(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157038
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】加工装置
(51)【国際特許分類】
B24B 55/06 20060101AFI20221006BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20221006BHJP
B24B 7/04 20060101ALI20221006BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20221006BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20221006BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20221006BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B24B55/06
B24B41/06 A
B24B7/04 A
H01L21/304 622H
H01L21/304 622L
H01L21/78 N
H01L21/68 P
H01L21/68 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061040
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 暁征
(72)【発明者】
【氏名】安田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】白尾 政人
【テーマコード(参考)】
3C034
3C043
3C047
5F057
5F063
5F131
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034BB82
3C034BB87
3C034DD20
3C043BA03
3C043BA16
3C043BA17
3C043CC04
3C043DD02
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3C043DD05
3C043DD06
3C043DD14
3C047FF04
3C047FF19
3C047HH11
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5F131DB52
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5F131EB02
(57)【要約】
【課題】液体を供給したりエアブローでは除去できない加工屑等を除去することを可能とする加工装置を提供すること。
【解決手段】加工装置1は、被加工物を加工する装置であって、被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルで保持された被加工物を加工する粗研削ユニット及び仕上げ研削ユニットと、搬送パッドで被加工物を吸引保持して搬送する第3の搬送ユニットと、搬送パッドをブラシ71で洗浄する洗浄ユニット70と、を有し、洗浄ユニット70は、ブラシ71と、ブラシ71を振動自在に保持するブラシ保持部73と、ブラシ71を振動させる圧電素子741を有する振動アクチュエータ74と、圧電素子741の振動を制御する制御部と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を加工する加工装置であって、
被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルで保持された被加工物を加工する加工ユニットと、搬送パッドで被加工物を吸引保持して搬送する搬送ユニットと、該チャックテーブル又は該搬送パッドをブラシで洗浄する洗浄ユニットと、を有し、
該洗浄ユニットは、
該ブラシと、該ブラシを振動自在に保持するブラシ保持部と、該ブラシを振動させる圧電素子と、該圧電素子の振動を制御する制御部と、を有する加工装置。
【請求項2】
該洗浄ユニットは、該ブラシ又は洗浄対象物に液体または気体を供給する流体供給ユニットをさらに備える請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
該洗浄ユニットは、該ブラシによって洗浄された洗浄対象物の表面に残る残渣を払うワイパー部を備える請求項1に記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄ユニットを備える加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスウェーハや、樹脂パッケージ基板、セラミックス基板など各種板状の被加工物をチャックテーブルで保持して切削、研削等する加工ユニットと、加工前または加工後の被加工物を搬送する搬送ユニットを備える加工装置が知られている(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-226521号公報
【特許文献2】特開2008-183659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チャックテーブルは、加工中に付着した加工屑が、次に吸引する被加工物に付着したり傷付けたりする恐れがあるため、加工した被加工物が搬出されると、洗浄水やエアブロー等で付着した加工屑等を除去する工程が実施される。しかし、洗浄水等の液体を供給したりエアブローしたりするだけでは、加工屑が除去できない場合がある。
【0005】
また、被加工物を搬送する搬送パッドも同様に付着した加工屑等があると、次に吸引する被加工物に加工屑等をつけてしまったり傷つけてしまったりする恐れがある。搬送パッドは、液体で洗浄できないこともあるので、エアブローで対応するが、やはり除去できない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、液体を供給したりエアブローでは除去できない加工屑等を除去することを可能とする加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加工装置は、被加工物を加工する加工装置であって、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルで保持された被加工物を加工する加工ユニットと、搬送パッドで被加工物を吸引保持して搬送する搬送ユニットと、該チャックテーブル又は該搬送パッドをブラシで洗浄する洗浄ユニットと、を有し、該洗浄ユニットは、該ブラシと、該ブラシを振動自在に保持するブラシ保持部と、該ブラシを振動させる圧電素子と、該圧電素子の振動を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
前記加工装置において、該洗浄ユニットは、該ブラシ又は洗浄対象物に液体または気体を供給する流体供給ユニットをさらに備えても良い。
【0009】
前記加工装置において、該洗浄ユニットは、該ブラシによって洗浄された洗浄対象物の表面に残る残渣を払うワイパー部を備えても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、液体を供給したりエアブローでは除去できない加工屑等を除去することを可能とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された加工装置の洗浄ユニットの構成を模式的に一部断面で示す正面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示された洗浄ユニットが搬送ユニットの搬送パッドを洗浄する状態を模式的に示す側面図である。
【
図4】
図4は、
図2に示された洗浄ユニットのワイパー部が搬送パッドに残る残渣を払う状態を模式的に示す側面図である。
【
図5】
図5は、実施形態2に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示された加工装置の洗浄ユニットがチャックテーブルの保持面を洗浄する状態を模式的に一部断面で示す側面図である。
【
図7】
図7は、実施形態の変形例に係る加工装置の要部を一部断面で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0013】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る加工装置1を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
図2は、
図1に示された加工装置の洗浄ユニットの構成を模式的に一部断面で示す正面図である。
図3は、
図2に示された洗浄ユニットが搬送ユニットの搬送パッドを洗浄する状態を模式的に示す側面図である。
図4は、
図2に示された洗浄ユニットのワイパー部が搬送パッドに残る残渣を払う状態を模式的に示す側面図である。
【0014】
(加工装置)
実施形態1において、加工装置1は、被加工物200を研削(加工に相当)する研削装置である。
図1に示された加工装置1の加工対象である被加工物200は、シリコン、サファイア、ガリウムなどを基材とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等のウェーハである。被加工物200は、基材の表面201に格子状に形成された分割予定ライン202によって区画された各領域にデバイス203が形成されている。
【0015】
デバイス203は、例えば、IC(Integrated Circuit)、又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、又はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)である。
【0016】
また、実施形態1において、被加工物200は、表面201に保護テープ205が貼着されて加工装置1により表面201の裏側の裏面204が研削されて所定の仕上げ厚さまで薄化された後、分割予定ライン202に沿って個々のデバイス203に分割される。また、本発明では、被加工物200は、ウェーハに限定されずに、樹脂により封止されたデバイスを複数有した矩形状のパッケージ基板、セラミックス基板、ガラス基板、フェライト基板、又はニッケル及び鉄の少なくとも一方を含む基板等でも良い。
【0017】
図1に示す加工装置1は、被加工物200の表面201を保護テープ205を介してチャックテーブル41で保持して、被加工物200の裏面204を研削して、被加工物200を所定の仕上げ厚さまで薄化する研削装置である。加工装置1は、
図1に示すように、装置本体2と、粗研削ユニット10と、仕上げ研削ユニット20と、研削送りユニット30と、ターンテーブル40と、ターンテーブル40上に設置された複数(実施形態1では3つ)のチャックテーブル41と、カセット50と、位置合わせユニット51と、搬送ユニット60と、被加工物洗浄ユニット52と、洗浄ユニット70とを備えている。
【0018】
ターンテーブル40は、装置本体2の上面に設けられた円盤状のテーブルであり、水平面内で鉛直方向と平行なZ軸方向と平行な軸心回りに回転可能に設けられ、所定のタイミングで回転駆動される。このターンテーブル40上には、例えば3つのチャックテーブル41が、例えば120度の位相角で等間隔に配設されている。
【0019】
これら3つのチャックテーブル41は、被加工物200をポーラスセラミックスからなる保持面42で吸引保持するものである。チャックテーブル41は、保持面42が図示しない真空吸引源に接続され、保持面42に保護テープ205を介して被加工物200が載置され、真空吸引源により保持面42が吸引されることで、保持面42に被加工物200を吸引保持する。
【0020】
また、チャックテーブル41は、保持面42が図示しない流体供給源に接続されている。チャックテーブル41は、流体供給源から気体と液体との少なくとも一方で構成される流体が供給されると、保持面42から流体を噴出させる。チャックテーブル41は、図示しないバルブ等により保持面42が真空吸引源と流体供給源とのうち一方が接続される、又は、保持面42の真空吸引源と流体供給源との双方との接続が遮断される。
【0021】
また、これらチャックテーブル41は、基台43が保持面42と直交するZ軸方向(鉛直方向)と平行な軸心で回転可能に構成されている。チャックテーブル41は、研削加工時には、軸心回りに、図示しない回転駆動機構によって水平面内で回転駆動される。チャックテーブル41は、ターンテーブル40の回転によって、搬入出領域301、粗研削領域302、仕上げ研削領域303、搬入出領域301に順次移動される。
【0022】
なお、搬入出領域301は、チャックテーブル41に被加工物200を搬入搬出する領域であり、粗研削領域302は、粗研削ユニット10でチャックテーブル41に保持された被加工物200を粗研削(研削に相当)する領域であり、仕上げ研削領域303は、仕上げ研削ユニット20でチャックテーブル41に保持された被加工物200を仕上げ研削(研削に相当)する領域である。
【0023】
粗研削ユニット10は、チャックテーブル41に保持された被加工物200の上方に露出した裏面204を粗研削する粗研削用の研削砥石11を環状に配設した粗研削用の研削ホイール12(研削する工具に相当)がスピンドルの下端に装着されて、粗研削領域302のチャックテーブル41の保持面42に保持された被加工物200の裏面204を粗研削する加工ユニットである。仕上げ研削ユニット20は、チャックテーブル41に保持された被加工物200の裏面204を仕上げ研削する仕上げ研削用の研削砥石21を環状に配設した仕上げ研削用の研削ホイール22(研削する工具に相当)がスピンドルの下端に装着されて、仕上げ研削領域303のチャックテーブル41の保持面42に保持された被加工物200の裏面204を仕上げ研削する加工ユニットである。
【0024】
研削ユニット10,20は、モータ13,23により研削ホイール12,22がZ軸方向と平行な軸心回りに回転されるとともに研削水を研削領域302,303のチャックテーブル41に保持された被加工物200の裏面204に供給しながら研削送りユニット30により研削砥石11,21がチャックテーブル41に所定の送り速度で近づけられることによって、被加工物200の裏面204を粗研削又は仕上げ研削する。
【0025】
研削送りユニット30は、研削ユニット10,20をZ軸方向に移動させて、研削ユニット10,20をチャックテーブル41に対して離間及び接近させるものである。実施形態1において、研削送りユニット30は、装置本体2の水平方向と平行なY軸方向の一端部から立設した立設柱3に設けられている。研削送りユニット30は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のモータ及び各研削ユニット10,20のスピンドルハウジングをZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。
【0026】
なお、実施形態1において、粗研削ユニット10及び仕上げ研削ユニット20は、研削ホイール12,22の回転中心である軸心と、チャックテーブル41の回転中心である軸心とが、互いに水平方向に間隔をあけて平行に配置され、研削砥石11,21がチャックテーブル41に保持された被加工物200の裏面204の中心上を通る。
【0027】
カセット50は、複数のスロットを有して、被加工物200を複数収容するための収容容器である。カセット50は、研削加工前後の被加工物200を複数枚収容する。実施形態1では、カセット50は、一対設けられ、それぞれカセット設置台53に設置される。カセット設置台53は、カセット50をZ軸方向に昇降する。実施形態1では、一対のカセット設置台53は、装置本体2の水平方向と平行なY軸方向の一端部に配置され、水平方向と平行でかつY軸方向に対して直交するX軸方向に沿って並べられている。位置合わせユニット51は、カセット50から取り出された被加工物200が仮置きされて、その中心位置合わせを行うためのテーブルである。被加工物洗浄ユニット52は、研削後の被加工物200を洗浄し、研削された裏面204に付着している研削屑(加工屑に相当)等のコンタミネーションを除去する。
【0028】
搬送ユニット60は、第1搬送ユニット61と、第2搬送ユニット62と、第3搬送ユニット63とを備える。第1搬送ユニット61と第2搬送ユニット62は、円板状の搬送パッド64で被加工物200を吸引保持して搬送するものである。第1搬送ユニット61は、位置合わせユニット51で位置合わせされた研削加工前の被加工物200を搬送パッド64に吸引保持して搬入出領域301に位置するチャックテーブル41の保持面42上に搬入する。第2搬送ユニット62は、搬入出領域301に位置するチャックテーブル41の保持面42上の研削加工後の被加工物200を搬送パッド64に吸引保持して、被加工物200を被加工物洗浄ユニット52に搬送するものである。
【0029】
第3搬送ユニット63は、平面形状がU字型の板状の搬送パッド65を備えるロボットピックであり、U字型の搬送パッド65に被加工物200を吸引保持して、被加工物200を搬送するものである。第3搬送ユニット63は、研削加工前の被加工物200をカセット50から取り出して、研削加工前の被加工物200を位置合わせユニット51に搬送するとともに、研削加工後の被加工物200を被加工物洗浄ユニット52から取り出して、カセット50に搬送する。
【0030】
実施形態1は、洗浄ユニット70は、第3搬送ユニット63の搬送パッド65をブラシ71で洗浄するものである。即ち、実施形態1では、洗浄ユニット70の洗浄対象物は、第3搬送ユニット63の搬送パッド65である。洗浄ユニット70は、
図2、
図3及び
図4に示すように、ユニット本体72と、ブラシ71と、ブラシ保持部73と、振動アクチュエータ74と、流体供給ユニット75と、ワイパー部76と、制御部100とを備える。
【0031】
ユニット本体72は、例えば、ステンレス鋼等の金属からなり厚手の平盤状に形成されている。ユニット本体72は、装置本体2上に設置されている。実施形態1では、ユニット本体72即ち洗浄ユニット70は、装置本体2の一方のカセット50を設置するカセット設置台53と被加工物洗浄ユニット52の間で、かつ第3搬送ユニット63の隣りに配置されている。
【0032】
ブラシ71は、複数の繊維711と、複数の繊維711を支持した基台712とを備える。繊維711は、直線状に伸びかつ互いに平行に配置されている。複数の繊維711は、長手方向がZ軸方向と平行に配置される。実施形態1において、繊維711は、樹脂により構成されている。繊維を構成する樹脂は、具体的には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプレピレン)、PVA(ポリビニルアルコール)又はPU(ポリウレタン)があげられる。
【0033】
なお、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と、ETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体)とは、コンタミが付着しにくく、また高耐薬品性であるため洗浄時に薬液を使用する場合や、洗浄対象に薬液が付着している場合は、薬液と繊維711とが反応しにくく望ましい。また、PE(ポリエチレン)とPP(ポリプレピレン)は、コンタミが不着しにくく、耐薬品性が中程度であるが、安価であるため、強力や薬液を使用しない場合やコストを重視する場合は好ましい。またPVA(ポリビニルアルコール)又はPU(ポリウレタン)は、表面自由エネルギーが低く異物が付着しにくく、好ましい。
【0034】
基台712は、ステンレス鋼等の金属により構成され、水平方向と平行に直線状に伸びた帯板状に形成されている。基台712は、表面の全体に複数の繊維711の基端を支持している。基台712即ちブラシ71の全長は、第3搬送ユニット63の搬送パッド65の幅よりも長い。なお、第3搬送ユニット63の搬送パッド65の幅とは、第3搬送ユニット63の搬送パッド65がカセット50から被加工物200を出し入れする際に移動する方向であるY軸方向の搬送パッド65の寸法である。Y軸方向は、X軸方向に対して直交しかつ水平方向と平行な方向である。なお、実施形態1では、基台712即ちブラシ71の長手方向は、Y軸方向と平行である。
【0035】
ブラシ保持部73は、ブラシ71を振動自在に保持するものである。実施形態1では、ブラシ保持部73は、ブラシ71をユニット本体72即ち装置本体2に対してZ軸方向に振動自在に支持している。なお、ユニット本体72がZ軸方向に振動自在とは、ユニット本体72がZ軸方向に所定の振幅内で往復移動自在であることをいう。
【0036】
実施形態1において、ブラシ保持部73は、ブラシ71の基台712に設けられた貫通孔731と、ユニット本体72に設置された支柱732と、付勢手段であるばね733とを備える。貫通孔731は、ブラシ71の基台712を基台712の厚み方向に沿って貫通した孔である。実施形態1では、貫通孔731は、基台712の少なくとも長手方向の両端部に設けられている。
【0037】
支柱732は、装置本体2に設置されたユニット本体72からZ軸方向に沿って立設した柱状に形成されている。支柱732は、ユニット本体72に設置されかつ平面形状が貫通孔731の平面形状よりも大きな柱状の太部734と、太部734の先端に連なりかつ平面形状が貫通孔731の平面形状よりも小さい柱状の細部735とを備えている。支柱732は、太部734がユニット本体72に設置され、細部735が貫通孔731内に通されることで、太部734と細部735との間の段差736でブラシ71の基台712を支持する。このとき、貫通孔731の平面形状よりも細部735の平面形状が小さいので、支柱732の細部735は、貫通孔731内に遊挿されて、ブラシ71がユニット本体72に対して前述した所定の振幅内で振動自在となる。
【0038】
また、支柱732は、ブラシ71の基台712を支持した状態で、細部735の先端に平面形状が貫通孔731の平面形状よりも大きな平板状のフランジ部737が取り付けられている。ばね733は、内側に細部735を通すコイルばねであり、貫通孔731内に支柱732の細部735とフランジ部737との間に配置されて、基台712即ちブラシ71を段差736即ちユニット本体72に向けて付勢している。ブラシ保持部73は、細部735が貫通孔731内に通され、段差で基台712を支持し、ばね733が基台712を段差736に向けて付勢することで、ブラシ71をユニット本体72即ち装置本体2に対してZ軸方向に振動自在に支持する。
【0039】
振動アクチュエータ74は、ブラシ71を振動させるものである。実施形態1では、振動アクチュエータ74は、ブラシ71をZ軸方向に振動させるものである。振動アクチュエータ74は、基端がユニット本体72に取り付けられ、かつ先端がブラシ71の基台712に取り付けられた柱状に形成されている。
【0040】
実施形態1では、振動アクチュエータ74は、圧電素子741と、圧電素子741に図示しない電源からの電力を印加する電極742とをZ軸方向に交互に積層した積層アクチュエータである。即ち、振動アクチュエータ74即ち加工装置1は、ブラシ71を振動させる圧電素子741を備える。なお、
図2、
図3及び
図4は、一つの圧電素子741と、この圧電素子741に積層された一対の電極742のみを示し、他の圧電素子741及び電極742を省略している。実施形態1では、振動アクチュエータ74は、圧電素子741に図示しない電源からの電力が印加されると、500Hz以上でかつ10kHz以下の周波数で、3μm以上でかつ50μm以下の振幅でZ軸方向に伸縮して、ブラシ71をZ軸方向に振動させる。
【0041】
流体供給ユニット75は、洗浄対象物である第3搬送ユニット63の搬送パッド65に液体と気体とのうち少なくとも一方からなる流体751(
図3に示す)を供給するものである。流体供給ユニット75は、洗浄対象物である第3搬送ユニット63の搬送パッド65に液体が付着しないことが求められている場合には、気体のみからなる流体751を洗浄対象物である第3搬送ユニット63の搬送パッド65に供給する。
【0042】
流体供給ユニット75は、図示しない流体供給源から流体751が供給され、かつ水平方向と平行に直線状に伸びた帯板状に形成された供給ノズル752を備える、供給ノズル752は、ユニット本体72に取り付けられ、ブラシ71の隣りでかつブラシ71と平行に配置されている。また、供給ノズル752は、ユニット本体72から離れた側の先端面に流体751を噴出する噴出口であるスリット753が設けられ、先端面がブラシ71の繊維711の先端よりも下方に配置されている。また、スリット753の全長は、第3搬送ユニット63の搬送パッド65の幅よりも長い。なお、実施形態1では、流体供給ユニット75は、供給ノズル752のスリット753から流体供給源からの流体751を洗浄対象物である第3搬送ユニット63の搬送パッド65に供給するが、本発明では、流体供給源からの流体751をブラシ71に供給する構成であっても良い。
【0043】
ワイパー部76は、ブラシ71によって洗浄された洗浄対象物である第3搬送ユニット63の搬送パッド65の表面に接触して、搬送パッド65の表面に残る残渣を払うものである。なお、残渣は、研削ユニット10,20が被加工物200を研削する際に供給する研削液、研削ユニット10,20が被加工物200を研削する際に生じる加工屑、流体供給ユニット75が供給した流体751のうち少なく一つを含むものである。
【0044】
ワイパー部76は、水平方向と平行に直線状に伸びた帯板状に形成され、ユニット本体72に取り付けられ、流体供給ユニット75の隣りでかつブラシ71及び流体供給ユニット75と平行に配置されている。また、ワイパー部76は、ユニット本体72から離れた側の先端がブラシ71の繊維711の先端と同一平面上となる払い位置(
図3に破線で示す)と、先端がブラシ71の繊維711の先端よりも下方となる退避位置(
図3に実線で示す)とに亘って図示しない駆動機構により移動される。また、ワイパー部76の全長は、第3搬送ユニット63の搬送パッド65の幅よりも長い。
【0045】
制御部100は、振動アクチュエータ74の圧電素子741に電力を印加する電源等を制御して、振動アクチュエータ74の圧電素子741の振動を制御するものである。また、制御部100は、加工装置1を構成する上述した各構成要素をそれぞれ制御するものでもある。即ち、制御部100は、被加工物200に対する加工動作を加工装置1に実行させるものである。制御部100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。
【0046】
制御部100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、加工装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して加工装置1の上述した構成要素に出力する。また、制御部100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニット、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力ユニット及びオペレータに報知する報知ユニットと接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等とのうち少なくとも一つにより構成される。報知ユニットは、音と光とタッチパネル上のメッセージとのうち少なくともいずれかを発して、オペレータに報知する。
【0047】
次に、実施形態1に係る加工装置1の加工動作を説明する。加工装置1は、オペレータにより、加工条件が制御部100に登録され、研削前の保護テープ205が貼着された被加工物200を収容したカセット50がカセット設置台53に設置される。加工装置1の制御部100は、オペレータから加工動作の開始指示を受け付けると、加工動作を開始する。
【0048】
加工動作では、加工装置1の制御部100は、第3搬送ユニット63にカセット50から被加工物200を取り出させて、位置合わせユニット51へ搬出させる。制御部100は、位置合わせユニット51に被加工物200の中心位置合わせを行わせ、第1搬送ユニット61に位置合わせされた被加工物200の表面201側を搬入出領域301に位置するチャックテーブル41の保持面42上に搬入する。
【0049】
加工装置1の制御部100は、被加工物200の表面201側を保護テープ205を介して搬入出領域301のチャックテーブル41の保持面42に吸引保持し、裏面204を露出させて、ターンテーブル40で被加工物200を粗研削領域302、仕上げ研削領域303、搬入出領域301に順に搬送し、粗研削、仕上げ研削を順に施す。なお、加工装置1の制御部100は、ターンテーブル40が120度回転する度に、研削後の被加工物200を搬入出領域301のチャックテーブル41から被加工物洗浄ユニット52に搬送するとともに、研削前の被加工物200を搬入出領域301のチャックテーブル41に搬入する。
【0050】
加工装置1の制御部100は、研削後の被加工物200を第2搬送ユニット62により被加工物洗浄ユニット52に搬入し、被加工物洗浄ユニット52で洗浄し、洗浄後の被加工物200を第3搬送ユニット63のU字型の搬送パッド65で被加工物200をカセット50へ搬入する。加工装置1の制御部100は、カセット50内の全ての被加工物200に研削を施すと、加工動作を終了する。加工装置1は、被加工物200の研削中、洗浄ユニット70のワイパー部76を退避位置に位置付ける。また、加工装置1は、粗研削、仕上げ研削時に加工屑を発生させ、加工動作中に発生した加工屑の一部がチャックテーブル41の保持面42、搬送ユニット61,62,63の搬送パッド64,65に付着することがある。
【0051】
次に、実施形態1に係る加工装置1の洗浄ユニット70の第3搬送ユニット63の搬送パッド65を洗浄する洗浄動作を説明する。加工装置1は、制御部100が所定のタイミングであると判定すると、第3搬送ユニット63の搬送パッド65を洗浄する洗浄動作を開始する。
【0052】
なお、所定のタイミングとは、第3搬送ユニット63の搬送パッド65を洗浄する任意のタイミングであって、例えば、加工動作中に第3搬送ユニット63が被加工物洗浄ユニット52により洗浄されたすべての被加工物200を搬送する前、第3搬送ユニット63が被加工物洗浄ユニット52により洗浄された所定枚数毎の被加工物200を搬送する前、加工動作終了後等に洗浄後の被加工物200をカセット50に搬入した後、入力ユニット等を介してオペレータのチャックテーブル41の保持面42の洗浄動作の開始指示を受け付けた際等である。
【0053】
洗浄動作では、加工装置1は、制御部100が流体供給ユニット75の供給ノズル752のスリット753から流体751を噴出し、振動アクチュエータ74でブラシ71をZ軸方向に前述した周波数及び振幅で振動させながら、
図3に示すように、第3搬送ユニット63の搬送パッド65を水平方向と平行でかつY軸方向に対して直交するX軸方向に所定回数往復移動させて、第3搬送ユニット63の搬送パッド65をX軸方向の全長に亘ってブラシ71の繊維711の先端に接触させる。すると、X軸方向に往復移動する搬送パッド65にブラシ71の繊維711の先端が間欠的に接触して、搬送パッド65の移動とともに間欠的に搬送パッド65に接触する繊維711が、搬送パッド65に付着した加工屑等を除去することとなる。
【0054】
洗浄動作では、加工装置1は、搬送パッド65を所定回数往復移動した後、搬送パッド65が他方のカセット50から最も離れた位置で流体供給ユニット75の供給ノズル752のスリット753からの流体751の噴出を停止し、ワイパー部76を払い位置に位置付けて、
図4に示すように、搬送パッド65を他方のカセット50に向けてX軸方向に沿って移動させる。すると、搬送パッド65が払い位置に位置付けられたワイパー部76の先端に接触して、搬送パッド65の移動とともに、搬送パッド65の表面から残渣が除去される。
【0055】
なお、実施形態1では、洗浄ユニット70が第3搬送ユニット63の搬送パッド65を洗浄したが、本発明では、これに限定されずに、洗浄ユニット70は、第2搬送ユニット62の搬送パッド64を洗浄しても良い。即ち、実施形態1では、洗浄ユニット70の洗浄対象物は、第2搬送ユニット62の搬送パッド64でも良い。
【0056】
以上説明したように、実施形態1に係る加工装置1は、振動アクチュエータ74の圧電素子741により前述した周波数及び振幅で振動させたブラシ71の繊維711を搬送パッド65に接触させる。その結果、実施形態1に係る加工装置1は、搬送パッド65に液体を供給したり加圧した気体を吹き付けるエアブローでは除去できない加工屑等を確実に除去する事を可能となるという効果を奏する。
【0057】
また、実施形態1に係る加工装置1は、流体供給ユニット75から搬送パッド65に流体751を供給するので、洗浄力を上げたり、洗浄後にワイパー部76等に搬送パッド65を接触させるので、洗浄後の残渣を残さない効果も得られる。
【0058】
また、実施形態1に係る加工装置1は、振動アクチュエータ74が圧電素子741を複数積層して構成された積層アクチュエータであるので、小さいサイズの振動アクチュエータ74で大きな振幅でブラシ71を振動させることができる。
【0059】
〔実施形態2〕
実施形態2に係る加工装置1を図面に基づいて説明する。
図5は、実施形態2に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
図6は、
図5に示された加工装置の洗浄ユニットがチャックテーブルの保持面を洗浄する状態を模式的に一部断面で示す側面図である。なお、
図5及び
図6は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
実施形態2に係る洗浄ユニット70-2は、チャックテーブル41の保持面42を洗浄するものである。即ち、実施形態2では、洗浄ユニット70-1の洗浄対象物は、チャックテーブル41の保持面42である。実施形態2に係る洗浄ユニット70-2は、
図5に示すように、ユニット本体72と、ブラシ71と、ブラシ保持部73(
図6に示す)と、振動アクチュエータ74(
図6に示す)と、流体供給ユニット75と、ワイパー部76とが搬入出領域301に位置するチャックテーブル41の上方に設置されている。実施形態2に係る洗浄ユニット70-2は、実施形態1では、上方に対向した繊維711の先端、供給ノズル752の先端面及びワイパー部76のユニット本体72から離れた側の先端が下方、即ち搬入出領域301に位置するチャックテーブル41の保持面42に対向している。
【0061】
即ち、実施形態2に係る洗浄ユニット70-2は、ユニット本体72、ブラシ71、ブラシ保持部73、振動アクチュエータ74、流体供給ユニット75及びワイパー部76の上下方向の向きが、実施形態1に係る洗浄ユニット70と反対向きに設置されている。また、実施形態2に係る洗浄ユニット70-2は、
図5に示すように、ユニット本体72をZ軸方向に沿って昇降するとともにX軸方向に沿って移動するブラシ移動ユニット77を備える。
【0062】
ブラシ移動ユニット77は、ブラシ71の繊維711の先端がチャックテーブル41の保持面42の接触し、基台712が段差736に接触する
図6に示す洗浄位置と、ブラシ71等がチャックテーブル41から退避した退避位置とに亘ってユニット本体72を昇降させるものである。実施形態2において、ブラシ移動ユニット77は、洗浄位置において、ブラシ71即ちユニット本体72をX軸方向に沿って移動する。実施形態1において、ブラシ移動ユニット77は、ユニット本体72をX軸方向に沿って移動する際、ブラシ71の繊維711の先端、ワイパー部76をチャックテーブル41の保持面42の全体に接触させる。
【0063】
実施形態2では、ブラシ移動ユニット77は、被加工物200の研削中にブラシ71即ちユニット本体72を前述した退避位置に位置付ける。ブラシ移動ユニット77は、周知のボールねじ、周知のモータ及び周知のガイドレール等を備える。
【0064】
次に、実施形態2に係る加工装置1の洗浄ユニット70-2のチャックテーブル41の保持面42を洗浄する洗浄動作を説明する。加工装置1は、制御部100が所定のタイミングであると判定すると、チャックテーブル41の保持面42の洗浄動作を開始する。
【0065】
なお、実施形態2において、所定のタイミングとは、チャックテーブル41の保持面42を洗浄する任意のタイミングであって、例えば、加工動作中に研削前の各被加工物200を搬入出領域301に位置するチャックテーブル41に搬入する前、搬入出領域301に位置するチャックテーブル41に研削前の所定の枚数毎の被加工物200を搬入する前、加工動作終了後に研削後の各被加工物200を搬入出領域301に位置するチャックテーブル41から搬出した後、入力ユニット等を介してオペレータのチャックテーブル41の保持面42の洗浄動作の開始指示を受け付けた際等である。
【0066】
洗浄動作では、加工装置1は、制御部100が流体供給ユニット75の供給ノズル752のスリット753から流体751を噴出し、振動アクチュエータ74でブラシ71をZ軸方向に前述した周波数及び振幅で振動させながら、ブラシ移動ユニット77によりユニット本体72を洗浄位置まで下降し、
図6に示すように、ブラシ71の繊維711の先端を搬入出領域301に位置するチャックテーブル41の保持面42に接触させる。洗浄動作では、加工装置1は、ブラシ移動ユニット77によりユニット本体72、即ちブラシ71をX軸方向に所定回数往復移動させるとともに、搬入出領域301に位置付けられたチャックテーブル41を軸心回りに回転して、ブラシ71の繊維711の先端をX軸方向の全長に亘ってチャックテーブル41の保持面42接触させる。すると、チャックテーブル41の保持面42に保持面42に対して相対的に移動するブラシ71の繊維711の先端が間欠的に接触して、チャックテーブル41とブラシ71との相対的な移動とともに間欠的に保持面42に接触する繊維711が、保持面42に付着した加工屑等を除去することとなる。
【0067】
洗浄動作では、加工装置1は、ユニット本体72即ちブラシ71を所定回数往復移動した後、流体供給ユニット75の供給ノズル752のスリット753からの流体751の噴出を停止し、チャックテーブル41の回転を停止する。洗浄動作では、加工装置1は、ワイパー部76を払い位置に位置付けて、ワイパー部76の先端がチャックテーブル41の保持面42のX軸方向の一端から他端に順に接触するように、ユニット本体72即ちワイパー部76をX軸方向に沿って移動させる。すると、チャックテーブル41の保持面42に払い位置に位置付けられたワイパー部76が先端に接触して、ワイパー部76の移動とともに、チャックテーブル41の保持面42から残渣が除去される。
【0068】
実施形態2に係る加工装置1は、振動アクチュエータ74の圧電素子741により前述した周波数及び振幅で振動させたブラシ71の繊維711をチャックテーブル41の保持面42に接触させる。その結果、実施形態2に係る加工装置1は、チャックテーブル41の保持面42に液体を供給したり加圧した気体を吹き付けるエアブローでは除去できない加工屑等を確実に除去する事を可能となるという効果を奏する。
【0069】
なお、実施形態2に係る加工装置1は、振動アクチュエータ74の圧電素子741により前述した周波数及び振幅でブラシ71を振動させながらユニット本体72すなわちブラシ71をX軸方向に所定回数往復移動する際に、流体供給源からチャックテーブル41の保持面42に流体を供給して、この流体を保持面42から噴出させても良い。
【0070】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、実施形態では、加工装置1は、研削ユニット10,20のスピンドルの下端に研削ホイール12,22を装着したが、本発明では、研削ユニット10,20のスピンドルの下端に被加工物200を研磨する研磨パッドを有する研磨工具を装着しても良い。
【0071】
本発明では、加工装置1は、研削ユニット10,20のスピンドルの下端に研磨工具を装着する場合、研磨液を供給しながら被加工物200を研磨しても良く、研磨液を供給することなく被加工物200を研磨(所謂ドライポリッシュ)しても良く、化学的作用を有する研磨液を供給しながら被加工物200を研磨(所謂化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing))しても良い。
【0072】
また、本発明では、加工装置1-1は、
図7に示すように、被加工物200を切削する切削装置でも良い。なお、
図7は、実施形態の変形例に係る加工装置の要部を一部断面で示す側面図であり、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
図7に示された加工装置1-1は、チャックテーブル41の保持面42に被加工物200の裏面204側を吸引保持し、チャックテーブル41に吸引保持した被加工物200に加工ユニットである切削ユニット80の切削ブレード81の切り刃82を切り込ませて、被加工物200を切削して、切削溝206を形成する。
【0073】
また、前述した実施形態では、加工装置1の振動アクチュエータ74が圧電素子741を複数積層して構成された積層アクチュエータであるが、本発明では、振動アクチュエータ74は、圧電素子741を一つのみ備えるものでも良い。
【符号の説明】
【0074】
1,1-1 加工装置
10 粗研削ユニット(加工ユニット)
20 仕上げ研削ユニット(加工ユニット)
41 チャックテーブル
42 保持面(洗浄対象物)
62 第2搬送ユニット(搬送ユニット)
63 第3搬送ユニット(搬送ユニット)
64 搬送パッド(洗浄対象物)
65 搬送パッド(洗浄対象物)
70,70-2 洗浄ユニット
71 ブラシ
73 ブラシ保持部
75 流体供給ユニット
76 ワイパー部
80 切削ユニット(加工ユニット)
100 制御部
200 被加工物
741 圧電素子