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  • 特開-ベルトコンベアの荷切れ検知装置 図1
  • 特開-ベルトコンベアの荷切れ検知装置 図2
  • 特開-ベルトコンベアの荷切れ検知装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162312
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】ベルトコンベアの荷切れ検知装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/08 20060101AFI20221017BHJP
   B65G 15/08 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
B65G43/08 Z
B65G15/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067084
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136825
【弁理士】
【氏名又は名称】辻川 典範
(72)【発明者】
【氏名】近藤 孝史
(72)【発明者】
【氏名】島田 康平
【テーマコード(参考)】
3F023
3F027
【Fターム(参考)】
3F023AA02
3F023AB01
3F023BA03
3F023BB01
3F023BC01
3F023CA03
3F027AA02
3F027CA07
3F027DA07
3F027EA04
3F027FA11
(57)【要約】
【課題】 過酷な条件で運転される場合であっても対応可能なベルトコンベアの荷切れ検知装置を提供する。
【解決手段】 ベルトコンベア1の荷切れを検知する荷切れ検知装置であって、ベルトコンベア1の上方においてベルトコンベア1を横切るように設けられた支持棒11と、支持棒11の軸方向中央部から垂下する揺動可能な揺動部12と、揺動部12の下端部に接続され、ベルトコンベア1によって搬送中の被搬送物に当接する当接部13と、揺動部12が鉛直方向に垂れ下がったときに荷切れとして検知するセンサー部14とから構成され、当接部13には、その延在方向に対して交差する下面を有する板状部13bが先端に取り付けられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベアの荷切れを検知する荷切れ検知装置であって、該ベルトコンベアの上方において該ベルトコンベアを横切るように設けられた支持棒と、該支持棒の軸方向中央部から垂下する揺動可能な揺動部と、該揺動部の下端部に接続され、該ベルトコンベアによって搬送中の被搬送物に当接する当接部と、該揺動部が鉛直方向に垂れ下がったときに荷切れとして検知するセンサー部とから構成され、前記当接部には、その延在方向に対して交差する下面を有する板状部が先端に取り付けられていることを特徴とする荷切れ検知装置。
【請求項2】
前記揺動部と前記当接部とは互いにフランジにより接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の荷切れ検知装置。
【請求項3】
前記板状部において、少なくとも前記被搬送物に当接する下面側に耐摩耗性材料が用いられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の荷切れ検知装置。
【請求項4】
前記板状部は前記ベルトコンベアの搬送方向に対して湾曲していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の荷切れ検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベアの荷切れを検知する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉛、亜鉛などの非鉄金属製錬工場のように、原料鉱石などの粉粒体を取り扱う工場では、複数基のベルトコンベアを直列的に配置して粉粒体を乗り継がせながら所定の位置に搬送することが一般的に行なわれている。この場合は、上流側のベルトコンベアで異常が生じたり、被搬送物である粉粒体をベルトコンベアに供給するホッパーやフィーダなどで異常が生じたりすると、被搬送物の搬送が途切れるため、後工程の処理工程に安定的に被搬送物を供給することが困難になる。その結果、効率の悪い低負荷での操業が必要になり、場合によっては工場全体の操業の停止を余儀なくされる。
【0003】
また、ベルトコンベアにおいて被搬送物の搬送が途切れると(この事象を荷切れと称することがある)、ベルトコンベアの空運転に起因してベルトに蛇行などの不安定な走行が生じやすくなり、その結果、ベルトが破損することがあった。ベルトが破損すると、その取り替えや補修に時間がかかり、その間は後工程への被搬送物の供給が中断するので、この場合も工場全体の操業停止に至ることがあった。
【0004】
上記のような事態に至るのを防止するため、ベルトコンベアにおいて被搬送物の荷切れが生じたときは、これを早急に検知して復旧させることが求められる。このため、従来はベルトコンベアにおいて荷切れが生じることなく継続して安定的に被搬送物が搬送されていることを確認するため、オペレーターによって各ベルトコンベアの搬送状態を現地で監視させることが行なわれていた。あるいは、監視カメラでベルトコンベアの搬送状況をモニターしたり、ベルトコンベアにおいて搬送中の被搬送物に対して物理的に接触するセンサーを導入したりすることで、上述したベルトコンベアにおける荷切れを検知することが行なわれている。
【0005】
例えば特許文献1には、ベルトコンベアにおいて搬送中の製錬原料の荷切れを接触式の荷切れ検知装置で検知する技術が開示されている、具体的には、この特許文献1の荷切れ検知装置は、ベルトコンベアにおいて搬送中の被搬送物に接触することによって搬送方向に傾斜する複数の検出レバーと、これら複数の検出レバーにそれぞれ対向する位置に設けた磁気式接近スイッチなどの位置検出用の複数のスイッチと、これら複数のスイッチの動作状態を検出する検出回路とにより構成されており、ベルトコンベアにおける製錬原料などの被搬送物の荷切れ状態を確実かつ早期に検知できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09-301525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながらオペレーターの目視による監視では、ヒューマンエラー等に起因して不具合の発見を正確かつ迅速に行なえないことがあった。また、被搬送物から粉塵が大量に発生する場合は、監視カメラによるモニターでは、該監視カメラのレンズ表面に粉塵が付着して正確な監視が困難になることがあり、高温多湿の条件下で被搬送物を搬送する場合は、カメラ本体が直ぐに故障することがあった。
【0008】
また、ベルトコンベアの搬送速度を通常より速く設定する場合や、被搬送物が塩素などの腐食性物質を含んでいたりする場合は、上記検出レバーの先端部において著しい摩耗や腐食が生じやすく、その補修や交換に長時間を要することがあった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ベルトコンベアの搬送速度を比較的速く設定する場合や、高温多湿雰囲気、腐食性雰囲気、発塵性雰囲気等の条件下で被搬送物を搬送する場合のように、過酷な条件下で被搬送物を搬送する場合であっても安定的にベルトコンベアの荷切れを検知できる検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るベルトコンベアの荷切れ検知装置は、該ベルトコンベアの上方において該ベルトコンベアを横切るように設けられた支持棒と、該支持棒の軸方向中央部から垂下する揺動可能な揺動部と、該揺動部の下端部に接続され、該ベルトコンベアによって搬送中の被搬送物に当接する当接部と、該揺動部が鉛直方向に垂れ下がったときに荷切れとして検知するセンサー部とから構成され、前記当接部には、その延在方向に対して交差する下面を有する板状部が先端に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、過酷な条件下で被搬送物を搬送する場合であっても安定的にベルトコンベアの荷切れを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の荷切れ検知装置の実施形態の正面図である。
図2図1の荷切れ検知装置をII-II線から見た側面図である。
図3図1の荷切れ検知装置を支持する脚部の具体例の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るベルトコンベア用の荷切れ検知装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。ベルトコンベアは、骨格構造のフレームの先端部及び後端部にそれぞれ回転可能に設けられたヘッドプーリー及びテールプーリーと、これら両プーリーに巻き掛けられた無端状のベルトとから一般に構成される。かかる構造のベルトコンベアによって例えば、鉛、亜鉛などの非鉄金属製錬工程の原料を被搬送物として搬送する場合、この原料は酸化鉄や二酸化ケイ素などの摩耗性物質や塩素やフッ素などの腐食性成分を含んでいるため、搬送中の原料に対して単に物理的に検知部を接触させて荷切れを検知する装置では、摩耗や腐食により損耗した該検知部の修理や交換に手間と時間を要していた。
【0013】
また、大量の原料を搬送する必要があるときは、ベルトコンベアの搬送速度を速く設定することがあり、この場合も荷切れ検知装置のうち被搬送物に物理的に接触する検知部が摩耗により直ぐに損耗するので、その修理や交換に手間と時間を要していた。本発明の実施形態の荷切れ検知装置は、このような過酷な条件下において被搬送物を搬送する場合であっても、安定的にベルトコンベアの荷切れを検知することができるように構成されている。
【0014】
すなわち、図1に示すように、本発明の実施形態の荷切れ検知装置は、ベルトコンベア1の上方においてこのベルトコンベア1を横切るように設けられた金属製の丸棒からなる支持棒11と、支持棒11の軸方向中央部から垂下する揺動可能な金属製の揺動部12と、揺動部12の下端部に接続され、ベルトコンベア1のベルトBの表面上の被搬送物に当接する金属製の当接部13と、揺動部12が鉛直方向に垂れ下がったときに荷切れとして検知するセンサー部14とから構成される。
【0015】
上記のセンサー部14には接触式や非接触式の近接センサーを用いることができるが、非接触式の近接センサーを用いるのが好ましい。非接触式の近接センサーとしては、誘導形、静電容量形、磁気式などを挙げることができる。誘導形は金属製の検出対象が近接センサーに近接することで発生する電磁誘導による過電流をインピーダンスの変化により検出する方法であり、静電容量形は金属製の検出対象が近接センサーに近接することで生じる電気的な容量の変化を検出する方式であり、磁気式は検出対象に設けた磁石によって近接センサーのリードスイッチを動作させる方式である。図1においては当接部13が検出対象の場合が示されているが、これに限定されるものではなく、支持棒11に設けた突起部や揺動部12を検出対象にしてもよい。
【0016】
なお、上記の非接触式の近接センサーに代えてリミットスイッチなどの接触式のセンサーを用いる場合は、例えば支持棒11の一端部にそのラジアル方向に突出するリミットスイッチストライカーを設けると共に、荷切れにより揺動部12が鉛直方向に垂れ下がったときにこのリミットスイッチストライカーがリミットスイッチに当接するようにすればよい。
【0017】
センサー部14にいずれの方式を採用する場合においても、図2に示すように、ベルトコンベア1によって搬送中の被搬送物に当接部13の先端部が当接することで、揺動部12が鉛直方向からベルトコンベア1の搬送方向に傾斜角θで傾いているときはセンサー部14が検知しないように設定する必要がある。この場合の傾斜角θは、20~45°の範囲内であるのが好ましく、これによりベルトコンベア1における被搬送物の荷切れをより正確に検出することが可能になる。この傾斜角θが20°未満では、ベルトコンベア1によって搬送される被搬送物の搬送量にばらつきが生じたときにセンサー部14が誤って荷切れとして検知するおそれがある。逆にこの傾斜角θが45°を超えると、揺動部12と当接部13とを互いに接続する後述するフランジ対に被搬送物が接触しやすくなるので好ましくない。
【0018】
上記の揺動部12の傾斜角θの調整方法としては、例えば図1に示すように、ベルトコンベア1の図示しないヘッドプーリー及びテールプーリーを支持するフレーム2に設けた好適にはL型鋼等からなる1対の脚部3に、上記支持棒11を回転可能に軸支すると共に、この1対の脚部3の各々を高さ調整可能な構造にすればよい。なお、この1対の脚部3の上端部同士には、好適にはL型鋼からなる梁部4が架け渡されているのが好ましい。上記の高さ調整可能な構造には、例えば図3(a)に示すように、ボルト挿通用の丸型ボルト穴を有する可動上部3aと、ボルト挿通用の上下方向に延在する長孔を有する固定下部3bとで脚部3を構成する構造を挙げることができる。なお、上記の長孔を有する固定下部3bに代えて、図3(b)に示すように、ボルト挿通用の複数の丸型ボルト穴が上下方向に1列に並んだ構造の固定下部3cにしてもよい。
【0019】
本発明の実施形態の荷切れ検知装置は、図2に示すように、揺動部12がベルトコンベア1の搬送方向に対して逆方向に揺動しないように、鉛直方向に垂れ下がっているときの揺動部12に当接する位置にストッパー15が設けられているのが好ましい。これにより、荷切れ検知装置の当接部13が破損したり、センサー部14が誤検知したりする問題が生じにくくなる。なお、ストッパー15の材質にはゴムなどの弾性体を用いるのが好ましい。
【0020】
また、本発明の実施形態の荷切れ検知装置は、揺動部12及び当接部13が互いにフランジで接続されているのが好ましく、具体的には、揺動部12の下端部に設けたフランジ12aと、当接部13の上端部に設けたフランジ13aとによって互いにボルトナットで締結するのが好ましい。これにより、当接部13が被搬送物との接触により損耗したときに、このボルトナットを取り外すだけで簡易に予備の当接部13と交換することができる。
【0021】
あるいは、揺動部12及び当接部13の接続法として、上記のフランジ式接続法以外に、例えば揺動部12及び当接部13を丸棒及びパイプでそれぞれ形成し、該パイプの内側に該丸棒を適切な長さまで差し込んで該パイプの側方からネジ止めする差し込み式接続法でもよい。この差し込み式接続法は、上記のフランジ式接続法に比べて構造や取り扱いをやや簡素化できる利点がある。例えば、前述したように揺動部12の傾斜角θを調整する場合、フランジ式接続法の場合は、前述したように支持棒11を軸支する脚部3を高さ調整が可能な構造にする必要があるが、差し込み式接続法ではパイプに差し込む丸棒の長さを変えるだけで簡易に調整できる。
【0022】
但し、フランジ式接続法は、フランジ同士を接続するボルトナットが脱落しにくいという利点を有しているのに対して、差し込み式接続法ではネジが比較的早期に緩むことがある。すなわち、ベルトコンベア1による搬送では、できるだけ荷切れが生じないように被搬送物は連続する山状を形成するように盛られるが、ベルトコンベア1の搬送速度は毎秒数メートル程度に設定されることがあるため、このように高速で搬送される被搬送物に常に触れる当接部13及びこれに接続される揺動部12は、常時激しく振動する。このため、上記の差し込み式接続法では、この常に振動する当接部や揺動部の延在方向に対して垂直方向に上記接続部のネジをネジ込むため当該ネジが緩み易く、脱落する可能性がある。これに対して、フランジ式接続法では、この常に振動する当接部13や揺動部12の延在方向に対して平行な方向にフランジのボルトナットを締め付けるので当該ボルトナットが緩みにくく、脱落する可能性を抑えることができる。
【0023】
本発明の実施形態の荷切れ検知装置は、当接部13の先端部に、この当接部13の延在方向に対して交差する下面を有する金属製の板状部13bが取り付けられているのが好ましい。この板状部13bは、常に下面側が上記の連続する山状の被搬送物に擦れるので、少なくともこの下面側が耐摩耗性材料で被覆されることが好ましく、ベルトコンベア1のベルトは上下に振動しているので板状部13bが被搬送物中に潜ってしまうことも多々あるので、下面側に加えて、側面側及び上面側の全ての面が上記耐摩耗性材料で被覆されていることがより好ましい。
【0024】
更に、上記の板状部13bは、ベルトコンベア1の搬送方向に対して湾曲していることが好ましい。このように湾曲させることで、上記の連続する山状の被搬送物に沿って円滑に擦らせていくことが可能になるうえ、被搬送物中に潜りにくくすることができる。この湾曲する形状は、図2に示すようにベルトコンベア1の搬送方向に関して上流側端部から下流側端部に至る全面を湾曲させてもよいし、スキー板のように下流側端部のみを湾曲させてもよい。あるいは、全方向に亘って半球状や半楕円状に湾曲させてもよい。
【0025】
以上、本発明の荷切れ検知装置について実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更例や代替例を含むことができる。例えば、本発明の実施形態の荷切れ検知装置は、図1に示す短管部12bが支持棒11に対して回動する構造でもよい。この場合は支持棒11の両端部を脚部3に固定することが可能になる。あるいは、板状部13bの下面が山状の被搬送物の上面に沿って動けるように、当接部13に対して板状部13bを可動となるように取付けてもよい。
【実施例0026】
[実施例1]
ベルトコンベアの荷切れを検知するため、図1に示すような構造の荷切れ検知装置を取り付けた。具体的には、ベルトコンベア1の上方において該ベルトコンベア1を横切る方向に、直径φ25mm、長さ800mmのSS400製の丸棒からなる支持棒11を設けた。この支持棒11は、ベルトコンベア1の両脇のフレーム2に立設させた脚部3に設けたピロー形軸受け(UCP204)により回転可能に取り付けた。
【0027】
支持棒11の軸方向中央部に、直径φ15mm、長さ100mmのSS400製の丸棒からなる揺動部12を垂下するように取付け、更にこの揺動部12の先端部に直径φ22mm、長さ300mmのSS400製の丸棒からなる当接部13をフランジで接続した。該フランジには、短辺50mm、長辺100mm、厚さ6mmの1対の角フランジを用い、それぞれ揺動部12及び当接部13の軸方向に対してフランジ面が垂直で且つ短辺側がベルトコンベア1の搬送方向に対して平行になるように取り付けた。これらフランジ同士の接続には、M12のボルトナットを2セット使用した。
【0028】
当接部13の先端には、厚さ6mm、幅30mm、長さ60mmのSS400製の板状部13bを当接部13の軸方向に対して下面側が垂直になるように取り付けた。この板状部13bには、全面に炭素を5質量%以上、クロムを22質量%以上、及びニオブを6質量%以上含有するビッカース硬度650HV以上の耐摩耗性材料を肉盛溶接により施工しておいた。また、板状部13bはベルトコンベア1の搬送方向に対して湾曲させた。そして、上記の揺動部12が鉛直方向に垂れ下がったときに当接部13に対向する位置に、非接触式センサーからなるセンサー部14を設けた。上記構造の荷切れ検知装置を取り付けたベルトコンベア1を搬送速度55m/minで搬送することで被搬送物を搬送量145t/hで搬送させ、その際に生じる荷切れを、上記の検出装置で検知させた。
【0029】
[実施例2]
揺動部12に、直径φ15mm、長さ170mmのSS400製の丸棒を使用し、当接部13に直径φ22mm、長さ300mmのSS400製の丸パイプを使用し、この丸パイプからなる当接部13に丸棒からなる揺動部12を70mm差し込み、丸パイプにおいて丸棒と重なる部分の上下2か所にネジ穴を設け、これらネジ穴にM10のボルトを差し込むことで固定した。上記以外は実施例1と同様にしてベルトコンベア1に生じる荷切れを検知させた。
【0030】
[比較例]
実施例1の揺動部12及び当接部13を用いる代わりに、耐摩耗性材料が肉盛溶接されていない厚さ6mm、幅30mm、長さ60mmのSS400製の板状部が軸方向に垂直となるように先端に接続された1本の棒状部材を用いた。上記以外は実施例1と同様にしてベルトコンベア1に生じる荷切れを検知させた。
【0031】
実施例1の検出装置は、特にメンテナンスを行なうことなく1年以上使用可能であることが確認できた。実施例2の検出装置は、丸棒と丸パイプの取り付け部の固定用ボルトに緩みが認められたため、毎月1回の頻度でボルトの締め込みを行なうことで丸パイプを脱落させることなく1年以上使用可能であることが確認できた。一方、比較例1では先端の板状部が運転開始から6か月程度で摩耗したため、良好に検知できなくなる前に予備品と交換した。この交換には1時間程度を要し、ベルトコンベアの稼働率が低下した。
【符号の説明】
【0032】
1 ベルトコンベア
2 フレーム
3 脚部
3a 可動上部
3b、3c 固定下部
4 梁部
11 支持棒
12 揺動部
12a フランジ
12b 短管部
13 当接部
13a フランジ
13b 板状部
14 センサー部
15 ストッパー
B ベルト
図1
図2
図3