容に応じて変化する特典を第1のプレーヤに付与する(ステップS36)。例えばゲームシステムは、第2のプレーヤによる評価が高いほど、ゲームにおいて第1のプレーヤをより有利にする高い価値の特典を付与したり、第1のプレーヤのメッセージと同様の内容のメッセージの数が少ないほど、高い価値の特典を付与する。
【0098】
このように本実施形態では、第1のプレーヤのメッセージに対する第2のプレーヤの評価に応じて、第1のプレーヤに付与する特典を変化させる。このようにすれば、第2のプレーヤの評価に応じて特典の内容又は種類等が変化するようになるため、第1のプレーヤは、より良いアドバイスとなる有用なメッセージを設定するようになる。この結果、第2のプレーヤに対しても、例えばゲームを進める上において良い判断材料となる有用なメッセージが表示されるようになり、プレーヤ間において有用なコミュニケーションを実現できるメッセージの伝達システムを実現できる。なお、第2のプレーヤに表示するメッセージの候補として、同じメッセージ設定場所に複数のメッセージが設定されており、競合する場合に、他のプレーヤにより、より高い評価が与えられているメッセージを第2のプレーヤに表示するようにしてもよい。このような表示優先度も特典の1つと考えることができる。
【0099】
また本実施形態では、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容に応じて、第1のプレーヤに付与すると特典を変化させる。このようにすれば、同じメッセージ設定場所に設定されたメッセージの数や内容を反映させた内容又は種類の特典を、メッセージを設定した第1のプレーヤに対して付与できるようになる。例えば第1のプレーヤがメッセージを設定した場所に対して、他の複数のプレーヤが多数のメッセージを設定していた場合には、第1のプレーヤのメッセージに高い評価が与えられたとしても、第1のプレーヤに対しては、あまり価値が高くない特典が付与される。逆に、他のプレーヤがあまりメッセージを設定していない場所に対して、第1のプレーヤがメッセージを設定し、メッセージに対して高い評価が行われた場合には、価値が高い特典が第1のプレーヤに付与され、第1のプレーヤは、例えばゲームをより有利に進めることが可能になる。例えばメッセージ設定場所に第1のプレーヤがアドバイスとなるメッセージを設定したとしても、他のプレーヤも容易に気づくような内容のメッセージである場合には、第1のプレーヤに対して低い価値の特典が付与される。一方、メッセージ設定場所に設定される数が多くなく、他のプレーヤも容易に気づくことができないような内容のメッセージを第1のプレーヤが設定した場合には、第1のプレーヤに対して価値が高い特典が付与される。
【0100】
また本実施形態では、第1のプレーヤが設定したメッセージが第2のプレーヤに表示された場合に、第1のプレーヤと第2のプレーヤの関係性の更新処理又は関係性の申請処理を可能にする。図14はこの場合の本実施形態の処理を説明するフローチャートである。
【0101】
まずゲームシステムは、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示するかどうかの表示判定処理を行い(ステップS41)、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示すると判定した場合に、第1のプレーヤが設定したメッセージを第2のプレーヤに表示する(ステップS42、S43)。そして第1のプレーヤと第2のプレーヤのフレンド関係又はチーム関係の構築等の関係性の更新処理が許可されて、当該更新処理が実行される(ステップS44)。例えばゲームシステムは、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されたことを契機として、プレーヤ間でフレンド関係又はチーム関係等を構築するなどの更新処理を許可する。またフレンド申請、バトル申請又は協力プレイ申請等の関係性の申請処理が許可されて、当該申請処理が実行される(ステップS45)。例えばゲームシステムは、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されたことを契機として、プレーヤ間でフレンド申請、バトル申請又は協力プレイ申請等を行うなどの関係性の申請処理を許可する。
【0102】
このように本実施形態によれば、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されると、プレーヤ間の関係性の更新処理や申請処理が可能になる。このようにすれば、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されことを契機として、プレーヤ間の関係性を構築したり、プレーヤ間の関係性を新たな関係性に変化させる関係性の更新処理や、プレーヤ間において所定の関係性を設定するための関係性の申請処理を行えるようになる。従って、メッセージ伝達システムを有効活用したプレーヤ間の関係性の更新処理や申請処理を実現できるようになる。例えば第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されたということは、第1のプレーヤと第2のプレーヤは、ゲームレベルやプレイスタイル等が似ていると判断できる。従って、第1のプレーヤと第2のプレーヤとは、フレンド関係になったり、チームを組んだり、一緒に対戦ゲームや協力プレイを行う相手として好適であると判断できる。従って、第1のプレーヤのメッセージが第2のプレーヤに表示されたことを契機として、第1のプレーヤと第2のプレーヤの関係性の更新処理や申請処理を行えるようにする。
【0103】
また本実施形態では、第1のプレーヤが設定したメッセージに関連づけて、第2のプレーヤのメッセージを追加設定する処理を行う。例えば図15では、プレーヤPA(第1のプレーヤ)が、メッセージ設定場所において「この先、敵が強い」というメッセージを設定している。そしてプレーヤPA、PBのゲーム状況情報やメッセージの内容情報に基づく表示判定処理により、このプレーヤPAのメッセージがプレーヤPB(第2のプレーヤ)に表示されている。そしてプレーヤPBは、プレーヤPAが設定したメッセージに関連づけて、「敵の炎の技が強い」というメッセージを追加設定している。即ち、プレーヤPBは、この先の敵は強いが、特に炎の技が強いという補足コメントを追加している。更に、これらのプレーヤPA、PBのメッセージが表示されたプレーヤPCは、これらのメッセージに関連づけて、「炎の技の後に隙があるからチャンス」というメッセージを追加設定している。即ち、プレーヤPCは、この先の敵は炎の技が強いが、敵の炎の技の後に隙があり、攻撃のチャンスであるという補足コメントを追加している。このようにすれば、第1のプレーヤが設定したメッセージに対して、そのメッセージに関連する内容のメッセージが追加設定されるようになる。例えば第1のプレーヤのメッセージの内容を前提として補足的な内容が付加されたメッセージが追加設定されるようになる。従って、より有用で、ゲームにおいて役に立つような内容のメッセージを表示することが可能になる。即ち本実施形態によれば、ツイッターにおけるリプライのように、他のプレーヤのメッセージに補足する形で新規のメッセージを追加設定できる。例えば2件のメッセージがメッセージ設定場所に別個に設定されたとしても、次にそのメッセージ設定場所を訪れたプレーヤには、表示判定の結果、これらの2件のメッセージが表示されるとは限らない。しかしながら、メッセージ設定場所に設定されたメッセージに関連づけて他のプレーヤのメッセージを追加設定できる本実施形態の手法によれば、次にそのメッセージ設定場所を訪れたプレーヤに対して、元のメッセージを補足するような内容のメッセージを表示できるようになる。これにより、より有用で価値の高いメッセージをプレーヤに対して表示できるメッセージ伝達システムを実現できる。
【0104】
また本実施形態では、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容に応じて、メッセージ設定場所の表示態様の変更処理を行う。図16はこの場合の本実施形態の処理を説明するフローチャートである。
【0105】
まずゲームシステムは、プレーヤがメッセージ設定場所に位置するか否かを判断する(ステップS51)。例えばプレーヤのキャラクタがゲーム空間に登場する場合には、ゲームシステムは、プレーヤのキャラクタの位置が、例えばメッセージ設定場所に対応する所定範囲に位置するか否かを判断する。そしてゲームシステムは、プレーヤがメッセージ設定場所に位置する場合には、メッセージ設定場所に設定されたメッセージの数又は内容の情報を取得する(ステップS52)。そしてゲームシステムは、メッセージの数又は内容に応じて、メッセージ設定場所での表示態様を変更する(ステップS53)。例えばゲームシステムは、メッセージ設定場所にあるオブジェクトの色又は輝度等の画像のプロパティを変更したり、エフェクト画像を表示するなどの表示態様の変更処理を行う。
【0106】
このように本実施形態によれば、メッセージの数又は内容に応じてメッセージ設定場所の表示態様が変更される。このようにすれば、プレーヤは、メッセージ設定場所に対応する場所がどのような場所なのかを、変更された表示態様の画像を見ることで、視覚的に認識できるようになる。従って、プレーヤにとって利便性や有用性が高い情報を表示できるメッセージ伝達システムを実現できる。例えば本実施形態では、メッセージの数に応じてメッセージ設定場所のマップ等のオブジェクトの画像の色や輝度等を変化させる。例えばメッセージの数が増加するにつれて、メッセージ設定場所の画像の色を、青、黄色、赤というように変化させる。このようにすることで、プレーヤは、表示態様が変更されたメッセージ設定場所での画像を見ることで、その場所が安全なゾーンなのか、危険なゾーンなのかなどを、一目で認識できるようになる。また本実施形態では、例えばメッセージに含まれるキーワードや、メッセージに対応するゲーム状況情報などのメッセージの内容に応じてメッセージ設定場所の表示態様を変更する。このようにすればプレーヤは、例えば槍等の特定の武器を装備したプレーヤばかりがメッセージを残している場所なのか、或いは特定のアイテムを装備したプレーヤばかりがメッセージを残している場所なのかなどを、表示態様の変化を見ることで視覚的に認識できるようになる。或いはプレーヤは、ゲームレベルが低いプレーヤがメッセージを残した場所なのか、ゲームレベルが高いプレーヤがメッセージを残した場所なのか、或いはゲームレベルの低いプレーヤからゲームレベルの高いプレーヤまで満遍なくメッセージを残している場所なのかなどを、表示態様の変化を見ることで視覚的に認識できるようになり、プレーヤの利便性を向上できる。
【0107】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ゲーム処理、メッセージ処理、表示判定処理、表示処理、特典付与処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本開示の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
100…処理部、102…ゲーム処理部、104…メッセージ処理部、106…表示判定部、118…管理部、120…表示処理部、130…音処理部、170…記憶部、172…メッセージ記憶部、174…プレーヤ情報記憶部、196…通信部、500…サーバシステム、510…ネットワーク、CH…キャラクタ、MS1~MS5…メッセージ、P1~Pn、PA、PB、PC、PL…プレーヤ、TM1~TMn、TM…端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
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図16