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特開2022-156192プログラム及びコンピュータシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156192
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】プログラム及びコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20221006BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20221006BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059770
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(71)【出願人】
【識別番号】514071082
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコスタジオ
(71)【出願人】
【識別番号】510067625
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコオンライン
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 辰巳
(57)【要約】
【課題】ゲームにおけるスキルの獲得・設定を活性化することが可能な技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100は、例えばキャラクタのパラメータを変化させる効果を発揮するスキルを獲得可能なゲームの進行を制御する。このサーバシステム1100において、スキル設定部231は、プレーヤが獲得したスキルを当該プレーヤの操作に基づいてキャラクタに設定する。処分制御部235は、プレーヤの操作に基づいて、キャラクタに設定されているスキルの設定を解除することで当該スキルを処分する。有利状態制御部240は、前記処分制御部235による処分がなされた場合に、プレーヤを有利状態にするための制御を行う。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムに、ゲームオブジェクトのパラメータを変化させる効果を発揮するスキルを獲得可能なゲームの進行を制御させるためのプログラムであって、
プレーヤが獲得した前記スキルを当該プレーヤの操作に基づいて前記ゲームオブジェクトに設定するスキル設定手段、
1)前記ゲームオブジェクトに設定されている前記スキルの設定を解除することで当該スキルを処分すること、或いは、2)前記スキルが設定されている前記ゲームオブジェクトを当該スキルごと処分すること、を前記プレーヤの操作に基づいて行う処分制御手段、
前記処分制御手段による処分がなされた場合に前記プレーヤを有利状態にするための制御を行う有利状態制御手段であって、前記有利状態として、a)処分された処分スキルを当該プレーヤが再び獲得する際に、第1の有利状態にない場合に比べて獲得が有利となる前記第1の有利状態にする、或いは、b)処分された処分スキルを再び獲得した後に、第2の有利状態にない場合に比べてゲームプレイが有利となる前記第2の有利状態にする、ための制御を行う有利状態制御手段、
として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記有利状態制御手段は、前記プレーヤを前記有利状態にすることができるアイテムを前記プレーヤに付与する制御と、前記プレーヤの使用操作に基づいて当該アイテムを使用した時に前記プレーヤを前記有利状態にする制御と、を行う、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ゲームオブジェクトには、設定可能な前記スキルの上限数が定められており、
前記スキル設定手段は、前記上限数までの範囲で、前記ゲームオブジェクトに前記スキルを設定する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記処分制御手段によって前記1)の処分がなされた場合に、前記ゲームオブジェクトに設定されている前記スキルの数を、処分スキルの数だけ減算する手段、
として前記コンピュータシステムを更に機能させるための請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記有利状態制御手段は、前記有利状態を前記処分制御手段による処分からの時間経過に応じて変化させる、
請求項1~4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記スキルには、スキル値が対応付けられており、
前記ゲームオブジェクトに設定されたスキルの前記スキル値をゲームプレイに応じて変更する制御を行うスキル値変更制御手段、
として前記コンピュータシステムを更に機能させ、
前記スキル値変更制御手段は、前記ゲームオブジェクトに設定された前記スキルのスキル値の合計が、所与のスキル値合計上限値までの範囲となるように、当該スキルのスキル値を変更する、
請求項1~5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記処分制御手段によって前記1)の処分がなされた場合に、前記ゲームオブジェクトに設定されている前記スキルのスキル値の合計を、処分スキルのスキル値分、減算する手段、
として前記コンピュータシステムを更に機能させるための請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第2の有利状態は、前記スキル値変更制御手段が前記スキル値を増加変更する場合の増加スピードを加速させる状態である、
請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記ゲームオブジェクトには、1以上の前記スキルが設定可能であり、
前記スキル値変更制御手段は、
前記ゲームオブジェクトに設定されたそれぞれの前記スキルについて、前記プレーヤの操作に基づいて、イ)前記スキル値を増加方向に変更することを許容する、ロ)前記スキル値を変更しない、ハ)他のスキルの前記スキル値が増加方向に変更されるのに伴って減少方向に変更することを許容する、の何れかにオプション設定することと、
前記ゲームオブジェクトに設定されたそれぞれの前記スキルのスキル値を、前記オプション設定に従って変更する制御を行うことと、
を実行する、
請求項6~8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記スキル値変更制御手段は、ゲームプレイに基づく所与のゲーム進行条件を達成することで前記スキル値を段階的に変更する制御を行う、
請求項6~9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記有利状態制御手段は、前記有利状態にする制御内容を可変に決定する有利内容可変決定手段を有する、
請求項1~10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記プレーヤ及び前記スキルには属性が対応付けられており、
前記有利内容可変決定手段は、前記プレーヤの属性と、前記スキルの属性との相性に基づいて、前記有利状態にする制御内容を決定する、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記処分制御手段は、前記処分の際に、前記プレーヤの操作入力に従って、前記プレーヤが所有する所与のゲーム内通貨から所与の消費量を消費する制御を行い、
前記有利内容可変決定手段は、前記消費量に基づいて、前記有利状態にする制御内容を決定する、
請求項11又は12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記有利内容可変決定手段は、前記処分制御手段によって処分された処分履歴に基づいて、前記有利状態にする制御内容を決定する、
請求項11~13の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記有利状態制御手段は、前記プレーヤを前記有利状態にすることができるアイテムを前記プレーヤに付与することで、前記プレーヤを前記有利状態にするための制御を行い、
前記有利内容可変決定手段は、前記プレーヤに付与するアイテムの種類及び/又は数を可変に決定することで、前記有利状態にする制御内容を決定する、
請求項11~14の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項16】
ゲームオブジェクトのパラメータを変化させる効果を発揮するスキルを獲得可能なゲームの進行を制御するコンピュータシステムであって、
プレーヤが獲得した前記スキルを当該プレーヤの操作に基づいて前記ゲームオブジェクトに設定するスキル設定手段と、
1)前記ゲームオブジェクトに設定されている前記スキルの設定を解除することで当該スキルを処分すること、或いは、2)前記スキルが設定されている前記ゲームオブジェクトを当該スキルごと処分すること、を前記プレーヤの操作に基づいて行う処分制御手段と、
前記処分制御手段による処分がなされた場合に前記プレーヤを有利状態にするための制御を行う有利状態制御手段であって、前記有利状態として、a)処分された処分スキルを当該プレーヤが再び獲得する際に、第1の有利状態にない場合に比べて獲得が有利となる前記第1の有利状態にする、或いは、b)処分された処分スキルを再び獲得した後に、第2の有利状態にない場合に比べてゲームプレイが有利となる前記第2の有利状態にする、ための制御を行う有利状態制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの進行を制御させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタやアイテム等のゲームオブジェクトを選んで使用し、当該ゲームオブジェクトを成長させながら進めていくゲームが知られている。例えば、キャラクタがその成長過程でスキルを覚えるものがある(特許文献1の[0047]段落を参照)。覚えた全てのスキルが利用可能となる仕様の他、スキルを覚えたらそれをゲームオブジェクトに設定することで利用可能となる仕様もある。後者の例としては、1つのゲームオブジェクトに設定可能なスキルの数に制限を設け、当該制限の範囲内でスキルを設定できるようにしたものが挙げられる。その他、覚えたスキルを育成・成長させていくものも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-118703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゲームオブジェクトに対するスキルの設定に上記のような制限がある場合には、新たなスキルを設定するために既存のスキルを捨てる等、処分する選択が必要となる場面が生じ得る。そのような場面では、せっかく覚えた(獲得した)スキルを処分しなければならないため、プレーヤを残念な気持ちにさせてしまうおそれがあった。例えば、それが育成可能なスキルの場合は育成後の成長したスキルを処分することになり得るし、その後のゲーム展開で処分したスキルが必要になった場合には、もう一度習得の過程をやり直さなければならないからである。こうした感情は、新たなスキルの獲得を躊躇させることにつながり、スキルの獲得・設定の活性化を阻害する要因にもなり得た。すなわち、ゲームメーカ側としては多くのスキルを使用して、ゲームを存分に楽しんで貰いたい意図がある。しかし、上述した感情は、ゲームメーカ側の意図に反する結果を招きかねなかった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ゲームにおけるスキルの獲得・設定を活性化することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、コンピュータシステムに、ゲームオブジェクトのパラメータを変化させる効果を発揮するスキルを獲得可能なゲームの進行を制御させるためのプログラムであって、プレーヤが獲得した前記スキルを当該プレーヤの操作に基づいて前記ゲームオブジェクトに設定するスキル設定手段(例えば、図9のスキル設定部231)、1)前記ゲームオブジェクトに設定されている前記スキルの設定を解除することで当該スキルを処分すること、或いは、2)前記スキルが設定されている前記ゲームオブジェクトを当該スキルごと処分すること、を前記プレーヤの操作に基づいて行う処分制御手段(例えば、図9の処分制御部235)、前記処分制御手段による処分がなされた場合に前記プレーヤを有利状態にするための制御を行う有利状態制御手段であって、前記有利状態として、a)処分された処分スキルを当該プレーヤが再び獲得する際に、第1の有利状態にない場合に比べて獲得が有利となる前記第1の有利状態にする、或いは、b)処分された処分スキルを再び獲得した後に、第2の有利状態にない場合に比べてゲームプレイが有利となる前記第2の有利状態にする、ための制御を行う有利状態制御手段(例えば、図9の有利状態制御部240)、として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラムである。
【0007】
第1の発明によれば、ゲームオブジェクトに設定されているスキルの設定が解除されてスキルが処分され、或いは、スキルが設定されているゲームオブジェクトの処分によってスキルが処分された場合に、プレーヤを有利状態にすることができる。具体的には、当該スキルを再び獲得する際の当該獲得が有利となる第1の有利状態にし、或いは、当該スキルを再び獲得した後のゲームプレイが有利となる第2の有利状態にすることができる。これによれば、プレーヤが獲得し、ゲームオブジェクトに設定されたスキルの処分と引き換えに、当該スキルの再度の獲得や当該スキルのゲームプレイ中の発動等に関する利益をプレーヤにもたらすことができ、プレーヤがスキルの処分で抱く残念な気持ちを低減できる。よって、プレーヤは、スキルの獲得・設定を気軽にし易くなるので、ゲームにおけるスキルの獲得・設定の活性化を図ることが可能となる。
【0008】
また、第2の発明は、前記有利状態制御手段が、前記プレーヤを前記有利状態にすることができるアイテムを前記プレーヤに付与する制御と、前記プレーヤの使用操作に基づいて当該アイテムを使用した時に前記プレーヤを前記有利状態にする制御と、を行う、第1の発明のプログラムである。
【0009】
第2の発明によれば、プレーヤを有利状態にするためのアイテムを付与し、プレーヤがそれを使用した時に有利状態にすることができる。
【0010】
また、第3の発明は、前記ゲームオブジェクトには、設定可能な前記スキルの上限数が定められており、前記スキル設定手段は、前記上限数までの範囲で、前記ゲームオブジェクトに前記スキルを設定する、第1又は第2の発明のプログラムである。
【0011】
第3の発明によれば、ゲームオブジェクトに設定可能なスキルの数を、上限数までの範囲に制限することができる。
【0012】
また、第4の発明は、前記処分制御手段によって前記1)の処分がなされた場合に、前記ゲームオブジェクトに設定されている前記スキルの数を、処分スキルの数だけ減算する手段(例えば、図9の設定/処分反映部237)、として前記コンピュータシステムを更に機能させるための第3の発明のプログラムである。
【0013】
第4の発明によれば、ゲームオブジェクトに設定されているスキルの設定の解除を受けて、当該ゲームオブジェクトのスキルの数を処分スキルの数の分減らすことができる。
【0014】
また、第5の発明は、前記有利状態制御手段が、前記有利状態を前記処分制御手段による処分からの時間経過に応じて変化させる、第1~第4の何れかの発明のプログラムである。
【0015】
第5の発明によれば、スキルを処分してからの時間経過に応じてプレーヤの有利状態を変化させることができる。
【0016】
また、第6の発明は、前記スキルには、スキル値が対応付けられており、前記ゲームオブジェクトに設定されたスキルの前記スキル値をゲームプレイに応じて変更する制御を行うスキル値変更制御手段(例えば、図9のスキル値変更制御部233)、として前記コンピュータシステムを更に機能させ、前記スキル値変更制御手段は、前記ゲームオブジェクトに設定された前記スキルのスキル値の合計が、所与のスキル値合計上限値までの範囲となるように、当該スキルのスキル値を変更する、第1~第5の何れかの発明のプログラムである。
【0017】
第6の発明によれば、ゲームオブジェクトに設定可能なスキルのスキル値の合計を、スキル値合計上限値までの範囲に制限することができる。
【0018】
また、第7の発明は、前記処分制御手段によって前記1)の処分がなされた場合に、前記ゲームオブジェクトに設定されている前記スキルのスキル値の合計を、処分スキルのスキル値分、減算する手段(例えば、図9の設定/処分反映部237)、として前記コンピュータシステムを更に機能させるための第6の発明のプログラムである。
【0019】
第7の発明によれば、ゲームオブジェクトに設定されているスキルの設定の解除を受けて、当該ゲームオブジェクトのスキルのスキル値の合計を処分スキルのスキル値分減らすことができる。
【0020】
また、第8の発明は、前記第2の有利状態が、前記スキル値変更制御手段が前記スキル値を増加変更する場合の増加スピードを加速させる状態である、第6又は第7の発明のプログラムである。
【0021】
第8の発明によれば、処分スキルを再度獲得した場合に、当該スキルのスキル値についてその増加変更のスピードを加速させることができる。
【0022】
また、第9の発明は、前記ゲームオブジェクトには、1以上の前記スキルが設定可能であり、前記スキル値変更制御手段は、前記ゲームオブジェクトに設定されたそれぞれの前記スキルについて、前記プレーヤの操作に基づいて、イ)前記スキル値を増加方向に変更することを許容する、ロ)前記スキル値を変更しない、ハ)他のスキルの前記スキル値が増加方向に変更されるのに伴って減少方向に変更することを許容する、の何れかにオプション設定することと、前記ゲームオブジェクトに設定されたそれぞれの前記スキルのスキル値を、前記オプション設定に従って変更する制御を行うことと、を実行する、第6~第8の何れかの発明のプログラムである。
【0023】
第9の発明によれば、スキル値の変更に関するオプション設定をプレーヤの操作に基づき行って、当該オプション設定に応じたスキル値の変更制御を行うことができる。
【0024】
また、第10の発明は、前記スキル値変更制御手段が、ゲームプレイに基づく所与のゲーム進行条件を達成することで前記スキル値を段階的に変更する制御を行う、第6~第9の何れかの発明のプログラムである。
【0025】
第10の発明によれば、ゲーム進行条件を達成するゲームプレイがされたことを条件に、ゲームオブジェクトに設定されたスキルのスキル値を例えば段階的に上げていくといったことが可能となる。
【0026】
また、第11の発明は、前記有利状態制御手段が、前記有利状態にする制御内容を可変に決定する有利内容可変決定手段(例えば、図9のアイテム付与制御部241)を有する、第1~第10の何れかの発明のプログラムである。
【0027】
第11の発明によれば、プレーヤを有利状態にするための制御内容を可変に設定することができる。
【0028】
また、第12の発明は、前記プレーヤ及び前記スキルには属性が対応付けられており、前記有利内容可変決定手段は、前記プレーヤの属性と、前記スキルの属性との相性に基づいて、前記有利状態にする制御内容を決定する、第11の発明のプログラムである。
【0029】
第12の発明によれば、プレーヤとスキルとの属性間の相性に応じた制御内容でプレーヤを有利状態にすることができる。
【0030】
また、第13の発明は、前記処分制御手段が、前記処分の際に、前記プレーヤの操作入力に従って、前記プレーヤが所有する所与のゲーム内通貨から所与の消費量を消費する制御を行い、前記有利内容可変決定手段は、前記消費量に基づいて、前記有利状態にする制御内容を決定する、第11又は第12の発明のプログラムである。
【0031】
第13の発明によれば、ゲーム内通貨の消費量に応じた制御内容でプレーヤを有利状態にすることができる。
【0032】
また、第14の発明は、前記有利内容可変決定手段が、前記処分制御手段によって処分された処分履歴に基づいて、前記有利状態にする制御内容を決定する、第11~第13の何れかの発明のプログラムである。
【0033】
第14の発明によれば、ゲームオブジェクトの処分履歴に応じた制御内容でプレーヤを有利状態にすることができる。
【0034】
また、第15の発明は、前記有利状態制御手段が、前記プレーヤを前記有利状態にすることができるアイテムを前記プレーヤに付与することで、前記プレーヤを前記有利状態にするための制御を行い、前記有利内容可変決定手段は、前記プレーヤに付与するアイテムの種類及び/又は数を可変に決定することで、前記有利状態にする制御内容を決定する、第11~第14の何れかの発明のプログラムである。
【0035】
第15の発明によれば、プレーヤを有利状態にするためのアイテムの種類や数を可変に決定してプレーヤに付与することができる。
【0036】
また、第16の発明は、ゲームオブジェクトのパラメータを変化させる効果を発揮するスキルを獲得可能なゲームの進行を制御するコンピュータシステムであって、プレーヤが獲得した前記スキルを当該プレーヤの操作に基づいて前記ゲームオブジェクトに設定するスキル設定手段と、1)前記ゲームオブジェクトに設定されている前記スキルの設定を解除することで当該スキルを処分すること、或いは、2)前記スキルが設定されている前記ゲームオブジェクトを当該スキルごと処分すること、を前記プレーヤの操作に基づいて行う処分制御手段と、前記処分制御手段による処分がなされた場合に前記プレーヤを有利状態にするための制御を行う有利状態制御手段であって、前記有利状態として、a)処分された処分スキルを当該プレーヤが再び獲得する際に、第1の有利状態にない場合に比べて獲得が有利となる前記第1の有利状態にする、或いは、b)処分された処分スキルを再び獲得した後に、第2の有利状態にない場合に比べてゲームプレイが有利となる前記第2の有利状態にする、ための制御を行う有利状態制御手段と、を備えるコンピュータシステムである。
【0037】
第16の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するコンピュータシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ゲームシステムの全体構成例を示す図。
図2】プレーヤ端末の装置構成例を示す図。
図3】キャラクタのスキルの設定例を示す図。
図4】スキル値変更制御テーブルのデータ構成例を示す図。
図5】スキル値変更制御テーブルのデータ構成例を示す他の図。
図6】キャラクタのスキルの他の設定例を示す図。
図7】有利状態移行アイテムテーブルのデータ構成例を示す図。
図8】決定要素選択テーブルのデータ構成例を示す図。
図9】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
図10】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
図11】キャラクタ定義データのデータ構成例を示す図。
図12】スキル定義データのデータ構成例を示す図。
図13】プレイデータのデータ構成例を示す図。
図14】プレーヤ端末の機能構成例を示すブロック図。
図15】サーバシステムが行う処理の流れを示すフローチャート。
図16】変形例におけるプレーヤ端末の機能構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0040】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ(ユーザ)2が所有するプレーヤ端末1500とを含み、これらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成されるコンピュータシステムである。
【0041】
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0042】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備えるコンピュータシステムである。本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0043】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、プレーヤ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自分のプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウント(プレーヤID)によりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
【0044】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、ゲーム内通貨であるゲームコインの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してゲームコインの購入額をプレーヤ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額に相当するゲームコインをプレーヤ2に付与する。
【0045】
なお、サーバシステム1100は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0046】
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワークNに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0047】
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0048】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線通信基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。インターフェース回路1557には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路等が含まれる。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0049】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0050】
[詳細]
1.ゲームの概要
本実施形態のゲームは、いわゆるオープンワールドタイプのRPG(ロールプレイングゲーム)である。プレーヤは、複数のキャラクタを所有しており、ゲームプレイを始める前に、これからのゲームプレイで使用するキャラクタを1体選んでプレーヤキャラクタとする。そして、選んだプレーヤキャラクタに装備する武器や防具等の装備アイテムや所持していく所持品アイテムを設定した上で、ゲームプレイを開始する。また、各キャラクタには、スキルを設定することができる。但し、設定されたスキルを解除して再度設定するということはできない。設定されたスキルを解除する場合、そのスキルは処分されることとなり、所有していないものとなる。
【0051】
ゲームプレイ中、プレーヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇するとエンカウントが発生してバトル(対戦)が発動する。敵キャラクタは、コンピュータ制御のNPC(ノンプレイヤブルキャラクタ)とする。
【0052】
本実施形態のゲームでは、敵キャラクタを倒したり、所定のゲームステージやミッション、イベント等をクリアしてゲームを進めていく過程で、ゲームに使用したゲームオブジェクトを育成・成長させることができる。また、スキル経験値を貯めていくことで、スキルを向上させることができる。そのため、スキルも育成・成長要素の1つと言うこともできる。
【0053】
育成・成長させることができるゲームオブジェクトは、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタや、プレーヤキャラクタに装備・所持させることができるアイテム等とすることができる。本実施形態では、キャラクタを育成対象とする場合を例に挙げて説明する。キャラクタにはキャラクタレベルが設定され、プレーヤキャラクタとしてゲームに使用することでキャラクタレベルは上がっていく。キャラクタレベルを上げていくことが育成・成長させることになる。また、キャラクタにスキルを設定した状態で使用すると、スキル経験値が貯まり、当該スキルのスキル値も上がっていく。
【0054】
スキルは、設定されたゲームオブジェクト(本実施形態ではキャラクタ)のパラメータを変化させる効果(発動時効果)を発揮する。スキルの種類には、例えば、アイテムを生成するための素材を探知する能力、武器を生成する能力、薬を生成する能力、料理をする能力、周囲の敵を探知する能力、飛翔する能力、移動速度が速くなる能力、ライフの回復速度を早める能力、攻撃力や防御力等を高める能力、等がある。スキルを獲得するには、先ず、そのスキルを習得するための習得過程を経る必要がある。習得過程とは、習得条件を満たすことである。
【0055】
2.スキルの獲得
習得条件はスキル毎に定められている。例えば、習得用のゲームステージやミッション等がスキル毎に用意されており、クリア報酬としてそのスキルに係るスキル習得ポイントが付与される構成となっている。習得条件は、「該当するスキルのスキル習得ポイントが所定値に達したこと」等として定めておくことができる。
【0056】
習得用のゲームステージやミッション等をこなして集めたスキル習得ポイントが所定値に達して習得条件を満たしたスキルがあれば、プレーヤは、当該スキルを獲得することができる。獲得したスキルは、そのスキルを習得するために使用したキャラクタに紐付けることとしてもよいが、本実施形態では、キャラクタには紐付けずに、プレーヤに紐付けることとする。すなわち、プレーヤがスキルを稼得・所有することとなり、獲得したスキルを、別途、キャラクタに設定する操作を行うことで、キャラクタに対してスキルが設定される。例えば、プレーヤは、手持ちのキャラクタから設定対象のキャラクタ(以下「対象キャラクタ」という)を選び、選んだ対象キャラクタに、獲得した獲得スキルを設定するスキル設定操作を行う。スキルが設定されたキャラクタをプレーヤキャラクタとして使用することで、当該スキルの効果が発揮されることとなる。以降は、スキル経験値を貯めていくことで、設定されたスキルのスキル値が上がっていくこととなる。
【0057】
図3は、プレーヤAが有するキャラクタC1のスキル設定例を示す図である。図3の例では、キャラクタC1には、「採取スキル」「鍛冶スキル」及び「薬学スキル」の3つのスキルが設定されている。これら3つのスキルは、上記した要領で別個にスキル習得ポイントを貯める習得過程を経てプレーヤが獲得し、スキル設定操作を行うことでキャラクタC1に設定されたものである。
【0058】
3.スキルの向上
獲得スキルをキャラクタに設定した後は、当該キャラクタをプレーヤキャラクタとして使用していくことで、設定されたスキルのスキル値を上げることができるようになる。具体的には、設定されたスキルに係るスキル経験値がプレイ報酬として付与されていき、貯まったスキル経験値に応じてスキル値が段階的に増加変更される。
【0059】
スキルの中には、サブスキルを内包するスキルがある。サブスキルは、基礎スキルと応用スキルといった2つ以上に細分化された下位のスキルである。図3の例では、薬学スキルには、「調剤スキル」と「新薬開発スキル」という2つのサブスキルを有し、スキル値についても別個に設定される。
【0060】
スキル値は、そのスキルのスキル経験値(サブスキルの場合はサブスキルのスキル経験値)が増えるにつれて1段階ずつ上がっていくのが基本である。ただし、一部のスキル値には上限を開放するためのゲーム進行条件が設定されており、それを達成するゲームプレイが増加変更の条件となる。換言すると、ゲーム進行条件を充足することで、段階的にスキル値の上限を高めていくことができる。
【0061】
図4及び図5は、スキル値毎に要求されるスキル経験値と、上限解放用のゲーム進行条件とを定めたスキル値変更制御テーブル565(図12を参照)のデータ構成例を示す図である。図4は、薬学スキルに含まれるサブスキルの1つである調剤スキルに係るスキル値変更制御テーブル565の設定内容を例示し、図5は、薬学スキルに含まれるサブスキルの1つである新薬開発スキルに係るスキル値変更制御テーブル565の設定内容を例示している。
【0062】
図4に示すように、調剤スキルは、スキル値「19」までは、貯まったスキル経験値に応じてスキル値が無条件に増加変更される。スキル値「19」まではゲーム進行条件が設定されていないからである。しかし、スキル値の上限が「19」のままでは、スキル値は最大で「19」までしか増加しない。「19」を超えるスキル値にするためには、ゲーム進行条件「XXXステージクリア」を充足する必要がある。この条件を充足することで、スキル値の上限が「19」から「29」に引き上げられる。同様に、ゲーム進行条件「XXXミッションクリア&ゲームレベルXX以上」を充足することで、スキル値の上限が「29」から「39」に引き上げられる。
【0063】
一方、図5に示すように、新薬開発スキルは、スキル値を上げるためには最初のゲーム進行条件「YYYミッションクリア」を充足する必要がある。「YYYミッションクリア」を充足しなければスキル値は「0」のままであり、「YYYミッションクリア」を充足することで、スキル値を上げることが可能となり、スキル値の上限として「19」が設定される。
【0064】
なお、上限を引き上げるためにゲーム進行条件がある、という構成ではなく、スキル値を1つ上げるためにゲーム進行条件がある、という構成としてもよい。その場合、スキル経験値を不要とする構成としてもよい。
【0065】
4.スキルの設定制限
さて、1つのキャラクタに設定することができるスキルには制限がある。例えば、図3に示すように、本実施形態では、設定可能なスキルの上限数が「3」とされ、スキル値合計上限値が「300」とされる。これは、1つのキャラクタに設定可能なスキルは最大で3個までとされ、且つ、そのスキル値の合計が300以下となるように制御されることを意味する。つまり、キャラクタに4個以上のスキルを設定することはできない。また、3個以下であっても、スキル値の合計が「300」を超えるようにはスキル値は上がらない。上限数の計数にあたっては、サブスキルはカウントせず、サブスキルを有する上位のスキルを1つとして扱う。図3の例では薬学スキルは1つのスキルとして扱う。
【0066】
例えば、図3の例では、スキルの数とスキル値の合計がともに上限に達している。そのため、プレーヤが新たにスキル(例えば調理スキル)を獲得したとしても、そのままでは新たなスキルをキャラクタC1に設定することはできない。新たなスキルを設定するには、設定済みの3つのスキルのうちの何れかの設定を解除すること、すなわち当該スキルを処分する必要がある。例えば、薬学スキルの設定を解除して処分し、新たなスキルである調理スキルを設定した場合、キャラクタC1に対するスキルの設定は図6に示すようになる。その結果スキル値の合計は「201」に減って、上限まで余裕が生じる。そのため、図6に示す採取スキル、鍛冶スキル、調理スキルの何れも、スキル値を向上させることが可能である。
【0067】
そして、本実施形態では、スキルの処分を行った場合、それと引き換えに、プレーヤを有利状態にする制御を行う。そのために、サーバシステム1100は、スキル設定処理と、スキル値変更制御処理と、処分制御処理と、設定/処分反映処理と、有利状態制御処理と、を行う。
【0068】
5.スキル設定処理
スキル設定処理では、サーバシステム1100は、プレーヤの獲得スキルを、当該プレーヤのスキル設定操作に基づいて対象キャラクタに設定する。本実施形態では、上記したスキルの設定制限を満たす条件下で当該設定を行う。獲得スキルの設定が設定制限を満たさない場合は、既に設定されているスキルを処分する処分制御処理をプレーヤの操作に基づいて行う必要がある。
【0069】
6.スキル値変更制御処理
スキル値変更制御処理では、サーバシステム1100は、キャラクタに設定されているスキル毎に貯まっているスキル経験値に基づいて、スキル値を増加変更する制御を行う。スキル値の増加変更制御は、当該スキルに係るスキル値変更制御テーブル565に従って行う。各スキルのスキル値の合計(現スキル値合計625;図13を参照)がスキル値合計上限値573(図13を参照)に達した場合は、これ以上のスキル値の増加変更制御は原則、行うことができない。
【0070】
7.処分制御処理
処分制御処理では、サーバシステム1100は、キャラクタに設定されているスキルの設定を解除することで、当該スキルを処分する。スキルの処分は、対象キャラクタに設定されている各スキルをスキル値とともに提示し、その中から解除対象のスキルを選択するプレーヤの設定解除操作を受け付けることで行う。
【0071】
8.設定/処分反映処理
設定/処分反映処理では、サーバシステム1100は、スキル設定処理でのスキルの設定を、スキルを設定したキャラクタのキャラクタデータ620(図13を参照)に反映させる。すなわち、新たにスキルを設定した場合には、当該新たなスキルに係るスキル別設定630を追加する。また、現スキル設定数624に、新たに1つのスキルを設定したこと示す数値「1」を加算して更新する。また、新たに設定したスキルのスキル値を、現スキル値合計625に加算して更新する。
【0072】
また、サーバシステム1100は、処分制御処理でスキルを処分した場合には、当該スキルを処分したキャラクタのキャラクタデータ620に反映させる。すなわち、処分スキルに係るスキル別設定630を削除する。また、現スキル設定数624から処分したスキルの数だけ減算して更新する。また、現スキル値合計625から、処分したスキルのスキル値の分を減算して更新する。またその際、スキルを処分したプレーヤのスキル処分履歴660(図13を参照)を更新する。
【0073】
9.有利状態制御処理
有利状態制御処理では、サーバシステム1100は、処分制御処理でスキルが処分された場合に、プレーヤを有利状態にする制御を行う。有利状態には、第1の有利状態と、第2の有利状態とがある。第1の有利状態とは、処分された処分スキルをプレーヤが再び獲得する際に、第1の有利状態にない場合に比べて、獲得が有利となる状態をいう。第2の有利状態とは、処分された処分スキルを再び獲得した後に、第2の有利状態にない場合に比べて、ゲームプレイが有利となる状態をいう。
【0074】
本実施形態では、プレーヤを有利状態にすることができるアイテム(以下「有利状態移行アイテム」という)を当該プレーヤに付与するアイテム付与処理を行うことで、有利状態制御処理を実行する。有利状態移行アイテムは、有利状態移行アイテムテーブル540(図9を参照)にて管理される。有利状態移行アイテムテーブル540は、スキル毎に用意され、当該スキルを対象スキルとした有利状態移行アイテムの種類や効果等が登録される。アイテム付与処理では、処分スキルに係る有利状態移行アイテムテーブル540から有利状態移行アイテムを選び、プレーヤに付与する制御を行う。そして、プレーヤが有利状態移行アイテムを使用した時にその効果を発生させることで(有利状態移行処理)、プレーヤを有利状態にする制御を実現する。
【0075】
9-1.有利状態移行アイテム
図7は、薬学スキルに係る有利状態移行アイテムテーブル540のデータ構成例を示す図である。図7に示すように、有利状態移行アイテムテーブル540は、該当する有利状態移行アイテムを識別するためのアイテムID541と対応付けて、当該有利状態移行アイテムの種類542と、効果543と、アイテムランク544と、効果低減設定545と、を格納したデータテーブルである。
【0076】
ここで、有利状態移行アイテムには2種類があり、プレーヤを第1の有利状態にする制御内容を定めたもの(第1有利状態移行アイテム)と、プレーヤを第2の有利状態にする制御内容を定めたもの(第2有利状態移行アイテム)と、が用意される。そして、種類542には、当該有利状態移行アイテムが第1有利状態移行アイテムなのか第2有利状態移行アイテムなのかの識別情報が設定される。
【0077】
効果543は、当該有利状態移行アイテムが使用された場合にプレーヤを有利状態にする制御の内容である。
【0078】
先ず、第1有利状態移行アイテムの効果543は、例えば、「対象スキルのスキル習得ポイントを所定のボーナス値分付与する」とか、「クリア報酬として付与するスキル習得ポイントを所定期間の間所定数倍する」、等として定められ、ボーナス値や倍率の異なるものが複数用意される。つまり、第1有利状態移行アイテムは、対象スキル(図7の例では薬学スキル)についてスキル習得ポイントの増加スピードを加速させるアイテムであり、そのボーナス値等が大きいほど効果が高い。そして、効果が高いものほど、対応するアイテムランク544が高く設定される。図7は薬学スキルの例なので、薬学スキルについてそのスキル習得ポイントの増加スピードを加速させるアイテムが、第1有利状態移行アイテムとして登録される。
【0079】
次に、第2有利状態移行アイテムの効果543は、例えば、「対象スキルのスキル経験値を所定のボーナス値分付与する」とか、「ゲームプレイの報酬として付与するスキル経験値を所定期間の間所定数倍する」、「対象スキルのスキル値に所定の加算値を加えて増加変更する」、等として定められ、ボーナス値や倍率、加算値の異なるものが複数用意される。より詳細には、対象スキルが、サブスキルを有する上位のスキルの場合には、一部のサブスキルについてスキル経験値を付与したり、スキル値を増加変更するものや、全てのサブ化スキルについてスキル経験値を付与したり、スキル値を増加変更するものが含まれる。また、その他にも、「対象スキルのスキル値を処分時のスキル値まで増加変更する」ことを効果543とした第2有利状態移行アイテムを含めることもできる。つまり、第2有利状態移行アイテムは、対象スキルについてスキル値の増加スピードを加速させるアイテムであり、そのボーナス値等が大きいほど効果が高い。特に、その効果がスキル値を増加変更するものの場合、加算値が大きいと、図4等に例示した上限解放の境界を例外的に飛び越えて増加変更され得る。その場合は当該上限解放のためのゲームプレイ条件を満たすことなくスキル値が上がるため、より効果が高いアイテムといえる。そして、効果が高いものほど、対応するアイテムランク544が高く設定される。図7は薬学スキルの例なので、薬学スキルについてそのスキル値の増加スピードを加速させるアイテムが、第2有利状態移行アイテムとして登録される。
【0080】
効果低減設定545は、対応する効果543を時間経過に伴い低減させるための設定を格納する。本実施形態では、有利状態移行アイテムには、効果低減設定545が「設定無し」のものと「設定有り」のものとが含まれる。具体的には、設定無しのものについては、その効果543のボーナス値や倍率、加算値が固定値として設定される。一方、設定有りのものについては、その効果543のボーナス値等が関数式として設定される。すなわち、ボーナス値等を出力する関数式であって、その有利状態移行アイテムがプレーヤに付与された時からの経過時間が長いほど出力値を減少させる関数式として設定される。
【0081】
したがって、効果低減設定545が設定有りの有利状態移行アイテムの使用によって発生する効果(当該効果の発生によって実現されるプレーヤの有利状態による有利の程度)は、その有利状態移行アイテムがプレーヤに付与されてから当該プレーヤが使用するまでの時間の長短によって変化することとなる。当該時間が長くなるほど効果(有利の程度)は低減していく。具体的には、当該時間が長くなるほど、有利状態移行アイテムの効果543に係るボーナス値や倍率、加算値が小さくなる。なお、時間経過に応じて効果を低減させる設定のものに限らず、時間経過に応じて効果が増大する設定の有利状態移行アイテムを含めてもよい。また、時間経過に応じて、有利状態の内容を変化させることとしてもよい。例えば、第1の閾値時間に達するまではスキル値をプラスする効果であって、時間経過に応じてスキル値をプラスする値が小さくなっていくが、第1の閾値時間に達した後はスキル値ではなくスキル経験値をプラスする効果に変化し、時間経過に応じてスキル経験値をプラスする値が小さくなっていく、という効果の変化を含めることとしてもよい。
【0082】
9-2.アイテム付与処理
アイテム付与処理では、サーバシステム1100は、プレーヤに付与する有利状態移行アイテムを選択するために、先ず、複数の決定要素の中から1つを選択する。そして、選んだ決定要素に従って、アイテムランクを決定する。
【0083】
図8は、アイテムランクの決定に用いる決定要素を選択するための決定要素選択テーブル580のデータ構成例を示す図である。図8に示すように、決定要素選択テーブル580は、アイテムランクを決定するのに用いる複数(例えば3つ)の決定要素と対応付けて、各決定要素の選択確率を設定したデータテーブルである。アイテム付与処理では、この決定要素選択テーブル580を参照し、選択確率の設定に従って第1~第3の各要素の中から1つを選択する。そして、選んだ決定要素に従って、以下説明する要領でアイテムランクを決定する。なお、図8に示す選択確率の表示は一例であって、適宜設定してよい。また、決定要素毎の選択確率が異なる決定要素選択テーブル580を複数用意しておき、何れか1つを抽選で選択した上で、選択した決定要素選択テーブル580に基づいて決定要素を選択するという2段階の選択式の構成としてもよい。
【0084】
第1の要素は、プレーヤのスキルの処分履歴に基づく決定要素である。例えば、プレーヤがそれまでにスキルを処分した回数(処分したスキルの数)、処分スキルのスキル値の平均値や合計値、等を用いてアイテムランクを決定する。本実施形態では、スキルの処分回数を用いる。具体的には、スキルの処分回数とアイテムランクとの対応関係として、スキルの処分回数が多くなるにつれて段階的にアイテムランクが高くなるような対応関係を設定しておく。そして、当該対応関係を参照して、プレーヤのスキルの処分回数に対応するアイテムランクを選択することで、アイテムランクを決定する。スキルの処分回数ではなく、別の値を用いる場合も同様に、当該値とアイテムランクとの対応関係を定めておき、この対応関係に基づいてアイテムランクを決定すればよい。
【0085】
第2の要素は、プレーヤのプレイデータに基づく決定要素である。例えば、プレーヤのゲームレベル、ゲームの進行度、ログイン回数やログイン頻度、プレイ時間、課金額、等を用いてアイテムランクを決定する。本実施形態では、プレーヤのゲームレベルを用いる。具体的には、ゲームレベルと、アイテムランクとの対応関係として、ゲームレベルが高くなるにつれて段階的にアイテムランクが高くなるような対応関係を設定しておく。そして、当該対応関係を参照して、プレーヤのゲームレベルに対応するアイテムランクを選択することで、アイテムランクを決定する。
【0086】
第3の要素は、処分スキルの属性(スキル属性)と、当該処分スキルが設定されていたキャラクタの属性(キャラクタ属性)との属性間の相性に基づく決定要素である。属性間の相性の良し悪しとアイテムランクとの対応関係を設定しておく。相性が良いほどアイテムランクが高くなるように設定しておくと好適である。そして、当該対応関係を参照して、プレーヤが処分したスキルの属性と、当該処分スキルが設定されていたキャラクタの属性との相性から、アイテムランクを決定する。
【0087】
なお、決定要素は、例示した3つに限定されない。例えば、プレーヤに属性が設定される場合には、プレーヤの属性と処分スキルの属性との属性間の相性に基づく決定要素を含めるとしてもよい。
【0088】
以上の要領でアイテムランクを決定したならば、処分スキルに係る有利状態移行アイテムテーブル540を参照し、決定したアイテムランクの有利状態移行アイテムを選ぶ。該当する有利状態移行アイテムが複数ある場合は、そのうちの何れか1つを例えばランダムに選べばよい。そして選んだ有利状態移行アイテムを、プレーヤに付与する制御を行う。
【0089】
9-3.有利状態移行処理
有利状態移行処理では、プレーヤによる有利状態移行アイテム(第1有利状態移行アイテム又は第2有利状態移行アイテム)の使用操作を検出した場合に、当該有利状態移行アイテムの効果を発生させてプレーヤを有利状態(第1の有利状態又は第2の有利状態)にする制御を行う。第1有利状態移行アイテムの使用操作については、対象スキルの獲得前(習得前或いは習得途中)に受け付ける制御を行い、第2有利状態移行アイテムの使用操作については、対象スキルの獲得・設定後に受け付ける制御を行う。また、効果低減設定545が設定有りの有利状態移行アイテムが使用された場合には、当該有利状態移行アイテムの付与日時643(図13を参照)を参照し、それがプレーヤに付与された時からの経過時間を求める。そして、求めた経過時間に応じて低減させた分の効果を発生させる制御を行う。
【0090】
具体的には、プレーヤが第1有利状態移行アイテムを使用すると、対象スキルについてスキル習得ポイントの増加スピードが加速する。第1有利状態移行アイテムのアイテムランク544が高いほど、増加スピードの加速も大きくなる。プレーヤに付与される第1有利状態移行アイテムは、それと引き換えに処分した処分スキルを対象スキルとした第1有利状態移行アイテムである。したがって、第1有利状態移行アイテムの使用によって、プレーヤは、処分スキルの獲得がし易い状態となる。つまり、第1有利状態移行アイテムを使用せず第1の有利状態にない場合に比べて、プレーヤは、処分スキルの再度の獲得が有利な有利状態となる。
【0091】
また、第2有利状態移行アイテムを使用した場合は、対象スキルについてスキル値の増加スピードが加速する。第2有利状態移行アイテムのアイテムランク544が高いほど、増加スピードの加速も大きくなる。プレーヤに付与される、第2有利状態移行アイテムは、それと引き換えに処分した処分スキルを対象スキルとした第2有利状態移行アイテムである。したがって、第2有利状態移行アイテムの使用によって、プレーヤは、過去に処分し、その後に再度獲得したスキルのスキル値を上げ易くなる。スキル値が上がれば、当該スキルの発動効果が高まる。つまり、第2有利状態移行アイテムを使用せず第2の有利状態にない場合に比べて、プレーヤのゲームプレイが有利な有利状態となる。
【0092】
[機能構成]
1.サーバシステム
図9は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。図9に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0093】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0094】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0095】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0096】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理及びアカウント(プレーヤID)に紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログイン及びログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0097】
課金処理部220は、プレーヤによるゲームコイン(ゲーム内通貨)の購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のゲームコインを当該プレーヤに付与する。
【0098】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームであるので、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。
【0099】
また、ゲーム管理部230は、スキル設定部231と、スキル値変更制御部233と、処分制御部235と、設定/処分反映部237と、有利状態制御部240と、を含む。
【0100】
スキル設定部231は、スキル設定処理を行う機能部であり、プレーヤの獲得スキルを、プレーヤのスキル設定操作に基づいて対象キャラクタに設定する。本実施形態では、スキルの数が設定可能な上限数571を超えず、且つ、スキル値の合計がスキル値合計上限値573を超えない範囲内でスキル設定操作を受け付ける。
【0101】
スキル値変更制御部233は、スキル値変更制御処理を行う機能部であり、プレーヤが獲得・設定したスキル毎にスキル値変更制御処理を行って、そのスキル値を増加変更する制御を行う。
【0102】
処分制御部235は、処分制御処理を行う機能部であり、プレーヤによるスキルの設定解除操作がなされたことを検出した場合に、当該スキルを処分する制御を行う。
【0103】
設定/処分反映部237は、設定/処分反映処理を行う機能部であり、スキルの設定やスキルの処分をキャラクタデータ620に反映させる。
【0104】
有利状態制御部240は、有利状態制御処理を行う機能部であり、処分制御部235によるスキルの処分がなされた場合に、そのプレーヤを第1の有利状態又は第2の有利状態にするための制御を行う。この有利状態制御部240は、アイテム付与制御部241と、有利状態移行制御部243と、を備える。
【0105】
アイテム付与制御部241は、スキルの処分時にアイテム付与処理を行い、有利状態移行アイテムをプレーヤに付与する制御を行う。そして、有利状態移行制御部243は、プレーヤが有利状態移行アイテムを使用した時に有利状態移行処理を行い、当該有利状態移行アイテムの効果を発生させる。
【0106】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0107】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0108】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0109】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0110】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0111】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0112】
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0113】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0114】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム設定データ520と、プレイデータ600と、が格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種テーブルや閾値、フラグ等の必要なデータが適宜格納される。
【0115】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、及びゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0116】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(図14を参照)の原本である。
【0117】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、該当するプレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、図10に示すように、当該プレーヤのアカウント511と、決済媒体帳簿データ513と、を含む。また、その他にも、当該プレーヤの年齢、性別、誕生日等の個人情報、当該プレーヤのゲームのプレイ日時やプレイ時間といったプレイ履歴等が格納される。
【0118】
決済媒体帳簿データ513は、当該プレーヤに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態ではゲームコイン)の収支の情報、例えば、ゲームコインの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ゲームコインの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0119】
図9に戻る。ゲーム設定データ520は、ゲームを実行するために必要な各種設定データを格納する。このゲーム設定データ520は、キャラクタ定義データ530と、図7を参照して説明したスキル毎の有利状態移行アイテムテーブル540と、スキル定義データ550と、スキル設定制限データ570と、図8を参照して説明した決定要素選択テーブル580と、を含む。また、その他にも、ゲームステージの設定に係るステージ設定データ、ゲームの過程でプレーヤが入手し得るキャラクタや有利状態移行アイテム以外の各種ゲームオブジェクトに係るオブジェクト定義データ、ゲーム中に出現する敵キャラクタの種類や各種パラメータ、モデルデータ、行動パターン等を定義する敵キャラクタ設定データ等を格納する。
【0120】
キャラクタ定義データ530は、プレーヤがプレーヤキャラクタとして使用可能なキャラクタ毎に用意される。そして、1つのキャラクタ定義データ530は、図11に示すように、該当するキャラクタのキャラクタID531と、当該キャラクタの属性533と、キャラクタのパラメータ設定535と、を含む。その他にも、当該キャラクタのモデルデータや、動作制御に用いるモーションデータ等が格納される。
【0121】
パラメータ設定535は、攻撃力や防御力といった各種能力値の規定値や、当該キャラクタを進化させたときの進化後の各種能力値の規定値等を格納する。
【0122】
図9に戻り、スキル定義データ550は、プレーヤがゲームの進行過程で獲得し得るスキル毎に用意される。そして、1つのスキル定義データ550は、図12に示すように、該当するスキルのスキルID551と、当該スキルの属性553と、当該スキルの習得条件555と、当該スキルの構成557と、スキル内容データ560と、を含む。
【0123】
スキル構成557は、当該スキルがサブスキルを有する場合に、そのサブスキルの種類を格納する。スキル内容データ560は、サブスキルを有さないスキルの場合には1つ用意され、サブスキルを有するスキルの場合にはサブスキル毎に用意される。
【0124】
スキル内容データ560は、該当するスキルの発動時効果563と、図4等を参照して説明した当該スキルに係るスキル値変更制御テーブル565と、を含む。発動時効果563は、当該スキルのスキル値別の発動時の効果の内容を格納する。
【0125】
図9に戻り、スキル設定制限データ570は、1つのキャラクタに設定可能なスキルの上限数571や、スキル値合計上限値573等を格納する。
【0126】
プレイデータ600は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、該当するプレーヤのゲームプレイ状況(進行状況)を記述する各種データを格納する。具体的には、1つのプレイデータ600は、図13に示すように、当該プレーヤのアカウント601と、当該プレーヤがプレイ中か否かを示すプレイ中フラグ(プレイ中である:ON/プレイ中でない:OFF)603と、当該プレーヤがプレーヤキャラクタとして使用しているキャラクタのキャラクタID605と、ゲームレベル607と、保有オブジェクトデータ610と、習得中スキルデータ650と、スキル処分履歴660と、を含む。その他、当該プレーヤがゲームプレイ中であれば、プレーヤキャラクタの現在の各種能力値等を格納する。
【0127】
保有オブジェクトデータ610は、当該プレーヤが保有しているキャラクタやアイテム等のゲームオブジェクトのデータを格納する。この保有オブジェクトデータ610は、保有するキャラクタ毎のキャラクタデータ620と、有利状態移行アイテムデータ640と、を含む。
【0128】
そして、1つのキャラクタデータ620は、該当するキャラクタのキャラクタID621と、当該キャラクタの属性622と、キャラクタレベル623と、現スキル設定数624と、現スキル値合計625と、スキル別設定630と、を含む。
【0129】
スキル別設定630は、当該キャラクタに設定されているスキル毎に用意され、該当するスキルに関するデータを格納する。そして、1つのスキル別設定630は、該当するスキルのスキルID631と対応付けて、当該スキルのスキルレベルデータ633を格納する。スキルレベルデータ633は、当該スキルの現在のスキル経験値と、当該スキルの現在のスキル値と、を格納する。当該スキルがサブスキルを有する場合は、それらの各値をサブスキル毎に格納する。
【0130】
また、1つの有利状態移行アイテムデータ640は、該当する有利状態移行アイテムのアイテムID641と、当該有利状態移行アイテムの付与日時643と、を含む。
【0131】
習得中スキルデータ650は、習得前或いは習得途中のスキル毎に用意され、該当するスキルのスキルID651と、現在のスキル習得ポイント653と、を格納する。
【0132】
スキル処分履歴660は、当該プレーヤがゲーム中に処分した処分スキル毎に、当該処分を行った日時、当該処分の時点での当該処分スキルのスキル値、当該処分と引き換えにプレーヤに付与された有利状態移行アイテムの種類等を格納する。
【0133】
2.プレーヤ端末
図14は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。図14に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0134】
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0135】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0136】
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0137】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0138】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム1100にて生成されるが、ゲーム空間画像をプレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0139】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0140】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0141】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0142】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0143】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0144】
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0145】
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0146】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(図9を参照)のコピーとする。
【0147】
[処理の流れ]
図15は、ゲームの実行に際し、当該ゲームに参加する1人のプレーヤについて行う処理の流れを示したフローチャートであり、スキルに関する処理に着目した処理の流れを示している。ゲームの実行にあたっては、図15の処理をゲームに参加しているプレーヤ毎に行う。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。
【0148】
先ず、サーバシステム1100は、プレーヤがプレーヤ端末1500を操作してゲームにログインした場合に(ステップS1:YES)、当該プレーヤのゲームを開始する(ステップS3)。
【0149】
その後は、当該プレーヤがスキルを獲得したことで行うスキル設定操作を監視する。そして、スキル設定操作を検出したならば(ステップS5:YES)、対象キャラクタがスキルの設定制限を満たすか否かに応じて処理を分岐する。すなわち、設定制限を満たす場合には(ステップS7:YES)、後段のステップS15に移行する。一方、設定制限を満たさない場合は(ステップS7:NO)、プレーヤの操作に従って処分制御部235が処分制御処理を行い、対象キャラクタに設定されているスキルを処分する(ステップS9)。また、設定/処分反映部237が設定/処分反映処理を行い、対象キャラクタのスキル別設定630にステップS9でのスキルの処分を反映させて更新する(ステップS11)。
【0150】
続いて、アイテム付与制御部241が、スキルの処分と引き換えにアイテム付与処理を行う(ステップS13)。すなわち、ステップS9で処分した処分スキルに係る有利状態移行アイテムテーブル540から有利状態移行アイテムを選択し、プレーヤに付与する制御を行う。その後、ステップS15に移行する。
【0151】
そして、ステップS15では、スキル設定部231がスキル設定処理を行い、対象キャラクタに獲得スキルを設定する。その後、スキル値変更制御部233が、ステップS15で設定したスキルに係るスキル値変更制御処理を開始する(ステップS17)。
【0152】
また、プレーヤによる有利状態移行アイテムの使用操作を検出した場合には(ステップS19)、有利状態移行制御部243が有利状態移行処理を行って、プレーヤを第1の有利状態又は第2の有利状態にする制御を行う(ステップS21)。具体的には、プレーヤが保有する有利状態移行アイテムのうちの第1有利状態移行アイテムについては、対象スキルの獲得前(習得前或いは習得途中)に使用操作を受け付ける。そして、第1有利状態移行アイテムの使用操作を検出した場合には、その効果を発生させてプレーヤを第1の有利状態にする制御を行う。一方、プレーヤが保有する第2有利状態移行アイテムについては、対象スキルの獲得・設定後に使用操作を受け付ける。そして、第2有利状態移行アイテムの使用操作を検出した場合には、その効果を発生させてプレーヤを第2の有利状態にする制御を行う。
【0153】
また、プレーヤのゲームプレイの結果、プレーヤキャラクタがスキルの設定制限を満たさなくなった場合、つまり、その現スキル値合計625がスキル値合計上限値573を超えた場合には(ステップS23:YES)、ステップS25~ステップS29の各処理を行う。すなわち、ステップS9~ステップS13と同様の要領で、処分制御部235が処分制御処理を行い(ステップS25)、設定/処分反映部237が設定/処分反映処理を行い(ステップS27)、アイテム付与制御部241がアイテム付与処理を行う(ステップS29)。これにより、プレーヤキャラクタに設定されたスキルが処分され、当該スキルの処分と引き換えに有利状態移行アイテム(第1有利状態移行アイテム又は第2有利状態移行アイテム)がプレーヤに付与される。
【0154】
その後は、ゲームの終了判定を行い、ゲームを終了するまでの間は(ステップS31:NO)、ステップS5に戻って上記した処理を繰り返す。
【0155】
以上説明したように、本実施形態によれば、スキルの設定制限を満たさないためにキャラクタに設定されているスキルを処分することとなった場合でも、当該スキルの処分と引き換えに有利状態移行アイテム(第1有利状態移行アイテム又は第2有利状態移行アイテム)を付与することができる。これによれば、当該スキルの再度の獲得や当該スキルのゲームプレイ中の発動等に関する利益をプレーヤにもたらすことができ、プレーヤがスキルの処分で抱く残念な気持ちを低減できる。したがって、スキルの獲得・設定を気軽にし易くなり、ゲームにおけるスキルの獲得・設定の活性化が図れる。
【0156】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0157】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、ゲーム管理の処理主体をサーバシステム1100として説明したが、プレーヤ端末1500を処理主体とする構成としてもよいし、当該ゲーム管理に関する処理をサーバシステム1100とプレーヤ端末1500とで分散して実行する構成とすることもできる。例えば、上記実施形態の構成についてプレーヤ端末を処理主体とする場合、プレーヤ端末1500Aの機能構成例は図16のようになる。なお、図16では、上記実施形態と同様の構成には同一の符号を付して示している。
【0158】
図16に示すように、本変形例のプレーヤ端末1500Aは、端末処理部200がゲーム管理部230を有し、ゲーム画面表示制御部273が省略される。すなわち、本変形例のプレーヤ端末1500Aは、サーバシステム1100からゲーム画面の画像を表示するためのデータを取得するのではなく、自身のゲーム管理部230がゲーム管理に関する処理を実行してゲームの進行を制御し、ゲーム画面の画像を生成する。このプレーヤ端末1500Aの端末記憶部500には、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270及びゲーム管理部230として機能させるためのゲームプログラム504が格納され、当該プレーヤ端末1500Aのプレーヤに係るユーザ管理データ510及びそのゲームプレイに係るプレイデータ600と、ゲーム設定データ520とが格納される。
【0159】
そして、本変形例のプレーヤ端末1500Aの処理の流れは図15に示したフローチャートと基本的には同じで、プレーヤ端末1500Aのゲーム管理部230により各ステップを実行するものと読み替えればよい。
【0160】
本変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、プレーヤ端末1500がゲーム管理部230の全ての機能を担うのではなく、その一部を担う構成としてもよい。
【0161】
[変形例2]
また、上記実施形態では、育成対象をキャラクタとしてキャラクタにスキルを設定する例を説明したが、スキルを設定する対象はキャラクタに限定されない。例えば、装備アイテム等のアイテムにスキルを設定する場合にも同様に適用が可能である。その場合のスキルは、装備アイテムの攻撃力や防御力といった各種能力値を向上させる等して、そのパラメータを変化させる効果を発揮する。
【0162】
[変形例3]
また、スキルの処分は、ゲームオブジェクト(キャラクタや装備アイテム等)に設定されているスキルの設定を解除することで行う態様に限定されない。例えば、スキルが設定されているゲームオブジェクトを売却する等当該ゲームオブジェクトが処分された場合に、設定されているスキルを当該ゲームオブジェクトごと処分するとしてもよい。その場合、複数のスキルが設定されているゲームオブジェクトが処分された時には、それらスキル毎に有利状態制御処理を行う。
【0163】
[変形例4]
また、上記実施形態では、プレーヤが1つのプレーヤキャラクタを操作してプレイするゲームを例示したが、複数のキャラクタでデッキを編成してプレイするゲームにも同様に適用が可能である。またその場合は、スキルの設定制限として、デッキを構成するキャラクタ毎のスキル値合計の合算値について上限値を設定しておく構成としてもよい。そして、当該上限値を超えない組み合わせでのデッキの編成操作を受け付けるようにしてもよい。編成したい組み合わせでは上限値を超える場合に当該組み合わせを優先したいときには、上限値を超えない範囲となるようにスキルを処分する。スキルを処分した場合は、プレーヤを有利状態にするための制御が行われることとなる。
【0164】
[変形例5]
また、上記実施形態では、第1~第3の決定要素の中から1つを選んでアイテムランクを決定し、該当する有利状態移行アイテムを付与する例を説明したが、ゲームコインの消費と引き換えに有利状態移行アイテムを付与するとしてもよい。具体的には、処分制御部235によるスキルの処分に際し、ゲームコインの消費額(消費量)を入力するプレーヤの操作入力を受け付ける。そして、アイテム付与制御部241が、プレーヤの消費額に基づいて付与する有利状態移行アイテムを選択する構成としてもよい。例えば、消費額が高くなるほどアイテムランクが高くなるように、付与する有利状態移行アイテムを選択する。なお、消費額分のゲームコインを消費する処理や、残高不足時におけるゲームコインの購入に係る課金処理については別途行う。
【0165】
或いは、上記実施形態の要領で付与する有利状態移行アイテムを選択した後、当該有利状態移行アイテムをプレーヤに提示し、そのまま受け取るか追加のゲームコインを支払うかの選択操作を受け付ける構成としてもよい。ゲームコインの支払いが選択された場合は、提示した当初の有利状態移行アイテムよりもアイテムランクの高い有利状態移行アイテムを、必要なゲームコインの額(追加消費額)と併せて提示する。例えば、当初の有利状態移行アイテムと比べて、アイテムランクのランク差が大きいものほど消費額を高額に設定する。そして、提示した有利状態移行アイテムを選択するプレーヤの操作を検出した場合は、追加消費額分のゲームコインの消費又は当該ゲームコインの購入と引き換えに、選択された有利状態移行アイテムをプレーヤに付与する。
【0166】
[変形例6]
また、上記実施形態では、プレーヤキャラクタに設定されているスキルのスキル値をプレーヤのゲームプレイに応じて増加変更する場合を説明したが、増加方向に変更するだけでなく、減少方向に変更する制御を行う構成も可能である。例えば、プレーヤキャラクタに複数のスキルが設定されている場合において、それらスキル毎にそのスキル値の変更制御に関するオプション設定を、プレーヤのオプション設定操作に基づいて行うようにしてもよい。
【0167】
具体的には、スキル値変更制御部233が、当該オプション設定のために、そのスキル値を増加方向に変更することを許容する第1のオプション設定、スキル値を変更しない第2のオプション設定、及び他のスキルのスキル値が増加方向に変更されるのに伴って減少方向に変更することを許容する第3のオプション設定のうちの何れかのオプション設定をスキル毎に選ぶプレーヤの操作を、オプション設定操作として受け付ける。当該オプション設定操作を検出したときには、それらスキル毎のオプション設定を保持しておく。
【0168】
そして、スキル値変更制御部233は、プレーヤキャラクタの現スキル値合計625(図13を参照)がスキル値合計上限値573を超えた場合に、当該スキル値合計上限値573の範囲内となるように各スキルのスキル値をオプション設定に従って変更する制御を行う。オプション設定がされていない場合は、上記実施形態と同様の要領でプレーヤの設定解除操作を受け付けて、スキルを処分する。
【0169】
[変形例7]
また、上記実施形態では、有利状態移行アイテムを1つ選んでプレーヤに付与する構成としたが、同種の有利状態移行アイテムを複数付与したり、異種の有利状態移行アイテムを組み合わせて付与するようにしてもよい。またその場合は、例えば、プレーヤのスキルの処分回数が多いほど付与する数を多くしたり、ゲームレベルが高いほど付与する数を多くする等として付与する数を制御するとしてもよい。或いは、処分スキルのスキル属性と、当該処分スキルが設定されていたキャラクタのキャラクタ属性とが好相性の場合に、付与する数を多くする等としてもよい。
【0170】
[変形例8]
また、上記実施形態では、有利状態移行アイテムを付与し、当該有利状態移行アイテムが使用された場合にその効果を発生させることでプレーヤを有利状態(第1の有利状態又は第2の有利状態)にする制御を行う例を説明した。これに対し、スキルの処分時において有利状態移行アイテムの選択と同様の要領で発生させる効果を選択し、選択した効果を発生させてプレーヤを第1の有利状態又は第2の有利状態にする制御を行うとしてもよい。つまり、アイテムの付与・使用を介在させずに有利状態にするのである。例えば、所定時間の間当該効果が持続するようにする。これによれば、プレーヤがスキルを処分した時点で、自動的に第1の有利状態又は第2の有利状態にすることが可能となる。
【0171】
その場合も、上記した実施形態と同様の要領で、スキルを処分してからの時間経過に伴ってその効果を低減させる(或いは増大させる)ようにしてもよい。例えば、「ゲームプレイの報酬として付与するスキル経験値を所定期間の間所定数倍する」効果を発生させてプレーヤを第2の有利状態にする制御を行う場合であれば、その倍率を、スキルを処分してからの経過時間に応じて徐々に小さくしていく(或いは大きくしていく)といった具合である。
【0172】
また、スキルを処分した時点でプレーヤを有利状態にする構成の場合には、プレーヤ毎に、スキルを処分することで貯まる処分ポイントを管理する構成としてもよい。例えば、プレーヤがスキルを処分するたびに、所定数の処分ポイントを当該プレーヤに付与する。一方で、プレーヤのログイン頻度や課金頻度、ゲームプレイの結果等に応じて適宜処分ポイントを減量する。例えば、ゲーム中に敵キャラクタとのバトルに敗れると処分ポイントから所定数分を消失させるといった具合である。処分ポイントに消費期限を設けて、付与してから所定時間が経過した時点で消失させる等としてもよい。
【0173】
そして、前述のようにプレーヤ毎に管理される処分ポイントに応じた効果を発生させるとしてもよい。スキルを処分したプレーヤの処分ポイントが多いほど発生させる効果を高くするといった具合である。例えば、図7を参照して説明したボーナス値や倍率、加算値を出力する関数式として、処分ポイントに応じて出力値を増大させる関数式を設定しておく。そして、プレーヤがスキルを処分した場合には、そのときのプレーヤの処分ポイントからボーナス値等を算出することで実現できる。なお、処分ポイントが多いほど発生させる効果を低減させるのでもよい。
【0174】
[変形例9]
また、上記実施形態では、第1有利状態移行アイテムを、スキル習得ポイントに関するアイテムとして説明したが、別のアイテムとしてもよい。例えば、スキルをゲームコインで購入することで獲得できる場合には、対象スキルの獲得に要するゲームコインの量が減額されるアイテムを第1有利状態移行アイテムとしてもよい。
【0175】
同様に、上記実施形態では、第2有利状態移行アイテムを、スキル値やスキル経験値に関するアイテムとして説明したが、別のアイテムとしてもよい。例えば、スキル値の上限を突破するために必要となるゲーム進行条件の条件内容を緩和したり(例えば数値条件を達成し易い閾値に変更する)、ゲーム進行条件自体を無くすこととしてもよい。
【符号の説明】
【0176】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230…ゲーム管理部
231…スキル設定部
233…スキル値変更制御部
235…処分制御部
237…設定/処分反映部
240…有利状態制御部
241…アイテム付与制御部
243…有利状態移行制御部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
513…決済媒体帳簿データ
520…ゲーム設定データ
530…キャラクタ定義データ
533…キャラクタ属性
535…パラメータ設定
540…有利状態移行アイテムテーブル
543…効果
544…アイテムランク
545…効果低減設定
550…スキル定義データ
553…スキル属性
555…習得条件
560…スキル内容データ
563…発動時効果
565…スキル値変更制御テーブル
570…スキル設定制限データ
571…上限数
573…スキル値合計上限値
580…決定要素選択テーブル
600…プレイデータ
603…プレイ中フラグ
607…ゲームレベル
610…保有オブジェクトデータ
620…キャラクタデータ
622…キャラクタ属性
623…キャラクタレベル
624…現スキル設定数
625…現スキル値合計
630…スキル別設定
633…スキルレベルデータ
640…有利状態移行アイテムデータ
643…付与日時
650…習得中スキルデータ
653…現スキル習得ポイント
660…スキル処分履歴
1500,1500A…プレーヤ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…プレーヤ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
504…ゲームプログラム
N…ネットワーク
2…ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16