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特開2022-158735学習装置、学習方法、学習プログラム、探索装置、探索方法及び探索プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158735
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】学習装置、学習方法、学習プログラム、探索装置、探索方法及び探索プログラム
(51)【国際特許分類】
   G10L 15/06 20130101AFI20221006BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20221006BHJP
   G10L 15/24 20130101ALI20221006BHJP
   G10L 15/16 20060101ALI20221006BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20221006BHJP
   G06N 3/08 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G10L15/06 300Z
G06T7/00 350C
G06T7/00 P
G10L15/24 Q
G10L15/16
G10L15/00 200T
G06N3/08
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066027
(22)【出願日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】17/218,165
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ICASSP2020 WEB開催(https://2020.ieeeicassp.org/) 開催日 2020年5月4日~2020年5月8日(公知日:2020年5月8日)
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 康智
(72)【発明者】
【氏名】木村 昭悟
(72)【発明者】
【氏名】川西 隆仁
(72)【発明者】
【氏名】柏野 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ アール. グラス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ハーワス
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA16
5L096CA02
5L096HA11
5L096JA11
5L096JA16
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】視覚的な情報と言語的な情報を精度良く対応付けること。
【解決手段】学習装置は、画像を入力とし、画像を潜在空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデル(画像エンコーダ)を用いて、画像特徴量を算出する。学習装置は、所定の言語の音声を入力とし、音声を潜在空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデル(音声エンコーダ)を用いて、音声特徴量を算出する。学習装置は、第1の画像の画像特徴量と、第1の画像に対応する音声の音声特徴量とが類似するように、画像特徴量算出部111及び音声特徴量算出部121によって用いられる各モデルのパラメータを更新する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を入力とし、前記画像を第1の空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデルを用いて、前記画像特徴量を算出する画像特徴量算出部と、
所定の言語の音声を入力とし、前記音声を前記第1の空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルを用いて、前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出部と、
第1の画像の前記画像特徴量と、前記第1の画像に対応する音声の前記音声特徴量とが類似するように、前記画像特徴量算出部及び前記音声特徴量算出部によって用いられる各モデルのパラメータを更新する更新部と、
を有することを特徴とする学習装置。
【請求項2】
前記音声特徴量算出部は、複数の異なる言語のそれぞれに対応するモデルを用いて、前記複数の異なる言語の音声のそれぞれについて前記音声特徴量を算出し、
前記更新部は、前記音声特徴量及び前記言語のそれぞれについて算出された前記画像特徴量を含む各特徴量が互いに類似するように、前記パラメータを更新することを特徴とする請求項1に記載の学習装置。
【請求項3】
前記音声特徴量算出部は、前記複数の異なる言語の音声であって、切り捨て又は0埋めにより固定長に揃えられた音声のそれぞれについて前記音声特徴量を算出することを特徴とする請求項2に記載の学習装置。
【請求項4】
前記音声特徴量算出部は、前記音声特徴量の算出過程において得られる時間区間ごとの要素を持つ中間特徴量を基に、前記自己注意機構により、前記要素間の類似度を示す自己注意マップを出力し、前記自己注意マップを前記中間特徴量に掛けることにより前記音声特徴量を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の学習装置。
【請求項5】
学習装置によって実行される学習方法であって、
画像を入力とし、前記画像を第1の空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデルを用いて、前記画像特徴量を算出する画像特徴量算出工程と、
所定の言語の音声を入力とし、前記音声を前記第1の空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルを用いて、前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出工程と、
第1の画像の前記画像特徴量と、前記第1の画像に対応する音声の前記音声特徴量とが類似するように、前記画像特徴量算出工程及び前記音声特徴量算出工程によって用いられる各モデルのパラメータを更新する更新工程と、
を含むことを特徴とする学習方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から4のいずれか1項に記載の学習装置として機能させるための学習プログラム。
【請求項7】
所定の言語の音声を入力とし、前記音声を第1の空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、前記音声に対応する画像を前記第1の空間にマッピングした特徴量に前記音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出部と、
前記音声特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせ、又は、類似する音声の組み合わせを探索する探索部と、
を有することを特徴とする探索装置。
【請求項8】
画像を入力とし、前記画像を前記第1の空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデルであって、前記画像に対応する音声を前記第1の空間にマッピングした特徴量に前記画像特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、前記画像特徴量を算出する画像特徴量算出部をさらに有し、
前記探索部は、前記音声特徴量及び前記画像特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせを探索することを特徴とする請求項7に記載の探索装置。
【請求項9】
所定の言語の音声を入力とし、前記音声を第1の空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、前記音声に対応する画像を前記第1の空間にマッピングした特徴量に前記音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、同一の画像に対応する第1の言語の音声及び第2の言語の音声のそれぞれについて前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出部と、
前記音声特徴量を基に、前記第1の言語の音声に含まれる単語と前記第2の言語の音声に含まれる単語との対応関係を示す情報を獲得する獲得部と、
を有することを特徴とする探索装置。
【請求項10】
探索装置によって実行される探索方法であって、
所定の言語の音声を入力とし、前記音声を第1の空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、前記音声に対応する画像を前記第1の空間にマッピングした特徴量に前記音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出工程と、
前記音声特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせ、又は、類似する音声の組み合わせを探索する探索工程と、
を含むことを特徴とする探索方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項7から9のいずれか1項に記載の探索装置として機能させるための探索プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習装置、学習方法、学習プログラム、探索装置、探索方法及び探索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像認識技術によれば、画像に写る多様な物体を特定することができる。さらに、画像へのラベル付けにより、視覚的な情報と言語的な情報を対応付ける技術が知られている。例えば、画像と当該画像の内容を説明する音声(以下、音声キャプションと呼ぶ)のペアデータを大量に用意して、画像の領域と音声キャプションの区間(以下、音声区間と呼ぶ)を対応付ける技術が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】David Harwath, Adria Recasens, Didac Suris, Galen Chuang, Antonio Torralba, James Glass, "Jointly Discovering Visual Objects and Spoken Words from Raw sensory input", International Journal of Computer Vision (2019) (https://doi.org/10.1007/s11263-019-01205-0)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術には、視覚的な情報と言語的な情報を精度良く対応付けることが難しい場合があるという問題がある。例えば、非特許文献1に記載の技術では、画像に写った物体を示す単語が発話された音声区間を、音声キャプションの中から明確に特定することが難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、学習装置は、画像を入力とし、前記画像を第1の空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデルを用いて、前記画像特徴量を算出する画像特徴量算出部と、所定の言語の音声を入力とし、前記音声を前記第1の空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルを用いて、前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出部と、第1の画像の前記画像特徴量と、前記第1の画像に対応する音声の前記音声特徴量とが類似するように、前記画像特徴量算出部及び前記音声特徴量算出部によって用いられる各モデルのパラメータを更新する更新部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、視覚的な情報と言語的な情報を精度良く対応付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る学習装置の構成例を示す図である。
図2図2は、音声キャプションについて説明する説明図である。
図3図3は、言語ごとの音声キャプションの長さの一例を示す図である。
図4図4は、エンコーダ及び潜在空間の模式図である。
図5図5は、自己注意マップの一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る学習装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、第2の実施形態に係る探索装置の構成例を示す図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る探索装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、第3の実施形態に係る探索装置の構成例を示す図である。
図10図10は、第3の実施形態に係る探索装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、第4の実施形態に係る探索装置の構成例を示す図である。
図12図12は、第4の実施形態に係る探索装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図13図13は、単一言語モデルを用いた場合の実験結果を示す図である。
図14図14は、複数言語モデルを用いた場合の実験結果を示す図である。
図15図15は、異なる言語間の探索の実験結果を示す図である。
図16図16は、第5の実施形態に係る探索装置の構成例を示す図である。
図17図17は、第5の実施形態に係る探索装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図18図18は、翻訳知識の一例を示す図である。
図19図19は、学習プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る学習装置、学習方法、学習プログラム、探索装置、探索方法及び、探索プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0009】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る学習装置は、入力された学習用データを用いて、画像エンコーダ及び音声エンコーダを訓練する。そして、学習装置は、訓練済みの各エンコーダを出力する。例えば、学習装置は、各エンコーダのパラメータを出力する。なお、学習装置は、複数の言語のそれぞれに対応した音声エンコーダを訓練してもよい。また、学習用データは、画像及当該画像と対応付けられた音声を含むデータである。
【0010】
画像エンコーダは、画像を入力とし、画像特徴量を出力とするモデルである。また、音声エンコーダは、所定の言語の音声を入力とし、音声特徴量を出力とするモデルである。学習装置は、画像を基に画像エンコーダにより出力される画像特徴量と、当該画像に対応する音声を基に音声エンコーダにより出力される音声特徴量が類似するように、画像エンコーダ及び音声エンコーダを訓練する。
【0011】
[第1の実施形態の構成]
図1は、第1の実施形態に係る学習装置の構成例を示す図である。図1に示すように、学習装置10は、画像特徴量算出部111、音声特徴量算出部121、損失関数構成部131及び更新部132を有する。また、学習装置10は、画像エンコーダ情報112、音声エンコーダ情報122a、音声エンコーダ情報122b及び音声エンコーダ情報122cを記憶する。
【0012】
学習装置10には、画像151、音声キャプション152a、音声キャプション152b及び音声キャプション152cが入力される。また、学習装置10は、更新済みの画像エンコーダ情報112、音声エンコーダ情報122a、音声エンコーダ情報122b及び音声エンコーダ情報122cを出力することができる。
【0013】
ここで、音声キャプションは、画像に対応する音声である。例えば、音声キャプションは、人が画像を見て、その画像の内容を説明するために発した音声を収録した信号によって表される。例えば、音声キャプションは、クラウドソーシングを利用して、各言語の話者に画像を見せ、話者が画像を説明するために発した音声を収録することによって得られてもよい。
【0014】
図2は、音声キャプションについて説明する説明図である。図2には、本実施形態において学習装置10に入力される、異なる3つの言語の音声キャプションが示されている。図2に示すように、本実施形態では、学習装置10には、英語、ヒンディ語及び日本語の音声キャプションが入力されるものとする。
【0015】
例えば、図1の音声キャプション152aは、英語の音声キャプションである。また、例えば、図1の音声キャプション152bは、ヒンディ語の音声キャプションである。また、例えば、図1の音声キャプション152cは、日本語の音声キャプションである。また、図2の音声キャプションに対応する各言語のテキストは、説明のために表示しているものであり、音声キャプションには含まれない。また、ヒンディ語のテキストの下には、当該ヒンディ語のテキストを英訳したテキストが示されている。また、日本語のテキストの下には、当該日本語のテキストを英訳したテキストが示されている。
【0016】
図2の例において、各言語の話者が見る画像は同一である。すなわち、各言語の話者は、2人の人物及びメリーゴーラウンドが写った画像を見る。しかしながら、得られた音声キャプションの内容及び長さはばらついている。つまり、言語が異なる複数の音声キャプションは、必ずしも互いに対訳の関係にならない。これは、例えば言語の文化及び語彙の違いに起因する。
【0017】
図3は、言語ごとの音声キャプションの長さの一例を示す図である。図3の例では、同一の画像に対応する音声キャプションの平均的な長さが、日本語、ヒンディ語、英語の順で長く、単語数も同じ順で多い。本実施形態の音声エンコーダは、互いに言語が異なり、さらに長さや単語数も大きく異なる複数の音声キャプションを同一の空間にマッピングすることができる。
【0018】
画像特徴量算出部111は、画像を入力とし、画像を第1の空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデルである画像エンコーダを用いて、画像特徴量を算出する。また、画像エンコーダ情報112は、画像エンコーダを構築するためのパラメータである。
【0019】
画像特徴量算出部111は、画像エンコーダ情報112を参照し、画像エンコーダを構築する。そして、画像特徴量算出部111は、画像エンコーダに画像151を入力し、画像特徴量を得る。つまり、画像特徴量算出部111は、画像の入力を受け付け、画像特徴量を出力する。
【0020】
音声特徴量算出部121は、所定の言語の音声を入力とし、音声を第1の空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルである音声エンコーダを用いて、音声特徴量を算出する。また、音声エンコーダ情報122a、音声エンコーダ情報122b、音声エンコーダ情報122c、対応する言語の音声エンコーダを構築するためのパラメータである。
【0021】
音声特徴量算出部121は、音声エンコーダ情報122a、音声エンコーダ情報122b、音声エンコーダ情報122cを参照し、音声エンコーダを構築する。そして、音声特徴量算出部121は、対応する音声エンコーダに音声キャプション152a、音声キャプション152b、音声キャプション152cをそれぞれ入力し、音声特徴量を得る。つまり、音声特徴量算出部121は、音声キャプションの入力を受け付け、音声特徴量を出力する。また、音声特徴量算出部121は、複数の異なる言語のそれぞれに対応する音声エンコーダを用いて、複数の異なる言語の音声のそれぞれについて音声特徴量を算出する。
【0022】
前述の通り、画像エンコーダ及び音声エンコーダは、いずれも第1の空間にマッピングされた特徴量を出力する。ここで、第1の空間を潜在空間と呼ぶ。潜在空間は、画像特徴量と音声特徴量によって共有される空間である。
【0023】
図4を用いて、エンコーダ及び潜在空間について詳細に説明する。図4は、エンコーダ及び潜在空間の模式図である。画像エンコーダ113、音声エンコーダ123a、音声エンコーダ123b、音声エンコーダ123cは、いずれもCNN(convolutional neural network)を含む。画像エンコーダ113は、画像用のCNNを含む。音声エンコーダ123aは、英語用のCNNを含む。音声エンコーダ123bは、ヒンディ語用のCNNを含む。音声エンコーダ123cは、日本語用のCNNを含む。さらに、画像エンコーダ113は、空間方向の平均化を行う層を含む。また、各音声エンコーダは、時間方向の平均化を行う層を含む。また、各エンコーダは、出力した特徴量を潜在空間170にマッピングする。
【0024】
ここで、i番目の画像をIiとする。また、画像Iiに対応する英語、ヒンディ語、日本語の音声キャプションをそれぞれAi E、Ai H、Ai Jとする。このとき、画像エンコーダ113は、画像Iiを、d次元の潜在空間170にマッピングする。また、音声エンコーダ123aは、音声キャプションAi Eを、d次元の潜在空間170にマッピングする。また、音声エンコーダ123bは、音声キャプションAi Hを、d次元の潜在空間170にマッピングする。また、音声エンコーダ123cは、音声キャプションAi Jを、d次元の潜在空間170にマッピングする。なお、dはあらかじめ定められた次元数である。例えば、本実施形態では、dは1024である。
【0025】
図4を用いて、画像特徴量算出部111が画像特徴量を得る処理を説明する。まず、画像特徴量算出部111は、224×224ピクセルのRGB画像(3チャンネル)を画像エンコーダ113に入力する。画像エンコーダ113は、事前に訓練されたVGG16(参考文献1を参照)のConv5までの層を含む。
参考文献1:K. Simonyan and A. Zisserman, “Very deep convolutional networks for large-scale image recognition,” in Proc. ICLR, 2015.
【0026】
画像エンコーダ113は、VGG16のConv5の層から、512×14×14のテンソルを中間特徴量として出力する。つまり、画像エンコーダ113は、224×224の画像を14×14にまで縮小する。なお、画像エンコーダによる画像特徴量の出力、及び音声エンコーダによる音声特徴量の出力の過程で得られる特徴量を中間特徴量と呼ぶ。
【0027】
さらに、画像エンコーダ113は、512×14×14のテンソルを、カーネルサイズが3×3のd個のフィルタからなるConv層に入力し、d×14×14のテンソルを出力する。さらに、画像エンコーダ113は、Spatial Meanpool層で空間方向の平均化を行い、d次元の画像特徴ベクトルvi Iを出力する。画像特徴量算出部111は、画像エンコーダ113によって出力された画像特徴ベクトルを、画像特徴量として得る。また、特徴ベクトルは、d次元空間への埋め込みベクトルということができる。
【0028】
図4を用いて、音声特徴量算出部121が音声特徴量を得る処理を説明する。ここでは、音声エンコーダ123a、音声エンコーダ123b及び音声エンコーダ123cの構成は同様であるものとする。また、音声エンコーダ123a、音声エンコーダ123b及び音声エンコーダ123cを区別せずに音声エンコーダ123と呼ぶ場合がある。
【0029】
まず、音声特徴量算出部121は、音声キャプションに対して、フレームシフト長10ms、フレーム長25msの周波数分析、40個のメルフィルタバンク処理を行って得られるT×Fのメルフィルタバンク出力系列を、音声エンコーダ123に入力する。なお、音声エンコーダ123に入力される音声の形式は、メルフィルタバンク出力系列に限られない。例えば、音声エンコーダ123には、STFT(短時間フーリエ変換:short-time Fourier transform)及びMFCC(メル周波数ケプストラム係数:Mel Frequency Cepstrum Coefficients)等が入力されてもよい。
【0030】
また、音声特徴量算出部121は、複数の異なる言語の音声であって、切り捨て又は0埋めにより固定長に揃えられた音声のそれぞれについて音声特徴量を算出する。これにより、長さの異なる音声キャプションをミニバッチ処理することができるようになる。例えば、音声特徴量算出部121は、音声キャプションの時間がTよりも長い場合は、Tより後の音声キャプションを切り捨て、Tよりも短い場合は0埋めをする。Tはあらかじめ定められた音声キャプションの長さである。例えば、本実施形態では、Tは3072(ms)である。
【0031】
音声エンコーダ123は、CNNをベースとするDAVEnet(非特許文献1を参照)、及びSelf-attention(自己注意)層(参考文献2を参照)を含む。図4の例では、Self-attention層は、DAVEnetの出力側に配置される。
参考文献2:H. Zhang, I. Goodfellow, D. Metaxas, and A. Odena, “Self-attention generative adversarial networks,” in Proc. ICML, 2019.
【0032】
音声エンコーダ123は、DAVEnetの最終層であるMax pooling層から、512×T/16のテンソルを中間特徴量として出力する。ここで、DAVEnetによって出力される中間特徴量をx∈RD×Nとする。音声エンコーダ123は、自己注意マップを計算するため、Self-attention層において、(1-1)式及び(1-2)式による特徴量変換を行う。
【0033】
【数1】
【0034】
ここで、Dはチャネル数である。また、Nは中間特徴量の長さ(ここではT/16)に相当する。Self-attention層における特徴量変換は、1×1の畳み込み層によるpointwiseconvolutionによって実装される。例えば、本実施形態では、Dは512であり、 ̄D(Dの直上に ̄)はD/8=64である。
【0035】
さらに、音声エンコーダ123は、自己注意マップβを(2-1)式及び(2-2)式により算出する。βはN×Nの行列である。si,jはi番目の音声特徴量とj番目の音声特徴量との類似の度合いである。(2-2)式に示すように、音声エンコーダ123は、si,jをソフトマックス関数によって行方向に正規化したβi,jを要素とする自己注意マップβを算出する。
【数2】
【0036】
さらに、音声エンコーダ123は、中間特徴量xと自己注意マップからo=xβを計算し、さらに、y=x+oγをSelf-attention層の出力として得る。γは訓練によって最適化されるパラメータの1つである。
【0037】
ここで、DAVEnetの出力側の層では、単語レベルの情報が獲得されることが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。このため、本実施形態のように、DAVEnetの出力側にSelf-attention層を配置することで、音声キャプションから重要な単語の区間が得られることが期待される。
【0038】
音声エンコーダ123は、Self-attention層の出力を、カーネルサイズが1×17のd個のフィルタからなるConv層に入力し、d×T/16のテンソルを出力する。さらに、音声エンコーダ123は、Temporal Meanpool層で時間方向の平均化を行い、d次元の音声特徴ベクトルvi E、vi H、又はvi Jを出力する。音声特徴量算出部121は、音声エンコーダ123によって出力された音声特徴ベクトルを、音声特徴量として得る。
【0039】
このように、音声特徴量算出部121は、音声特徴量の算出過程において得られる時間区間ごとの要素を持つ中間特徴量を基に、自己注意機構により、要素間の類似度を示す自己注意マップを出力し、自己注意マップを中間特徴量に掛けることにより音声特徴量を算出する。本実施形態では、自己注意機構は、Self-attention層として実現されている。
【0040】
学習装置10は、画像特徴ベクトルvi I、音声特徴ベクトルvi E、vi H、vi Jが潜在空間170において近くに配置されるように、各エンコーダのパラメータを訓練する。そこで、損失関数構成部131は、各特徴ベクトルを2つ組み合わせた各組について、12方向からなるTriplet loss(例えば、参考文献3を参照)を損失関数として構成する。なお、損失関数はTriplet lossに限られず、Semi-hard negative mining及びMasked margin softmax loss等であってもよい(例えば、非特許文献1及び参考文献4を参照)。
参考文献3:D. Harwath, G. Chuang, and J. Glass, “Vision as an interlingua: Learning multilingual semantic embeddings of untranscribed speech,” in Proc. ICASSP, 2018.
参考文献4:G. Ilharco, Y. Zhang, and J. Baldridge, “Large-scale representation learning from visually grounded untranscribed speech,” in Proc. CoNLL, 2019.
【0041】
また、更新部132は、第1の画像の画像特徴量と、第1の画像に対応する音声の音声特徴量とが類似するように、画像特徴量算出部111及び音声特徴量算出部121によって用いられる各エンコーダのパラメータを更新する。音声特徴量が複数の場合、更新部132は、音声特徴量及び言語のそれぞれについて算出された画像特徴量を含む各特徴量が互いに類似するように、パラメータを更新する。なお、学習装置10が記憶する音声エンコーダ情報の数は、図示のものに限られない。学習装置10が記憶する音声エンコーダ情報は1つ、2つ又は4つ以上であってもよい。
【0042】
ここで、Self-attention層の出力である自己注意マップには、音声キャプション中の区間であって、画像を表現するための重要な単語の区間が現れる。図5は、自己注意マップの一例を示す図である。画像191には、地面上の岩が写った写真である。自己注意マップ192aは、画像191に対応する英語の音声キャプションから得られたものである。また、自己注意マップ192cは、画像191に対応する日本語の音声キャプションから得られたものである。いずれの自己注意マップにおいても、岩、山、地面等に関する単語の区間が強調されている。
【0043】
[第1の実施形態の処理]
図6は、第1の実施形態に係る学習装置の処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、まず、学習装置10には、画像と、画像に対応する1つ以上の音声キャプションが入力される(ステップS101)。
【0044】
画像特徴量算出部111は、画像から、画像エンコーダを用いてd次元の画像特徴ベクトルを算出する(ステップS102)。また、音声特徴量算出部121は、未処理の音声キャプションがある場合(ステップS103、Yes)、当該未処理の音声キャプションから、対応する言語の音声エンコーダを用いて、d次元の音声特徴ベクトルを算出し(ステップS104)、ステップS103に戻る。なお、画像特徴ベクトルの算出処理(ステップS102)及び各言語の音声特徴ベクトルの算出処理(ステップS104)は、順番に実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。
【0045】
損失関数構成部131は、未処理の音声キャプションがなくなった場合(ステップS103、No)、画像特徴ベクトル及び音声特徴ベクトルを基に損失関数を構成する(ステップS105)。そして、更新部132は、損失関数が最適化されるように各エンコーダのパラメータを更新する(ステップS106)。
【0046】
ここで、学習装置10は、終了条件が充足されている場合(ステップS107、Yes)、処理を終了する。一方、学習装置10は、終了条件が充足されていない場合(ステップS107、No)、ステップS102に戻り更新済みの各エンコーダを使って処理を繰り返す。なお、例えば、終了条件は、用意されたミニバッチ内の全てのデータについて処理が実行済みであること、規定回数だけ処理が繰り返されたこと、パラメータの更新幅が収束したこと等である。
【0047】
[第1の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、画像特徴量算出部111は、画像を入力とし、画像を潜在空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデル(画像エンコーダ)を用いて、画像特徴量を算出する。音声特徴量算出部121は、所定の言語の音声を入力とし、音声を潜在空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデル(音声エンコーダ)を用いて、音声特徴量を算出する。更新部132は、第1の画像の画像特徴量と、第1の画像に対応する音声の音声特徴量とが類似するように、画像特徴量算出部111及び音声特徴量算出部121によって用いられる各モデルのパラメータを更新する。このように、音声特徴量を出力するためのモデルは、自己注意機構により、画像を表現するために重要な単語の区間を特定することができる。その結果、本実施形態によれば、視覚的な情報と言語的な情報を精度良く対応付けることができる。
【0048】
音声特徴量算出部121は、複数の異なる言語のそれぞれに対応するモデルを用いて、複数の異なる言語の音声のそれぞれについて音声特徴量を算出する。更新部132は、音声特徴量及び言語のそれぞれについて算出された画像特徴量を含む各特徴量が互いに類似するように、パラメータを更新する。近年、クラウドソーシングの普及等により、内蔵マイク付きPCさえあれば、画像に対する説明を多言語の音声で収録することは容易になった。一方で、言語の違いにより音声キャプションの長さや単語数は異なる。本実施形態によれば、複数の言語の音声であっても、同一の潜在空間にマッピング可能なモデルを得ることができる。
【0049】
音声特徴量算出部121は、複数の異なる言語の音声であって、切り捨て又は0埋めにより固定長に揃えられた音声のそれぞれについて音声特徴量を算出する。これにより、本実施形態によれば、音声キャプションの長さが異なる場合であっても効率的に特徴ベクトルの算出を行うことができる。さらに、本実施形態によれば、固定長を長めに設定すれば、音声キャプションに含まれる情報が失われることを抑止することができる。
【0050】
音声特徴量算出部121は、音声特徴量の算出過程において得られる時間区間ごとの要素を持つ中間特徴量を基に、自己注意機構により、要素間の類似度を示す自己注意マップを出力し、自己注意マップを中間特徴量に掛けることにより音声特徴量を算出する。このため、本実施形態によれば、画像を表現するために重要な単語を特定することができる。
【0051】
ここからは、これまでに説明した学習装置により訓練されたモデルを用いて、実際に推論を行う処理について説明する。訓練済みの画像エンコーダ及び音声エンコーダによれば、クロスモーダル探索が可能になる。クロスモーダル探索とは、異なる形態のデータを探索することである。例えば、クロスモーダル探索には、音声から画像を探索すること、画像から音声を探索すること、ある言語の音声から他の言語の音声を探索すること等が含まれる。また、各実施形態の説明においては、説明済みの実施形態と同様の機能を有する部には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0052】
[第2の実施形態]
[第2の実施形態の構成]
第2の実施形態では、音声から画像を探索する探索装置について説明する。図7は、第2の実施形態に係る探索装置の構成例を示す図である。図7に示すように、探索装置20は、画像特徴量算出部211、音声特徴量算出部221、探索部232を有する。また、探索装置20は、画像エンコーダ情報212、音声エンコーダ情報222、及び画像特徴量情報231を記憶する。
【0053】
探索装置20には、音声キャプションと複数の画像が入力される。探索装置20に入力される音声キャプションは、探索のためのクエリである。探索装置20は、探索により得られた画像又は画像特徴量を出力する。
【0054】
画像特徴量算出部211は、学習装置10の画像特徴量算出部111と同様に、画像を入力として受け付け、画像特徴量を算出する。ただし、画像エンコーダ情報212は、第1の実施形態で説明した方法により訓練済みである。つまり、画像特徴量算出部211は、画像を入力とし、画像を潜在空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデルであって、画像に対応する音声を潜在空間にマッピングした特徴量に画像特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、画像特徴量を算出する。また、画像特徴量算出部211は、算出した画像特徴量を画像特徴量情報231として蓄積する。
【0055】
また、音声特徴量算出部221は、学習装置10の画像特徴量算出部111と同様に、音声キャプションを入力として受け付け、音声特徴量を出力する。ただし、音声エンコーダ情報222は、第1の実施形態で説明した方法により訓練済みである。つまり、音声特徴量算出部221は、所定の言語の音声を入力とし、音声を潜在空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、音声に対応する画像を潜在空間にマッピングした特徴量に音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、音声特徴量を算出する。また、探索装置20は、各言語に対応した複数の音声エンコーダを用いてもよい。
【0056】
探索部232は、音声特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせを探索する。探索部232は、画像特徴量情報231の中から、入力された音声キャプションから算出され音声特徴量と類似する画像特徴量を探索し、得られた画像特徴量又は当該画像特徴量に対応する画像を出力する。第1の実施形態で説明した通り、音声特徴量と画像特徴量はいずれも同一の潜在空間上にマッピングされる。さらに具体的には、音声特徴量と画像特徴量はいずれもd次元のベクトルである。このため、探索部232は、内積を算出すること等により、音声特徴量と画像特徴量の類似度を容易に比較することができる。
【0057】
[第2の実施形態の処理]
図8は、第2の実施形態に係る探索装置の処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、まず、探索装置20には、複数の画像と、クエリである音声キャプションが入力される(ステップS201)。
【0058】
画像特徴量算出部211は、各画像から、画像エンコーダを用いてd次元の画像特徴ベクトルを算出する(ステップS202)。また、音声特徴量算出部221は、音声キャプションから、対応する言語の音声エンコーダを用いてd次元の音声特徴ベクトルを算出する(ステップS203)。
【0059】
探索部232は、音声特徴ベクトルに類似する画像特徴ベクトルを探索する(ステップS204)。そして、探索部232は、探索により得られた画像特徴ベクトルに対応する画像を出力する(ステップS205)。探索部232は、探索により得られた画像特徴ベクトルを出力してもよい。
【0060】
[第2の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、音声特徴量算出部221は、所定の言語の音声を入力とし、音声を潜在空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、音声に対応する画像を潜在空間にマッピングした特徴量に音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、音声特徴量を算出する。画像特徴量算出部211は、画像を入力とし、画像を潜在空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデルであって、画像に対応する音声を潜在空間にマッピングした特徴量に画像特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、画像特徴量を算出する。探索部232は、音声特徴量及び画像特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせを探索する。このように、第2の実施形態によれば、音声から画像を探索するクロスモーダル探索を行うことができる。
【0061】
[第3の実施形態]
[第3の実施形態の構成]
第3の実施形態では、画像から音声を探索する探索装置について説明する。図9は、第3の実施形態に係る探索装置の構成例を示す図である。図9に示すように、探索装置20Aは、画像特徴量算出部211、音声特徴量算出部221、探索部232を有する。また、探索装置20Aは、画像エンコーダ情報212、音声エンコーダ情報222、及び音声特徴量情報233を記憶する。
【0062】
探索装置20Aには、画像と複数の音声キャプションが入力される。探索装置20Aに入力される画像は、探索のためのクエリである。探索装置20Aは、探索により得られた音声キャプション又は音声特徴量を出力する。
【0063】
画像特徴量算出部211及び音声特徴量算出部221は、第2の実施形態と同様の処理を行う。ただし、音声特徴量算出部221は、算出した音声特徴量を音声特徴量情報233として蓄積する。
【0064】
探索部232は、画像特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせを探索する。探索部232は、音声特徴量情報233の中から、入力された画像から算出された画像特徴量と類似する音声特徴量を探索し、得られた音声特徴量又は当該音声特徴量に対応する音声キャプションを出力する。
【0065】
[第3の実施形態の処理]
図10は、第3の実施形態に係る探索装置の処理の流れを示すフローチャートである。図10に示すように、まず、探索装置20Aには、クエリである画像と、複数の音声キャプションが入力される(ステップS301)。
【0066】
画像特徴量算出部211は、画像から、画像エンコーダを用いてd次元の画像特徴ベクトルを算出する(ステップS302)。また、音声特徴量算出部221は、未処理の音声キャプションがある場合(ステップS303、Yes)、当該未処理の音声キャプションから、対応する言語の音声エンコーダを用いて、d次元の音声特徴ベクトルを算出し(ステップS304)、ステップS303に戻る。
【0067】
探索部232は、未処理の音声キャプションがなくなった場合(ステップS303、No)、画像特徴ベクトルに類似する音声特徴ベクトルを探索する(ステップS305)。そして、探索部232は、探索により得られた音声特徴ベクトルに対応する音声キャプションを出力する(ステップS306)。探索部232は、探索により得られた音声特徴ベクトルを出力してもよい。
【0068】
[第3の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、音声特徴量算出部221は、所定の言語の音声を入力とし、音声を潜在空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、音声に対応する画像を潜在空間にマッピングした特徴量に音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、音声特徴量を算出する。画像特徴量算出部211は、画像を入力とし、画像を潜在空間にマッピングした画像特徴量を出力とするモデルであって、画像に対応する音声を潜在空間にマッピングした特徴量に画像特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、画像特徴量を算出する。探索部232は、音声特徴量及び画像特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせを探索する。このように、第3の実施形態によれば、画像から音声を探索するクロスモーダル探索を行うことができる。
【0069】
[第4の実施形態]
[第4の実施形態の構成]
第4の実施形態では、ある言語の音声から他の言語の音声を探索する探索装置について説明する。図11は、第4の実施形態に係る探索装置の構成例を示す図である。図11に示すように、探索装置20Bは、音声特徴量算出部221及び探索部232を有する。また、探索装置20Bは、音声エンコーダ情報222a及び音声エンコーダ情報222bを記憶する。例えば、音声エンコーダ情報222aからは英語に対応した音声エンコーダが構築される。また、音声エンコーダ情報222bからはヒンディ語に対応した音声エンコーダが構築される。
【0070】
探索装置20Bには、ある言語の複数の音声キャプションと他の言語の音声キャプションが入力される。ここでは、探索装置20Bには、英語とヒンディ語の音声キャプションが入力されるものとする。探索装置20Bに入力されるヒンディ言語の音声キャプションは、探索のためのクエリである。探索装置20Bは、探索により得られた英語の音声キャプション又は音声特徴量を出力する。
【0071】
音声特徴量算出部221は、第2の実施形態と同様の処理を行う。ただし、音声特徴量算出部221は、英語の音声キャプションから算出した音声特徴量を音声特徴量情報233として蓄積する。
【0072】
探索部232は、音声特徴量を基に、類似する音声の組み合わせを探索する。探索部232は、音声特徴量情報233の中から、入力されたヒンディ語の音声キャプションから算出された音声特徴量と類似する英語の音声特徴量を探索し、得られた音声特徴量又は当該音声特徴量に対応する音声キャプションを出力する。
【0073】
[第4の実施形態の処理]
図12は、第4の実施形態に係る探索装置の処理の流れを示すフローチャートである。図12に示すように、まず、探索装置20Bには、クエリである第1の言語の音声キャプションと、複数の第2の言語の音声キャプションが入力される(ステップS401)。例えば、第1の言語の音声キャプションはヒンディ語の音声キャプションである。また、例えば、第2の言語の音声キャプションは英語の音声キャプションである。
【0074】
音声特徴量算出部221は、第1の言語の音声キャプションから、対応する音声エンコーダを用いてd次元の第1の音声特徴ベクトルを算出する(ステップS402)。また、音声特徴量算出部221は、未処理の第2の言語の音声キャプションがある場合(ステップS403、Yes)、当該未処理の第2の言語の音声キャプションから、対応する言語の音声エンコーダを用いて、d次元の第2の音声特徴ベクトルを算出し(ステップS404)、ステップS403に戻る。
【0075】
探索部232は、未処理の音声キャプションがなくなった場合(ステップS403、No)、第1の音声特徴ベクトルに類似する第2の音声特徴ベクトルを探索する(ステップS405)。そして、探索部232は、探索により得られた第2の音声特徴ベクトルに対応する音声キャプションを出力する(ステップS406)。
【0076】
[第4の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、音声特徴量算出部221は、所定の言語の音声を入力とし、音声を潜在空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、音声に対応する画像を潜在空間にマッピングした特徴量に音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、音声特徴量を算出する。このように、第4の実施形態によれば、言語が異なる音声間のクロスモーダル(クロスリンガル)探索を行うことができる。
【0077】
[実験結果]
第1の実施形態から第4の実施形態までの探索装置を用いて行った実験について説明する。実験では、第1の実施形態の学習装置により訓練したエンコーダを用いて、各実施形態の探索装置を用いて探索を行った。
【0078】
実験では、98,555枚の画像とそれらに対応付けられた各言語の音声言語キャプションのうち、97,555件を学習用のデータとし、1,000件を探索用のデータとした。また、各パラメータ等は以下のように設定した。
音声キャプションの長さT:約30秒
潜在空間の次元数d:1024
損失関数:Triplet lossとMargin softmax loss(確率的勾配法により最小化)
損失関数のハイパーパラメータmargin:1
バッチサイズ:100
慣性項(Momentum):0.9
重み減衰(Weight Decay):5×10-7
学習率:初期値を0.001として、40epochsごとに1/10ずつ減衰するようにスケジューリング
評価尺度:Recall@N
【0079】
まず、クエリから得られた特徴ベクトルから、ペアとなる評価用の特徴ベクトルを1,000件の中から探索する場合に、類似度が大きいN件を決定する手法である。クエリから得られた特徴ベクトルと評価用の特徴ベクトルのペアがN件の中に含まれていれば、探索は成功したことになる。このとき、探索成功となる割合がRecall@Nである。Recall@Nは、R@Nのように略記される場合がある。
【0080】
図13は、単一言語モデルを用いた場合の実験結果を示す図である。単一言語モデルとは、1つの言語のみを使って学習を行った場合の各エンコーダである。また、図14は、複数言語モデルを用いた場合の実験結果を示す図である。複数言語モデルとは、複数の言語のみを使って学習を行った場合の各エンコーダである。図4に示されるモデルは、複数言語モデルの一例である。
【0081】
E、H、Jは、それぞれ英語、ヒンディ語、日本語の音声キャプションに対応している、Audio to Imageは、クエリである音声キャプションから画像を探索することを意味する(第2の実施形態に対応)。Image to Audioは、クエリである画像から音声キャプションを探索することを意味する(第3の実施形態に対応)。w/ self-attention layerは、Self-attention層を使うことを意味する。w/o self-attention layerは、Self-attention層を使わないことを意味する。図13及び図14より、Self-attention層を使った方が、全体的にRecall@Nが向上する傾向にあることがわかる。
【0082】
図15は、異なる言語間の探索の実験結果を示す図である。この実験は、第4の実施形態に対応する。図15より、Self-attention層を使った方が、全体的にRecall@Nが向上する傾向にあることがわかる。
【0083】
[第5の実施形態]
[第5の実施形態の構成]
第5の実施形態では、探索装置は、異なる言語間の翻訳知識を獲得する。図16は、第5の実施形態に係る探索装置の構成例を示す図である。探索装置20Cの構成は、第4の実施形態の探索装置20Bの構成と同様である。ただし、探索装置20Cは、探索装置20Bと異なり、獲得部234を有する。
【0084】
音声特徴量算出部221は、所定の言語の音声を入力とし、音声を潜在空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、音声に対応する画像を潜在空間にマッピングした特徴量に音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、同一の画像に対応する第1の言語の音声及び第2の言語の音声のそれぞれについて音声特徴量を算出する。獲得部234は、音声特徴量を基に、第1の言語の音声に含まれる単語と第2の言語の音声に含まれる単語との対応関係を示す情報を獲得する。
【0085】
獲得部234は、音声エンコーダによって時間方向の平均化が行われる前の中間特徴量を用いて、言語間の対応関係を獲得する。例えば、獲得部234は、図4に示す音声エンコーダ123から出力されるT/16×1024の中間特徴量を用いることができる。本実施形態では、Tは3072とする。このとき、中間特徴量は、192×1024の行列である。例えば、第1の言語の音声キャプションの中間特徴量をXA∈R192×1024とし、第2の言語の音声キャプションの中間特徴量をXB∈R192×1024とすると、獲得部234は、(3)式のように、各言語の中間特徴量の内積を対応関係マップMとして算出することができる。
【0086】
【数3】
【0087】
[第5の実施形態の処理]
図17は、第5の実施形態に係る探索装置の処理の流れを示すフローチャートである。図17に示すように、まず、探索装置20Cには、第1の言語の音声キャプションと、第2の言語の音声キャプションが入力される(ステップS501)。例えば、第1の言語の音声キャプションはヒンディ語の音声キャプションである。また、例えば、第2の言語の音声キャプションは英語の音声キャプションである。
【0088】
音声特徴量算出部221は、第1の言語の音声キャプションから、対応する言語の音声エンコーダを用いて、時間成分を持つ第1の中間特徴量を算出する(ステップS502)。そして、音声特徴量算出部221は、第2の言語の音声キャプションから、対応する言語の音声エンコーダを用いて、時間成分を持つ第2の中間特徴量を算出する(ステップS503)。さらに、獲得部234は、第1の中間特徴量と第2の中間特徴量の内積である対応マップを獲得し、出力する(ステップS504)。
【0089】
[第5の実施形態の効果]
音声特徴量算出部221は、所定の言語の音声を入力とし、音声を潜在空間にマッピングした音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、音声に対応する画像を潜在空間にマッピングした特徴量に音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、同一の画像に対応する第1の言語の音声及び第2の言語の音声のそれぞれについて音声特徴量を算出する。獲得部234は、音声特徴量を基に、第1の言語の音声に含まれる単語と第2の言語の音声に含まれる単語との対応関係を示す情報を獲得する。このため、本実施形態によれば、言語間の翻訳知識を精度良く獲得することができる。
【0090】
図18は、翻訳知識の一例を示す図である。図18は、獲得部234によって獲得される対応関係マップである。図18に示すように、自己注意機構を用いることで(w/)、自己注意機構を用いない場合(w/o)と比べて、異なる言語の単語間の対応関係がより明確になる。探索装置20Cは、対応関係マップの値が閾値δ以上となる区間を切り出すことによって、異なる言語の音声キャプションにおける単語の対応関係を翻訳知識として得ることができる。また、探索装置20Cは、該当区間を音声認識することにより、翻訳知識を文字化してもよい。また、翻訳知識は、第4の実施例における探索の副産物として得られるものであってもよい。
【0091】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散及び統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0092】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0093】
[プログラム]
一実施形態として、学習装置10及び探索装置20は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の学習処理又は探索処理を実行するプログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、上記のプログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置を学習装置10又は探索装置20として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等のスレート端末等がその範疇に含まれる。
【0094】
また、学習装置10及び探索装置20は、ユーザが使用する端末装置をクライアントとし、当該クライアントに上記の学習処理又は探索処理に関するサービスを提供するサーバ装置として実装することもできる。例えば、サーバ装置は、学習用のデータを入力とし、訓練済みのエンコーダの情報を出力とするサービスを提供するサーバ装置として実装される。この場合、サーバ装置は、Webサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって上記の処理に関するサービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。
【0095】
図19は、学習プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。なお、探索プログラムについても同様のコンピュータによって実行されてもよい。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0096】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0097】
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、学習装置10の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、学習装置10における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSDにより代替されてもよい。
【0098】
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020は、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した実施形態の処理を実行する。CPU1020は、メモリと連結して上記の実施形態の処理を実行するようにプログラムされたものであってもよい。
【0099】
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な一時的でなくかつコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【符号の説明】
【0100】
10 学習装置
20、20A、20B、20C 探索装置
112、212 画像エンコーダ情報
122a、122b、122c、222 音声エンコーダ情報
111、211 画像特徴量算出部
113 画像エンコーダ
121、221 音声特徴量算出部
123、123a、123b、123c 音声エンコーダ
131 損失関数構成部
132 更新部
151、191 画像
152a、152b、152c 音声キャプション
170 潜在空間
192a、192c 自己注意マップ
231 画像特徴量情報
232 探索部
233 音声特徴量情報
234 獲得部
図1
図2
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図19
【手続補正書】
【提出日】2022-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を入力とし、第1の次元数の画像特徴量を出力とするモデルを用いて、前記画像特徴量を算出する画像特徴量算出部と、
所定の言語の音声を入力とし、前記音声を前記第1の次元数の音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルを用いて、前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出部と、
第1の画像の前記画像特徴量と、前記第1の画像に対応する音声の前記音声特徴量とが類似するように、前記画像特徴量算出部及び前記音声特徴量算出部によって用いられる各モデルのパラメータを更新する更新部と、
を有することを特徴とする学習装置。
【請求項2】
前記音声特徴量算出部は、複数の異なる言語のそれぞれに対応するモデルを用いて、前記複数の異なる言語の音声のそれぞれについて前記音声特徴量を算出し、
前記更新部は、前記音声特徴量及び前記言語のそれぞれについて算出された前記画像特徴量を含む各特徴量が互いに類似するように、前記パラメータを更新することを特徴とする請求項1に記載の学習装置。
【請求項3】
前記音声特徴量算出部は、前記複数の異なる言語の音声であって、切り捨て又は0埋めにより固定長に揃えられた音声のそれぞれについて前記音声特徴量を算出することを特徴とする請求項2に記載の学習装置。
【請求項4】
前記音声特徴量算出部は、前記音声特徴量の算出過程において得られる時間区間ごとの要素を持つ中間特徴量を基に、前記自己注意機構により、前記要素間の類似度を示す自己注意マップを出力し、前記自己注意マップを前記中間特徴量に掛けることにより前記音声特徴量を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の学習装置。
【請求項5】
学習装置によって実行される学習方法であって、
画像を入力とし、第1の次元数の画像特徴量を出力とするモデルを用いて、前記画像特徴量を算出する画像特徴量算出工程と、
所定の言語の音声を入力とし、前記第1の次元数の音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルを用いて、前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出工程と、
第1の画像の前記画像特徴量と、前記第1の画像に対応する音声の前記音声特徴量とが類似するように、前記画像特徴量算出工程及び前記音声特徴量算出工程によって用いられる各モデルのパラメータを更新する更新工程と、
を含むことを特徴とする学習方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から4のいずれか1項に記載の学習装置として機能させるための学習プログラム。
【請求項7】
所定の言語の音声を入力とし、第1の次元数の音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、前記音声に対応する画像から算出された前記第1の次元数の特徴量に前記音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出部と、
前記音声特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせ、又は、類似する音声の組み合わせを探索する探索部と、
を有することを特徴とする探索装置。
【請求項8】
画像を入力とし、前記第1の次元数の画像特徴量を出力とするモデルであって、前記画像に対応する音声から算出された前記第1の次元数の特徴量に前記画像特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、前記画像特徴量を算出する画像特徴量算出部をさらに有し、
前記探索部は、前記音声特徴量及び前記画像特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせを探索することを特徴とする請求項7に記載の探索装置。
【請求項9】
探索装置によって実行される探索方法であって、
所定の言語の音声を入力とし、第1の次元数の音声特徴量を出力とするモデルであって、自己注意機構を備えたニューラルネットワークを含むモデルであって、前記音声に対応する画像から算出された前記第1の次元数の特徴量に前記音声特徴量が類似するように訓練されたモデルを用いて、前記音声特徴量を算出する音声特徴量算出工程と、
前記音声特徴量を基に、類似する画像と音声の組み合わせ、又は、類似する音声の組み合わせを探索する探索工程と、
を含むことを特徴とする探索方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項7又は8に記載の探索装置として機能させるための探索プログラム。