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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158741
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】試験測定装置及び電流測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20221006BHJP
   G01R 19/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G01R15/20 Z
G01R19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077656
(22)【出願日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】17/220,857
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ジー・クニーリム
【テーマコード(参考)】
2G025
2G035
【Fターム(参考)】
2G025AB01
2G025AC01
2G035AA07
2G035AB05
2G035AB13
2G035AD55
(57)【要約】
【課題】被試験デバイスを包囲することなく、被試験デバイスの電流を測定する磁界プローブを校正する。
【解決手段】被試験デバイス(DUT)112の電流を測定する試験測定装置には、磁界プローブ104からの信号を受けるポート12と、プロセッサ106がある。まず、DUT112の電源がオフの状態で、DUT112中の電流伝送導体に校正用の既知の電流を供給する。プロセッサ106は、磁界プローブ104からの信号で、電流伝送導体に生成される既知の電流に基づく磁界を測定し、既知の電流と磁界の測定値に基づいて校正係数を決定する。次に、DUT112の電源をオンにしたら、プロセッサ106は、磁界プローブ104からの信号で、電流伝送導体に生成される未知の電流に基づく磁界を測定し、この磁界の測定値と校正係数を用いて、未知の電流の校正された測定値を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイスの電流を測定するための試験測定装置であって、
磁界プローブからの信号を受けるように構成された入力部と、
上記被試験デバイスの電流伝送導体によって生成される既知の電流に基づく磁界を上記磁界プローブの信号から測定し、
上記既知の電流及び上記磁界の測定値に基づいて校正係数を求め、
上記電流伝送導体の未知の電流の校正された測定値を、上記電流伝送導体によって生成される上記未知の電流に基づく磁界の測定値及び上記校正係数を用いて生成する
よう構成される1つ以上のプロセッサと
を具える試験測定装置。
【請求項2】
上記既知の電流は、上記未知の電流の帯域幅外の連続的な正弦波であり、
上記試験測定装置が、上記磁界プローブの信号から、上記既知の電流によって発生する磁界に基づく成分と、上記未知の電流によって発生する磁界に基づく成分とを分離するように構成されたフィルタを更に具える請求項1の試験測定装置。
【請求項3】
上記既知の電流は、連続的なランダム信号であり、上記校正係数を求めるために、上記既知の電流と磁界の測定値との相互相関を、既知の電流とそれ自体の自己相関で割り算する請求項1の試験測定装置。
【請求項4】
複数の入力部を更に具え、
複数の上記入力部の夫々が、夫々に対応する磁界プローブから信号を受けるように構成され、1つ以上の上記プロセッサは、
上記電流伝送導体によって発生する上記既知の電流に基づく磁界を上記磁界プローブ夫々の信号から測定し、
上記既知の電流と磁界の測定値に基づいて上記磁界プローブの校正係数を求め、
上記電流伝送導体の上記未知の電流の校正された測定値を、上記電流伝送導体によって生成される上記未知の電流に基づく磁界の測定値及び上記校正係数を用いて生成するように更に構成される請求項1から3のいずれかの試験測定装置。
【請求項5】
磁界プローブの信号から被試験デバイス内の電流伝送導体によって発生する既知の電流に基づく磁界を測定する処理と、
上記既知の電流と上記磁界の測定値に基づいて校正係数を求める処理と、
上記電流伝送導体によって生成される未知の電流に基づく磁界の測定値及び校正係数を使用して上記電流伝送導体の上記未知の電流の校正された測定値を生成する処理と
を具える被試験デバイスの電流を測定する方法。
【請求項6】
上記既知の電流は、上記未知の電流の帯域幅外の連続的な正弦波であって、
上記磁界プローブの信号から、既知の電流によって発生する磁界に基づく成分と未知の電流によって発生する磁界に基づく成分とを分離する処理を更に具える請求項5の被試験デバイスの電流を測定する方法。
【請求項7】
上記既知の電流は、連続的なランダム信号であって、
上記校正係数を求める処理が、上記既知の電流と上記磁界の測定値との相互相関を、既知の電流とそれ自身の自己相関で割り算する処理を有する請求項5の被試験デバイスの電流を測定する方法。
【請求項8】
複数の電流伝送導体によって生成される既知の電流に基づく複数の磁界を複数の磁界プローブ夫々の信号から測定する処理と、
既知の電流と磁界の測定値とに基づいて複数の磁界プローブの校正係数を求める処理と、
電流伝送導体の未知の電流の校正された測定値を、上記電流伝送導体によって生成される上記未知の電流に基づく磁界の測定値及び上記校正係数を用いて生成する処理と
を更に具える請求項5から7のいずれかの被試験デバイスの電流を測定する方法。
【請求項9】
コンピュータ・プログラムであって、試験測定装置の1つ以上のプロセッサによって実行されると、上記試験測定装置に請求項5から8のいずれかの方法を実行させる命令を含むコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界プローブを用いて被試験デバイスの電流を測定するための試験測定装置及び方法に関し、特に、電流の校正された測定値を得ることができる試験測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電流は、回路において、電流の周囲に磁界を作り出すため、磁界(Hフィールド:H-field)センサを電流プローブの形で使用できる。Hフィールド・プローブは、電流測定に推奨されてきているが、少なくとも2つの大きな欠点を抱えている。第1に、Hフィールド・プローブで観測される磁界は、電流の流れ自身に加えて、電流の流れからの距離と電流の流れに対する向きの両方の観点で、プローブの配置に影響を受けやすい。第2に、Hフィールド・プローブは、電流が流れている導体の近くにある別のもので発生した磁界の影響を受けやすい。この近くで電流が流れる導体は、所望の電流波形を観測しているときに、非常に大きな干渉、つまり、別の電流波形のクロストークを生じさせることがある。
【0003】
従来のシステムでは、どちらの欠点も、例えば、ロゴスキー・コイルやファラデー効果を利用した光ファイバ電流プローブ(非特許文献1参照)などを用いて目的の電流が流れる導体の周囲を囲む経路周辺の磁界に関して積分する(integrate)か、又は、その導体を磁性コアで包囲することによって磁界を1カ所に集中させることによって、対処されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-215251号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「全光ファイバCT」、東芝レビュー 59巻6号(2004年6月号)、第50~51頁、2004年6月発行、株式会社東芝、[online]、[2021年4月19日検索]、インターネット<https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/techReviewAssets/tech/review/2004/06/59_06pdf/rd2.pdf>
【非特許文献2】「オシロスコープ用のEMC近磁界プローブ」、ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社、[online]、[2021年4月30日検索]、インターネット<https://www.rohde-schwarz.com/jp/product/emc_near-field_probes-productstartpage_63493-73798.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これらのアプローチの両方は、電流が流れる導体の周りに、電流プローブをラッピングする(包む)必要があり、プリント基板上のように、多くの場合で、実用的ではないことがある。このため、目的の電流をプローブで完全に囲む必要なしに、校正とクロストークの問題に対処することが望ましい。
【0007】
本発明の実施例は、これら及び他の従来技術の欠陥に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、被試験デバイスを包み込んだり、包囲する必要なしに、磁界プローブ(即ち、Hフィールド・プローブ)を利用して被試験デバイスの電流を測定し、校正された測定値を得るための試験測定装置及び電流測定方法を開示する。
【0009】
以下で詳述するように、本発明の実施形態例では、被測定電流を流すことになる単一の導体の近辺に配置したHフィールド・プローブを校正可能とするため、一例としては、被測定対象の未知の電流を流さない状態で、この導体に校正用の既知の電流を注入し、結果として生じる磁界をHフィールド・プローブで測定し、測定された磁界(に対応してHフィールド・プローブが示す信号又は値)を既知の電流の値で割り算して校正係数を得る。その後、導体に被測定電流を流し、結果として得られる磁界をHフィールド・プローブで測定し、校正係数を利用することで、校正された被測定電流の測定値が得られる。
【0010】
本発明の実施形態の態様、特徴及び効果は、添付の図面を参照し、以下の実施形態の説明を読むことで明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態の例による試験測定装置のブロック図である。
図2図2は、図1の試験測定装置において磁気プローブを校正する工程の例のフローチャートである。
図3図3は、図1の試験測定装置において磁気プローブを校正する工程の別の例のフローチャートである。
図4図4は、図1の試験測定装置において磁気プローブを校正する工程の別の例のフローチャートである。
図5図5は、図1の試験測定装置で使用する磁界センサの配列を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本願に開示される実施形態例を実現するためのオシロスコープのような例示的な試験測定装置100のブロック図である。試験測定装置100には、1つ又は複数のポート102があり、これは、任意の電気的信号伝達媒体であっても良い。ポート102には、受信機、送信機、トランシーバが含まれても良い。各ポート102は、試験測定装置100のチャンネル内にあっても良い。例えば、本発明のいくつかの実施形態例において、あるポート102は、既知の電流を被試験デバイス112へ出力でき、別のポートは、Hフィールド・プローブ104に接続され、Hフィールド・プローブ104から磁界の値(に対応する電気信号)を受けることができる。ポート102は、Hフィールド・プローブ104からポート102で受信した信号や波形を処理するために、1つ以上のプロセッサ106と結合されている。図を簡潔にするため、図1では、プロセッサ106が1つだけ示されているが、当業者であればわかるように、単一のプロセッサ106ではなくて、多様な形式の複数のプロセッサ106を組み合わせて使用できる。
【0013】
ポート102は、試験測定装置100の測定ユニットにも接続できるが、測定ユニットは、図を簡潔にするために描かれていない。このような測定ユニットは、ポート102を介して受信した信号の特性値(例えば、電圧、アンペア数、振幅等)を測定できる任意のコンポーネントを有していて良い。試験測定装置100は、調整回路(conditioning circuit:可変利得アンプなど)、アナログ・デジタル・コンバータその他の回路など、追加のハードウェアやプロセッサを有し、更なる分析のために受信信号を波形に変換しても良い。結果として生じる波形は、メモリ108に記憶されるのに加えて、表示部110に表示される。
【0014】
1つ以上のプロセッサ106は、メモリ108からの命令を実行するように構成され、被試験デバイス112の電流を測定するためにHフィールド・プローブ104を校正するなど、そのような命令で示される任意の方法や関連するステップを実行しても良い。メモリ108は、プロセッサ・キャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ソリッド・ステート・メモリ、ハード・ディスク・ドライブその他のメモリ形式として実装できる。メモリ108は、データ、コンピュータ・プログラム・プロダクト、その他の命令を記憶するための媒体として機能する。
【0015】
ユーザ入力部114は、1つ以上のプロセッサ106に結合される。ユーザ入力部114には、表示部110上のGUIをユーザがインタラクティブに操作するのに利用できるキーボード、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、その他の任意の操作装置があっても良い。表示部110は、ユーザに対して、波形、測定値、その他のデータを表示する、デジタル・スクリーン、陰極線管ベースのディスプレイ、その他の任意のモニタで良い。図1では、試験測定装置100のコンポーネントが、試験測定装置100内に統合されて描写されているが、当業者であればわかるように、これらのコンポーネントのいずれかが試験測定装置100に外部にあって、従来の任意の方法(例えば、有線や無線の通信メディアやメカニズム)で試験測定装置100に結合されても良い。例えば、いくつかの実施形態では、表示部110が、試験測定装置100から遠隔にあっても良い。
【0016】
図2は、Hフィールド・プローブ104を校正するための試験測定装置100における工程を示すフローチャートである。フローチャートには示されていないが、これは、ユーザが、DUT112上又はDUT112中の被測定電流が流れる目的とする導体(以下、電流伝送導体とも呼ぶ)の近くにHフィールド・プローブ104を配置することで開始できる。また、図2の例では、最初は、被試験デバイス112の電源がオンになっておらず、電流伝送導体には、未知の被測定電流が流れていないとする。Hフィールド・プローブ104が配置されると、いくつかの実施形態例では、試験測定装置100が、1つ以上のポート102を介して、被試験デバイス上の電流伝送導体202に校正用の既知の電流を注入しても良い。別の実施形態例では、校正用の既知の電流を別の装置によって注入しても良い。また、注入する電流の量は、ユーザ入力部(ユーザ・インタフェース)114を介して試験測定装置100に入力されても良い。
【0017】
工程204では、電流伝送導体に校正用の既知の電流が流れている状態で、Hフィールド・プローブ104が、電流伝送導体において電流から生じた磁界を測定しても良い。工程206では、1つ以上のプロセッサ106が、Hフィールド・プローブ104から測定された磁界に応じた信号を受け、校正係数を求めるために、測定された磁界の測定値(具体的には、測定された磁界を示すHフィールド・プローブからの電気信号の値、以下同様)を既知の電流の値で割り算して校正係数を得ても良い。校正係数は、Hフィールド・プローブ104の配置と向きの関数であるが、Hフィールド・プローブ104から監視する被試験電流までの距離が被試験信号周波数や校正信号周波数の波長に比べて小さい限り、被試験信号周波数や校正信号周波数の関数ではない。即ち、Hフィールド・プローブ104は、近磁界放射(near-field radiation)を感知する。
【0018】
その次に、工程208では、被試験デバイス112を、通常の動作条件下(よって、校正用の電流は流れていない)で動作させても良く、Hフィールド・プローブ104が、未知の被測定電流によって生じる磁界を測定しても良い。工程210では、1つ以上のプロセッサ106が、未知の電流に関して測定された磁界測定値(具体的には、測定された磁界を示すHフィールド・プローブからの電気信号の値)を受け、磁界の測定値と校正係数に基づいて、未知の被測定電流の校正された測定値を求める。これは、例えば、1つ以上のプロセッサ106が、測定された磁界測定値(Hフィールド・プローブからの電気信号の値)に校正係数の逆数を掛けて、未知の電流の校正された測定値を決定することによって行われても良い。
【0019】
図2は、被試験デバイス112をオンにして未知の電流を生じさせる前に校正が行われるフローチャートを示している。図2の実施形態例では、意図的か意図的でないかにかかわらず、Hフィールド・プローブ104が物理的に移動したときには、被試験デバイスの電源サイクル(power cycle:電源を切って、再度オンにする一連の動作)を含む再校正ステップを利用すると良い。
【0020】
図3は、未知の電流を測定すると同時に校正を行うことができる本発明の他の例のフローチャートを示している。この例では、工程300において、既知の連続正弦波の電流(例えば、パイロット・トーン(pilot tone:パイロット信号)など)が、被試験デバイス112の電流伝送導体に注入される。また、電流伝送導体には、動作している被試験デバイス112からの未知の被測定電流も流れている。このとき、連続正弦波は、その周波数が、測定を行う帯域幅の外になるようにして生成される。測定を行う帯域幅は、ユーザがユーザ入力部114に入力できるようにしても良く、これに応じて、試験測定装置100は、連続正弦波の周波数が、測定帯域幅の外になるようにしても良い。
【0021】
工程302において、Hフィールド・プローブ104は、校正用の既知の連続正弦波電流によって発生する磁界に加えて、被試験デバイス112の未知の電流によって発生する磁界も測定できる。工程304において、試験測定装置100は、校正用の既知の電流で生じた磁界の測定値(具体的には、同磁界を示すHフィールド・プローブからの電気信号の成分)と、未知の被測定電流で生じた磁界の測定値(具体的には、同磁界を示すHフィールド・プローブからの電気信号の成分)とを分離する。このとき、試験測定装置100は、連続正弦波の周波数が測定帯域幅の外にあることを利用して、連続正弦波によって発生する磁界の成分(を示すHフィールド・プローブからの電気信号の成分)を周波数領域で分離するフィルタを使用しても良い。先に工程206に関して説明したように、工程306において、試験測定装置100は、分離された既知の連続正弦波によって発生した磁界の成分(を示すHフィールド・プローブからの電気信号の成分)を用いて校正係数を算出できる。工程308において、試験測定装置100は、校正係数を用いて、未知の電流の校正された測定値を求めることができる。
【0022】
図4は、Hフィールド・プローブ104を用いて電流の測定値を校正する別の例を示す。図3に示す例と同様に、工程400において、未知の電流の測定中に、校正信号が連続的に電流伝送導体に送信されても良い。しかし、この例の校正信号は、連続的な擬似ランダム・バイナリ・シーケンス(PRBS)信号、スペクトラム拡散正波信号、その他のランダムで広帯域な振幅制限ソース信号のような連続的なランダム信号であっても良い。
【0023】
工程402において、Hフィールド・プローブ104は、連続的なランダム信号によって発生する磁界に加えて、被試験デバイス112の未知の電流によって発生する磁界も測定できる。工程404において、試験測定装置100は、校正係数を算出又は決定できる。この例では、校正係数は、校正電流と測定された磁界の測定値(Hフィールド・プローブからの電気信号で示される)との間の連続的な相互相関を、校正電流とそれ自身の自己相関で割ったものである。次いで、工程406において、測定された磁界の測定値と校正係数の逆数との積から、既知の校正電流を引き算することで、残りの未知の被測定電流の値を決定できる。
【0024】
これら相関関係を計算する期間は、トレードオフの関係を示す。即ち、期間が短いと、Hフィールド・プローブ104の物理的な動きを高速に追跡することを可能にする一方、期間が長いと、校正電流と未知の被測定電流の磁界との間のまぐれ的な(ランダムな)相関もより長い期間に平均化されるので、より良い精度が提供される。
【0025】
なお、本発明の実施形態例は、単一のHフィールド・プローブ104に限定されるものではない。いくつかの例では、複数のHフィールド・プローブ104を用意して、ポート102を介して試験測定装置100に接続されても良い。
【0026】
複数のHフィールド・プローブ104と複数の校正電流源を用いる校正手法は、クロストークの問題を解決するのにも有益なことがある。もし近接するN個の電流導体と、これら同じ電流導体に近接するM個のHフィールド・プローブ104があって、MがN以上であるとすると、N×Mの感度行列Aを定義できる。N×Mの感度行列Aは、成分Ai,jが、導体iに流れる電流によってプローブjに誘導される磁場を表す、として定義できる。
【0027】
Hフィールド・プローブ104の個数Mが、電流導体の個数Nに等しい場合、即ち、M=Nの場合、導体内の未知の電流は、Aの逆行列にHフィールド・プローブ104の測定値Yの列ベクトルを掛け算することによって求められる。Hフィールド・プローブ104の個数Mが、電流導体の個数Nよりも多い場合、即ち、M>Nの場合には、未知電流を最小のノイズで推定するのに、数式1に示す最小二乗線形回帰(least squares linear regression)の手法を適用しても良い。ここで、Cは、未知電流の列ベクトル、Yは、磁界測定値の列ベクトルである。
【0028】
C=[A・AT]-1・A・Y (1)
図2、3及び4に関連して上述した、単一の電流伝送導体及び単一のプローブに関して、校正電流から生じた磁界の測定値と未知電流から生じた磁界の測定値とを分離する実施形態例は、複数の電流伝送導体がある状況についても、同様に適用できる。
【0029】
即ち、例えば、試験装置112の電源をオフしている状態で、一度に1つの電流伝送導体に校正電流を導入しても良く、これによって、一度で、行列Aの1列の測定が行える。別の例では、電流伝送導体夫々のパイロット・トーン信号について異なる周波数を選択することにより、未知の電流と同時に連続的に多数の異なる校正電流を電流伝送導体に送っても良く、結果として得られるHフィールド(磁界)測定値は、周波数領域で分離できる。更に別の例では、複数の校正電流の夫々について、互いに直交する無相関の擬似ランダム・シーケンス(PRBS)を選択しても良い。被試験デバイス112の電源をオンにして既知の電流も同時に流れている場合では、図3及び4に関して上述した例と同様に、未知の被測定電流による磁界の測定値成分も含む測定された磁界の測定値から、既知の電流の夫々によって発生する磁界の測定値成分を分離する必要がある。
【0030】
Aの逆行列(MがNと等しい場合)又はA・AT(MがNより大きい場合)において、大きなノイズの増加を潜在的に避けるために、少なくとも1つのHフィールド・プローブ104を、N個の電流伝送導体の夫々から生じる磁界の近くに正しい向きで配置すると良い。Hフィールド・プローブ104の数が多いほど、ノイズの増加が少なくなる可能性は高まるが、この場合、試験測定装置110では、より多数のチャンネル又はポート102が必要なり、また、多数の磁界センサの波形を捕捉するための試験測定装置100のデジタイザ(図示せず)も必要となるという代償もある。
【0031】
いくつかの実施形態例では、多数のHフィールド・プローブ104は、柔軟な材料又は織物の内部か又はその上に配置されても良い。例えば、図5に示すように、Hフィールド・プローブ104の配列500が、柔軟であっても良い。Hフィールド・プローブ104の配列500の全体は、多数の異なる電流伝送導体を測定するために、被試験デバイスの上に取り付け又は配置されても良い。
【0032】
上述のように、既知の電流が電流伝送導体の夫々に注入するときに、(1)被試験デバイスの電源はオフにされていて未知の被測定電流が流れていない状態、又は、(2)未知の被測定電流が同時に流れているものの、既知の電流は、未知の被測定電流の測定帯域幅から外れた周波数(例えば、より高い周波数)を有するか若しくはランダム・シーケンスであって、既知の電流によって生じる磁界の測定値を分離できる状態、のいずれかとしても良い。Hフィールド・プローブ104の配列500によって、複数の測定点が可能となり、これにより、上記数式1を使って、未知の電流夫々の平均化とより正確な測定が可能になる。配列500によれば、ユーザは、複数の電流伝送導体の近くに、Hフィールド・プローブ104を個別に配置する必要がなくなり、代わりに、ユーザは、配列500の全体で、被試験デバイス12の広い領域に配置できるという利点がある。
【0033】
状況によっては、地球の磁界、商用電力線を流れる電流、電気機械器具などが原因で、被試験デバイス112の外部に、大きな磁界源が存在する場合がある。これら外部の磁界源が、複数のHフィールド・プローブ104の間隔に比較して遠く離れていて、このために、Hフィールド・プローブ104のセンサ配列内の位置に対して、これら磁場が基本的に一定である限り、これら磁場は、空間の3次元の夫々において、Hフィールド・プローブ104のセンサ配列を取り囲む独立した電流ループから生じたものとして扱うことができる。よって、もしHフィールド・プローブ104の個数Mが、電流伝送導体の個数Nプラス3以上である場合、つまり、M≧N+3ならば、1つ以上のプロセッサ106が、N個の電流伝送導体の未知の電流と外部磁界の3つのベクトル成分を解くことができる。
【0034】
M個のHフィールド・プローブ104の夫々が独立して可動な場合、即ち、それぞれが他のものから独立している場合、校正行列Aを求めるには、実際的には、被試験デバイス112の周りに3つの独立した電流ループを配置し、3つの追加の校正電流を供給することが必要となるかもしれない。しかし、M個のHフィールド・プローブ104が、比較的一定の位置と向きで保持されるなら、これらのセンサの外部磁界に対する応答、即ち、行列Aの3つの行は、プローブの製造時に測定して、後ほど校正するときに使用するように、Hフィールド・プローブ104のメモリか、又は、試験測定装置のメモリ108に記憶しておいても良い。
【0035】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0036】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0037】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Versatile Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0038】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体があり得る。

実施例
【0039】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0040】
実施例1は、被試験デバイスの電流を測定するための試験測定装置であって、磁界プローブからの信号を受けるように構成された入力部と、被試験デバイスの電流伝送導体によって生成される既知の電流(校正電流)に基づく磁界を磁界プローブの信号から測定し、上記既知の電流及び上記既知の電流に基づく磁界の測定値に基づいて校正係数を求め、電流伝送導体の未知の電流(被測定電流)の校正された測定値を、上記電流伝送導体によって生成される上記未知の電流に基づく磁界の測定値及び上記校正係数を用いて生成するよう構成される1つ以上のプロセッサとを具えている。
【0041】
実施例2は、実施例1の試験測定装置であって、電流伝送導体によって発生する磁界は、既知の電流と未知の電流に基づいて生成される。
【0042】
実施例3は、実施例2の試験測定装置であって、既知の電流は、その周波数が未知の電流の帯域幅外の連続的な正弦波であり、試験測定装置は、磁界プローブの信号から、既知の電流によって発生する磁界に基づく成分と、未知の電流によって発生する磁界に基づく成分とを分離するように構成されたフィルタを更に具えている。
【0043】
実施例4は、実施例2の試験測定装置であって、既知の電流は、連続的なランダム信号であり、校正係数を求めるのに、既知の電流と磁界の測定値との相互相関を、既知の電流とそれ自身によるものと自己相関で割り算する。
【0044】
実施例5は、実施例4の試験測定装置であって、未知の電流の校正された測定値は、既知の電流の値と校正係数の逆数との積から、既知の電流の値を引き算することによって生成される。
【0045】
実施例6は、実施例1~5のいずれかの試験測定装置であって、複数の入力部を更に具え、これら入力部の夫々が、夫々に対応する磁界プローブから信号を受けるように構成され、1つ以上のプロセッサは、電流伝送導体によって発生する既知の電流に基づく磁界を磁界プローブ夫々の信号から測定し、既知の電流と磁界に基づいて磁界プローブの校正係数を求め、電流伝送導体の未知の電流の校正された測定値を、上記電流伝送導体によって生成される上記未知の電流に基づく磁界及び上記校正係数を用いて生成するように更に構成されている。
【0046】
実施例7は、実施例6の試験測定装置であって、磁界プローブの夫々から測定される磁界の個数は、被試験デバイス中の測定される電流伝送導体の個数以上である。
【0047】
実施例8は、実施例7の試験測定装置であって、磁界プローブの夫々から測定される磁界の個数は、被試験デバイス中の測定される電流伝送導体の個数よりも多い。
【0048】
実施例9は、実施例6の試験測定装置であって、既知の電流の夫々は、未知の電流の帯域幅の外にあって周波数が互いに異なる連続的な正弦波であり、試験測定装置は、磁界プローブの信号から、既知の電流によって発生する磁界に基づく成分と未知の電流によって発生する磁界に基づく成分とを分離するように構成されたフィルタを更に具えている。
【0049】
実施例10は、実施例6の試験測定装置であって、既知の電流の夫々は、連続的なランダム信号であり、校正係数を求めるのに、既知の電流と磁界の測定値との相互相関を、既知の電流とそれ自身によるものとの自己相関で割り算する。
【0050】
実施例11は、実施例10の試験測定装置であって、未知の電流の校正された測定値は、既知の電流値と校正係数の逆数の積から既知の電流値を引き算することによって生成される。
【0051】
実施例12は、実施例6~11の試験測定装置であって、被試験デバイス上の広い領域に渡って配置されるように構成された柔軟な磁界プローブの配列を更に具えている。
【0052】
実施例13は、被試験デバイスの電流を測定する方法であって、被試験デバイス内の電流伝送導体によって発生する既知の電流に基づく磁界を磁界プローブで測定する処理と、既知の電流と磁界の測定値に基づいて校正係数を求める処理と、電流伝送導体によって生成される未知の電流に基づく磁界の測定値及び校正係数を使用して電流伝送導体の未知の電流の校正された測定値を生成する処理とを具えている。
【0053】
実施例14は、実施例13の方法であって、上記磁界は、既知の電流及び未知の電流に基づいて電流伝送導体によって生成される磁界を含む。
【0054】
実施例15は、実施例14の方法であって、既知の電流は、未知の電流の帯域幅外の連続的な正弦波であり、上記方法が、磁界プローブの信号から、既知の電流によって発生する磁界に基づく成分と未知の電流によって発生する磁界に基づく成分とを分離する処理を更に具えている。
【0055】
実施例16は、実施例14の方法であって、既知の電流は、連続的なランダム信号であり、校正係数を求める処理が、既知の電流と磁界の測定値との相互相関を、既知の電流とそれ自身の自己相関で割り算する処理を有している。
【0056】
実施例17は、実施例16の方法であって、未知の電流の校正された測定値は、既知の電流の値と校正係数の逆数の積から既知の電流の値を引き算することによって生成される。
【0057】
実施例18は、実施例13~17のいずれかの方法であって、複数の電流伝送導体によって生成される既知の電流に基づく複数の磁界を複数の磁界プローブ夫々の信号から測定する処理と、既知の電流と磁界の測定値とに基づいて複数の磁界プローブの校正係数を求める処理と、電流伝送導体の未知の電流の校正された測定値を、上記電流伝送導体によって生成される上記未知の電流に基づく磁界の測定値及び上記校正係数を用いて生成する処理とを更に具えている。
【0058】
実施例19は、実施例18の方法であって、磁界プローブの夫々から測定される磁界の個数は、被試験デバイス中の測定される電流伝送導体の個数以上である。
【0059】
実施例20は、実施例19の方法であって、磁界プローブの夫々から測定される磁界の個数は、被試験デバイス中の測定される電流伝送導体の個数よりも多い。
【0060】
実施例21は、コンピュータ・プログラムであって、試験測定装置の1つ以上のプロセッサによって実行されると、試験測定装置に被試験デバイス中の電流伝送導体によって生成された既知の電流に基づく磁界を測定させ、既知の電流と磁界に基づいて校正係数を求めさせ、電流伝送導体の未知の電流の校正された測定値を、上記電流伝送導体によって生成される上記未知の電流に基づく磁界及び上記校正係数を用いて生成させる命令を含んでいる。
【0061】
実施例22は、実施例21のコンピュータ・プログラムであって、既知の電流は、未知の電流の帯域幅外の連続的な正弦波であり、上記コンピュータ・プログラムが、磁界プローブの信号から、既知の電流によって発生する磁界に基づく成分と、未知の電流によって発生する磁界に基づく成分とを分離する命令を更に含んでいる。
【0062】
実施例23は、実施例21のコンピュータ・プログラムであって、既知の電流は、連続的なランダム信号であり、校正係数を求める処理が、既知の電流と磁界の測定値との相互相関を、既知の電流とそれ自体の自己相関で割り算する処理を有している。
【0063】
実施例24は、実施例23のコンピュータ・プログラムであって、未知の電流の校正された測定値は、既知の電流の値と校正係数の逆数の積から既知の電流を引き算することによって生成される。
【0064】
開示された要旨に係る上述の複数の実施形態の例は、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべての実施形態において、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0065】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例の状況において開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例の状況においても利用できる。
【0066】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0067】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0068】
100 試験測定装置
102 ポート
104 Hフィールド・プローブ
106 プロセッサ
108 メモリ
110 表示部
112 被試験デバイス
114 ユーザ・入力部
500 プローブの配列
図1
図2
図3
図4
図5