(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159750
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】被加工物の研削方法
(51)【国際特許分類】
B24B 49/04 20060101AFI20221011BHJP
B24B 7/00 20060101ALI20221011BHJP
B24B 7/04 20060101ALI20221011BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
B24B49/04 Z
B24B7/00 A
B24B7/04 A
H01L21/304 631
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064136
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長井 修
【テーマコード(参考)】
3C034
3C043
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034BB73
3C034BB82
3C034BB93
3C034CA03
3C034CA04
3C034CA22
3C034CB08
3C034DD07
3C034DD10
3C043BA04
3C043BA09
3C043BA15
3C043BA16
3C043BA17
3C043CC04
3C043CC12
3C043DD05
3C043DD12
5F057AA03
5F057BA19
5F057BB03
5F057BB05
5F057CA14
5F057DA11
5F057EB15
5F057GA01
5F057GA13
5F057GB02
5F057GB13
(57)【要約】
【課題】加工効率を落とさず、第1の板状物の上に貼り合わせされた第2の板状物を均一な厚みに研削できる被加工物の研削方法を提供すること。
【解決手段】被加工物の研削方法は、第2の板状物120の厚み分布が均一になるように、保持面と、仕上げ研削ホイールの仕上げ研削面との傾きを相対的に調整する傾き調整ステップ1005を備える。傾き調整ステップ1005は、仕上げ研削ステップ1006済みの被加工物100の粗研削後測定ステップ1003で測定した第2の板状物120の厚み分布201と、これから仕上げ研削ステップ1006を実施する被加工物100の粗研削後測定ステップ1003で測定した第2の板状物120の厚み分布204との差分111を算出し、仕上げ研削ステップ1006済みの被加工物100の仕上げ研削ステップ1006の際の傾きを差分111に応じて新たな傾きに調整する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の板状物の上に第2の板状物が積層された被加工物の該第2の板状物を仕上げ厚みに研削する被加工物の研削方法であって、
該被加工物の研削方法は、
保持テーブルの保持面に該第1の板状物側を保持する保持ステップと、
該第2の板状物を粗研削ホイールで研削する粗研削ステップと、
該粗研削ステップの実施後に、該第2の板状物の厚みを径方向に複数箇所測定し、該第2の板状物の厚み分布を測定する粗研削後測定ステップと、
該粗研削ステップ及び粗研削後測定ステップが実施された該第2の板状物を仕上げ研削ホイールで研削する仕上げ研削ステップと、
該仕上げ研削ステップの実施後に、該第2の板状物の厚みを径方向に複数箇所測定し、該第2の板状物の厚み分布を測定する仕上げ研削後測定ステップと、
該第2の板状物の厚み分布が均一になるように、該保持面と、仕上げ研削ホイールの研削面との傾きを相対的に調整する傾き調整ステップと、を備え、
該傾き調整ステップは、該仕上げ研削ステップ済みの被加工物の粗研削後測定ステップで測定した該第2の板状物の厚み分布と、これから仕上げ研削ステップを実施する被加工物の粗研削後測定ステップで測定した該第2の板状物の厚み分布との差分を算出し、該仕上げ研削ステップ済みの被加工物の仕上げ研削ステップの際の該傾きを該差分に応じて新たな傾きに調整し、新たな該傾きでこれからの該仕上げ研削ステップを実施するように調整することを特徴とする被加工物の研削方法。
【請求項2】
該傾き調整ステップは、該仕上げ研削ステップ済みの被加工物の仕上げ研削後測定ステップで測定した該第2の板状物の厚み分布を加味して、より該第2の板状物の厚みが均一になるように該傾きを調整することを特徴とする請求項1に記載の被加工物の研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼り合わせウエーハ等の貼り合わせされた被加工物を研削する研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
研削装置においては、研削後のウエーハの厚み分布に基づき、保持面と研削砥石との傾きを調整して次のウエーハを平坦に研削できる様にする手法がとられている。しかし調整前に研削したウエーハは平坦に研削できず厚みばらつきがあるため不良になる恐れがある。そこで仕上げ研削中に、一度研削をとめて被加工物の厚み分布を測定し、保持面と研削砥石との傾きを調整したのちに、研削を再開するリグラインドと呼ばれる手法がとられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、リグラインドするために研削を一時停止することは非効率的である。また、ガラスやシリコンなどの支持基板となる第1の板状物の上に、研削対象となる第2の板状物が積層されている被加工物の場合、支持基板の形状に厚みばらつきがあると、被加工物全体の仕上げ厚みを平坦に仕上げても第2の板状物を均一に研削する事ができない。そこで、貼り合わせされた被加工物において支持基板となる第1の板状物の径方向の厚み分布を粗研削後に測定し、その形状に応じて仕上げ研削用の研削ホイールの研削面と、保持面と、の傾きを調整し、仕上げ研削をすることで、第2の板状物の厚みを均一にする加工方法が提案されているが、貼り合わせされた被加工物によっては、貼り合わせ面にデバイスや金属パターンを含む回路などが形成されていて、光を透過しないため、非接触の測定ユニットによって第1の板状物の厚み分布を測定できないという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、加工効率を落とさず、第1の板状物の上に貼り合わせされた第2の板状物を均一な厚みに研削できる被加工物の研削方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の被加工物の研削方法は、第1の板状物の上に第2の板状物が積層された被加工物の該第2の板状物を仕上げ厚みに研削する被加工物の研削方法であって、該被加工物の研削方法は、保持テーブルの保持面に該第1の板状物側を保持する保持ステップと、該第2の板状物を粗研削ホイールで研削する粗研削ステップと、該粗研削ステップの実施後に、該第2の板状物の厚みを径方向に複数箇所測定し、該第2の板状物の厚み分布を測定する粗研削後測定ステップと、該粗研削ステップ及び粗研削後測定ステップが実施された該第2の板状物を仕上げ研削ホイールで研削する仕上げ研削ステップと、該仕上げ研削ステップの実施後に、該第2の板状物の厚みを径方向に複数箇所測定し、該第2の板状物の厚み分布を測定する仕上げ研削後測定ステップと、該第2の板状物の厚み分布が均一になるように、該保持面と、仕上げ研削ホイールの研削面との傾きを相対的に調整する傾き調整ステップと、を備え、該傾き調整ステップは、該仕上げ研削ステップ済みの被加工物の粗研削後測定ステップで測定した該第2の板状物の厚み分布と、これから仕上げ研削ステップを実施する被加工物の粗研削後測定ステップで測定した該第2の板状物の厚み分布との差分を算出し、該仕上げ研削ステップ済みの被加工物の仕上げ研削ステップの際の該傾きを該差分に応じて新たな傾きに調整し、新たな該傾きでこれからの該仕上げ研削ステップを実施するように調整することを特徴とする。
【0007】
該傾き調整ステップは、該仕上げ研削ステップ済みの被加工物の仕上げ研削後測定ステップで測定した該第2の板状物の厚み分布を加味して、より該第2の板状物の厚みが均一になるように該傾きを調整してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、加工効率を落とさず、第1の板状物の上に貼り合わせされた第2の板状物を均一な厚みに研削できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る被加工物の研削方法を実施する加工装置の構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の加工装置の粗研削ユニット及び仕上げ研削ユニットを示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1の加工装置の非接触測定ユニットを示す断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る被加工物の研削方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る被加工物の研削方法の処理を説明する説明図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る被加工物の研削方法の処理を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0011】
〔実施形態〕
本発明の実施形態に係る被加工物の研削方法を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る被加工物の研削方法を実施する加工装置1の構成例を示す斜視図である。
図2は、
図1の加工装置の粗研削ユニット30及び仕上げ研削ユニット40を示す断面図である。
図3は、
図1の加工装置1の非接触測定ユニット60を示す断面図である。加工装置1は、
図1に示すように、装置本体10と、保持テーブル20と、ターンテーブル25と、粗研削ユニット30と、仕上げ研削ユニット40と、接触測定ユニット50と、非接触測定ユニット60と、制御ユニット70と、カセット81,82と、位置合わせユニット83と、搬入ユニット84と、搬出ユニット85と、洗浄ユニット86と、搬出入ユニット87と、を備える。
【0012】
加工装置1の加工対象である被加工物100は、本実施形態では、
図1に示すように、第1の板状物110と、第1の板状物110の上に積層された第2の板状物120と、を備える。また、被加工物100は、本実施形態では、第1の板状物110と第2の板状物120との境界面130において、第1の板状物110と第2の板状物120とを貼り合わせている貼合せ部材をさらに備える。第1の板状物110及び第2の板状物120は、本実施形態では、例えば、シリコン、サファイア、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムヒ素、リチウムタンタレート(LiTaO
3、LT)、ガラスなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハである。貼合せ部材は、本実施形態では、例えば、酸化膜やポリビニルアルコール(PolyVinyl Alcohol、PVA)、エポキシ等の樹脂である。
【0013】
ターンテーブル25は、
図1に示すように、装置本体10の上面に設けられた円盤状のテーブルであり、XY平面に平行な水平面内で回転自在に設けられ、所定のタイミングで回転駆動される。このターンテーブル25上には、例えば3つの保持テーブル20が、例えば120°の位相角で等間隔に配設されている。これらの3つの保持テーブル20は、ターンテーブル25の回転によって、搬入搬出位置201、粗研削位置202、仕上げ研削位置203、搬入搬出位置201に順次移動される。
【0014】
これら3つの保持テーブル20は、
図2及び
図3に示すように、凹部が形成された円盤状の枠体22と、凹部内に嵌め込まれた円盤形状の吸着部23と、を備える。枠体22は、ステンレス等で円盤状に形成されている。また、吸着部23は、多数のポーラス孔を備えたアルミナを含むポーラスセラミック等から形成されている。吸着部23は、吸引路26を介して吸引源27と接続されている。これら3つの保持テーブル20の吸着部23の上面は、被加工物100が載置されて、載置された被加工物100を吸引保持する保持面21である。保持面21は、例えば、被加工物100が被加工面(被研削面)となる第2の板状物120側を上方に向けて載置され、載置された被加工物100の第1の板状物110側(下方側)を吸引保持する。
【0015】
保持面21とこれら3つの保持テーブル20の枠体22の上面とは、本実施形態では、
図2に示すように、保持テーブル20の回転中心である中心28を頂点とし、外周が僅かに低い円錐面状に形成されている。保持面21は、
図2及び
図3に示す例では、保持面21を形成する円錐の底面に対して傾斜角θ1だけ傾斜している。なお、保持面21は、本発明ではこれに限定されず、平坦に形成されていてもよい。
【0016】
これら3つの保持テーブル20は、ターンテーブル25上において、ターンテーブル25とは独立して、それぞれ、不図示の回転駆動源が接続されており、不図示の回転駆動源により保持テーブル20の中心28を通過する所定の回転軸回りに回転自在に設けられている。また、これら3つの保持テーブル20は、下方に、保持テーブル20の回転軸を鉛直方向と平行なZ軸方向に対して傾斜させる回転軸調整ユニット29が設けられている。回転軸調整ユニット29は、後述する粗研削ユニット30で粗研削する際や、仕上げ研削ユニット40で仕上げ研削する際に、保持テーブル20の保持面21の傾斜を調整する際に使用される。回転軸調整ユニット29は、
図2及び
図3に示す例では、保持テーブル20全体を水平面に対して傾斜角θ2だけ傾斜させている。なお、本実施形態では、傾斜角θ2は、
図2及び
図3に示すように、保持テーブル20の回転軸の中心28の向く方向を、後述する粗研削ユニット30の粗研削ホイール33や仕上げ研削ユニット40の仕上げ研削ホイール43の回転軸から遠ざける方向に傾ける場合には正の値とし、近付ける方向に傾ける場合には負の値として取り扱う。
【0017】
粗研削ユニット30は、
図1及び
図2に示すように、スピンドル31の下端に装着され、粗研削砥石32を環状に配置した粗研削ホイール33を回転させながら、粗研削位置202に位置付けられた保持テーブル20に保持された被加工物100の第2の板状物120側に、粗研削送りユニット34により研削送り方向(鉛直方向と平行なZ軸方向)に沿って押圧することによって、粗研削ホイール33で被加工物100の第2の板状物120側を粗研削する。粗研削ホイール33は、被加工物100を粗研削面35に沿って粗研削して、被加工物100の被加工面(被研削面)を粗研削面35と平行に形成する。
【0018】
仕上げ研削ユニット40は、
図1及び
図2に示すように、スピンドル41の下端に装着され、仕上げ研削砥石42を環状に配置した仕上げ研削ホイール43を回転させながら、仕上げ研削位置203に位置付けられた保持テーブル20に保持された粗研削済みの被加工物100の第2の板状物120側に、仕上げ研削送りユニット44により研削送り方向に沿って押圧することによって、仕上げ研削ホイール43で被加工物100の第2の板状物120側を仕上げ研削する。仕上げ研削ホイール43は、被加工物100を仕上げ研削面45に沿って仕上げ研削して、被加工物100の被加工面(被研削面)を仕上げ研削面45と平行に形成する。
【0019】
粗研削ホイール33は、仕上げ研削砥石42よりも大きな粒径の砥粒で形成された粗研削砥石32により、仕上げ研削ホイール43よりも粗く被加工物100の第2の板状物120側を研削する。仕上げ研削ホイール43は、粗研削砥石32よりも小さな粒径の砥粒で形成された仕上げ研削砥石42により、粗研削ホイール33よりも細かく平坦に被加工物100の第2の板状物120側を研削する。
【0020】
粗研削ユニット30及び仕上げ研削ユニット40は、本実施形態では、いずれも、保持テーブル20上の被加工物100の第2の板状物120側に純水等の研削液を供給しながら、被加工物100の第2の板状物120側を研削する。
【0021】
接触測定ユニット50は、本実施形態では、粗研削位置202付近と、仕上げ研削位置203付近との2箇所に設けられている。接触測定ユニット50は、
図1に示すように、接触した位置の高さを測定する2本の接触式のプローブ51,52を備える。なお、接触測定ユニット50は、
図2及び
図3では図示が省略されている。接触測定ユニット50は、一方のプローブ51が、粗研削位置202または仕上げ研削位置203に位置付けられた保持テーブル20の保持面21の高さを測定し、他方のプローブ52が、当該保持テーブル20の保持面21に保持された被加工物100の第2の板状物120側の外縁よりわずかに内側の領域の上面の高さを測定し、一方のプローブ51が測定した高さと他方のプローブ52が測定した高さとの差異に基づいて被加工物100の外縁よりわずかに内側の領域の厚み、すなわち、第1の板状物110の厚みと第2の板状物120の厚みとの合計値を測定し、その厚みの測定結果を制御ユニット70に送信する。
【0022】
非接触測定ユニット60は、粗研削位置202に位置付けられた保持テーブル20の保持面21の上方に、
図3に示すように、保持面21側を向けて径方向に沿って配された複数(
図3に示す例では3つ)の光学系のセンサ61を備える。光学系のセンサ61は、被加工物100に向けて、第2の板状物120の上面と第2の板状物120の下面とによってそれぞれ反射される波長のレーザー光等の光を照射し、この光の干渉波の受光し、受光した干渉波に基づいて、光学系のセンサ61が発光及び受光した位置における第2の板状物120の厚みを測定する。なお、第2の板状物120の下面によって反射されるとは、本実施形態では、貼合せ部材の層は含まない、第1の板状物110と第2の板状物120との間の境界面130によって反射されることを指す。非接触測定ユニット60は、このような複数の光学系のセンサ61により、第2の板状物120の径方向の厚み分布を測定することができる。
【0023】
制御ユニット70は、加工装置1の各種構成要素の動作を制御して、被加工物100の第2の板状物120側の粗研削処理及び仕上げ研削処理を加工装置1に実施させて、実施形態に係る被加工物の研削方法を加工装置1に実施させる。
【0024】
制御ユニット70は、本実施形態では、コンピュータシステムを含む。制御ユニット70が含むコンピュータシステムは、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有する。制御ユニット70の演算処理装置は、制御ユニット70の記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、加工装置1を制御するための制御信号を、制御ユニット70の入出力インターフェース装置を介して加工装置1の各構成要素に出力する。
【0025】
カセット81,82は、
図1に示すように、複数の被加工物100を収容するための収容器である。また、位置合わせユニット83は、カセット81から取り出された被加工物100が仮置きされて、その中心位置合わせを行うためのテーブルである。
【0026】
搬入ユニット84は、吸着パッドを有し、位置合わせユニット83で位置合わせされた研削処理前の被加工物100を吸着保持して搬入搬出位置201に位置付けられた保持テーブル20上に搬入する。搬出ユニット85は、搬入搬出位置201に位置付けられた保持テーブル20上に保持された研削処理後の被加工物100を吸着保持して洗浄ユニット86に搬出する。洗浄ユニット86は、研削処理後の被加工物100を洗浄し、研削された被加工面(被研削面)に付着している研削屑等のコンタミネーションを除去する。
【0027】
搬出入ユニット87は、
図1に示すように、例えば円形型ハンドを備えるロボットピックであり、円形型ハンドによって被加工物100を吸着保持して被加工物100を搬送する。具体的には、搬出入ユニット87は、研削処理前の被加工物100をカセット81,82から位置合わせユニット83へ搬出するとともに、研削処理後の被加工物100を洗浄ユニット86からカセット81,82へ搬入する。
【0028】
次に、本明細書は、実施形態に係る被加工物の研削方法の処理を図面に基づいて説明する。実施形態に係る被加工物の研削方法の処理は、加工装置1によって実施される。
図4は、実施形態に係る被加工物の研削方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5及び
図6は、実施形態に係る被加工物の研削方法の処理を説明する説明図である。
【0029】
実施形態に係る被加工物の研削方法は、加工装置1により、カセット81,82に収容された同種の複数枚の被加工物100を1枚ずつ、被加工物100における第2の板状物120を厚みが均一になるように順次研削加工する方法であり、1枚目の被加工物100の研削処理と、2枚目以降の被加工物100の研削処理とで、その処理手順が異なる。1枚目の被加工物100の研削処理は、
図4のステップ1004でYesであり、研削量を約半分にした仕上げ研削ステップ1006(半仕上げ研削ステップ)及び仕上げ研削後測定ステップ1007(半仕上げ後研削ステップ)の各処理を1回ずつ実施後に、
図4のステップ1008のYesを経て、傾き調整ステップ1005以降の処理を実施する。2枚目以降の被加工物100の研削処理は、
図4のステップ1004,1008でNoであり、研削量を約半分にした仕上げ研削ステップ1006(半仕上げ研削ステップ)及び仕上げ研削後測定ステップ1007(半仕上げ後研削ステップ)の各処理を実施せずに傾き調整ステップ1005以降の処理を実施する。1枚目の被加工物100の研削処理は、
図5に示している。2枚目以降の被加工物100の研削処理は、
図6に示している。実施形態に係る被加工物の研削方法は、全部の被加工物100の研削加工が終了するまで(ステップ1009でNo)、2枚目以降の被加工物100における第2の板状物120の研削加工処理(ステップ1001~1003、1005~1007)を繰り返し実施し、全部の被加工物100の研削加工が終了すると(ステップ1009でYes)、処理を終了する。
【0030】
まず、1枚目の被加工物100の研削処理について、
図4及び
図5を用いて説明する。実施形態に係る被加工物の研削方法における1枚目の被加工物100の研削処理は、
図4及び
図5に示すように、保持ステップ1001と、粗研削ステップ1002と、粗研削後測定ステップ1003と、傾き調整ステップ1005と、仕上げ研削ステップ1006と、仕上げ研削後測定ステップ1007と、を備える。1枚目の被加工物100の研削処理では、仕上げ研削ステップ1006は、傾き調整ステップ1005の実施前に実施する研削量を最終的な仕上げ研削予定厚みの半分程度の厚み分にした半仕上げ研削ステップと、半仕上げ研削ステップ及び傾き調整ステップ1005の実施後に実施する本仕上げ研削ステップとを含む。また、仕上げ研削後測定ステップ1007は、半仕上げ研削ステップの実施後かつ傾き調整ステップ1005の実施前に実施する半仕上げ研削後測定ステップと、傾き調整ステップ1005の実施後かつ本仕上げ研削ステップの実施後に実施する本仕上げ研削後測定ステップとを含む。
【0031】
保持ステップ1001は、保持テーブル20の保持面21に被加工物100の第1の板状物110側を保持するステップである。保持ステップ1001では、制御ユニット70は、搬入搬出位置201に位置付けられた保持テーブル20の保持面21上に、搬入ユニット84により第2の板状物120側を上方に向けて被加工物100を載置し、保持テーブル20の保持面21に吸引路26を介して吸引源27からの負圧を導入することで、保持テーブル20の保持面21で被加工物100の第1の板状物110側を吸引保持する。
【0032】
粗研削ステップ1002は、第2の板状物120を粗研削ホイール33で粗研削するステップである。粗研削ステップ1002では、まず、制御ユニット70は、保持ステップ1001により保持面21で被加工物100の第1の板状物110側を吸引保持した保持テーブル20を、ターンテーブル25を回転させることにより、搬入搬出位置201から粗研削位置202に移動させる。粗研削ステップ1002では、次に、制御ユニット70は、接触測定ユニット50により被加工物100の全体の概ねの厚みを測定した後、
図2に示すように、スピンドル31を回転させることにより粗研削ホイール33を回転させながら、粗研削位置202に位置付けられかつ回転軸調整ユニット29により水平面に対して所定の傾斜角(
図2に示す例では傾斜角θ2)だけ傾斜させた保持テーブル20に保持された被加工物100の第2の板状物120側に、粗研削送りユニット34により研削送り方向に沿って押圧することによって、粗研削ホイール33で第2の板状物120を粗研削する。加工装置1は、このように粗研削ステップ1002で第2の板状物120を粗研削することにより、
図5に示すように、第2の板状物120の厚みを全体的に薄くする。粗研削ステップ1002では、本実施形態では、第2の板状物120を例えば90~100μm程度の厚みまで薄くする。
【0033】
粗研削後測定ステップ1003は、粗研削ステップ1002の実施後、かつ、後述する仕上げ研削ステップ1006の実施前に、第2の板状物120の厚みを径方向に複数箇所測定し、第2の板状物120の厚み分布を測定するステップである。粗研削後測定ステップ1003では、まず、制御ユニット70は、粗研削ステップ1002により第2の板状物120側を粗研削した被加工物100を吸引保持した保持テーブル20を、ターンテーブル25を回転させることにより、粗研削位置202から仕上げ研削位置203に移動させる。粗研削後測定ステップ1003では、次に、制御ユニット70は、非接触測定ユニット60によって、第2の板状物120の上面と第2の板状物120の下面とに光を照射し、上面と下面とから反射した光の干渉によって第2の板状物120の厚みを径方向に複数箇所(
図3の例では3箇所)測定することにより、第2の板状物120の径方向の厚み分布を測定する。制御ユニット70は、このように粗研削後測定ステップ1003を実施することにより、
図5に示すように、1枚目の被加工物100の粗研削ステップ1002実施後の第2の板状物120の径方向の厚み分布201を取得する。
【0034】
仕上げ研削ステップ1006は、第2の板状物120を仕上げ研削ホイール43で仕上げ研削するステップである。半仕上げ研削ステップ及び本仕上げ研削ステップは、いずれも、同様に第2の板状物120を仕上げ研削ホイール43で仕上げ研削するステップである。仕上げ研削ステップ1006では、制御ユニット70は、
図2に示すように、スピンドル41を回転させることにより仕上げ研削ホイール43を回転させながら、仕上げ研削位置203に位置付けられかつ回転軸調整ユニット29により水平面に対して所定の傾斜角(
図2に示す例では傾斜角θ2)だけ傾斜させた保持テーブル20に保持された被加工物100の第2の板状物120側に、仕上げ研削送りユニット44により研削送り方向に沿って押圧することによって、第2の板状物120を仕上げ研削ホイール43で仕上げ研削する。
【0035】
仕上げ研削後測定ステップ1007は、仕上げ研削ステップ1006の実施後に、第2の板状物120の厚みを径方向に複数箇所測定し、第2の板状物120の厚み分布を測定するステップである。半仕上げ研削後測定ステップ及び本仕上げ研削後測定ステップは、いずれも、同様に第2の板状物120の厚み分布を測定するステップである。仕上げ研削後測定ステップ1007では、制御ユニット70は、粗研削後測定ステップ1003と同様の方法で、非接触測定ユニット60によって第2の板状物120の径方向の厚み分布を測定する。
【0036】
半仕上げ研削ステップでは、
図5に示すように、第2の板状物120の厚みを最終的な仕上げ研削予定厚みの半分程度の厚み分薄くし、本実施形態では、第2の板状物120を例えば15~25μm程度研削する。なお、半仕上げ研削ステップにおいて研削される研削量は研削予定厚みの半分程度に限らず、半仕上げ後測定ステップの実施後の本仕上げ研削ステップで第2の板状物120の径方向の厚み分布のばらつきを解消できる程度の研削量が残されていれば良く、適宜調整されて良い。半仕上げ研削後測定ステップでは、
図5に示すように、半仕上げ研削ステップ実施後の第2の板状物120の径方向の厚み分布202を取得する。
【0037】
1枚目の被加工物100の研削処理における傾き調整ステップ1005は、制御ユニット70が、半仕上げ研削後測定ステップで取得した半仕上げ研削ステップ実施後の第2の板状物120の径方向の厚み分布202に基づいて、追って実施する本仕上げ研削ステップ実施後の第2の板状物120の径方向の厚み分布が均一になるように、すなわちこの厚み分布202を打ち消す(解消する)方向に、保持面21と、仕上げ研削ホイール43の仕上げ研削面45との傾きを相対的に調整するステップである。この傾き調整ステップ1005では、まず、制御ユニット70は、この厚み分布202に基づいて、
図5に示す、この厚み分布202の傾斜角θ3を算出する。なお、本実施形態では、制御ユニット70は、傾斜角θ3を、この厚み分布202が中央で凸の場合には正の値とし、この厚み分布202が中央で凹の場合には負の値として取り扱う。この傾き調整ステップ1005では、次に、制御ユニット70は、
図5に示すように、回転軸調整ユニット29により、保持テーブル20全体の傾斜角θ2を傾斜角(θ2-θ3)に調整することで、厚み分布202の傾斜角θ3を打ち消すことができる。
【0038】
本仕上げ研削ステップは、傾き調整ステップ1005で保持面21と仕上げ研削ホイール43の仕上げ研削面45との傾斜を相対的に調整した後に実施している。このため、本仕上げ研削ステップでは、
図5に示すように、第2の板状物120の径方向の厚み分布は均一になる。本仕上げ研削ステップでは、本実施形態では、第2の板状物120を例えば50μm程度の厚みまで薄くする。本仕上げ研削後測定ステップでは、
図5に示すように、本仕上げ研削ステップ実施後の第2の板状物120の径方向の厚み分布203を取得する。
【0039】
次に、2枚目以降の被加工物100の研削処理について、
図4及び
図6を用いて説明する。実施形態に係る被加工物の研削方法における2枚目以降の被加工物100の研削処理は、
図4及び
図6に示すように、保持ステップ1001と、粗研削ステップ1002と、粗研削後測定ステップ1003と、傾き調整ステップ1005と、仕上げ研削ステップ1006と、仕上げ研削後測定ステップ1007と、を備える。
【0040】
2枚目以降の被加工物100の研削処理は、1枚目の被加工物100の研削処理において、半仕上げ研削ステップ及び半仕上げ研削後測定ステップを省略し、傾き調整ステップ1005を変更したものであり、その他のステップでの処理は共通するので、傾き調整ステップ1005のみについて説明し、その他のステップでの処理の説明を省略する。2枚目以降の被加工物100の研削処理における傾き調整ステップ1005は、
図6に示すように、個体差算出ステップ1005-1と、調整ステップ1005-2と、を備える。
【0041】
個体差算出ステップ1005-1は、制御ユニット70が、
図6に示すように、研削済みの被加工物100の粗分布と、研削中の被加工物100の粗分布とに基づいて、研削済みの被加工物100と研削中の被加工物100との個体差である、研削済みの被加工物100と研削中の被加工物100との第1の板状物110の厚み分布の相対的な差分111を算出するステップである。ここで、研削済みの被加工物100は、仕上げ研削ステップ1006済みの被加工物100(
図6に示す例では、1枚目の被加工物100)のことであり、研削中の被加工物100は、粗研削ステップ1002を実施し、これから仕上げ研削ステップ1006を実施する被加工物100(
図6に示す例では、2枚目の被加工物100)のことである。また、粗分布は、粗研削後測定ステップ1003で測定した第2の板状物120の厚み分布(
図6に示す例では、研削済みの被加工物100については1枚目の厚み分布201、研削中の被加工物100については厚み分布204)のことである。
【0042】
個体差算出ステップ1005-1では、具体的には、制御ユニット70は、研削済みの被加工物100の粗研削後測定ステップ1003で測定された第1の板状物110の径方向の厚さ分布である粗分布から研削中の被加工物100の粗研削後測定ステップ1003で測定された第1の板状物110の径方向の厚さ分布である粗分布を差し引くことにより、第1の板状物110の厚み分布の相対的な差分111を算出する。個体差算出ステップ1005-1では、そして、制御ユニット70は、
図6に示すように、第1の板状物110の厚み分布の相対的な差分111の傾斜角θ6を算出する。個体差算出ステップ1005-1で算出される傾斜角θ6は、本実施形態では、研削済みの被加工物100の粗研削ステップ1002時の保持テーブル20の傾斜角θ2と研削中の被加工物100の粗研削ステップ1002時の保持テーブル20の傾斜角θ2とを同じとしているので、単純に研削済みの被加工物100の粗分布の傾斜角θ4から研削中の被加工物100の粗分布の傾斜角θ5を差し引いた値となる。なお、傾斜角θ4,θ5,θ6の正負は、上記した傾斜角θ3の正負と同じ定義である。個体差算出ステップ1005-1で算出される傾斜角θ6は、粗研削ステップ1002時の保持テーブル20の傾斜角θ2を被加工物100毎に変更している場合には、この傾斜角θ2の変更分も加味して算出される。
【0043】
調整ステップ1005-2は、個体差算出ステップ1005-1の実施後に、制御ユニット70が、
図6に示すように、個体差算出ステップ1005-1で算出した差分111に基づき、研削済みの被加工物100の仕上げ分布のフィードバックを加味して、追って実施する仕上げ研削ステップ1006実施後の第2の板状物120の径方向の厚み分布が均一になるように、すなわち研削中の被加工物100の粗分布の傾斜角θ5を打ち消す(解消する)方向に、保持面21と、仕上げ研削ホイール43の仕上げ研削面45との傾きを相対的に調整するステップである。ここで、仕上げ分布は、仕上げ研削後測定ステップ1007で測定した第2の板状物120の厚み分布(
図6に示す例では、研削済みの被加工物100については1枚目の厚み分布203)のことである。
【0044】
調整ステップ1005-2では、まず、制御ユニット70は、
図6に示すように、研削済みの被加工物100の仕上げ分布(
図6に示す例では、厚み分布203)の傾斜角θ7を算出する。調整ステップ1005-2では、次に、差分111の傾斜角θ6を加算する方向に、かつ、厚み分布203の傾斜角θ7を打ち消す(解消する)方向に、保持面21と、仕上げ研削ホイール43の仕上げ研削面45との傾きを相対的に調整する。調整ステップ1005-2では、制御ユニット70は、
図6に示すように、回転軸調整ユニット29により、保持テーブル20全体の傾斜角を、仕上げ研削ステップ1006済みの被加工物100の仕上げ研削ステップ1006時の傾斜角(θ2-θ3)から傾斜角(θ2-θ3+θ6-θ7)に調整することで、研削済みの被加工物100の粗分布の傾斜角θ4及び仕上げ分布の傾斜角θ7をフィードバックしつつ、研削中の被加工物100の粗分布の傾斜角θ5を打ち消すことができる。
【0045】
ここで、個体差算出ステップ1005-1及び調整ステップ1005-2における研削済みの被加工物100は、常に1枚目の被加工物100としてもよいし、研削中の被加工物100の直前に研削済みとなった被加工物100としてもよい。
【0046】
なお、1枚目の被加工物100の研削処理における傾き調整ステップ1005は、2枚目以降の被加工物100の研削処理における傾き調整ステップ1005において、1枚目の被加工物100と1枚目の被加工物100との個体差を算出する個体差算出ステップ1005-1を省略し、研削済みの被加工物100の仕上げ分布の傾斜角を打ち消す代わりに自身の被加工物100の半仕上げ研削ステップ後の厚み分布202を打ち消すように調整ステップ1005-2を実施しているものであるので、2枚目以降の被加工物100の研削処理における傾き調整ステップ1005とは本質的に同じであると言える。
【0047】
以上のように、実施形態に係る被加工物の研削方法は、制御ユニット70が、1枚目の被加工物100について、一度研削をとめて被加工物の厚み分布を測定し、保持面と研削砥石との傾きを調整したのちに、研削を再開するリグラインドを実施し、2枚目以降の被加工物100について、先に研削済みの被加工物100を基準として、研削済みの粗分布から研削中の粗分布を差し引くことにより第1の板状物110の厚み分布の相対的な差分111を算出し、この差分111の傾斜角θ6を加算する方向に、保持面21と、仕上げ研削ホイール43の仕上げ研削面45との傾きを相対的に調整することで、追って実施する仕上げ研削処理で第2の板状物120を均一な厚みに研削できる。このため、実施形態に係る被加工物の研削方法は、2枚目以降の被加工物100の加工効率を落とさずに、厚みを直接測定できない第1の板状物110の上に貼り合わせされた第2の板状物120を均一な厚みに研削できるという作用効果を奏する。
【0048】
なお、1枚目の被加工物100を厚み調整のために犠牲にしても良い場合は、1枚目の被加工物100に関してもリグラインドを実施しなくても良い。その場合、2枚目の被加工物100について、2枚目の被加工物100の粗研削後測定ステップ1003で測定された第1の板状物110の径方向の厚み分布と、1枚目の被加工物100について実施された粗研削後測定ステップ1003で測定された第1の板状物110の径方向の厚み分布との差分111と、1枚目の被加工物100の仕上げ研削後測定ステップ1007において測定された第2の板状物120の厚み分布と、から、第2の板状物120の径方向の厚み分布が仕上げ研削ステップ1006の実施後に平坦になるように保持面21の傾きを算出し、傾き調整ステップ1005を実施してもよい。
【0049】
また、実施形態に係る被加工物の研削方法は、制御ユニット70が、先に研削済みの被加工物100仕上げ分布の傾斜角θ7をフィードバックして、傾斜角θ7を打ち消す方向に、保持面21と、仕上げ研削ホイール43の仕上げ研削面45との傾きを相対的に調整する。このため、実施形態に係る被加工物の研削方法は、複数枚の被加工物100の研削加工処理中に変化する加工装置1や粗研削ホイール33、仕上げ研削ホイール43のコンディション等の物理的要因を加味して、第2の板状物120をより均一な厚みに研削できるという作用効果を奏する。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 加工装置
20 保持テーブル
21 保持面
30 粗研削ユニット
33 粗研削ホイール
40 仕上げ研削ユニット
43 仕上げ研削ホイール
45 仕上げ研削面
50 接触測定ユニット
60 非接触測定ユニット
100 被加工物
110 第1の板状物
120 第2の板状物
130 境界面
201,202,203,204,205 厚み分布