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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016060
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】抗糖化剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/48 20060101AFI20220114BHJP
   A61K 36/489 20060101ALI20220114BHJP
   A61K 36/53 20060101ALI20220114BHJP
   A61K 36/739 20060101ALI20220114BHJP
   A61K 36/9062 20060101ALI20220114BHJP
   A61K 36/73 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 3/08 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220114BHJP
   A61K 38/02 20060101ALI20220114BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220114BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
A61K36/48
A61K36/489
A61K36/53
A61K36/739
A61K36/9062
A61K36/73
A61P3/10
A61P3/08
A61P9/10 101
A61P19/02
A61P19/08
A61P19/10
A61P17/16
A61P17/00
A61K38/02
A61Q19/00
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119328
(22)【出願日】2020-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】591082421
【氏名又は名称】丸善製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100201606
【弁理士】
【氏名又は名称】田岡 洋
(72)【発明者】
【氏名】大戸 信明
(72)【発明者】
【氏名】吉尾 泰政
【テーマコード(参考)】
4C083
4C084
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC482
4C083AD092
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD452
4C083AD512
4C083AD532
4C083CC03
4C083CC04
4C083CC05
4C083EE12
4C083EE13
4C083FF01
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA44
4C084DC50
4C084MA22
4C084MA28
4C084MA35
4C084MA52
4C084MA63
4C084NA14
4C084ZA45
4C084ZA89
4C084ZA96
4C084ZA97
4C084ZC35
4C088AB38
4C088AB51
4C088AB59
4C088AB81
4C088AC01
4C088BA08
4C088BA09
4C088BA10
4C088CA04
4C088CA05
4C088CA06
4C088MA17
4C088MA22
4C088MA28
4C088MA35
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA45
4C088ZA89
4C088ZA96
4C088ZA97
4C088ZC35
(57)【要約】
【課題】優れた抗糖化作用を有する抗糖化剤を提供する。
【解決手段】本発明の抗糖化剤の有効成分として、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物を用いる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗糖化剤。
【請求項2】
オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物およびワレモコウ抽出物からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物が、最終糖化生成物(AGEs)の形成抑制用途に用いられることを特徴とする請求項1に記載の抗糖化剤。
【請求項3】
月桃抽出物および/またはヒマラヤンラズベリー抽出物が、最終糖化生成物(AGEs)の分解促進用途に用いられることを特徴とする請求項1に記載の抗糖化剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗糖化剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
糖質は、ヒトを初めとする生物においてエネルギー源として非常に重要である。しかし一方で、糖質はタンパク質と糖化反応(グリケーション)を起こすことが知られている。糖化反応は、糖質のカルボニル基とタンパク質等のアミノ基との非酵素的な反応を第一段階とし、シッフ塩基からアマドリ化合物を経て最終的に最終糖化生成物(以下、「AGEs」ということがある。)を形成する一連の反応である。糖化反応により、タンパク質が非酵素的に糖により修飾されるため、これにより当該タンパク質の変性やタンパク質間の架橋等が起こり、その結果タンパク質の機能を低下させる。
【0003】
糖化反応は、コラーゲン等の細胞外マトリックス構成タンパク質を修飾・構造変化させることにより直接的な障害を引き起こすほか、糖化タンパク質をリガンドとする受容体により認識されることで細胞応答を引き起こす等の影響をもたらす。特に、血液中のグルコース濃度が高い糖尿病の患者にとって、糖化反応の影響は深刻である。糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症等の糖尿病合併症は、タンパク質の糖化がその一因であることが知られている。また、血管壁における糖化反応は、内皮細胞の障害や変性タンパク質の蓄積などにより、動脈硬化の進展をもたらすことが知られている。
【0004】
さらに、コラーゲンを初めとする細胞外マトリックス成分は、骨や皮膚などの組織における乾燥重量の過半を占めている。そのため、例えば、コラーゲンが糖化され異常に架橋された状態となると、骨や軟骨組織においては骨粗鬆症や変形性関節症等を発症し、皮膚においては弾力性の低下、黄色化等によるくすみ等を生じる。さらに、異常に架橋したコラーゲン等はコラゲナーゼ等による分解を受けにくくなるため、コラゲナーゼ等の発現が誘導され、正常なコラーゲンまで分解されてしまうなどの問題が生じてしまう。
【0005】
このため、糖化反応を何らかの形で抑制する、すなわちAGEsの形成を抑制したり、またAGEsの分解を促進したりすることができれば、上述した疾患、すなわち糖尿病合併症、動脈硬化、骨粗鬆症、変形性関節症などの予防又は治療に有用であると期待される。さらには、皮膚の弾力性低下やくすみ等の予防又は改善にも効果があるものと期待される。
【0006】
従来、抗糖化作用を有する化合物として、N-フェナシルチアゾリウムブロミドが知られている(非特許文献1)。しかし、この化合物は安全性に問題があり、医薬品や皮膚外用剤として適していない。また、抗糖化作用を有する天然物由来の成分として、例えば、ヨモギからの抽出物が知られている(特許文献1)。しかし、抗糖化作用を有する物質の提供は十分とは言い難く、さらなる新しい抗糖化作用物質の開発及び提供が強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-122758号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Vasan S. et al.,Nature,1996年7月18日,Vol. 82,No. 6588,p.275-278
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、優れた抗糖化作用を有する抗糖化剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の抗糖化剤は、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物を有効成分とすることを特徴とする(発明1)。
【0011】
上記発明(発明1)において、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物およびワレモコウ抽出物からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物が、最終糖化生成物(AGEs)の形成抑制用途に用いられることが好ましい(発明2)。
【0012】
上記発明(発明1)において、月桃抽出物および/またはヒマラヤンラズベリー抽出物が、最終糖化生成物(AGEs)の分解促進用途に用いられることが好ましい(発明3)。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、優れた抗糖化作用を有する抗糖化剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の抗糖化剤は、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物を有効成分とする。
【0015】
ここで、本実施形態において「抽出物」には、オノニス、クジン、ゴールデンシルク、エンメイソウ、ワレモコウ、月桃またはヒマラヤンラズベリーを原料として得られる抽出液及び加水分解溶液、当該抽出液及び当該加水分解溶液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液及び当該加水分解溶液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
【0016】
オノニス(学名:Ononis spinosa L.)は、マメ科ハリモクシュク属の半低木であって、アジア、ヨーロッパに広く分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るオノニスの構成部位としては、例えば、葉部、茎部、花部等の地上部、根茎部、根部等の地下部、種子、全草又はこれらの部位の混合物が挙げられるが、好ましくは根部である。
【0017】
クジンは(生薬名)は、日本、韓国、中国各地に分布しているマメ科クララ属に属する多年生草本であるクララ(学名:Sophora flavescens Aiton)の根部であり、これらの地域から容易に入手することができる。クジンは、従来、健胃、利尿、解熱、鎮痛薬等として使用されている。
【0018】
エンメイソウ(生薬名)は、北海道から四国、九州にかけて分布している多年草であるシソ科ヤマハッカ属に属するヒキオコシ(学名:Isodon japonica)の全草であり、これらの地域から容易に入手することができる。エンメイソウは、従来、苦味健胃剤、胃痙攣解消剤、消化不良解消剤等として使用されている。
【0019】
ワレモコウ(学名:Sanguisorba officinalis)は、バラ科の植物であり、北海道から九州、中国からシベリア・ヨーロッパへ分布しておりこれらの地域から容易に入手可能である。抽出原料として使用し得る部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、枝、茎、花、蕾、果実、根、根茎、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも根及び根茎が好ましく、生薬名でジユと呼ばれる。
【0020】
月桃(学名:Alpinia speciosa (Wendl.) K. Schum.)は、ショウガ科ハナミョウガ属に属する多年生常緑草本であり、九州南部からインドにまで分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。月桃は、沖縄ではサンニンと呼ばれ、琉球王朝以来の伝統菓子であるムーチーに利用されるほか、ハーブとしても利用されている。抽出原料として使用し得る部位としては、例えば、葉部、幹部、地上部、花部、果実部、種子部、根部、全草又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは葉部である。
【0021】
ヒマラヤンラズベリー(学名:Rubus ellipticus Smith)は、バラ科キイチゴ属に属する常緑低木であって、ヒマラヤから東南アジア、中国東南部で自生し又は栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。ヒマラヤンラズベリーの新鮮な果実は香りがあり、食用にされている。抽出原料として使用し得るヒマラヤンラズベリーの構成部位としては、例えば、葉部、幹部、地上部、花部、果実部、種子部、根部、全草又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは根部である。
【0022】
オノニス、クジン、エンメイソウ、ワレモコウ、月桃またはヒマラヤンラズベリーの抽出物は、抽出原料を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、上記抽出原料の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0023】
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用することが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
【0024】
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0025】
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール等が挙げられる。
【0026】
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を抽出溶媒として使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比が9:1~1:9(容量比)であることが好ましく、7:3~1:9(容量比)であることがさらに好ましい。また、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族ケトンとの混合比が9:1~2:8(容量比)であることが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水と多価アルコールとの混合比が8:2~1:9(容量比)であることが好ましい。
【0027】
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5~50倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
【0028】
なお、上述のようにして得られた抽出液はそのままでも抗糖化剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
【0029】
また、オノニス抽出物、クジン抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、皮膚外用剤等に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。
【0030】
本実施形態におけるゴールデンシルク抽出物は、ゴールデンシルクを酸又はアルカリの水溶液を用いて加水分解してなるものである。
【0031】
ゴールデンシルク(Golden Silk)は、カイコガ(Bonbix mori)の繭糸であって、濃黄色を呈する繭糸である。主に、タイ王国ランプン県トンフォアチャン地方(Thunghuachang Lamphun Thailand)等で生産されている特殊な黄金繭であり、商業的にも入手可能である。
【0032】
ゴールデンシルクの加水分解処理に使用し得る酸としては、例えば、塩酸、硫酸等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で使用してもよいし、両者を混合して使用してもよい。
【0033】
また、ゴールデンシルクの加水分解処理に使用し得るアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で使用してもよいし、両者を混合して使用してもよい。
【0034】
酸又はアルカリの水溶液を使用して加水分解する場合、酸又はアルカリの水溶液の添加量や当該水溶液における酸又はアルカリの濃度は、ゴールデンシルクを加水分解し得る量であればよく、使用する酸又はアルカリの種類等に応じて当該水溶液の添加量や当該水溶液における酸又はアルカリの濃度を適宜変更することができる。
【0035】
また、加水分解処理は、0~130℃、好ましくは50~120℃の温度条件の下、30分~10日間程度、好ましくは1時間~5日間程度行う。
【0036】
このようにして加水分解処理により得られた溶液から酸又はアルカリを除去し、必要に応じて限外濾過処理に付して高分子ペプタイドを除去し、さらに濃縮、乾燥等の処理に付することで、ゴールデンシルク抽出物を得ることができる。
【0037】
酸又はアルカリは、加水分解処理により得られた溶液から常法により除去することができ、例えば、凍結乾燥、溶液中の酸又はアルカリを中和して脱塩する方法等が挙げられる。
【0038】
以上のようにして得られたオノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物は、優れた抗糖化作用を有しているため、抗糖化剤の有効成分として用いることができる。本実施形態の抗糖化剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等の幅広い用途に使用することができる。
【0039】
ここで、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物およびワレモコウ抽出物が有する抗糖化作用は、最終糖化生成物(AGEs)の形成抑制作用に基づいて発揮されることが好ましい。ただし、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物およびワレモコウ抽出物が有する抗糖化作用は、上記作用に基づいて発揮される抗糖化作用に限定されるものではない。
【0040】
また、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物およびワレモコウ抽出物からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物は、そのAGEsの形成抑制作用を利用して、AGEs形成抑制用途に用いることができる。すなわち、本実施形態の抗糖化剤は、上記抽出物を有効成分とするAGEs形成抑制剤として用いることもできる。
【0041】
月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物が有する抗糖化作用は、最終糖化生成物(AGEs)の分解促進作用に基づいて発揮されることが好ましい。ただし、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物が有する抗糖化作用は、上記作用に基づいて発揮される抗糖化作用に限定されるものではない。
【0042】
また、月桃抽出物および/またはヒマラヤンラズベリー抽出物は、そのAGEsの分解促進作用を利用して、AGEs分解促進用途に用いることができる。すなわち、本実施形態の抗糖化剤は、上記抽出物を有効成分とするAGEs分解促進剤として用いることもできる。
【0043】
さらに、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物は、これらが有するAGEs形成抑制作用またはAGEs分解促進作用を利用して、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症等の糖尿病合併症;タンパク質の糖化反応に起因する動脈硬化;タンパク質の糖化反応に起因する骨粗鬆症や変形性関節症等の疾患の予防・治療剤の有効成分として使用してもよく、さらにはタンパク質の糖化反応に起因する皮膚の弾力性低下やくすみ等の予防・改善剤の有効成分として使用してもよい。
【0044】
本実施形態の抗糖化剤は、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物のみからなるものでもよいし、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物を製剤化したものでもよい。
【0045】
本実施形態の抗糖化剤は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。抗糖化剤は、他の組成物(例えば、皮膚外用剤、経口組成物等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
【0046】
本実施形態の抗糖化剤を製剤化した場合、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物の含有量は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。
【0047】
なお、本実施形態の抗糖化剤は、必要に応じて、抗糖化作用を有する他の天然抽出物等を、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物とともに配合して有効成分として用いることができる。
【0048】
本実施形態の抗糖化剤の患者に対する投与方法としては、経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。
【0049】
また、本実施形態の抗糖化剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
【0050】
本実施形態の抗糖化剤は、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物が有する抗糖化作用を通じて、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症等の糖尿病合併症を予防又は治療することができるとともに、タンパク質の糖化反応に起因する動脈硬化をも予防又は治療することができる。また、本実施形態の抗糖化剤は、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物が有する抗糖化作用を通じて、タンパク質の糖化反応に起因する皮膚の弾力性低下やくすみ等を予防又は改善することができる。さらに、本実施形態の抗糖化剤は、タンパク質の糖化反応に起因する骨粗鬆症や変形性関節症等の疾患を予防又は治療することもできる。ただし、本実施形態の抗糖化剤は、これらの用途以外にも抗糖化作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0051】
本実施形態の抗糖化剤は、AGEs形成抑制用途に用いる場合(AGEs形成抑制剤として用いる場合)、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物およびワレモコウ抽出物が有するAGEsの形成抑制作用を通じて、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症等の糖尿病合併症の予防又は治療;タンパク質の糖化反応に起因する動脈硬化の予防又は治療;タンパク質の糖化反応に起因する皮膚の弾力性低下やくすみ等の予防又は改善;タンパク質の糖化反応に起因する骨粗鬆症や変形性関節症等の疾患の予防又は治療をすることができる。特に、本実施形態の抗糖化剤は、AGEs形成抑制用途に用いる場合(AGEs形成抑制剤として用いる場合)、上記疾患の予防用途に好適に用いることができる。ただし、これらの用途以外にもAGEsの形成抑制作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0052】
本実施形態の抗糖化剤は、AGEs分解促進用途に用いる場合(AGEs分解促進剤として用いる場合)、月桃抽出物およびヒマラヤンラズベリー抽出物が有するAGEsの分解促進作用を通じて、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症等の糖尿病合併症の予防又は治療;タンパク質の糖化反応に起因する動脈硬化の予防又は治療;タンパク質の糖化反応に起因する皮膚の弾力性低下やくすみ等の予防又は改善;タンパク質の糖化反応に起因する骨粗鬆症や変形性関節症等の疾患の予防又は治療をすることができる。特に、本実施形態の抗糖化剤は、AGEs分解促進用途に用いる場合(AGEs分解促進剤として用いる場合)、上記疾患の治療または改善用途に好適に用いることができる。ただし、これらの用途以外にもAGEsの分解促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0053】
また、本実施形態の抗糖化剤は、優れた抗糖化作用を有するため、例えば、皮膚外用剤または経口組成物に配合するのに好適である。この場合に、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物をそのまま配合してもよいし、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物から製剤化した抗糖化剤を配合してもよい。
【0054】
ここで、皮膚外用剤としては、その区分に制限はなく、経皮的に使用される皮膚化粧料、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものであり、具体的には、例えば、軟膏、クリーム、乳液、美容液、ローション、パック、ファンデーション、リップクリーム、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。
【0055】
皮膚外用剤におけるオノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物の合計配合量は、皮膚外用剤の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な合計配合率は、約0.0001~10質量%であり、特に好適な配合率は、約0.001~1質量%である。
【0056】
経口組成物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではない。したがって、本実施形態における「経口組成物」は、経口的に摂取される一般食品、飼料、健康食品、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示食品)、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。本実施形態に係る経口組成物は、当該経口組成物またはその包装に、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物が有する好ましい作用を表示することのできる経口組成物であることが好ましく、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示食品)、医薬部外品または医薬品であることが特に好ましい。
【0057】
経口組成物におけるオノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物の配合量は、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜変更することができるが、添加対象となる経口組成物の一般的な摂取量を考慮して、成人1日あたりの抽出物摂取量が合計約1~1000mgになるようにするのが好ましい。なお、添加対象経口組成物が顆粒状、錠剤状又はカプセル状の場合、オノニス抽出物、クジン抽出物、ゴールデンシルク抽出物、エンメイソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、月桃抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物またはこれらの混合物の合計添加量は、添加対象経口組成物に対して通常0.1~100質量%であり、好ましくは1~100質量%である。
【0058】
また、本実施形態の抗糖化剤は、優れた抗糖化作用を有するので、糖化反応に関連する研究、例えばAGEsの形成機構やAGEsの分解機構に関連する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
【0059】
なお、本実施形態の抗糖化剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば,マウス,ラット,ハムスター,イヌ,ネコ,ウシ,ブタ,サル等)に対して適用することもできる。
【実施例0060】
以下、製造例および試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。なお、本試験例においては、試料3として、ゴールデンシルク抽出液(丸善製薬社製)を使用した。
【0061】
〔製造例1〕オノニス抽出物の製造
オノニスの根部の乾燥物100gに50%容量ブチレングリコール1500mlを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥してオノニス抽出物(10g,試料1)を得た。
【0062】
〔製造例2〕クジン抽出物の製造
クジンの乾燥物100gに90%容量エタノール1500mlを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥してクジン抽出物(12g,試料2)を得た。
【0063】
〔製造例3〕エンメイソウ抽出物の製造
エンメイソウの乾燥物100gに50%容量エタノール1500mlを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥してエンメイソウ抽出物(15g,試料4)を得た。
【0064】
〔製造例4〕ワレモコウ抽出物の製造
ワレモコウの根部の乾燥物100gに50%容量エタノール1500mlを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥してワレモコウ抽出物(24g,試料5)を得た。
【0065】
〔製造例5〕月桃抽出物の製造
月桃の葉部の乾燥物100gに80%容量エタノール1500mlを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥して月桃抽出物(3g,試料6)を得た。
【0066】
〔製造例6〕ヒマラヤンラズベリー抽出物の製造
ヒマラヤンラズベリーの根部の乾燥物100gに80%容量エタノール1500mlを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥してヒマラヤンラズベリー抽出物(15g,試料7)を得た。
【0067】
〔試験例1〕AGEs形成抑制作用試験
オノニス抽出物(試料1)、クジン抽出物(試料2)、ゴールデンシルク抽出物(試料3)、エンメイソウ抽出物(試料4)およびワレモコウ抽出物(試料5)について、以下のようにして最終糖化生成物(AGEs)の形成抑制作用を試験した。
【0068】
96ウェルのI型コラーゲンコートプレート(旭硝子社製)に、PBS緩衝液にて調製した0.2MのD(-)-リボース及び被験試料(試料1~5,試料濃度は表1を参照)の混合液、陰性対照としてPBS緩衝液のみ、又は陽性対照としてPBS緩衝液にて調製した0.2MのD(-)-リボース溶液をそれぞれ100μLずつ各ウェルに添加した後、37℃で2週間静置し、AGEsを形成させた。2週間後、抗AGEs抗体(トランスジェニック社製)を用いたELISA法によりAGEs量を測定し、AGEs形成抑制作用を評価した。得られた結果から、下記式によりAGEs形成抑制率(%)を算出した。
【0069】
AGEs形成抑制率(%)={(B-C)/(B-A)}×100
式中、Aは「陰性対照の波長405nmにおける吸光度」を表し、Bは「陽性対照の波長405nmにおける吸光度」を表し、Cは「被験試料添加時の波長405nmにおける吸光度」を表す。
結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
表1に示すように、試料1~5はいずれもAGEsの形成を抑制した。したがって、オノニス抽出物(試料1)、クジン抽出物(試料2)、ゴールデンシルク抽出物(試料3)、エンメイソウ抽出物(試料4)およびワレモコウ抽出物(試料5)は、優れたAGEs形成抑制作用を有していると認められた。
【0072】
〔試験例2〕AGEs分解促進作用試験
月桃抽出物(試料6)、ヒマラヤンラズベリー抽出物(試料7)について、以下のようにして最終糖化生成物(AGEs)の分解促進作用を試験した。
【0073】
96ウェルのI型コラーゲンコートプレート(旭硝子社製)に、PBS緩衝液にて調製した0.2MのD(-)-リボース溶液、又は陰性対照としてPBS緩衝液のみをそれぞれ100μLを添加し、37℃で2週間静置し、AGEsを形成させた。2週間後、PBS緩衝液にて調製した被験試料(試料6および7,終濃度は表2を参照)の溶液、陽性対照としてPBS緩衝液のみ、又は陰性対照として引き続きPBS緩衝液のみをそれぞれ100μLずつ添加し、さらに37℃で2週間静置した。反応終了後、抗AGEs抗体(トランスジェニック社製)を用いたELISA法によりAGEs量を測定し、AGEs分解促進作用を評価した。得られた結果から、下記式によりAGEs分解促進率(%)を算出した。
【0074】
AGEs分解促進率(%)={(B-C)/(B-A)}×100
式中、Aは「陰性対照の波長405nmにおける吸光度」を表し、Bは「陽性対照の波長405nmにおける吸光度」を表し、Cは「被験試料添加時の波長405nmにおける吸光度」を表す。
結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】
表2に示すように、試料6および7はいずれもAGEsの分解を促進した。したがって、月桃抽出物(試料6)およびヒマラヤンラズベリー抽出物(試料7)は、優れたAGEs分解促進作用を有していると認められた。
【0077】
〔配合例1〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
オノニス抽出物(試料1) 0.2g
クジン抽出物(試料2) 0.2g
オウゴンエキス 0.1g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
スクワラン 10.0g
セタノール 3.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
油溶性カンゾウエキス 0.1g
1,3-ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0078】
〔配合例2〕
下記組成に従い、乳液を常法により製造した。
ゴールデンシルク抽出物(試料3) 0.10g
エンメイソウ抽出物(試料4) 0.10g
ワレモコウ抽出物(試料5) 0.10g
ホホバオイル 4.00g
1,3-ブチレングリコール 3.00g
アルブチン 3.00g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
オリーブオイル 2.00g
スクワラン 2.00g
セタノール 2.00g
モノステアリン酸グリセリル 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルレチン酸ステアリル 0.10g
黄杞エキス 0.10g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
イチョウ葉エキス 0.10g
コンキオリン 0.10g
オウバクエキス 0.10g
カミツレエキス 0.10g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0079】
〔配合例3〕
下記組成の美容液を常法により製造した。
月桃抽出物(試料6) 0.01g
ヒマラヤンラズベリー抽出物(試料7) 0.01g
カミツレエキス 0.1g
ニンジンエキス 0.1g
キサンタンガム 0.3g
ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
1,3-ブチレングリコール 4.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
グリセリン 2.0g
水酸化カリウム 0.25g
香料 0.01g
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
エタノール 2.0g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0080】
〔配合例4〕
常法により、以下の組成を有する錠剤を製造した。
オノニス抽出物(試料1) 1.0mg
クジン抽出物(試料2) 1.0mg
ゴールデンシルク抽出物(試料3) 1.0mg
エンメイソウ抽出物(試料4) 1.0mg
ワレモコウ抽出物(試料5) 1.0mg
ドロマイト(カルシウム20%、マグネシウム10%含有) 83.4mg
カゼインホスホペプチド 16.7mg
ビタミンC 33.4mg
マルチトール 136.8mg
コラーゲン 12.7mg
ショ糖脂肪酸エステル 12.0mg
【0081】
〔配合例5〕
常法により、以下の組成を有する経口液状製剤を製造した。
<1アンプル(1本100mL)中の組成>
月桃抽出物(試料6) 5.0質量%
ヒマラヤンラズベリー抽出物(試料7) 5.0質量%
ソルビット 12.0質量%
安息香酸ナトリウム 0.1質量%
香料 1.0質量%
硫酸カルシウム 0.5質量%
精製水 残部(100質量%)
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の抗糖化剤は、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症等の糖尿病合併症の予防又は治療、タンパク質の糖化反応に起因する動脈硬化の予防又は治療、タンパク質の糖化反応に起因する皮膚の弾力性低下やくすみ等の予防又は改善、およびタンパク質の糖化反応に起因する骨粗鬆症や変形性関節症等の疾患の予防又は治療等に大きく貢献できる。