(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161127
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】撮像素子および撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/374 20110101AFI20221014BHJP
H04N 5/361 20110101ALI20221014BHJP
【FI】
H04N5/374
H04N5/361
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065708
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 崇志
(72)【発明者】
【氏名】高木 徹
(72)【発明者】
【氏名】中山 智史
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 佳之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 周太郎
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CX32
5C024CY16
5C024GY39
5C024GY41
5C024HX01
5C024HX23
5C024JX08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】画像処理ブロックで発生する熱が画素ブロック側に伝わることによる画素信号のノイズを抑えることができる撮像素子および撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像素子400は、画素を有する第1画素ブロックと、第1画素ブロックと隣り合う第2画素ブロックとが配置された第1基板100と、第1画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第1回路ブロックと、第2画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第2回路ブロックとが配置され、第1基板に積層された第2基板200と、を備える。第1回路ブロックと第2回路ブロックとの距離は、第1画素ブロックと第2画素ブロックとの距離と異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を有する第1画素ブロックと、前記第1画素ブロックと隣り合う第2画素ブロックとが配置された第1基板と、
前記第1画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第1回路ブロックと、前記第2画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第2回路ブロックとが配置され、前記第1基板に積層された第2基板と、
を備え、
前記第1回路ブロックと前記第2回路ブロックとの距離は、前記第1画素ブロックと前記第2画素ブロックとの距離と異なる撮像素子。
【請求項2】
画素を有する第1画素ブロックと、前記第1画素ブロックと第2画素ブロックとが配置された第1基板と、
前記第1画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第1回路ブロックと、前記第2画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第2回路ブロックとが配置され、前記第1基板に積層された第2基板と、
を備え、
前記第1画素ブロックと第2画素ブロックとは隣り合い、前記第1回路ブロックと第2回路ブロックとは隣り合わない撮像素子。
【請求項3】
画素を有する画素ブロックが複数配置された第1基板と、
前記第1基板に積層され、各々が前記複数の画素ブロックのうちの対応する少なくともいずれかが出力した信号をデジタル信号に変換する回路ブロックが複数配置された第2基板と、
を備え、
前記複数の画素ブロックの配置関係と、前記複数の画素ブロックのそれぞれに対応する前記複数の回路ブロックの配置関係とが異なっている撮像素子。
【請求項4】
前記第1基板および前記第2基板は、前記複数の画素ブロックの少なくともいずれか1つを、前記第1基板と前記第2基板とが積層された方向について、前記複数の画素ブロックの前記少なくともいずれか1つと重ならない位置にある前記複数の回路ブロックの少なくともいずれか1つに電気的に接続する接続配線を有する請求項3に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記複数の回路ブロックは、前記第1基板と前記第2基板とが積層された方向について、重ならない位置にある画素ブロックと電気的に接続される第1の回路ブロックと、重なる位置にある画素ブロックと電気的に接続される第2の回路ブロックとを含む請求項4に記載の撮像素子。
【請求項6】
前記接続配線は、前記複数の画素ブロックのうちの少なくとも一つを、前記第1の回路ブロックおよび前記第2の回路ブロックに電気的に接続する請求項5に記載の撮像素子。
【請求項7】
前記第1の回路ブロックと電気的に接続される画素ブロックに隣接する複数の画素ブロックのうちの少なくとも一つの画素ブロックは、前記少なくとも一つの画素ブロックと重ならない位置にある前記第2の回路ブロックと電気的に接続される請求項5に記載の撮像素子。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像素子を有する撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AD変換部を備える撮像素子が知られている(例えば、特許文献1)。従来から、AD変換部で発生した熱によるノイズが問題となっていた。
特許文献1 特開2013-51674
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、撮像素子であって、画素を有する第1画素ブロックと、第1画素ブロックと隣り合う第2画素ブロックとが配置された第1基板と、第1画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第1回路ブロックと、第2画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第2回路ブロックとが配置され、第1基板に積層された第2基板と、を備え、第1回路ブロックと第2回路ブロックとの距離は、第1画素ブロックと第2画素ブロックとの距離と異なる。
【0004】
本発明の第2の態様においては、撮像素子であって、画素を有する第1画素ブロックと、第1画素ブロックと第2画素ブロックとが配置された第1基板と、第1画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第1回路ブロックと、第2画素ブロックが有する画素から出力された信号をデジタル信号に変換する第2回路ブロックとが配置され、第1基板に積層された第2基板と、を備え、第1画素ブロックと第2画素ブロックとは隣り合い、第1回路ブロックと第2回路ブロックとは隣り合わない。
【0005】
本発明の第3の態様においては、撮像素子であって、画素を有する画素ブロックが2次元に複数配置された第1基板と、第1基板に積層され、各々が複数の画素ブロックのうちの対応する少なくともいずれかが出力した信号をデジタル信号に変換する回路ブロックが複数配置された第2基板と、を備え、複数の画素ブロックの配置関係と、複数の画素ブロックのそれぞれに対応する複数の回路ブロックの配置関係とが異なっている。
【0006】
本発明の第2の態様においては、撮像装置であって上記撮像素子を備える。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る撮像素子400の概要を示す図である。
【
図4】処理回路部210のより具体的な構成の一例を示す。
【
図5】画素ブロック120と処理ブロック220との接続関係を模式的に示す。
【
図6】被写体の明るさと発熱の関係を示す模式図である。
【
図7】画素ブロック120と処理ブロック220との他の接続関係を模式的に示す。
【
図8】画素ブロック120と処理ブロック222との他の接続関係を模式的に示す。
【
図9】画素ブロック120と処理ブロック222との他の接続関係を模式的に示す。
【
図10】画素ブロック120と処理ブロック220との接続関係を模式的に示す。
【
図11】実施例に係る撮像装置500の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
本明細書において、X軸とY軸とは互いに直交し、Z軸はXY平面に直交する。XYZ軸は右手系を構成する。Z軸と平行な方向を撮像素子400の積層方向と称する場合がある。本明細書において、「上」及び「下」の用語は、重力方向における上下方向に限定されない。これらの用語は、Z軸方向における相対的な方向を指すに過ぎない。なお、本明細書では、X軸方向の配列を「行」とし、Y軸方向の配列を「列」として説明するが、行列方向はこれに限定されない。また、Z軸方向が被写体からの光が入射する光軸方向となっている。
【0011】
図1は、本実施形態に係る撮像素子400の概要を示す図である。撮像素子400は、被写体を撮像する。撮像素子400は、撮像された被写体の画像データを生成する。撮像素子400は、第1基板100および第2基板200を備える。
図1に示すように、第1基板100は、第2基板200に積層されている。
【0012】
第1基板100は、画素部110を有する。画素部110は、入射された光に基づく画素信号を出力する。なお、第1基板100を画素チップと呼ぶことがある。
【0013】
第2基板200は、処理回路部210および周辺回路部230を有する。なお、第2基板200を信号処理チップと呼ぶことがある。
【0014】
処理回路部210は、第1基板100から出力された画素信号が入力される。処理回路部210は、入力された画素信号を処理する。例えば、処理回路部210は、アナログ信号をデジタル信号に変換する処理を行う。具体的には、処理回路部210は、入力された画素信号をデジタル信号に変換する処理を行う。処理回路部210は他の信号処理を行ってもよい。他の信号処理の例としてアナログまたはデジタルのCDS(相関二重サンプリング)などのノイズ除去処理が挙げられる。
【0015】
本例の処理回路部210は、第2基板200において、画素部110と対向する位置に配置されている。すなわち、処理回路部210は光軸方向について少なくとも部分的に画素部110と重なるように配される。処理回路部210は、画素部110の駆動を制御するための制御信号を画素部110に出力してもよい。
【0016】
周辺回路部230は、処理回路部210の駆動を制御する。周辺回路部230は、第2基板200において、処理回路部210の周辺に配置されている。また、周辺回路部230は、第1基板100と電気的に接続され、画素部110の駆動を制御してもよい。
【0017】
撮像素子400は、第1基板100および第2基板200に加えて、第2基板200に積層された第3基板を有してもよい。例えば、第3基板はメモリチップであって、第2基板200が出力した信号に応じた画像処理を行う。また、撮像素子400の構造は、裏面照射型であっても、表面照射型であってもよい。以下、裏面照射型の例で説明する。
【0018】
図2は、画素部110の具体的な構成の一例を示す。本例では、画素部110と、画素部110に設けられた画素ブロック120の拡大図を示している。
【0019】
画素部110は、行方向および列方向に沿って並んで2次元に配置された複数の画素ブロック120を有する。本例の画素部110は、M×N個(M,Nは、自然数)の画素ブロック120を有する。本例では、MがNと等しい場合を図示しているが、MとNは異なっていてもよい。
【0020】
画素ブロック120は、少なくとも1つの画素112を有する。本例の画素ブロック120は、m×n個(m,nは、自然数)の画素112を有する。例えば、画素ブロック120は、16×16個の画素112を有する。画素ブロック120に対応する画素112の個数はこれに限定されない。本例では、mがnと等しい場合を図示しているが、mはnと異なっていてもよい。画素ブロック120は、行方向において共通の制御線に接続された複数の画素112を有する。例えば、画素ブロック120のそれぞれの画素112は、同一の露光時間に設定されるように共通の制御線に接続されている。一例において、行方向に並ぶn個の画素112が共通の制御線によって接続される。
【0021】
一方、複数の画素ブロック120同士では、それぞれ異なる露光時間に設定されてよい。即ち、画素ブロック120のそれぞれの画素112は同一の露光時間であるが、他の画素ブロック120では異なる露光時間に設定されてよい。例えば、画素ブロック120の画素112が行方向に共通の制御線で接続されている場合に、他の画素ブロック120の画素112が異なる制御線で共通に接続される。
【0022】
本実施形態では、1つの処理ブロック220に対して、1つの画素ブロック120が配置されている。画素ブロック120と処理ブロック220との接続関係については後述する。
【0023】
画素112は、光を電荷に変換する光電変換機能を有する。画素112は、光電変換された電荷を蓄積する。m個の画素112は、列方向に沿って並んで配置され、共通の信号線122に接続されている。そして、m個の画素112は、画素ブロック120において、行方向にn列並んで配列されている。
【0024】
換言すれば、画素ブロック120は、共通の制御線で接続された複数の画素112のあつまりである。また、画素ブロック120は、同一の露光時間が設定される複数の画素112の回路の最小単位であるともいえる。
【0025】
図3は画素112の回路構成の一例を示す。画素112は、光電変換部104と、転送部123と、リセット部126と、画素出力部127とを備える。画素出力部127は、増幅部128および選択部129を有する。本例では、転送部123、リセット部126、増幅部128および選択部129はNチャンネル型FETとして説明するが、トランジスタの種類はこれに限られない。
【0026】
光電変換部104は、光を電荷に変換する光電変換機能を有する。光電変換部104は、光電変換された電荷を蓄積する。光電変換部104は、例えば、フォトダイオードである。
【0027】
転送部123は、光電変換部104に蓄積された電荷を蓄積部125に転送する。転送部123は、光電変換部104の電荷を転送するトランスファーゲートの一例である。換言すれば、転送部123をゲートとし、光電変換部104をソースとし、蓄積部125をドレインとして、これらがいわゆる転送トランジスタを構成している。転送部123のゲート端子は、画素ブロック120ごとのローカルな転送制御線に接続されて、制御信号φTX1が入力される。
【0028】
蓄積部125は、転送部123により光電変換部104からの電荷が転送される。蓄積部125は、フローティングディフュージョン(FD)の一例である。
【0029】
リセット部126は、蓄積部125の電荷を所定の電源電圧VDDが供給される電源配線に排出する。リセット部126のゲート端子は、複数の画素ブロック120にわたるグローバルなリセット制御線に接続されて、リセット制御信号φRSTが入力される。
【0030】
画素出力部127は、蓄積部125の電位に基づく信号を信号線122に出力する。画素出力部127は、増幅部128および選択部129を有する。増幅部128は、ゲート端子が蓄積部125に接続され、ドレイン端子が電源電圧VDDの供給される電源配線に接続され、ソース端子が選択部129のドレイン端子に接続される。
【0031】
選択部129は、画素112と信号線122の間の電気的な接続を制御する。選択部129により画素112と信号線122が電気的に接続されると、画素112から信号線122に画素信号が出力される。選択部129のゲート端子は、選択制御信号φSELを入力するための複数の画素ブロック120にわたるグローバルな選択制御線に接続される。選択部129のソース端子は負荷電流源121に接続されている。
【0032】
負荷電流源121は、信号線122に電流を供給する。負荷電流源121は、第1基板100に設けられてもよいし、第2基板200に設けられてもよい。
【0033】
以降、光電変換部104に蓄積された電荷、蓄積部125に転送された電荷および蓄積部125の電位に基づく信号のいずれか、または、これらを総称して、画素信号と称する場合がある。
【0034】
付言すれば、画素112は少なくとも1つの光電変換部104と、当該少なくとも1つの光電変換部104からの画像信号を信号線122に読み出す読出部としての画素出力部127と、を備えている。画素112は、画像を構成する画素信号を信号線122に出力する回路の最小単位であるともいえる。
【0035】
図4は、処理回路部210のより具体的な構成の一例を示す。本例では、処理回路部210と、処理回路部210に設けられた処理ブロック220の拡大図を示している。
【0036】
処理回路部210は、行方向および列方向に沿って並んで配置された処理ブロック220を有する。本例の処理回路部210は、M×N個の処理ブロック220を有する。
【0037】
本実施形態において、処理ブロック220と画素ブロック120は光軸方向から見て重なった位置に配されるが、必ずしも重なった位置に配された処理ブロック220と画素ブロック120とが接続されるとは限らない。この場合に、処理ブロック220と画素ブロック120の面積は隣接するブロック間のマージンを含めて略同一であってよい。
【0038】
処理ブロック220は、電気的に接続された画素ブロック120の駆動を制御する。処理ブロック220と画素ブロック120とが電気的に接続されていることを、対応する、と呼ぶ場合がある。例えば、処理ブロック220は、対応する画素ブロック120の露光時間を制御する。また、処理ブロック220は、ADコンバータ等の処理回路を有し、対応する画素ブロック120が出力した信号を処理する。一例において、処理ブロック220は、対応する画素ブロック120から出力されたアナログの画素信号をデジタル信号に変換する。本例の処理ブロック220は、露光制御部10と、画素駆動部20と、接合部30と、信号変換部40と、信号出力部50とを備える。
【0039】
露光制御部10は、複数の画素112の露光を制御する。露光制御部10は、画素112の露光時間を制御するための信号を生成する。一例において、露光制御部10は、露光の開始タイミングまたは終了タイミングの少なくとも1つを調整して、画素ブロック120毎の露光時間を制御する。
【0040】
画素駆動部20は、複数の画素112と電気的に接続される。画素駆動部20は、露光制御部10からの信号に基づき、複数の画素112から、任意の画素112を選択して駆動する。撮像素子400は、入射光の強度に応じて、画素ブロック120毎に露光時間の設定が可能であるため、ダイナミックレンジを拡大することができる。
【0041】
接合部30は、第1基板100と第2基板200とを接合する。接合部30は、第1基板100から入力された画素信号を信号変換部40に入力する。接合部30は、行方向に配置されたn個の画素112に対応して設けられ、信号変換部40に画素信号を列毎に入力する。
【0042】
信号変換部40は、画素部110が出力したアナログ信号をデジタル変換する。本例の信号変換部40は、アナログの画素信号をデジタル信号に変換する。信号変換部40は、列方向に配列されたm個の画素112からのアナログ信号を順次デジタル変換する。信号変換部40は、行方向に並んだn個のADコンバータ42を有する。ADコンバータ42のそれぞれは、対応する画素ブロック120の対応する列の画素112からのアナログ信号を並列にデジタル変換する。これは、一つの画素ブロック120に対していわゆるカラムADC方式であるともいえる。
【0043】
信号出力部50は、信号変換部40からデジタル信号を受信する。一例において、信号出力部50は、デジタル信号を一時的に記憶する。信号出力部50は、デジタル信号を記憶するためのラッチ回路を有してよい。
【0044】
なお、1つの画素ブロック120に対して1つの処理ブロック220を設けることに代えて、N個(Nは2以上の自然数)の画素ブロック120に対して1つの処理ブロック220を設けてもよい。1つの処理ブロックに対応したN個の画素ブロック120を画素ブロック群と称することがある。例えば、列方向に沿って並んで配置された2つの画素ブロック120を1つの画素ブロック群として、1つの処理ブロック220を設けてもよい。この場合、処理ブロック220は、画素ブロック120毎に露光時間を制御してもよい。
【0045】
付言すれば、処理ブロック220は、少なくとも1つの画素ブロック120に電気的に接続され、当該少なくとも1つの画素ブロック120の画素信号を処理する回路の最小単位であるともいえる。また、処理回路部210は、処理ブロック220の群で構成されているともいえる。
【0046】
図5は、画素ブロック120と処理ブロック220との接続関係を模式的に示す。
図5では、説明の簡略化のため、画素部110および処理回路部210における4×4のブロックが示されており、各ブロックをXY方向の順序を用いて「1-1」、「1-2」のように表している。
【0047】
図5に示す例において、X方向が「1」の列、すなわち画素ブロック「1-1」、「1-2」、「1-3」および「1-4」はそれぞれ、積層方向であるZ方向に重なった処理ブロック「1-1」、「1-2」、「1-3」および「1-4」に、接続配線250によって接続されている。なお、接続配線250は、画素ブロック120の列数であるn本あるが図中は代表して1本で示している。接続配線250は、画素部110と処理回路部210の境界面102をまたぐほぼZ方向に延びている。
【0048】
一方、X方向が「2」の列、すなわち画素ブロック「2-1」、「2-2」、「2-3」および「2-4」はそれぞれ、積層方向であるZ方向に重なった処理ブロック「2-1」、「2-2」、「2-3」および「2-4」には接続されていない。代わりに、画素ブロック「2-1」はZ方向に重ならない処理ブロック「2-3」に接続されている。また、画素ブロック「2-2」はZ方向に重ならない処理ブロック「2-4」に接続され、画素ブロック「2-3」はZ方向に重ならない処理ブロック「2-1」に接続され、画素ブロック「2-4」はZ方向に重ならない処理ブロック「2-2」に接続されている。
【0049】
画素ブロック「2-1」と処理ブロック「2-3」とは、画素部110と処理回路部210の境界面102をまたぐほぼZ方向に延びている接続配線252と、この接続配線252とつながっており処理回路部210のXY平面内に延びている接続配線253とで電気的に接続されている。X方向が「2」の列の他の画素ブロックおよび処理ブロックも同様に接続配線252,253によって電気的に接続されている。
【0050】
接続配線252,253が、代表して1本で示されていることは接続配線250と同様である。また、XY平面内に延びている接続配線253は、画素部110の側に設けられてもよいし、画素部110と処理回路部210の両方に設けられてもよい。
【0051】
X方向が「3」の列の画素ブロックと処理ブロックとの接続関係は、X方向が「1」の列と同じである。さらに、X方向が「4」の列の画素ブロックと処理ブロックとの接続関係は、X方向が「2」の列と同じである。付言すれば、画素部110および処理回路部210の全体にわたって、X方向が「1」の画素ブロックと処理ブロックとの接続関係とX方向が「2」の画素ブロックと処理ブロックとの接続関係とを一つの単位として、その接続関係がXY方向に繰り返し適用されている。なお、繰り返しのうちの一部が異なる接続関係にあってもよい。
【0052】
図5に示す画素ブロックと処理ブロックとの接続関係は、例えば画素ブロック「1-1」と「2-1」とはX方向に隣接しているにも関わらず、それらに接続している「処理ブロック「1-1」と「2-3」とはX方向に隣接していない。したがって、
図5の接続関係は、複数の画素ブロックの配置関係と、複数の画素ブロックのそれぞれに対応する複数の回路ブロックの配置関係とが異なっている例になっているといえる。
【0053】
また、
図5において、処理ブロックとZ方向に重なって接続されている画素ブロックのいずれか一つに着目すると、当該画素ブロックに隣接する画素ブロックのいずれか一つの画素ブロックはZ方向に重なっていない処理ブロックと接続されている。例えば、処理ブロックとZ方向に重なって接続されている画素ブロック「1-1」に着目すると、画素ブロック「1-1」に隣接する画素ブロックのうちの画素ブロック「2-1」は、Z方向に重なっていない処理ブロック「2-3」に接続されている。
【0054】
図6は、被写体の明るさと発熱の関係を示す模式図である。
図6は、
図5の接続関係をXY平面で示している。
【0055】
例えば、画素ブロック「1-1」、「1-2」、「2-1」及び「2-2」にまたがって明るい被写体からの光が入射しているとする。付言すると、被写体はこのように隣接する画素ブロック間にまたがっていることが多い。
【0056】
例えば、ダイナミックレンジを拡大させるための手法として、画素ブロック毎に露光時間や画素信号出力回数を変えて画素信号を読み出す様な使い方をする場合、明るい被写体が入射している画素ブロックに対しては、当該画素ブロックの画素が飽和しないように、他の画素ブロックよりも頻繁に画素信号が処理ブロックに読み出されることがある。この場合、頻繁に読み出しが行われる処理ブロックでは、その分、頻繁にAD変換などの処理が行われることになり発熱が大きくなる。
【0057】
図6の実施形態によれば、画素ブロック「1-1」、「1-2」、「2-1」及び「2-2」に接続されているのは処理ブロック「1-1」、「1-2」、「2-3」及び「2-4」である。したがって、発熱が大きくなるのは処理ブロック「1-1」、「1-2」、「2-3」及び「2-4」である。ここで、処理ブロック「1-1」および「1-2」と処理ブロック「2-3」および「2-4」とはXY方向のいずれにも隣接していない。よって、全体として発熱が大きい領域が分散される。これにより、発熱が大きい領域が集中することで熱が画素ブロック側に伝わることによる画素信号のノイズを抑えることができる。
【0058】
図7は、画素ブロック120と処理ブロック220との他の接続関係を模式的に示す。
図7において
図5と同じ構成は同じ参照番号を付して説明を省略する。また
図7も
図5と同様に簡略化されている。
【0059】
図7に示す例において、画素ブロック「1-1」は、積層方向であるZ方向に重なった処理ブロック「1-1」と、Z方向に重ならない処理ブロック「1-3」とに接続されている。この場合に、画素ブロック「1-1」の一部の画素112が、接続配線255およびこれと接続され主にZ方向に延びる接続配線256で処理ブロック「1-1」に接続されている。一方、画素ブロック「1-1」の他の一部の画素112が、接続配線255およびこれと接続されXY方向にも延びる接続配線257で処理ブロック「1-3」に接続されている。
【0060】
ここで、処理ブロック220がカラムADC方式であることに対応して、上記一部の画素112および他の一部の画素112は、列毎であることが好ましい。また、発熱を分散させる観点から、一部の画素数と他の一部の画素数とは同一またはほぼ同一であることが好ましい。例えば、画素ブロック「1-1」の奇数列の画素112が処理ブロック「1-1」に接続され、画素ブロック「1-1」の偶数列の画素112が処理ブロック「1-3」に接続されてよい。
【0061】
この場合には、図中で、n本の接続配線255、n/2本の接続配線256、n/2本の接続配線257が、それぞれ代表して1本で示されている。なお接続配線257の全部または一部が画素部110の側に配されてよいことは
図5の場合と同様である。
【0062】
同様に、画素ブロック「1-2」は、積層方向であるZ方向に重なった処理ブロック「1-2」と、Z方向に重ならない処理ブロック「1-4」とに接続されている。さらに、画素ブロック「1-3」は、積層方向であるZ方向に重なった処理ブロック「1-3」と、Z方向に重ならない画素ブロック「1-1」とに接続されている。また、画素ブロック「1-4」は、積層方向であるZ方向に重なった処理ブロック「1-4」と、Z方向に重ならない画素ブロック「1-2」とに接続されている。
【0063】
図7に示す例において、一つの処理ブロックに着目すると、当該処理ブロックは2つの画素ブロックと接続されていることになる。例えば、処理ブロック「1-1」は、画素ブロック「1-1」および「1-3」に接続されている。この場合に、処理ブロック「1-1」の複数のADコンバータ42のうちの一部が一方の画素ブロック「1-1」に接続され、複数のADコンバータ42のうちの他の一部が他方の画素ブロック「1-3」に接続される。これにより、画素ブロックと処理ブロックとが1対1に接続されている場合と同様な並行処理ができる。
【0064】
図7において、画素部110および処理回路部210の全体にわたって、Y方向が「1」から「4」の画素ブロックと処理ブロックとの接続関係を一つの単位として、その接続関係がXY方向に繰り返し適用されている。なお、繰り返しのうちの一部が異なる接続関係にあってもよい。
【0065】
図7に示す画素ブロックと処理ブロックとの接続関係は、例えば画素ブロック「1-1」は処理ブロック「1-1」とは重なっているが処理ブロック「1-3」とは重なっていないにも関わらず、それらの両方に接続している。したがって、
図7の接続関係も、複数の画素ブロックの配置関係と、複数の画素ブロックのそれぞれに対応する複数の回路ブロックの配置関係とが異なっている例になっているといえる。
【0066】
図7の例において、例えば、画素ブロック「1-1」、「1-2」、「2-1」及び「2-2」にまたがって明るい被写体からの光が入射しているとする。この場合に、画素ブロック「1-1」は2つの処理ブロック「1-1」および「1-3」に接続されているので、発熱がこれら2つの処理ブロックに分散する。さらに、これら2つの処理ブロックは互いに隣接していないので、発熱が大きい領域がさらに分散する。
【0067】
また、4つの画素ブロック「1-1」、「1-2」、「2-1」及び「2-2」の全体でみると、これらに接続されているのは8つの処理ブロック「1-1」、「1-2」、「1-3」、「1-4」、「2-1」、「2-2」、「2-3」及び「2-4」であり、それぞれの処理ブロックでの処理頻度は1つの画素ブロック読み出し頻度の半分になっている。よって、全体として発熱が大きい領域が分散される。これにより、発熱が大きい領域が集中することで熱が画素ブロック側に伝わることによる画素信号のノイズを抑えることができる。
【0068】
図8は、画素ブロック120と処理ブロック222との他の接続関係を模式的に示す。
図8において
図5から
図7と同じ構成は同じ参照番号を付して説明を省略する。また
図8も
図5と同様に簡略化されている。
【0069】
図8の例において、画素部110と処理回路部212の全体として、2つの画素ブロックが、1つの画素ブロック群として1つの処理ブロックに接続されている。例えば、2つの画素ブロック「1-1」および「1-2」が、1つの処理ブロック「1-1,2」に接続配線250で接続されている。この場合に処理ブロック222の各々は2n個のADコンバータ42を有している。
【0070】
さらに、画素ブロック「1-1」および「1-2」はZ方向について重なる処理ブロック「1-1,2」に接続されており、画素ブロック「1-3」および「1-4」もZ方向について重なる処理ブロック「1-3,4」に接続されている。一方、画素ブロック「2-1」および「2-2」はZ方向について重なっていない処理ブロック「2-3,4」に接続配線252および253で接続されており、画素ブロック「2-3」および「2-4」もZ方向について重なっていない処理ブロック「2-1,2」に接続されている。
【0071】
図8において、画素部110および処理回路部210の全体にわたって、X方向が「1」から「4」、Y方向が「1」から「2」の画素ブロックすなわち画素ブロック群と処理ブロックとの接続関係を一つの単位として、その接続関係がXY方向に繰り返し適用されている。なお、繰り返しのうちの一部が異なる接続関係にあってもよい。
【0072】
図8に示す画素ブロックと処理ブロックとの接続関係は、例えば画素ブロック「1-1」は処理ブロック「1-1,2」とは重なっているが画素ブロック「2-1」は処理ブロック「2-3,4」とは重なっていない。したがって、
図8の接続関係も、複数の画素ブロックの配置関係と、複数の画素ブロックのそれぞれに対応する複数の回路ブロックの配置関係とが異なっている例になっているといえる。
【0073】
図8の例において、例えば、画素ブロック「1-1」、「1-2」、「2-1」及び「2-2」にまたがって明るい被写体からの光が入射しているとする。この場合に、上記接続関係により、処理頻度が大きくなるのは処理ブロック「1-1,2」および「2-3,4」となる。これら2つの処理ブロックは互いに隣接していないので、発熱が大きい領域が分散する。これにより、発熱が大きい領域が集中することで熱が画素ブロック側に伝わることによる画素信号のノイズを抑えることができる。
【0074】
図9は、画素ブロック120と処理ブロック222との他の接続関係を模式的に示す。
図9において
図5から
図8と同じ構成は同じ参照番号を付して説明を省略する。また
図8も
図5と同様に簡略化されている。
【0075】
図9の例においては、画素部110と処理回路部212の全体として、2つの画素ブロックが、1つの画素ブロック群として2つの処理ブロックに接続されている。例えば、2つの画素ブロック「1-1」および「1-2」が、2つの処理ブロック「1-1,2」および「1-3,4」に接続配線255,256,257で接続されている。
【0076】
この場合に処理ブロック222の各々は2n個のADコンバータ42を有している。さらに、2つの画素ブロック「1-1」および「1-2」の一部の画素112が一方の処理ブロック「1-1,2」に接続され、他の一部の画素112が他方の処理ブロック「1-3,4」に接続される。例えば、2つの画素ブロック「1-1」および「1-2」の両方の奇数列の画素112が、一方の処理ブロック「1-1,2」に接続され、画素ブロック「1-1」および「1-2」の両方の偶数列の画素112が、他方の処理ブロック「1-3,4」に接続されてよい。
【0077】
図9において、画素部110および処理回路部210の全体にわたって、X方向が「1」から「4」の画素ブロックと処理ブロックとの接続関係を一つの単位として、その接続関係がXY方向に繰り返し適用されている。なお、繰り返しのうちの一部が異なる接続関係にあってもよい。
【0078】
図9に示す画素ブロックと処理ブロックとの接続関係は、例えば画素ブロック「1-1」は処理ブロック「1-1,2」とは重なっているが処理ブロック「1-3,4」とは重なっていない。したがって、
図9の接続関係も、複数の画素ブロックの配置関係と、複数の画素ブロックのそれぞれに対応する複数の回路ブロックの配置関係とが異なっている例になっているといえる。
【0079】
図9の例において、例えば、画素ブロック「1-1」、「1-2」、「2-1」及び「2-2」にまたがって明るい被写体からの光が入射しているとする。この場合に、上記接続関係により、発熱が2倍の面積を有する4つの処理ブロックに分散する。さらに、当該4つの処理ブロックでの処理頻度は1つの画素ブロック群の読み出し頻度の半分になっている。よって、全体として発熱が大きい領域が分散される。これにより、発熱が大きい領域が集中することで熱が画素ブロック側に伝わることによる画素信号のノイズを抑えることができる。
【0080】
図10は、画素ブロック120と処理ブロック220との接続関係を模式的に示す。
図10において、
図6と同じ構成については同じ参照番号を付して説明を省略する。
【0081】
図10において、画素ブロック「1-1」は処理ブロック「1-1」に電気的に接続されている。画素ブロック「2-1」は処理ブロック「2-3」に電気的に接続されている。
【0082】
ここで、画素ブロック「1-1」と画素ブロック「2-1」との距離L1は、対応する処理ブロック「1-1」と処理ブロック「2-3」との距離L2と異なっている。具体的には距離L1の方が距離L2よりも短い。ここで距離は、それぞれのブロックにおける代表的な位置間の距離であってよく、例えば当該代表的な位置は、各ブロックの幾何学的な重心(中心とも呼ばれる)であってよい。また、各ブロックが矩形の場合に何れか一つの角であってもよい。
【0083】
なお、
図10における画素ブロック「1-1」、「2-1」、処理ブロック「1-1」、「2-3」の接続関係は説明の都合上、
図6と同じである。しかしながら、接続関係は
図6と同じものに限られず、本実施形態では、注目しているある画素ブロックと他の画素ブロックとの距離が、対応する2つの処理ブロック間の距離と異なっているように接続されていればよい。
【0084】
また、上記距離の関係において、注目する画素ブロックと他の画素ブロックとは互いに隣接していなくてもよい。さらに、注目しているある画素ブロックと他の画素ブロックとの距離が対応する2つの処理ブロック間の距離と異なっている画素ブロックと処理ブロックの組が少なくとも1つあれば、他の2つの画素ブロック間の距離と対応する処理ブロック間の距離が同じ組が含まれていてもよい。
【0085】
なお、上記いずれの実施形態においても、画素112に排出部を設けてもよい。排出部は、光電変換部104に蓄積された電荷を電源電圧VDDが供給される電源配線に排出する。さらに別例として、転送部123を省略してもよい。その場合には蓄積部125はフローティングディフュージョンとしての機能を有しなくなる。また、蓄積部125、画素出力部127を他の画素と共有してもよい。また、画素112は複数の光電変換部104および転送部123で構成してもよい。
【0086】
さらに、上記いずれの実施形態においても、処理ブロック220に露光制御部10および画素駆動部20を設けず、主に処理ブロック220ごとに読出しが行われて信号変換部40による変換を行うものであってよい。この場合には画素112は画素ブロック120ごとではなく画素部110の全体として露光時間が制御される。
【0087】
図11は、実施例に係る撮像装置500の構成例を示すブロック図である。撮像装置500は、撮像素子400と、システム制御部501と、駆動部502と、測光部503と、ワークメモリ504と、記録部505と、表示部506と、駆動部514と、撮影レンズ520とを備える。
【0088】
撮影レンズ520は、光軸OAに沿って入射する被写体光束を撮像素子400へと導く。撮影レンズ520は、複数の光学レンズ群から構成され、シーンからの被写体光束をその焦点面近傍に結像させる。撮影レンズ520は、撮像装置500に対して着脱できる交換式レンズであってもよい。なお、
図11では瞳近傍に配置された仮想的な1枚のレンズで当該撮影レンズ520を代表して表している。
【0089】
駆動部514は、撮影レンズ520を駆動する。一例において、駆動部514は、撮影レンズ520の光学レンズ群を移動させて合焦位置を変更する。また、駆動部514は、撮影レンズ520内の虹彩絞りを駆動して撮像素子400に入射する被写体光束の光量を制御してよい。
【0090】
駆動部502は、システム制御部501からの指示に従って撮像素子400のタイミング制御、領域制御等の電荷蓄積制御を実行する制御回路を有する。また、操作部508は、レリーズボタン等により撮像者からの指示を受け付ける。
【0091】
撮像素子400は、画素信号をシステム制御部501の画像処理部511へ引き渡す。画像処理部511は、ワークメモリ504をワークスペースとして種々の画像処理を施した画像データを生成する。例えば、JPEGファイル形式の画像データを生成する場合は、ベイヤー配列で得られた信号からカラー映像信号を生成した後に圧縮処理を実行する。生成された画像データは、記録部505に記録されるとともに、表示信号に変換されて予め設定された時間の間、表示部506に表示される。
【0092】
測光部503は、画像データを生成する一連の撮影シーケンスに先立ち、シーンの輝度分布を検出する。測光部503は、例えば100万画素程度のAEセンサを含む。システム制御部501の演算部512は、測光部503の出力を受けてシーンの領域ごとの輝度を算出する。
【0093】
演算部512は、算出した輝度分布に従ってシャッタ速度、絞り値、ISO感度を決定する。測光部503は撮像素子400で兼用してもよい。なお、演算部512は、撮像装置500を動作させるための各種演算も実行する。駆動部502は、一部または全部が撮像素子400に搭載されてよい。システム制御部501の一部が撮像素子400に搭載されてもよい。
【0094】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0095】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0096】
10 露光制御部、20 画素駆動部、30 接合部、40 信号変換部、42 ADコンバータ、50 信号出力部、100 第1基板、102 境界面、104 光電変換部、110 画素部、112 画素、120 画素ブロック、121 負荷電流源、122 信号線、123 転送部、125 蓄積部、126 リセット部、127 画素出力部、128 増幅部、129 選択部、200 第2基板、210、212 処理回路部、220、222 処理ブロック、250、252、253、255、256、257 接続配線、400 撮像素子、500 撮像装置、501 システム制御部、502 駆動部、503 測光部、504 ワークメモリ、505 記録部、506 表示部、508 操作部、511 画像処理部、512 演算部、514 駆動部、520 撮影レンズ