(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156191
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】コンピュータシステムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/79 20140101AFI20221006BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20221006BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20221006BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/69
A63F13/79 510
A63F13/79
A63F13/69 500
A63F13/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059769
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(71)【出願人】
【識別番号】514071082
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコスタジオ
(71)【出願人】
【識別番号】510067625
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコオンライン
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 辰巳
(57)【要約】
【課題】トレードの仕様に新たな付加価値を追加することが可能な技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100は、プレーヤと、相手プレーヤとの間で、ゲームで取得可能で且つ当該ゲームで使用可能なゲームエレメントを少なくとも含むゲーム資産のトレードの実行を制御する。このサーバシステム1100において、トレード検出部233は、ゲームエレメントをトレード対象とするトレードを行ったことを検出し、特典付与制御部235は、トレード検出部233による検出に応じて、トレード対象となったゲームエレメントに関連付けられた特典をプレーヤに付与する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤ同士、或いは、プレーヤとコンピュータ制御の仮想プレーヤとの間で、ゲームで取得可能で且つ当該ゲームで使用可能なゲームエレメントを少なくとも含むゲーム資産のトレードの実行を制御するコンピュータシステムであって、
前記ゲームエレメントをトレード対象とするトレードを行ったことを検出するトレード検出手段と、
前記トレード検出手段による検出に応じて、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントに関連付けられた特典を、前記プレーヤに付与する特典付与制御手段と、
を備え、
前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲渡した譲渡プレーヤである場合に、付与されなかった時に比べて付与された時の方が、当該ゲームエレメントの前記ゲームでの再取得が有利になる特典を、当該プレーヤに付与する、
コンピュータシステム。
【請求項2】
プレーヤ同士、或いは、プレーヤとコンピュータ制御の仮想プレーヤとの間で、ゲームで取得可能で且つ当該ゲームで使用可能なゲームエレメントを少なくとも含むゲーム資産のトレードの実行を制御するコンピュータシステムであって、
前記ゲームエレメントをトレード対象とするトレードを行ったことを検出するトレード検出手段と、
前記トレード検出手段による検出に応じて、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントに関連付けられた特典を、前記プレーヤに付与する特典付与制御手段と、
を備え、
前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲受した譲受プレーヤであり、且つ、当該ゲームエレメントが育成要素および/又は強化要素(以下包括して「向上要素」という)のあるゲームエレメントである場合に、付与されなかった時に比べて付与された時の方が、当該ゲームエレメントの向上要素が向上し易くなる特典を、当該プレーヤに付与する、
コンピュータシステム。
【請求項3】
前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが、1)前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲渡した譲渡プレーヤである場合と、2)前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲受した譲受プレーヤである場合と、で異なる特典を当該プレーヤに付与する、
請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲受した譲受プレーヤである場合に、付与されなかった時に比べて付与された時の方が、当該ゲームエレメントに関連付けられたアイテムの前記ゲームでの取得が有利になる特典を、当該プレーヤに付与する、
請求項1~3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲受した譲受プレーヤである場合に、付与されなかった時に比べて付与された時の方が、当該ゲームエレメントがゲームで発揮する能力および/又は作用効果が上昇する特典を、当該プレーヤに付与する、
請求項1~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記特典には所与の有効期限があり、
前記特典付与制御手段は、付与する特典の有効期限を可変に設定する有効期限設定手段、を有する、
請求項1~5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記有効期限設定手段は、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントに基づいて、付与する特典の有効期限を設定する、
請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記有効期限設定手段は、前記プレーヤのトレード履歴に基づいて、付与する特典の有効期限を設定する、
請求項6又は7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記有効期限設定手段は、前記プレーヤのプレイデータに基づいて、付与する特典の有効期限を設定する、
請求項6~8の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記ゲームは、各プレーヤがグループに所属してプレイするゲームであり、
前記有効期限設定手段は、前記プレーヤが所属するグループのグループプレイデータに基づいて、付与する特典の有効期限を設定する、
請求項6~9の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記特典付与制御手段は、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントに基づいて、付与する特典の内容又は種類を変更する、
請求項1~10の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記特典付与制御手段は、前記プレーヤのトレード履歴に基づいて、付与する特典の内容又は種類を変更する、
請求項1~11の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記特典付与制御手段は、前記プレーヤのプレイデータに基づいて、付与する特典の内容又は種類を変更する、
請求項1~12の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記ゲームは、各プレーヤがグループに所属してプレイするゲームであり、
前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが所属するグループのグループプレイデータに基づいて、付与する特典の内容又は種類を変更する、
請求項1~13の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
請求項1~14の何れか一項に記載のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
前記サーバシステムと通信を行い、マンマシンインターフェースの機能を担う前記プレーヤのプレーヤ端末と、
を具備するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム資産のトレードの実行を制御するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの仕様の1つとして、ゲームで取得可能で且つ当該ゲームで使用可能なアイテムやキャラクタ等をプレーヤ間で交換するトレードの仕様がある。このトレードの仕様によれば、例えば、不要なアイテムを手放して相手プレーヤに提供するかわりに、希望するアイテムを相手プレーヤから受け取ることができる。例えば、特許文献1には、トレード対象として交換するアイテムそれぞれの価値に差がある場合にその旨を通知し、確認を促す仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のトレードの仕様は、単にプレーヤ間でアイテム等を交換するだけのものであった。そのため、トレードの対象物を交換するというシンプルな仕様とも言えるが、それ以上でもそれ以下でもないものであった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、トレードの仕様に新たな付加価値を追加することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、プレーヤ同士、或いは、プレーヤとコンピュータ制御の仮想プレーヤとの間で、ゲームで取得可能で且つ当該ゲームで使用可能なゲームエレメントを少なくとも含むゲーム資産のトレードの実行を制御するコンピュータシステムであって、前記ゲームエレメントをトレード対象とするトレードを行ったことを検出するトレード検出手段(例えば、
図7のトレード検出部233)と、前記トレード検出手段による検出に応じて、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントに関連付けられた特典を、前記プレーヤに付与する特典付与制御手段(例えば、
図7の特典付与制御部235)と、を備え、前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲渡した譲渡プレーヤである場合に、付与されなかった時に比べて付与された時の方が、当該ゲームエレメントの前記ゲームでの再取得が有利になる特典を、当該プレーヤに付与する、コンピュータシステムである。
【0007】
第1の発明によれば、プレーヤ同士がゲームエレメントのトレードを行い、或いは、プレーヤが仮想プレーヤとの間でゲームエレメントのトレードを行った場合に、トレード対象となったゲームエレメントに関連する特典として、当該トレードで譲渡したゲームエレメントの再取得がし易くなる特典を、プレーヤに付与することができる。これによれば、プレーヤは、ゲームエレメントを交換するトレードを行うことで、希望するゲームエレメントと併せて、当該トレードで譲渡したゲームエレメントの再取得がし易くなる特典を受け取ることができる。したがって、トレードの仕様に新たな付加価値を追加することが可能となる。また、プレーヤに付与される特典は、トレード対象のゲームエレメントに関連する特典である。トレード対象が何であるかによって、付与される特典も変わり得る。この点でも新たな付加価値をトレードの仕様に付加することができる。
【0008】
また、第2の発明は、プレーヤ同士、或いは、プレーヤとコンピュータ制御の仮想プレーヤとの間で、ゲームで取得可能で且つ当該ゲームで使用可能なゲームエレメントを少なくとも含むゲーム資産のトレードの実行を制御するコンピュータシステムであって、前記ゲームエレメントをトレード対象とするトレードを行ったことを検出するトレード検出手段と、前記トレード検出手段による検出に応じて、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントに関連付けられた特典を、前記プレーヤに付与する特典付与制御手段と、を備え、前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲受した譲受プレーヤであり、且つ、当該ゲームエレメントが育成要素および/又は強化要素(以下包括して「向上要素」という)のあるゲームエレメントである場合に、付与されなかった時に比べて付与された時の方が、当該ゲームエレメントの向上要素が向上し易くなる特典を、当該プレーヤに付与する、コンピュータシステムである。
【0009】
第2の発明によれば、プレーヤ同士がゲームエレメントのトレードを行い、或いは、プレーヤが仮想プレーヤとの間でゲームエレメントのトレードを行った場合に、トレード対象となったゲームエレメントに関連する特典として、当該トレードで譲受したゲームエレメントの向上要素を向上させ易くなる特典を、プレーヤに付与することができる。これによれば、プレーヤは、ゲームエレメントを交換するトレードを行うことで、希望するゲームエレメントと併せて、当該ゲームエレメントの向上要素を向上させ易くなる特典を受け取ることができる。したがって、トレードの仕様に新たな付加価値を追加することが可能となる。また、プレーヤに付与される特典は、トレード対象のゲームエレメントに関連する特典である。トレード対象が何であるかによって、付与される特典も変わり得る。この点でも新たな付加価値をトレードの仕様に付加することができる。
【0010】
また、第3の発明は、前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが、1)前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲渡した譲渡プレーヤである場合と、2)前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲受した譲受プレーヤである場合と、で異なる特典を当該プレーヤに付与する、第1又は第2の発明のコンピュータシステムである。
【0011】
第3の発明によれば、同じゲームエレメントでも、プレーヤがそれを譲渡した場合と譲受した場合とで異なる特典をプレーヤに付与することができる。
【0012】
また、第4の発明は、前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲受した譲受プレーヤである場合に、付与されなかった時に比べて付与された時の方が、当該ゲームエレメントに関連付けられたアイテムの前記ゲームでの取得が有利になる特典を、当該プレーヤに付与する、第1~第3の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0013】
第4の発明によれば、トレードで譲受したゲームエレメントに関連するアイテムの取得がし易くなる特典を、プレーヤに付与することが可能となる。
【0014】
また、第5の発明は、前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントを譲受した譲受プレーヤである場合に、付与されなかった時に比べて付与された時の方が、当該ゲームエレメントがゲームで発揮する能力および/又は作用効果が上昇する特典を、当該プレーヤに付与する、第1~第4の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0015】
第5の発明によれば、トレードで譲受したゲームエレメントの能力や作用効果を上昇させる特典を、プレーヤに付与することが可能となる。
【0016】
また、第6の発明は、前記特典には所与の有効期限があり、前記特典付与制御手段は、付与する特典の有効期限を可変に設定する有効期限設定手段(例えば、
図7の有効期限設定部237)を有する、第1~第5の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0017】
第6の発明によれば、付与する特典に、有効期限を可変に設定することができる。
【0018】
また、第7の発明は、前記有効期限設定手段は、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントに基づいて、付与する特典の有効期限を設定する、第6の発明のコンピュータシステムである。
【0019】
第7の発明によれば、付与する特典に、トレード対象のゲームエレメントに応じた有効期限を設定することができる。
【0020】
また、第8の発明は、前記有効期限設定手段は、前記プレーヤのトレード履歴に基づいて、付与する特典の有効期限を設定する、第6又は第7の発明のコンピュータシステムである。
【0021】
第8の発明によれば、付与する特典に、プレーヤのトレード履歴に応じた有効期限を設定することができる。
【0022】
また、第9の発明は、前記有効期限設定手段は、前記プレーヤのプレイデータに基づいて、付与する特典の有効期限を設定する、第6~第8の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0023】
第9の発明によれば、付与する特典に、プレーヤのプレイデータに応じた有効期限を設定することができる。
【0024】
また、第10の発明は、前記ゲームは、各プレーヤがグループに所属してプレイするゲームであり、前記有効期限設定手段は、前記プレーヤが所属するグループのグループプレイデータに基づいて、付与する特典の有効期限を設定する、第6~第9の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0025】
第10の発明によれば、付与する特典に、プレーヤが所属するグループのグループプレイデータに応じた有効期限を設定することができる。
【0026】
また、第11の発明は、前記特典付与制御手段は、前記トレード対象となった前記ゲームエレメントに基づいて、付与する特典の内容又は種類を変更する、第1~第10の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0027】
第11の発明によれば、トレード対象のゲームエレメントに応じて内容又は種類の異なる特典を付与することができる。
【0028】
また、第12の発明は、前記特典付与制御手段は、前記プレーヤのトレード履歴に基づいて、付与する特典の内容又は種類を変更する、第1~第11の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0029】
第12の発明によれば、プレーヤのトレード履歴に応じて内容又は種類の異なる特典を付与することができる。
【0030】
また、第13の発明は、前記特典付与制御手段は、前記プレーヤのプレイデータに基づいて、付与する特典の内容又は種類を変更する、第1~第12の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0031】
第13の発明によれば、プレーヤのプレイデータに応じて内容又は種類の異なる特典を付与することができる。
【0032】
また、第14の発明は、前記ゲームは、各プレーヤがグループに所属してプレイするゲームであり、前記特典付与制御手段は、前記プレーヤが所属するグループのグループプレイデータに基づいて、付与する特典の内容又は種類を変更する、第1~第13の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0033】
第14の発明によれば、プレーヤが所属するグループのグループプレイデータに応じて内容又は種類の異なる特典を付与することができる。
【0034】
また、第15の発明は、第1~第14の何れかの発明のコンピュータシステムであるサーバシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)と、前記サーバシステムと通信を行い、マンマシンインターフェースの機能を担う前記プレーヤのプレーヤ端末(例えば、
図1のプレーヤ端末1500)と、を具備するゲームシステム(例えば、
図1のゲームシステム1000)である。
【0035】
第15の発明によれば、第1~第14の何れかの発明と同様の作用効果を奏するゲームシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図5】特典付与制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【
図6】決定要素選択テーブルのデータ構成例を示す図。
【
図7】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図9】ゲームエレメントデータのデータ構成例を示す図。
【
図10】プレーヤ端末の機能構成例を示すブロック図。
【
図11】サーバシステムが行う処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0038】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ(ユーザ)2が所有するプレーヤ端末1500とを含み、これらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成されるコンピュータシステムである。
【0039】
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0040】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備えるコンピュータシステムである。本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0041】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、プレーヤ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自分のプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウント(プレーヤID)によりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
【0042】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、ゲーム内通貨であるゲームコインの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してゲームコインの購入額をプレーヤ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額に相当するゲームコインをプレーヤ2に付与する。
【0043】
なお、サーバシステム1100は、
図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0044】
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワークNに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0045】
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0046】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線通信基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。インターフェース回路1557には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路等が含まれる。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0047】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0048】
[詳細]
1.ゲームについて
本実施形態のゲームは、ゲーム空間がいわゆるオープンワールドタイプのゲームとし、プレーヤキャラクタと敵キャラクタとの間でエンカウントが発生することで、バトル(対戦)が発動されるRPG(Role Playing Game)形式のゲームである。敵キャラクタは、コンピュータ制御のNPC(ノンプレイヤブルキャラクタ)とする。プレーヤは、所有するキャラクタの中からプレーヤキャラクタを1体選び、武器や防具等のアイテムを装備させてゲームをプレイする。複数のキャラクタを選び、デッキを編成してプレイする構成でもよい。より詳細には、本実施形態のゲームでは、複数のプレーヤがゲーム空間を共有する。ゲーム空間内で他のプレーヤキャラクタと遭遇した時には、そのプレーヤとチャットしたり一緒にゲームをプレイすることができる。
【0049】
また、本実施形態のゲームでは、他のプレーヤ等との間で、互いにトレード対象とするゲーム資産を提供し合って交換するトレードの仕様を有する。ゲーム資産は、ゲームにおいて取得可能で且つ使用可能なゲームエレメントを少なくとも含む。具体的には、ゲーム資産には、例えば、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタ、プレーヤキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、弾、薬等の各種アイテム、プレーヤキャラクタの乗り物、召喚獣、魔法やスキル等のプレーヤキャラクタに付加できる追加能力、新しいゲームステージやマップの開放、キャラクタやアイテム等を抽選する抽選権(ガシャを引くことができる抽選チケット)といった各種ゲームエレメントの他、ゲームコイン等を含めることができる。以下では、武器等のアイテムをトレード対象として交換する場合を例に挙げて説明するが、その他のゲームエレメントをトレードする場合にも同様に適用することができる。
【0050】
2.トレードの概要について
本実施形態のトレードは、プレーヤが、他のプレーヤ又はコンピュータ制御の仮想プレーヤを相手プレーヤとして行うゲームエレメントの交換である。本実施形態では、説明を簡明化するためにゲームエレメントを、代表例であるアイテムとして説明する。プレーヤは、自身が所持する手持ちのアイテムをトレード対象として相手プレーヤに提供し、トレードを行う。例えば、プレーヤがゲーム空間内で他のプレーヤキャラクタと遭遇した時に行う第1のトレードと、ゲーム空間内に設定された交易所で行う第2のトレードと、ゲーム空間内に設定されたショップで行う第3のトレードと、が可能な仕様となっている。
【0051】
第1のトレードは、他のプレーヤキャラクタとの遭遇時に表示されるトレードメニューからそのプレーヤを相手プレーヤとして行うトレードである。第2のトレードは、交易所にてトレード対象とする手持ちのアイテム(譲り渡すアイテム)と希望するアイテム(譲り受けるアイテム)とを登録し、当該トレードに応募してくれる相手プレーヤを募集することで行うトレードである。応募したプレーヤがいれば、当該プレーヤを相手プレーヤとしてトレードを行う。第3のトレードは、ショップにて商人キャラクタと交渉することで行うトレードである。交渉が成立した場合には、当該商人キャラクタ(NPC)を相手プレーヤとしてトレードを行う。
【0052】
図3は、本実施形態のトレードの概要を説明するための模式図である。
図3の例では第1のトレードを想定しており、各プレーヤK,Bが各々のプレーヤキャラクタC11,C13を操作してゲームをプレイし、その過程で互いにアイテムI11,I13を交換することで行ったトレードを示している。
図3のトレードによれば、プレーヤKは、手持ちのアイテムI11と引き換えにプレーヤBからアイテムI13を受け取り、プレーヤBは、手持ちのアイテムI13と引き換えにプレーヤKからアイテムI11を受け取ることとなる。そしてその際に、各プレーヤK,Bには、トレード対象となったアイテムI11,I13に関連付けられた特典が付与される。
【0053】
そのための処理として、サーバシステム1100は、第1~第3の何れかのトレードが行われた場合に特典付与制御処理を行う。本実施形態では、トレード対象となり得るアイテム毎に、それがトレード対象となった時の特典の内容又は種類を定めた特典内容データ540(
図4を参照)が予め用意される。そして、特典付与制御処理では、トレード対象となったアイテムの特典内容データ540に従って、プレーヤへの特典付与を制御する。プレーヤ間で行う第1のトレード又は第2のトレードに際しては、各プレーヤをそれぞれ特典付与対象として、特典付与制御処理を行うこととなる。すなわち、
図3の例では、プレーヤKを特典付与対象とした特典付与制御処理を行い、アイテムI11に関する特典G111と、アイテムI13に関する特典G131と、をプレーヤKに付与する。また、プレーヤBを特典付与対象とした特典付与制御処理を行い、アイテムI13に関する特典G133と、アイテムI11に関する特典G113と、をプレーヤBに付与する。
【0054】
より詳細には、特典内容データ540には、トレードの際に該当するアイテムを譲り渡したプレーヤ(譲渡プレーヤ)に対して付与するものの候補である譲渡時付与候補と、トレードの際に当該アイテムを譲り受けたプレーヤ(譲受プレーヤ)に対して付与するものの候補である譲受時付与候補と、に分類して各候補の特典内容が定められる。そして、プレーヤに対し、そのトレードで手放した方のアイテム(譲渡アイテム)に関する特典(譲渡アイテム向け特典)として、当該アイテムの譲渡時付与候補の中から選んだ特典を付与する。また、プレーヤに対し、そのトレードで受け取った方のアイテム(譲受アイテム)に関する特典(譲渡アイテム向け特典)として、当該アイテムの譲受時付与候補の中から選んだ特典を付与する。
図3の例でいうと、プレーヤKに付与される一方の特典G111が、プレーヤKにとって譲渡アイテムであるアイテムI11に係る譲渡時付与候補から選択された譲渡アイテム向け特典であり、他方の特典G131が、プレーヤKにとって譲受アイテムであるアイテムI13に係る譲受時付与候補から選択された譲受アイテム向け特典である。同様に、プレーヤBに付与される一方の特典G133が、プレーヤBにとって譲渡アイテムであるアイテムI13に係る譲渡時付与候補から選択された譲渡アイテム向け特典であり、他方の特典G113が、プレーヤBにとって譲受アイテムであるアイテムI11に係る譲受時付与候補から選択された譲受アイテム向け特典である。
【0055】
譲渡アイテム向け特典と譲受アイテム向け特典との両方をプレーヤに付与するのではなく、譲受アイテム向け特典はプレーヤに付与せず、譲渡アイテム向け特典のみをプレーヤに付与することとしてもよい。
【0056】
3.特典内容データについて
図4は、1つのアイテム(
図4の例ではアイテムI11)について定められた特典内容データ540のデータ構成例を示す図である。
図4に示すように、特典内容データ540は、譲渡時付与候補を設定した譲渡時付与候補テーブル543と、譲受時付与候補を設定した譲受時付与候補テーブル545と、を格納する。また、本実施形態では、特典(譲渡アイテム向け特典および譲受アイテム向け特典)の付与にあたってそれらの有効期限を設定するようになっており、特典内容データ540は、当該有効期限の設定のための有効期限設定テーブル547を併せて格納する。
【0057】
ここで、譲渡アイテム向け特典は、それが付与されなかった時に比べて付与された時の方が、そのアイテム(
図4ではアイテムI11)のゲームでの再取得が有利になる特典を含む。具体的には、当該アイテムを定価よりも安く購入することができる割引チケットや、当該アイテムの当選確率が高く定められた抽選チケット等が挙げられる。
【0058】
そして、譲渡時付与候補テーブル543には、そういった内容・種類の譲渡時付与候補が特典ランクと対応付けられて設定されている。割引率の高いものほど特典ランクが高く設定され、当選確率の高いものほど特典ランクが高く設定される。
【0059】
したがって、プレーヤは、獲得した譲渡アイテム向け特典を使用することで譲渡アイテムを安く入手したり、高確率で入手するといったことが可能となる。これによれば、プレーヤは、手持ちのアイテムを譲渡アイテムとして手放すトレードを行った場合でも、その後に当該アイテムを再取得し易くなり、場合によっては確実に再取得することが可能となる。
【0060】
一方、譲受アイテム向け特典は、それが付与されなかった時に比べて付与された時の方が、そのアイテム(
図4ではアイテムI11)の育成要素および/又は強化要素である向上要素が向上し易くなる特典を含む。当該特典は、当該アイテムが向上要素のあるアイテム(例えば、育成・強化によって成長するパラメータを有するアイテム)の場合に含められる。具体的には、当該アイテムを育成し、又は強化することができる素材オブジェクトや、当該アイテムに特別なスキルを付加することができる素材オブジェクト等が挙げられる。
【0061】
また、譲受アイテム向け特典は、それが付与されなかった時に比べて付与された時の方が、そのアイテム(
図4ではアイテムI11)に関連付けられたアイテムのゲームでの取得が有利になる特典を含む。具体的には、上記した素材オブジェクトを定価よりも安く購入することができる割引チケットや、当該素材オブジェクトの当選確率が高く定められた抽選チケット等が挙げられる。
【0062】
また、譲受アイテム向け特典は、それが付与されなかった時に比べて付与された時の方が、そのアイテム(
図4ではアイテムI11)がゲームで発揮する能力および/又は作用効果が上昇する特典を含む。具体的には、当該アイテムが攻撃範囲の定められた武器アイテムの場合にその範囲を広げることができる補助アイテムとか、当該アイテムが回復アイテムの場合にその回復量を増量させる補助アイテム等が挙げられる。
【0063】
そして、譲受時付与候補テーブル545には、そういった内容の譲受時付与候補が特典ランクと対応付けられて設定されている。その素材オブジェクトの育成効果や強化効果が高いほど特典ランクが高く、付与されるスキルのレア度が高いほど特典ランクが高く設定される。また、割引率の高いものほど特典ランクが高く設定され、当選確率の高いものほど特典ランクが高く設定される。また、能力や作用効果を大きく上昇させるものほど特典ランクが高く設定される。
【0064】
したがって、プレーヤは、獲得した譲受アイテム向け特典を使用することで譲受アイテムを育成・強化したり、或いは当該譲受アイテムに特別なスキルを付加することができる。また、そのための素材オブジェクトを安く入手したり、高確率で入手するといったことが可能となる。また、当該譲受アイテムの能力や作用効果を上昇させることができる。これによれば、プレーヤは、トレードで受け取ったアイテムを効率よく育成・強化等することが可能となる。
【0065】
また、有効期限設定テーブル547には、有効期限ランクと対応付けて、具体的な有効期限までの期間長(有効期限長)が設定されている。有効期限長は、有効期限ランクが高いほど長く、低いほど短く設定されている。
【0066】
4.特典付与制御処理について
図5は、特典付与制御処理の具体的な処理手順を示すフローチャートである。上記したように、今回のトレードが第1又は第2のトレードの場合は、当該トレードを行った各プレーヤのそれぞれを特典付与対象として、
図5の特典付与制御処理を行う。
【0067】
本実施形態では、プレーヤに対して譲渡アイテム向け特典および譲受アイテム向け特典の2種類を付与する。そのため、特典付与制御処理では、
図5に示すように、それら2つの特典種類毎にループAの処理を実行する(ステップS901~ステップS917)。以下、処理対象の特典種類を「対象特典種類」という。
【0068】
すなわち、ループAでは先ず、予め定められる複数の決定要素の中から1つを選び(ステップS903)、選んだ決定要素に従って特典ランクを決定するとともに(ステップS905)、ステップS903と同様の要領で各決定要素のうちの1つを選び(ステップS907)、選んだ決定要素に従って有効期限ランクを決定する(ステップS909)。
【0069】
図6は、各ランクの決定に用いる決定要素を選択するための決定要素選択テーブル550のデータ構成例を示す図である。
図6に示すように、決定要素選択テーブル550は、特典ランクや有効期限ランクを決定するのに用いる複数(例えば5つ)の決定要素と対応付けて、各決定要素の選択確率を設定したデータテーブルである。
図5のステップS903およびステップS907では、この決定要素選択テーブル550を参照し、選択確率の設定に従って第1~第5の各要素の中から1つを選ぶ。
【0070】
選択確率の設定は、通常設定551と、特別設定553と、を含む。基本的には、通常設定551に係る各決定要素の選択確率を用い、ステップS903やステップS907での決定要素の選択を行う。ただし、所定の条件を満たす場合には、特別設定553を用いて当該選択を行う。
【0071】
具体的には、
図6の例では、特典付与対象のプレーヤのゲームレベルが高レベル条件を満たす場合は、第1の特別設定554に係る各決定要素の選択確率を用いる。高レベル条件は、「特典付与対象のプレーヤのゲームレベルが所定レベル以上であること」等として設定しておくことができる。第1の特別設定554では、特典付与対象のプレーヤのトレード履歴に基づく決定要素である第1の要素が選択され易い。したがって、後述する通り、特典付与対象のプレーヤがトレードをたくさん行っているプレーヤの場合、続く
図5のステップS905やステップS909にて特典ランクや有効期限ランクが高く決定され易くなる。
【0072】
また、特典付与対象のプレーヤの課金額が所定の高額条件を満たす場合は、
図6の第2の特別設定555に係る各決定要素の選択確率を用いる。高額条件は、「特典付与対象のプレーヤの課金額の総額が所定額以上であること」等として設定しておくことができる。第2の特別設定555では、特典付与対象のプレーヤのプレイデータに基づく決定要素である第3の要素が選択され易い。したがって、後述する通り、特典付与対象のプレーヤがゲームをたくさんプレイしているプレーヤの場合、続く
図5のステップS905やステップS909にて特典ランクや有効期限ランクが高く決定され易くなる。
【0073】
また、トレードする相手プレーヤがフレンドとして登録されているプレーヤである場合は、
図6の第3の特別設定556に係る各決定要素の選択確率を用いる。第3の特別設定556では、相手プレーヤとの関係(例えばフレンド関係)に基づく決定要素である第5の要素が選択され易くなる。したがって、後述する通り、フレンドとの間でトレードを行うと、特典ランクや有効期限ランクが高く決定され易くなる。
【0074】
以上のようにして
図5のステップS903で決定要素を選んだら、続くステップS905では、当該決定要素の値を用いて特典ランクを決定する。同様に、ステップS905で決定要素を選んだら、続くステップS907では、当該決定要素の値を用いて有効期限ランクを決定する。
【0075】
ここで、第1の要素は、特典付与対象のプレーヤのトレード履歴に基づく決定要素である。例えば、特典付与対象のプレーヤがそれまでに行ったトレードの回数(トレードによって手放した/受け取ったアイテムの数)や、相手プレーヤとの間で過去に行ったトレードの回数、手放したアイテムそれぞれの価値(例えば販売額)の総額、受け取ったアイテムそれぞれの当該価値の総額等の各項目の値を用いることができる。或いは、それらのうちの2つ以上の項目の各値から二次的に求めた値を用いるとしてもよい。本実施形態では、特典付与対象のプレーヤのトレード回数を用いる。したがって、ステップS903にて各決定要素の中から第1の要素を選択した場合は、特典付与対象のプレーヤのトレード回数から特典ランクを決定することとなる。ステップS907にて各決定要素の中から第1の要素を選択した場合であれば、特典付与対象のプレーヤのトレード回数から有効期限ランクを決定する。具体的には、トレード回数と、特典ランクとの対応関係をテーブル形式で定めておくことで、特典付与対象のプレーヤのトレード回数が多くなるにつれて段階的に高くなるように特典ランクを決定する。トレード回数と、有効期限ランクとの対応関係についても同様に定めておくことで、特典付与対象のプレーヤのトレード回数が多くなるにつれて段階的に高くなるように有効期限ランクを決定する。別の項目値を用いる場合であれば、当該項目値と特典ランクや有効期限ランクとの対応関係を定めておけばよい。
【0076】
第2の要素は、トレードする相手プレーヤのトレード履歴に基づく決定要素である。内容としては、第1の要素と同様の項目の値を用いることができる。例えば、本実施形態では、相手プレーヤのトレード回数を用いる。その場合は、トレード回数と、特典ランクや有効期限ランクとの対応関係を定めておくことで、相手プレーヤのトレード回数が多くなるにつれて段階的に高くなるように特典ランクや有効期限ランクを決定する。ここでの対応関係は、第1の要素に係る対応関係と同じでもよいし、別個に用意しておく構成でもよい。
【0077】
第3の要素は、特典付与対象のプレーヤのプレイデータに基づく決定要素である。例えば、特典付与対象のプレーヤのゲームレベル、ゲームの進行度、ログイン回数やログイン頻度、プレイ時間、課金額等の各項目の値を用いることができる。或いは、それらのうちの2つ以上の項目の各値から二次的に求めた値を用いるとしてもよい。本実施形態では、特典付与対象のプレーヤのゲームレベルを用いる。その場合は、ゲームレベルと、特典ランクや有効期限ランクとの対応関係を定めておくことで、特典付与対象のプレーヤのゲームレベルが高くなるにつれて段階的に高くなるように特典ランクや有効期限ランクを決定する。
【0078】
第4の要素は、トレードする相手プレーヤのプレイデータに基づく決定要素である。内容としては、第3の要素と同様の項目の値を用いることができる。例えば、本実施形態では、相手プレーヤのゲームレベルを用いる。その場合は、ゲームレベルと、特典ランクや有効期限ランクとの対応関係を定めておくことで、相手プレーヤのゲームレベルが高くなるにつれて段階的に高くなるように特典ランクや有効期限ランクを決定する。ここでの対応関係は、第3の要素に係る対応関係と同じでもよいし、別個に用意しておく構成でもよい。
【0079】
第5の要素は、特典付与対象のプレーヤと相手プレーヤとの関係に基づく決定要素である。例えば、相手プレーヤが特典付与対象のプレーヤのフレンドか否かの情報を用いることができる。その場合は、フレンド登録がされている場合にされていない場合よりも高くなるように、特典ランクや有効期限ランクを決定する。なお、フレンド登録の有無に限らず、プレーヤ毎に他のプレーヤそれぞれとの間の親密度を管理するようにして、当該親密度の値を用いるとしてもよい。親密度は、例えば、当該他のプレーヤとプレイ中にやり取りしたチャットの回数や頻度、当該他のプレーヤとの間で行ったトレード回数や頻度、当該他のプレーヤと一緒にゲームをプレイした回数や頻度等をもとに随時更新することで管理する。
【0080】
以上のようにしてステップS905で特典ランクを決定し、ステップS909で有効期限ランクを決定したならば、特典ランクに従って対象特典種類の特典(譲渡アイテム向け特典又は譲受アイテム向け特典)を決定するとともに(ステップS911)、有効期限ランクに従ってステップS911で決定した特典に有効期限を設定する(ステップS913)。そして、当該有効期限付きの対象特典種類の特典を特典付与対象のプレーヤに付与する(ステップS915)。
【0081】
具体的には、対象特典種類が譲渡アイテム向け特典のときには、ステップS911では、今回のトレードに係る譲渡アイテムの特典内容データ540を参照し、譲渡時付与候補テーブル543からステップS905で決定した特定ランクの譲渡時付与候補を読み出して、譲渡アイテム向け特典として確定する。該当する譲渡時付与候補が複数ある場合は、そのうちの何れか1つを例えばランダムに選択して確定する。そして、ステップS913では、有効期限設定テーブル547からステップS909で決定した有効期限ランクの有効期限長を読み出し、読み出した有効期限長に従って確定した譲渡アイテム向け特典に有効期限を設定する。その上で、ステップS915にて特典付与対象のプレーヤに付与する。
【0082】
一方、対象特典種類が譲受アイテム向け特典のときには、ステップS911では、今回のトレードに係る譲受アイテムの特典内容データ540を参照し、譲受時付与候補テーブル545からステップS905で決定した特定ランクの譲受時付与候補を読み出して、譲受アイテム向け特典として確定する。該当する譲受時付与候補が複数ある場合は、そのうちの何れか1つを例えばランダムに選択して確定する。そして、ステップS913では、有効期限設定テーブル547からステップS909で決定した有効期限ランクの有効期限長を読み出し、読み出した有効期限長に従って確定した譲受アイテム向け特典に有効期限を設定する。その上で、ステップS915にて特典付与対象のプレーヤに付与する。
【0083】
[機能構成]
1.サーバシステム
図7は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0084】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。
図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0085】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。
図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0086】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0087】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびアカウント(プレーヤID)に紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0088】
課金処理部220は、プレーヤによるゲームコインの購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のゲームコインを当該プレーヤに付与する。
【0089】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームであるので、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。
【0090】
また、ゲーム管理部230は、トレード実行制御部231と、トレード検出部233と、特典付与制御部235と、を含む。
【0091】
トレード実行制御部231は、上記した第1~第3の各態様のトレードの実行を制御する。
【0092】
トレード検出部233は、トレード実行制御部231の制御のもと、プレーヤが、他のプレーヤ又はコンピュータ制御の仮想プレーヤを相手プレーヤとしてトレードを行ったことを検出する。
【0093】
特典付与制御部235は、特典付与制御処理を行う機能部であり、トレード検出部233の検出に応じて、トレード対象となったアイテムに関連付けられた特典を特典付与対象のプレーヤに付与する。この特典付与制御部235は、有効期限設定部237を備える。有効期限設定部237は、
図5のステップS907~ステップS909およびステップS913の処理を行って、付与する特典に有効期限を設定する。
【0094】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0095】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0096】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0097】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0098】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0099】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。
図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0100】
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0101】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0102】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム設定データ520と、プレイ中データ570と、が格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種テーブルや閾値、フラグ等の必要なデータが適宜格納される。
【0103】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、およびゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0104】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(
図10を参照)の原本である。
【0105】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、該当するプレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、
図8に示すように、当該プレーヤのアカウント511と、決済媒体帳簿データ512と、ゲームレベル513と、所有ゲームエレメントリスト514と、フレンドリスト515と、プレイ履歴データ516と、トレード履歴データ517と、を含む。また、その他にも、当該プレーヤのゲームのプレイ状況に係るセーブデータや、年齢、性別、誕生日等の個人情報等が格納される。
【0106】
決済媒体帳簿データ512は、当該プレーヤに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態ではゲームコイン)の収支の情報、例えば、ゲームコインの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ゲームコインの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0107】
所有ゲームエレメントリスト514は、当該プレーヤがゲームの過程で入手し、現時点で保有しているキャラクタやアイテム等のゲームエレメントのリストを格納する。所有ゲームエレメントリスト514に登録されているゲームエレメントのうち、当該プレーヤがトレードを行ったときに譲渡アイテム向け特典や譲受アイテム向け特典として付与されたものについては、有効期限の設定を対応付けて格納する。この有効期限付きのゲームエレメントは、当該有効期限を超過したときに所有ゲームエレメントリスト514から登録が抹消されるようになっており、当該ゲームエレメントはその後使用できなくなる。
【0108】
フレンドリスト515は、当該プレーヤがフレンド登録した他のプレーヤのアカウントを格納する。
【0109】
プレイ履歴データ516は、当該プレーヤのゲームのプレイ日時やプレイ時間等を格納する。
【0110】
トレード履歴データ517は、当該プレーヤがゲーム中に行ったトレード毎に、当該トレードを行った日時、相手プレーヤのアカウント、トレード対象となったゲームエレメント(本実施形態では譲渡アイテムと譲受アイテム)の種類、当該トレードで付与された特典(譲渡アイテム向け特典および譲受アイテム向け特典)の種類等を格納する。
【0111】
図7に戻る。ゲーム設定データ520は、ゲームを実行するために必要な各種設定データを格納する。このゲーム設定データ520は、ゲームエレメントデータ530と、
図6に示した決定要素選択テーブル550と、を含む。また、その他にも、例えば、ゲームステージの設定に係るステージ設定データ、ゲーム中に出現する敵キャラクタの種類や各種パラメータ、モデルデータ、行動パターン等を定義する敵キャラクタ設定データ等を格納する。第1~第5の各要素と特典ランクや有効期限ランクとの対応関係を定めたデータテーブルも格納する。
【0112】
ゲームエレメントデータ530は、ゲームの過程でプレーヤが入手し、使用することができるキャラクタ、アイテム、それらを育成・強化するための素材オブジェクト、抽選チケットや割引チケット等のチケット類等の各種ゲームエレメント毎に用意される。そして、1つのゲームエレメントデータ530は、
図9に示すように、該当するゲームエレメントのゲームエレメントID531と、当該ゲームエレメントのカテゴリ(キャラクタ/装備アイテム/回復アイテム/素材オブジェクト/・・・)533と、当該ゲームエレメントのパラメータ設定535と、を含む。その他にも、それがキャラクタであれば、モデルデータや動作制御に用いるモーションデータ等が格納される。
【0113】
パラメータ設定535は、当該ゲームエレメントがキャラクタや装備アイテムの場合に、その属性、レア度、攻撃力や防御力といった各種能力値の規定値、当該キャラクタや装備アイテムを進化させたときの進化後の各種能力値の規定値、スキル等を格納する。
【0114】
また、ゲームエレメントデータ530は、当該ゲームエレメントがトレード対象となり得るもの(本実施形態にはアイテム)の場合は、
図4に示した特典内容データ540を含む。
【0115】
図7に戻り、プレイ中データ570は、ゲームをプレイしているプレーヤ2毎(つまりサーバシステム1100に接続しているプレーヤ端末1500毎)に用意され、当該プレーヤのアカウントや、当該ゲームのプレイ状況(進行状況)を記述する各種データを格納する。
【0116】
2.プレーヤ端末
図10は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0117】
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。
図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0118】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。
図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0119】
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0120】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0121】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム1100にて生成されるが、ゲーム空間画像をプレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0122】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0123】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0124】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0125】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0126】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。
図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0127】
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0128】
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0129】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(
図7を参照)のコピーとする。
【0130】
[処理の流れ]
図11は、ゲームの実行に際し、当該ゲームに参加する1人のプレーヤについて行う処理の流れを示したフローチャートである。ゲームの実行にあたっては、
図11の処理をゲームに参加しているプレーヤ毎に行う。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。なお、プレーヤ端末1500では別途ログイン手続きを済ませているものとする。
【0131】
先ず、サーバシステム1100は、プレーヤがプレーヤ端末1500を操作してゲームにログインした場合に(ステップS1:YES)、当該プレーヤのゲームを開始する(ステップS3)。
【0132】
その後は、当該プレーヤによるトレードのための所定のトレード操作を監視する。そして、トレード操作がなされたならば(ステップS5:YES)、トレード実行制御部231は、当該プレーヤと、相手プレーヤ(他のプレーヤ又は仮想プレーヤ)とのトレードを実行する(ステップS7)。そして、トレード検出部233が、ここでのトレードの実行をもって当該プレーヤがトレードを行ったことを検出する。
【0133】
そして、特典付与制御部235が、当該プレーヤを特典付与対象として
図5に示した特典付与制御処理を実行し、当該プレーヤに特典(譲渡アイテム向け特典および譲受アイテム向け特典)を付与する(ステップS9)。
【0134】
その後は、ゲームの終了判定を行い、ゲームを終了するまでの間は(ステップS11:NO)、ステップS5に戻って上記した処理を繰り返す。
【0135】
以上説明したように、本実施形態によれば、プレーヤが相手プレーヤとの間でアイテムを交換するトレードを行った場合に、当該プレーヤのトレード履歴やゲームのプレイデータ、相手プレーヤのトレード履歴やゲームのプレイデータ、或いは当該プレーヤと相手プレーヤとの関係に基づいて特典を選択し、その有効期限を設定して、当該プレーヤに付与することができる。プレーヤは、付与された特典を有効期限内に限り使用することができる。具体的には、当該プレーヤがトレードで手放したアイテムを再取得し易くなる譲渡アイテム向け特典や、トレードで受け取ったアイテムの育成・強化をさせ易くなる譲受アイテム向け特典を付与することができる。したがって、トレードの仕様に新たな付加価値を追加することが可能となる。また、プレーヤに付与される特典は、トレードしたアイテムに関連する特典となる。トレードするアイテムが何であるかによって、付与される特典も変わり得る。この点でも新たな付加価値をトレードの仕様に付加することができる。
【0136】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0137】
[変形例1]
例えば、上記実施形態ではアイテムのトレードを例示したが、その他のゲームエレメントのトレードにも同様に適用できる。例えば、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタをトレード対象とし、相手プレーヤとの間で互いに手持ちのキャラクタを交換する構成としてもよい。
【0138】
[変形例2]
また、本発明を適用可能なゲームは特に限定されない。プレーヤ同士が対戦するゲームに適用し、対戦相手のプレーヤを相手プレーヤとしたトレードを行う構成としてもよい。また、複数のプレーヤがグループに所属して(例えばパーティを組んで)行うゲームや、グループ同士で対戦するゲームにも同様に適用が可能である。その場合は、決定要素として第6の要素や第7の要素を追加するとしてもよい。
【0139】
第6の要素は、特典付与対象のプレーヤが所属するグループのグループプレイデータに基づく決定要素である。例えば、対戦プレーヤの所属グループのグループレベル、当該グループでのゲームの進行度、当該グループでのプレイ回数、当該グループでのプレイ時間等の各項目の値を用いることができる。或いは、それらのうちの2つ以上の項目の各値から二次的に求めた値を用いるとしてもよい。例えば、特典付与対象のプレーヤの所属グループのグループレベルを用いるのであれば、グループレベルと特典ランクおよび有効期限ランクとの対応関係を定めておくことで、特典付与対象のプレーヤの所属グループのグループレベルが高くなるにつれて段階的に高くなるように、特典ランクや有効期限ランクを決定する。
【0140】
第7の要素は、相手プレーヤが所属するグループのグループプレイデータに基づく決定要素である。内容としては、第6の要素と同様の項目の値を用いることができる。例えば、相手プレーヤの所属グループのグループレベルを用いるのであれば、グループレベルと特典ランクおよび有効期限ランクとの対応関係を定めておくことで、相手プレーヤの所属グループのグループレベルが高くなるにつれて段階的に高くなるように、特典ランクや有効期限ランクを決定する。ここでの対応関係は、第6の要素に係る対応関係と同じでもよいし、別個に用意しておく構成でもよい。
【0141】
そして、決定要素選択テーブル550(
図6を参照)において第6の要素や第7の要素についての選択確率を追加して設定しておき、それら各要素を決定要素に含めて特典ランクや有効期限ランクの決定に用いる構成としてもよい。
【0142】
[変形例3]
また、決定要素には、上記実施形態や変形例で例示した決定要素の他にも、トレード対象としたアイテムに基づく決定要素を含めることとしてもよい。例えば、譲渡アイテムや譲受アイテムの価値(例えば販売額)、種類、属性、レベル、育成・強化等による当該アイテムの成長度合いを示す値等の各項目の値を用いることができる。或いは、それらのうちの2つ以上の項目の各値から二次的に求めた値を用いるとしてもよい。また、特典付与対象のプレーヤと譲受アイテムとの属性間の相性(特典付与対象のプレーヤと、当該プレーヤがトレードで受け取ったアイテムとの属性間の相性)や、相手プレーヤと譲渡アイテムとの属性間の相性(つまり、相手プレーヤと、相手プレーヤが当該トレードで受け取ったアイテムとの属性間の相性)を決定要素に含めるとしてもよい。また、特典付与対象のプレーヤの所属グループと相手プレーヤの所属グループとの関係を決定要素に含めるとしてもよい。グループに属性が設定される場合は、その属性間の相性を用いることができる。
【0143】
[変形例4]
また、複数の決定要素のうちのいくつかを組み合わせて用い、特典ランクや有効期限ランクを決定するとしてもよい。
【0144】
例えば、第1の要素である特典付与対象のプレーヤのトレード履歴と、第2の要素である相手プレーヤのトレード履歴の2つを組み合わせて用い、特典ランクや有効期限ランクを決定するとしてもよい。例えば、特典付与対象のプレーヤと相手プレーヤの双方のトレード回数のうちの多い方(又は少ない方)を用いて特典ランクや有効期限ランクを決定するとか、それらの合計値や平均値を用いて決定する等としてもよい。同様に、第3の要素である特典付与対象のプレーヤのプレイデータと、第4の要素である相手プレーヤのプレイデータの2つを組み合わせて用い、特典ランクや有効期限ランクを決定するとしてもよい。また、第6の要素である特典付与対象のプレーヤの所属グループのグループプレイデータと、第7の要素である相手プレーヤの所属グループのグループプレイデータの2つを組み合わせて用い、特典ランクや有効期限ランクを決定するとしてもよい。
【0145】
[変形例5]
また、上記実施形態では、プレーヤ間でトレードが行われた場合(第1又は第2のトレードの場合)には、両者をそれぞれ特典付与対象のプレーヤとし、各プレーヤに特典を付与することとしたが、必ずしも両方のプレーヤに付与する構成に限定されない。例えば、トレード履歴やプレイデータ等に基づいて特典付与対象のプレーヤとするか否かを決定するようにしてもよい。具体的には、「トレード回数が所定回数に達していることと」とか「ゲームレベルが所定レベルに達していること」等として特典付与対象のプレーヤとする条件を予め設定しておき、当該条件を満たしたプレーヤを特典付与対象のプレーヤとして特典を付与する構成としてもよい。その場合は、トレードが行われても、条件を満たさないプレーヤには特典は付与されないこととなる。また、特典付与対象のプレーヤに付与する特典は、譲渡アイテム向け特典および譲受アイテム向け特典のうちの何れか一方とする構成でもよい。同様の要領で条件を設定しておき、特典付与対象のプレーヤのトレード履歴やプレイデータ等に応じて譲渡アイテム向け特典および譲受アイテム向け特典の両方を付与したり、何れか一方を付与する等としてもよい。
【0146】
[変形例6]
また、上記実施形態では、譲渡アイテム向け特典や譲受アイテム向け特典としてアイテムや素材オブジェクト、補助オブジェクト、抽選チケット、割引チケットといった各種ゲームエレメントを選択し、特典付与対象のプレーヤに付与する例を説明した。これに対し、特典付与対象のプレーヤに関して当該ゲームエレメントをゲームで取得し易くする設定を行うことで、それら特典を付与する構成としてもよい。例えば、ゲーム中、プレーヤには、アイテム等のゲームエレメントがログインボーナス、ドロップオブジェクト、ゲームステージのクリア報酬、各種イベントの報酬、抽選等によって付与される。その他、ゲームステージ内の宝箱から出現させることで付与される場合もある。特典付与対象のプレーヤに関し、当該付与のタイミングで譲渡アイテムを高確率で付与する設定や、譲受アイテムの素材オブジェクトや補助オブジェクトを高確率で付与する設定を行うことで実現できる。
【符号の説明】
【0147】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230…ゲーム管理部
231…トレード実行制御部
233…トレード検出部
235…特典付与制御部
237…有効期限設定部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
512…決済媒体帳簿データ
513…ゲームレベル
514…所有ゲームエレメントリスト
515…フレンドリスト
516…プレイ履歴データ
517…トレード履歴データ
520…ゲーム設定データ
530…ゲームエレメントデータ
533…カテゴリ
535…パラメータ設定
540…特典内容データ
543…譲渡時付与候補テーブル
545…譲受時付与候補テーブル
547…有効期限設定テーブル
550…決定要素選択テーブル
551…通常設定
553…特別設定
570…プレイ中データ
1500…プレーヤ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…プレーヤ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
N…ネットワーク
2…ユーザ