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特開2022-157131エンターテインメント視聴管理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157131
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】エンターテインメント視聴管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/525 20140101AFI20221006BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20221006BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20221006BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20221006BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20221006BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20221006BHJP
【FI】
A63F13/525
A63F13/52
A63F13/79
A63F13/798
A63F13/55
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061188
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(71)【出願人】
【識別番号】519180002
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコ研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】中野渡 昌平
(72)【発明者】
【氏名】遠山 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】加来 量一
(72)【発明者】
【氏名】平石 博之
(72)【発明者】
【氏名】會田 翔
(57)【要約】
【課題】エンターテインメントの視聴に集中させるための動機付けを高めること、及び、その結果、視聴対象のエンターテインメントに対する積極的な関与を促すことが可能なエンターテインメント視聴管理システム及びそのプログラムを提供すること。
【解決手段】エンターテインメント視聴管理システムは、(A)仮想空間内に設けられ、かつ、視聴環境について順位付けされている複数の視聴位置の中から、当該仮想イベントを視聴するための視聴者の視点として機能する仮想カメラの位置を設定する視聴位置設定処理を実行し、(B)仮想イベントの視聴中に、視聴者に関する情報を示す視聴者関連情報と、各視聴位置の順位付けと、に応じて、当該視聴者の前記仮想カメラの位置を制御する位置制御処理を実行し、(C)仮想カメラの位置から、視聴者の視聴方向に見える当該仮想空間の画像を生成して生成された画像を視聴者に提供するサーバ装置10を有している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内で実行されるエンターテインメントを視聴者に視聴させるエンターテインメント視聴管理システムであって、
前記エンターテインメントを実行する実行制御手段と、
前記仮想空間内に設けられ、かつ、視聴環境について順位付けされている複数の視聴位置の中から、前記エンターテインメントを視聴するための視聴者の視点として機能する仮想カメラの位置を設定する設定手段と、
前記仮想カメラの位置から前記視聴者の視聴方向に形成される当該仮想空間の画像を生成する画像生成手段と、
前記生成された画像を前記視聴者に提供する提供手段と、
を備え、
前記設定手段が、
前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者に関する情報を示す視聴者関連情報、及び、当該エンターテインメントの実行状況の少なくとも何れか一方と、各視聴位置の順位付けと、に応じて、当該視聴者の前記仮想カメラの位置を制御する位置制御処理を実行することを特徴とするエンターテインメント視聴管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記設定手段が、
前記位置制御処理として、前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者関連情報と及び当該エンターテインメントの実行状況の少なくともいずれか一方と、各視聴位置の順位付けと、に応じて、(a)当該視聴者の前記仮想カメラの位置を他の視聴位置に変更する変更制御処理、又は、(b)当該視聴者の視聴位置を維持する維持制御処理を実行する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記設定手段が、
前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者関連情報及び当該エンターテインメントの実行状況の少なくともいずれか一方について、所与の判定条件を具備したか否かを判定する判定処理、及び、
前記判定処理によって前記判定条件を具備したと判定した場合に、各視聴位置の順位付けに応じて前記視聴者の仮想カメラの位置を変更する前記変更制御処理、又は、当該視聴者の仮想カメラ位置を維持する前記維持制御処理を、前記位置制御処理として、実行する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記設定手段が、
前記位置制御処理として、第1の視聴者における前記仮想カメラの位置を第1の位置から当該第1の位置とは異なる第2の位置に変更した場合に、前記第2の位置に設定されていた第2の視聴者の仮想カメラの位置を当該第2の位置とは異なる位置に変更する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記仮想空間に配置される各視聴者の操作対象であって当該各視聴者の視聴位置に配置する視聴者キャラクタを含むオブジェクトを制御するオブジェクト制御手段を更に備える、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記エンターテインメントの実行中に、各視聴者の前記視聴者関連情報を比較する比較処理を実行する比較手段を更に備え、
前記設定手段が、
前記位置制御処理として、前記視聴者関連情報の比較結果、及び、前記視聴位置の順位付けに応じて、各視聴者の仮想カメラの位置を制御する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記視聴者関連情報には、
前記視聴者の前記エンターテインメントに関する視聴者の行動に関する情報であって前記エンターテインメントの実行中に変動する視聴者行動情報、及び、
前記視聴者を特定するための視聴者特定情報、
の少なくともいずれか一方が含まれる、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記視聴者行動情報が、
前記エンターテインメントの視聴中に入力された行動情報であって、当該エンターテインメントに用いられるアイテムの消費に関するアイテム消費行動情報である、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記設定手段が、
前記位置制御処理を実行する際に、当該視聴者の視聴状況を検出し、
当該検出した視聴者の視聴状況に基づいて前記視聴者関連情報としての前記アイテム消費行動情報によって定まるパラメータを変化させ、
前記変化させたアイテム消費行動情報のパラメータに応じて、前記位置制御処理を実行する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記視聴者の視聴状況に基づいて、前記位置制御処理を実行する際に前記アイテム消費行動情報に対して設定された基準値を変更する基準変更手段を更に備える、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか1項に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記設定手段が、
1以上の視聴者から構成されるグループに属する第1の視聴者に対する位置制御処理であって、当該第1の視聴者と同一のグループに属し、かつ、当該第1の視聴者とは異なる第2の視聴者の視聴者関連情報としてのアイテム消費行動情報の入力が、所与の入力条件を具備した場合には、前記第1の視聴者の視聴関連情報としてのアイテム消費行動情報、及び、各視聴位置の順位付けとともに、当該第2の視聴者のアイテム消費行動情報に応じて、当該第1の視聴者に対する前記位置制御処理を実行する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記設定手段が、
グループ化された1以上の前記視聴者から構成されるグループの各視聴者の前記視聴位置を、同一の前記視聴位置に、設定し、
前記位置制御処理を実行する際に前記グループ化され、同一の視聴位置に設定した各視聴者の視聴者関連情報を集計し、
前記集計した視聴者関連情報、及び、各視聴位置の順位付けに応じて、前記グループの視聴位置について前記位置制御処理を実行する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
操作管理者の操作入力を受け付ける受付処理手段を更に備え、
前記設定手段が、
前記受け付けられた操作管理者の操作入力によって、前記視聴者の仮想カメラの位置を変更する前記位置制御処理を実行する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項14】
請求項13に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記画像生成手段によって生成された前記注視キャラクタに関する画像を前記操作者用の表示手段に表示させるとともに、前記視聴者の視聴位置に対応付けて各視聴者の視聴者関連情報を表示させる表示制御手段を更に備える、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記設定手段が、
前記視聴者関連情報がアイテムの消費に関する情報であって当該アイテムが消費されることによって前記位置制御処理が実行される場合であって、前記操作者によって消費対象のアイテムの前記位置制御処理への使用が承認された場合に、当該視聴者の前記位置制御処理を実行する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか1項に記載のエンターテインメント視聴管理システムにおいて、
前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者の仮想カメラの位置と、当該視聴者の仮想カメラの位置の滞在時間と、を検出する検出手段と、
前記検出された前記視聴者の仮想カメラの位置と、当該視聴者の仮想カメラの位置の滞在時間と、に基づいて、当該視聴者の視聴実績を示す情報を、視聴実績情報として、管理する視聴実績管理手段と、
を更に備え、
前記提供手段が、
前記管理されている視聴実績情報を、該当する視聴者に提供する、エンターテインメント視聴管理システム。
【請求項17】
仮想空間内で実行されるエンターテインメントを視聴者に視聴させるエンターテインメント視聴管理用のプログラムであって、
前記エンターテインメントを実行する実行制御手段、
前記仮想空間内に設けられ、かつ、視聴環境について順位付けされている複数の視聴位置の中から、前記エンターテインメントを視聴するための視聴者の視点として機能する仮想カメラの位置を設定する設定手段、
前記仮想カメラの位置から前記視聴者の視聴方向に形成される当該仮想空間の画像を生成する画像生成手段、及び、
前記生成された画像を前記視聴者に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記設定手段が、
前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者に関する情報を示す視聴者関連情報、及び、当該エンターテインメントの実行状況の少なくとも何れか一方と、各視聴位置の順位付けと、に応じて、当該視聴者の前記仮想カメラの位置を制御する位置制御処理を実行することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンターテインメント視聴管理システム及びプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ヘッドマウントディスプレイ(以下、「HMD」という。)などのユーザに装着して画像を表示する装着型画像表示装置、ネットワーク及び通信の発達に伴い、より没入感を与え仮想空間内の世界をリアルに体験できるゲームやシミュレーションシステムなどのコンテンツを含めた視聴環境が整い始めている。
【0003】
また、このようなコンテンツは、視聴者の視線を検出するとともに、当該検出した視聴者の視線を仮想空間に反映させ、仮想空間上の対象キャラクタと当該仮想空間上でコミュニケーションを図りつつ、コンテンツの視聴を行うものも登場している。
【0004】
特に、最近では、このようなコンテンツとして、例えば、シミュレーションゲームでは、プレーヤの行動履歴に基づいて、当該プレーヤが実行するゲーム上の対象キャラクタに対して特別な演出の実行制御を行うもの(例えば、特許文献1)、又は、複数のプレーヤにおける対戦ゲームの要素を導入したもの(例えば、特許文献2)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-94326号公報
【特許文献1】特開2018-77738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような特許文献を含む、仮想空間内の視聴対象となる仮想イベントを管理するシステムにあっては、基本的には、何れの視聴者(具体的には、プレーヤで)ある視聴者に対して、仮想空間内の視聴位置を制御して各視聴者に対する視聴環境を制御するものは無く、視聴環境を良好にすること、又は、維持することへの動機付けとしてゲームなどのエンターテインメントの視聴に集中させることはできていない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的の一つは、エンターテインメントの視聴に集中させるための動機付けを高めること、及び、その結果、視聴対象のエンターテインメントに対する積極的な関与を促すことが可能なエンターテインメント視聴管理システム及びそのプログラムを提供することにある。
【0008】
また、本発明は、その他の目的の一つとして、実空間とは異なる仮想空間を用いて新たな視聴行動を実現させつつ、仮想空間におけるエンターテインメントに対する視聴者の興趣性を向上させることが可能なエンターテインメント視聴管理システム及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
仮想空間内で実行されるエンターテインメントを視聴者に視聴させるエンターテインメント視聴管理システムであって、
前記エンターテインメントを実行する実行制御手段と、
前記仮想空間内に設けられ、かつ、視聴環境について順位付けされている複数の視聴位
置の中から、前記エンターテインメントを視聴するための視聴者の視点として機能する仮想カメラの位置を設定する設定手段と、
前記仮想カメラの位置から前記視聴者の視聴方向に形成される当該仮想空間の画像を生成する画像生成手段と、
前記生成された画像を前記視聴者に提供する提供手段と、
を備え、
前記設定手段が、
前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者に関する情報を示す視聴者関連情報、及び、当該エンターテインメントの実行状況の少なくとも何れか一方と、各視聴位置の順位付けと、に応じて、当該視聴者の前記仮想カメラの位置を制御する位置制御処理を実行することを特徴とする、構成を有している。
【0010】
この構成により、本発明は、視聴中又は視聴前に、例えば、視聴者のエンターテインメントの視聴に関するレベル、課金額、コメント数、属性、又は、他の視聴者との関係性に関する条件などの所与の条件を満たさない視聴者、又は、満たした視聴者について、当該視聴者の視聴中の仮想カメラの位置を視聴環境に対する順位の低い位置又は当該順位の高い位置に、変更すること、又は、当該仮想カメラの位置を維持させることができる。
【0011】
したがって、本発明は、仮想空間を用いて実空間におけるエンターテインメントと同様な臨場感を得つつも、視聴環境の改善(すなわち、良好な視聴環境への視聴位置の変更)、又は、視聴環境の維持など、視聴者自らの行動などによって制御することができるとともに、視聴者のエンターテインメントに対する姿勢(すなわち、視聴状況)によっては、その視聴環境を悪化させることもできる。
【0012】
すなわち、本発明は、エンターテインメントの視聴に集中させて良好な視聴環境を維持するという、当該エンターテインメントの視聴に対する視聴者の動機付け(モチベーション)を高めることができるので、視聴対象のエンターテインメントに対する積極的な関与を促すことができる。
【0013】
また、本発明は、実空間では実現が難しい仕組み(視聴中の視聴位置の変更)によって、新たな視聴行動を実現させつつ、実空間とは異なる視聴環境として、仮想空間におけるエンターテインメントに対する視聴者の興趣性を向上させることができる。
【0014】
なお、「エンターテインメント」には、例えば、ゲーム空間としての仮想空間内において実行されるゲーム、当該仮想空間内に配置されて演技などの動作キャラクタ(具体的には、アイドル的なキャラクタオブジェクトなど)や静的なオブジェクト(具体的には、音のみを発するキャラクタなど)によるパフォーマンス、及び、画像化された実空間内で実行された演技者のパフォーマンスなどが含まれる。
【0015】
そして、「視聴者」には、単に、パフォーマンスとしてのエンターテインメントを視聴するユーザだけでなく、当該エンターテインメントがゲームの場合には、ゲームをプレーするプレーヤも含まれる。
【0016】
また、「視聴位置」とは、例えば、エンターテインメントを観覧する仮想空間上の観覧席、又は、ゲームを実行する際に定められた仮想空間内の位置を示す。
【0017】
さらに、「視聴環境」とは、例えば、視聴者が視聴する視聴位置に対する環境であって、エンターテインメントが実行されている位置(以下、「実行位置」という。)からの仮想空間上の距離や方向、実行位置と視聴位置間における障害物の有無や設備の状況、及び、これらに伴う聴取環境や視認環境(他の視聴者の観覧状況に基づく影響も含む。)を示
す。
【0018】
そして、「視聴位置の順位付け」における「順位」とは、例えば、聴取環境や視認環境の良好さに伴って定められた順位であることを示す。
【0019】
上記に加えて、「視聴者関連情報」には、視聴者のエンターテインメントに関する行動(以下、「視聴者行動」という。)に関する情報であって、仮想イベントの実行中に変動する情報(以下、「視聴者行動情報」という。)、及び、視聴者の属性などを含む視聴者を特定する情報(以下、「視聴者特定情報」という。)が含まれる。ただし、当該視聴者特定情報も、エンターテインメントの視聴中に入力される情報又は当該視聴中に変化する情報であることが好ましい。
【0020】
例えば、視聴者行動情報には、前記視聴者によってエンターテインメントに対して入力された入力情報(現在の視聴及び過去の視聴も含む。)を含み、
(A1)エンターテインメントに関する課金額(いわゆる投げ銭などの直接的な課金及びエンターテインメントに用いるアイテムの購入などの間接的な課金を含む。)、
(A2)他の視聴者について入力したコメント又は当該他の視聴者から入力されたコメントの種別やその数(「いいね」などの視聴者の意志を示すプラグイン用のボタン入力(エンターテインメントを提供する画面上に設けられたボタン)に基づくものも含む。)、
(A3)エンターテインメントで用いられるアイテムの使用や消費、
(A4)各種のイベントの参加の有無や参加回数、及び、
(A5)視聴者のエンターテインメントに対する視聴状況、
などの各種の情報が含まれる。
【0021】
また、例えば、視聴者特定情報には、
(B1)視聴者の属性(年齢、年代、性別、ゲームレベルや会員としてのグレードが有る場合にはそのグレードなどの視聴者のレベルなど)、
(B2)視聴者がエンターテインメント上用いるキャラクタ(例えばゲームに用いるプレーヤキャラクタ)の種別、レベル(キャラクタレベル)、又は、特性などの属性、
(B3)フレンド関係(例えば、「他の参加者の情報に容易にアクセスを可能とするフォローと自己の参加者の情報に容易にアクセスが可能となるフォロワーの双方の関係」をいい、「フォロー及びフォロワー」の関係も含む。)や視聴者が所定のネットワークサービスにアカウントを有している場合にそのアカウントを登録している(例えば、「お気に入り」のアカウントとして登録する)などの登録者との関係(以下、「登録者関係」ともいう。)、又は、その登録者の数、
(B4)エンターテインメントがグループ視聴可能な場合(例えば、ゲームの場合)に、その所属チームやグループの種別やレベル(チームレベル)などの属性、及び、
(B5)視聴中のエンターテインメント又は当該エンターテインメントと関連性のあるエンターテインメントに関する視聴回数などの実行回数、又は、当該エンターテインメントを視聴するため(実行するための)のログイン回数、などの各種の情報が含まれる。特に、視聴者特定情報には、登録者関係や登録者数などの情報に基づいて数値化された情報(例えば、フレンドなど登録種別毎に予め定められた値(親密度)など)も含まれる。
【0022】
また、「エンターテインメントの実行状況」には、例えば、
(C1)ゲームイベントやその他のイベントなどのエンターテインメントの実行中に発生するイベントの実行、
(C2)エンターテインメントの実行開始などの所定のタイミングからの経過時間、
(C3)エンターテインメントの実行進度(歌唱イベントの場合には、セットリスト(曲順リスト)に対する進行度合い、又は、ゲームの場合にはタスクの達成状況やアイテムの獲得状況)、及び、
(C4)エンターテインメントを視聴する視聴者の数、
などが含まれる。
【0023】
さらに、「位置制御処理」とは、例えば、仮想カメラの位置を変更することだけでなく、仮想カメラの位置を維持することも含む。
【0024】
(2)また、本発明は、
前記設定手段が、
前記位置制御処理として、前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者関連情報と及び当該エンターテインメントの実行状況の少なくともいずれか一方と、各視聴位置の順位付けと、に応じて、(a)当該視聴者の前記仮想カメラの位置を他の視聴位置に変更する変更制御処理、又は、(b)当該視聴者の視聴位置を維持する維持制御処理を実行する、構成を有している。
【0025】
この構成により、本発明は、仮想空間においてエンターテインメントを視聴している視聴者の視聴位置を、視聴中又は視聴前の視聴者関連情報によって変化させること、及び、維持させることができるので、仮想空間を用いて実空間におけるエンターテインメントと同様な臨場感を得つつも、視聴環境の改善(すなわち、良好な視聴環境への視聴位置の変更)、又は、視聴環境の維持など、視聴者自らの行動などによって制御することができる。
【0026】
したがって、本発明は、エンターテインメントの視聴に集中させて良好な視聴環境を維持するという、当該エンターテインメントの視聴に対する視聴者の動機付け(モチベーション)を高めることができる。
【0027】
(3)また、本発明は、
前記設定手段が、
前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者関連情報及び当該エンターテインメントの実行状況の少なくともいずれか一方について、所与の判定条件を具備したか否かを判定する判定処理、及び、
前記判定処理によって前記判定条件を具備したと判定した場合に、各視聴位置の順位付けに応じて前記視聴者の仮想カメラの位置を変更する前記変更制御処理、又は、当該視聴者の仮想カメラ位置を維持する前記維持制御処理を、前記位置制御処理として、実行する、構成を有している。
【0028】
この構成により、本発明は、例えば、所与のタイミングから一定期間経過した場合、一定額の課金が実行された場合(投げ銭及びアイテム購入などを含む。)、又は、その双方を具備した場合などの判定条件を具備した場合に、視聴者の仮想カメラの位置、すなわち、視聴者の視聴位置を、エンターテインメントの実行位置から遠くの位置又は近くの位置に自動的に変更することができる。
【0029】
また、本発明は、上記のような判定条件を具備した場合に、仮想カメラの位置を維持し、当該判定条件を具備しなかった場合に、当該仮想カメラの位置をエンターテインメントの実行位置から遠くの位置に変更することができる。
【0030】
したがって、本発明は、エンターテインメントの視聴に集中させて良好な視聴環境を維持するという、当該エンターテインメントの視聴に対する視聴者の動機付け(モチベーション)を高めることができる。
【0031】
なお、視聴者関連情報としての「判定条件」には、例えば、
(D1)消費するアイテム(おひねりなどの投げ銭アイテム)の種別や数(量)に関する条件や視聴者の操作入力などの視聴者行動情報に関する条件、
(D2)視聴者のレベル、視聴者が属するチームのレベルや当該チームに属する視聴者の数、又は、フレンド関係の登録者数などの視聴中に変化する視聴者特定情報に関する条件、及び
(D3)(D1)及び(D2)の組み合わせ、
などが含まれる。
【0032】
特に、視聴者行動情報に関する条件には、例えば、
(D1-1)消費するアイテムの種別や数(量)などのアイテム消費に対する条件、
(D1-2)エンターテインメントに関する課金額に対する条件、及び、
(D1-3)所定の操作入力や視線に関する入力の実行の有無又はその回数などの視聴者の操作入力情報に対する条件、
が含まれる。
【0033】
そして、視聴者特定情報に関する条件には、例えば、
(D2-1)視聴者の属性に関する条件(ゲームレベルや会員としてのグレードが有る場合にはそのグレード)、
(D2-2)視聴者がエンターテインメント上用いるキャラクタ(例えばゲームに用いるプレーヤキャラクタ)の種別、レベル(キャラクタレベル)、又は、特性などの属性、
(D2-3)フレンド関係や視聴者が所定のネットワークサービスにアカウントを有している場合にそのアカウントを登録している登録者との関係(以下、「登録者関係」ともいい、「親密度」ともいう。)、又は、その登録者の数、
(D2-4)エンターテインメントがグループ視聴可能な場合に、その所属チームやグループの種別やレベル(チームレベル)などの属性、及び、
(D2-5)視聴中のエンターテインメント又は当該エンターテインメントと関連性のあるエンターテインメントに関する視聴回数などの実行回数、又は、当該エンターテインメントを視聴するため(実行するための)のログイン回数、
を含む。ただし、視聴者特定情報としては、エンターテインメントの実行中に変動するものが好ましい。
【0034】
また、エンターテインメントの実行状況としての「判定条件」には、例えば、
(E1)ゲームイベントやその他のイベントなどのエンターテインメントの実行中に発生するイベントの発生タイミングなどの予め定められたタイミングに関する条件、
(E2)エンターテインメントの実行開始タイミングなどの所定のタイミングから所定の期間経過したタイミングなどの経過時間に関する条件、
(E3)エンターテインメントの実行進度(歌唱イベントの場合には、セットリスト(曲順リスト)に対する進行度合い、又は、ゲームの場合にはタスクの達成状況やアイテムの獲得状況)、の条件、
(E4)エンターテインメントを視聴する視聴者の数などの視聴者に関する条件、及び、(E5)(E1)~(E4)の組み合わせが含まれる。
【0035】
さらに、視聴者関連情報及びエンターテインメントの実行状況の双方としての「判定条件」には、例えば、(D1)~(D4)のいずれかの条件と(E1)~(E5)のいずれかの条件との組み合わせが含まれる。
【0036】
(4)また、本発明は、
前記設定手段が、
前記位置制御処理として、第1の視聴者における前記仮想カメラの位置を第1の位置から当該第1の位置とは異なる第2の位置に変更した場合に、前記第2の位置に設定され
ていた第2の視聴者の仮想カメラの位置を当該第2の位置とは異なる位置に変更する、構成を有している。
【0037】
この構成により、本発明は、例えば、所定の条件を具備した視聴者の視聴位置を、当該条件を具備しない視聴者の視聴位置と入れ替えることができる。
【0038】
すなわち、本発明は、各視聴者間においてより良い視聴位置を確保するための競争原理を導入することができるので、視聴対象のエンターテインメントに対する積極的な関与だけでなく、当該エンターテインメントの視聴に関してゲーム性を組み込むことができる。
【0039】
したがって、本発明は、実空間では実現が難しい仕組み、及び、それに伴う新たな視聴行動を提供することができるので、エンターテインメントに対する視聴者の興趣性を向上させることができる。
【0040】
なお、「第2の位置とは異なる位置」とは、第1の位置だけでなく、それ以外の位置も含むことを示す。
【0041】
(5)また、本発明は、
前記仮想空間に配置される各視聴者の操作対象であって当該各視聴者の視聴位置に配置する視聴者キャラクタを含むオブジェクトを制御するオブジェクト制御手段を更に備える、構成を有している。
【0042】
この構成により、本発明は、まるで視聴者自身も仮想空間に存在するような臨場感を各視聴者に提供することができる。
【0043】
なお、視聴者キャラクタを視聴位置に配置する場合の「位置制御処理」とは、仮想空間の視聴位置に配置された当該視聴者のアバターとしての視聴者キャラクタの位置を変更する処理を示す。
【0044】
(6)また、本発明は、
前記エンターテインメントの実行中に、各視聴者の前記視聴者関連情報を比較する比較処理を実行する比較手段を更に備え、
前記設定手段が、
前記位置制御処理として、前記視聴者関連情報の比較結果、及び、前記視聴位置の順位付けに応じて、各視聴者の仮想カメラの位置を制御する、構成を有している。
【0045】
この構成により、本発明は、相対的に視聴者の仮想カメラの位置を設定することができるので、各視聴者間においてより良い視聴位置を確保するための競争原理を導入することができるとともに、その際に各視聴者が確実に順位付けされた位置に設定することができる。
【0046】
(7)また、本発明は、
前記視聴者関連情報には、
前記視聴者の前記エンターテインメントに関する視聴者の行動に関する情報であって前記エンターテインメントの実行中に変動する視聴者行動情報、及び、
前記視聴者を特定するための視聴者特定情報、
の少なくともいずれか一方が含まれる、構成を有している。
【0047】
この構成により、本発明は、視聴者の視聴中の行動や視聴前の行動、又は、視聴者特定情報(視聴中に変化する情報も含む。)によって、視聴環境の改善(すなわち、良好な視
聴環境への視聴位置の変更)、又は、視聴環境の維持を制御することができる。
【0048】
(8)また、本発明は、
前記視聴者行動情報が、
前記エンターテインメントの視聴中に入力された行動情報であって、当該エンターテインメントに用いられるアイテムの消費に関するアイテム消費行動情報である、構成を有している。
【0049】
この構成により、本発明は、視聴者の視聴中の投げ銭などのエンターテインメントに対する評価が高い視聴者やアクティブな視聴者ほど、より良い視聴環境を得ることができるので、エンターテインメントの視聴に集中させて良好な視聴環境を維持するという、当該エンターテインメントの視聴に対する視聴者の動機付け(モチベーション)を高めることができる。
【0050】
なお、「アイテム」とは、例えば、エンターテインメントの視聴中に仮想空間内において使用させるものを示す。
【0051】
また、「アイテムの消費」には、所定の処理が実行されることが前提として、アイテムの提供とともに当該アイテムが消失することを示す。
【0052】
(9)また、本発明は、
前記設定手段が、
前記位置制御処理を実行する際に、当該視聴者の視聴状況を検出し、
当該検出した視聴者の視聴状況に基づいて前記視聴者関連情報としての前記アイテム消費行動情報によって定まるパラメータを変化させ、
前記変化させたアイテム消費行動情報のパラメータに応じて、前記位置制御処理を実行する、構成を有している。
【0053】
この構成により、本発明は、視聴環境の改善(すなわち、良好な視聴環境への視聴位置の変更)、又は、視聴環境の維持について、視聴者の視聴状況も影響させることができる。
【0054】
例えば、本発明は、課金を伴うアイテム消費行動によって順位付けされた視聴者の視聴位置が良い視聴位置又は悪い視聴位置に変更制御される場合において、同じアイテム消費量であっても、視聴状況が良い視聴者(例えば、エンターテインメントの実行に貢献していると判断されるの視聴者)に対しては、当視聴状況が悪い(例えば、エンターテインメントの実行に貢献していないと判断される視聴者)よりも視聴環境の良い位置(すなわち、順位の高い位置、ジャンプアップする順位の幅が大きい位置)に変更させることができる。
【0055】
したがって、本発明は、エンターテインメントの視聴に集中させて良好な視聴環境を維持するという、当該エンターテインメントの視聴に対する視聴者の動機付け(モチベーション)を高めることができる。
【0056】
なお、「視聴者の状況」には、例えば、
(F1)使用しているアバターやキャラクタの種別や属性、
(F2)レベルなどの視聴者に設定されたパラメータの値(ゲームの場合には、得点、経験値、ライフエネルギー量など)、
(F3)視聴時間の長さ、
(F4)位置変更回数、及び、
(F5)現在の視聴位置、
などが含まれる。
【0057】
特に、「視聴者の状況」には、例えば、基本的には、他の視聴者の状況も含み、他の視聴者の上記(F1)~(F5)の状況との差(例えば、視聴時間差や位置変更回数差)を用いるが、他の視聴者の状況を自己の視聴者状況に加えるなど他の視聴者の状況を用いてもよい。ただし、視聴者状況としては、エンターテインメントの実行中に変動するものが好ましい。
【0058】
また、「パラメータを当該視聴者に対して有利に変化させ」とは、視聴者の位置制御処理を実行する際に、視聴者の視聴環境が有利になる方向にアイテム消費行動情報によって定まるパラメータに変化させることを示す。
【0059】
(10)また、本発明は、
前記視聴者の視聴状況に基づいて、前記位置制御処理を実行する際に前記アイテム消費行動情報に対して設定された基準値を変更する基準変更手段を更に備える、構成を有している。
【0060】
この構成により、本発明は、位置制御処理の対象となる視聴者の視聴状況、他の視聴者(当該対象者の競争相手となる視聴者、又は、協力者となる視聴者)の視聴状況、又は、双方の視聴状況に応じて、位置制御処理を実行する際の変更処理が発生する基準値、又は、アイテム消費行動情報によって定まるパラメータの価値を変更することができる。
【0061】
例えば、本発明は、課金を伴うアイテム消費行動が実行される場合に、当該アイテム消費行動を行うための課金額を変更すること、位置制御処理を実行するためのアイテム消費行動上に基づく基準値(すなわち、上記の判定条件)を変更すること、又は、位置制御処理を実行する際の変更先の視聴位置の順位を定めるためのアイテム消費行動の基準値を変更することができる、
【0062】
したがって、本発明は、エンターテインメントの視聴に集中させて良好な視聴環境を維持するという、当該エンターテインメントの視聴に対する視聴者の動機付け(モチベーション)を高めることができる。
【0063】
なお、「基準値」とは、例えば、位置制御処理を実行するためのアイテムを購入するための金額、位置制御処理を発動させるため基準となる値(すなわち、上記の判定条件を定める値)、又は、当該位置制御処理において該当する視聴位置の順位を他の視聴位置に変更する場合の変更量の基準となる値などを示す。
【0064】
(11)また、本発明は、
前記設定手段が、
1以上の視聴者から構成されるグループに属する第1の視聴者に対する位置制御処理であって、当該第1の視聴者と同一のグループに属し、かつ、当該第1の視聴者とは異なる第2の視聴者の視聴者関連情報としてのアイテム消費行動情報の入力が、所与の入力条件を具備した場合には、前記第1の視聴者の視聴関連情報としてのアイテム消費行動情報、及び、各視聴位置の順位付けとともに、当該第2の視聴者のアイテム消費行動情報に応じて、当該第1の視聴者に対する前記位置制御処理を実行する、構成を有している。
【0065】
この構成により、本発明は、複数の視聴者によって構成されるチームやグループでエンターテインメントを視聴する場合であって、例えば、チームに所属する視聴者が協力してアイテムを消費した場合には、視聴環境が良くなるなどの特別な効果を提供することがで
きる。
【0066】
したがって、本発明は、グループの作成や視聴者同士のコミュニケーションを促し、それを通じて、エンターテインメントの視聴に対する活性化を図ることができる。
【0067】
なお、「入力条件」には、例えば、第1の視聴者のアイテム消費行動情報の入力より先に第2の視聴者のアイテム消費行動情報が入力され、かつ、アイテム消費行動情報によって示されるアイテムについて、第1の視聴者、第2の視聴者又はその双方によって、予め定められた量が入力されたこと(すなわち、予め定められた量(数)のアイテムが消費されていること)が含まれる。ただし、当該入力条件において、第1の視聴者のアイテム消費行動情報の入力が、第2の視聴者のアイテム消費行動情報より先であってもよいし、一定期間内に第1の視聴者、第2の視聴者又はその双方のアイテム消費行動情報が入力されていることを追加条件として加えてもよい。
【0068】
(12)また、本発明は、
前記設定手段が、
グループ化された1以上の前記視聴者から構成されるグループの各視聴者の前記視聴位置を、同一の前記視聴位置に、設定し、
前記位置制御処理を実行する際に前記グループ化され、同一の視聴位置に設定した各視聴者の視聴者関連情報を集計し、
前記集計した視聴者関連情報、及び、各視聴位置の順位付けに応じて、前記グループの視聴位置について前記位置制御処理を実行する、構成を有している。
【0069】
この構成により、本発明は、複数の視聴者によって構成されるチームでエンターテインメントを視聴する場合(例えば、エンターテインメントとしてのゲームにおいてチームで事項する場合)であっても、当該エンターテインメントの視聴管理を実現することができる。
【0070】
なお、「グループ」は、エンターテインメントの実行前に事前にグループ化されていてもよいし、エンターテインメント中にグループ化されてもよい。
【0071】
また、「グループ」は、各視聴者の意志によって生成されてもよいし、各視聴者に対応付けられた属性(例えば上記の視聴者やそのキャラクタの属性、)などに基づいて、自動的にグループ分けされてもよい。
【0072】
さらに、「各視聴者の視聴者関連情報を集計し」とは、各視聴者の視聴者行動情報、又は、視聴者の属性などを含む視聴者特定情報を集計することを示し、数値を用いる場合には合算すること、各視聴者特定情報の種別の有無や数を集計すること示す。
【0073】
(13)また、本発明は、
操作管理者の操作入力を受け付ける受付処理手段を更に備え、
前記設定手段が、
前記受け付けられた操作管理者の操作入力によって、前記視聴者の仮想カメラの位置を変更する前記位置制御処理を実行する、構成を有している。
【0074】
この構成により、本発明は、エンターテインメントとしてパフォーマンスを行うキャラクタを制御するとともに、特典の提供やペナルティの付与、又は、各種のエラーの修正などの特別な対応を行うために、管理者や運営者によって直接視聴者の視聴環境を制御することができる。
【0075】
なお、「操作者」とは、例えば、注視キャラクタを演じる演者であってもよいし、注視キャラクタを操作制御する管理者、又は、エンターテインメントを運営する運営者であってもよい。
【0076】
また、「注視キャラクタ」には、例えば、アイドルなどの仮想空間において演技のパフォーマンスを行う動作キャラクタ、又は、予め設定されたシナリオ(RPGや推理ゲーム)に従って視聴者(ゲームの場合にはプレーヤ)と対峙するキャラクタ(動的だけでなく、静的なオブジェクトも含む。)など、視聴者によって注視されるキャラクタであって原則コンピュータによって制御されるキャラクタが含まれる。
【0077】
(14)また、本発明は、
前記画像生成手段によって生成された前記注視キャラクタに関する画像を前記操作者用の表示手段に表示させるとともに、前記視聴者の視聴位置に対応付けて各視聴者の視聴者関連情報を表示させる表示制御手段を更に備える、構成を有している。
【0078】
この構成により、本発明は、容易に操作者に各視聴者の視聴者関連情報を提供することができるので、管理者や運営者によって直接視聴者の視聴環境を制御する際の煩雑さを低減させることができる。
【0079】
(15)また、本発明は、
前記設定手段が、
前記視聴者関連情報がアイテムの消費に関する情報であって当該アイテムが消費されることによって前記位置制御処理が実行される場合であって、前記操作者によって消費対象のアイテムの前記位置制御処理への使用が承認された場合に、当該視聴者の前記位置制御処理を実行する、構成を有している。
【0080】
この構成により、本発明は、例えば、視聴者が多くなり、視聴者関連情報としての提供された投げ銭アイテムの提供者や提供量を特定することが難しくなるような場合であっても、操作者によって整理することができるので、このような場合であっても、的確に各視聴者の視聴位置を制御することができる。
【0081】
(16)また、本発明は、
前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者の仮想カメラの位置と、当該視聴者の仮想カメラの位置の滞在時間と、を検出する検出手段と、
前記検出された前記視聴者の仮想カメラの位置と、当該視聴者の仮想カメラの位置の滞在時間と、に基づいて、当該視聴者の視聴実績を示す情報を、視聴実績情報として、管理する視聴実績管理手段と、
を更に備え、
前記提供手段が、
前記管理されている視聴実績情報を、該当する視聴者に提供する、構成を有している。
【0082】
この構成により、本発明は、各視聴者の視聴実績を情報として、視聴者に提供し、又は、記憶し、当該エンターテインメントの視聴に対する視聴者の客観的な状況を各視聴者に認識させることができるので、当該視聴者のエンターテインメントの視聴に対する動機付け(モチベーション)を高めることができる。
【0083】
なお、視聴者に提供される「視聴実績情報」は、仮想カメラの位置が変更した際の遷移を可視化するための情報であることが好ましい。
【0084】
例えば、「視聴実績情報」は、上記の遷移をポイント(特典)やランク付けした情報(他の視聴者との比較可能な情報)であってもよいし、観覧席の全体マップにそれらの履歴を可視化し、かつ、他の視聴者との優劣を示す情報であってもよい。
【0085】
(17)また、上記課題を解決するため、本発明は、
仮想空間内で実行されるエンターテインメントを視聴者に視聴させるエンターテインメント視聴管理用のプログラムであって、
前記エンターテインメントを実行する実行制御手段、
前記仮想空間内に設けられ、かつ、視聴環境について順位付けされている複数の視聴位置の中から、前記エンターテインメントを視聴するための視聴者の視点として機能する仮想カメラの位置を設定する設定手段、
前記仮想カメラの位置から前記視聴者の視聴方向に形成される当該仮想空間の画像を生成する画像生成手段、及び、
前記生成された画像を前記視聴者に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記設定手段が、
前記エンターテインメントの視聴中に、前記視聴者に関する情報を示す視聴者関連情報、及び、当該エンターテインメントの実行状況の少なくとも何れか一方と、各視聴位置の順位付けと、に応じて、当該視聴者の前記仮想カメラの位置を制御する位置制御処理を実行する、構成を有している。
【0086】
この構成により、本発明は、エンターテインメントの視聴に集中させて良好な視聴環境を維持するという、当該エンターテインメントの視聴に対する視聴者の動機付け(モチベーション)を高めることができるので、視聴対象のエンターテインメントに対する積極的な関与を促すことができる。
【0087】
また、本発明は、実空間では実現が難しい仕組み(視聴中の視聴位置の変更)によって、新たな視聴行動を実現させつつ、実空間とは異なる視聴環境として、仮想空間におけるエンターテインメントに対する視聴者の興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1】本発明に係る仮想空間内イベント管理システムの一実施形態における概要構成を示す構成図である。
図2】一実施形態のゲームの概要を説明するための図である。
図3】一実施形態におけるサーバ装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
図4】一実施形態における端末装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
図5】一実施形態における端末装置の外観構成を示す図の一例である。
図6】一実施形態のサーバ装置によって実行される仮想イベント中の位置制御処理を説明するための図(その1)である。
図7】一実施形態のサーバ装置によって実行される仮想イベント中の位置制御処理を説明するための図(その2)である。
図8】一実施形態の変形例(視聴者の視聴状況に基づく位置制御処理)について説明するための図である。
図9】一実施形態の変形例(複数の視聴者による同一視聴位置に基づく位置制御処理)について説明するための図である。
図10】一実施形態のサーバ装置によって実行される位置制御処理に特化したベント実行処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0089】
以下、実施形態について説明する。以下の実施形態は、複数の視聴者に対して装着型画
像表示装置としてのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着させつつ、仮想空間(仮想3次元空間内)でゲームやパフォーマンス(演技や歌唱)などのエンターテインメントを実行させる仮想空間内イベント管理システムに対し、本発明に係るエンターテインメント視聴管理システムなどを適用した場合の実施形態である。
【0090】
なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0091】
[1]仮想空間内イベント管理システム
[1.1]概要
まず、図1を用いて本実施形態の仮想空間内イベント管理システム1の概要及び概要構成について説明する。なお、図1は、本実施形態の仮想空間内イベント管理システム1の構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0092】
本実施形態の仮想空間内イベント管理システム1は、バーチャル空間内において、参加者(すなわち、仮想イベントを視聴する視聴者であり、以下、「視聴者」という。)毎に参加者キャラクタ(すなわち、視聴者キャラクタであって、以下、「アバター」という。)を登場させて、かつ、あたかも視聴者の周囲に存在するかのごとく認知させるVR体験(仮想現実体験)をイベント(以下、「仮想イベント」という。)として提供するシステムである。
【0093】
特に、本実施形態の仮想空間内イベント管理システム1は、例えば、視聴者が仮想3次元アイドル(いわゆる、視聴者によって注視されるキャラクタオブジェクトであって、仮想3次元空間で所定の演出を行うキャラクタ(以下、「演技キャラクタ」という。))のファンの一人として、仮想の演技パフォーマンス(具体的には、歌唱ライブ)を行うライブステージ(以下、「ステージ」ともいう。)を観覧することをテーマとする3次元立体視可能なシミュレーションを仮想イベントとして提供する構成を有している。
【0094】
すなわち、本実施形態の仮想空間内イベント管理システム1は、演技キャラクタとしては、仮想3次元空間の視聴者に向けて(すなわち、仮想カメラの位置に向けて)視線を送る動作又は当該視聴者に対して特別に提供される行動(演技キャラクタと視聴者がアイドルとファンとの関係性を有する場合に視聴者に向けたファンサービスの行動、以下、「ファンサービス」という。)などを実行する演技キャラクタを注視することを含むイベントを提供する構成を有している。
【0095】
また、仮想空間内イベント管理システム1は、
(A1)視聴者の視界を覆う構造を有し、かつ、仮想3次元空間の画像を視認させるHMD(装着型画像表示装置)に、生成した仮想3次元空間の画像を3D表示させ、
(A2)当該HMDの姿勢に基づいて各視聴者の視点として機能する仮想カメラを制御し、
(A3)当該HMDを装着した視聴者の視聴方向(すなわち、視線方向)を含む当該視聴者の入力を受け付けて各種の制御を実行する、
イベントを進行させる構成を有している。
【0096】
具体的には、仮想空間内イベント管理システム1は、図1に示すように、仮想3次元空間内における仮想イベントを実現するための各種の処理を実行するサーバ装置10と、各視聴者によって装着されるHMDを有し、ネットワークを介してサーバ装置10から送信されてくるデータを用いて視聴者に仮想3次元空間におけるイベントを体験させる複数の端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)とが、インターネットなどの
ネットワークに接続可能に構成されている。
【0097】
サーバ装置10は、例えば、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)や所定のプラットフォーム等を利用して実行される仮想イベントを実現するための各種の処理を実行する情報処理装置である。
【0098】
また、サーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0099】
そして、サーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部140)に記憶される課金情報、視聴者関連情報等の各情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよいし、記憶領域に記憶されるイベント情報等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0100】
特に、サーバ装置10は、各端末装置20のユーザ(すなわち、仮想イベントに参加する視聴者)の操作(視聴者入力)に基づく入力情報を受信し、受信した入力情報に基づいて仮想3次元空間における仮想イベントを実現するための処理を行うようになっている。
【0101】
そして、サーバ装置10は、イベントを実行させるための空間(すなわち、イベント空間)が3次元画像化された画像(当該画像を表示するためのデータを含む。)やイベント実行処理に関する各データを各端末装置20に送信する。
【0102】
各端末装置20は、HMDユニット200及び端末制御ユニット300を有し、イベント空間が仮想3次元画像化された画像を表示しつつ、仮想3次元空間において演技パフォーマンスなどを提供する仮想3次元空間における仮想イベントを体験させるための装置である。
【0103】
また、各端末装置20は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム装置機等、画像生成装置などの情報処理装置によって構成され、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ装置10に接続可能な装置である。なお、端末装置20とサーバ装置10との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0104】
また、各端末装置20は、サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及び、サーバ装置10から受信したデータを用いて表示制御を行うとともに、視聴者によって入力された操作情報をサーバ装置10に送信する機能などを備える構成を有している。
【0105】
そして、各端末装置20は、サーバ装置10から送信されてくる各情報に基づいて仮想イベントを視聴者に提供する構成を有している。
【0106】
[1.2]仮想イベントの説明
次に、図2を用いてVR体験としての本実施形態によって実現する仮想イベントの概要を説明する。なお、図2は、本実施形態の仮想イベントの概要を説明するための図である。
【0107】
仮想3次元空間11は、例えば、図2(A)に示すように、仮想空間(仮想3次元空間)として構築されており、当該仮想3次元空間11には、ライブステージの演技場であるステージ4と、視聴者のアバター5が配置される複数の観覧席6とが設けられている。
【0108】
そして、1以上のNPC(ノンアバターであるアイドルキャラクタ8(演技キャラクタ))がステージで演技し、視聴者2は、アバター5を介して、アイドルキャラクタ8の演技を注視させることができるようになっている。
【0109】
すなわちアバター5は、仮想空間に配置される各視聴者の操作対象であって当該各視聴者の視聴位置に配置する視聴者キャラクタである。
【0110】
ライブステージの内容は、楽曲の歌唱や、楽器の演奏、ダンス、大道芸などのライブパフォーマンスであり、例えば、本実施形態では、振り付けがある歌唱曲を歌うライブパフォーマンスが実行されるようになっている。
【0111】
ステージ4は、例えば、野外ステージ、コンサートホール、ライブハウスなど適宜設定可能である。また、仮想イベント内容によっては、学校の体育館の舞台、教室の教壇、トラックの荷台、甲板などのシチュエーションを設定することが可能である。
【0112】
観覧席6は、仮想空間上の観覧席であって、ライブステージを観覧する観覧位置(すなわち、視聴位置)であり、1つのライブステージの会場において、原則、1席1名で多数用意されている。そして、観覧席6の配置レイアウトは、ステージ4のデザインに応じて適宜設定可能となっている。
【0113】
また、観覧席6は、仮想イベント毎に視聴者に割り当てられており、観覧席6の各席は、視聴者のIDと対応付けられて、サーバ装置10に観覧席情報として記憶されている。
【0114】
そして、観覧席6には、アイドルのファンとしての役割を有するアバター5が配置され、視聴者は、外観、容姿又はアイテムなどが設定された少なくとも何れか1体のアバター5と対応づけて仮想イベントに参加する。
【0115】
なお、図2(A)は、観覧席6が立ち見席として設定されている例を示す。ただし、着席タイプであってもよい。
【0116】
また、観覧席6の各席は、視聴者が視聴する視聴位置に対する環境であって、仮想イベントが実行されている位置(以下、「実行位置」といい、上記のステージ4)からの仮想空間上の距離や方向、実行位置と視聴位置間における障害物の有無や設備の状況、及び、これらに伴う聴取環境や視認環境(他の視聴者の観覧状況に基づく影響も含む。)を示す視聴環境が最も良好な席から良好でない席まで順位付けされている。
【0117】
すなわち、各観覧席6には、聴取環境や視認環境の良好さに伴って定められた順位が予め定められている。
【0118】
例えば、各席は、個々に上位から下位まで順位付け(ランク付け)されていてもよいし、複数の席毎に順位付け(グレード分け)されていてもよい。
【0119】
そして、観覧席6の各席には、各視聴者の所与のゲームの結果や途中経過の成績、イベントに対する課金額などコスト、又は、抽選イベントの結果に基づいて順位付けされた席に該当する視聴者のアバター5が設定される。
【0120】
一方、本実施形態においては、イベント中に、各視聴者の情報(具体的には変動可能なパラメータなど)に応じて、アバター5が設定された席から他の席への移動が実行される。
【0121】
すなわち、本実施形態においては、イベント中に各視聴者の視聴位置を制御する位置制御処理が実行される。
【0122】
なお、本実施形態において、イベント中に実行される位置制御処理に詳細については、後述する。
【0123】
演技を行うアイドルキャラクタ8の性別・年齢・人数の構成は適宜設定可能である。特に、本実施形態では、アイドルキャラクタ8は、図2(A)に示すように、第1アイドルキャラクタ(第1演技キャラクタ)8Aと第2アイドルキャラクタ(第2演技キャラクタ)8Bとの2人組から構成されている。ただし、1人で構成されていてもよいし、3人以上の複数人によるグループによって構成されていてもよい。
【0124】
特に、本実施形態においては、演技を行うアイドルキャラクタ8は、仮想イベントの管理者(仮想イベントを管理する管理者の他に、当該仮想イベントの運営者、又は、当該管理者や運営者から委託された操作者や配信者も含む。)の操作入力に基づいて、演技パフォーマンスを実行してもよいし、プログラムによって自動制御されてもよい。
【0125】
各アバター5は、例えば、図2(B)に示すように、視聴者2に装着されたHMDユニット200によって検出された視聴者の動作に同期し、かつ、リンクするように自動制御される。
【0126】
具体的には、アバター5の頭部の姿勢が、HMDユニット200によって検出された視聴者2の頭部姿勢に同期し、HMDユニット200によって検出された視聴者の視聴方向(視線方向)に基づいて、アバター5の視線が同期し、これらの視聴者入力に基づいて、仮想3次元空間11内のアバター5が自動制御される。
【0127】
仮想3次元空間11内のアバター5の位置には、撮影画角や被写界深度が人の視野角相当に設定された右眼用及び左眼用の仮想カメラが頭部正面を向くように設定されており、それらで撮影した画像が、HMDユニット200(具体的には、後述する右目用表示パネル261及び左目用表示パネル262)にそれぞれ表示される。したがって、視聴者2は、頭の向きや姿勢、及び、視線方向を変えることで、アバター5の目を介して仮想3次元空間11の画像を3次元画像として視認することができるようになっている。
【0128】
なお、観覧席6には、各席にそれぞれ、各視聴者に対応付けられたアバター5が配置される。ただし、アバター5が配置されない観覧席6であっても、NPCが自動的に配置され、コンピュータによりアイドルのファンとしての行動をとるように自動制御される。
【0129】
また、本実施形態の仮想イベントにおいては、各視聴者に提供される仮想3次元画像には、各視聴者に対応付けられたアバター5を表示させてもよいし、表示させ無くてもよく、他の視聴者のアバター5に対しても、同様に、視聴者に提供される3次元画像には、表示させてもよいし、表示させて無くてもよい。
【0130】
[2]サーバ装置
まず、図3を用いて本実施形態のサーバ装置10の概要及び構成について説明する。なお、図3は、本実施形態のサーバ装置10の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態のサーバ装置10は図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0131】
サーバ装置10は、仮想3次元空間における仮想イベントを提供するための処理を実行するサーバ処理部100、管理者やその他の入力に用いるための入力部120、所定の表
示を行う表示部130、仮想イベント及び各視聴者のデータを記憶する記憶部140、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、及び、端末装置20やその他と通信を行う通信部196を含む。
【0132】
入力部120は、システム管理者等が仮想イベントに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部120は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0133】
特に、入力部120は、管理者からの操作入力を受け付ける。例えば、入力部120は、演技キャラクタを操作制御するための操作入力、各視聴者が仮想イベントの視聴を開始する際の当該各視聴者における仮想カメラの位置(すなわち、視聴位置)の設定指示、及び、位置制御処理を実行する際の仮想カメラの変更指示(変更先の指示も含む。)を受け付ける。
【0134】
表示部130は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部130は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
【0135】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0136】
通信部196は、外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うデバイスであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0137】
記憶部140は、サーバ処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部140に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。
【0138】
また、本実施形態においては、記憶部140には、ワーク領域として使用される主記憶部142、提供する仮想イベントにおける演出に関する演出情報記憶部144、各視聴者に関する視聴者関連情報記憶部146、観覧席6の情報を示す観覧席情報記憶部148、並びに、仮想イベント中の各仮想カメラを視点とした画像(以下、「仮想カメラ画像」という。)などの仮想イベントに関する画像(以下、「イベント画像」という。)記憶部149が記憶される。ただし、記憶部140には、上述の情報の他に、イベントに関する演算に必要な各種の情報が記憶される。
【0139】
特に、視聴者関連情報記憶部146には、視聴者毎に視聴者IDに対応付けて、
(A1)氏名、年齢、性別及び課金決済を行う口座情報などの視聴者の属性、及び、アバターに関する情報(以下、「アバター情報」という。)などを含む視聴者自身に関する情報(以下、「視聴者特定情報」という。)と、
(A2)視聴者のイベントに関する行動(以下、「視聴者行動」という。)に関する情報であって、仮想イベントの実行中に変動する情報(以下、「視聴者行動情報」という。)と、
が記憶される
【0140】
なお、アバター情報には、基本形状(人、動物又はロボットなどの基本造形(サイズも含む。)、髪型や化粧などの容姿(色彩も含む。)、髪型)、及び、所有するアイテム(衣装、装飾品、所持品(タオルやサイリウム))などのアバターを設定するための各情報
が含まれる。
【0141】
観覧席情報記憶部148には、各席の順位付けされた順位(ランクやグレード)に関するデータが含まれる。
【0142】
サーバ処理部100は、記憶部140内の主記憶部142をワーク領域として各種処理を行う。サーバ処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0143】
サーバ処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0144】
例えば、サーバ処理部100(プロセッサ)は、情報記憶媒体180に記憶されているプログラムに基づいて、サーバ装置10全体の制御を行うとともに、仮想イベントの実行を制御する処理、特別演出制御処理、画像生成処理、又は、音生成処理などの処理を行う。
【0145】
また、サーバ処理部100は、仮想イベントの実行を制御する処理として、仮想イベント開始条件が満たされた場合に仮想イベントを開始する処理、仮想イベントを進行させる処理、キャラクタやマップなどのオブジェクト空間(3次元空間)に各種のオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、仮想イベント結果を演算する処理、又は、仮想イベント終了条件が満たされた場合に仮想イベントを終了する処理を実行する。
【0146】
具体的には、本実施形態のサーバ処理部100は、通信制御部101、視聴者管理部102、表示制御部103、情報取得部104、視聴者行動管理部105、仮想カメラ制御部106と、音生成部107、画像生成部108、情報提供部109、イベント制御部110、及び、タイマ部160を少なくとも有している。
【0147】
なお、例えば、本実施形態のイベント制御部110は、本発明の実行制御手段、受付処理手段、設定手段、オブジェクト制御手段、比較手段、基準変更手段を構成し、表示制御部103は、本発明の表示制御手段を構成する。また、例えば、本実施形態の情報取得部104は、本発明の検出手段を構成し、画像生成部108は、本発明の画像生成手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態の情報提供部109は、本発明の提供手段を構成する。
【0148】
通信制御部101は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。すなわち、サーバ装置10は、通信制御部101によって端末装置20等から受信した視聴者の操作情報を含む各種の情報に基づいて各種処理を行う。
【0149】
視聴者管理部102は、視聴者登録手続きに係る処理(ログイン設定などを含む。)、及びアカウント(視聴者ID)に紐付けられるデータの記憶管理を行う。
【0150】
具体的には、視聴者管理部102は、視聴者の新規登録に伴うアカウントの付与制御と、視聴者に関する個人情報を登録管理する登録情報管理、アカウントに紐付けられ課金要素の実行に係る対価の支払い原資として使用される仮想口座の設定と入出金制御、当該アカウントの視聴者による課金要素に係る課金履歴の登録、仮想イベント進行状況に関するイベント進行情報をアカウントと紐付けて記憶及び管理を行う。
【0151】
表示制御部103は、視聴者が視聴中の画像や実行中の仮想イベントに関する画像を表示部130に表示する。
【0152】
特に、表示制御部103は、画像生成部108によって各視聴者用の仮想カメラを視点として生成された画像上に、該当する視聴者仮想空間に関する情報を重畳して表示部130に表示するための処理を実行する。
【0153】
情報取得部104は、サーバ処理部100の処理に必要な種々の情報を取得する。即ち、これらの情報の受け付け処理を行う。例えば、情報取得部104は、各端末装置20から視聴者の操作情報を取得する。
【0154】
具体的には、情報取得部104は、仮想イベント中に端末装置20におけるHMDユニット200の撮像部210によって撮像された画像情報に基づく視聴者の視線情報、HMDユニット200(後述のモーションセンサ220)によって検出された情報(以下、「モーション検出情報」という。)及び仮想イベントの視聴中に仮想イベントと連動して入力されるスイッチ入力の情報(以下、「スイッチ入力情報」という。)を含む視聴者の操作情報を取得する。
【0155】
特に、情報取得部104は、HMDユニット200により視聴者の頭部についての各3軸の情報をモーション検出情報として取得し、当該取得したモーション検出情報に基づいて、3軸回りでの回転角度を求めることで、視聴者の頭部が向く方向の情報を視線情報として取得してもよいし、視聴者の眼球の向きを撮像した撮像情報を取得し、当該取得した撮像情報に対して所定の画像処理を実行しつつ、モーション検出情報に基づいて算出した視聴者の頭部の方向用いて視聴者の視線方向を示す視線情報を取得してもよい。
【0156】
なお、情報取得部104は、端末装置20の入力部260(例えば、コントローラ)からの操作情報に基づいて、視線情報を取得してもよい。例えば、情報取得部104は、入力部260に設けられた方向指示キー、アナログスティック又は操作ボタン等を視聴者が操作することで得られた操作情報に基づいて、視線情報を取得(特定)してもよい。
【0157】
また、HMDユニット200のモーション検出情報に加えて、図示しない発光部の複数の発光素子(LED)を図示しない撮像部により撮像した画像を用いて、視聴者の視線情報を取得してもよい。
【0158】
さらに、HMDユニット200のモーション検出情報以外の情報を用いて視聴者の視線情報を検出してもよい。例えば、図示しない撮像部に、3次元空間でのデプス情報(奥行き情報)を検出できるデプスセンサを設け、カラー画像センサからのカラー画像とデプスセンサからのデプス情報を用いて、視聴者のスケルトン情報を抽出し、抽出されたスケルトン情報を用いて視聴者の視線情報を取得してもよい。
【0159】
視聴者行動管理部105は、視聴者毎に、視聴者の指示に基づいて、関連するイベント(過去の同一のイベントの参加など)の参加や参加するイベントのイベントグッズの購入などイベントに関する行動を管理し、当該行動の種別や時期などを含むイベントに関する情報を視聴者IDに対応付けて視聴者関連情報記憶部146(行動履歴情報)に登録する。
【0160】
また、視聴者行動管理部105は、管理する行動において商品購入など課金が伴う行動については、課金情報を視聴者IDに対応する視聴者関連情報記憶部146(課金履歴情報)に登録する。
【0161】
そして、視聴者行動管理部105は、仮想イベント中の課金要素における課金処理を実行し、課金に関する情報(すなわち、課金情報)を課金履歴として視聴者関連情報記憶部146に記憶する処理(以下、「課金処理」という。)を実行する。
【0162】
特に、視聴者行動管理部105は、課金情報が履歴として登録されている課金履歴情報に基づいて、視聴者毎に仮想イベント実行中の累積課金額を算出する処理、又は、投げ銭アイテムなどの仮想イベント中に消費されるアイテムの消費量や当該消費量を課金額で換算した場合の金額(以下、「アイテム消費行動に基づく課金額」ともいう。)を算出する処理を実行する。
【0163】
そして、視聴者行動管理部105は、各処理で算出された課金額を視聴者関連情報記憶部146への記憶し、又は、当該各処理で算出された課金額を、当該既に視聴者関連情報記憶部146に記憶された課金額の情報から更新する。
【0164】
また、視聴者行動管理部105は、課金処理としては、仮想通貨やポイントの使用又はクレジットカードやプリペイドカードを使用することによって課金を要求し、視聴者の指示にもとづいて、各課金処理を実行する。
【0165】
仮想カメラ制御部106は、オブジェクト空間(すなわち、仮想空間)内の予め定められた座席の位置(すなわち、視聴位置であって、視聴者のアバターが配置される位置)から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点、基準仮想カメラ)の制御処理を行う。
【0166】
具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置、視線方向あるいは画角を制御する処理)を行う。
【0167】
画像生成部108は、サーバ処理部100で行われる種々の処理(仮想イベント処理、シミュレーション処理)の結果に基づいて、描画処理を行い、これにより画像を生成し、生成した画像データを端末装置20に送信する。
【0168】
特に、画像生成部108は、視聴者毎に、該当する視聴位置から見える仮想空間内における画像を生成する。
【0169】
具体的には、画像生成部108は、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、或いは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を、図示しない描画バッファ(フレームバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ)に描画する。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0170】
なお、画像生成部108で行われる描画処理は、頂点シェーダ処理やピクセルシェーダ処理等により実現することができる。
【0171】
そして、画像生成部108は、HMDユニット200を装着した視聴者の両眼に所定量の視差を有する仮想3次元空間の画像を視認させて立体視を実現するための視差画像(右目用及び左目用)を生成する。
【0172】
音生成部107は、サーバ処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などの仮想イベント音を生成し、通信部196を介し
てHMDユニット200(具体的には音出力部240)に出力する。
【0173】
情報提供部109は、画像生成部108によって生成された画像に音生成部107によって生成された音を組み込んで各端末装置20に提供する仮想イベントを視聴するためのデータ(コンテンツデータ)を各視聴者に対応付けて提供する。
【0174】
また、情報提供部109は、それぞれの視聴者に対応付けて仮想イベントを視聴する上で必要な情報を該当する端末装置20に提供する。
【0175】
イベント制御部110は、仮想イベントの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のイベント制御部110は、端末装置20と通信を行いつつ、仮想イベントプレーに必要なデータを提供する制御を行う。
【0176】
具体的には、イベント制御部110は、イベント管理部111、視聴位置制御部112、アバター設定部113、オブジェクト制御部114、及び、アバター視線制御部115を含む。
【0177】
なお、例えば、イベント管理部111は、本発明の実行制御手段及び基準変更手段を構成し、視聴位置制御部112は、本発明の設定手段及び比較手段を構成する。また、例えば、本実施形態のオブジェクト制御部114は、本発明のオブジェクト制御手段を構成する。
【0178】
イベント管理部111は、演技キャラクタの演技を含む、当該演技の開始処理及び終了処理、並びに、各仮想イベントを実行する処理を含む仮想イベントの実行に関する各種の処理を実行する。
【0179】
特に、イベント管理部111は、演技キャラクタの演技を含む仮想イベントを実行する際に、演技キャラクタが演技を行う仮想3次元空間におけるライブステージを視聴者の操作入力に基づいて設定するとともに、設定したライブステージにおいて演技キャラクタが演技するためのパフォーマンス中(すなわち、演技中)の楽曲の再生及び照明などの各種の制御を実行する。
【0180】
視聴位置制御部112は、視聴者の操作入力に基づいて、イベント管理部111により設定されたライブステージにおける視聴者のアバターの配置位置、すなわち、ステージに対する観覧席を設定し、当該観覧位置に該当する視聴者の視点となる仮想カメラ(右目用及び左目用)を設定する。
【0181】
本実施形態の視聴位置制御部112は、ライブステージの開催に先立って観覧席として予約指定を行うことによって観覧位置(すなわち、視聴位置であって仮想カメラの位置)を設定するとともに、イベント中に、視聴者に関する情報を示す視聴者関連情報、及び、予め定められた各観覧位置の順位付けに応じて、各視聴者の観覧位置(仮想カメラの位置)を制御する位置制御処理を実行する。
【0182】
なお、視聴位置制御部112は、仮想イベントの実行中に、各視聴者の視聴者関連情報を比較し、位置制御処理を実行してもよい。
【0183】
また、視聴位置制御部112は、入力部120によって受け付けられた管理者の操作指示に基づいて、仮想イベントの実行中に、仮想イベントの視聴開始時の視聴位置(観覧席)を設定し、かつ、仮想イベントの視聴中に、各視聴者の視聴者関連情報、及び、当該仮想イベントの実行状況の少なくともいずれかと、予め定められた各観覧位置の順位付けと
、に応じて、位置制御処理を実行する。
【0184】
アバター設定部113は、視聴者の操作入力に基づいて、当該視聴者に対応づけられるアバターを設定し、設定したアバターを視聴者関連情報記憶部146に登録する。
【0185】
具体的には、アバター設定部113は、視聴者の操作に基づいて、基本形状(人、動物又はロボットなどの基本造形(サイズも含む。)、髪型や化粧などの容姿(色彩も含む。)、髪型)、及び、所有するアイテム(衣装、装飾品、所持品(タオルやサイリウム))などのアバターに身支度させるための設定を行う。
【0186】
また、アバター設定部113は、予め定められたパーツなどを選択させることによってアバターに身支度させるための設定を行う。なお、課金によってアバターを設定する場合には、アバター設定部113は、課金が生じた部分については視聴者行動管理部105と連動してアバターの設定を実行する。
【0187】
また、アバターの外観の構成要素やアイテムにおいては、使用期限が設定されており、アバター設定部113は、視聴者が既に所有しているものであっても、使用期限が到来しているものについては、たとえ視聴者の設定指示が入力されたとしても設定不能に制御する。
【0188】
一方、アバター設定部113は、視聴者の操作に基づいて、実空間に実在する衣装や装備品(演技キャラクタへのプレゼントやお捻りを含む)などの実在する物品に対応付けたアイテムを、アバターに設定することが可能な構成を有している。
【0189】
なお、アイテムについては、実在する物品に代えて、仮想イベントカードなどの媒体によって提供されてもよく、投げ銭などの概念的なアイテムについても、同様に仮想イベントカードなどの媒体によって提供される。
【0190】
また、投げ銭などの演技キャラクタの演技中などの仮想イベント中に使用する場合には、アバター設定部113は、視聴者の操作に基づいて、仮想イベント開始前に、予めアイテムとして視聴者関連情報記憶部146に登録することが可能な構成を有している。
【0191】
オブジェクト制御部114は、複数のオブジェクトが配置されるオブジェクト空間(3次元仮想空間である仮想3次元空間)の設定処理を行う。例えば、キャラクタ(人、動物、ロボット等)、マップ(地形)、建物、コース(道路)、樹木、壁、水面などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェイスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0192】
具体的には、記憶部170には、オブジェクト(パーツオブジェクト)の位置、回転角度、移動速度、移動方向等のデータであるオブジェクトデータがオブジェクト番号に対応づけて記憶される。また、オブジェクト制御部114は、例えば、フレーム毎にこのオブジェクトデータを更新する処理などを行う。
【0193】
また、オブジェクト制御部114は、演技キャラクタを含む各種のオブジェクトの配置及び当該演技キャラクタ及びアバターなどの各種のオブジェクトの仮想3次元空間内の移動を含めた動きを制御する。
【0194】
すなわち、オブジェクト制御部114は、仮想空間に配置される各視聴者の操作対象であって当該各視聴者の視聴位置に配置する視聴者キャラクタを含むオブジェクトを制御する。
【0195】
特に、オブジェクト制御部114は、演技キャラクタ毎に、演技パフォーマンス中を含む仮想イベント中のステージ上での顔の向き、目の動き、視線方向、体の向き、セリフを含む各部位の動き(振り付け)を制御する。
【0196】
また、オブジェクト制御部114は、各視聴者の視聴者キャラクタを各視聴者の仮想3次元空間における位置に配置するとともに、各視聴者の視線方向を含む視聴者入力に基づいて、又は、仮想イベント状況に応じて各視聴者キャラクタであるアバターの動きを制御する。
【0197】
なお、オブジェクト制御部114は、プログラムに従って演技キャラクタ及び視聴者キャラクタを制御する。ただし、オブジェクト制御部114は、演技キャラクタについては、入力部120に受け付けられた管理者の操作指示に基づいて、制御してもよい。
【0198】
アバター視線制御部115は、端末装置20から出力された視聴者の操作入力である視線入力に基づいて、当該視聴者に対応づけられる仮想カメラの姿勢を制御してアバターの視線を制御する。
【0199】
タイマ部160は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間、仮想イベント進行制御の時間管理などのタイマ値を計測する処理を実行するための計時を行う。
【0200】
[3]端末装置
次に、図4及び図5を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、図4は、本実施形態の端末装置20の機能ブロックを示す図であり、図5は、本実施形態における端末装置20の外観構成を示す図の一例である。また、本実施形態の端末装置20は、図5の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0201】
HMDユニット200は、装着された視聴者の視線を検出する撮像部210と、当該視聴者の頭部位置及び方向を含む姿勢を検出するモーションセンサ220と、インターフェース230と、音出力部240と、スイッチ250と、から構成される。
【0202】
また、HMDユニット200は、図5(A)及び(B)に示すように、端末制御ユニット300を保持し、かつ、視聴者によって装着される構造を有している。
【0203】
そして、HMDユニット200は、HMDである端末装置20を装着した視聴者の両眼に所定量の視差を有する仮想3次元空間の画像を視認させて立体視を実現するための表示パネル(右眼用)261及び表示パネル(左眼用)262を有し、端末装置20に表示された右眼用視差画像及び左眼用視差画像を表示させる構造を有している。
【0204】
なお、立体視を実現するための視差画像については、従来の3次元動画像と同様であるため、詳細の説明を省略する。また、図5(B)は、端末装置20から音出力部240を省略した図である。
【0205】
撮像部210は、HMDユニット200を装着した視聴者の目(目の動き)を撮像し、その視線方向を検出し、当該検出に応じた信号を出力する。
【0206】
また、撮像部210は、CCDなどの所定の撮像素子及びレンズなどの光学系を有する
撮像カメラ211と、撮像カメラの出力に基づいて撮像した対象物を画像化して端末制御ユニット300に画像データとして出力する画像生成部212と、から構成される。
【0207】
モーションセンサ220は、例えば加速度センサやジャイロセンサなどにより実現される。例えば、モーションセンサ220は、加速度センサとジャイロセンサによって、X、Y、Z軸の3軸回りでの視聴者の頭部(HMD)の回転運動、具体的には、各X、Y、Z軸回りでの回転角度や角速度等を検出する。
【0208】
インターフェース230は、例えば、HDMI(High-Difinition Multimedia Interface/登録商標)、USB(Universal Serial Bus/登録商標)等の有線による入出力インターフェース、又は、Bluetooth(登録商標)、若しくは、IEEE802.11a、g、n、ac等の無線インターフェースであり、端末制御ユニット300(具体的には通信部296)と、有線又は無線によって通信を実行するための機能を有している。
【0209】
また、インターフェース230は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより構成される。
【0210】
音出力部240は、サーバ処理部100により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドホンなどのハードウェアにより実現できる。
【0211】
スイッチ250は、端末制御ユニット300のスイッチに連動し、HMDユニット200の装着中に、所定の操作入力を行うために用いられる。
【0212】
端末制御ユニット300は、入力部260、記憶部270、情報記憶媒体280、表示部290、通信部296、振動部340及び端末処理部によって構成されている。
【0213】
入力部260は、視聴者からの入力情報を入力するための機器であり、視聴者の入力情報を端末処理部310に出力する。本実施形態の入力部260は、視聴者の入力情報(入力信号)を検出する構成を有している。例えば、入力部260は、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、キーボード、マウスなどによって構成される。
【0214】
なお、本実施形態の入力部260は、表示部290に形成されたタッチパネルによって形成されている。
【0215】
一方、入力部260は、入力部260は、視聴者の音声指示を認識するため当該視聴者の音声を集音するためのマイクを備えていてもよいし、撮像カメラによって構成されていてよい。
【0216】
特に、撮像カメラは、アバターに設定するアイテムや仮想イベントで使用するアイテムを、実在する物品をデジタル化して用いる場合に、当該物品を特定するための識別情報として2次元バーコードを画像化するために設けられている。
【0217】
また、入力部260は、上記の他に、加速度センサや視線検出センサなどを備えていてもよい。なお、加速度センサや視線検出センサは、HMDユニット200に設けられた撮像部210やモーションセンサ220の代わりに機能してもよい。
【0218】
記憶部270は、端末処理部310や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270
は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272とを含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0219】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0220】
端末処理部310は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0221】
なお、本実施形態では、サーバ装置10が有する情報記憶媒体180や記憶部140に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや仮想イベントを実現するためのデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280に記憶する。サーバ装置10から受信したプログラムやデータを記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信してネットワークシステムを機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0222】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0223】
例えば、表示部290は、サーバ装置10から送信された視差画像をHMDユニット200が装着された際の右目用表示パネル261及び左目用表示パネル262の位置に表示する。なお、本実施形態においては、表示部290は、タッチパネル型ディスプレイによって形成されている。
【0224】
通信部296は、サーバ装置10などの外部との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0225】
端末処理部310(プロセッサ)は、入力部260やHMDユニット200から出力された入力情報やプログラムなどに基づいて、イベント制御処理(演出制御を含む。)、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0226】
具体的には、端末処理部310は、記憶部270内の主記憶部271をワーク領域として各種処理を行う。端末処理部310の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0227】
なお、端末処理部310は、通信制御部311、イベント処理部312、描画部320、音処理部330を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0228】
通信制御部311は、サーバ装置10とデータを送受信する処理を行う。また、通信制御部311は、サーバ装置10から受信したデータを記憶部270に格納する処理、受信したデータを解析する処理、その他のデータの送受信に関する制御処理等を行う。
【0229】
なお、通信制御部311は、サーバの宛先情報(IPアドレス、ポート番号)を情報記憶媒体280に記憶し、管理する処理を行うようにしてもよい。また、通信制御部311
は、視聴者からの通信開始の入力情報を受け付けた場合に、サーバ装置10との通信を行うようにしてもよい。
【0230】
イベント処理部312は、種々の仮想イベントを実現するための各種の演算処理を行う。例えば、仮想イベントの開始条件が満たされた場合に仮想イベントを開始する処理、仮想イベントを進行させる処理、仮想イベントの終了条件が満たされた場合に仮想イベントを終了する処理などがある。
【0231】
また、イベント処理部312は、サーバ装置10における仮想イベント処理の一部を実行してもよいし、当該サーバ装置10と連動して所定の仮想イベント処理を実行してもよい。
【0232】
描画部320は、端末処理部310で行われる種々の処理(例えば、仮想イベントを実現するための各種の処理)に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部290に出力する。特に、描画部320は、サーバ装置10から送信された画像データに基づいて、視差画像を生成し、生成した視差画像を表示部290に表示する。
【0233】
音処理部330は、サーバ装置10から出力された音データや端末処理部310で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などの仮想イベントに用いられる音を生成し、音出力部240に出力する。
【0234】
振動部340は、振動体341を有し、サーバ装置10から出力された振動パターンデータや端末処理部310で行われる種々の処理の結果に基づいて生成された振動パターンデータに基づいて、当該振動体341を振動させる構成を有している。
【0235】
[4]本実施形態の手法
[4.1]概要
次に、図6及び図7を用いて、本実施形態のサーバ装置10によって実行される仮想イベント中の位置制御処理を含むイベント視聴制御処理について説明する。
【0236】
なお、図6及び図7は、本実施形態のサーバ装置10によって実行される仮想イベント中の位置制御処理を説明するための図であり、図7は、各観覧席に仮想カメラが設定された場合の各視聴者によって視聴される仮想空間の画像(以下、「仮想空間画像」ともいう。)の例を示す図である。
【0237】
本実施形態のサーバ装置10は、仮想空間内で実行される仮想イベントを視聴者に視聴させるためのサーバ装置である。
【0238】
また、サーバ装置10は、各視聴者IDに対応付けて各視聴者の仮想イベント前に仮想空間内の観覧位置(視聴位置)が設定されていることを前提に、仮想イベントの実行を制御しつつ、各視聴者の仮想イベントの視聴状況に応じて、観覧位置を変更する位置制御処理を実行する構成を有している。
【0239】
特に、本実施形態のサーバ装置10は、仮想空間を用いて実空間におけるイベントと同様な臨場感を提供しつつも、視聴環境の改善(すなわち、良好な視聴環境への視聴位置の変更)、又は、視聴環境の維持など、視聴者自らの行動などによって制御し、視聴者の仮想イベントに対する姿勢(すなわち、視聴状況)によっては、その視聴環境を悪化させる構成を有している。
【0240】
すなわち、サーバ装置10は、仮想イベント中に、例えば、視聴者のエンターテインメ
ントの視聴に関するレベル(ランクやゲームの場合にはプレーヤレベル)、課金額、コメント数、属性、又は、他の視聴者との関係性に関する条件などの所与の条件を満たさない視聴者、又は、満たした視聴者について、当該視聴者の仮想イベント中の仮想カメラの位置を視聴環境に対する順位の低い位置又は当該順位の高い位置に、変更すること、又は、当該仮想カメラの位置を維持させることによって、視聴環境の改善などを実現するようになっている。
【0241】
より具体的には、サーバ装置10は、図6に示すように、
(A1)仮想空間内に設けられ、かつ、視聴環境について順位付けされている複数の視聴位置の中から、当該仮想イベントを視聴するための視聴者の視点として機能する仮想カメラの位置を設定する視聴位置設定処理を実行し、
(A2)仮想イベントの視聴中に、視聴者に関する情報を示す視聴者関連情報と、各視聴位置の順位付け(例えば、視聴位置に基づいて定められた座席のランク)と、に応じて、当該視聴者の前記仮想カメラの位置を制御する位置制御処理を実行し、
(A3)仮想カメラの位置から、視聴者の視聴方向に形成される当該仮想空間の画像を生成して生成された画像を視聴者に提供する、
構成を有している。
【0242】
例えば、図6に示すように、仮想イベントの開始時に視聴者αの視聴位置が観覧席の列毎に順位付け(ランク付け)がされている観覧席G列10番(座席ランク7位)に設定されている場合であって、視聴者関連情報であってアイテム消費行動情報としての投げ銭アイテムの消費数に応じて(例えば、投げ銭アイテムの消費数が2つ増える毎に)、座席ランクが1つ上がる(すなわち、前列に移動して視聴環境が良くなる)場合を想定する。
【0243】
この場合において、仮想イベントの視聴中の所定のタイミング(例えば、仮想イベントの開始から10分後)に、視聴者αが投げ銭アイテムを「4」つ消費した場合には、サーバ装置10は、図6に示すように、視聴者αの視聴位置を観覧席G例10番から、他の視聴者の観覧席として設定されていない観覧席E列5番(座席ランク5位)に移動させる位置制御処理を行う。
【0244】
また、その後、仮想イベントの視聴中の所定のタイミング(例えば、仮想イベントの開始から30分後)に、視聴者αが投げ銭アイテムを「6」つ消費した場合には、サーバ装置10は、図6に示すように、視聴者αの視聴位置を観覧席E例5番から、仮想イベント中に投げ銭アイテムの消費が無い他の視聴者βの観覧席A列12番(座席ランク1位)に移動させ、視聴者αと他の視聴者βの視聴位置を入れ替える位置制御処理を行う。
【0245】
そして、サーバ装置10は、図7に示すように、それぞれの観覧席に設定された仮想カメラからを視点とした仮想空間の画像を生成し、生成した画像に音を組み込んだコンテンツデータを視聴者αの端末装置20に提供するようになっている。
【0246】
なお、図7(A)は、視聴者αが視聴する観覧席G列10番(座席ランク7位)における画像(コンテンツ)の例、図7(B)は、視聴者αが視聴する観覧席E列5番(座席ランク7位)における画像(コンテンツ)の例、及び、図7(C)は、視聴者αが視聴する観覧席A列12番(座席ランク1位)における画像(コンテンツ)の例を示す。
【0247】
本実施形態においては、このような構成を有することによって、仮想イベントの視聴に集中させて良好な視聴環境を維持するという、当該仮想イベントの視聴に対する視聴者の動機付け(モチベーション)を高めること、及び、視聴対象の仮想イベントに対する積極的な関与を促すことができるようになっている。
【0248】
また、本実施形態においては、実空間では実現が難しい仕組み(視聴中の視聴位置の変更)によって、新たな視聴行動を実現させつつ、実空間とは異なる視聴環境として、仮想空間におけるエンターテインメントに対する視聴者の興趣性を向上させることができるようになっている。
【0249】
[4.2]視聴者関連情報
次に、本実施形態の視聴者関連情報について説明する。
【0250】
視聴者関連情報は、上述のように、視聴者関連情報記憶部146に記憶されており、視聴者毎に、
(A1)視聴者を特定するための情報であって、氏名、年齢、性別及び課金決済を行う口座情報などの視聴者の属性、及び、アバター情報などを含む視聴者自身に関する視聴者特定情報と、
(A2)視聴者によってエンターテインメントに対して入力された入力情報(現在の視聴及び過去の視聴も含む。)を含み、視聴者のイベントに関する視聴者行動に関する情報であって、仮想イベントの実行中に変動するパラメータを規定する視聴者行動情報(履歴情報も含む。)と、
から構成される。
【0251】
視聴者特定情報には、例えば、視聴者IDに対応付けて、
(A1-1)視聴者の属性(年齢、年代、性別、ゲームレベルや会員としてのグレードが有る場合にはそのグレードなどの視聴者のレベルなど)、
(A1-2)視聴者がエンターテインメント上用いるキャラクタ(例えばゲームに用いるプレーヤキャラクタ)の種別、レベル(キャラクタレベル)、又は、特性などの属性、
(A1-3)フレンド関係(以下、「他の視聴者の情報に容易にアクセスを可能とするフォローと自己の視聴者の情報に容易にアクセスが可能となるフォロワーの双方の関係」をいい、「フォロー及びフォロワー」の関係も含む。)や視聴者が所定のネットワークサービスにアカウントを有している場合にそのアカウントを登録している(例えば、「お気に入り」のアカウントとして登録する)などの登録者との関係(以下、「登録者関係」ともいう。)、又は、その登録者の数、
(A1-4)エンターテインメントがゲームの場合に、その所属チームやグループの種別やレベル(チームレベル)などの属性、及び、
(A1-5)視聴中のエンターテインメント又は当該エンターテインメントと関連性のあるエンターテインメントに関する視聴回数などの実行回数、又は、当該エンターテインメントを視聴するため(実行するための)のログイン回数、
などの各種の情報が含まれる。
【0252】
なお、視聴者特定情報には、登録者関係や登録者数などの情報に基づいて数値化された情報(例えば、フレンドなど登録種別毎に、予め定められた値(フレンドの場合が「5」ポイント、又は、フォロワーの場合が「3」ポイントなど)に対して各登録者の登録日数を乗算し、かつ、登録者数を乗算して算出された値(例えば、親密度)など)も含まれる。
【0253】
視聴者行動情報には、例えば、視聴者IDに対応付けて、
(A2-1)仮想イベントに関する課金額(すなわち、パラメータの値)を含む、課金(いわゆる投げ銭などの直接的な課金及び仮想イベントに用いるアイテムの購入などの間接的な課金を含む。)に関する行動情報(以下、「課金情報」という。)、
(A2-2)他の視聴者について入力したコメント(「いいね」などの視聴者の意志を示すプラグイン用のボタン入力(エンターテインメントを提供する画面上に設けられたボタン)に基づくものも含む。)やその数(すなわち、パラメータの値)に関する行動情報(
以下、「コメント行動情報」という。)、
(A2-3)仮想イベントで用いられるアイテム(例えば、おひねりなどの投げ銭のアイテム)の使用回数や消費量(すなわち、パラメータの値)を含むアイテム消費に関する行動(以下、「アイテム消費行動」という。)に関する情報(以下、「アイテム消費行動情報」という。)、
(A2-4)各種のイベントの参加回数(すなわち、パラメータの値)を含む参加の有無などを示すイベントに関する行動情報(以下、「イベント行動情報」という。)、及び、(A2-5)視聴者の仮想イベントに対する視聴状況、
などの各種の情報が含まれる。
【0254】
なお、例えば、上記の親密度については、コメント情報を用いて算出されてもよく、この場合には、所定の演算式(例えば、登録者数及びコメント数を用いた演算式)によって算出される。
【0255】
アイテムとは、例えば、仮想イベントの視聴中に仮想空間内において使用させるものであって、アバターを形成する一部分であってもよいし、当該アバターに装備する物であってもよいし、仮想イベント中に演技キャラクタに提供(供与)する投げ銭などのアイテムも含む。
【0256】
アイテムには、エンターテインメントがゲームの場合にプレーヤキャラクタが使用する各種の武器の他に、ゲーム内通貨なども含まれる。
【0257】
例えば、アイテム行動情報とは、アイテムを消費させた場合のアイテム数やアイテム量を含むとともに、アイテムを課金によって取得した場合には、消費したアイテムに取得した際の課金額の情報も含まれる。
【0258】
一方、視聴者行動情報によって規定される視聴状況には、例えば、
(A2-5-1)使用しているアバターやキャラクタの種別や属性、
(A2-5-2)視聴者に設定されたパラメータの値(ゲームの場合には、得点、経験値、ライフエネルギー量など)、
(A2-5-3)視聴時間の長さ、
(A2-5-4)位置変更回数、及び、
(A2-5-5)現在の視聴位置、
などが含まれる。
【0259】
特に、本実施形態の視聴者状況には、例えば、基本的には、位置制御処理の対象となっている視聴者(以下、「対象視聴者」という。)とは異なる他の視聴者の状況も含み、対象視聴者と他の視聴者との上記(A2-5-1)~(A2-5-5)の状況との差(例えば、視聴時間差や位置変更回数差)を用いるが、他の視聴者の状況を対象視聴者の視聴者状況に加えるなど他の視聴者の状況を用いてもよい。
【0260】
一方、本実施形態においては、視聴者行動管理部105は、視聴者関連情報記憶部146に、視聴者毎に、特定視聴者を抽出するために用いる仮想イベントに関連する各種の行動を示す視聴者行動情報(行動種別、実行日時、課金額(課金情報がある場合))を登録し、その更新を行う。
【0261】
特に、視聴者行動管理部105は、操作入力としては、情報取得部104と連動し、端末装置20のHMDユニット200やそれらに付属するコントローラへの視線入力、声量入力、振動入力(振る動作による入力)、スイッチ入力(例えば、連打などやコンボ入力)などの操作入力に基づいて、上記の各情報を視聴者関連情報記憶部146に登録する。
【0262】
また、視聴者行動管理部105は、仮想イベントの視聴中には、例えば、仮想イベントに参加した日時(ログイン日時を含む。)、当該仮想イベントに参加した時間(全体の他に所定期間も含む。)、仮想イベントの実行頻度(ログイン頻度を含む。)、視聴者のレベル(ゲームの場合には、ゲームレベルなど)、仮想イベントで取得したアイテム、ガチャにおける当選情報、仮想イベントにおいて登録されたフレンドとの関係性に基づく情報(例えば、フレンド数やフレンドと一緒に視聴した視聴時間)などのイベント履歴の情報を、視聴者毎に(視聴者IDに対応付けて)視聴者関連情報記憶部146に登録する。
【0263】
さらに、視聴者行動管理部105は、課金については、例えば、商品などを購入した際の課金において、その課金種別、課金を実行した日時、課金により購入した商品の種別、当該購入した数や課金回数(頻度)又は、上記のゲームを実行した際の課金に関する情報を、視聴者毎に(視聴者IDに対応付けて)視聴者関連情報記憶部146に登録する。
【0264】
[4.3]視聴位置設定処理
次に、本実施形態の視聴位置設定処理について説明する。
【0265】
視聴位置制御部112は、仮想イベントの開始前に、当該仮想イベントを特定するためのイベントIDに対応付けて、視聴者によって事前予約された各観覧席と各視聴者(具体的には、視聴者ID)とを対応付けた観覧席情報を観覧席情報記憶部148に登録し、管理する。
【0266】
そして、視聴位置制御部112は、仮想イベントが開催される場合に、観覧席情報記憶部148に記憶されている観覧席情報に基づいて、各視聴者の仮想カメラを該当する観覧席に設定する。
【0267】
なお、視聴者が端末装置20(予め席に設定されている端末装置や視聴者が保持する端末装置など)を使用して仮想イベントに参加すると(すなわち、HMDユニット200を装着して仮想イベントのゲームやイベントプログラムにログインすると)、視聴位置制御部112は、観覧席情報に基づいて、各視聴者の仮想カメラを、対応する観覧席6の席に設定する。
【0268】
[4.4]位置制御処理
[4.4.1]位置制御処理の基本原理
次、本実施形態の位置制御処理の基本原理について説明する。
【0269】
視聴位置制御部112は、上記のように設定された観覧席に基づいて各視聴者の視聴が開始されると、仮想イベントの視聴中に、各視聴者の視聴者関連情報、及び、当該仮想イベントの実行状況の少なくともいずれかと、予め定められた各観覧位置の順位付けと、に応じて、位置制御処理を実行する。
【0270】
特に、視聴位置制御部112は、位置制御処理として、視聴者毎に、
(A1)仮想イベントの実行中に、視聴者関連情報及び当該仮想イベントの実行状況の少なくともいずれか一方について、所与の判定条件を具備したか否かを判定する判定処理、及び、
(A2)当該判定処理によって所与の判定条件を具備したと判定した場合に、各視聴位置の順位付けに応じて、視聴者の仮想カメラの位置を変更する変更制御処理、又は、当該視聴者の仮想カメラ位置を維持する維持制御処理、
を実行する。
【0271】
具体的には、視聴位置制御部112は、判定処理としては、
(A1-1)所与の判定条件を用いて仮想イベントの実行状況が所与の状況(具体的には、予め定められた状況であり、以下、「特定状況」という。)か否かを判定する判定処理(以下、「特定状況判定処理」という。)
(A1-2)仮想イベントの実行中における所与のタイミング(以下、「特定タイミング」という。)に、視聴者関連情報が所与の判定条件(すなわち、予め定められた判定条件であって、以下、「特定判定条件」という。)を具備するか否かを判定する判定処理(以下、「特定条件判定処理」という。)、又は、
(A1-3)所与の判定条件を用いて、仮想イベントの実行中に視聴者関連情報に基づいて位置制御処理を実行するか否かを判定する判定処理(以下、「位置制御実行判定処理」という。)、
を実行する。
【0272】
一方、視聴位置制御部112は、変更制御処理としては、各判定処理によって上記の判定条件などを具備した場合に、位置制御処理の対象となる視聴者の視聴位置(すなわち、仮想カメラの位置)のみを変更する処理を実行し、又は、変更先の他の視聴者の視聴位置と入れ替える処理を実行する。
【0273】
そして、視聴位置制御部112は、変更制御処理において、各判定処理によって上記の条件などを具備しなかった場合には、変更対象の視聴位置を変更させない処理(基本的には、維持制御処理と同じ。)を実行する。
【0274】
また、視聴位置制御部112は、維持制御処理としては、各判定処理によって上記の判定条件などを具備した場合に、視聴位置を現行の位置から変更させない制御を実行する。
【0275】
そして、視聴位置制御部112は、維持制御処理としては、各判定処理によって上記の判定条件などを具備しなかった場合には、視聴位置を現行の位置を他の視聴位置に変更する処理(基本的には、変更制御処理と同じ。)を実行する。
【0276】
なお、本実施形態の視聴位置制御部112は、視聴者毎に代えて、複数の視聴者毎、又は、全視聴者に対して同時に判定処理を実行してもよい。
【0277】
また、視聴位置制御部112は、上述の位置制御処理を実行する際に、2種類以上の視聴者関連情報を使用してもよいし、2種類以上の仮想イベントの実行状況を使用してもよい。
【0278】
さらに、視聴位置制御部112は、判定処理において、上記のタイミングや条件の具備に代えて、又は、これらに加えて、視聴者の位置制御処理の開始指示などの視聴者や管理者の所定の操作指示に基づいて(すなわち、所定の操作指示が入力されたタイミング)、位置制御処理の実行の有無を判定してもよい。
【0279】
[4.4.2]判定処理
次、本実施形態の位置制御処理における判定処理について説明する。
(特定状況判定処理)
視聴位置制御部112は、上述のように、仮想イベントの実行中に、視聴者毎に、仮想イベントの実行状況について、所与の判定条件を用いることによって、特定状況であるか否かを判定する特定状況判定処理を実行する。
【0280】
具体的には、視聴位置制御部112は、所与の判定条件として、
(A1)仮想イベントの実行中に発生するイベント(例えば、所与のアイテムを獲得させ
る抽選イベント)の発生タイミングなどの予め定められたタイミングに関する条件、
(A2)エンターテインメントの実行開始タイミングなどの所定のタイミングから、所定の期間経過したタイミングなどの経過時間に関する条件、
(A3)エンターテインメントの実行進度(歌唱イベントの場合には、セットリスト(曲順リスト)に対する進行度合い、又は、ゲームの場合にはタスクの達成状況やアイテムの獲得状況)、に関する条件、
(A4)エンターテインメントを視聴する視聴者の数などの視聴者に関する条件、又は、(A5)(A1)~(A4)の組み合わせ、
を用いて、仮想イベントの実行状況が特定状況であるか否かを判定する特特定状況判定処理を実行する。
【0281】
例えば、視聴位置制御部112は、所与の判定条件を用いて、仮想イベントの実行中に、特定の抽選イベントが発生したタイミングなどの所定のタイミングであるか否か、ゲーム開始から予め定められた期間を経過したか否か、仮想イベントのコンテンツが半分以上終了したなどの当該仮想イベントの進度が所定の割合以上であるか否か、又は、視聴者数が予め定められた数以上になったか否かを判定する特定状況判定処理を実行する。
【0282】
(特定条件判定処理)
視聴位置制御部112は、上述のように、視聴者毎に、仮想イベントの実行中における特定タイミングに、視聴者関連情報記憶部146に記憶された該当する視聴者関連情報を参照しつつ、当該視聴者関連情報が特定判定条件を具備するか否かを判定する特定条件判定処理を実行する。
【0283】
具体的には、視聴位置制御部112は、特定状況判定処理に用いる特定タイミングと同様に、当該特定条件判定処理の特定タイミングとしては、
(B1)仮想イベントの実行中に発生するイベント(例えば、所与のアイテムを獲得させる抽選イベント)の発生タイミングに、
(B2)仮想イベントの実行開始タイミングなどの所定のタイミングから所定の期間経過したタイミングに、
(B3)仮想イベントの実行進度(歌唱イベントの場合には、セットリスト(曲順リスト)に対する進行度合い、又は、ゲームの場合にはタスクの達成状況やアイテムの獲得状況)が予め定められた進度になったタイミングに、又は、
(B4)仮想イベントを視聴する視聴者の数が予め定められた数になったタイミングに、特定条件判定処理を実行する。
【0284】
そして、視聴位置制御部112は、特定判定条件として、
(C1)消費するアイテム(投げ銭を含む。)の種別や数(量)に関する条件や視聴者の操作入力などの視聴者行動情報に関する条件、
(C2)視聴者のレベル、視聴者が属するチームのレベルや当該チームに属する視聴者の数、フレンド関係の登録者数などの視聴中に変化する視聴者特定情報に関する条件、又は、
(C3)2以上の(C1)、2以上の(C2)若しくは1以上の(C1)及び(C2)の組み合わせ、
を用いて特定条件判定処理を実行する。
【0285】
特に、視聴位置制御部112は、視聴者行動情報に関する条件として、
(C1-1)消費するアイテム(投げ銭を含む。)の種別や数(量)などのアイテム消費に対する条件、
(C1-2)エンターテインメントに関する課金額に対する条件、及び、
(C1-3)所定の操作入力や視線に関する入力の実行又はその回数などの視聴者の操作
入力情報に対する条件、
を用いて特定条件判定処理を実行する。
【0286】
また、視聴位置制御部112は、視聴者特定情報に関する条件として、
(C2-1)視聴者の属性に関する条件(視聴者のレベルや会員としてのグレードが有る場合にはそのグレード)、
(C2-2)視聴者が仮想イベント中に用いるキャラクタ(例えば、アバター)の種別、レベル(キャラクタレベル)、又は、特性などの属性、
(C2-3)フレンド関係や登録者との登録者関係や親密度、又は、その登録者の数、
(C2-4)仮想イベントをグループで視聴する場合に、所属するグループの種別やレベル(チームレベル)などの属性、及び、
(C2-5)視聴中の仮想イベント又は当該仮想イベントと関連性のある仮想イベントに関する視聴回数などの実行回数、又は、当該仮想イベントを視聴するため(実行するための)のログイン回数、
を用いて特定条件判定処理を実行する。ただし、本実施形態においては、視聴者特定情報としては、仮想イベントの実行中に変動するものが好ましい。
【0287】
例えば、視聴位置制御部112は、仮想イベントの実行開始タイミングから所定の期間経過したタイミングに、投げ銭アイテムの消費量(数)が一定以上であるか否かを判定する特定条件判定処理を実行する。
【0288】
(位置制御実行判定処理)
視聴位置制御部112は、上述のように、視聴者毎に、視聴者関連情報記憶部146に記憶された該当する視聴者関連情報を参照しつつ、仮想イベントの実行中に視聴者関連情報が所与の判定条件(以下、「位置制御実行条件」という。)を具備するか否か判定することによって位置制御処理を実行するか否かを判定する位置制御実行判定処理を実行する。
【0289】
特に、視聴位置制御部112は、位置制御実行条件としては、特定条件判定処理の特定判定条件と同様に、
(D1)視聴者行動情報に関する条件、
(D2)視聴者特定情報に関する条件、又は、
(D3)(D1)及び(D2)の組み合わせ、
を用いて位置制御実行判定処理を実行する。
【0290】
例えば、視聴位置制御部112は、仮想イベントの実行中に、投げ銭アイテムの消費量(数)が一定以上であるか否かを判定する位置制御実行判定処理を実行する。
【0291】
[4.4.3]変更制御処理
次、本実施形態の位置制御処理における変更制御処理について説明する。
【0292】
視聴位置制御部112は、上述のように、特定状況判定処理、特定条件判定処理、又は、位置制御実行判定処理によって、所与の判定条件を具備したと判定された場合に、予め定められた各観覧位置の順位付けに応じて、位置制御処理の対象となる視聴者(例えば、第1の視聴者)における仮想カメラの位置(すなわち、アバターが配置される観覧席であって視聴者の視聴位置)を第1の位置から当該第1の位置とは異なる第2の位置に変更する変更制御処理を実行する。
【0293】
特に、視聴位置制御部112は、原則、第1の位置より順位の高い位置(すなわち、視聴環境の良い位置)に変更する変更制御処理を実行する。ただし、視聴位置制御部112
は、第1の位置より順位の低い位置(すなわち、視聴環境の悪い位置)に変更する変更制御処理を実行してもよい。
【0294】
また、判定処理において使用した各判定条件には、変更先の観覧席が対応付けられており、視聴位置制御部112は、当該判定条件に対応付けて設定されている変更先の観覧席を、変更先の仮想カメラの位置として、変更制御処理の対象となった仮想カメラの位置を変更する。ただし、変更先の仮想カメラの位置は、抽選によって選択されてもよいし、視聴者の操作指示によって特定されてもよい。
【0295】
具体的には、視聴位置制御部112は、各観覧席に複数の仮想カメラを設定可能な場合、又は、変更先が空席の場合には(NPCなどのコンピュータの指示によって行動する視聴者が観覧席に設定されている場合を含む。)、上記の図6(1回目の位置制御処理)に示すように、当該視聴者の仮想カメラの位置を他の視聴位置(他の視聴者の視聴位置としての設定の有無に関わらず)に変更する対象視聴位置変更制御処理を実行する。
【0296】
また、視聴位置制御部112は、観覧席毎に1の仮想カメラのみ設定可能な場合であって、変更先が空席でない場合には(NPCなどのコンピュータの指示によって行動する視聴者が観覧席に設定されている場合を含まない。)、上記の図6(2回目の位置制御処理)に示すように当該視聴者の仮想カメラの位置を他の視聴位置を入れ替える入れ替え変更制御処理を実行する。
【0297】
一方、視聴位置制御部112は、上記のように、順位の高い位置に変更する変更制御処理を実行しているが、順位の低い位置に変更する変更制御処理を実行してもよい。
【0298】
例えば、この場合において、視聴位置制御部112は、特定条件判定処理において、仮想イベントの実行中において、所定の時間を経過するまでに、投げ銭アイテムを一定数(一定量)以下しか使用しなかったという判定条件を具備した場合に、順位の低い観覧席に変更する位置制御処理を実行する。
【0299】
他方、視聴位置制御部112は、変更制御処理において、各判定処理によって上記の条件などを具備しなかった場合には、変更対象の視聴位置を変更させない処理(原則的には維持制御処理と同様な処理)を実行する。
【0300】
[4.4.4]維持制御処理
次、本実施形態の位置制御処理における維持制御処理について説明する。
【0301】
視聴位置制御部112は、上述のように、特定状況判定処理、特定条件判定処理、又は、位置制御実行判定処理によって、所与の判定条件を具備したと判定された場合に、視聴者の仮想カメラの位置(すなわち、視聴位置)を維持する維持制御処理を実行する。
【0302】
また、視聴位置制御部112は、上記の判定処理によって判定条件を具備しなかったと判定した場合に、視聴者の仮想カメラの位置を維持せずに、その位置を変更する。
【0303】
なお、視聴位置制御部112は、視聴者の仮想カメラの位置を変更する場合には、上述の変更制御処理と同様な処理を実行する。
【0304】
また、この場合には、視聴位置制御部112は、第1の位置より順位の低い位置(すなわち、視聴環境の悪い位置)に変更する変更制御処理を実行する。ただし、視聴位置制御部112は、第1の位置より順位の高い位置(すなわち、視聴環境の良い位置)に変更してもよい。
【0305】
また、上述のように、判定処理において使用した各判定条件には、変更先の観覧席が対応付けられており、視聴位置制御部112は、上述の変更制御処理と同様に、当該判定条件に対応付けて設定されている変更先の観覧席を、変更先の仮想カメラの位置として、変更制御処理の対象となった仮想カメラの位置を変更する。ただし、変更先の仮想カメラの位置は、抽選によって選択されてもよいし、視聴者の操作指示によって特定されてもよい。
【0306】
[4.4.5]視聴者間における位置制御処理
次、本実施形態の視聴者間における位置制御処理について説明する。
【0307】
視聴位置制御部112は、各視聴者間においてより良い視聴位置を確保するための競争原理を導入するため、視聴者毎の位置制御処理に代えて、各視聴者の視聴者観覧情報を比較し、その結果に基づいて視聴者間における位置制御処理を実行してもよい。
【0308】
すなわち、視聴位置制御部112は、
(A1)仮想イベントの実行中に、各視聴者の視聴者関連情報を比較する比較処理を実行し、
(A2)位置制御処理として、視聴者関連情報の比較結果、及び、視聴位置の順位付けに応じて、各視聴者の仮想カメラの位置を制御してもよい。
【0309】
この場合には、視聴位置制御部112は、所与のタイミング(例えば、特定条件判定処理が実行される際に用いられた特定タイミングなど)に、対象となる複数の視聴者の特定の視聴者観覧情報を参照し、当該参照した特定の視聴者関連情報を比較する比較処理を実行する。
【0310】
そして、視聴位置制御部112は、比較処理によって条件を具備した視聴者の仮想カメラの位置を変更する位置制御処理を実行する。
【0311】
特に、視聴位置制御部112は、仮想イベントに参加している全視聴者を比較対象として比較処理を実行してもよいし、観覧席の順位について同一順位に複数の観覧席が対応付けられている場合には、同一順位の観覧席が視聴位置となっている複数の視聴者など、所定の条件でグループ分けされた複数の視聴者を比較対象として比較処理を実行してもよい。
【0312】
具体的には、視聴位置制御部112は、比較処理としては、仮想イベントの開始から特定タイミングまで、又は、仮想イベント中の予め定められた期間中に、課金額、経験値、ポイント、視聴者のレベル、又は、アイテムの獲得数などの視聴者行動情報や視聴者特定情報における変動するパラメータや情報を比較する。
【0313】
そして、視聴位置制御部112は、比較処理によって比較した結果、最もパラメータや情報が優秀な視聴者、又は、一定の条件を具備したパラメータや情報を有する1以上の視聴者の仮想カメラの位置を、現行の位置から順位の高い位置に、変更する位置制御処理を実行する。
【0314】
例えば、仮想イベント中の予め定められた期間(以下、「対象期間」という。)中に、投げ銭アイテムを最も消費し、それに費やした課金額が最も高い視聴者の仮想カメラの位置を変更する位置制御処理が実行される場合において、対象期間中の比較対象者となる視聴者α、β及びγの投げ銭アイテムに費やした金額が、1000円、1500円、及び、800円の場合を想定する。
【0315】
この場合には、視聴位置制御部112は、比較対象者となる視聴者α、β及びγの投げ銭アイテムに費やした金額を比較し、最も課金額が高い視聴者Bの過労カメラの位置を、現行の観覧席を、予め定められた順位(順位を1つアップする)の観覧席に変更する位置制御処理を実行する。
【0316】
なお、視聴位置制御部112は、現行の観覧席の順位が異なる視聴者を対象としてもよいし、複数の視聴者について条件を具備したとして該当する複数の視聴者の仮想カメラの位置を変更してもよい。
【0317】
また、視聴位置制御部112は、観覧席の順位の高い視聴者と観覧席の順位の低い視聴者を対象とし、当該順位の低い視聴者が予め定められた条件を具備した場合には、当該順位の高い視聴者の現行の仮想カメラの位置と、順位の低い視聴者の現行の仮想カメラの位置を入れ替えてもよい。
【0318】
[5]変形例
[5.1]変形例1(ゲーム管理システム)
次に、本実施形態の変形例1(ゲーム管理システム)について説明する。
【0319】
本実施形態として、仮想3次元空間内でパフォーマンス(演技や歌唱)を実行させる仮想空間内イベント管理システムを用いて説明したが、エンターテインメントとしての仮想空間内で実行されるゲームを実行制御するゲーム管理システムに適用してもよい。
【0320】
この場合には、視聴者としてのプレーヤは、各視聴位置に基づいてゲームを実行し、ゲーム中に、位置制御処理が実行される。
【0321】
なお、イベント会場などを用いるシミュレーションゲームであれば、イベント会場の観覧席を視聴位置として設定することができるが、それ以外のゲームの場合には、ゲームを実行する際に定められた仮想空間内の位置が視聴位置となる。ただし、この場合であっても、各視聴位置には順位付けがされていることが前提となる。
【0322】
[5.2]変形例2(視聴者の視聴状況に基づく位置制御処理)
次に、図8を用いて本実施形態の変形例2(視聴者の視聴状況に基づく位置制御処理)について説明する。
【0323】
なお、図8は、本実施形態の変形例2(視聴者の視聴状況に基づく位置制御処理)について説明するための図である。
【0324】
本実施形態においては、アイテム消費行動情報を含む視聴者関連情報、仮想イベントの実行状況及びこれらの双方に基づいて、位置制御処理が実行されているが、視聴者の視聴状況に基づいて位置制御処理が実行されてもよい。
【0325】
すなわち、本実施形態において、アイテム消費行動情報によって示されるアイテム消費行動(例えば、消費量)であっても、視聴状況が良い視聴者(例えば、仮想イベントの実行に貢献していると判断されるの視聴者)に対しては、当視聴状況が悪い(例えば、該仮想イベントの実行に貢献していないと判断される視聴者)よりも視聴環境の良い位置(すなわち、順位の高い位置、ジャンプアップする順位の幅が大きい位置)に変更させてもよい。
【0326】
具体的には、視聴位置制御部112は、
(A1)位置制御処理を実行する際に、当該視聴者の視聴状況を検出し、
(A2)当該検出した視聴者の視聴状況に基づいて視聴者関連情報としてのアイテム消費行動情報によって定まるパラメータを当該視聴者に対して有利又は不利に変化させ、
(A3)有利に値が変化したアイテム消費行動情報のパラメータに応じて、位置制御処理を実行してもよい。
【0327】
特に、視聴位置制御部112は、位置制御処理を実行する際に、視聴者の視聴環境が有利になる方向に、又は、当該視聴環境が不利になる方向に、アイテム消費行動情報によって定まるパラメータを変化させる。
【0328】
また、視聴位置制御部112は、視聴者の視聴状況として、例えば、
(B1)使用しているアバターやキャラクタの種別や属性、
(B2)レベルなどの視聴者に設定されたパラメータの値(ゲームの場合には、得点、経験値、ライフエネルギー量など)、
(B3)視聴時間の長さ、
(B4)位置変更回数、及び、
(B5)現在の視聴位置、
などを用いる。
【0329】
特に、本実施形態の視聴者の状況としては、基本的には、他の視聴者の状況も含み、他の視聴者の上記(B1)~(B5)の状況との差(例えば、視聴時間差や位置変更回数差)を用いるが、他の視聴者の状況を自己の視聴者状況に加えるなど他の視聴者の状況を用いてもよい。
【0330】
例えば、視聴者の視聴状況として当該視聴者の仮想イベントの視聴回数を用いるとともに、アイテム消費行動情報として投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額(パラメータ)を用いる場合であって、投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が多いほど、視聴環境の良い視聴位置に変更する位置制御処理が実行される場合を想定する。
【0331】
また、課金額が500円多くなる毎に、観覧席の順位が1つアップするとする場合を想定する。
【0332】
この場合において、視聴位置制御部112は、図8に示すように、観覧席G列10番に仮想カメラが設定されている視聴者αが所定のタイミングまでに投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が500円であって、視聴状況として位置変更回数が2回であることを検出すると、当該課金額が1000円(=500円×2回)に補正される。
【0333】
そして、視聴位置制御部112は、観覧席G列10番に設定された仮想カメラの位置を、順位が2つ繰り上がった観覧席であって、空席である観覧席E列5番に変更する位置制御処理を実行する。
【0334】
なお、同様の場合において、視聴位置制御部112は、図8に示すように、視聴状況として位置先行回数が1回であることを検出すると、当該課金額が500円(=500円×1回)となり、観覧席G列10番に設定された仮想カメラの位置を、順位が1つ繰り上がった観覧席であって、空席である観覧席F列15番に変更する位置制御処理を実行する。
【0335】
一方、視聴状況について、位置制御処理の対象となる視聴者に代えて、例えば、同一グループやフレンド関係の他の視聴者の視聴状況を用いてもよい。
【0336】
すなわち、この場合には、視聴位置制御部112は、
(C1)位置制御処理を実行する際に、他の視聴者の視聴状況を検出し、
(C2)当該検出した他の視聴者の視聴状況に基づいて視聴者関連情報としてのアイテム消費行動情報によって定まるパラメータを、位置制御処理の対象の視聴者に対して有利又は不利に変化させ、
(C3)有利又は不利に値が変化したアイテム消費行動情報のパラメータに応じて、位置制御処理の対象の視聴者に対して位置制御処理を実行してもよい。
【0337】
例えば、上記と同様に、視聴者の視聴状況として当該視聴者の視聴回数を用いるとともに、アイテム消費行動情報として投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額(パラメータ)を用いる場合であって、投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が多いほど、視聴環境の良い視聴位置に変更する位置制御処理が実行される場合を想定する。
【0338】
また、この場合において、課金額が100000円多くなる毎に、観覧席の順位が1つアップするとする場合を想定する。
【0339】
この場合において、視聴位置制御部112は、観覧席G列10番に仮想カメラが設定されている視聴者αが所定のタイミングまでに投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が500円であって、視聴状況として同一グループの他の視聴者Bの位置先行回数が2回で、かつ、視聴者αが所定のタイミングまでに投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が300円であることを検出すると、当該課金額が300000円(=500円×2回×300円)に補正される。
【0340】
そして、視聴位置制御部112は、観覧席G列10番に設定された仮想カメラの位置を、順位が3つ繰り上がった観覧席であって、空席である観覧席D列9番に変更する位置制御処理を実行する。
【0341】
なお、視聴位置制御部112は、観覧席G列10番に仮想カメラが設定されている視聴者αが所定のタイミングまでに投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が500円であって、視聴状況として同一グループの他の視聴者βの位置先行回数が2回で、かつ、視聴者αが所定のタイミングまでに投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が300円であって、視聴状況として同一グループの他の視聴者βの位置先行回数が1回でることを検出すると、当該課金額が600000円(=500円×2回×300円×2回)に補正される。
【0342】
そして、視聴位置制御部112は、観覧席G列10番に設定された仮想カメラの位置を、順位が6つ繰り上がった観覧席であって、空席である観覧席A列5番に変更する位置制御処理を実行する。
【0343】
[5.3]変形例3(視聴者の視聴状況に基づく位置制御処理の実行条件の変化)
次に、本実施形態の変形例3(視聴者の視聴状況に基づく位置制御処理の実行条件の変化)について説明する。
【0344】
本実施形態において、視聴者の視聴状況(例えば、変形例2で用いた視聴状況)に基づいて、位置制御処理を実行する際のアイテム消費行動情報に対して設定された基準値を変更してもよい。
【0345】
すなわち、本実施形態において、視聴者の視聴状況に基づいて、
(A1)位置制御処理を実行するためのアイテム(投げ銭アイテム)を購入するための金額、
(A2)位置制御処理を発動させるため基準となる値(すなわち、上記の判定条件を定める値)、又は、
(A3)当該位置制御処理において該当する視聴位置の順位を他の視聴位置に変更する場合の変更量などの基準値をしてもよい。
【0346】
具体的には、視聴位置制御部112は、上述のように、視聴者の視聴状況として、例えば、
(B1)使用しているアバターやキャラクタの種別や属性、
(B2)レベルなどの視聴者に設定されたパラメータの値(ゲームの場合には、得点、経験値、ライフエネルギー量など)、
(B3)視聴時間の長さ、
(B4)位置変更回数、及び、
(B5)現在の視聴位置、
などを用いる。
【0347】
そして、視聴位置制御部112は、これらの視聴状況に基づいて、上記の基準値を設定し、当該設定した基準値に基づいて位置制御処理を実行する。
【0348】
例えば、視聴者の視聴状況として当該視聴者の仮想イベントの視聴回数を用いるとともに、アイテム消費行動情報として投げ銭アイテムの消費量(パラメータ)を用いる場合であって、視聴状況に基づいて、基準値としての投げ銭アイテムの購入金額を変更する場合を想定する。
【0349】
この場合において、イベント管理部111は、
(C1)視聴回数が1回のときは1の投げ銭アイテムの購入金額を300円に設定し、
(C2)視聴回数が2回のときは1の投げ銭アイテムの購入金額を200円に設定し、
(C3)視聴回数が3回のときは1の投げ銭アイテムの購入金額を100円に設定し、かつ、
(C4)視聴回数が4回以上のときは1の投げ銭アイテムの購入金額を50円に設定する。
【0350】
そして、視聴位置制御部112は、特定タイミングにおける投げ銭アイテムの消費量が所定の条件を具備した場合(例えば、一定以上の場合)に、位置制制御処理(変更制御処理又は維持制御処理)を実行する。
【0351】
また、視聴位置制御部112は、当該投げ銭アイテムの消費量に応じて、変更先の視聴位置の順位を変化させる。
【0352】
一方、例えば、視聴者の視聴状況として当該視聴者の仮想イベントの視聴回数を用いるとともに、アイテム消費行動情報として投げ銭アイテムの消費量(パラメータ)を用いる場合であって、視聴状況に基づいて、基準値としての投げ銭アイテムに基づく判定条件を変更する場合を想定する。
【0353】
この場合において、視聴位置制御部112は、
(D1)視聴回数が1回のときは1の投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が800円である場合に、判定条件を具備したと判定し、
(D2)視聴回数が2回のときは1の投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が500円である場合に、判定条件を具備したと判定し、
(D3)視聴回数が3回以上のときは1の投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額が300円である場合に、判定条件を具備したと判定する。
【0354】
そして、視聴位置制御部112は、当該投げ銭アイテムの消費量に基づく課金額に応じ
て、変更先の視聴位置の順位を変化させる。
【0355】
他方、例えば、視聴者の視聴状況として当該視聴者の仮想イベントの視聴回数を用いるとともに、アイテム消費行動情報として投げ銭アイテムの消費量(パラメータ)を用いる場合であって、視聴状況に基づいて、位置制御処理の実行時に変更先となる視聴位置の順位を変化させることを想定する。
【0356】
この場合には、視聴位置制御部112は、判定条件を具備したと判定すると、
(E1)視聴回数が1回のときは消費する投げ銭アイテムの消費量が3つ増える毎に1つ上の順位の観覧席に仮想カメラの位置を変更し、
(E2)視聴回数が2回のときは消費する投げ銭アイテムの消費量が2つ増える毎に1つ上の順位の観覧席に仮想カメラの位置を変更し、
(E3)視聴回数が3回以上のときは消費する投げ銭アイテムの消費量が1つ増える毎に1つ上の順位の観覧席に仮想カメラの位置を変更する。
【0357】
[5.4]変形例4(他の視聴者のアイテム消費行動に基づく位置制御処理)
次に、本実施形態の変形例4(他の視聴者のアイテム消費行動に基づく位置制御処理)について説明する。
【0358】
本実施形態において、複数の視聴者によって構成されるチームで仮想イベントを視聴する場合に、グループやチームに所属する他の視聴者のアイテム消費行動などの視聴者関連情報に基づいて位置制御処理の対象となる対象視聴者の視聴環境を変更してもよい。
【0359】
すなわち、本実施形態において、視聴位置制御部112は、対象視聴者と同一のグループに所属する他の視聴者(以下、「協力視聴者」という。)のアイテム消費行動情報に基づいて、当該対象視聴者の視聴位置を、順位の高い位置に変更するなどの特別な効果(すなわち、視聴環境を良くする効果)を提供してもよい。
【0360】
具体的には、この場合には、視聴位置制御部112は、1以上の視聴者から構成されるグループに属する第1の視聴者(対象視聴者)に対する位置制御処理を実行する場合には、当該対象視聴者と同一のグループに属し、かつ、当該対象視聴者とは異なる第2の視聴者(協力視聴者)の視聴者関連情報としてのアイテム消費行動情報の入力が、所与の入力条件を具備したか否かを判定する判定処理を実行する。
【0361】
そして、視聴位置制御部112は、入力条件を具備したと判定した場合には、対象視聴者の視聴関連情報としてのアイテム消費行動情報、及び、各視聴位置の順位付けとともに、当該協力視聴者のアイテム消費行動情報に応じて、当該第1の視聴者に対する位置制御処理を実行してもよい。
【0362】
特に、本変形例においては、例えば、対象視聴者のアイテム消費行動情報の入力より先に協力視聴者のアイテム消費行動情報が入力され、かつ、アイテム消費行動情報によって示されるアイテムについて、第1の視聴者、第2の視聴者又はその双方によって、予め定められた量が入力されたこと(すなわち、予め定められた量(数)のアイテムが消費されていること)を、入力条件としている。ただし、当該入力条件においては、対象視聴者のアイテム消費行動情報の入力が、協力視聴者のアイテムより先であってもよいし、一定期間内に第1の視聴者、第2の視聴者又はその双方のアイテム消費行動情報が入力されていることを追加条件として加えてもよい。
【0363】
例えば、この場合には、視聴位置制御部112は、協力視聴者のアイテム消費行動情報として所定数の投げ銭アイテムの消費指示を受領し、かつ、その後の一定期間内(例えば
、1分以内など仮想イベント側で定めた期間)に対象視聴者のアイテム消費行動情報として所定数の投げ銭アイテムの消費指示を受領した場合には、対象視聴者の投げ銭アイテムと協力視聴者の投げ銭アイテムを合算し、当該合算値に基づいて対象視聴者の位置制御処理を実行する。
【0364】
[5.5]変形例5(複数の視聴者による同一視聴位置に基づく位置制御処理1)
次に、図9に示すように、本実施形態の変形例5(複数の視聴者による同一視聴位置に基づく位置制御処理1)について説明する。
【0365】
なお、図9は、本実施形態の変形例5(複数の視聴者による同一視聴位置に基づく位置制御処理)について説明するための図である。
【0366】
上記実施形態においては、基本的には、各視聴者における位置制御処理を実行するようになっているが、同一チーム(グループ)などの複数の視聴者によって同一視聴位置から仮想イベントを視聴する場合には、同一視聴位置の複数の視聴者の視聴者関連情報を合算して位置制御処理を実行してもよい。
【0367】
すなわち、本変形例においては。同一チームの視聴者によって仮想イベントの視聴環境を共有し、当該仮想イベントに対するチームの一体感を演出することが可能な構成を有している。
【0368】
具体的には、視聴位置制御部112は、このような場合における位置制御処理としては、
(A1)仮想イベントの開始時、又は、当該仮想イベントの実行中に、グループ化された1以上の視聴者から構成されるグループ(すなわち、チーム)の各視聴者の視聴位置を、同一の視聴位置に、設定し、
(A2)位置制御処理を実行する際にグループ化され、同一の視聴位置に設定した各視聴者の視聴者関連情報を集計し、
(A3)集計した視聴者関連情報、及び、各視聴位置の順位付けに応じて、グループの視聴位置について変更制御処理、又は、維持制御処理を実行する、
構成を有している。
【0369】
例えば、図9に示すように、同一のチームの視聴者α、β及びγの仮想カメラの位置がすべて観覧席G列10番に設定されている場合であって、各視聴者α、β及びγのそれぞれのアイテム消費行動情報(視聴者関連情報)における投げ銭アイテムの消費量が「3」、「2」及び「0」の場合を想定する。
【0370】
この場合においては、視聴位置制御部112は、投げ銭アイテムの消費量を合算し、その値(すなわち、消費量「5」)に基づいて変更制御処理、又は、維持制御処理を実行する。
【0371】
特に、視聴位置制御部112は、図9に示すように、変更制御処理によって他の観覧席に仮想カメラの位置を変更する場合には、同一のチームの視聴者α、β及びγの仮想カメラのすべての位置を、変更先の観覧席(例えば、観覧席C列5番)の位置に変更する。
【0372】
なお、本変形例において、変更制御処理及び維持制御処理については、上記の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0373】
また、本変形例のグループやチームは、各視聴者の意志によって生成されてもよいし、各視聴者に対応付けられた属性(例えば上記の視聴者やそのキャラクタの属性、)などに
基づいて、自動的にグループ分けされてもよい。
【0374】
さらに、本変形例においては、視聴位置制御部112は、アイテム消費行動情報などパラメータについては、
(B1)グループ毎に合算することによって、
(B2)各視聴者特定情報の種別の有無や数の場合には、合算値や合算する割合が予め定められた所定のテーブルデータを用いることによって、又は、
(B3)所定の演算によって数値化することによって、
変更制御処理及び維持制御処理を実行する。
【0375】
[5.6]変形例5(複数の視聴者による同一視聴位置に基づく位置制御処理2)
次に、本実施形態の変形例6(複数の視聴者による同一視聴位置に基づく位置制御処理2)について説明する。
【0376】
上記実施形態においては、基本的には、各視聴者における位置制御処理を実行するようになっているが、複数の視聴者によって同一視聴位置から仮想イベントを視聴させてもよい。
【0377】
本変形例においては、各視聴位置には、複数の視聴者の視聴位置として用いるとともに、視聴位置として設定可能なユーザの人数が定まっており、この場合には、視聴位置制御部112は、視聴位置毎に、当該設定可能な人数を管理する。
【0378】
具体的には、各視聴位置には、設定可能なユーザの人数、又は、仮想イベントにおける全体の参加人数に基づく視聴可能人数の割合(%)が定められており、これらの人数や割合は、上述したように、順位やランクによって個々に定められている。
【0379】
そして、視聴位置制御部112は、各視聴位置に定められた人数や人数割合に基づいて、各視聴位置を各視聴者に割り当てるとともに、仮想イベントの実行中に、第1の位置から第2の位置に変更する場合であってm当該第2の位置の視聴人数を超えてしまう場合には、既に第2の位置に視聴位置が設定されている視聴者を他の位置に変更する。
【0380】
すなわち、本変形例においては、同一の視聴位置に複数の視聴者を設定することができる一方、各視聴位置に人数制限をかけて、各視聴者間においてより良い視聴位置を確保するための競争原理を導入することができるようになっている。
【0381】
例えば、所定の座席の座席ランク(例えばAランク)について上位10%の視聴者を設定可能とする場合には、視聴位置制御部112は、視聴者全体の人数が100人の場合には、10人の視聴者を設定し、視聴者全体の人数が10人の場合には、1人の視聴者を設定する。
【0382】
そして、仮想イベントの実行中に、下の座席ランク(例えば、Bランク)に設定されていた視聴者の視聴位置を当該座席(座席Aランクの座席)に変更する場合には、視聴位置制御部112は、既に当該座席に視聴位置が設定されていた視聴者を、他の視聴位置に変更する。
【0383】
なお、この場合に、視聴位置制御部112は、イベント開始前に、座席の上位ランクから順に、各視聴者に座席を割り当てることとすれば、常に上位ランクの座席は常に人数制限と同じ人数の視聴者が設定されていることとなるので、各視聴者間においてより良い視聴位置を確保するための競争原理を導入することができるようになっている。
【0384】
[5.7]変形例7(管理者の操作指示に基づく位置制御処理)
次に、本実施形態の変形例7(管理者の操作指示に基づく位置制御処理)について説明する。
【0385】
上記実施形態においては、仮想イベントの実行中の所与のタイミングに、判定処理の判定結果に基づいて位置制御処理を実行しているが、特典の提供やペナルティの付与、又は、各種のエラーの修正などの特別な対応を行うために、管理者や運営者によって直接視聴者の視聴環境を制御するために、管理者の指示に基づいて、位置制御処理を実行してもよい。
【0386】
具体的には、視聴位置制御部112は、管理者の位置制御処理の実行指示や変更先の仮想カメラの位置などの操作入力を受け付けると、当該受け付けられた管理者の操作指示に基づいて、視聴者の仮想カメラの位置を変更する変更制御処理を実行する。
【0387】
例えば、視聴位置制御部112は、表示制御部103と連動し、管理者による視聴者のカメラ位置の変更を指示するための表示メニューを表示部130に表示するためのメニュー画像を生成し、変更制御処理としては、エンターテイメントの実行中に、当該管理者によって表示部130に表示された表示メニューがリアルタイムに操作された場合に、当該管理者によって指定されたカメラ位置に、該当する視聴者の視聴位置を変更する。
【0388】
一方、上記実施形態において、例えば、視聴者から提供されたアイテム消費行動情報に基づいて位置制御処理が実行されるなどの視聴者関連情報が使用されることによって位置制御処理が実行される場合には、当該視聴者関連情報の使用が管理者によって承認されたことを前提に、位置制御処理が実行されてもよい。
【0389】
例えば、視聴者が多くなり、視聴者関連情報としての提供された投げ銭アイテムの提供者や提供量を特定することが難しくなるような場合であっても、操作者によって整理すること、及び、このような場合であっても、的確に各視聴者の視聴位置を制御するため、当該視聴者関連情報の使用を管理者によって承認するようにしてもよい。
【0390】
具体的には、視聴者関連情報が、例えば、投げ銭アイテムの消費に関する情報であって当該投げ銭アイテムが消費されることによって位置制御処理が実行される場合であって、操作者によって消費対象の投げ銭アイテムの位置制御処理への使用が承認された場合に、視聴位置制御部112は、当該視聴者の位置制御処理を実行する。
【0391】
なお、この場合において、投げ銭アイテムなどの消費対象のアイテムが管理者によって承認がされなかった場合には、視聴位置制御部112は、当該未承認のアイテムを該当する視聴者に還付してもよいし、他のアイテムやチケット又は金銭などによって消費相当分を還元してもよい。
【0392】
[5.8]変形例8(管理者への仮想イベントの表示制御処理)
次に、本実施形態の変形例8(管理者への仮想イベントの表示制御処理)について説明する。
【0393】
上記実施形態においては、管理者によって各視聴者が視聴している仮想イベントの画像(具体的には、各視聴者における仮想カメラの位置から見える仮想イベントの画像)をモニタに表示させてもよい。
【0394】
すなわち、本変形例においては、上記のような管理者における操作の確認などを実行し、当該管理者における煩雑さを低減させるために、モニタ可能な構成を有していてもよい
【0395】
具体的には、表示制御部103は、画像生成部108と連動し、演技キャラクタにおけるパフォーマンスが各視聴者の仮想カメラから見える画像をそれぞれ管理者用のモニタである表示部130に表示させるための制御(多画面表示であってもよいし、切り替え表示であってもよい。)を実行する。
【0396】
また、表示制御部103は、各視聴者の仮想カメラから見える画像を表示部130に表示する際に、それぞれ対応する当該画像に各視聴者の視聴者関連情報を重畳させてもよい。
【0397】
[5.9]変形例9(位置制御処理における各視聴者の視聴実績情報の提供)
次に、本実施形態の変形例9(位置制御処理における各視聴者の視聴実績情報の提供)について説明する。
【0398】
本実施形態において、位置制御処理における滞在した各視聴者の各観覧席、及び、滞在した各観覧席における滞在時間を視聴実績情報として、当該各視聴者に提供してもよい。
【0399】
すなわち、本変形例においては、仮想イベントの視聴に対する視聴者の客観的な状況を各視聴者に認識させ、かつ、当該視聴者の仮想イベントの視聴に対する動機付け(モチベーション)を高めるため、各視聴者の視聴実績を情報として該当する視聴者に提供してもよい。
【0400】
具体的には、視聴位置制御部112は、仮想イベントの視聴中に、
(A1)視聴者の仮想カメラの位置と、当該視聴者の仮想カメラの位置の滞在時間と、を検出し、
(A2)当該検出した視聴者の仮想カメラの位置と、当該視聴者の仮想カメラの位置の滞在時間と、に基づいて、当該視聴者の視聴実績を示す情報を、視聴実績情報として、該当する視聴者に対応付けて、視聴者関連情報記憶部146に記憶し、又は、更新し、その管理を実行する。
【0401】
また、この場合には、情報提供部109は、管理されている各視聴者の視聴実績情報を、対応付けられた各視聴者や他の視聴者に提供する。
【0402】
例えば、各視聴者の視聴実績情報としては、仮想カメラの位置が変更した際の遷移をポイント(特典)やランク付けした情報(他の視聴者との比較可能な情報)であってもよいし、仮想空間内における観覧席の全体マップにそれらの履歴を可視化し、かつ、他の視聴者との優劣を示す情報であってもよい。
【0403】
なお、視聴実績情報としては、仮想カメラの位置の変更した際の遷移を可視化するための情報であれば、これに限られない。
【0404】
[5.10]変形例10(携帯型情報端末装置又は固定設定された端末装置の利用)
本実施形態においては、HMDを用いてエンターテイメントの視聴が行われているが、スマートフォン、又は、タブレット型情報端末装置などの端末装置を用いてエンターテイメントの視聴が実行されてもよい。
【0405】
この場合には、端末装置20は、画像表示部、音出力部、撮像部、及び、モーションセンサやGPS機能を備え、端末装置本体を視聴を希望する方向に向けることによって視聴者の視聴方向を検出し、又は、予め視聴を希望する視聴方向を操作指示し、当該検出した
又は指示された視聴方向の情報をサーバ装置10に提供する。
【0406】
そして、サーバ装置10は、提供された視聴方向に基づいて、観覧席に配置された各仮想カメラからみた仮想空間を画像化して仮想空間画像を生成し、生成した仮想空間画像のデータを該当する端末装置20にそれぞれ随時出力する。
【0407】
なお、この場合には、端末装置20は、カメラ撮像機能を有し、当該撮像した画像に基づいて視聴者の視聴方向を検出してもよい。
【0408】
また、この場合には、端末装置20は、画像表示部に、視聴方向に形成されている仮想空間であって、2次元又は3次元の画像を表示させる。
【0409】
そして、本変形例では、端末装置20は、携帯型の装置としているが、固定設置されたカメラを備えていてもよい。この場合には、端末装置20は、当該固定設定されたカメラと通信を行うことによって、上記の仮想空間の画像を提供する。
【0410】
[6]本実施形態における動作
次に、図10を用いて本実施形態のサーバ装置10によって実行される、位置制御処理に特化した仮想イベント実行処理の動作について説明する。
【0411】
なお、図10は、本実施形態のサーバ装置10によって実行される位置制御処理に特化した仮想イベント実行処理の動作を示すフローチャートである。
【0412】
本動作は、各視聴者が単独で仮想イベントを視聴する場合であって、当該各視聴者の仮想カメラの位置がそれぞれ設定される複数の観覧席及び演技キャラクタのパフォーマンスが実行されるステージを有する仮想空間内の仮想イベントに伴って実行される動作である。
【0413】
そして、本動作においては、各視聴者の視聴者特定情報及び視聴者行動情報(課金履歴情報やアイテム消費行動情報)などの視聴者関連情報が視聴者関連情報記憶部146に既に記憶されているとともに、仮想イベントの実行中に必要に応じて一部の視聴者行動情報によって規定されるパラメータの値が変動しているものとする。
【0414】
さらに、本動作においては、演技キャラクタの演技中には、オブジェクト制御部114は、プログラムに沿って演技キャラクタを含む各オブジェクトを仮想3次元空間に配置させ、移動させ、又は、動作させているものとし、イベント管理部111は、仮想3次元空間の各演出を実行しているものとする。
【0415】
一方、情報取得部104は、仮想イベントの実行中においては、予め定められたタイミング(5ms)毎に、各端末装置20から出力された視線情報を取得し、アバター視線制御部115は、参加者毎に、かつ、視線情報を取得する毎に、各アバターの仮想3次元空間内の視線方向を決定しているものとする。
【0416】
そして、画像生成部108は、仮想イベントの実行中においては、参加者毎に、決定された視線方向に基づいて、観覧席に配置された各仮想カメラからみた仮想3次元空間を画像化して仮想3次元空間画像を生成し、生成した仮想3次元空間画像のデータを該当する端末装置20にそれぞれ随時出力しているものとする。
【0417】
なお、各端末装置20は、各視聴者が仮想イベントの視聴中に、画像生成部108から出力された画像データに基づいて仮想3次元空間の画像を表示するための画像(視差画像
)を生成して視聴者に装着されているHMDユニット200に表示しているものとする。
【0418】
また、本動作は、位置制御処理として、特定タイミングにおけるアイテム消費行動情報(具体的には、投げ銭アイテムの消費)に基づく特定条件判定処理を実行し、仮想カメラの位置を変更する変更制御処理を実行する場合を例に説明する。
【0419】
さらに、本動作においては、ネットワークサービスとして視聴者のログインを前提に当該視聴者に仮想イベントを視聴可能にする場合について説明する。
【0420】
まず、視聴位置制御部112は、仮想イベントの開始前に、端末装置20から送信された視聴者の操作指示であって、ネットワークサービスへのログインを前提に入力された視聴位置を設定するための視聴者の操作指示(以下、「視聴位置の設定指示」ともいう。)を受信すると(ステップS101)、当該ネットワークサービスに当該視聴者をログインさせつつ、観覧席情報記憶部148に記憶されている観覧席情報と、受信した視聴者ID及び視聴する仮想イベントを特定するためのイベントIDに基づいて、仮想カメラを該当する観覧席に設定する(ステップS102)。
【0421】
次いで、イベント管理部111が、所定のタイミングで仮想イベントの実行を開始すると(ステップS103)、当該仮想イベントが終了したか否かを判定する(ステップS104)。
【0422】
このとき、イベント管理部111は、仮想イベントが終了していないと判定した場合には、ステップS105の処理に移行し、当該仮想イベントが終了したと判定した場合には、本動作を終了させる。
【0423】
次いで、イベント管理部111によって仮想イベントが終了していないと判定された場合には、視聴位置制御部112は、仮想イベントの実行開始タイミングから所定の期間経過したタイミングなど特定タイミングが到来したか否かを判定し(ステップS105)、当該特定タイミングが到来していないと判定した場合には、ステップS104の処理に戻る。
【0424】
一方、視聴位置制御部112は、仮想イベントの実行開始タイミングから所定の期間経過したタイミングなど特定タイミングが到来したと判定した場合には、アイテム消費行動情報によって示されるパラメータの値(例えば、投げ銭アイテムの消費量又は当該消費量に基づく課金額)が特定判定条件を具備しているか否かを判定する特定条件判定処理を実行する(ステップS106)。
【0425】
このとき、視聴位置制御部112は、アイテム消費行動情報によって示されるパラメータの値が特定判定条件を具備していないと判定した場合には、ステップS104の処理に戻り、当該パラメータの値が特定判定条件を具備していると判定した場合には、ステップS107の処理に移行する。
【0426】
次いで、視聴位置制御部112は、アイテム消費行動情報によって示されるパラメータの値が特定判定条件を具備していると判定した場合には視聴者の仮想カメラの位置を変更する変更制御処理を実行して(ステップS107)、ステップS104の処理にもどる。
【0427】
なお、視聴位置制御部112は、ステップS107の処理においては、現在の観覧席の視聴環境に対する順位付けと、アイテム消費行動情報によって示されるパラメータの値と、予め特定判定条件に対応付けて定められたいる変更先の条件(例えば、パラメータの変化量とステップアップ幅)と、に応じて、変更先の観覧席を決定し、当該決定した観覧席
に当該視聴者の仮想カメラの位置を設定する。
【0428】
[7]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0429】
本実施形態では、演技キャラクタを注視するシミュレーションイベントとして説明しているが、恋愛シミュレーションなどのその他シミュレーションイベント、対戦イベント又はRPGなどの他のイベントにおいても用いることがきる。
【0430】
また、本実施形態は、一のサーバ装置10によって各イベントを端末装置20に提供してもよいし、複数のサーバ装置10を連動させてサーバシステムを構築し、各イベントを端末装置20に提供してもよい。
【0431】
さらに、本実施形態においては、サーバ装置10によって仮想イベントの制御及び位置制御処理が実行されているが、上記の端末装置20の端末制御ユニット300に、サーバ処理部100の各機能及びイベントプログラムを実行させ、スタンドアローンとして上記のイベントを実現してもよい。また、複数の参加者によってイベントを実行する場合には、さらに、1の端末装置20を上記のサーバとしても機能させてもよい。
【0432】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0433】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0434】
1 :仮想空間内イベント管理システム
10 :サーバ装置
20 :端末装置
100 :サーバ処理部
101 :通信制御部
102 :視聴者管理部
103 :表示制御部
104 :情報取得部
105 :視聴者行動管理部
106 :仮想カメラ制御部
107 :音生成部
108 :画像生成部
109 :情報提供部
110 :イベント制御部
111 :イベント管理部
112 :視聴位置制御部
113 :アバター設定部
114 :オブジェクト制御部
115 :アバター視線制御部
120 :入力部
130 :表示部
140 :記憶部
142 :主記憶部
144 :演出情報記憶部
146 :視聴者関連情報記憶部
148 :観覧席情報記憶部
149 :記憶部
160 :タイマ部
170 :記憶部
180 :情報記憶媒体
196 :通信部
200 :HMDユニット
210 :撮像部
211 :撮像カメラ
212 :画像生成部
220 :モーションセンサ
230 :インターフェース
240 :音出力部
250 :スイッチ
260 :入力部
261 :右目用表示パネル
262 :左目用表示パネル
270 :記憶部
271 :主記憶部
272 :画像バッファ
280 :情報記憶媒体
290 :表示部
296 :通信部
300 :端末制御ユニット
310 :端末処理部
311 :通信制御部
312 :イベント処理部
320 :描画部
330 :音処理部
340 :振動部
341 :振動体
図1
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図10