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特開2022-162283種板選別設備及びこれを用いた種板選別方法
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  • 特開-種板選別設備及びこれを用いた種板選別方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162283
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】種板選別設備及びこれを用いた種板選別方法
(51)【国際特許分類】
   C25C 7/02 20060101AFI20221017BHJP
   B07C 5/10 20060101ALI20221017BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
C25C7/02 304
B07C5/10
B65G47/46 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067029
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136825
【弁理士】
【氏名又は名称】辻川 典範
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】荻本 紘史
(72)【発明者】
【氏名】青木 英和
【テーマコード(参考)】
3F015
3F079
4K058
【Fターム(参考)】
3F015AA19
3F015FA01
3F015GA01
3F079AD17
3F079CA19
3F079CB33
3F079CC05
3F079DA13
3F079EA15
4K058FA03
4K058FA30
(57)【要約】
【課題】 母板から剥ぎ取られた種板に対して、カソード仕上機での矯正が困難な種板厚みを有する場合は除去することが可能な種板選別設備を提供する。
【解決手段】 剥離装置1によって母板Mから順次剥ぎ取られた種板Sを搬送する好適にはスラシテーブル10、第1ローラーコンベア20、及び第2ローラーコンベア30から構成される種板搬送手段と、該搬送中の各種板Sの厚みを測定する好適には1対の距離測定器40からなる種板厚み測定手段と、該種板厚み測定手段の測定結果に基づいて各種板Sの合否を判定する判定手段と、該判定手段で不合格と判定された種板Sを取り除く種板除去手段とを備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥離装置によって母板から順次剥ぎ取られた種板を搬送する種板搬送手段と、前記搬送中の各種板の厚みを測定する種板厚み測定手段と、前記種板厚み測定手段の測定結果に基づいて各種板の合否を判定する判定手段と、前記判定手段で不合格と判定された種板を取り除く種板除去手段とを備えることを特徴とする非鉄金属電解製錬用の種板選別設備。
【請求項2】
前記種板搬送手段が、前記種板を横向きに寝かされた姿勢で搬送するローラーコンベアからなり、前記種板除去手段が該ローラーコンベアの搬送面に対して回転中心軸を平行に維持しながら垂直方向に往復動自在な種板除去ローラーからなり、前記不合格と判定された種板が該種板除去手段の真下を通過する間は、該種板除去ローラーを前記搬送面に交差するように移動させることで、前記不合格と判定された種板の搬送方向を前記ローラーコンベアの搬送方向に対して偏向させることを特徴とする、請求項1に記載の種板選別設備。
【請求項3】
前記種板搬送手段で搬送中の種板の搬送方向の前縁部が通過したことを検知する種板通過検知手段が前記種板厚み測定手段の上流側又は下流側に設けられており、前記判定手段は、前記種板通過検知手段からの検知信号の入力を契機にして前記種板厚み測定手段において所定の時間間隔で測定される種板厚み情報を積算し、前記積算した種板厚み情報の積算値を該種板厚み情報の情報量で除することで求めた種板厚み平均値を予め定めておいた規定値と比較することで前記合否の判別を行なうものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の種板選別設備。
【請求項4】
前記積算は、予め設定しておいた所定の経過時間が経過するまで行なうか又は前記種板通過検知手段において前記種板の搬送方向の後縁部が通過したことが検知されるまで行なうか又は前記種板の搬送方向の後縁部が非接触の距離測定器を通過するまで行なうことを特徴とする、請求項3に記載の種板選別設備。
【請求項5】
剥離装置によって母板から順次剥ぎ取られた種板に対して搬送させながらそれらの種板厚みを測定する種板厚み測定工程と、前記種板厚み測定工程で得た厚み情報に基づいて各種板の合否判定を行なう判定工程と、前記判定工程で不合格と判定された種板を取り除く種板除去工程とを含むことを特徴とする非鉄金属電解製錬用の種板選別方法。
【請求項6】
前記判定工程は、前記種板の搬送方向の前縁部が所定の位置を通過したタイミングを契機として前記種板厚み測定工程において所定の時間間隔で測定して得た前記厚み情報を、前記種板の搬送方向の後縁部が前記所定の位置を通過するまで、又は予め設定しておいた所定の経過時間が経過するまで積算し、前記積算後は前記積算した前記厚み情報の積算値を該厚み情報の情報量で除することで求めた種板厚み平均値を予め定めておいた規定値と比較することで前記合否の判定を行なうことを特徴とする、請求項5に記載の種板選別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非鉄金属製錬において使用される種板選別設備及び該種板選別設備を用いた種板選別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非鉄金属製錬においては、精製対象となる低純度の目的金属を鋳造することで形成した複数のアノードと、別途用意した複数のカソードとを用意し、これらカソード群とアノード群とを電解槽内に満たされた電解液中において1枚ずつ交互に並べて浸漬させた状態で通電することにより、該カソード群の表面上に高純度の目的金属を電着させる電解製錬が行なわれている。この電解製錬では、互いに隣接するアノードとカソードとの間隔が大きくなると、電解液の電気抵抗が高くなって電解製錬に大きな電力が必要になるため、電解槽内では上記間隔をできるだけ近接させることで電力消費を抑えている。
【0003】
しかしながら、アノードとカソードとの間隔が小さくなりすぎると、電力消費を抑えることは可能になるものの、カソードの表面上の電着が進むと電着した目的金属の一部が隣接するアノードに接触するおそれがあり、この場合は電気が電解液を介さずにアノードからカソードに直接流れる短絡現象(ショート)が生じるので、電力が無駄に消費されてしまう。従って、上記の短絡現象の発生を抑えつつ電解製錬の効率を向上するため、互いに隣接するアノードとカソードとの間隔は適度に確保することが必要になる。
【0004】
ところで、電解製錬には、上記電解液に対して不溶性の金属であるステンレス(SUS)板やチタン板等をカソードに使用し、その表面に目的金属を電着させた後は、該目的金属をカソードから剥ぎ取って出荷すると共に、剥ぎ取り後のカソードを繰り返し使用するパーマネントカソード方式と、目的金属を用いて予めカソードを作製しておき、このカソードを種板として用いてその表面上に同種の目的金属を電着させ、該電着後は種板と共にそのまま出荷する種板方式とがある。
【0005】
後者の種板方式の場合は、種板の作製のため、先ず目的金属の電解製錬用の電解槽及び電解液を用いて種板電解を行なうことで、一般的にSUS材で形成される種板電解用カソード(母板とも称する)の両面に各々所定の種板厚み(通常は約0.8mm程度)になるまで目的金属を電着させる。このようにして両面に所定の厚みの目的金属が電着した母板は、電解液から引き上げられて剥取装置に導入され、ここで目的金属が母板から剥ぎ取られる。
【0006】
このようにして作製される種板は、電極バーが取り付けられた後、カソードとして前述したようにアノードとできるだけ近接させた状態で電解槽内に装入されるため、そりや曲がりのない平板状に形成されているのが望ましいが、電解槽内に吊り下げたときに、そのカソード面が上下方向の中央部や下端部において反りや曲がりが生じている場合がある。このように、種板を電解槽内に吊り下げたときに上下方向に真っすぐではなく変形している場合は、互いに隣接するアノードとカソード同士において、それらの上端から下端までの離間距離が一定ではないので、それらが最も近づいている箇所でショートが生じるおそれがある。そこで、上記の母板から剥ぎ取られた種板は、通常は電極バーを取り付けて電解槽内に装入する前に、上記の反りや曲がり等の変形を矯正する加工が施される。
【0007】
上記の種板の矯正加工には、カソード仕上機と呼ばれる矯正装置が一般に用いられる。具体的には、パレット上に積載された状態で上記の剥離装置から搬送される種板をカソード仕上機内に装入し、ここで先ずローラーレベラーにて内部応力を除去し、次に種板厚みに応じて溝付け用ローラーの押圧力を調節しながら種板に対して溝付け加工が施される。しかしながら、上記の剥離装置を用いて母板から剥ぎ取られた種板は、上記のパレット上の積載が困難な程度に歪んでいる場合があった。
【0008】
そこで、剥離装置で剥ぎ取られた種板を先ず歪取装置に導入し、ここでパレットによる搬送が可能な程度まで歪みを取り除くことが行なわれている。例えば特許文献1には、1対の剥離用ピンチローラーを用いて母板から剥離された種板に対して、該種板を横向きに寝かせた姿勢でローラーコンベアで搬送する際に、該ローラーコンベアの入口側端部の上方に設けた可動式圧下ローラーで上から押し付けることで歪みを取り除く技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9-165693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような歪取装置を設けることで、パレットによる搬送時に不都合が生じないようにすることが可能になるが、上記の歪取装置では、母板から剥ぎ取られた種板は、歪みが取り除かれた後に全てカソード仕上機に装入されるため、カソード仕上機において溝付け用ローラーの押圧力を調節しても矯正することが困難な程度の種板厚みを有する種板がカソード仕上機に装入される場合があった。
【0011】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、母板から剥ぎ取られた種板の厚みが予め規定した範囲から外れた不良品の場合は、この不良品を後段の例えばカソード仕上機に装入する前に、搬送経路の途中で除去することが可能な種板選別設備及びこれを用いた種板選別方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る種板選別設備は、剥離装置によって母板から順次剥ぎ取られた種板を搬送する種板搬送手段と、前記搬送中の各種板の厚みを測定する種板厚み測定手段と、前記種板厚み測定手段の測定結果に基づいて各種板の合否を判定する判定手段と、前記判定手段で不合格と判定された種板を取り除く種板除去手段とを備えることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る種板選別方法は、剥離装置によって母板から順次剥ぎ取られた種板に対して搬送させながらそれらの種板厚みを測定する種板厚み測定工程と、前記種板厚み測定工程で得た厚み情報に基づいて各種板の合否判定を行なう判定工程と、前記判定工程で不合格と判定された種板を取り除く種板除去工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、母板から剥ぎ取られた種板の厚みが予め規定した範囲から外れた不良品の場合は、この不良品を後段の例えばカソード仕上機に装入する前に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態の種板選別設備の平面図である。
図2図1の種板選別設備をA-A矢印方向から見た正面図である。
図3図1の種板選別設備が有する種板除去手段を用いて種板の除去又は非除去の状態を示す模式的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の種板選別設備及び該種板選別設備を用いた種板選別方法について図面を参照しながら説明する。この本発明の実施形態の種板選別設備は、母板から順次剥ぎ取られた種板を搬送する種板搬送手段と、該搬送中の各種板の厚みを測定する種板厚み測定手段と、この種板厚み測定手段の測定結果に基づいて各種板の合否を判定する判定手段と、この判定手段で不合格と判定された種板を取り除く種板除去手段とを備えている。
【0017】
また、この種板選別設備を用いて行なわれる種板選別方法は、剥離装置によって母板から順次剥ぎ取られた非鉄金属電解製錬用の種板に対して、カソード仕上機に向う搬送ラインで搬送しながらその厚み(種板厚み)を測定し、得られた種板厚みの測定結果に基づいて合否を判定する。例えば、測定により得た種板の種板厚みが、カソード仕上機において矯正可能な厚み範囲を外れていて矯正が困難な場合は不合格と判定する。そして、不合格と判定された種板を該搬送ラインから除去する。以下、上記の種板選別設備を構成する各構成要素について詳細に説明した後、該種板選別設備を用いた種板選別方法について詳細に説明する。
【0018】
1.種板選別設備の構成要素
1.1種板搬送手段
本発明の実施形態の種板選別設備を構成する種板搬送手段は、図1に示すように、種板Sを母板の両側から剥ぎ取る剥離装置1の両側に隣接して設けられており、種板Sを横向きに寝かせた姿勢で載置する1対のスラシテーブル10と、これら1対のスラシテーブル10において剥離装置1に隣接している端部とは反対側の端部にそれぞれ設けられており、種板Sを横向きに寝かせた姿勢で搬送する1対の第1ローラーコンベア20と、種板Sを横向きに寝かせた姿勢のままこれら1対の第1ローラーコンベア20の搬送方向に対して水平に直交する方向に搬送する1対の第2ローラーコンベア30とから構成される。
【0019】
剥離装置1では、図2に示すように、母板Mを上方に引き上げることで、その両側に電着している両種板Sを剥離用刃Bによってそれぞれ剥離する。その際、これら両種板Sの各々は、上下方向に互いに対向する1対のピンチローラー2によって、上端部側を起点として両面側から挟み込まれることで、横向きに寝かされ、そのままの姿勢で、すなわち厚み方向が上下を向く姿勢でスラシテーブル10に送られる。
【0020】
スラシテーブル10上に導入された種板Sは、第1ローラーコンベア20に向けて水平方向に滑りながら搬送される間に後述する種板厚み測定手段によって厚みが測定される。なお、本発明の実施形態においては、上記の1対のスラシテーブル10、1対の第1ローラーコンベア20、及び1対の第2ローラーコンベア30は、図1の紙面上で示すように剥離装置1を中心として左右対称に配置されているので、以降の説明では、特に断らない限り左側のスラシテーブル10、第1ローラーコンベア20、及び第2ローラーコンベア30について説明する。
【0021】
スラシテーブル10で厚みが測定された後の種板Sは、第1搬送ローラー群21からなる第1ローラーコンベア20に搬送方向を変えることなく送り込まれる。これら第1搬送ローラー群21は、第1電動機22の回転駆動力が駆動チェーン23を介して伝達されるようになっており、また、これら第1搬送ローラー群21の外周面の最高位によって画定される搬送面の高さは、スラシテーブル10のテーブル面の高さとほぼ一致するように架台で支持されている。
【0022】
更に、第1ローラーコンベア20には、スラシテーブル10から種板Sが導入される側の前端部に、エアシリンダーによって上下方向に移動可能に支持された加圧ローラー24aを備えた矯正機構24が設けられている。これにより、スラシテーブル10のテーブル面上を滑りながら第1ローラーコンベア20に導入された種板Sは、横向きに寝かされた姿勢のまま以降の搬送が可能な程度に矯正機構24によって矯正が施された後、回転する搬送ローラー群21によって第1ローラーコンベア20の上記前端部とは反対側の後端部まで横向けに寝かされた姿勢のまま搬送される。
【0023】
この第1ローラーコンベア20の後端部には、その幅方向の片側にエアシリンダー25で作動するプッシャー26が設けられており、第1ローラーコンベア20の後端部まで搬送された種板Sは、第1ローラーコンベア20の搬送方向に対して水平に直交する方向に出没するエアシリンダー25のロッド先端部に設けられているプッシャー26によって、上記プッシャー26が設けられている側とは反対側で第1ローラーコンベア20に隣接する第2搬送ローラー群31からなる第2ローラーコンベア30に移載される。
【0024】
この第2ローラーコンベア30の第2搬送ローラー群31も、第1ローラーコンベア20と同様に、図示しない駆動チェーンを介して第2電動機32の回転駆動力が伝達されるようになっており、また、これら第2搬送ローラー群31の外周面の最高位によって画定される搬送面の高さは、上記第1ローラーコンベア20の搬送面の高さとほぼ一致するように架台で支持されている。
【0025】
このようにして、第1ローラーコンベア20から第2ローラーコンベア30に移載された種板Sは、第2ローラーコンベア30によって横向けに寝かされた姿勢のまま搬送された後、第1ローラーコンベア20に隣接する上流側とは反対側の下流側端部に隣接して設けられている図示しない積載装置によってパレットに積載される。この第2ローラーコンベア30の搬送経路上に、後述する種板除去手段が設けられている。
【0026】
上記の第1ローラーコンベア20の第1電動機22、第2ローラーコンベア30の第2電動機32、及びプッシャー26のエアシリンダー25は、後述するPLC等の制御手段60によってその作動が制御されており、これにより、剥離装置1で順次剥ぎ取られた種板Sは、上記積載装置に向けて間欠的に搬送される。なお、図1では、簡単のため、紙面上の剥離装置1よりも左側の第1ローラーコンベア20、第2ローラーコンベア30、プッシャー26、及び後述する種板厚み測定手段や種板除去手段等にのみ、制御手段60との間で送受信される電気信号が点線で示されているが、剥離装置1よりも右側の機器にも同様に制御手段60との間で電気信号が送受信される。
【0027】
1.2種板厚み測定手段
本発明の実施形態の種板選別設備を構成する種板厚み測定手段は、上記の種板搬送手段で搬送中の種板Sに対して、その種板厚みの測定を行なうものである。この種板厚みの測定方法には特に限定はなく、例えば、ノギス等の厚み測定治具を種板Sに当接させて種板厚みを直接測定するものでもよいし、超音波やレーザー光を種板Sに照射することで照射源から種板Sの表面までの距離を測定し、その測定結果から計算により種板厚みを求める非接触の厚さ測定機器によるものでもよい。
【0028】
図2に示す本発明の実施形態の種板選別設備では、この種板厚み測定手段に、レーザー光による非接触の1対の距離測定器40を用いる例が示されている。具体的には、スラシテーブル10には、その搬送方向の下流側にスリット状の開口部が設けられていると共に、この開口部を通る鉛直線上であって且つスラシテーブル10のテーブル面に沿って搬送される種板Sの上下面にそれぞれ対向する位置に、1対の距離測定器40が設けられている。
【0029】
これにより、各距離測定器40は、種板Sの対向面に向けて垂直方向にレーザー光を照射することで光源から種板Sの対向面までの距離を測定することができるので、これら1対の距離測定器40でそれぞれ測定した測定結果の値を両光源同士の離間距離から差し引くことで、種板Sの肉厚を間接的に求めることができる。本発明の実施形態の種板選別設備は、更に第1ローラーコンベア20の矯正機構24の下流側の位置に、搬送ローラー群21によって画定される種板Sの搬送経路に向けて該搬送経路よりも下方側から可視光や赤外線等の光を照射することで、種板Sの通過を検知する光電センサー41に代表される種板通過検知手段が設けられている。
【0030】
上記の非接触の距離測定器40などの種板厚み測定手段及び光電センサー41などの通過検知手段は、図1において点線で示すように電気信号によってPLC等の制御手段60との間で送受信が行なわれる。これにより、例えば種板Sの搬送方向の前端が所定の検知箇所を通過したことを種板通過検知手段としての光電センサー41が検知すると、この検知信号を受信した制御手段60は、1対の距離測定器40に距離測定の開始信号を出力し、予め定めた時間が経過するまでこの距離測定を継続させる。制御手段60は、これら1対の距離測定器40から送信される距離測定結果に基づいて各種板Sの1又は複数箇所における種板厚みを求めることができる。
【0031】
1.3種板除去手段
本発明の実施形態の種板選別設備を構成する種板除去手段は、上記の種板搬送手段によって横向きに寝かされた姿勢で水平面上の搬送経路に沿って順次搬送される種板Sのうち、不良品を該搬送経路から除去するものである。種板除去手段によって不良品を除去する方法は特に限定はなく、例えば、上記種板搬送手段の搬送経路において上記の種板厚み測定手段が設けられている位置よりも下流側に、除去対象の種板Sを上記搬送経路から外れるようにプッシャー等の搬送方向変更手段を設けると共に、これにより上記搬送経路から外された種板Sを上記種板搬送手段の側方や下方に設けた不良品回収用のローラーコンベアや回収容器等に回収する方法を挙げることができる。
【0032】
図1に示す種板選別設備においては、図3(a)に示すように、第2ローラーコンベア30の搬送面よりも上方に設けられたエアシリンダー51と、第2搬送ローラー群31の回転軸と平行な回転軸を有し且つ上記のエアシリンダー51によって回転可能に支持された種板除去ローラー52とから構成される種板除去手段50を用いた例が示されている。この種板除去手段50は、エアシリンダー51のロッドが退避したときは、種板除去ローラー52が第2ローラーコンベア30の搬送面よりも上方に位置し、エアシリンダー51のロッドが進出したときは、種板除去ローラー52のうち回転軸よりも下側が第2ローラーコンベア30の搬送面に交差するようになっている。
【0033】
これにより、合格品の種板Sが種板除去手段50の真下を通過するときは、種板除去ローラー52を第2ローラーコンベア30の搬送面よりも上方に位置させることで、当該合格品の種板Sの搬送は阻害されることはない。一方、除去対象となる不良品の種板Sが種板除去手段50の真下を通過するときは、その搬送方向の前縁部が種板除去手段50の真下に到達する直前に種板除去ローラー52を降下させることで、図3(b)に示すように、当該不良品の種板Sは、その搬送方向の前縁部以降が種板除去ローラー52の外周面のうち回転軸よりも下側に当接するので、その進行方向が斜め下方に偏向せしめられる。その結果、この不良品の種板Sを種板除去ローラー52の直ぐ上流側と下流側に位置している両搬送ローラー間の隙間を経由させて第2ローラーコンベア30の搬送面よりも下方に抜き出すことができる。
【0034】
上記のようにして抜き出された不良品の種板Sは、第2搬送ローラー群31の下方に配置されている回収台車53に回収される。なお、種板除去手段50は、図1において点線で示すようにPLC等の制御手段60からの出力信号を電気信号を介して受信できるようになっており、これにより種板除去手段50は、種板除去手段50の真下を通過する種板Sが不良品と判定されたものであることを示す除去信号を制御手段60から受信すると、該不良品の種板Sが種板除去手段50の真下を通過する間は種板除去ローラー52を下降するように制御される。
【0035】
1.4判定手段
本発明の実施形態の種板選別設備を構成する判定手段は、前述したように、剥離装置1のほか、第1、第2ローラーコンベア20、30の第1、第2電動機22、32、プッシャー26のエアシリンダー25、種板厚み測定手段としての非接触の距離測定器40、種板通過検知手段としての光電センサー41、及び種板除去手段50との間で電気信号の送受信を行なうプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の制御手段60によって実現することができる。
【0036】
なお、以下の説明では、制御手段60としてのPLCを構成するCPUは、その内部に記憶部、演算部、時間計測部、判定部、及び制御部が割り当てられており、種板厚み測定手段による測定値を用いて種板厚みを計算し、この計算結果に基づいて合否判定を行なう判定手段としての役割を担うことに加えて、種板選別設備を構成する各装置の作動制御等の制御も全てこのPLCで行なうように記載しているが、制御手段60の構成は、これに限定されるものではなく、例えば種板厚みのための測定や計算の領域、合否判定を行なう領域等を外部の制御手段で実現してもよい。
【0037】
例えば、種板厚み測定手段には、種板厚み制御手段用のCPUを搭載した厚み測定機器を採用し、種板厚みのための測定及び計算と、その計算結果に基づく種板厚みの合否判定を行なうための領域(記憶部、演算部、時間測定部、判定部)を、当該厚み測定機器の種板厚み制御手段用CPUに割り当ててもよい。この場合は、この合否判定の結果を主制御手段用のPLCに送信することで、該主制御手段用PLCは基本的には第1、第2ローラーコンベア20、30の第1、第2電動機22、32、プッシャー26のエアシリンダー25、及び種板除去手段50の作動を制御するだけで済む。
【0038】
[記憶部]
記憶部は、制御手段60としてのPLCを構成するCPUの内部に割り当てられた記憶領域であり、種板厚み測定手段としての距離測定器40から出力される各種板Sの種板厚み情報を記憶する役割のほか、演算部において該種板厚み情報から種板厚みを求める演算式や演算部から出力される種板厚みの値を記憶したり、判定部において種板厚みの値に基づいて合否を判定する判定式や判定部から出力される判定結果を記憶したりする。記憶部は、更に、各種板Sごとに行なう厚み測定の継続時間、種板搬送手段において搬送中の各種板の位置、及び種板搬送手段において種板を間欠的に搬送する場合はその基準位置からの搬送回数を記憶する役割を担っている。
【0039】
[演算部]
演算部は、制御手段60としてのPLCを構成するCPUの内部に割り当てられた演算領域であり、上記の記憶部から取り出した種板厚み情報、及びこの種板厚み情報から種板厚みを求めるための演算式に基づいて各種板Sの種板厚みを演算し、その演算結果を出力する役割を担っている。
【0040】
[時間計測部]
時間計測部は、制御手段60としてのPLCを構成するCPUの内部に割り当てられた時間計測領域であり、種板Sの搬送方向の前縁部が所定の位置を通過したことを知らせる信号が種板通過検知手段から出力されたことに基づいて時間の計測を開始し、この種板Sの搬送方向の後縁部が該所定の位置を通過したことを知らせる信号が該種板通過検知手段から出力されるまでの時間を積算し、その積算結果を積算値として出力する役割を担っている。あるいは、上記の積算値に代えて、種板Sの搬送方向の前縁部が所定の位置を通過してから所定の経過時間が経過したことを出力してもよい。
【0041】
[判定部]
判定部は、制御手段60としてのPLCを構成するCPUの内部に割り当てられた判定領域であり、上記記憶部から取り出した種板厚みの合否を判定する判定式情報に基づいて、上記時間計測部から出力される積算値の情報及び上記演算部から出力される種板厚みの演算結果の情報を照らし合わせて、各種板Sの合否を判定し、その合否結果を出力する役割を担っている。
【0042】
[制御部]
制御部は、制御手段60としてのPLCを構成するCPUの内部に割り当てられた制御領域であり、上記記憶部に対して情報の書き込みや読み出しを行なう制御のほか、第1ローラーコンベア20の第1電動機22及び第2ローラーコンベア30の第2電動機32の回転や停止の制御、プッシャー26のエアシリンダー25及び種板除去ローラー52のエアシリンダー51の作動等の制御を行なう。なお、この制御部は、上記の演算部、時間計測部、及び判定部の役割を担うことがある。
【0043】
2.種板選別設備を用いた種板の選別方法
次に、上記の種板選別設備を用いた本発明の実施形態の種板の選別方法について説明する。本発明の実施形態の種板選別設備においては、制御手段60としてのPLCの制御部は、剥離装置1において母板Mからの種板Sの剥離が行なわれる度に、第1ローラーコンベア20の第1電動機22、及び第2ローラーコンベア30の第2電動機32を回転させると共に、プッシャー26のエアシリンダー25を作動させる。
【0044】
これにより、種板搬送手段の搬送面上の種板Sは、それぞれ待機している待機位置から1つずつ下流側の位置に移動する。例えば、図1に示す待機位置Pで待機している種板Sは待機位置Pに移動する。同様に待機位置P、P、及びPで待機している種板Sは、それぞれ待機位置P、P、及びPに移動する。そして待機位置Pで待機している種板は図示しない積載装置に移載される。すなわち、本発明の実施形態の種板選別設備においては、上記の剥離装置1においてα枚の母板Mから種板Sが剥離されると、種板搬送手段においてはその搬送面上の待機位置Pβに位置する種板Sは、間欠的にα回搬送されて待機位置Pα+βに移動することになる。
【0045】
この種板搬送手段における種板Sの搬送の際、制御手段60の記憶部は、種板搬送手段の搬送面上の各種板Sがある時点においてどの待機位置に存在しているのかを記憶することができる。更に、当該ある時点を起点として、各種板Sが間欠的に搬送される回数を記憶することができる。これにより、制御手段60の制御部は、ある時刻においていずれの待機位置に存在している種板Sに対しても、このある時刻を起点として間欠的に1又は複数回の搬送が行なわれたときに、どの待機位置に移動することになるかを、記憶部に記憶されている上記のある時刻における種板の待機位置に関する情報と、上記のある時刻を起点とする種板Sの間欠的な搬送の回数に関する情報とから特定することができる。
【0046】
例えば、ある時刻tにおいて待機位置Pβで待機している種板Sに対して、記憶部は、この種板Sが時刻tに待機位置Pβに待機していることを記憶しているので、上記制御部はこの種板が時刻tを起点とする1回の間欠的な搬送で待機位置Pβ+1に移動し、2回の間欠的な搬送で待機位置Pβ+2に移動し、α回の間欠的な搬送で待機位置Pβ+αに移動することを特定することができる。
【0047】
本発明の実施形態の種板選別方法においては、上記のように制御手段60により制御される種板搬送手段によって搬送される種板Sに対して、搬送させながらそれらの種板厚みを測定する種板厚み測定工程と、該種板厚み測定工程で測定した厚み情報に基づいて各種板Sの合否判定を行なう判定工程と、該判定工程で不合格と判定された種板を取り除く種板除去工程とを含んでいる。以下、これら工程の各々について具体的に説明する。
【0048】
先ず、種板厚み測定工程では、剥離装置1の1対のピンチローラー2によってスラシテーブル10に送り出され、スラシテーブル10のテーブル面上を滑りながら搬送される各種板Sに対して、矯正機構24の加圧ローラー24aと、これに上下方向で対向する第1ローラーコンベア20の第1搬送ローラー21とによって矯正を施すと共に、種板厚みの測定を行なう。
【0049】
具体的には、種板Sの搬送方向の前端部が矯正機構24の下流側の位置を通過するのを種板通過検知手段としての光電センサー41が検知すると、この通過検知信号を受信した制御手段60の制御部は、スラシテーブル10に設けられている種板厚み測定手段としての1対の非接触の距離測定器40に測定開始の信号を送ると共に、時間計測部にこの測定開始時点からの経過時間の積算を開始させる。
【0050】
そして、時間測定部が経過時間の積算値が予め記憶部に記憶しておいた所定の積算時間に到達したことを出力すると、種板厚み測定手段は測定を終了する。上記の距離測定器による測定は、例えば10ms毎に行なわれ、測定により得た各種板Sの測定情報は記憶部に記憶される。なお、種板厚み測定手段での測定の終了は上記の時間計測部で積算した経過時間の積算値に基づいて制御する方法に限定されるものではなく、種板Sの搬送方向の後縁部が非接触の距離測定器を通過した時点で測定を終了するようにしてもよい。
【0051】
また、種板通過検知手段としての光電センサー41で検知する位置を種板Sの搬送方向に関して種板厚み測定手段の上流側に設定し、種板Sの搬送方向の前端部がこの光電センサーの検知位置を通過した時点から所定の時間経過後に測定を開始するように制御してもよい。制御手段60の制御部は、上記のようにして記憶部に記憶させた各種板Sの測定情報に基づいて、演算部において各種板Sの種板厚みの演算を実行させ、その演算結果を各種板Sの種板厚み情報として出力させる。なお、演算部から出力させる各種板Sの種板厚み情報は、記憶部に記憶させた各種板Sの測定情報の数だけ出力される。
【0052】
例えば、上記の種板厚み測定手段としての1対の距離測定器40に、所定の積算時間内に種板1枚当たり100回の測定を行なわせた場合は、スラシテーブル10のテーブル面よりも上側の距離測定器の照射源から種板Sの上面までの上側離間距離と、テーブル面よりも下側の距離測定器の照射源から種板Sの下面までの下側離間距離との組からなる100組の測定情報が各種板Sに対して記憶部に記憶されるので、演算部は、これら100組の測定情報の各組に対して、上記1対の距離測定器40の両照射源が互いに離間する距離から上記の上側離間距離と下側離間距離とを差し引く演算を行なうことで、種板1枚当たり100個の種板厚み情報を出力する。このようにして出力された種板厚み情報は、各種板Sごとに記憶部に記憶される。
【0053】
次に、判定工程においては、制御手段60の制御部は、上記の記憶部に記憶された各種板ごとの種板厚み情報に基づいて、判定部において、各種板Sが種板厚みに関して所定の要件を満たしているか否かの合否判定を実行させる。この各種板Sの種板厚みの合否判定に用いる判定式情報は判定部によって記憶部から取り出される。この判定情報を用いて各種板Sの合否を判定する方法については特に限定はなく、例えば、記憶部から各種板Sの種板厚み情報を取り出して種板厚みの積算値を求め、得られた種板厚みの積算値が判定式情報の許容範囲内であるか否かで合否判定を行なう方法を挙げることができる。
【0054】
ここで、種板厚みの積算値には、例えば前述した種板1枚当たり100個の種板厚み情報が記憶部に記憶される場合は、これら100個の種板厚みの合計値を採用するのが好ましい。この場合は、この種板厚みの積算値が、予め定めておいた許容範囲内であれば合格と判定する。一方、この許容範囲の下限値よりも種板厚みの積算値が小さい場合は、その種板は種板厚みが薄すぎるので不合格と判定し、逆にこの許容範囲の上限値よりも積算値が大きい場合は、その種板は種板厚みが厚すぎるので不合格と判定する。このように、種板の種板厚みが所定の許容範囲を外れて薄すぎたり厚すぎたりする場合に不合格とする理由は、この種板選別設備の後工程のカソード仕上機を用いた矯正加工の際、良好に矯正加工を施すことが困難になるからである。このようにして判定された各種板の合否情報は、各種板が待機位置Pに搬送された時刻と関連付けられて記憶部に記憶される。
【0055】
なお、上記の判定工程においては、種板厚みの積算値が判定式情報の許容範囲内であるか否かで合否判定を行なうことに代えて、該種板厚みの積算値を種板厚み情報の数で除して種板厚みの平均値を求め、これを予め定めておいた種板厚みの平均値の許容範囲と比較することで合否判定を行なうようにしてもよい。この場合も上記と同様に、種板厚みの平均値が予め定めておいた範囲内であれば合格と判定し、許容範囲外であれば不合格と判定する。このように、判定工程においては、剥離装置1で剥離された各種板Sが、待機位置Pに向けてスラシテーブル10及び第1ローラーコンベア20で搬送される過程において、その種板厚みの測定と合否判定とが行なわれる。
【0056】
次に、種板除去工程においては制御手段60の制御部は、剥離装置1から種板Sが順次剥離されるタイミングに合わせてプッシャー26のエアシリンダー25を作動させる。これにより、例えば第1ローラーコンベア20の待機位置Pの位置で待機中の種板Sは、プッシャー26で押し出されることで第2ローラーコンベア30に移載されると共に、このタイミングに合わせて回転する第2ローラーコンベア30の第2搬送ローラー群31によって待機位置Pへ搬送される。
【0057】
この場合、制御手段60の制御部は、待機位置Pで待機中の種板Sがこの待機位置Pに搬送された時刻tを起点とする1回の間欠的な搬送で待機位置Pに搬送され、この1回の間欠的な搬送完了後の時刻tでは、種板Sは待機位置Pで待機していることを記憶部に記憶させる。このとき、該記憶部では、この待機位置Pから待機位置Pに搬送された種板Sに対して、その種板厚みに関する合否情報と、待機位置Pに搬送された時刻tとが関連付けて記憶される。
【0058】
この待機位置Pで待機中の種板Sは、次の種板Sが剥離装置1から剥離されるタイミングに合わせて回転する第2ローラーコンベア30の第2搬送ローラー群31によって待機位置P3に向けて搬送される。その際、制御手段60の制御部は、上記のように待機位置PからPに搬送された種板Sの種板厚みに関する合否情報を記憶部から取り出すことで特定することができるので、この待機位置Pで待機中の種板Sが不合格と判定されたものである場合は、制御手段60の制御部は、待機位置Pと待機位置Pとの間に設けられている種板除去手段50に除去信号を出力する。
【0059】
これにより、種板除去手段50の種板除去ローラー52が降下するので、不合格と判定された種板Sは、その搬送方向の前縁部が種板除去ローラー52の外周面における回転軸よりも下方に当接するので第2ローラーコンベア30の搬送面よりも下方に抜き出される。その結果、不合格と判定された種板Sは待機位置Pへ搬送されることはなく、その手前で除去されて回収台車53に収容される。
【0060】
一方、この待機位置Pで待機中の種板Sが合格と判定されたものである場合は、制御手段60の制御部は種板除去手段50に除去信号を出力しないので、種板除去ローラー52は降下しない。このため、この合格と判定された種板Sは待機位置Pから待機位置Pにそのまま搬送される。このようにして待機位置Pに搬送された種板Sは、以降は剥離装置1での剥離工程のタイミングに合わせて下流側の待機位置P及び待機位置Pに順次搬送され、第2ローラーコンベア30の末端の待機位置Pに到達すると、図示しない移載装置によってパレットに移載される。
【符号の説明】
【0061】
1 剥離装置
2 ピンチローラー
10 スラシテーブル
20 第1ローラーコンベア
21、31 第1、第2搬送ローラー群
22、32 第1、第2電動機
23 駆動チェーン
24 矯正機構
24a 加圧ローラー
25 エアシリンダー
26 プッシャー
30 第2ローラーコンベア
40 距離測定器
41 光電センサー
50 種板除去手段
51 エアシリンダー
52 種板除去ローラー
53 回収台車
60 制御手段
B 剥離刃
M 母板
S 種板
図1
図2
図3