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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164501
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】清掃用物品
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/17 20060101AFI20221020BHJP
   A47K 11/10 20060101ALN20221020BHJP
【FI】
A47L13/17 A
A47K11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070040
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】花井 健人
(72)【発明者】
【氏名】一海 康成
(72)【発明者】
【氏名】西 由美子
【テーマコード(参考)】
2D036
3B074
【Fターム(参考)】
2D036DA19
3B074AA04
3B074AA08
3B074AB01
3B074AC03
3B074BB01
3B074CC03
(57)【要約】
【課題】便器に付着した汚れを除去する際の作業性を向上することができる、清掃用物品を提供する。
【解決手段】本発明に係る清掃用物品は、水解性材料により形成された、第1シート材と、水解性材料により形成され、前記第1シート材と重ね合わされる、第2シート材と、を備え、前記第1シート材と前記第2シート材との間に空隙が形成され、重ね合わされた前記第1シート材と前記第2シート材の少なくとも一部の端部に、前記空隙と連通する開口が形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水解性材料により形成された、第1シート材と、
水解性材料により形成され、前記第1シート材と重ね合わされる、第2シート材と、
を備え、
前記第1シート材と前記第2シート材との間に空隙が形成され、
重ね合わされた前記第1シート材と前記第2シート材の少なくとも一部の端部に、前記空隙と連通する開口が形成されている、清掃用物品。
【請求項2】
前記第1シート材と前記第2シート材との間に配置され、水解性材料により形成された、第3シート材をさらに備え、
前記第3シート材は、断面が波形状に形成されており、当該波形によって形成される凹部により、前記空隙が形成されている、請求項1に記載の清掃用物品。
【請求項3】
前記1シート材及び第2シート材の少なくとも一方の表面に積層された水溶性の印刷層をさらに備えている、請求項1または2に記載の清掃用物品。
【請求項4】
前記印刷層を覆うコート層をさらに備えており、
前記コート層は、前記シート材よりも水に溶けるのに要する時間が長い、請求項3に記載の清掃用物品。
【請求項5】
前記第1シート材及び第2シート材は、一の方向を長手方向として延びる形状を有しており、
前記第2シート材は、前記一の方向に延びる仮想線を挟んで複数の分割片に分割されている、請求項1から4のいずれかに記載の清掃用物品。
【請求項6】
前記第1シート材及び第2シート材は、長辺及び短辺が短手方向に延びる台形状に形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の清掃用物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、便器に付着した便などの汚れを除去するための清掃用物品が開示されている。この清掃用物品は、断面が円弧状に曲げられた水解紙により形成されており、その端部で汚れを掻き取るなどして除去した後は、便器の水溜まりに投入して廃棄するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2018/131382号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の清掃用物品では、掻き取った汚れが清掃用物品の表面に付着するため、その都度、付着した汚れを取るために、清掃用物品を便器の水溜まりですすぐ必要がある。したがって、作業性が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、便器に付着した汚れを除去する際の作業性を向上することができる、清掃用物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る清掃用物品は、水解性材料により形成された、第1シート材と、水解性材料により形成され、前記第1シート材と重ね合わされる、第2シート材と、を備え、前記第1シート材と前記第2シート材との間に空隙が形成され、重ね合わされた前記第1シート材と前記第2シート材の少なくとも一部の端部に、前記空隙と連通する開口が形成されている。
【0007】
上記清掃用物品においては、前記第1シート材と前記第2シート材との間に配置され、水解性材料により形成された、第3シート材をさらに備えることができ、前記第3シート材は、断面が波形状に形成されており、当該波形によって形成される凹部により、前記空隙が形成することができる。
【0008】
上記清掃用物品においては、前記1シート材及び第2シート材の少なくとも一方の表面に積層された水溶性の印刷層をさらに備えることができる。
【0009】
上記清掃用物品においては、前記印刷層を覆うコート層をさらに備えることができ、前記コート層は、前記シート材よりも水に溶けるのに要する時間が長いように構成することができる。
【0010】
上記清掃用物品においては、前記第1シート材及び第2シート材は、一の方向を長手方向として延びる形状を有しており、前記第2シート材は、前記一の方向に延びる仮想線を挟んで複数の分割片に分割するように構成することができる。
【0011】
上記清掃用物品において、前記第1シート材及び第2シート材は、長辺及び短辺が短手方向に延びる台形状に形成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る清掃用物品によれば、便器に付着した汚れを除去する際の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る清掃用物品の斜視図である。
図2図1とは反対側から見た清掃用物品の斜視図である。
図3図1の清掃用物品の断面である。
図4】清掃用物品の使用の形態を示す斜視図である。
図5図4の断面図である。
図6】清掃用物品の使用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る清掃用物品の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。この清掃用物品は、主として、便器に付着した便を除去するために用いられる。
【0015】
<1.清掃用物品の構造>
図1は本実施形態に係る清掃用物品の斜視図、図2図1とは反対側から見た清掃用物品の斜視図、図3図1の清掃用物品の断面である。
【0016】
図1図3に示すように、この清掃用物品は、台形状に形成された第1シート材1と、この第1シート材1と重ね合わされる第2シート材2と、これら第1及び第2シート材1,2の間に配置された第3シート材3と、を備えている。これら第1、第2、及び第3シート材1~3は、接着剤によって固定されている。また、これらのシート材1~3は、後述するように水解性材料により形成されている。
【0017】
第1シート材1は、長手方向の両端に第1端部11及び第2端部12を備えており、第1端部11が台形の長辺、第2端部12が台形の短辺を構成している。第1シート材1の表面には、着色された水溶性の印刷層4が形成されている。印刷層4は、例えば、この物品の商品名、ロゴなどの文字や図形とすることができる。さらに、第1シート材1の表面には、印刷層4を覆うようにコート層5が積層されている。このコート層5は、後述するように、界面活性剤を含む液状の水浸透遅延剤を塗布することで形成される。
【0018】
図2に示すように、第2シート材2は第1シート材1と同じ大きさに形成されているが、短手方向の中央から長手方向に延びる仮想線Lを挟んで2つの分割片201,202に分割されている。また、第2シート材2の第1シート材1とは反対側の面にもコート層5が積層されている。
【0019】
第3シート材3は、平面視の大きさが第1及び第2シート材1,2と同じであるが、断面が波形状に形成されている。そして、この波形によって形成される凹部及び凸部が、長手方向に延びるように配置されている。このため、第1シート材1と第2シート材2との間には、第3シート材3の凹凸によって形成される空隙35が設けられる。また、この空隙35は、長手方向に延びているため、第1及び第2シート材1,2の第1端部11及び第2端部12には、空隙35の端部が開口37となって外部に開放されている。また、第3シート材3の第1シート材1側の面にもコート層5が積層されている。
【0020】
第1、第2、及び第3シート材1~3を構成する水解性材料としては、不織布、紙、フィルムやこれらの積層体を例示することができ、乾燥時において剛性および強度に優れるものが好ましい。水解性材料が紙の場合には、パルプを水解性バインダーで2層以上の多層に抄紙する際に、サイズ剤(水の浸透を阻害するもの)、紙力増強剤(繊維間の結合を強くするもの)などの離解性を阻害する材料を添加することなく、1層あたりの付量が25~130g/m2となるように調整して得られる板紙であることが好ましい。このような材料からなる清掃用物品は、乾燥時(使用時)には良好な剛性が得られる一方、水中では各層が速やかに分離して離解し、かつ一定水流によってシート状から繊維状に崩壊することで廃棄が容易である。したがって、この清掃用物品は、便器内を清掃後、便器内の水溜り部などに廃棄して水で流すことができる。
【0021】
この清掃用物品は、水解が容易すぎると、清掃中すぐに剛性および強度が低下して形状を安定に保持できず、擦り洗いする際に力が込め難くなるため使用感が低下する。一方、水解がし難いと剛性および強度が低下せず流通性が劣るため廃棄時に便器内や配水管に詰まりやすくなる。したがって、この清掃用物品の水解性を表す水解指数は、5以上14以下が好ましく、6以上12以下がより好ましく、7以上11以下が更に好ましい。水解指数は、例えば、以下のパイプ法で測定することができる。まず、清掃用物品と同じ材料および厚みからなる試験片を5×5cmの大きさにカットし、直径が約70mmの1000mLメスシリンダーに約400mL収容した蒸留水に投入する。そして、このメスシリンダーを約1秒で上下逆にして、更に約1秒で元に戻し、この一連の動作を「水解指数1」とする。これを繰り返し行い、試験片が均一に分解するまでの水解指数をカウントする。清掃用物品の水解指数の調整は、例えば、清掃用物品の目付け(厚み)の増減などで行うことができる。
【0022】
コート層5は、上記のように、界面活性剤を含む液状の水浸透遅延剤を、各シート材1~3に塗布することで形成されている。水浸透遅延剤とは、各シート材1~3への水の浸透を遅延させる薬剤をいう。
【0023】
界面活性剤は、αオレフィンスルホネート,アルキルベンゼンスルホネート,アルカンスルホネート及びアルキルスルホネート等のスルホネート系、アルキルサルフェートなどのサルフェート系、アルキルエーテルサルフェートなどのエーテルサルフェート系のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤;アルキルジメチル酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤;塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどのカチオン性界面活性剤を例示することができ、第1シート材1に塗布すると、第1シート材1の表面にゲル皮膜を形成する。優れた水浸透遅延性を発揮する観点からは、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が特に好ましい。これらは1種単独で使用されてもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。2種以上を組み合わせる場合は、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との組み合わせが特に好ましい。
【0024】
水浸透遅延剤中の界面活性剤の配合割合は、良好な水浸透遅延性が得られるように界面活性剤の種類に応じて適宜設定すればよく、通常は、5~100重量%である。水浸透遅延剤は、界面活性剤以外に、消泡剤、着色料、研磨剤、着香料、殺菌剤、除菌剤、漂白成分、溶剤、防汚剤、消臭剤、キレート剤、pH調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、撥水剤などの他の成分を含んでいてもよく、必要に応じて残部を水や他の溶媒で調整することにより製造することができる。一例を挙げると、界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na(25%水溶液)を98重量%、消泡剤としてシリコンを1重量%、着色料として青色一号を1重量%配合した水浸透遅延剤を、第1シート材に塗布することでコート層を形成することができる。
【0025】
この清掃用物品の大きさは、特には限定されないが、例えば、第1端部11の幅を3~7cm、第2端部12の幅を2~6cm、長手方向の長さを5~20cmとすることができる。この程度の大きさにすることで、便器の水溜まりに流しやすい。
【0026】
<2.清掃用物品の使用方法>
次に、上記のように構成された清掃用物品の使用方法について説明する。まず、図4及び図5に示すように、この清掃用物品を上記仮想線Lに沿って、断面V字状に折り曲げる。第2シート材2は2つの分割片201,202に分割されているため、第1シート材1及び第3シート材3が折り曲げられる。そして、第2端部12側を手で把持した状態で、図6に示すように、便器Sに付着した便などの汚れAを掻き取るように除去する。なお、清掃用物品の剛性をさらに向上するために、清掃用物品を2つ折りにして用いることもできる。
【0027】
そして、汚れの除去が終了すれば、清掃用物品を便器の水溜まりに投入し、フラッシュする。清掃用物品は上記のように水解性材料により形成されているため、水に溶けていく。
【0028】
<3.特徴>
以上説明した清掃用物品によれば、次の効果を得ることができる。
(1)第2端部12に空隙35を通じる開口37が形成されているため、図6に示すように、掻き取った汚れを、シート材1,2の表面ではなく、開口37を通じて空隙35内に収容することができる。例えば、シート材1,2の表面にのみ、掻き取った汚れが付着すると、その都度、付着した汚れを取るために、清掃用物品を便器の水溜まりですすぐ必要がある。これに対して、本実施形態に係る清掃用物品では、空隙35内に汚れを収容できるため、水溜まりでのすすぎの回数を減らしたり、あるいはすすぎを行わないようにできるため、作業性を向上できるという利点がある。
【0029】
(2)第3シート材3は断面が波形に形成されているため、第1及び第2シート材1,2を補強できるとともに、空隙35を形成することができる。
【0030】
(3)例えば、シート材1~3に水が十分に浸透していない場合には、シート材1~3が水に溶けず、また無地の材料であれば、水に溶けたことを視認しがたい。したがって、水溶性の印刷層4を設けておけば、これが水に溶けるのを容易に視認することができるため、使用者は、シート材1~3が十分に溶けていない状態であっても、清掃用物品が水に溶けていることを認識することができる。
【0031】
(4)コート層5は各シート材1~3の一方の面にのみ形成されているが、これによって耐水性と水解性のバランスを取ることができる。コート層5は、水浸透遅延剤を含有しているため、シート材1~3の耐水性を向上でき、作業中に清掃用物品に水が付着したとしても、すぐにシート材1~3が溶解するのを抑制する効果がある。しかしながら、全てのシート材1~3の両面にコート層5を形成していると、水に溶けるのに時間を要してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、各シート材1の一方の面にのみコート層5を形成し、これによって、耐水性と水解性のバランスを取っている。
【0032】
(5)この清掃用物品は、長手方向に長辺及び短辺を有する台形状に形成されているため、長辺である第1端部11で広い面積の汚れを掻き取ることができる。また、長い辺である斜辺を使って広い面積に亘る汚れを掻き取ることができる。さらに、第2端部12と第1端部11との間の方向が長手方向であるため、第2端部12を把持する作業者の手に汚れが付着するのを防止することができ、衛生的である。なお、第1端部11を手で把持し、第2端部12で汚れを掻き取るように使用することもできる。このようにすると、短辺である第2端部12に力を集中させやすいため、第2端部12を強固に付着した汚れを除去するのに利用することができる。但し、いずれかの端部を持って汚れを除去するかは作業者が適宜決めればよい。
【0033】
(6)第2シート材2は2つの分割片201,202で形成されているため、清掃用物品をV字状に折り曲げやすいという利点がある。また、V字状に折り曲げることで、清掃用物品の剛性を高めることができ、作業中、清掃用物品に力を加えたときに変形するのを防止することができる。
【0034】
(7)図5に示すように、清掃用物品を折り曲げたときには、各分割片201,202の端縁が現れる。したがって、この端縁を利用して汚れを掻き取ることができる。また、折り曲げたときに、両分割片201,202の間に、空隙35に通じる隙間が形成される。したがって、この隙間から空隙35へ汚れを収容することができる。
【0035】
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は適宜組み合わせることができる。
【0036】
(1)上記実施形態では、断面波形の第3シート材3を用いているが、第3シート材3の形態は、これに限定されるものではない。すなわち、第1シート材1と第2シート材2との間に空隙が形成され、この空隙が第1シート材1と第2シート材2のいずれかの端部で開口となって外部に開放されるように第3シート材3が構成されていればよい。また、第3シート材3のようなシート材を用いずに、第1シート材1と第2シート材2との間に空隙や開口が形成されるような構造が形成されていてもよい。
【0037】
(2)印刷層4を設ける位置は特には限定されず、第1及び第2シート材1,2のいずれかであればよい。また、いずれかのシート材1,2の全面ではなく、一部に積層することもできる。あるいは、印刷層4は必ずしも必要ではなく、必要に応じて設けられていればよい。
【0038】
(3)コート層5を設ける位置及び領域は特には限定されず、上述したものに限定されない。したがって、いずれかのシート材1~3のいずれかの面のいずれかの領域に適宜積層することができ、各シートの各面の全面に形成しなくてもよい。コート層5は、特には限定されず、上述した界面活性剤を含む液状の水浸透遅延剤以外でもよく、シート材1,2よりも水に溶けるのに要する時間が長いような材料であればよい。例えば、ニスをコート層5として用いることができる。この場合、例えば、シート材1.8gに対し、コート層5としてのニスを0.1g積層することができる。また、例えば、シート材1~3の水解性を調整することで、コート層5を設けなかったり、あるいは各シート材の全ての面にコート層5を形成することもできる。
【0039】
(4)第2シート材2が2つの分割片201,202により形成されているが、必ずしもこのように形成しなくてもよく、3以上に分割したり、あるいは分割せずに1つのシート材で形成することもできる。また、第2シート材2を完全に分割するのではなく、仮想線Lに沿ってミシン目やハーフカットを第2シート材2に形成することもできる。
【0040】
(5)清掃用物品の平面形状は特には限定されず、上記のよう台形状以外の種々の形状にすることができる。また、3つのシート材1~3だけではなく、さらに多くのシート材を用いた多層構造にすることもできる。
【符号の説明】
【0041】
1 第1シート材
2 第2シート材
3 第3シート材
35 空隙
37 開口
4 印刷層
5 コート層
図1
図2
図3
図4
図5
図6