(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163081
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】導波結合器の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/18 20060101AFI20221018BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
G02B5/18
G02B27/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022117446
(22)【出願日】2022-07-22
(62)【分割の表示】P 2020527764の分割
【原出願日】2018-11-13
(31)【優先権主張番号】62/589,457
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/593,756
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヨン, マイケル ユタク
(72)【発明者】
【氏名】マクミラン, ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー ティマーマン タイセン, ラトガー
(72)【発明者】
【氏名】フィッサー, ロバート ヤン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】微細な光回折格子を画定する無機又はハイブリッド(有機及び無機)材料から形成された入力カップリング領域、導波領域、及び出力カップリング領域を有する導波結合器を提供する。
【解決手段】一実施形態では、導波構造は、凹型導波路構造を作るために、基板の表面上に配置されたレジスト上に凸型導波パターンを有する刻印スタンプから形成される。無機又はハイブリッド材料が基板上に堆積され、次いでレジストが除去されて、無機又はハイブリッド(有機及び無機)材料から形成された入力カップリング領域、導波路領域、及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つに対応する領域を有する導波構造が形成される。
【選択図】
図5D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波構造の製造方法であって、
少なくとも1つのパターン部分を含む凸型導波パターンを有するスタンプを、第1の屈折率を有する基板の一部の表面上に配置されたレジストに刻印することであって、当該刻印により、残留層を有する逆領域を含む凹型導波構造を形成する、レジストに刻印することと、
前記基板の前記表面上で前記レジストを硬化することと、
前記スタンプを取り外すことと、
前記残留層を除去することと、
前記基板の前記表面の前記第1の屈折率と実質的に一致するか又はそれより大きい第2の屈折率を有するコーティングを堆積することと、
ある領域を含む導波構造を形成するため、前記レジストを除去することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記コーティングが、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化バナジウム(IV)(VOx)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta2O5)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化チタン(TiN)、及び二酸化ジルコニウム(ZrO2)含有材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記領域は、導波結合器の入力カップリング領域、導波領域、及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記領域は、前記入力カップリング領域及び前記出力カップリング領域のうちの少なくとも1つの複数の回折格子を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の回折格子は、前記基板の前記表面に平行な上面と、前記基板の前記表面に対してある量だけ傾斜した側壁面とを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
導波構造の製造方法であって、
スタンプの凹型導波構造上に第2の屈折率を有するコーティングを堆積させることであって、前記第2の屈折率は、基板の第1の屈折率と実質的に一致するか又はそれよりも大きく、前記凹型導波構造は逆領域を含む、コーティングを堆積させることと、
前記コーティングを平坦化することと、
前記コーティングを前記基板の一部の表面に接合することと、
ある領域を含む導波構造を形成するため、前記スタンプを取り外すことと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記コーティングの前記堆積が、液体材料注入キャスティング処理、スピンオンコーティング処理、液体スプレーコーティング処理、ドライパウダーコーティング処理、スクリーン印刷処理、ドクターブレーディング処理、物理気相堆積(PVD)処理、化学気相堆積(CVD)処理、流動性CVD(FCVD)処理、又は原子層堆積(ALD)処理を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティングが、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化バナジウム(IV)(VOx)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta2O5)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化チタン(TiN)、及び/又は二酸化ジルコニウム(ZrO2)含有材料を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記領域は、導波結合器の入力カップリング領域及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つの複数の回折格子を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記コーティングを前記基板の前記表面に接合するために光学接着剤が使用され、前記光学接着剤は、前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率に実質的に一致する第3の屈折率を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
導波構造の製造方法であって、
スタンプの凹型導波構造上に1.5から2.5の間の第2の屈折率を有するコーティングを堆積させることであって、前記コーティングは、前記凹型導波構造上で実質的に平坦であり、前記第2の屈折率は、基板の1.5から2.5の間の第1の屈折率に実質的に一致するか又はそれよりも大きく、前記凹型導波構造は、逆入力カップリング領域及び逆出力カップリング領域を含む、コーティングを堆積させることと、
前記基板の一部の表面に前記コーティングを接合することであって、前記基板の前記表面には、前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率に実質的に一致する第3の屈折率を有する光学接着剤が配置されている、前記コーティングを接合することと、
ある領域を有する導波構造を形成するため、前記スタンプを取り外すことと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記光学接着剤が、透明な金属酸化物材料又は透明なアクリルポリマーを含み、前記第3の屈折率が約1.5から約2.5の間である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記領域は、導波結合器の入力カップリング領域及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つの複数の回折格子を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の回折格子は、前記基板の前記表面に平行な上面と、前記基板の前記表面に対してある量だけ傾斜した側壁面とを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の回折格子は、前記基板の前記表面に対して角度が付けられたブレーズド面と、前記基板の前記表面に対して垂直に配向された側壁面と、を含むブレーズド角度付き回折格子である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、概して、拡張現実、仮想現実、及び複合現実のための導波器に関する。より具体的には、本明細書に記載の実施形態は、導波器製造の方法を提示する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
[0002] 仮想現実は、概して、ユーザが見かけ上の物理的存在を有する、コンピュータが生成したシミュレート環境であると考えられている。仮想現実体験は、3Dで生成され、実際の環境に取って代わる仮想現実環境を表示するためのレンズとしての接眼ディスプレイパネルを有する眼鏡又は他のウェアラブルディスプレイ装置などのヘッドマウントディスプレイ(HMD)で見ることができる。
【0003】
[0003] しかしながら、拡張現実は、ユーザが眼鏡又は他のHMD装置のディスプレイレンズを通して周囲環境を見ることができるが、表示のために生成され、環境の一部として現れる仮想物体の画像も見ることができる体験を可能にする。拡張現実は、音声入力及び触覚入力のような任意のタイプの入力、並びにユーザが経験する環境を強化又は拡張する仮想画像、グラフィック及びビデオを含むことができる。新たな技術として、拡張現実には多くの課題及び設計上の制約が存在する。
【0004】
[0004] そのような課題の1つは、周囲環境に重ね合わされた仮想画像を表示することである。導波器は、画像の重ね合わせを補助するために使用される。生成された光は、光が導波器から出て周囲環境に重ね合わされるまで、導波器を通って伝搬される。導波器は不均一な特性を有する傾向があるため、導波器の製造は困難になりうる。そのため、当該技術分野で必要とされているのは、改良された拡張導波器とその製造方法である。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 一実施形態では、導波構造の製造方法が提示される。この方法は、レジストにスタンプを刻印することを含む。スタンプは、少なくとも1つのパターン部分を含む凸型導波パターンを有する。刻印は、残留層を有する逆領域(inverse region)を含む凹型導波構造を形成する。レジストは、基板の一部分の表面上に配置され、基板は、第1の屈折率を有する。レジストは、基板の表面上で硬化される。スタンプが取り外され、残留層は除去される。コーティングが堆積される。コーティングは、基板の表面の第1の屈折率と実質的に一致するか又はそれより大きい第2の屈折率を有する。レジストは、領域を含む導波構造から除去される。
【0006】
[0006] 別の実施形態では、導波構造の製造方法が提示される。本方法は、第2の屈折率を有するコーティングを、スタンプの凹型導波構造上に堆積させることを含む。第2の屈折率は、基板の第1の屈折率と実質的に一致するか又はそれより大きい。凹型導波構造は逆領域を含む。コーティングは平坦化され、基板の一部の表面に接合される。スタンプは、領域を含む導波構造を形成するために取り外される。
【0007】
[0007] さらに別の実施形態では、導波構造の製造方法が提示される。この方法は、スタンプの凹型導波構造上に、1.5から2.5の間の第2の屈折率を有するコーティングを堆積させることを含む。コーティングは、凹型導波構造上で実質的に平坦である。第2の屈折率は、基板の1.5から2.5の間の第1の屈折率に実質的に一致するか又はそれより大きい。凹型導波構造は、逆入力カップリング領域と逆出力カップリング領域を含む。コーティングは、基板の一部の表面に接合される。基板の表面には、第1の屈折率及び第2の屈折率に実質的に一致する第3の屈折率を有する光学接着剤が配置されている。領域を有する導波構造を形成するため、スタンプは取り外される。
【0008】
[0008] 本開示の上述の特徴を詳細に理解しうるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、添付の図面に例示されている。しかし、添付図面は例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による導波結合器の斜視正面図である。
【
図2】一実施形態による導波構造の製造方法の工程を示すフロー図である。
【
図3A】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【
図3B】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【
図3C】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【
図3D】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【
図3E】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【
図3F】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【
図4】一実施形態による導波構造の製造方法の工程を示すフロー図である。
【
図5A】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【
図5B】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【
図5C】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【
図5D】一実施形態による導波構造の製造方法における導波構造の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014] 理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれうると考えられる。
【0011】
[0015] 本明細書に記載の実施形態は、導波構造を製造するための方法に関する。本明細書に記載の方法は、無機材料又はハイブリッド(有機及び無機)材料から形成された入力カップリング領域、導波領域、及び出力カップリング領域を有する導波構造の製造を可能にする。
【0012】
[0016]
図1は、導波結合器100の斜視正面図である。後述する導波結合器100は、例示的な導波結合器であることを理解されたい。導波結合器100は、複数の回折格子108によって画定される入力カップリング領域102と、導波領域104と、複数の回折格子110によって画定される出力カップリング領域106とを含む。
【0013】
[0017] 入力カップリング領域102は、マイクロディスプレイから強い光(仮想画像)の入射ビームを受け取る。複数の回折格子108の各回折格子は、入射ビームを各ビームがモードを有する複数のモードに分割する。ゼロ次モード(T0)ビームは、導波結合器100内で屈折して戻されるか、又は失われ、正の1次モード(T1)ビームは、導波結合器100を通って導波領域104から出力カップリング領域106まで内部全反射(TIR)を受け、また、負の1次モード(T-1)ビームは、導波結合器100内をT1ビームとは反対の方向に伝播する。T1ビームは、T1ビームが出力カップリング領域106内の複数の回折格子110に接触するまで、導波結合器100を通って内部全反射(TIR)を受ける。T1ビームは、複数の回折格子110の格子に接触し、そこでT1ビームは、導波結合器100内で屈折して戻されるか又は失われるT0ビームと、T1ビームが複数の回折格子110の別の格子に接触するまで出力カップリング領域106内でTIRを受けるT1ビームと、導波結合器100からアウトカップリングされるT-1ビームとに分割される。
【0014】
[0018]
図2は、
図3Aから
図3Fに示されたように、導波構造300の製造方法200の工程を示すフロー図である。一実施形態では、導波構造300は、導波結合器100の入力カップリング領域102、導波領域104、及び出力カップリング領域106のうちの少なくとも1つに対応する。一実施形態では、導波構造300は、導波結合器100の入力カップリング領域102、導波領域104、及び出力カップリング領域106のうちの少なくとも1つのマスタに対応する。工程201では、凸型導波パターン310を有するスタンプ308が、基板304の一部302の表面306上に配置されたレジスト326の上に刻印(imprint)され、凹型導波構造312が形成される。基板304は、第1の屈折率を有する。一実施形態では、基板304は、ガラス材料及びプラスチック材料のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
[0019]
図3Aに示されるように、凸型導波パターン310は、導波結合器100の入力カップリング領域102、導波領域104、及び出力カップリング領域106のうちの少なくとも1つの形成をもたらすために、少なくとも1つのパターン部分314を含む。
図3A及び
図3Bに示すように、凹型導波構造312は、しばしば、底面と称される残留層318を有する逆領域316を含む。一実施形態では、逆領域316は、入力カップリング領域102の複数の回折格子108、出力カップリング領域106の複数の回折格子110、及び導波領域104のうちの少なくとも1つを形成するために、複数の逆回折格子320を含む。一実施形態では、逆回折格子320は、基板304の表面306に平行な逆上面322、逆側壁面324、及び基板304の表面306に平行な残留層318を有する。一実施形態では、逆回折格子320の逆側壁面324の各々は、基板304の表面306に垂直に配向される。別の実施形態では、逆回折格子320の逆側壁面324の各々は、基板304の表面306に対して角度がつけられている。さらに別の実施形態では、逆側壁面324の部分は垂直に配向されており、逆回折格子320の逆側壁面324の一部は基板304の表面306に対して角度がつけられている。
【0016】
[0020] 工程202では、基板304の表面306上のレジスト326を硬化させて、レジスト326を安定化させる。工程203では、スタンプ308はレジスト326から取り外される。一実施形態では、スタンプ308は、逆パターン部分を含む凹型パターンを有する導波マスタから製造される。スタンプ308は、導波マスタから成形される。スタンプ308は、溶融シリカ又はポリジメチルシロキサン(PDMS)などの半透明材料を含み、赤外線(IR)放射又は紫外線(UV)放射などの電磁放射に曝露することによってレジスト326を硬化させることができる。一実施形態では、レジスト326は、PDMSを含むスタンプ308によってナノインプリント可能なUV硬化性材料(Micro Resist Technology社から入手可能なmr-N210など)を含む。一実施形態では、基板304の表面306は、UVオゾン処理、酸素(O2)プラズマ処理、又はプライマー(Micro Resist Technology社から入手可能なmr-APS1など)の適用によって、UV硬化性材料のスピンコーティングのために準備される。代替的に、レジスト326を熱硬化させてもよい。別の実施形態では、レジスト326は、熱加熱又は赤外線照射加熱を含む溶媒蒸発硬化プロセスによって硬化することができる熱硬化性材料を含む。レジスト326は、液体材料注入キャスティング処理、スピンオンコーティング処理、液体スプレーコーティング処理、ドライパウダーコーティング処理、スクリーン印刷処理、ドクターブレーディング処理、物理気相堆積(PVD)処理、化学気相堆積(CVD)処理、流動性CVD(FCVD)処理、又は原子層堆積(ALD)処理を使用して、表面306上に配置することができる。
【0017】
[0021] 工程204では、残留層318が除去される。一実施形態では、残留層318は、酸素ガス(O
2)含有プラズマ、フッ素ガス(F
2)含有プラズマ、塩素ガス(Cl
2)含有プラズマ、及び/又はメタン(CH
4)含有プラズマを使用して、プラズマ灰化(しばしばプラズマデスカム処理と称される)によって除去することができる。別の実施形態では、残留層318が除去されるまで、高周波(RF)電力がO
2及びアルゴン(Ar)又は窒素(N)などの不活性ガスに印加される。
図3Cに示すように、逆回折格子320は、逆上面322から基板304の表面306まで延在する逆深度328、330を有する。一実施形態では、逆深度328と逆深度330とは実質的に同じである。別の実施形態では、逆深度328と逆深度328とは異なる。
【0018】
[0022] 工程205では、コーティング322が基板304の表面306上に堆積される。一実施形態では、
図3D及び
図3Eに示されるように、コーティング322は、基板304の表面306及び凹型導波構造312の残りの突起上に堆積される。コーティング322は、第1の屈折率と実質的に一致するか又はそれより大きい第2の屈折率を有する。コーティング322は、スピンオンガラス(SOG)、流動性SOG、ゾルゲル、有機ナノインプリント可能な材料、無機ナノインプリント可能な材料、及びハイブリッドな(有機及び無機)ナノインプリント可能な材料、例えば、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、二酸化チタン(TiO
2)、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化バナジウム(IV)(VO
x)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、窒化チタン(TiN)、及び/又は二酸化ジルコニウム(ZrO
2)含有材料のうちの少なくとも1つなど、のうちの少なくとも1つを含む。コーティング322は、液体材料注入キャスティング処理、スピンオンコーティング処理、液体スプレーコーティング処理、ドライパウダーコーティング処理、スクリーン印刷処理、ドクターブレーディング処理、PVD処理、CVD処理、FCVD処理、又はALD処理を使用して、表面306上に配置することができる。さらに、SiOCコーティングなどのコーティング322は、UV硬化又は熱硬化を受けてもよい。
図3Dに示すように、一実施形態では、過剰なコーティング322が存在してもよい。実施形態では、過剰なコーティング322は、材料熱リフロー又はエッチングを用いて除去される。
図3Eに示されるように、コーティング322は、凹型導波構造312の残りの突起と同一平面上にあるか、又は、凹型導波構造312の残りの突起と同じ高さまで基板304の上方に延在する。一実施形態では、コーティング322は液体で堆積され、過剰なコーティング322は機械的な平坦化によって除去される。
【0019】
[0023] コーティング322の屈折率は、基板304の第1の屈折率と、入力カップリング領域102で得られる複数の回折格子108及び/又は方法200によって形成される出力カップリング領域106で得られる複数の回折格子110などの回折格子の強度と、に基づいて調整される。コーティング322の屈折率は、光のインカップリング(入射)及びアウトカップリング(出射)を制御し、導波構造300を通る光の伝播を促進するため、基板304の第1の屈折率及び回折格子の強度に基づいて調整される。例えば、基板304の表面306の材料は、約1.5から約2.5の間の第1の屈折率を有し、コーティング322の材料は、約1.5から約2.5の間の第2の屈折率を有する。基板304を製造するために利用される材料及びコーティング322の材料の屈折率を一致させることによって、基板304の表面306とコーティング322の材料との間の界面における実質的な光屈折なしに、基板304及びコーティング322の材料の両方を通る光の伝播が達成されうる。基板304を製造するために利用される材料の屈折率がより大きいコーティング322の材料を利用することによって、より多くの光が、光受容角度を通って導波構造300からインカップリング及びアウトカップリングされるであろう。基板304及びコーティング322の材料は、集合的に導波構造300を構成する。空気の屈折率(1.0)と比較して、約1.5から約2.5の間の屈折率を有する材料を基板304に利用することによって、全内部反射、又は少なくともその高次の反射が達成され、導波構造300を通る光の伝播が促進される。
【0020】
[0024] 工程206では、レジスト326は導波構造300から除去される。一実施形態では、レジスト326は、O
2含有プラズマ、F
2含有プラズマ、Cl
2含有プラズマ、及び/又はCH
4含有プラズマを使用するプラズマ灰化によって除去される。別の実施形態では、レジスト326が除去されるまで、O
2及びアルゴン(Ar)又は窒素(N)などの不活性ガスにRF電力が印加される。
図3Fに示されるように、導波構造300は、領域334を含む。一実施形態では、領域334は、導波結合器100の入力カップリング領域102、導波領域104、及び出力カップリング領域106のうちの少なくとも1つに対応する。領域334は、複数の回折格子336を含む。一実施形態では、領域334は、入力カップリング領域102の複数の回折格子108、出力カップリング領域106の複数の回折格子110、及び導波領域104のうちの少なくとも1つに対応する複数の回折格子336を含む。一実施形態では、回折格子336は、基板304の表面306に平行な上面338及び側壁面340を有する。一実施形態では、回折格子336の側壁面340の各々は、基板304の表面306に対して垂直に配向される。別の実施形態では、回折格子336の側壁面340の各々は、基板304の表面306に対して角度が付けられている。さらに別の実施形態では、側壁面340の一部は垂直に配向され、回折格子336の側壁面340の一部は、基板304の表面306に対して角度が付けられる。一実施形態では、側壁面340は、約15°から約75°の角度で傾斜している。回折格子336は、基板304の表面306から上面338まで延在する深度342、344を有する。一実施形態では、深度342と深度344とは実質的に同じである。別の実施形態では、深度342と深度344とは異なる。
【0021】
[0025]
図4は、
図5Aから
図5Dに示されるように、導波構造500を製造するための方法400の工程を示すフロー図である一実施形態では、導波構造500は、導波結合器100の入力カップリング領域102、導波領域104、及び出力カップリング領域106のうちの少なくとも1つに対応する。別の実施形態では、導波構造500は、導波結合器100の入力カップリング領域102、導波領域104、及び出力カップリング領域106のうちの少なくとも1つのマスタに対応する。工程401では、コーティング322が、スタンプ308の凹型導波構造512上に堆積される。
図5Aに示されるように、一実施形態では、堆積されたコーティング322は、スタンプ308の凹型導波構造512に共形である。
図5Bに示すように、一実施形態では、堆積されたコーティング322は、スタンプ308の凹型導波構造512に対して実質的に平坦である。したがって、任意選択の操作402でコーティング322を平坦化する必要はない。任意選択の工程402では、一実施形態で、コーティング322を平坦化することは、重力、熱リフロー、又は化学機械研磨(CMP)による機械的平坦化を含む。
【0022】
[0026] コーティング322が、IR放射又はUV放射などの電磁放射に曝露されて硬化されうるように、スタンプ308は、導波マスタから成形され、溶融シリカ又はPDMS材料などの半透明材料から製造されてもよい。一実施形態では、スタンプ308は、コーティング322の堆積及び平坦化を容易にするように機械的強度を加えるため、ガラスのシートなどの硬い裏打ちシートを含む。
【0023】
[0027] コーティング322は、SOG、流動性SOG、ゾルゲル、有機ナノインプリント可能な材料、無機ナノインプリント可能な材料、及びハイブリッドな(有機及び無機)ナノインプリント可能な材料(SiOC、TiO2、SiO2、VOx、Al2O3、ITO、ZnO、Ta2O5、Si3N4、TiN、及びZrO2含有材料のうちの少なくとも1つなど)のうちの少なくとも1つを含む。コーティング322は、液体材料注入キャスティング処理、スピンオンコーティング処理、液体スプレーコーティング処理、ドライパウダーコーティング処理、スクリーン印刷処理、ドクターブレーディング処理、PVD処理、CVD処理、FCVD処理、又はALD処理を使用して堆積されてもよい。一実施形態では、コーティング材料は、コーティング材料の溶融温度を下げ、かつ平坦化中のコーティング材料の流れを改善できるようにするために、ドーパント材料でドープされる。ドーパント材料は、より低い温度での熱リフローを可能にするリン(P)含有材料及び/又はホウ素(B)含有材料を含むことができる。
【0024】
[0028]
図5A及び
図5Bに示したように、凹型導波構造512は、逆領域516を含む。逆領域516は、入力カップリング領域102の複数の回折格子108、出力カップリング領域106の複数の回折格子110、及び導波領域104のうちの少なくとも1つを形成するため、複数の逆回折格子520を含む。一実施形態では、逆回折格子520は、スタンプ308の底面521に平行な逆上面522、逆側壁面524、及びスタンプ308の底面521に平行な逆底面523を有する。一実施形態では、逆回折格子520の逆側壁面524の各々は、スタンプ308の底面521に垂直に配向される。別の実施形態では、逆回折格子520の逆側壁面524の各々は、スタンプ308の底面521に対して角度が付けられる。別の実施形態では、逆回折格子520は、スタンプ308の底面521に対して角度付けされた逆ブレーズド面502と、スタンプ308の底面521に対して垂直に配向された逆側壁面524とを含むブレーズド逆角度付き回折格子である。さらに別の実施形態では、逆領域516は、ブレーズド逆角度付き回折格子と、逆側壁面524の一部が垂直に配向され、逆回折格子520の逆側壁面524の一部がスタンプ308の底面521に対して角度が付けられた複数の逆回折格子520とを含む。
図5A及び
図5Bに示されるように、逆回折格子520は、逆上面522からスタンプ308の底面521に延在する逆深度528、530を有する。一実施形態では、逆深度528と逆深度530とは実質的に同じである。別の実施形態では、逆深度528と逆深度530とは異なる。
【0025】
[0029] 操作403では、
図5Cに示すように、コーティング322は基板304の一部302の表面306に接着される。光学接着剤501は、コーティング322を基板304の表面306に接合するために使用される。一実施形態では、光学接着剤501は、透明な金属酸化物材料又は透明なアクリルポリマーを含みうる。光学接着剤501は、第3の屈折率を有する。
【0026】
[0030] コーティング322は、基板304の第1の屈折率と実質的に一致するか又はそれより大きい第2の屈折率を有する。コーティングの第2の屈折率は、基板304の第1の屈折率と、入力カップリング領域102の結果として得られる複数の回折格子108、及び/又は、方法400によって形成される出力カップリング領域106の結果として得られる複数の回折格子110などの回折格子の強度と、に基づいて調整される。コーティング322の屈折率は、光のインカップリング及びアウトカップリングを制御し、導波構造500を通る光の伝播を促進するため、基板304の第1の屈折率及び回折格子の強度に基づいて調整される。また、光学接着剤501は、第1の屈折率及び第2の屈折率と実質的に一致する第3の屈折率を有する。例えば、基板304の表面306の材料は、約1.5から約2.5の間の第1の屈折率を有し、光学接着剤501の材料は、約1.5から約2.5の間の第3の屈折率を有し、コーティング322の材料は、約1.5から約2.5の間の第2の屈折率を有する。基板304を製造するために利用される材料、光学接着剤501の材料、及びコーティング322の材料の屈折率を一致させることによって、基板304、光学接着剤501の材料、及びコーティング322の材料を通る光伝播は、基板304、光学接着剤501の材料、及びコーティング322の材料の間の界面で実質的な光の屈折なしに達成されうる。基板304を製造するために利用される材料の屈折率よりも大きい屈折率を有するコーティング322の材料を利用することによって、より多くの光が、光受容角度を通って導波構造500からインカップリング及びアウトカップリングされる。空気の屈折率(1.0)と比較して、約1.5から約2.5の間の屈折率を有する材料を、基板304及び光学接着剤501に利用することにより、内部全反射、又は少なくともその高次の反射が達成され、導波構造500を通る光の伝播が容易になる。
【0027】
[0031] 工程404では、導波構造500を形成するため、スタンプ308は取り外される。
図5Dに示されるように、導波構造500は、領域534を含む。一実施形態では、領域534は、導波結合器100の入力カップリング領域102、導波領域104、及び出力カップリング領域106のうちの少なくとも1つに対応する。領域534は、複数の回折格子536を含む。一実施形態では、複数の回折格子536は、入力カップリング領域102の複数の回折格子108、出力カップリング領域106の複数の回折格子110、及び導波領域104のうちの少なくとも1つに対応する。一実施形態では、回折格子536は、基板304の表面306に平行な上面538及び側壁面540を有する。一実施形態では、回折格子536の側壁面540の各々は、基板304の表面306に対して垂直に配向される。別の実施形態では、回折格子536の側壁面540の各々は、基板304の表面306に対して角度が付けられている。別の実施形態では、回折格子536は、基板304の表面306に対して角度が付けられたブレーズ面506と、基板304の表面306に対して垂直に配向された側壁面540とを含むブレーズド角度付き回折格子である。さらに別の実施形態では、領域534は、ブレーズド角度付き回折格子と、基板304の表面306に対して回折格子536の側壁面540の一部が垂直に配向され且つ側壁面540の一部が角度が付けられた回折格子536を含む。回折格子536は、光学接着剤501から上面538まで延在する深度542、544を有する。一実施形態では、深度542と深度544とは実質的に同じである。別の実施形態では、深度542と深度544とは異なる。
【0028】
[0032] 要約すると、導波結合器の製造方法が本明細書に記載されている。本方法は、微細な光回折格子を画定する無機又はハイブリッド(有機及び無機)材料から形成された入力カップリング領域、導波領域、及び出力カップリング領域を有する導波結合器を提供する。導波器を通る光の伝播に適した屈折率を有する回折格子を形成する際に、刻印可能でない有機レジストと比較して、無機又はハイブリッド導波構造は、安定的であり、光吸収損失が低く、導波結合器を通る光の伝播に最適な屈折率を有する。
【0029】
[0033] 上記は、本開示の実施例を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施例及びさらなる実施例が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波構造の製造方法であって、
角度が付けられた複数のスタンプ構造を備えた凸型導波パターンを有するスタンプを、第1の屈折率を有する基板の一部の表面上に配置されたレジストに刻印することであって、当該刻印により、残留層を有し、かつ複数の逆回折格子を含む領域を含む凹型導波構造を形成し、角度が付けられた前記スタンプ構造に対応する前記複数の逆回折格子の各々の側壁面の一部は、前記基板の前記表面に対して垂直でない角度が付けられている、レジストに刻印することと、
前記基板の前記表面上で前記レジストを硬化することと、
前記スタンプを取り外すことと、
前記残留層を除去することと、
前記基板の前記表面の前記第1の屈折率と一致するか又はそれより大きい第2の屈折率を有するコーティングを堆積することと、
それぞれが前記基板の前記表面に対して垂直でない角度が付けられた側壁面を有する複数の回折格子を有する領域を含む導波構造を形成することと、
を含み、
前記コーティングが、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、酸化バナジウム(IV)(VOx)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化チタン(TiN)、及び二酸化ジルコニウム(ZrO2)含有材料のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項2】
前記領域は、導波結合器の入力カップリング領域、導波領域、及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の回折格子は、前記入力カップリング領域及び前記出力カップリング領域のうちの少なくとも1つのカップリング領域の複数の回折格子である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
導波構造の製造方法であって、
異なる深度の複数のスタンプ構造を備えたスタンプの凹型導波構造上に第2の屈折率を有するコーティングを堆積させることであって、前記第2の屈折率は、基板の第1の屈折率と一致するか又は前記第1の屈折率よりも大きく、前記凹型導波構造は、複数の逆回折格子を含む領域を含み、各逆回析格子は、前記異なる深度の複数のスタンプ構造に対応する異なる逆深度を有している、コーティングを堆積させることと、
前記コーティングを平坦化することと、
前記コーティングを前記基板の一部の表面に接合することと、
それぞれが異なる深度を有する複数の回折格子を含む領域を含む導波構造を形成するため、前記スタンプを取り外すことと、
を含み、前記コーティングが、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、酸化バナジウム(IV)(VOx)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化チタン(TiN)、及び二酸化ジルコニウム(ZrO2)含有材料のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項5】
前記コーティングの前記堆積が、液体材料注入キャスティング処理、スピンオンコーティング処理、液体スプレーコーティング処理、ドライパウダーコーティング処理、スクリーン印刷処理、ドクターブレーディング処理、物理気相堆積(PVD)処理、化学気相堆積(CVD)処理、流動性CVD(FCVD)処理、又は原子層堆積(ALD)処理を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の回折格子は、導波結合器の入力カップリング領域及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つのカップリング領域の複数の回折格子である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記コーティングを前記基板の前記表面に接合するために光学接着剤が使用され、前記光学接着剤は、前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率に実質的に一致する第3の屈折率を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
導波構造の製造方法であって、
異なる深度の複数のスタンプ構造を含むスタンプの凹型導波構造上に1.5から2.5の間の第2の屈折率を有するコーティングを堆積させることであって、前記コーティングは、前記凹型導波構造上で実質的に平坦であり、前記第2の屈折率は、基板の1.5から2.5の間の第1の屈折率に一致するか又は前記第1の屈折率よりも大きく、前記凹型導波構造は、入力カップリング領域及び出力カップリング領域を含み、異なる深度の複数の逆回折格子のそれぞれが異なる逆深度を有し、該逆深度は各逆回折格子の逆上面から、異なる深度の前記複数のスタンプ構造に対応する前記スタンプの底面へ延在する、コーティングを堆積させることと、
前記基板の一部の表面に前記コーティングを接合することであって、前記基板の前記表面には、前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率に実質的に一致する第3の屈折率を有する光学接着剤が配置されている、前記コーティングを接合することと、
それぞれが異なる深度を有する複数の回折格子を含む領域を有する導波構造を形成するため、前記スタンプを取り外すことであって、該深度は、各回折格子の上面から前記基板の上方に配置された光学接着剤へと延在するものである、前記スタンプを取り外すことと、
を含み、前記コーティングが、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、酸化バナジウム(IV)(VOx)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化チタン(TiN)、及び二酸化ジルコニウム(ZrO2)含有材料のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項9】
前記光学接着剤が、透明な金属酸化物材料又は透明なアクリルポリマーを含み、前記第3の屈折率が1.5から2.5の間である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の回折格子は、導波結合器の入力カップリング領域及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つのカップリング領域の複数の回折格子である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の回折格子は、前記基板の前記表面に平行な上面と、前記基板の前記表面に対してある量だけ傾斜した側壁面とを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の回折格子は、前記基板の前記表面に対して角度が付けられたブレーズド面と、前記基板の前記表面に対して垂直に配向された側壁面と、を含むブレーズド角度付き回折格子である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の逆回折格子の各々が異なる逆深度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の回折格子が、前記基板の前記表面に対して角度が付けられた側壁面を備える、請求項4に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
[0033] 上記は、本開示の実施例を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施例及びさらなる実施例が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
導波構造の製造方法であって、
少なくとも1つのパターン部分を含む凸型導波パターンを有するスタンプを、第1の屈折率を有する基板の一部の表面上に配置されたレジストに刻印することであって、当該刻印により、残留層を有する逆領域を含む凹型導波構造を形成する、レジストに刻印することと、
前記基板の前記表面上で前記レジストを硬化することと、
前記スタンプを取り外すことと、
前記残留層を除去することと、
前記基板の前記表面の前記第1の屈折率と実質的に一致するか又はそれより大きい第2の屈折率を有するコーティングを堆積することと、
ある領域を含む導波構造を形成するため、前記レジストを除去することと、
を含む、方法。
(態様2)
前記コーティングが、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、二酸化チタン(TiO
2
)、二酸化ケイ素(SiO
2
)、酸化バナジウム(IV)(VO
x
)、酸化アルミニウム(Al
2
O
3
)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta
2
O
5
)、窒化ケイ素(Si
3
N
4
)、窒化チタン(TiN)、及び二酸化ジルコニウム(ZrO
2
)含有材料のうちの少なくとも1つを含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記領域は、導波結合器の入力カップリング領域、導波領域、及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つである、態様1に記載の方法。
(態様4)
前記領域は、前記入力カップリング領域及び前記出力カップリング領域のうちの少なくとも1つの複数の回折格子を含む、態様3に記載の方法。
(態様5)
前記複数の回折格子は、前記基板の前記表面に平行な上面と、前記基板の前記表面に対してある量だけ傾斜した側壁面とを備える、態様4に記載の方法。
(態様6)
導波構造の製造方法であって、
スタンプの凹型導波構造上に第2の屈折率を有するコーティングを堆積させることであって、前記第2の屈折率は、基板の第1の屈折率と実質的に一致するか又はそれよりも大きく、前記凹型導波構造は逆領域を含む、コーティングを堆積させることと、
前記コーティングを平坦化することと、
前記コーティングを前記基板の一部の表面に接合することと、
ある領域を含む導波構造を形成するため、前記スタンプを取り外すことと、
を含む、方法。
(態様7)
前記コーティングの前記堆積が、液体材料注入キャスティング処理、スピンオンコーティング処理、液体スプレーコーティング処理、ドライパウダーコーティング処理、スクリーン印刷処理、ドクターブレーディング処理、物理気相堆積(PVD)処理、化学気相堆積(CVD)処理、流動性CVD(FCVD)処理、又は原子層堆積(ALD)処理を含む、態様6に記載の方法。
(態様8)
前記コーティングが、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、二酸化チタン(TiO
2
)、二酸化ケイ素(SiO
2
)、酸化バナジウム(IV)(VO
x
)、酸化アルミニウム(Al
2
O
3
)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta
2
O
5
)、窒化ケイ素(Si
3
N
4
)、窒化チタン(TiN)、及び/又は二酸化ジルコニウム(ZrO
2
)含有材料を含む、態様6に記載の方法。
(態様9)
前記領域は、導波結合器の入力カップリング領域及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つの複数の回折格子を含む、態様6に記載の方法。
(態様10)
前記コーティングを前記基板の前記表面に接合するために光学接着剤が使用され、前記光学接着剤は、前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率に実質的に一致する第3の屈折率を有する、態様6に記載の方法。
(態様11)
導波構造の製造方法であって、
スタンプの凹型導波構造上に1.5から2.5の間の第2の屈折率を有するコーティングを堆積させることであって、前記コーティングは、前記凹型導波構造上で実質的に平坦であり、前記第2の屈折率は、基板の1.5から2.5の間の第1の屈折率に実質的に一致するか又はそれよりも大きく、前記凹型導波構造は、逆入力カップリング領域及び逆出力カップリング領域を含む、コーティングを堆積させることと、
前記基板の一部の表面に前記コーティングを接合することであって、前記基板の前記表面には、前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率に実質的に一致する第3の屈折率を有する光学接着剤が配置されている、前記コーティングを接合することと、
ある領域を有する導波構造を形成するため、前記スタンプを取り外すことと、
を含む、方法。
(態様12)
前記光学接着剤が、透明な金属酸化物材料又は透明なアクリルポリマーを含み、前記第3の屈折率が約1.5から約2.5の間である、態様11に記載の方法。
(態様13)
前記領域は、導波結合器の入力カップリング領域及び出力カップリング領域のうちの少なくとも1つの複数の回折格子を含む、態様11に記載の方法。
(態様14)
前記複数の回折格子は、前記基板の前記表面に平行な上面と、前記基板の前記表面に対してある量だけ傾斜した側壁面とを備える、態様13に記載の方法。
(態様15)
前記複数の回折格子は、前記基板の前記表面に対して角度が付けられたブレーズド面と、前記基板の前記表面に対して垂直に配向された側壁面と、を含むブレーズド角度付き回折格子である、態様13に記載の方法。
【外国語明細書】