(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163268
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】保護膜除去方法及び塗布洗浄装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
H01L21/78 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068102
(22)【出願日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】高乗 佑
【テーマコード(参考)】
5F063
【Fターム(参考)】
5F063AA15
5F063AA21
5F063AA40
5F063AA48
5F063DF06
5F063DF20
(57)【要約】
【課題】リングフレームの洗浄時間を制限すると共に、リングフレームの表面に付着した保護膜が十分に除去されたか否かを確認する。
【解決手段】リングフレームと、リングフレームの裏面に貼り付けられたテープと、テープを介してリングフレームに支持された被加工物と、を有する被加工物ユニットにおけるリングフレームの表面に付着している保護膜を除去する保護膜除去方法であって、被加工物ユニットを保持テーブルで保持する保持ステップと、保持テーブルを回転させた状態で、保持テーブルで保持された被加工物の表面に液状樹脂を供給する供給ステップと、リングフレームの表面に形成された保護膜の厚さを検出する検出ステップと、リングフレームの表面側へ洗浄水を噴射する洗浄ステップと、を備え、洗浄ステップでは、リングフレームの表面の保護膜の厚さを検出しながら洗浄水を噴射し、リングフレームを洗浄する保護膜除去方法を提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リングフレームと、該リングフレームの裏面に貼り付けられたテープと、該テープを介して該リングフレームに支持された被加工物と、を有する被加工物ユニットにおける該リングフレームの表面に付着している保護膜を除去する保護膜除去方法であって、
該被加工物ユニットを保持テーブルで保持する保持ステップと、
該保持ステップの後、該保持テーブルを回転させた状態で、該保持テーブルで保持された該被加工物の表面に液状樹脂を供給する供給ステップと、
該供給ステップの後、該リングフレームの該表面に形成された該保護膜の厚さを検出する検出ステップと、
該リングフレームの該表面側へ洗浄水を噴射する洗浄ステップと、
を備え、
該洗浄ステップでは、該リングフレームの該表面の該保護膜の厚さを検出しながら該洗浄水を噴射し、該リングフレームを洗浄することを特徴とする保護膜除去方法。
【請求項2】
該洗浄ステップでは、該洗浄ステップにおける洗浄時間として予定されている所定時間内において該リングフレームにおける該保護膜の厚さが閾値を超過する限りは、該リングフレームへの洗浄水の噴射を継続することを特徴とする請求項1に記載の保護膜除去方法。
【請求項3】
リングフレームと、該リングフレームの裏面に貼り付けられたテープと、該テープを介して該リングフレームに支持された被加工物と、を有する被加工物ユニットにおける該被加工物の表面に液状樹脂を塗布し、該液状樹脂の塗布に起因して該リングフレームの表面に付着している保護膜を洗浄する塗布洗浄装置であって、
該被加工物ユニットを保持する保持テーブルと、
該保持テーブルで保持された該被加工物の該表面に該液状樹脂を供給する液状樹脂供給ユニットと、
該リングフレームの該表面における該保護膜の厚さ検出する検出ユニットと、
該リングフレームに付着している該保護膜を洗浄する洗浄水を該リングフレームの該表面側に噴射する洗浄水噴射ユニットと、
該保持テーブル、該液状樹脂供給ユニット、該検出ユニット、及び、該洗浄水噴射ユニットの動作を制御する制御ユニットと、を備え、
該制御ユニットは、該検出ユニットで該リングフレームの該表面の該保護膜の厚さを検出しながら、該洗浄水噴射ユニットの動作を制御することを特徴とする塗布洗浄装置。
【請求項4】
該制御ユニットは、洗浄時間として予定されている所定時間内において、該検出ユニットで該保護膜の厚さを検出しながら、該リングフレームにおける該保護膜の厚さが閾値を超過する限りは、該洗浄水噴射ユニットに洗浄水の噴射を継続させる請求項3に記載の塗布洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リングフレームの表面に付着した保護膜を除去する保護膜除去方法、及び、リングフレームの表面に付着した保護膜を洗浄する塗布洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスチップの製造工程では、表面に複数の分割予定ライン(ストリート)が設定され当該複数のストリートで区画された領域の各々にデバイスが形成されたウェーハ(被加工物)を、各ストリートに沿って加工する。
【0003】
被加工物を各ストリートに沿って加工する際には、例えば、被加工物に吸収される波長を有するレーザービームを用いて、被加工物に対してアブレーション加工を施す(例えば、特許文献1参照)。しかし、アブレーション加工を行うと、被加工物の表面側にデブリが付着して表面側が汚染される。
【0004】
デブリによる汚染を防止するために、アブレーション加工の前に、水溶性樹脂で形成された保護膜により被加工物の表面側を被覆し、アブレーション加工後に、保護膜及びデブリを洗浄水で洗浄して除去する加工方法が開発された(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
被加工物の表面側を保護膜で被覆するためには、まず、金属製のリングフレームの開口部に被加工物を配置した状態で、リングフレームの裏面と、被加工物の裏面とに、円形の保護テープを貼り付けることで、保護テープを介して被加工物がリングフレームで支持された被加工物ユニットを形成する。
【0006】
次いで、スピンナテーブルで被加工物の裏面側を吸引保持すると共にスピンナテーブルを回転させた状態で、スピンナテーブルの上方から被加工物の表面側に水溶性樹脂を供給し、その後、水溶性樹脂を乾燥させる。これにより、被加工物の表面側が保護膜で被覆される。
【0007】
しかし、スピンナテーブルの回転に伴う遠心力により、液状樹脂は、被加工物の外周端部よりも外側に飛散し、リングフレームの表面に付着することがある。この場合、リングフレームの表面にも保護膜が形成される。
【0008】
リングフレームの表面は、被加工物ユニットの搬送時に、搬送装置の吸着機構と接触するので、リングフレームの表面に保護膜が形成されている場合には、吸着機構にも保護膜が付着する。搬送装置は、例えば、レーザー加工装置に設けられており、搬送装置が移動すると、付着した保護膜も共に移動しするので、レーザー加工装置の内部が汚染される。
【0009】
そこで、保護膜による汚染を防止するために、保護膜形成後に洗浄ノズル及びエアーノズルでリングフレームを洗浄及び乾燥する保護膜形成装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、当該保護膜形成装置を用いても、リングフレームの表面に付着した保護膜が十分に除去されたか否かを確認できない。
【0010】
これに対して、保護膜を十分に除去するために、想定される洗浄時間よりも余分に長く洗浄時間を設定することも考えられるが、この場合、リングフレームの洗浄に要する時間が長くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平10-305420号公報
【特許文献2】特開2006-140311号公報
【特許文献3】特開2014-175461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、リングフレームの洗浄時間を制限すると共に、リングフレームの表面に付着した保護膜が十分に除去されたか否かを確認することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、リングフレームと、該リングフレームの裏面に貼り付けられたテープと、該テープを介して該リングフレームに支持された被加工物と、を有する被加工物ユニットにおける該リングフレームの表面に付着している保護膜を除去する保護膜除去方法であって、該被加工物ユニットを保持テーブルで保持する保持ステップと、該保持ステップの後、該保持テーブルを回転させた状態で、該保持テーブルで保持された該被加工物の表面に液状樹脂を供給する供給ステップと、該供給ステップの後、該リングフレームの該表面に形成された該保護膜の厚さを検出する検出ステップと、該リングフレームの該表面側へ洗浄水を噴射する洗浄ステップと、を備え、該洗浄ステップでは、該リングフレームの該表面の該保護膜の厚さを検出しながら該洗浄水を噴射し、該リングフレームを洗浄することを特徴とする保護膜除去方法が提供される。
【0014】
該洗浄ステップでは、該洗浄ステップにおける洗浄時間として予定されている所定時間内において該リングフレームにおける該保護膜の厚さが閾値を超過する限りは、該リングフレームへの洗浄水の噴射を継続する。
【0015】
本発明の他の態様によれば、リングフレームと、該リングフレームの裏面に貼り付けられたテープと、該テープを介して該リングフレームに支持された被加工物と、を有する被加工物ユニットにおける該被加工物の表面に液状樹脂を塗布し、該液状樹脂の塗布に起因して該リングフレームの表面に付着している保護膜を洗浄する塗布洗浄装置であって、該被加工物ユニットを保持する保持テーブルと、該保持テーブルで保持された該被加工物の該表面に該液状樹脂を供給する液状樹脂供給ユニットと、該リングフレームの該表面における該保護膜の厚さ検出する検出ユニットと、該リングフレームに付着している該保護膜を洗浄する洗浄水を該リングフレームの該表面側に噴射する洗浄水噴射ユニットと、該保持テーブル、該液状樹脂供給ユニット、該検出ユニット、及び、該洗浄水噴射ユニットの動作を制御する制御ユニットと、を備え、該制御ユニットは、該検出ユニットで該リングフレームの該表面の該保護膜の厚さを検出しながら、該洗浄水噴射ユニットの動作を制御する塗布洗浄装置が提供される。
【0016】
好ましくは、該制御ユニットは、洗浄時間として予定されている所定時間内において、該検出ユニットで該保護膜の厚さを検出しながら、該リングフレームにおける該保護膜の厚さが閾値を超過する限りは、該洗浄水噴射ユニットに洗浄水の噴射を継続させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係る保護膜除去方法は、リングフレームの表面に付着して形成された保護膜の厚さを検出する検出ステップと、保護膜の厚さを検出しながら、リングフレームの表面へ洗浄水を噴射する洗浄ステップと、を備える。洗浄ステップでは、リングフレームの表面の保護膜の厚さを検出しながら洗浄水を噴射し、リングフレームを洗浄するので、リングフレームに付着した保護膜が十分に除去されたか否かを確認しつつ、リングフレームを洗浄できる。
【0018】
また、リングフレームの表面の保護膜の厚さを検出しながらリングフレームを洗浄するので、仮に、保護膜が十分に除去された場合には、洗浄時間として予定されている所定時間の経過前であっても洗浄ステップを終了できる。従って、リングフレームの洗浄時間を制限できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図5】検出ユニットと第3のノズルとの配置を説明する上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。まず、
図1を参照して、被加工物11について説明する。本実施形態の被加工物11は、シリコン(Si)で形成された円板状のウェーハを含む。
【0021】
但し、被加工物11の材料、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば、被加工物11は、窒化ガリウム(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)、炭化ケイ素(SiC)などから成るシリコン以外の半導体材料で形成されたウェーハを含んでもよい。
【0022】
被加工物11の表面11a側には、互いに直交する複数の分割予定ライン(ストリート)が設定されている。複数のストリートで区画される各領域には、IC(Integrated Circuit)等のデバイスが形成されている。
【0023】
被加工物11の裏面11b側には、被加工物11よりも大径の保護テープ(テープ)13が貼り付けられる。また、保護テープ13の外周部分には、金属で形成されたリングフレーム15の裏面15bが貼り付けられる。
【0024】
例えば、被加工物11の表面11aと、リングフレーム15の表面15aとを下方に向けた状態で、リングフレーム15の開口部15cに被加工物11を配置する。そして、被加工物11の裏面11bと、リングフレーム15の裏面15bとを、上方に露出させた状態で、裏面11b及び裏面15bに保護テープ13を貼り付ける。
【0025】
これにより、被加工物11、保護テープ13及びリングフレーム15が一体化された被加工物ユニット17が形成される。被加工物ユニット17において、被加工物11は、保護テープ13を介してリングフレーム15で支持される。
【0026】
本実施形態の被加工物11は、各ストリートに沿ってレーザービームで加工される。具体的には、被加工物11に吸収される波長(例えば、中心波長355nm)を有するレーザービームを用いて、各ストリートに沿って被加工物11に対してアブレーション加工を施す。
【0027】
アブレーション加工の前には、アブレーション加工時に生じるデブリが表面11aに固着することを防止するために、水溶性樹脂で形成され、0.5μmから1.5μm程度の厚さを有する保護膜19(
図4参照)で、表面11a側を被覆する。
【0028】
保護膜19の形成には、塗布洗浄装置2が用いられる。
図1は、塗布洗浄装置2の斜視図である。
図1に示すX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は互いに直交する。Z軸方向は、例えば鉛直方向と平行であり、X-Y平面は、例えば、水平面と平行である。
【0029】
塗布洗浄装置2は、レーザー加工装置に搭載され、保護膜19の形成及び除去に用いられる。塗布洗浄装置2は、円筒状のチャンバ4を備える。なお、
図1では、チャンバ4の一部を切り欠いて示す。チャンバ4内には、円板状のスピンナテーブル(保持テーブル)6が配置されている。
【0030】
スピンナテーブル6は、金属で形成された円板状の枠体8を有する。枠体8の上面側には円板状の凹部が形成されており、この凹部には多孔質セラミックスで形成された円板状の多孔質板10が固定されている。
【0031】
枠体8の上面と、多孔質板10の上面とは、略面一となっており、略平坦な保持面6aを構成している。枠体8には、所定の流路が形成されている。この流路の一端部は、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されており、流路の他端部は、凹部に露出している。
【0032】
吸引源を動作させると、多孔質板10の上面には負圧が伝達され、被加工物11は、保護テープ13を介して保持面6aで吸引保持される。なお、枠体8の上面には、リングフレーム15の裏面15b側を吸引保持するための吸引口(不図示)が設けられてもよい。スピンナテーブル6の下部には、テーブルベース(不図示)が設けられている。
【0033】
テーブルベースの下部には、モーター等の回転駆動源(不図示)が設けられている。回転駆動源の回転軸12は、テーブルベースを介して、スピンナテーブル6に連結されている。回転駆動源を動作させれば、スピンナテーブル6は所定の回転速度で回転軸12を中心に回転する。
【0034】
回転駆動源は、エアシリンダ等を有する昇降機構(不図示)で支持されている。昇降機構は、被加工物ユニット17の搬入及び搬出時にスピンナテーブル6を上昇させ、保護膜19の形成及び洗浄時にスピンナテーブル6を下降させる。
【0035】
スピンナテーブル6の外側、且つ、チャンバ4の内壁よりも内側には、Z軸方向と略平行に配置された回転軸14が設けられている。回転軸14の上端部には、第1のアーム16の基端部が固定されている。回転軸14は、第1のアーム16を回転軸14の周りに所定の角度範囲で揺動させることができる。
【0036】
第1のアーム16の先端部には、下方を向く様に第1のノズル18が固定されている。第1のノズル18には、所定の流路を介して、液状樹脂供給源20が接続されている。液状樹脂供給源20は、液状樹脂21が貯留されたタンク(不図示)を有する。
【0037】
液状樹脂供給源20のタンクと、第1のノズル18と、の間の所定の流路には、第1のポンプ、第1の電磁弁(いずれも不図示)が設けられている。第1のノズル18、液状樹脂供給源20、第1の電磁弁等は、表面11a側に液状樹脂21を供給する液状樹脂供給ユニット22を構成する。
【0038】
液状樹脂21は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の水溶性樹脂と、フェルラ酸、ジヒドロキシベンゾフェノン等の吸光剤と、添加剤と、を含む。液状樹脂供給ユニット22は、保持面6aで吸引保持された被加工物11の表面11aに液状樹脂21を供給する。
【0039】
スピンナテーブル6を所定の速度で回転させることで、供給された液状樹脂21は遠心力により広がって表面11a全体に塗布される。その後、液状樹脂21の供給を停止し、液状樹脂21を乾燥させると、表面11aが保護膜19で被覆される。
【0040】
ところで、遠心力により、リングフレーム15の表面15aに液状樹脂21が付着することで、表面15aにも保護膜19が形成される。保護膜19に対して、中心波長(例えば、中心波長365nm)を有する励起光αを照射すると、保護膜19中の吸光剤が、420nmから430nm程度の波長帯域の蛍光βを発する(
図2参照)。
【0041】
吸光剤は、保護膜19中に略一様に所定の密度で分散しているので、所定の強度の励起光αを保護膜19に照射した場合に得られる蛍光βの強度は、保護膜19の厚さに対応する(例えば、略比例関係にある)。それゆえ、蛍光βの強度を利用して、表面15aにおける保護膜19の厚さを検出できる。
【0042】
図1に戻り、第1のアーム16の下方には、第2のアーム24が配置されている。第2のアーム24の基端部も、回転軸14の上端部に固定されている。第2のアーム24の先端部には、下方を向く様に第2のノズル26が固定されている。
【0043】
第2のノズル26には、所定の流路を介して、洗浄水供給源28が接続されている。洗浄水供給源28は、純水等の洗浄水23が貯留されたタンク(不図示)を有する。当該タンクと、第2のノズル26と、の間の所定の流路には、第2のポンプ、第2の電磁弁(いずれも不図示)が設けられている。
【0044】
第2のノズル26、洗浄水供給源28、第2の電磁弁等は、被加工物洗浄ユニット30を構成する。被加工物洗浄ユニット30は、例えば、高圧洗浄ユニットであり、5MPaから10MPaの所定の値に加圧された洗浄水23を、第2のノズル26から下方に噴射する。
【0045】
なお、被加工物洗浄ユニット30は、純水と、エアーとが混合された二流体を第2のノズル26から下方に噴射する二流体洗浄ユニットであってもよい。また、被加工物洗浄ユニット30は、乾燥エアーを噴射するエアーノズル(不図示)を更に有してもよい。
【0046】
スピンナテーブル6の外側、且つ、チャンバ4の内壁よりも内側であって、回転軸14とは異なる位置には、Z軸方向と略平行に配置された他の回転軸32が設けられている。回転軸32の上端部には、第3のアーム34の基端部が固定されている。
【0047】
第3のアーム34の先端部は、第3のアーム34の基端部側へ折り返されており、斜め下方を向いている。この先端部には、第3のノズル36が固定されている。第3のノズル36には、所定の流路を介して、洗浄水供給源28が接続されている。
【0048】
第3のノズル36には、第3の電磁弁(不図示)を介して洗浄水供給源28から洗浄水23が供給される。第3のノズル36、洗浄水供給源28、第3の電磁弁等は、リングフレーム15の表面15aに付着した保護膜19を洗浄して除去するための洗浄水噴射ユニット38を構成する。
【0049】
第3の電磁弁を開状態とすると、第3のノズル36から外向きの斜め下方(即ち、保持面6aの径方向の外側、且つ、下向き)に、洗浄水23が噴射される。この様に、洗浄水23を外向きの斜め下方に噴射することで、保持面6aの中心側へ飛散する洗浄水23の量を抑制できる。
【0050】
ところで、塗布洗浄装置2には、保持面6aの中心6b(
図5参照)を通りZ軸方向に略平行な直線(不図示)と直交する様に、X-Y平面と略平行に延伸するガイドレール42が設けられている。ガイドレール42は、被加工物ユニット17を搬送する搬送装置(不図示)と干渉しない様に、チャンバ4の上端から所定距離だけ離れている。
【0051】
ガイドレール42の下面側には、ガイドレール42の延伸方向に沿って移動可能な態様でアクチュエーター44が設けられている。アクチュエーター44は、Z軸方向に伸縮可能なロッド44aを有する。
【0052】
ロッド44aの下端部には、リングフレーム15の表面15aに形成されている保護膜19の厚さを検出する円筒状の検出ユニット46が設けられている。検出ユニット46の外周側面には、洗浄水23等による汚染を防止するために、ステンレス鋼で形成された半円筒状のカバー46aが設けられている。
【0053】
ここで、
図2を参照して検出ユニット46の構成を説明する。
図2は、検出ユニット46の一部断面側面図である。なお、
図2では、カバー46aを省略している。検出ユニット46は、光電子増倍管50を有する。
【0054】
光電子増倍管50は、真空状態の内部空間を有するガラス製の円筒状のバルブ52を有する。本実施形態の光電子増倍管50は、所謂サイドオン型であり、バルブ52は、円筒の高さ方向がZ軸方向と直交する様に配置されている。
【0055】
バルブ52の内部には、光電陰極54が配置されている。光電陰極54は、バルブ52の側面から入射した光を受けて電子を放出する。放出された電子は、複数のダイノード(不図示)により雪崩的にその数が増幅される。
【0056】
光電子増倍管50により増幅された二次電子の数は、最終的に陽極(不図示)に達し、電流信号として検出される。例えば、電流信号をオシロスコープで計測することにより、二次電子の数がカウントされる。
【0057】
二次電子の数をカウントすることにより、光電陰極54に入射した光(即ち、上述の蛍光β)の強度を検出できる。なお、所定の回路を用いて、二次電子の数をデジタル式にカウントしてもよい。
【0058】
光電子増倍管50は、円筒状の固定部56の側面の開口から、固定部56の内部空間56aに挿入され、光電陰極54が下方を向く様に配置されている。固定部56の底部には、下側に行くほど径が大きくなる円錐台状の開口56bが形成されており、光電陰極54は、開口56bの直上に位置している。
【0059】
固定部56の下部には、円環状の連結部58が固定されている。連結部58には、下側に行くほど径が大きくなる円錐台状の開口58aが形成されている。開口58aは、開口56bと同心円状に配置されている。
【0060】
開口58aの上部には、蛍光βを透過させるが、蛍光β以外の波長帯域の光を透過させない蛍光透過フィルタ60が設けられている。連結部58の下部には、円筒状の反射鏡固定部62が固定されている。
【0061】
反射鏡固定部62の側面の上部には、環状の凹部62aが形成されている。凹部62aの底面には雌ねじが形成されており、この雌ねじには、環状の位置決めリング64の外周側面64aに形成されている雄ねじが、螺合される。
【0062】
位置決めリング64の径方向の中心部には、下側に行くほど径が大きくなる円錐台状の開口64bが形成されている。開口64bは、開口56b、58aと同心円状に配置されている。
【0063】
位置決めリング64の下部には、円筒状のスペーサ66が配置されている。スペーサ66の底部には、円筒状のミラー保持部68が配置されている。ミラー保持部68は、その側部から外側にそれぞれ突出する複数(例えば、4本)の腕部68aを有している。
【0064】
ミラー保持部68は、各腕部68aがスペーサ66の底部に接する様に配置されている。なお、
図2では、2本の腕部68aを示す。ミラー保持部68の内部には、開口が下方を向く態様で配置された凹部68bが形成されている。
【0065】
凹部68bには、三角プリズム状のミラー68cが固定されている。また、凹部68bの側面には、開口68dが形成されている。開口68dには、円筒状の導光管70の一端部が固定されている。
【0066】
導光管70の一端部には、集光レンズ70aが設けられている。導光管70は、反射鏡固定部62及びスペーサ66の側部に各々設けられた貫通孔を通る様に配置されており、導光管70の他端部は、反射鏡固定部62の外側に位置している。
【0067】
導光管70の他端部には、励起光αを透過させるが、励起光α以外の波長帯域の光を透過させない励起光透過フィルタ70bが設けられている。導光管70の他端部には、励起光αを発する光源部72が接続されている。
【0068】
光源部72は、励起光αを発する不図示のLED(light emitting diode)を有する。光源部72から照射された励起光αは、励起光透過フィルタ70b及び集光レンズ70aを経て、ミラー68cにより反射され、ミラー保持部68の下方へ照射される。ミラー保持部68の複数の腕部68aの下部には、回転楕円鏡74が設けられている。
【0069】
回転楕円鏡74は、反射面74aを有する。反射面74aは、長軸がZ軸方向と平行に配置され、短軸がX-Y平面方向と平行に配置された楕円を、長軸の周りに回転させることで形成された回転楕円体のうち、長軸周りの環状の表面の一部に対応する。
【0070】
特に、反射面74aは、回転楕円体の2つの焦点(第1の焦点F1、第2の焦点F2)の間に位置している。回転楕円鏡74の外周側面は、ゴム製リング76が接している。回転楕円鏡74は、ゴム製リング76を介して、環状の支持リング78で支持されている。
【0071】
支持リング78は、上方に突出する円筒部を有している。この円筒部の外側側面78aには、雄ねじが形成されている。また、反射鏡固定部62の下部のうち、この外側側面78aに対応する環状の凸部に形成された凹部62bには、雌ねじが形成されている。
【0072】
凹部62bの雌ねじに、外側側面78aの雄ねじを螺合することで、支持リング78は、反射鏡固定部62に固定される。これにより、回転楕円鏡74は、ゴム製リング76を介して支持リング78により上方へ押圧される。
【0073】
また、スペーサ66を介して位置決めリング64により下方へ押圧されるので、回転楕円鏡74は、位置決めリング64及び支持リング78によりZ軸方向で挟持される。回転楕円鏡74の第1の焦点F1には、励起光αが集光される。
【0074】
第1の焦点F1は、回転楕円鏡74の底部から所定の距離Aとなる様に設定されている。所定の距離Aは、例えば、2.5mmに設定される。また、第1の焦点F1における励起光αのスポット径は、例えば、0.6mmに設定される。
【0075】
第1の焦点F1に保護膜19が存在している場合、第1の焦点F1に集光された励起光αにより、保護膜19は蛍光βを発する。反射面74aに入射した蛍光βは、反射面74aにより、第2の焦点F2に集光されるので、蛍光βを効率的に光電陰極54に導くことができる。
【0076】
ここで、
図1に戻る。塗布洗浄装置2には、スピンナテーブル6、回転軸14、液状樹脂供給ユニット22、被加工物洗浄ユニット30、回転軸32、洗浄水噴射ユニット38、検出ユニット46等の動作を制御する制御ユニット80が設けられている。
【0077】
制御ユニット80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ(処理装置)と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、等の主記憶装置と、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、を含むコンピュータによって構成されている。
【0078】
補助記憶装置には、所定のプログラムを含むソフトウェアが記憶されている。このソフトウェアに従い処理装置等を動作させることによって、制御ユニット80の機能が実現される。
【0079】
制御ユニット80は、検出ユニット46により検出される二次電子の数に基づいて、洗浄水噴射ユニット38の動作を制御する。具体的には、制御ユニット80は、二次電子の数を保護膜19の厚さに変換することで保護膜19の厚さを検出しながら、リングフレーム15の表面15aへ洗浄水23を噴射する。
【0080】
それゆえ、リングフレーム15の表面15a側に付着した保護膜19が十分に除去されたか否かを確認しつつ、リングフレーム15を洗浄できる。特に、制御ユニット80は、洗浄時間として予定されている所定時間(例えば、50秒)内において、保護膜19の厚さが閾値を超過する限り、洗浄水噴射ユニット38に洗浄水23の噴射を継続させる。
【0081】
これに対して、制御ユニット80は、所定時間内において、保護膜19の厚さが閾値未満になった場合、所定時間の経過前であっても、洗浄水23の噴射を停止させて、洗浄水噴射ユニット38によるリングフレーム15の洗浄を終了させる。
【0082】
この様に、表面15aの保護膜19の厚さを検出ユニット46で検出しながらリングフレーム15を洗浄するので、仮に、保護膜19が十分に除去された場合には、所定時間の経過前であっても洗浄を終了できる。それゆえ、リングフレーム15の洗浄時間を制限できる。
【0083】
次に、
図3及び
図4を参照し、保護膜19の形成方法等について説明する。
図3は、被加工物11の表面11a側を保護膜19で被覆する際において、リングフレーム15の表面15aに付着している保護膜19を除去する保護膜除去方法のフロー図である。
【0084】
まず、不図示の搬送装置で、被加工物ユニット17を搬送し、裏面11bが保持面6aと対面する様に、被加工物ユニット17を保持面6aに載置する。なお、このとき、検出ユニット46は、保持面6aの直上から退避している。
【0085】
そして、被加工物ユニット17を保持面6aで吸引保持する(保持ステップS10)。保持ステップS10の後、スピンナテーブル6を所定の回転速度(例えば100rpm以上300rpm以下の所定値)で回転させると共に、第1のノズル18を、チャンバ4の内壁近傍の待避位置から、保持面6aの略中心の上方の供給位置に、移動させる。
【0086】
そして、スピンナテーブル6と共に回転している被加工物11の表面11aに、第1のノズル18から液状樹脂21を、例えば、10mlから20ml程度、供給する(供給ステップS20)。液状樹脂21は、遠心力により広がって、リングフレーム15の表面15aにも付着する。
【0087】
その後、スピンナテーブル6を所定の回転速度で回転させたままとし、第1のノズル18を待避位置へ移動させると共に、液状樹脂21を乾燥させる。液状樹脂21が乾燥すると、被加工物11の表面11aと、リングフレーム15の表面15aとに、保護膜19が形成される(
図4参照)。
【0088】
しかし、表面15aに保護膜19が存在すると、搬送装置(不図示)の吸着機構でリングフレーム15を吸着して搬送する際に、吸着機構に保護膜19が付着する。更には、搬送装置の移動に伴い、レーザー加工装置の内部が保護膜19で汚染される。
【0089】
そこで、供給ステップS20の後、検出ユニット46で表面15aに形成された保護膜19の厚さを検出する(検出ステップS30)。そのために、まず、アクチュエーター44を保持面6aの外周部の上方に位置付け、検出ユニット46を下方に移動させる。
【0090】
これにより、検出ユニット46の底部は、リングフレーム15の表面15aから所定の距離Aの高さに位置付けられる。なお、検出ステップS30でも、スピンナテーブル6は所定の回転速度で回転したままである。
【0091】
検出ユニット46による蛍光βの検出時間の間隔は、回転速度と、励起光αのスポット径とに、応じて適宜設定される。保護膜19の厚さを測定する際には、検出ユニット46は、例えば、表面15aの一点に励起光αを集光させることで、表面15aの周方向に沿う環状領域での保護膜19の厚さを測定する。
【0092】
但し、スピンナテーブル6の回転に伴い、アクチュエーター44をガイドレール42に沿って連続的に移動させることで、励起光αの集光スポットを、表面15aにおいてアルキメデスの螺旋状に移動させてもよい。
【0093】
また、スピンナテーブル6の回転に伴い、アクチュエーター44をガイドレール42に沿って段階的に移動させることで、励起光αの集光スポットを、表面15aにおいて同心円状に移動させてもよい。
【0094】
デバイスが形成されている被加工物11の表面11a上と略同じ厚さの保護膜19が、リングフレーム15の表面15aに形成されている場合、二次電子のカウント数は、20×103超(典型的には、30×103から50×103カウント程度)となる。
【0095】
そこで、検出ステップS30で検出された保護膜19の厚さが閾値以下(本実施形態では、二次電子のカウント数が20×103以下)であるか否かを、制御ユニット80が判断する(判断ステップS40)。
【0096】
仮に、検出ステップS30直後の判断ステップS40で、保護膜19の厚さが閾値以下である場合、リングフレーム15の洗浄(洗浄ステップS50)を省略して、フローを終了する。これにより、被加工物ユニット17の処理時間を短縮できると共に、搬送装置やレーザー加工装置の保護膜19による汚染を低減できる。
【0097】
これに対して、保護膜19の厚さが閾値を超過する場合、第3のノズル36からリングフレーム15の表面15a側へ洗浄水23を噴射することで、表面15a上の保護膜19を洗浄して除去する(洗浄ステップS50)。
【0098】
洗浄ステップS50では、スピンナテーブル6を所定の回転速度の回転させたまま、回転軸32を所定角度回転させて、第3のノズル36を、チャンバ4の内壁近傍の待避位置から、枠体8と多孔質板10との境界近傍の上方に位置する供給位置に移動させる。
【0099】
図4は、洗浄ステップS50における塗布洗浄装置2の一部断面側面図である。特に、洗浄ステップS50では、検出ユニット46で保護膜19の厚さを検出しながら洗浄水23を所定の流量(例えば、50ml/min以上100ml/min以下の所定値)で外向きの斜め下方に噴射して、リングフレーム15を洗浄する。
【0100】
洗浄ステップS50における洗浄時間として予定されている所定時間(例えば、50秒)内において、リングフレーム15の表面15a側の保護膜19の厚さが閾値を超過する限りは、リングフレーム15への洗浄水23の噴射を継続する(S60でNO、且つ、S70でNO)。
【0101】
これに対して、所定時間内において表面15a側の保護膜19の厚さが閾値以下となったら(即ち、保護膜19が十分に除去されたら)、フローを終了する(S60でYES)。また、表面15a側の保護膜19の厚さが閾値以下となっていないが、所定時間を経過した場合には、フローを終了する(S70でYES)。
【0102】
S70でYESとなった場合、制御ユニット80は、制御ユニット80に電気的にそれぞれ接続されている、ランプ、ブザー、表示装置等の一つ以上を動作させて、光、音、画面表示を通じて、オペレータにアラームを通知する。
【0103】
オペレータは、アラームを受けた場合、塗布洗浄装置2の動作を一旦停止させて、第3のノズル36の角度、洗浄水23の流量等を調整し、調整後、再度、塗布洗浄装置2を稼働させる。これにより、次回のリングフレーム15の洗浄時には、所定時間内に表面15a側の保護膜19の厚さを閾値以下にできる。
【0104】
本実施形態では、リングフレーム15に付着した保護膜19が十分に除去されたか否かを確認しつつ、リングフレーム15を洗浄できる。また、保護膜19が十分に除去された場合には、洗浄時間として予定されている所定時間の経過前であっても洗浄ステップS50を終了できる。従って、リングフレーム15の洗浄時間を制限できる。
【0105】
図4に示すフローの終了時には、検出ユニット46を上昇させ、更に、ガイドレール42に沿って移動させて、保持面6aの直上から退避させる。これと共に、第3のノズル36から洗浄水23の噴射を停止させ、スピンナテーブル6の回転を停止させる。
【0106】
次いで、被加工物ユニット17を、スピンナテーブル6から不図示のチャックテーブルへ搬送する。そして、被加工物11に吸収される波長(例えば、355nm)を中心波長として有するレーザービームにより、被加工物11に対してアブレーション加工を施す。
【0107】
アブレーション加工後に、再び、被加工物ユニット17を、塗布洗浄装置2へ搬送する。そして、スピンナテーブル6で被加工物ユニット17を吸引保持し、被加工物ユニット17(被加工物11)を洗浄する。
【0108】
洗浄時には、回転軸14を動作させることにより第1のアーム16を揺動させて、第2のノズル26から所定の流量(例えば、200ml/min以上400ml/min以下の所定値)で洗浄水23を噴射させると共に、スピンナテーブル6を所定の回転速度(例えば、800rpm以上2000rpm以下の所定値)で回転させる。
【0109】
これにより、デブリ及び保護膜19を除去する。その後、被加工物ユニット17を搬送装置で塗布洗浄装置2の外へ搬送する。次に、検出ユニット46の配置の変形例を説明する。
図5は、検出ユニット46と、第3のノズル36と、の配置を説明する上面図である。
【0110】
上述の実施形態において、検出ユニット46は、カバー46aが保持面6aの中心6bを向き、第3のノズル36と、中心6bと、検出ユニット46とが、上面視において一直線上に位置する様に配置されている。
【0111】
つまり、第3のノズル36及び中心6bを結ぶ線分と、中心6b及び検出ユニット46を結ぶ線分とは、略180°を成す。この様に、検出ユニット46を第3のノズル36から離れた位置に配置すれば、リングフレーム15の洗浄時における洗浄水23の影響を低減できる。
【0112】
但し、第3のノズル36及び中心6bを結ぶ線分と、中心6b及び検出ユニット46を結ぶ線分とが、略180°を成す位置から、略270°を成す位置までの角度範囲γに、検出ユニット46を配置してもよい。
【0113】
略180°を成す位置から、略270°を成す位置までの範囲であれば、第3のノズル36から検出ユニット46への洗浄水23の影響を十分に低減できる。その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0114】
2:塗布洗浄装置、4:チャンバ
6:スピンナテーブル(保持テーブル)、6a:保持面、6b:中心
8:枠体、10:多孔質板、12:回転軸
11:被加工物、11a:表面、11b:裏面、13:保護テープ(テープ)
15:リングフレーム、15a:表面、15b:裏面、15c:開口部
17:被加工物ユニット、19:保護膜、21:液状樹脂、23:洗浄水
14:回転軸、16:第1のアーム、18:第1のノズル、20:液状樹脂供給源
22:液状樹脂供給ユニット、24:第2のアーム、26:第2のノズル
28:洗浄水供給源、30:被加工物洗浄ユニット
32:回転軸、34:第3のアーム、36:第3のノズル、38:洗浄水噴射ユニット
42:ガイドレール、44:アクチュエーター、44a:ロッド
46:検出ユニット、46a:カバー
50:光電子増倍管、52:バルブ、54:光電陰極
56:固定部、56a:内部空間、56b:開口
58:連結部、58a:開口、60:蛍光透過フィルタ
62:反射鏡固定部、62a,62b:凹部
64:位置決めリング、64a:外周側面、64b:開口、66:スペーサ
68:ミラー保持部、68a:腕部、68b:凹部、68c:ミラー、68d:開口
70:導光管、70a:集光レンズ、70b:励起光透過フィルタ、72:光源部
74:回転楕円鏡、74a:反射面、76:ゴム製リング
78:支持リング、78a:外側側面、80:制御ユニット
α:励起光、β:蛍光、γ:角度範囲、F1:第1の焦点、F2:第2の焦点、A:距離