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特開2022-159962測定制御装置、測定システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159962
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】測定制御装置、測定システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20220101AFI20221011BHJP
   G08C 25/00 20060101ALI20221011BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20221011BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20221011BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20221011BHJP
【FI】
G06F3/048
G08C25/00 A
G08C19/00 U
G06Q50/04
G06F3/0482
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021064487
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】石岡 鷹幸
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 謙太
【テーマコード(参考)】
2F073
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
2F073AA16
2F073AA21
2F073AB01
2F073BB04
2F073BC03
2F073CC05
2F073CC07
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD06
2F073DE02
2F073DE13
2F073EE16
2F073EF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073FG06
2F073FG11
2F073FH06
2F073FH07
2F073GG01
2F073GG09
5E555AA54
5E555AA79
5E555BA21
5E555BB21
5E555BC04
5E555BC05
5E555CA48
5E555CB33
5E555CB48
5E555CC01
5E555DB20
5E555FA00
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】測定機において使用するパートプログラムの測定対象物ごとの設定作業を容易にする。
【解決手段】本発明の測定制御装置は、少なくともパートプログラム識別情報が記録されたコードを読み取るコードリーダと、コードの読み取りを契機に、コードに記録されたパートプログラム識別情報に対応するパートプログラムの起動コマンドを測定装置に送信し、当該測定装置に、予め備えるパートプログラムに従った処理を実行させる測定情報提供手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともパートプログラム識別情報が記録されたコードを読み取るコードリーダと、
前記コードの読み取りを契機に、前記コードに記録された前記パートプログラム識別情報に対応するパートプログラムの起動コマンドを測定装置に送信し、前記測定装置に、予め備える前記パートプログラムに従った処理を実行させる測定情報提供手段と、
を備える測定制御装置。
【請求項2】
前記測定情報提供手段は、
パートプログラムを特定する情報が対応付けられたGUI部品の登録を予め受け付け、表示手段に表示させた前記GUI部品に対する入力操作により前記パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを前記測定装置に送信可能とされ、
登録済の前記GUI部品への、入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の対応付けを受け付け、
前記コードの読み取りを契機に、前記コードに記録されたパートプログラム識別情報と同じパートプログラム識別情報が対応付けられた前記GUI部品に対する入力操作を自動的に実行して、前記パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを前記測定装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の測定制御装置。
【請求項3】
前記測定情報提供手段は、
登録済の前記GUI部品へのパートプログラム識別情報の対応付けを、前記コード内の前記パートプログラム識別情報の記録位置の指定、及び前記GUI部品に対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の指定を受け付けることにより行い、
前記コード内の指定された記録位置に記録されたパートプログラム識別情報を、指定により前記GUI部品に対応付けられたパートプログラム識別情報と照合して、一致する前記GUI部品に対して入力操作を自動的に実行する
ことを特徴とする請求項2に記載の測定制御装置。
【請求項4】
前記測定情報提供手段は、
前記GUI部品の登録に際し、更に、複数の前記測定装置のうちいずれを用いるかを特定する情報を対応付け、
前記GUI部品に対する入力操作が実行された際に、前記GUI部品に対応付けられた前記測定装置に、前記パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを送信する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の測定制御装置。
【請求項5】
少なくともパートプログラム識別情報と測定対象物識別情報が記録されたコードを読み取るコードリーダと、
前記コードの読み取りを契機に、前記コードに記録された前記パートプログラム識別情報に対応するパートプログラムの起動コマンドと、前記コードに記録された前記測定対象物識別情報を測定装置に送信し、前記測定装置に前記パートプログラムに従った処理を実行させる測定情報提供手段と、
を備える測定制御装置と、
予め備える前記パートプログラムに従った処理を実行して、測定結果に前記測定対象物識別情報を付して出力する測定装置と、
を備える測定システム。
【請求項6】
前記測定情報提供手段は、
前記パートプログラムを特定する情報が対応付けられたGUI部品の登録を予め受け付け、表示手段に表示させた前記GUI部品に対する入力操作により前記パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを前記測定装置に送信可能とされ、
登録済の前記GUI部品への、入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の対応付けを受け付け、
前記コードの読み取りを契機に、前記コードに記録された前記パートプログラム識別情報と同じパートプログラム識別情報が対応付けられた前記GUI部品に対する入力操作を自動的に実行して、前記パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドと、前記コードに記録された前記測定対象物識別情報を前記測定装置に送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の測定システム。
【請求項7】
前記測定情報提供手段は、
登録済の前記GUI部品へのパートプログラム識別情報の対応付けを、前記コード内の前記パートプログラム識別情報の記録位置の指定、及び前記GUI部品に対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の指定を受け付けることにより行い、
前記コード内の指定された記録位置に記録されたパートプログラム識別情報を、指定により前記GUI部品に対応付けられたパートプログラム識別情報と照合して、一致する前記GUI部品に対して入力操作を自動的に実行し、
登録済の前記GUI部品について、前記コード中の前記測定対象物識別情報の記録位置の指定を受け付け、前記GUI部品に対する入力操作の実行時に、前記コード中の当該記録位置から読み取った情報を前記測定対象物識別情報として前記測定装置に送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の測定システム。
【請求項8】
前記測定情報提供手段は、
前記GUI部品の登録に際し、更に、複数の前記測定装置のうちいずれを用いるかを特定する情報を対応付け、
前記GUI部品に対する入力操作が実行された際に、前記GUI部品に対応付けられた前記測定装置に、前記パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドと、前記コードに記録された測定対象物識別情報を送信する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の測定システム。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から8のいずれか1項に記載の測定情報提供手段として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的な測定作業の実現に資する測定制御装置、測定システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
測定機による測定対象物の測定及び測定値の解析の作業は、例えば、測定作業者が測定対象物の個体を特定するための情報及び測定に用いるパートプログラム(測定・解析の流れに従い順次実行される各種コマンドがまとめて記述されたプログラム)を確認し、測定装置が備える制御端末にパートプログラムのファイル名等を手入力して、測定装置にパートプログラムに従った測定処理を実行させる、という流れで行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
測定に際し、測定作業者が測定対象物ごとに、測定に用いるパートプログラムの確認や必要な情報の入力作業を行う必要があり、手間がかかる上に入力誤りが生じやすい。
【0004】
本発明の目的は、効率的な測定作業の実現に資する測定制御装置、測定システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の測定制御装置は、少なくともパートプログラム識別情報が記録されたコードを読み取るコードリーダと、コードリーダによるコードの読み取りを契機に、コードに記録されたパートプログラム識別情報に対応するパートプログラムの起動コマンドを測定装置に送信し、当該測定装置に、予め備えるパートプログラムに従った処理を実行させる測定情報提供手段と、を備える。
【0006】
このように構成された測定制御装置によれば、測定対象物に付されたコードを読み取ることで、自動的にパートプログラムが特定され、測定対象物がセットされた測定装置において当該パートプログラムに従った測定処理を実行させることができるため、パートプログラムを特定するファイル名などの情報を測定装置に手入力する必要がなくなり、効率的な測定作業を実現することができる。
【0007】
測定情報提供手段は、パートプログラムを特定する情報が対応付けられたGUI部品の登録を予め受け付け、表示手段に表示させたGUI部品に対する入力操作によりパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを測定装置に送信可能とされ、登録済のGUI部品への、入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の対応付けを受け付け、コードリーダによるコードの読み取りを契機に、コードに記録されたパートプログラム識別情報と同じパートプログラム識別情報が対応付けられたGUI部品に対する入力操作を自動的に実行して、パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを測定装置に送信するように構成してもよい。
【0008】
また、測定情報提供手段は、登録済のGUI部品へのパートプログラム識別情報の対応付けを、コード内のパートプログラム識別情報の記録位置の指定、及びGUI部品に対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の指定を受け付けることにより行い、コード内の指定された記録位置に記録されたパートプログラム識別情報を、指定によりGUI部品に対応付けられたパートプログラム識別情報と照合して、一致するGUI部品に対して入力操作を自動的に実行するように構成してもよい。
【0009】
このように構成された測定制御装置によれば、入力操作によりパートプログラムを特定する情報を測定装置に提供するランチャーボタンなどのGUI部品を予め登録しておき、例えばそのプロパティとして、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報を設定することで、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報とパートプログラムとを容易に対応付けることができる。これにより、GUI部品に対するクリックなどによる直接的な入力操作によっても、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報と同じパートプログラム識別情報が記録されたコードの読み取りによっても、測定装置にパートプログラムに従った測定処理を実行させることができる。
【0010】
また、測定情報提供手段は、GUI部品の登録に際し、更に、複数の測定装置のうちいずれを用いるかを特定する情報を対応付け、GUI部品に対する入力操作が実行された際に、GUI部品に対応付けられた測定装置に、パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを送信するように構成してもよい。
【0011】
このように構成された測定制御装置によれば、測定装置が複数ある場合においても、ボタンクリックなどによる直接的な入力操作又はコード読み取りによる自動入力操作によって、所定の測定装置にパートプログラムに従った測定処理を実行させることが可能となる。
【0012】
本発明の測定システムは、少なくともパートプログラム識別情報と測定対象物識別情報が少なくとも記録されたコードを読み取るコードリーダと、コードリーダによるコードの読み取りを契機に、コードに記録されたパートプログラム識別情報に対応するパートプログラムの起動コマンドと、コードに記録された測定対象物識別情報を測定装置に送信し、当該測定装置にパートプログラムに従った処理を実行させる測定情報提供手段と、を備える測定制御装置と、予め備えるパートプログラムに従った処理を実行して、測定結果に測定対象物識別情報を付して出力する測定装置と、を備える。
【0013】
このように構成された測定システムによれば、測定対象物に付されたコードを読み取ることで、自動的にパートプログラムが特定され、測定対象物がセットされた測定装置において当該パートプログラムに従った測定処理を実行させることができるとともに、測定結果に測定対象物識別情報が付されるため、パートプログラムを特定するファイル名などの情報や、測定対象である個体を特定するシリアル番号などの測定対象物識別情報を測定装置に手入力する必要がなくなり、効率的な測定作業を実現することができる。
【0014】
測定情報提供手段は、パートプログラムを特定する情報が対応付けられたGUI部品の登録を予め受け付け、表示手段に表示させたGUI部品に対する入力操作によりパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを測定装置に送信可能とされ、登録済のGUI部品への、入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の対応付けを受け付け、コードリーダによるコードの読み取りを契機に、コードに記録されたパートプログラム識別情報と同じパートプログラム識別情報が対応付けられたGUI部品に対する入力操作を自動的に実行して、パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドと、コードに記録された測定対象物識別情報を測定装置に送信するように構成してもよい。
【0015】
また、測定情報提供手段は、登録済のGUI部品へのパートプログラム識別情報の対応付けを、コード内のパートプログラム識別情報の記録位置の指定、及びGUI部品に対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の指定を受け付けることにより行い、コード内の指定された記録位置に記録されたパートプログラム識別情報を、指定によりGUI部品に対応付けられたパートプログラム識別情報と照合して、一致するGUI部品に対して入力操作を自動的に実行し、登録済のGUI部品について、コード中の測定対象物識別情報の記録位置の指定を受け付け、GUI部品に対する入力操作の実行時に、コード中の当該記録位置から読み取った情報を測定対象物識別情報として測定装置に送信するように構成してもよい。
【0016】
このように構成された測定システムによれば、入力操作によりパートプログラムを特定する情報を所定のいずれかの測定装置に提供するランチャーボタンなどのGUI部品を予め登録しておき、そのプロパティとして、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報を対応付けることで、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報とパートプログラムとを容易に対応付けることができる。これにより、GUI部品に対するクリックなどによる直接的な入力操作により、測定装置にパートプログラムに従った測定処理を実行させることができるとともに、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報と同じパートプログラム識別情報が記録されたコードの読み取りにより、測定装置にパートプログラムに従った測定処理を実行させ、かつ、測定対象物識別情報が付された測定結果を出力させることができる。
【0017】
また、測定情報提供手段は、GUI部品の登録に際し、更に複数の測定装置のうちいずれを用いるかを特定する情報を対応付け、GUI部品に対する入力操作が実行された際に、GUI部品に対応付けられた測定装置に、パートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドと、コードに記録された測定対象物識別情報を送信するように構成してもよい。
【0018】
このように構成された測定システムによれば、測定装置が複数ある場合においても、ボタンクリックなどによる直接的な入力操作により、所定の測定装置に、パートプログラムに従った測定処理を実行させることが可能となるとともに、コード読み取りによる自動入力操作により、所定の測定装置におけるパートプログラムに従った測定処理及び測定対象物識別情報が付された測定結果の出力をさせることが可能となる。
【0019】
測定情報提供手段は、その機能をプログラムに記述し、コンピュータに実行させることにより実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】測定制御装置110の構成及び測定システム100の構成を示す図である。
図2】ランチャーアプリケーションの表示画面の一例を示す図である。
図3】ランチャーボタンにパートプログラムのファイル名を対応付けるプロパティ設定画面の一例を示す図である。
図4】ランチャーボタンにパートプログラム識別情報を対応付けるプロパティ設定画面の一例を示す図である。
図5】測定対象物識別情報が付された測定結果の出力の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明及び図面では、同一の機能部には同一の符号を付し、一度説明した機能部については説明を省略するか、必要な範囲で説明する。
【0022】
<第1実施形態>
本発明の測定制御装置110の構成を図1に示す。測定制御装置110は、コードリーダ111と測定情報提供手段112とを備える。
【0023】
コードリーダ111は、測定対象物Wに付され、パートプログラム識別情報が少なくとも記録されたコードCを読み取る。コードCは、代表的なものとしてはQRコード(登録商標)が挙げられるが、パートプログラム識別情報など読み取りたい情報が記録可能であれば、いかなる次元、種別のコードを選択してもよく、コードリーダ111には、選択した次元、種別のコードを読み取り可能なものを採用すればよい。
【0024】
パートプログラム識別情報は、測定対象物Wに対して適用するパートプログラムの特定に用いる情報であり、例えば、製品や品種などを特定する番号などの情報が挙げられる。
【0025】
オペレータは、測定対象物Wに対応するコードCをコードリーダ111に読み取らせた後、測定対象物Wを測定装置120にセットする。測定対象物Wに対応するコードCは、例えば、測定対象物Wに貼付されているものを読み取ってもよいし、伝票等に表示されているものを読み取ってもよい。
【0026】
測定情報提供手段112は、パートプログラム識別情報に対応するパートプログラムを特定する情報が予め設定され、コードCの読み取りを契機に、コードCに記録されたパートプログラム識別情報に対応するパートプログラムの起動コマンド、より具体的にはパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを測定装置120に送信し、測定装置120に、当該パートプログラムを特定する情報により特定される、測定装置120において予め備えるパートプログラムを起動させて、当該パートプログラムに従った処理を実行させる。
【0027】
測定装置120は、本体又は本体に接続された制御端末が備える制御アプリケーションの実行により発行される各種コマンドにより動作させることができ、かつ、パートプログラムを用いた連続処理を実行可能な測定装置であり、このような測定装置であれば、いかなるタイプの測定装置であっても構わない。また、測定情報提供手段112と測定装置120との間の接続媒体や接続方式は、測定装置120において起動するパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを送受できれば、いかなるものであっても構わない。
【0028】
パートプログラムは、測定・解析の流れに従い制御アプリケーションに順次発行させる各種コマンドがまとめて記述されたものである。パートプログラムは予め、制御アプリケーションが備える機能により作成しておいてもよいし、その他の方法により作成しておいてもよい。
【0029】
パートプログラムを特定する情報としては、例えばパートプログラムのファイル名が挙げられるが、その情報により対象とするパートプログラムを特定できるものであれば、パートプログラムのファイル名以外でもよい。
【0030】
測定情報提供手段112において、パートプログラム識別情報に対応するパートプログラムを特定する情報を予め設定しておく方法は任意であり、例えば、パートプログラム識別情報ごとにパートプログラムを特定する情報を対応づけたリストを用意しておく方法が挙げられる。これにより、コードCの読み取りを契機に、当該リストを参照して、コードCに記録されたパートプログラム識別情報に対応するパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを測定装置120に送信することができる。
【0031】
また例えば、パートプログラムを特定する情報が対応付けられたランチャーボタンなどのGUI部品を用いる方法もある。具体的には例えば、ランチャーボタンのプロパティを適宜設定可能なランチャーアプリケーションを用い、クリックなどの入力操作によりパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを測定装置120に送信するランチャーボタンを1以上予め登録し、それぞれのランチャーボタンに、入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報を対応付ける。それぞれのランチャーボタンへのパートプログラム識別情報の対応付けは、例えば、後述するように、コードCにおけるパートプログラム識別情報の記録位置の指定、及びランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の指定を、任意の入力手段から受け付けることにより行う。
【0032】
そして、対応付けが施されたランチャーボタンを用い、測定情報提供手段112はコードCの読み取りを契機に、コードCに記録されたパートプログラム識別情報を、ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラム識別情報と照合し、一致したランチャーボタンに対して入力操作を自動的に実行する。これにより、当該一致したランチャーボタンに対応付けられたパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを測定装置120に送信することができる。
【0033】
図2に、7つのランチャーボタンが設けられたランチャーアプリケーションの表示画面の一例を示す。このようなランチャーボタンのプロパティとして、まず、パートプログラムを特定する情報を対応付ける。図3に、ランチャーボタンにパートプログラムのファイル名を対応付けるプロパティ設定画面の一例を示す。この設定画面の例では、パートプログラムを特定する情報であるパートプログラムのファイル名とともに、パートプログラムの起動対象のPCも設定可能とされている。対象PCは、「このPC」、すなわち測定情報提供手段112としての機能と測定装置120の制御端末としての機能を兼ね備えるPC、又は測定情報提供手段112としての機能を備える「このPC」にネットワーク接続された1以上の測定装置120のうちのいずれかを選択可能としておいてもよい。このように構成された設定画面において、パートプログラムのファイル名及び対象PCを当該ランチャーボタンに対応付けることで、任意の表示手段に表示されたランチャーアプリケーション画面上の当該ランチャーボタンへのクリック等による入力操作によって、対象PCにおいて当該ファイル名のパートプログラムを起動させることが可能となる。
【0034】
そして、このように対応付けが施されたランチャーボタンに、更にプロパティとして当該ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報を対応付ける。図4に、ランチャーボタンにパートプログラム識別情報を対応付けるプロパティ設定画面の一例を示す。この設定画面は、コードリーダ111により読み取られたコードCに含まれる複数の情報のうち、いずれをパートプログラム識別情報として読み取り、読み取ったパートプログラム識別情報が、いかなるパートプログラム識別情報であれば当該ランチャーボタンに対する入力操作を自動実行するか等を設定する画面である。具体的には、実行キーのチェックボックスにチェックが入れられた読込値に記載された情報が、当該ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報として当該ランチャーボタンに対応付けられる。
【0035】
図4は、「ワーク名称」、「ワークNo」、「コードNo」、及び「ロットNo」などの情報が区切り文字で区切られた製品コードを読み取る場合の例である。図4の例では、区切り文字であるコロン「:」により区切られた5つの情報「AAA」、「BBB」、「CCC」、「DDD」、「EEE」がそれぞれ1番目から5番目の記録位置の読込値として記されている。
【0036】
そして、1番目の読込値に対応する実行キーのチェックボックスにチェックが入っていることで、コードCにおけるパートプログラム識別情報の記録位置が1番目であると指定されるとともに、ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行するパートプログラム識別情報が、1番目の読込値として記されているAAAであると指定される。これにより、AAAが当該ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報として当該ランチャーボタンに対応付けられる。そしてその結果、当該ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラム識別情報が、図3に示すプロパティ設定画面において当該ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラムを特定する情報と対応付けられる。なお、複数の実行キーのチェックボックスにチェックを入れることも可能である。
【0037】
以上のようにランチャーボタンを設定しておくことで、コードCの読み取りを契機に、まず、それぞれのランチャーボタンについて、読み取ったコードC内の指定された記録位置に記録されているパートプログラム識別情報と、指定により当該ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラム識別情報との同一性が照合される。そして、図4の例では、読み取ったコードCの1番目の記録位置に記録されている情報がAAAであれば、同じく1番目の読込値のAAAがパートプログラム識別情報として対応付けられたランチャーボタンに対する入力操作が自動的に実行され、これにより当該ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドが測定装置120に送信されて、測定装置120に当該パートプログラムに従った処理を実行させることができる。視点を変えると、コードCに記録されたパートプログラム識別情報により入力操作が自動的に実行されるランチャーボタンが選択されるので、パートプログラム識別情報はランチャーボタン指定情報と称することもできる。なお、例えば図3のプロパティ画面に示すように、コードCの読み取りを契機に自動的に送信を実行するか否かのスイッチを設けてもよい。
【0038】
以上のように構成された測定制御装置110によれば、測定対象物Wに対応するコードCを読み取ることで、自動的にパートプログラムが特定され、測定対象物Wがセットされた測定装置120において当該パートプログラムに従った測定処理が実行されるため、パートプログラムを特定するファイル名などの情報を測定装置120に手入力する必要がなくなり、効率的な測定作業を実現することができる。
【0039】
また、GUI部品を用いて、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報とパートプログラムとの対応付けを行うことで、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報とパートプログラムとを容易に対応付けることができる。これにより、GUI部品に対するクリックなどによる直接的な入力操作によっても、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報と同じパートプログラム識別情報が記録されたコードの読み取りによっても、測定装置120にパートプログラムに従った測定処理を実行させることができる。
【0040】
更に、ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行するパートプログラム識別情報を任意に指定可能とすることで、本発明の測定制御装置用に特別なコードを発行することなく、製品の管理等のために既に製品に付されている番号等をパートプログラム識別情報として用いることができる。また、1つのランチャーボタンに複数の測定対象物W(複数の異なるコードC)を対応付けることができ、測定対象物Wごとにランチャーボタンを対応付ける必要がない。図4の例では、1番目の読込値として「AAA」をランチャーボタンに対応付けるだけで、測定対象物WごとにコードCが異なっていても、パートプログラム識別情報であるワーク名称(1番目の記録位置の記録情報)が「AAA」でありさえすれば、その他のワークNo、コードNo、ロットNoが異なっていても、全て同一のランチャーボタンに対応付けられるとともに同一のパートプログラムと対応付けられる。
【0041】
<第2実施形態>
本発明の測定システム100の構成を図1に示す。測定システム100は、測定制御装置110と測定装置120とを備え、測定制御装置110は、コードリーダ111と測定情報提供手段112とを備える。
【0042】
コードリーダ111は、測定対象物Wに付され、パートプログラム識別情報と測定対象物識別情報が少なくとも記録されたコードCを読み取る。コードCは、代表的なものとしてはQRコード(登録商標)が挙げられるが、パートプログラム識別情報など読み取りたい情報が記録可能であれば、いかなる次元、種別のコードを選択してもよく、コードリーダ111には、選択した次元、種別のコードを読み取り可能なものを採用すればよい。
【0043】
パートプログラム識別情報は、測定対象物Wに対して適用するパートプログラムの特定に用いる情報であり、例えば、製品や品種などを特定する番号などの情報が挙げられる。また、測定対象物識別情報は、測定対象物Wを他の測定対象物Wと識別する情報であり、例えば、シリアル番号などの情報が挙げられる。
【0044】
オペレータは、測定対象物Wに対応するコードCをコードリーダ111に読み取らせた後、測定対象物Wを測定装置120にセットする。測定対象物Wに対応するコードCは、例えば、測定対象物Wに貼付されているものを読み取ってもよいし、伝票等に表示されているものを読み取ってもよい。
【0045】
測定情報提供手段112は、パートプログラム識別情報に対応するパートプログラムを特定する情報が予め設定され、コードCの読み取りを契機に、コードCに記録されたパートプログラム識別情報に対応するパートプログラムの起動コマンド、より具体的にはパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドと、コードCに記録された測定対象物識別情報を測定装置120に送信し、当該パートプログラムを特定する情報により特定される、測定装置120において予め備えるパートプログラムを起動させて、当該パートプログラムに従った処理を実行させる。
【0046】
測定情報提供手段112において、パートプログラム識別情報に対応するパートプログラムを特定する情報を予め設定し、更にコードCに記録された測定対象物識別情報を測定装置120に提供可能とする方法は任意であり、例えば、ランチャーボタンなどのGUI部品を用いる方法が挙げられる。
【0047】
具体的には、例えばランチャーボタンのプロパティを適宜設定可能なランチャーアプリケーションを用い、クリックなどの入力操作によりパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを測定装置120に送信するランチャーボタンを1以上予め登録し、それぞれのランチャーボタンに、入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報を対応付けるとともに、測定装置120に提供する測定対象物識別情報のコードCにおける記録位置を対応付ける。それぞれのランチャーボタンへの、パートプログラム識別情報の対応付け及びコードCにおける測定対象物情報の記録位置の対応付けは、例えば、後述するように、コードCにおけるパートプログラム識別情報の記録位置の指定、ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報の指定、及びコードC中の測定対象物識別情報の記録位置の指定を、任意の入力手段から受け付けることにより行う。
【0048】
そして、対応付けが施されたランチャーボタンを用い、測定情報提供手段112はコードCの読み取りを契機に、コードCに記録されたパートプログラム識別情報を、ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラム識別情報と照合し、一致したランチャーボタンに対して入力操作を自動的に実行する。これにより、当該一致したランチャーボタンに対応付けられたパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドと、コードCの指定された記録位置に記録された測定対象物識別情報を、測定装置120に送信することができる。
【0049】
図2に、7つのランチャーボタンが設けられたランチャーアプリケーションの表示画面の一例を示す。このようなランチャーボタンのプロパティとして、まず、パートプログラムを特定する情報を対応付ける。図3に、ランチャーボタンにパートプログラムのファイル名を対応付けるプロパティ設定画面の一例を示す。この設定画面の例では、パートプログラムを特定する情報であるパートプログラムのファイル名とともに、パートプログラムの起動対象のPCも設定可能とされている。対象PCは、「このPC」、すなわち測定情報提供手段112としての機能と測定装置120の制御端末としての機能を兼ね備えるPC、又は測定情報提供手段112としての機能を備える「このPC」にネットワーク接続された1以上の測定装置120のうちのいずれかを選択可能としておいてもよい。このように構成された設定画面において、パートプログラムのファイル名及び対象PCを当該ランチャーボタンに対応付けることで、任意の表示手段に表示されたランチャーアプリケーション画面上の当該ランチャーボタンへのクリック等による入力操作によって、対象PCにおいて当該ファイル名のパートプログラムを起動させることが可能となる。
【0050】
そして、このように対応付けが施されたランチャーボタンに、更にプロパティとして当該ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報、及び測定対象物識別情報のコードCにおける記録位置を対応付ける。図4に、ランチャーボタンにパートプログラム識別情報、及び測定対象物識別情報のコードCにおける記録位置を対応付けるプロパティ設定画面の一例を示す。この設定画面は、コードリーダ111により読み取られたコードCに含まれる複数の情報のうち、いずれをパートプログラム識別情報として読み取り、読み取ったパートプログラム識別情報が、いかなるパートプログラム識別情報であれば当該ランチャーボタンに対する入力操作を自動実行するかを設定するとともに、コードCに含まれる複数の情報のうち、いずれを測定対象物識別情報とするか等を設定する画面である。具体的には、実行キーのチェックボックスにチェックが入れられた読込値に記載された情報が、当該ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報として当該ランチャーボタンに対応付けられ、コメント出力のチェックボックスにチェックが入れられた読込値の位置が、測定対象物識別情報のコードCにおける記録位置として当該ランチャーボタンに対応付けられる。
【0051】
図4は、「ワーク名称」、「ワークNo」、「コードNo」、及び「ロットNo」などの情報が区切り文字で区切られた製品コードを読み取る場合の例である。図4の例では、区切り文字であるコロン「:」により区切られた5つの情報「AAA」、「BBB」、「CCC」、「DDD」、「EEE」がそれぞれ1番目から5番目の記録位置の読込値として記されている。
【0052】
そして、1番目の読込値に対応する実行キーのチェックボックスにチェックが入っていることで、コードCにおけるパートプログラム識別情報の記録位置が1番目であると指定されるとともに、ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行するパートプログラム識別情報が、1番目の読込値として記されているAAAであると指定される。これにより、AAAが当該ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行させるパートプログラム識別情報として当該ランチャーボタンに対応付けられる。そしてその結果、当該ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラム識別情報が、図3に示すプロパティ設定画面において当該ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラムを特定する情報と対応付けられる。
【0053】
また、3番目の読込値に対応するコメント出力のチェックボックスにチェックが入っていることで、コードCにおける測定対象物識別情報の記録位置として指定され、当該ランチャーボタンに対応付けられる。なお、複数の実行キーのチェックボックス、及び複数のコメント出力のチェックボックスにチェックを入れることも可能である。
【0054】
以上のようにランチャーボタンを設定しておくことで、コードCの読み取りを契機に、まず、それぞれのランチャーボタンについて、読み取ったコードC内の指定された記録位置に記録されているパートプログラム識別情報と、指定により当該ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラム識別情報との同一性が照合される。そして、図4の例では、読み取ったコードCの1番目の記録位置に記録されている情報がAAAであれば、同じく1番目の読込値のAAAがパートプログラム識別情報として対応付けられたランチャーボタンに対する入力操作が自動的に実行され、これにより当該ランチャーボタンに対応付けられたパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドと、コードCの3番目の記録位置に記録された情報が測定対象物識別情報として測定装置120に送信されて、測定装置120に、当該パートプログラムに従った処理を実行させることができるとともに、測定対象物識別情報を提供することができる。視点を変えると、コードCに記録されたパートプログラム識別情報により入力操作が自動的に実行されるランチャーボタンが選択されるので、パートプログラム識別情報はランチャーボタン指定情報と称することもできる。なお、例えば図3のプロパティ画面に示すように、コードCの読み取りを契機に自動的に送信を実行するか否かのスイッチを設けてもよい。
【0055】
測定装置120は、本体又は本体に接続された制御端末が備える制御アプリケーションの実行により発行される各種コマンドにより動作させることができ、かつ、パートプログラムを用いた連続処理を実行可能な測定装置であり、このような測定装置であれば、いかなるタイプの測定装置であっても構わない。また、測定情報提供手段112と測定装置120との間の接続媒体や接続方式は、測定装置120において起動するパートプログラムを特定する情報を含む起動コマンドを送受できれば、いかなるものであっても構わない。
【0056】
測定装置120は、測定情報提供手段112から提供されたパートプログラムを特定する情報に基づき、予め備える1以上の異なるパートプログラムのいずれかを特定して、特定されたパートプログラムに従った測定処理を測定対象物Wに対して実行し、測定結果に測定情報提供手段112から提供された測定対象物識別情報を付して出力する。
【0057】
測定結果に測定対象物識別情報を付して出力するには、例えば、測定装置120から測定結果を取得し又は更に解析を行って測定結果等を出力する機能を担う制御アプリケーションの実行に際し、測定情報提供手段112から提供された測定対象物識別情報を取り込み、出力される測定結果等に含めることにより行うことができる。例えば、アプリケーションが、コマンドの入力により任意の情報を記録する機能及び記録された情報を測定結果等に含めて出力する機能を備えているものであれば、測定情報提供手段112が測定対象物識別情報を測定装置120に送信する際に、当該測定対象物識別情報を記録及び出力するコマンドとして送信し、これを測定装置120において受信して実行することで、当該測定対象物識別情報を測定結果等に含めて出力することができる。図5に、測定情報提供手段112から送信された測定対象物識別情報である001をコードNoという項目名とともに付して出力された測定結果の一例を示す。
【0058】
以上のように構成された測定システム100によれば、測定対象物Wに対応するコードCを読み取ることで、自動的にパートプログラムが特定され、測定対象物Wがセットされた測定装置120において当該パートプログラムに従った測定処理が実行されるとともに、測定結果に測定対象物識別情報が付されるため、パートプログラムを特定するファイル名などの情報や、測定対象である個体を特定するシリアル番号などの測定対象物識別情報を測定装置に手入力する必要がなくなり、効率的な測定作業を実現することができる。
【0059】
また、GUI部品を用いて、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報とパートプログラムとの対応付け、及びコード中の測定対象物識別情報の記録位置の設定を行うことで、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報とパートプログラムとを容易に対応付けることができるとともに、コードから測定対象物識別情報を容易に抽出することができる。これにより、GUI部品に対応するクリックなどによる直接的な入力操作により、測定装置にパートプログラムに従った測定処理を実行させることができるとともに、当該GUI部品に対する入力操作を自動実行させるパートプログラム識別情報と同じパートプログラム識別情報が記録されたコードの読み取りにより、測定装置120にパートプログラムに従った測定処理を実行させ、かつ、測定対象物識別情報が付された測定結果を出力させることができる。
【0060】
更に、ランチャーボタンに対する入力操作を自動的に実行するパートプログラム識別情報を任意に指定可能とすることで、本発明の測定制御装置用に特別なコードを発行することなく、製品の管理等のために既に製品に付されている番号等をパートプログラム識別情報として用いることができる。また、1つのランチャーボタンに複数の測定対象物W(複数の異なるコードC)を対応付けることができ、測定対象物Wごとにランチャーボタンを対応付ける必要がない。図4の例では、1番目の読込値として「AAA」をランチャーボタンに対応付けるだけで、測定対象物WごとにコードCが異なっていても、パートプログラム識別情報であるワーク名称(1番目の記録位置の記録情報)が「AAA」でありさえすれば、その他のワークNo、コードNo、ロットNoが異なっていても、全て同一のランチャーボタンに対応付けられるとともに同一のパートプログラムと対応付けられる。更に測定対象物識別情報については、コードC中の位置を指定することでランチャーボタンに対応付けられるので、ワーク名称が「AAA」で同じであり同一のパートプログラムが実行される場合でも、測定対象物ごとに異なるコードNoをコードCから抽出して測定結果に付することができるので、いずれの測定対象物の測定結果であるかを容易に判別可能である。
【0061】
なお、各実施形態において測定情報提供手段112は、その機能をプログラムに記述し、コンピュータに実行させることにより実現してもよい。
【0062】
本発明は、上記の実施形態及び変形例に限定されるものではない。上記の実施形態及び変形例は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。すなわち、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更が可能であり、その様な変更や改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含む。
【符号の説明】
【0063】
100…測定システム
110…測定制御装置
111…コードリーダ
112…測定情報提供手段
120…測定装置
C…コード
W…測定対象物
図1
図2
図3
図4
図5