(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161360
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
G01N35/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066107
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【弁理士】
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(72)【発明者】
【氏名】吉田 裕太
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058GA01
2G058GA11
2G058GA14
2G058GD00
(57)【要約】
【課題】測定装置から出力される測定データに対して簡便かつ適切に所望の処理を行うことを可能にする。
【解決手段】被処理物の測定処理を行う測定装置1から出力される測定データ2に対して所定の情報処理を行う情報処理部12と、前記情報処理部12での情報処理に必要となる解読手順情報14が複数種類登録される情報登録部13と、前記測定装置1からの前記測定データ2にどの種類の前記解読手順情報14を適用するかを規定する識別データを付して、前記測定データ2および前記識別データを前記情報処理部12に受け渡す情報識別部22と、を備えて情報処理システムを構築する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物の測定処理を行う測定装置から出力される測定データに対して所定の情報処理を行う情報処理部と、
前記情報処理部での情報処理に必要となる解読手順情報が複数種類登録される情報登録部と、
前記測定装置からの前記測定データにどの種類の前記解読手順情報を適用するかを規定する識別データを付して、前記測定データおよび前記識別データを前記情報処理部に受け渡す情報識別部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理部が行う情報処理には、前記測定データを処理可能なデータ形式に変換する処理と、前記測定データに含まれる一部データを抽出する処理と、の少なくとも一方が含まれる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理部が行う情報処理には、前記測定データの妥当性を判断する処理が含まれる
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報識別部は、前記測定装置の属性情報と、前記測定データの属性情報と、の少なくとも一方に基づいて、前記測定データに付する前記識別データを決定する
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
コンピュータを、
被処理物の測定処理を行う測定装置から出力される測定データに対して所定の情報処理を行う情報処理部と、
前記情報処理部での情報処理に必要となる解読手順情報が複数種類登録される情報登録部と、
前記測定装置からの前記測定データにどの種類の前記解読手順情報を適用するかを規定する識別データを付して、前記測定データおよび前記識別データを前記情報処理部に受け渡す情報識別部と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、研究所や工場等では、液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ、質量分析装置、分光光度計、熱分析装置、全有機体炭素計、天びん等といった各種の測定装置が使用されることがある。これらの測定装置については、それぞれをネットワーク接続して、測定データの一元管理を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
測定データの管理は、ネットワーク上のコンピュータで行われる。そのため、管理対象となる測定データは、コンピュータで処理可能であることを要する。その場合に、測定データに対してどのような処理を行うかの設定は、様々な種類の測定データや処理内容等に対応しつつ、人為的な作業を要さずに、簡便かつ適切に行われることが好ましい。
【0005】
本開示は、測定装置から出力される測定データに対して簡便かつ適切に所望の処理を行うことを可能にする情報処理システムを構築する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
被処理物の測定処理を行う測定装置から出力される測定データに対して所定の情報処理を行う情報処理部と、
前記情報処理部での情報処理に必要となる解読手順情報が複数種類登録される情報登録部と、
前記測定装置からの前記測定データにどの種類の前記解読手順情報を適用するかを規定する識別データを付して、前記測定データおよび前記識別データを前記情報処理部に受け渡す情報識別部と、
を備える情報処理システムが提供される。
【0007】
また、本開示の他の態様によれば、
コンピュータを、
被処理物の測定処理を行う測定装置から出力される測定データに対して所定の情報処理を行う情報処理部と、
前記情報処理部での情報処理に必要となる解読手順情報が複数種類登録される情報登録部と、
前記測定装置からの前記測定データにどの種類の前記解読手順情報を適用するかを規定する識別データを付して、前記測定データおよび前記識別データを前記情報処理部に受け渡す情報識別部と、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、測定装置から出力される測定データに対して簡便かつ適切に所望の処理を行うことを可能にする情報処理システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成例を模式的に示すブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理システムにおいて識別データが付された状態の測定データのデータ構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本開示の一実施形態>
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
(1)情報処理システムの構成
まず、本開示の一実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成例を模式的に示すブロック図である。
【0012】
情報処理システムは、測定装置1から出力される測定データ2を処理するために構築されたものである。
【0013】
(測定装置)
測定装置1は、研究所や工場等で使用されるもので、試料等の被処理物について所定の測定処理を行って、その測定結果を測定データ2として出力するように構成されたものである。このような測定装置1としては、例えば、液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ、質量分析装置、分光光度計、熱分析装置、全有機体炭素計、天びん等が挙げられる。なお、図中では、一つの測定装置1を示しているが、これに限定されることはなく、複数台または複数種類の測定装置1が存在していてもよい。
【0014】
測定装置1から出力される測定データ2としては、測定結果の数値データが代表的なものとして例示できるが、そのデータ内容やデータ形式等が特に限定されるものではない。また、複数の測定装置1が存在する場合、各測定装置1から出力される測定データ2は、それぞれが異なるデータ内容やデータ形式等によるものであってもよい。
【0015】
測定データ2を処理するとは、測定データ2に対して情報処理を行うことを意味する。測定データ2に対してシステム内で行う情報処理には、測定データ2を処理可能なデータ形式に変換するデータ変換処理、測定データ2に含まれる所定項目についての一部データを抽出するデータ抽出処理、測定データ2に基づく所定の演算処理または判断処理、データベース化による測定データ2の管理処理等の少なくとも一つが含まれる。
【0016】
(システム構成)
このような測定データ2に対する処理を行うために、情報処理システムは、少なくとも、データベースサーバ装置10と、ファイルサーバ装置20と、を備えて構成されている。
【0017】
(データベースサーバ装置)
データベースサーバ装置10は、主として測定データ2に対する情報処理を行う機能を担うものである。そのために、データベースサーバ装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等といったハードウエア資源を組み合わせてなるコンピュータ装置によって構成されており、予めインストールされている所定プログラム(ソフトウエア)の実行により、そのソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されることで、少なくとも通信部11、情報処理部12および情報登録部13として機能するようになっている。
【0018】
通信部11は、ファイルサーバ装置20との通信を行って、そのファイルサーバ装置20と情報授受を行うものである。ファイルサーバ装置20との通信は、無線通信または有線通信のいずれでもよく、また情報授受が可能であればデータ形式やプロトコル等が特に限定されるものではない。ファイルサーバ装置20と授受する情報には、測定装置1から出力される測定データ2が含まれているものとする。
【0019】
情報処理部12は、通信部11で受け取った測定装置1からの測定データ2に対して、所定の情報処理を行うものである。情報処理部12が行う所定の情報処理としては、上述したデータ変換処理、データ抽出処理、演算処理、判断処理、管理処理等の少なくとも一つが含まれるものとする。
【0020】
情報登録部13は、情報処理部12での情報処理に必要となる解読手順情報14を記憶保持するものである。解読手順情報14は、測定装置1からの測定データ2に対して、どのような手順でどのような内容の情報処理を行うかを特定する情報である。具体的には、例えば、測定装置1からの測定データ2のうち、どの項目のデータを着目し、その着目データについてどのような処理を行って、図示せぬデータベース部のどの領域に保存するか等を特定する情報である。なお、情報登録部13には、複数種類の解読手順情報14を登録して記憶保持させておくことが可能になっている。図例では、A-1、A-2、X-1、X-2、Y-1、Y-2の各識別データで識別される6種類の解読手順情報14が登録されている場合を示している。
【0021】
(ファイルサーバ装置)
ファイルサーバ装置20は、データベースサーバ装置10が行う情報処理を支援する機能を担うものである。そのために、ファイルサーバ装置20は、例えば、データベースサーバ装置10とは別のコンピュータ装置で、測定装置1に付随して設けられた小型コンピュータ装置(例えば、ラズベリーパイ(Raspberry Pi)(登録商標)等のシングルボードコンピュータ装置)によって構成されている。そして、ファイルサーバ装置20は、所定プログラムの実行により少なくとも通信部21および情報識別部22として機能するようになっている。なお、複数の測定装置1が存在する場合、ファイルサーバ装置20は、各測定装置1に個別に対応して複数設けることが考えられるが、これに限定されることはなく、各測定装置1を識別可能であれば、複数の測定装置1でファイルサーバ装置20を共用するようにしてもよい。
【0022】
通信部21は、測定装置1との通信を行って、その測定装置1との情報授受を行うとともに、データベースサーバ装置10との通信を行って、そのデータベースサーバ装置10との情報授受をも行うものである。測定装置1およびデータベースサーバ装置10との通信は、無線通信または有線通信のいずれでもよく、また情報授受が可能であればデータ形式やプロトコル等が特に限定されるものではない。測定装置1およびデータベースサーバ装置10との通信により、通信部21は、測定装置1から出力される測定データ2をデータベースサーバ装置10に受け渡すようになっている。
【0023】
情報識別部22は、通信部21が測定装置1から受け取った測定データ2に識別データを付して、これら測定データ2および識別データを通信部21からデータベースサーバ装置10の情報処理部12に受け渡すものである。測定データ2に付す識別データは、その測定データ2に対する情報処理を情報処理部12で行う際に、どの種類の解読手順情報14を適用するかを規定するものである。したがって、識別データは、情報登録部13に登録されている解読手順情報14のうち、いずれかの種類の解読手順情報14を特定するようになっている。図例では、情報登録部13に登録されている6種類の解読手順情報14のうちの一つを特定するA-1という識別データを測定データ2に付した場合を示している。
【0024】
(プログラム)
上述した各部11~13,21,22の機能は、データベースサーバ装置10およびファイルサーバ装置20において、所定プログラム(ソフトウエア)による情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現される。つまり、各部11~13,21,22としての機能を実現する所定プログラムは、本開示における「プログラム」の一実施形態に相当するものである。その場合に、当該プログラムは、通信線または記憶媒体を介して外部から提供されて、コンピュータ装置としてのデータベースサーバ装置10およびファイルサーバ装置20にインストールされるものとする。
【0025】
(2)測定データの処理手順
次に、上述した構成の情報処理システムにおいて、測定装置1から出力される測定データ2を処理する場合の処理手順について説明する。
【0026】
既述のように、研究所や工場等では、各種の測定装置1が使用されることがある。例えば、製造工程で液体を扱う工場の生産現場においては、操業状態を正確に把握・制御するために、工程中を流れる液体や原料の成分分析を継続的に実施し、その分析結果を時系列と製造工程別で分類し評価することが重要である。その場合に、分析項目が多数存在しても、分析結果の管理を効率的かつ的確に行うべく、上述した構成の情報処理システムでは、データベースサーバ装置10を利用して測定装置1で得られた測定データ2を一元管理するのである。
【0027】
測定データ2の一元管理にあたっては、その測定データ2について、データベースサーバ装置10での処理を可能にする必要がある。そのためには、測定データ2の処理に必要となる解読手順情報14を予め用意しておき、その解読手順情報14の内容に従いつつ、データベースサーバ装置10の側で測定データ2を処理するようにすればよい。
【0028】
しかしながら、測定装置1からの測定データ2に対して、データベースサーバ装置10の側でどの解読手順情報14を適用するかの指定に人手が介在すると、人為的なエラーが発生したり、作業効率が悪化したりするおそれがある。そこで、上述した構成の情報処理システムでは、測定装置1に付随するように設けられたファイルサーバ装置20を備えており、そのファイルサーバ装置20における情報識別部22が、測定装置1からの測定データ2に適用すべき解読手順情報14に紐づけられた識別データを当該測定データ2に付した状態で、これら測定データ2および識別データをデータベースサーバ装置10に受け渡すようになっている。
【0029】
ファイルサーバ装置20によるデータ受け渡しは、以下のように行われる。測定装置1が測定データ2を出力すると、ファイルサーバ装置20では、通信部21が測定装置1からの測定データ2を受け取る(
図1中の矢印S1参照)。そして、測定データ2を受け取ると、ファイルサーバ装置20では、所定プログラムの実行により、情報識別部22が測定データ2を認識するとともに、データベースサーバ装置10に登録されているいずれかの解読手順情報14に紐づけられた(
図1中の矢印S2参照)識別データを、当該測定データ2に対して自動的に付す。
【0030】
図2は、識別データが付された状態の測定データのデータ構成例を示す説明図である。
図例は、測定データ2を構成するフォルダ階層の一具体例を示している。測定データ2のフォルダ階層は、特に限定されることなく、自由に設定されたもので構わない。また、フォルダ名についても同様であり、任意に決めたもので構わない。ただし、ファイルを保存する階層(フォルダ名)は、それぞれに識別データが紐づく構成とする。図例の場合、「0001@CS-1000_sample1」の階層に識別データを記載することで、当該識別データが紐づく構成としており、ここでは@以降が識別データに該当する。識別データおよびそれに紐づく階層情報は、データベース、ファイル、ファイルを保存するフォルダ名の一部等といった、ファイルサーバ装置20が参照可能な場所で管理するようにすればよい。
【0031】
測定データ2に対して、どの解読手順情報14に紐づけられた識別データを付すかについては、以下のように行われる。
【0032】
例えば、測定装置1からの測定データ2に対して、その測定装置1に特有の処理をデータベースサーバ装置10で行う場合であれば、その測定装置1に個別に対応するものとして予め設定された識別データを、その測定装置1に付随して設けられたファイルサーバ装置20が付すことになる。つまり、ファイルサーバ装置20には、測定装置1の機種や型番等といった当該測定装置1を特定する情報(すなわち、測定装置1の属性情報)に対応する識別データが予め設定されており、その識別データを情報識別部22が測定装置1からの測定データ2に付すのである。
【0033】
また、例えば、測定装置1からの測定データ2に対して、その測定データ2の内容に応じた処理をデータベースサーバ装置10で行う場合であれば、その測定データ2の内容に個別に対応するものとして予め設定された識別データを、その測定装置1に付随して設けられたファイルサーバ装置20が付すことになる。つまり、ファイルサーバ装置20には、測定データ2におけるヘッダ情報や所定項目情報等といった当該測定データ2の内容を特定する情報(すなわち、測定データ2の属性情報)に対応する識別データが予め設定されており、その識別データを情報識別部22が測定装置1からの測定データ2に付すのである。
【0034】
以上のように、ファイルサーバ装置20の情報識別部22は、例えば、測定装置1の属性情報と測定データ2の属性情報とのいずれかに基づいて、または、好ましくはこれらの両方に基づいて、測定装置1からの測定データ2に付する識別データを決定し、その識別データを測定データ2に付すのである。ただし、これは単なる一具体例に過ぎず、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0035】
例えば、ファイルサーバ装置20に複数種類の識別データが予め設定されている場合に、ファイルサーバ装置20の情報識別部22は、測定装置1の属性情報と測定データ2の属性情報との組み合わせに応じていずれか一つの識別データを選択し、その選択した識別データを測定データ2に付すようにしてもよい。つまり、情報識別部22は、測定装置1の属性情報と、測定データ2の属性情報と、の少なくとも一方に基づいて、測定データ2に付する識別データを決定すればよい。
【0036】
このように、情報識別部22が測定データ2に識別データを自動的に付すことで、ファイルサーバ装置20からは、通信部21を介して、測定データ2およびこれに付された識別データが、データベースサーバ装置10に対して受け渡されることになる(
図1中の矢印S3参照)。
【0037】
識別データが付された測定データ2が送られてくると、データベースサーバ装置10では、その測定データ2および識別データを通信部11が受け取る。そして、データベースサーバ装置10の情報処理部12は、通信部11で受け取った識別データを認識し、その識別データによって特定される解読手順情報14を情報登録部13から読み出す。例えば、測定データ2にA-1という識別データが付されている場合であれば、情報処理部12は、A-1という識別データに対応する解読手順情報14を情報登録部13から読み出す。
【0038】
このようにして、情報登録部13に登録されている解読手順情報14のうち、いずれか一つの解読手順情報14が特定され、その解読手順情報14を情報登録部13から読み出すと、情報処理部12は、その解読手順情報14に従いつつ、通信部11で受け取った測定データ2に対して当該解読手順情報14によって特定される内容の情報処理を行う。
【0039】
情報処理部12が行う情報処理の内容としては、以下のようなものがある。例えば、情報処理部12は、解読手順情報14に従いつつ、測定装置1からの測定データ2をデータベースサーバ装置10で処理可能なデータ形式に変換する。また、測定データ2に含まれる所定項目についての一部データを抽出する。また、抽出した一部データについて所定閾値との比較により当該一部データの適否(すなわち、測定データとしての妥当性)を判断する。また、測定装置1からの測定データ2をデータベースサーバ装置10における図示せぬデータベース部のどの領域に保存するか等を特定する。このような情報処理の少なくとも一つを情報処理部12が行うことで、データベースサーバ装置10では、測定装置1からの測定データ2の一元管理を行うことが可能となる。
【0040】
(3)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す一つまたは複数の効果が得られる。
【0041】
(a)本実施形態において、ファイルサーバ装置20の情報識別部22は、測定装置1からの測定データにどの種類の解読手順情報14を適用するかを規定する識別データを付して、これら測定データ2および識別データをデータベースサーバ装置10の情報処理部12に受け渡す。したがって、データベースサーバ装置10の情報処理部12では、識別データによって特定される解読手順情報14に従いつつ、測定装置1からの測定データに対して適切な情報処理を行うことが可能となる。つまり、本実施形態によれば、測定装置1からの測定データに対して、その都度識別データを付すことで、様々な種類の測定データや処理内容等に対応しつつ、しかも人為的な作業を要さずに、簡便かつ適切に所望の処理を行うことが可能になる。
【0042】
また、本実施形態において、データベースサーバ装置10の情報登録部13には、複数種類の解読手順情報14を登録しておき、測定装置1からの測定データ2に付す識別データによって、その測定データ2にどの種類の解読手順情報14を適用するかを規定する。したがって、解読手順情報14に紐づけられた識別データを測定データ2と組み合わせることで、様々な種類の測定データや処理内容等に対応しつつ、その測定データ2に対する所望の情報処理の自動化を実現することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態において、測定データ2と識別データとの組み合わせは、測定装置1に付随して設けられるファイルサーバ装置20の情報識別部22が行う。したがって、情報識別部22を用意すれば、測定装置1には変更等を加える必要がないので、様々な種類の測定装置1に適用することが可能となり、システム構築の汎用性を十分に確保することができる。
【0044】
(b)本実施形態で説明したように、データベースサーバ装置10の情報処理部12が行う情報処理に、測定データ2のデータ形式に変換する処理と、測定データ2に含まれる一部データを抽出する処理と、の少なくとも一方が含まれていれば、様々な種類の測定データ2に対応する上で非常に好適なものとなり、システム利用者にとっての利便性が優れたものとなる。
【0045】
(c)本実施形態で説明したように、データベースサーバ装置10の情報処理部12が行う情報処理に、測定データ2の妥当性を判断する処理が含まれていれば、その測定データ2が適切なものであるか否かを自動的に認識し得るようになり、システム利用者にとっての利便性が優れたものとなる。
【0046】
(d)本実施形態で説明したように、測定装置1の属性情報と、測定データ2の属性情報と、の少なくとも一方に基づいて、測定データ2に付する識別データを決定すれば、測定データ2に識別データを付す必要がある場合でも、様々な種類の測定装置1、測定データ、処理内容等に適切に対応し得るようになり、システム利用者にとっての利便性が優れたものとなる。
【0047】
(4)変形例等
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0048】
例えば、上述の実施形態では、データベースサーバ装置10とファイルサーバ装置20とが別体で設けられている場合を例に挙げたが、上述の各機能が実現されていれば、これに限定されるものではない。すなわち、上述の各機能は、一つのコンピュータ装置によって実現されるものであってもよいし、三つ以上のコンピュータ装置に分散されて実現されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…測定装置、2…測定データ、10…データベースサーバ装置、11…通信部、12…情報処理部、13…情報登録部、14…解読手順情報、20…ファイルサーバ装置、21…通信部、22…情報識別部
【手続補正書】
【提出日】2022-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物の測定処理を行う測定装置から出力される測定データを処理する情報処理システムであって、
少なくとも、コンピュータ装置によって構成されるデータベースサーバ装置と、前記データベースサーバ装置とは別のコンピュータ装置によって構成されるファイルサーバ装置と、を備え、
前記データベースサーバ装置は、
前記想定装置からの前記測定データに対して所定の情報処理を行う情報処理部と、
前記情報処理部での情報処理に必要となる解読手順情報が複数種類登録される情報登録部と、
を備え、
前記ファイルサーバ装置は、前記測定装置に付随して設けられており、
前記測定装置からの前記測定データにどの種類の前記解読手順情報を適用するかを規定する識別データを付して、前記測定データおよび前記識別データを前記情報処理部に受け渡す情報識別部を備える
情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理部が行う情報処理には、前記測定データを処理可能なデータ形式に変換する処理と、前記測定データに含まれる一部データを抽出する処理と、の少なくとも一方が含まれる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理部が行う情報処理には、前記測定データの妥当性を判断する処理が含まれる
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報識別部は、前記測定装置の属性情報と、前記測定データの属性情報と、の少なくとも一方に基づいて、前記測定データに付する前記識別データを決定する
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
コンピュータと、被処理物の測定処理を行う測定装置に付随して設けられた前記コンピュータとは別のコンピュータとに対して、
前記コンピュータを、
前記測定装置から出力される前記測定データに対して所定の情報処理を行う情報処理部と、
前記情報処理部での情報処理に必要となる解読手順情報が複数種類登録される情報登録部と、
として機能させるとともに、
前記別のコンピュータを、
前記測定装置からの前記測定データにどの種類の前記解読手順情報を適用するかを規定する識別データを付して、前記測定データおよび前記識別データを前記情報処理部に受け渡す情報識別部として機能させる
プログラム。