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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164871
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】超音波プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139306
(22)【出願日】2022-09-01
(62)【分割の表示】P 2020532359の分割
【原出願日】2019-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2018139239
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】野口 慎介
(57)【要約】
【課題】バッテリに対する防水性を確保しながらバッテリを交換可能に配置することができる超音波プローブを提供する。
【解決手段】超音波プローブ11は、振動子アレイ15と、バッテリ収容部18を有するハウジング本体13と、バッテリ収容部18に収容されるバッテリ16と、バッテリ収容部18を覆うようにハウジング本体13に着脱自在に装着され且つバッテリ収容部18に向かって突出するカバーリブCL1を有するバッテリカバー14と、カバーリブCL1の側面とハウジング本体13との間に配置されるように前記カバーリブP1と一体成形され且つ弾性変形可能な防水パッキンP1とを備え、防水パッキンP1は、カバーリブCL1の側面とハウジング本体13との間で弾性圧縮され、ハウジング本体13とバッテリカバー14との間からバッテリ収容部18に水が浸入することを防止する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動子アレイを有する超音波プローブであって、
バッテリ収容部を有するハウジング本体と、
前記ハウジング本体の前記バッテリ収容部に収容されるバッテリと、
前記バッテリ収容部を覆うように前記ハウジング本体に着脱自在に装着され且つ前記バッテリ収容部に向かって突出するカバーリブを有するバッテリカバーと、
前記バッテリカバーの前記カバーリブの側面と前記ハウジング本体との間に配置されるように前記カバーリブと一体成形され且つ弾性変形可能な防水パッキンと
を備え、
前記防水パッキンは、前記カバーリブの前記側面と前記ハウジング本体との間で弾性圧縮され、前記ハウジング本体と前記バッテリカバーとの間から前記バッテリ収容部に水が浸入することを防止する超音波プローブ。
【請求項2】
前記カバーリブは、前記バッテリ収容部の全周に沿って延びる閉じた形状を有し、
前記防水パッキンは、前記カバーリブの全周に沿って配置される請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記バッテリ収容部は、前記バッテリが固定されるバッテリ固定面と、前記バッテリ固定面から前記バッテリカバーに向かって突出する側壁を有し、
前記防水パッキンは、前記カバーリブの前記側面と前記バッテリ収容部の前記側壁との間で弾性圧縮される請求項1または2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記カバーリブは、前記バッテリ収容部の前記側壁よりも前記バッテリ収容部の内側に配置され、
前記防水パッキンは、前記カバーリブの前記側面と前記バッテリ収容部の前記側壁の内壁面との間で弾性圧縮される請求項3に記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記カバーリブは、前記バッテリ収容部の前記側壁よりも前記バッテリ収容部の外側に配置され、
前記防水パッキンは、前記カバーリブの前記側面と前記バッテリ収容部の前記側壁の外壁面との間で弾性圧縮される請求項3に記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記バッテリは、両面テープにより前記バッテリ固定面に固定される請求項3~5のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記バッテリ収容部は、前記ハウジング本体に形成された凹部であり、
前記バッテリ固定面は、前記凹部の底部を構成し、
前記バッテリ収容部の前記側壁は、前記凹部の側部を構成する請求項3~6のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記防水パッキンは、前記カバーリブの前記側面に固定される請求項1~7のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項9】
前記防水パッキンは、前記バッテリ収容部の前記側壁に固定される請求項3~7のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項10】
前記ハウジング本体は、中心軸に沿って延びる角柱または円柱形状を有し、
前記振動子アレイは、前記中心軸に沿った前記ハウジング本体の一端に配置される請求項1~9のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項11】
前記バッテリカバーは、前記中心軸に平行に延び且つ前記ハウジング本体の側面に配置される請求項10に記載の超音波プローブ。
【請求項12】
前記バッテリカバーは、前記中心軸に沿った前記ハウジング本体の他端に配置される請求項10に記載の超音波プローブ。
【請求項13】
前記防水パッキンは、シリコンゴムまたはフッ素ゴムにより構成される請求項1~12のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブに係り、特に、診断装置本体と無線通信により接続される超音波プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、振動子アレイを内蔵した超音波プローブと、この超音波プローブに接続された装置本体とを有しており、超音波プローブから被検体に向けて超音波を送信し、被検体からの超音波エコーを超音波プローブで受信し、その受信信号を装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
【0003】
近年、例えば、特許文献1に開示されているように、診断装置本体と無線通信をすることにより接続される無線型の超音波プローブが開発されている。
このような無線型の超音波プローブは、振動子アレイから出力された受信信号を無線通信により診断装置本体へ伝送する、あるいは、信号処理のための回路を内蔵し、振動子アレイから出力された受信信号をデジタル処理した上で無線通信により診断装置本体へ伝送する。診断装置本体は、このようにして超音波プローブから無線送信された信号に基づいて、超音波画像を生成し、表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-211726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、特許文献1に開示されているような無線型の超音波プローブは、駆動電源としてバッテリを内蔵していることが多い。このようなバッテリは、メンテナンス等の観点から、交換可能に配置されていることが望ましいが、通常、外部から超音波プローブの内部に水が浸入することを防止するために、接着剤を用いることによりハウジングを密封して超音波プローブの内部を密閉することが多く、接着剤を用いて超音波プローブの内部が密閉されると、超音波プローブに内蔵されているバッテリを交換することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであり、バッテリに対する防水性を確保しながらバッテリを交換可能に配置することができる超音波プローブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の超音波プローブは、振動子アレイを有する超音波プローブであって、バッテリ収容部を有するハウジング本体と、ハウジング本体のバッテリ収容部に収容されるバッテリと、バッテリ収容部を覆うようにハウジング本体に着脱自在に装着され且つバッテリ収容部に向かって突出するカバーリブを有するバッテリカバーと、バッテリカバーのカバーリブの側面とハウジング本体との間に配置されるように前記カバーリブと一体成形され且つ弾性変形可能な防水パッキンとを備え、防水パッキンは、カバーリブの側面とハウジング本体との間で弾性圧縮され、ハウジング本体とバッテリカバーとの間からバッテリ収容部に水が浸入することを防止することを特徴とする。
【0008】
カバーリブは、バッテリ収容部の全周に沿って延びる閉じた形状を有し、防水パッキンは、カバーリブの全周に沿って配置されることが好ましい。
この際に、バッテリ収容部は、バッテリが固定されるバッテリ固定面と、バッテリ固定面からバッテリカバーに向かって突出する側壁を有し、防水パッキンは、カバーリブの側面とバッテリ収容部の側壁の壁面との間で弾性圧縮されることが好ましい。
【0009】
また、側壁は、バッテリ固定面を囲むようにバッテリ固定面の全周に沿って延びる閉じた形状を有することが好ましい。
この際に、カバーリブは、バッテリ収容部の側壁よりもバッテリ収容部の内側に配置され、防水パッキンは、カバーリブの側面とバッテリ収容部の側壁の内壁面との間で弾性圧縮されることができる。
あるいは、カバーリブは、バッテリ収容部の側壁よりもバッテリ収容部の外側に配置され、防水パッキンは、カバーリブの側面とバッテリ収容部の側壁の外壁面との間で弾性圧縮されることもできる。
【0010】
また、バッテリは、両面テープによりバッテリ固定面に固定されることができる。
また、バッテリ収容部は、ハウジング本体に形成された凹部であり、バッテリ固定面は、凹部の底部を構成し、バッテリ収容部の側壁は、凹部の側部を構成することが好ましい。
【0011】
また、防水パッキンは、カバーリブの側面に固定されることができる。
あるいは、防水パッキンは、バッテリ収容部の側壁に固定されることもできる。
【0012】
また、ハウジング本体は、中心軸に沿って延びる角柱または円柱形状を有し、振動子アレイは、中心軸に沿ったハウジング本体の一端に配置されることができる。
この際に、バッテリカバーは、中心軸に平行に延び且つハウジング本体の側面に配置されることができる。
あるいは、バッテリカバーは、中心軸に沿ったハウジング本体の他端に配置されることもできる。
また、防水パッキンは、シリコンゴムまたはフッ素ゴムにより構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、超音波プローブは、バッテリ収容部を有するハウジング本体と、ハウジング本体のバッテリ収容部に収容されるバッテリと、バッテリ収容部を覆うようにハウジング本体に着脱自在に装着され且つバッテリ収容部に向かって突出するカバーリブを有するバッテリカバーと、バッテリカバーのカバーリブの側面とハウジング本体との間に配置されるように前記カバーリブと一体成形され且つ弾性変形可能な防水パッキンとを備え、防水パッキンは、カバーリブの側面とハウジング本体との間で弾性圧縮され、ハウジング本体とバッテリカバーとの間からバッテリ収容部に水が浸入することを防止するため、バッテリに対する防水性を確保しながらバッテリを交換可能に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1に係る超音波プローブの斜視図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る超音波プローブの分解図である。
図3】本発明の実施の形態1におけるバッテリカバーを裏側から見た斜視図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る超音波プローブの断面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る超音波プローブを備えた超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施の形態1における受信部の内部構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施の形態1の変形例に係る超音波プローブの分解図である。
図8】本発明の実施の形態1の他の変形例に係る超音波プローブの断面図である。
図9】本発明の実施の形態2に係る超音波プローブの斜視図である。
図10】本発明の実施の形態2におけるバッテリカバーを表側から見た斜視図である。
図11】本発明の実施の形態2におけるバッテリカバーを裏側から見た斜視図である。
図12】本発明の実施の形態2の変形例におけるバッテリカバーの斜視図である。
図13】本発明の実施の形態3に係る超音波プローブの斜視図である。
図14】本発明の実施の形態3におけるバッテリカバーを裏側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、本発明の実施の形態1に係る超音波プローブ11を示す。図1に示すように、超音波プローブ11は、中心軸Cを中心として概ね角柱形状のハウジング12を有しており、ハウジング12は、ハウジング本体13と、ハウジング本体13の側面に取り付けられたバッテリカバー14とを有している。ハウジング本体13およびバッテリカバー14は、例えば、m-PPE(Modified Polyphenyleneehter:変性ポリフェニレンエーテル)およびPC/ABSアロイ(Polycarbonate / Acrylonitrile Butadiene Styrene Alloy:ポリカーボネート/アクリロニトリル ブタジエン スチレンアロイ)等の絶縁性の樹脂材料により構成される。
【0016】
また、図1に示す例において、バッテリカバー14は、ネジSによりハウジング本体13に着脱自在に取り付けられている。また、超音波プローブ11は、中心軸Cに沿ったハウジング本体13の一端に振動子アレイ15を有している。
以下では、説明のため、中心軸Cに平行で且つ振動子アレイ15に向かう方向を+Y方向、Y方向と直交する幅方向をX方向、X方向およびY方向と直交する高さ方向をZ方向と呼ぶ。
【0017】
超音波プローブ11は、後述するように、振動子アレイ15により被検体に対して超音波の送受信をして、被検体の断層を表す超音波画像を撮影するために用いられるものであり、超音波プローブ11により取得された信号に基づいて超音波画像の生成および表示を行う診断装置本体と、無線通信により接続される。また、後述するように、超音波プローブ11は、バッテリを内蔵しており、内蔵されているバッテリにより超音波プローブ11の各回路に電力が供給される。
【0018】
図2に、超音波プローブ11の分解図を示す。図2に示すように、ハウジング本体13の側部に凹部17が形成されており、ハウジング本体13は、凹部17内に、バッテリ16を収容するバッテリ収容部18を有している。
ハウジング本体13の凹部17には、中心軸Cと平行な方向すなわちY方向に沿って延びる一対の第1の側部17Aと、X方向に沿って延びる一対の第2の側部17Bが形成されている。さらに、一対の第2の側部17Bのうち、振動子アレイ15側すなわち+Y方向側の第2の側部17Bには、バッテリカバー14の後述する爪部が挿入される一対の挿入孔Dが形成されている。これらの一対の挿入孔Dに、後述するバッテリカバー14の爪部が挿入された状態で、バッテリカバー14がハウジング本体13に固定される。
【0019】
ハウジング本体13のバッテリ収容部18は、凹部17の底部を構成し且つバッテリ16が固定されるバッテリ固定面18Aと、バッテリ固定面18Aからバッテリカバー14に向かってすなわち+Z方向に向かって突出する側壁18Bとを有している。バッテリ収容部18の側壁18Bは、バッテリ固定面18Aの全周に沿って延びる閉じた板形状を有しており、X方向に沿って延びる一対の辺と、Y方向に沿って延びる一対の辺の4辺を有している。
【0020】
図2に示すように、バッテリカバー14は、X方向の両端部がそれぞれ-Z方向に湾曲しており、バッテリカバー14は、ハウジング12の外面の一部を構成するカバー上面14Aと、カバー上面14Aとは反対方向を向いたカバー下面14Bとを有している。また、バッテリカバー14は、カバー下面14Bからバッテリ収容部18に向かって-Z方向に突出するカバーリブCL1と、カバーリブCL1に固定された防水パッキンP1とを有している。防水パッキンP1は、弾性変形可能であり、弾性体により構成される。ここで、超音波プローブ11は、被検体に接触させて使用されるため、一般的に、イソプロピルアルコール、グルタールアルデヒド、次亜塩素酸、エタノール等の薬品により消毒されることが多い。そのため、防水パッキンP1は、耐薬品性を有するシリコンゴムおよびフッ素ゴム等により構成されることが好ましい。なお、防水パッキンP1は、例えば、いわゆるインサート成形によりカバーリブCL1と一体成形されることができる。また、防水パッキンP1は、例えば、接着剤等によりカバーリブCL1に固定されることもできる。
【0021】
また、バッテリカバー14には、Z方向に貫通する貫通孔Hが形成されている。図示しないが、ハウジング本体13には、バッテリカバー14の貫通孔Hと対応する位置にネジSを固定するためのネジ孔が形成されており、ネジSがバッテリカバー14の貫通孔Hに挿通された状態でハウジング本体13のネジ孔にねじ込まれることにより、バッテリカバー14がハウジング本体13に固定される。
【0022】
また、バッテリカバー14のカバーリブCL1は、図3に示すように、X方向に沿って延びる一対の辺とY方向に沿って延びる一対の辺の4辺からなる板形状を有している。すなわち、カバーリブCL1は、カバーリブCL1がハウジング本体13に取り付けられた際に、バッテリ収容部18の全周に沿って延びる閉じた板形状を有している。また、カバーリブCL1は、外周面PS1と内周面PS2とを有し、外周面PS1の全周に亘って防水パッキンP1が固定されている。また、バッテリカバー14のカバー下面14Bの+Y方向端部には、一対の爪部CPが形成されている。一対の爪部CPは、バッテリカバー14がハウジング本体13に取り付けられる際に、ハウジング本体13に形成された一対の挿入孔Dに挿入される。
【0023】
超音波プローブ11を、バッテリカバー14を通るようにXZ面と平行に切断した断面図を図4に示す。図4に示すように、バッテリカバー14がハウジング本体13に取り付けられている状態において、バッテリカバー14のカバーリブCL1は、バッテリ収容部18の側壁18Bよりもバッテリ収容部18の内側に配置されている。
【0024】
そのため、例えば、図4に示すように、超音波プローブ11をXZ面で切断した断面においては、防水パッキンP1は、カバーリブCL1の外周面PS1と、バッテリ収容部18の側壁18Bの内壁面WS1との間で、+X方向および-X方向に力を受けて弾性圧縮される。また、図示しないが、超音波プローブ11をYZ面で切断した断面においては、防水パッキンP1は、カバーリブCL1の外周面PS1と、バッテリ収容部18の側壁18Bの内壁面WS1との間で、+Y方向および-Y方向に力を受けて弾性圧縮される。
これにより、本発明の実施の形態1に係る超音波プローブ11によれば、防水パッキンP1がバッテリ収容部18の側壁18Bの内壁面WS1に密着し、ハウジング本体13とバッテリカバー14との間から、バッテリ収容部18に水が浸入することが防止される。
【0025】
また、ハウジング本体13に対するバッテリカバー14の着脱方向すなわちZ方向に対して、バッテリカバー14に力が作用すると、バッテリカバー14がZ方向に撓んで、バッテリ収容部18への防水性が低下するおそれがあるが、本発明の実施の形態1に係る超音波プローブ11においては、カバーリブCL1およびバッテリ収容部18の側壁18Bが防水パッキンP1により受ける力の方向はX方向およびY方向のみであるため、バッテリカバー14の撓みを防止することができる。そのため、本発明の実施の形態1に係る超音波プローブ11によれば、バッテリ収容部18への防水性をさらに向上することができる。
【0026】
以上により実施の形態1に係る超音波プローブ11によれば、ハウジング本体13に対して着脱自在なバッテリカバー14に形成されたカバーリブCL1の外周面PS1に防水パッキンP1が固定され、バッテリカバー14がハウジング本体13に取り付けられた状態において、防水パッキンP1が、カバーリブCL1の外周面PS1と、バッテリ収容部18の側壁18Bの内壁面WS1との間で弾性圧縮されるため、バッテリ16に対する防水性を確保しながらバッテリ16を交換可能に配置することができる。
【0027】
次に、本発明の実施の形態1に係る超音波プローブ11を備える超音波診断装置1について説明する。図5に、超音波診断装置1の構成を示す。図5に示すように、超音波診断装置1は、本発明の実施の形態1に係る超音波プローブ11と診断装置本体31とを備えており、超音波プローブ11と診断装置本体31とは、無線通信により接続されている。
【0028】
超音波プローブ11は、振動子アレイ15を備えており、振動子アレイ15に、送信部21および受信部22がそれぞれ接続されている。また、送信部21および受信部22に超音波送受信制御部23が接続されている。受信部22には、無線通信部24が接続されており、無線通信部24に、通信制御部25が接続されている。また、超音波送受信制御部23、無線通信部24および通信制御部25に、プローブ制御部26が接続されている。ここで、無線通信部24とプローブ制御部26とは、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されている。また、超音波プローブ11は、バッテリ16を内蔵している。
さらに、送信部21、受信部22、超音波送受信制御部23、通信制御部25およびプローブ制御部26により、超音波プローブ側プロセッサ27が構成されている。
【0029】
診断装置本体31は、無線通信部32を備えており、無線通信部32に、信号処理部33、画像処理部34、表示制御部35および表示部36が順次接続されている。また、無線通信部32に、通信制御部37が接続されており、無線通信部32、通信制御部37および表示制御部35に、本体制御部38が接続されている。また、本体制御部38に、操作部39および格納部40が接続されている。ここで、無線通信部32と本体制御部38、本体制御部38と格納部40とは、それぞれ、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されている。
【0030】
さらに、信号処理部33、画像処理部34、表示制御部35、通信制御部37および本体制御部38により、診断装置本体側プロセッサ41が構成されている。
また、超音波プローブ11の無線通信部24と診断装置本体31の無線通信部32とは、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されており、これにより、超音波プローブ11と診断装置本体31とが無線通信により接続される。
【0031】
図5に示す超音波プローブ11の振動子アレイ15は、1次元または2次元に配列された複数の振動子を有している。これらの振動子は、それぞれ送信部21から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
【0032】
超音波プローブ側プロセッサ27の超音波送受信制御部23は、送信部21および受信部22を制御することにより、プローブ制御部26からの指示に基づいて、超音波ビームの送信および超音波エコーの受信を行う。
【0033】
超音波プローブ側プロセッサ27の送信部21は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、超音波送受信制御部23からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ15の複数の振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するように、それぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の振動子に供給する。このように、振動子アレイ15の複数の振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
【0034】
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、超音波プローブ11の振動子アレイ15に向かって伝搬する。このように振動子アレイ15に向かって伝搬する超音波エコーは、振動子アレイ15を構成するそれぞれの振動子により受信される。この際に、振動子アレイ15を構成するそれぞれの振動子は、伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して電気信号を発生させ、これらの電気信号を受信部22に出力する。
【0035】
超音波プローブ側プロセッサ27の受信部22は、超音波送受信制御部23からの制御信号に従って、振動子アレイ15から出力される受信信号の処理を行う。図6に示すように、受信部22は、増幅部28、AD(Analog Digital)変換部29およびビームフォーマ30が直列接続された構成を有している。増幅部28は、振動子アレイ15を構成するそれぞれの振動子から入力された受信信号を増幅し、増幅した受信信号をAD変換部29に送信する。AD変換部29は、増幅部28から送信された受信信号をデジタル化されたデータに変換し、これらのデータをビームフォーマ30に送出する。ビームフォーマ30は、超音波送受信制御部23からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づき、設定された音速に従う各データにそれぞれの遅延を与えて加算(整相加算)を施す、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が一定の走査線上に絞り込まれた音線信号が生成される。このようにして生成された音線信号は、超音波プローブ11の無線通信部24に送出される。
【0036】
超音波プローブ11の無線通信部24は、電波の送信および受信を行うためのアンテナを含んでおり、診断装置本体31の無線通信部32と無線通信を行う。この際に、無線通信部24は、受信部22から送出された音線信号に基づいてキャリアを変調して伝送信号を生成し、生成された伝送信号を、診断装置本体31の無線通信部32に無線送信する。キャリアの変調方式としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying:振幅偏移変調)、PSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation:16直角位相振幅変調)等が用いられる。
【0037】
超音波プローブ側プロセッサ27の通信制御部25は、プローブ制御部26により設定された送信電波強度で音線信号の伝送が行われるように超音波プローブ11の無線通信部24を制御する。
超音波プローブ側プロセッサ27のプローブ制御部26は、予め記憶しているプログラム等に基づいて、超音波プローブ11の各部の制御を行う。
超音波プローブ11のバッテリ16は、超音波プローブ11に内蔵されており、超音波プローブ11の各回路に電力を供給する。
【0038】
診断装置本体31の無線通信部32は、電波の送信および受信を行うためのアンテナを含んでおり、超音波プローブ11の無線通信部24と無線通信を行う。この際に、診断装置本体31の無線通信部32は、例えば、超音波プローブ11の無線通信部24から無線送信された伝送信号を、アンテナを介して受信し、受信した伝送信号を復調することにより音線信号を出力する。診断装置本体31の無線通信部32は、このようにして出力された音線信号を、信号処理部33に送出する。
【0039】
診断装置本体側プロセッサ41の信号処理部33は、無線通信部32により送出された音線信号に対して、超音波が反射した位置の深度に応じて伝搬距離に起因する減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施して、被検体内の組織に関する断層画像情報である信号を生成する。
【0040】
診断装置本体側プロセッサ41の画像処理部34は、信号処理部33により生成された信号を、通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号にラスター変換し、このようにして生成された画像信号に対して、明るさ補正、諧調補正、シャープネス補正および色補正等の各種の必要な画像処理を施すことにより超音波画像信号を生成する。また、画像処理部34は、このようにして生成された超音波画像信号を表示制御部35に送出する。
【0041】
診断装置本体側プロセッサ41の表示制御部35は、本体制御部38の制御の下、画像処理部34により生成された超音波画像信号に所定の処理を施して、表示部36に超音波画像を表示させる。
診断装置本体31の表示部36は、表示制御部35の制御の下、画像を表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等のディスプレイ装置を含む。
【0042】
診断装置本体側プロセッサ41の通信制御部37は、超音波プローブ11の無線通信部24からの伝送信号の受信が行われるように、診断装置本体31の無線通信部32を制御する。
診断装置本体側プロセッサ41の本体制御部38は、格納部40等に予め記憶されているプログラムおよび操作部39を介したユーザの操作に基づいて、診断装置本体31の各部の制御を行う。
診断装置本体31の操作部39は、ユーザが入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等を備えて構成することができる。
【0043】
診断装置本体3の格納部40は、診断装置本体31の動作プログラム等を格納するものであり、格納部40として、HDD(Hard Disc Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disc:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disc:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
【0044】
ここで、超音波プローブ11において、送信部21、受信部22、超音波送受信制御部23、通信制御部25およびプローブ制御部26を有する超音波プローブ側プロセッサ27と、信号処理部33、画像処理部34、表示制御部35、通信制御部37および本体制御部38を有する診断装置本体側プロセッサ41は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、FPGA(Field Programmable Gate Array:フィードプログラマブルゲートアレイ)、DSP(Digital Signal Processor:デジタルシグナルプロセッサ)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:アプリケーションスペシフィックインテグレイテッドサーキット)、GPU(Graphics Processing Unit:グラフィックスプロセッシングユニット)、その他のIC(Integrated Circuit:集積回路)を用いて構成されてもよく、もしくはそれらを組み合わせて構成されてもよい。
【0045】
また、超音波プローブ側プロセッサ27の送信部21、受信部22、超音波送受信制御部23、通信制御部25およびプローブ制御部26を部分的にあるいは全体的に1つのCPUに統合させて構成させることもできる。また、診断装置本体側プロセッサ41の信号処理部33、画像処理部34、表示制御部35、通信制御部37および本体制御部38を部分的にあるいは全体的に1つのCPU等に統合させて構成することもできる。
【0046】
なお、実施の形態1では、図1に示すように、ハウジング12およびハウジング本体13は、概ね角柱形状を有しているが、ハウジング12およびハウジング本体13の形状は、特に限定されない。例えば、ハウジング12およびハウジング本体13は、円柱形状を有することもできる。
【0047】
また、実施の形態1では、図2に示すように、バッテリ収容部18の側壁18Bは、X方向に沿って延びる一対の辺とY方向に沿って延びる一対の辺の4辺により構成され、バッテリ固定面18Aを矩形状に囲む閉じた形状を有しているが、バッテリ収容部18の側壁18Bの形状は、特に限定されない。例えば、バッテリ収容部18の側壁18Bは、バッテリ固定面18Aを円形状に囲む閉じた形状、多角形状に囲む閉じた形状、その他の任意の形状で囲む閉じた形状を有することができる。また、バッテリ収容部18の側壁18Bは、バッテリ固定面18Aを連続的に囲むような形状を有していなくてもよい。しかしながら、防水性を向上させるためには、バッテリ収容部18の側壁18Bは、バッテリ固定面18Aを連続的に囲む閉じた形状を有していることが好ましい。
【0048】
また、バッテリカバー14のカバーリブCL1についても、バッテリ収容部18の側壁18Bと同様に、任意の形状を有することができるが、防水パッキンP1を、バッテリ収容部18の側壁18Bの内壁面WS1に密着させるために、バッテリ収容部18の側壁18Bに沿った形状を有することが好ましい。
【0049】
また、実施の形態1では、防水パッキンP1は、バッテリカバー14のカバーリブCL1に固定されているが、ハウジング本体13のバッテリ収容部18の側壁18Bに固定されることもできる。例えば、図7に示すように、防水パッキンP1は、バッテリ収容部18の側壁18Bの内壁面WS1に固定される。カバーリブCL1がハウジング本体13に取り付けられた状態において、防水パッキンP1は、バッテリ収容部18の側壁18Bの内壁面WS1とカバーリブCL1の外周面PS1との間で弾性圧縮され、カバーリブCL1の外周面PS1と密着する。この場合にも、防水パッキンP1がカバーリブCL1に固定されている場合と同様に、バッテリ16に対する防水性を確保しながらバッテリ16を交換可能に配置することができる。
【0050】
また、実施の形態1では、図4に示すように、バッテリカバー14のカバーリブCL1は、バッテリ収容部18の側壁18Bよりも、バッテリ収容部18の内側に配置されているが、バッテリ収容部18の外側に配置されることもできる。例えば、図8に示すように、バッテリカバー44のカバーリブCL2は、ハウジング本体43のバッテリ収容部48の側壁48Bよりも、バッテリ収容部48の外側に配置されており、防水パッキンP2は、カバーリブCL2の内周面PS2に固定されている。そのため、防水パッキンP2は、カバーリブCL2の内周面PS2とバッテリ収容部48の側壁48Bの外壁面WS2との間で弾性圧縮され、バッテリ収容部48の側壁48Bの外壁面WS2と密着する。この場合にも、図4に示すように、バッテリカバー14のカバーリブCL1が、バッテリ収容部18の側壁18Bよりも、バッテリ収容部18の内側に配置されている場合と同様に、バッテリ16に対する防水性を確保しながらバッテリ16を交換可能に配置することができる。
【0051】
また、実施の形態1では、バッテリ16は、両面テープTによりバッテリ収容部18のバッテリ固定面18Aに固定されているが、バッテリ16が着脱自在であれば、バッテリ16の固定方法は、特に限定されない。例えば、図示しないが、バッテリ収容部18の側壁18Bにバッテリ16を固定するための押さえ部を形成する等により、バッテリ収容部18に、バッテリ16を機械的に固定する機構を設けることができる。また、例えば、バッテリ16とバッテリカバー14との間に緩衝材を配置することにより、バッテリ16をバッテリ収容部18内に固定することもできる。
【0052】
また、実施の形態1では、バッテリ収容部18は、バッテリ固定面18Aから突出する側壁18Bを有しており、防水パッキンP1がバッテリカバー14のカバーリブCL1とバッテリ収容部18の側壁18Bとの間で弾性圧縮されることにより、バッテリ収容部18への水の浸入が防止されているが、例えば、板状の側壁18Bを設ける代わりに、ハウジング本体13の凹部17の一対の第1の側部17Aおよび一対の第2の側部17Bをバッテリ収容部18の側壁として使用することもできる。すなわち、この場合には、バッテリ収容部18は、ハウジング本体13に形成された凹部17であり、バッテリ収容部18の側壁18Bは、凹部17の第1の側部17Aおよび第2の側部17Bを構成する。
この場合に、防水パッキンP1は、バッテリカバー14のカバーリブCL1と第1の側部17Aとの間、カバーリブCL1と第2の側部17Bとの間で、それぞれ弾性圧縮されることにより、バッテリ収容部18への水の浸入を防止することができる。
【0053】
実施の形態2
実施の形態1において、バッテリカバー14は、ハウジング本体13の側面に取り付けられるが、例えば、ハウジング本体13の-Y方向端部に取り付けられることもできる。
図9に、本発明の実施の形態2に係る超音波プローブ51を示す。図9に示すように、超音波プローブ51は、中心軸Cを中心として概ね角柱形状のハウジング52と、ハウジング52の+Y方向端部に配置された振動子アレイ15を有している。ハウジング52は、ハウジング本体53と、ハウジング本体53の-Y方向端部に着脱自在に取り付けられたバッテリカバー54とを有している。また、図示しないが、ハウジング本体53は、バッテリ16を収容するバッテリ収容部を有しており、バッテリカバー54は、バッテリ収容部を覆うようにハウジング本体53に取り付けられる。
【0054】
また、バッテリカバー54は、ハウジング本体53の-Y方向端部の一部を構成するカバー上面54Aに、スライドボタンSBを有しており、スライドボタンSBが操作されることにより、バッテリカバー54の固定およびバッテリカバー54の固定の解除がなされる。例えば、図9に示すようにスライドボタンSBを+X方向にスライドさせることにより、バッテリカバー54をハウジング本体53に固定し、スライドボタンSBを-X方向にスライドさせることにより、バッテリカバー54がハウジング本体53に固定されている状態を解除し、ハウジング本体53からバッテリカバー54を取り外すことができる。
【0055】
図10に示すように、バッテリカバー54は、+Y方向に突出したカバーリブCL2と、カバーリブCL2に取り付けられた防水パッキンP2を有している。また、バッテリカバー54は、図11に示すように、カバー上面54Aとは反対方向を向いたカバー下面54Bを有しており、カバーリブCL2は、カバー下面54Bから+Y方向に突出している。また、カバーリブCL2は、X方向に延びる一対の辺とZ方向に延びる一対の辺の4つの辺からなる閉じた板形状を有しており、カバーリブCL2の外周面PS3の全周に亘って防水パッキンP2が固定されている。
【0056】
図示しないが、バッテリカバー54がハウジング本体53に取り付けられた状態において、防水パッキンP2は、カバーリブCL2の外周面PS3とバッテリ収容部の側壁部との間で弾性圧縮されることにより、カバーリブCL2の外周面PS3とバッテリ収容部の側壁部とに密着する。そのため、ハウジング本体53とバッテリカバー54との間からバッテリ収容部に水が浸入することが防止される。
【0057】
以上から、実施の形態2に係る超音波プローブ51によれば、バッテリカバー54がハウジング本体53の-Y方向端部に取り付けられる場合でも、実施の形態1の超音波プローブ11と同様に、バッテリ16に対する防水性を確保しながらバッテリ16を交換可能に配置することができる。
【0058】
なお、実施の形態2におけるハウジング本体53にバッテリカバー54を取り付ける代わりに、図12に示すバッテリカバー55をハウジング本体53に取り付けることもできる。バッテリカバー55は、図9図11に示すバッテリカバー54において、バッテリ16を配置するためのバッテリ保持部BHを備えたものである。図12に示すように、バッテリ保持部BHにバッテリ16を配置した状態で、ハウジング本体53へのバッテリカバー55の取り付けと取り外しを行うことにより、超音波プローブ51へのバッテリ16の着脱をより容易に行うことができる。
【0059】
実施の形態3
図13に、実施の形態3に係る超音波プローブ61を示す。図13に示すように、超音波プローブ61は、中心軸C1を中心として概ね角柱形状のハウジング62と、ハウジング62の+Y方向端部に配置された振動子アレイ15を有している。ハウジング62は、ハウジング本体63と、ハウジング本体63に着脱自在に取り付けられたバッテリカバー64とを有している。また、図示しないが、ハウジング本体63は、バッテリ16を収容するバッテリ収容部を有しており、バッテリカバー64は、バッテリ収容部を覆うようにハウジング本体63に取り付けられる。また、バッテリカバー64は、L字形状を有し、XZ面に平行で且つハウジング62の-Y方向端部の一部を構成する第1カバー上面64Aと、XY面に平行で且つハウジング62の側面の一部を構成する第2カバー上面64Bとを有している。
【0060】
また、バッテリカバー64は、図14に示すように、XZ面に平行で且つ第1カバー上面64Aとは反対方向を向いた第1カバー下面64Cと、XY面に平行で且つ第2カバー上面64Bとは反対方向を向いた第2カバー下面64Dを有している。さらに、バッテリカバー64は、第1カバー下面64Cおよび第2カバー下面64Dから、それぞれ、+Y方向および-Z方向に垂直に突出するカバーリブCL3と、カバーリブCL3に固定された防水パッキンP3とを有している。
【0061】
カバーリブCL3は、図14に示すように、XZ面に平行な第1板部B1と、YZ面に平行で且つ第1カバー下面64Cおよび第2カバー下面64Dに沿ってZ方向およびY方向に沿って延びる、いわゆるL字形状の一対の第2板部B2と、XY面に平行な第3板部B3とが互いに連結してなる閉じた板形状を有している。また、カバーリブCL3の外周面PS4の全周に亘って防水パッキンP3が固定されている。
【0062】
図示しないが、バッテリカバー64がハウジング本体63に取り付けられた状態において、防水パッキンP3は、カバーリブCL3の外周面PS4とハウジング本体63のバッテリ収容部の側壁部との間で弾性圧縮されることにより、カバーリブCL3の外周面PS4とバッテリ収容部の側壁部とに密着する。そのため、ハウジング本体63とバッテリカバー64との間からバッテリ収容部に水が浸入することが防止される。
【0063】
以上から、実施の形態3に係る超音波プローブ61によれば、バッテリカバー64がいわゆるL字形状を有している場合でも、実施の形態1の超音波プローブ11と同様に、バッテリ16に対する防水性を確保しながらバッテリ16を交換可能に配置することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 超音波診断装置、11,51,61 超音波プローブ、12,52,62 ハウジング、13,43,53,63 ハウジング本体、14,44,54,55,64 バッテリカバー、14A,54A カバー上面、14B,54B カバー下面、16 バッテリ、17 凹部、17A 第1の側部、17B 第2の側部、18、48 バッテリ収容部、18A バッテリ固定面、18B,48B 側壁、15 振動子アレイ、16 バッテリ、21 送信部、22 受信部、23 超音波送受信制御部、24,32 無線通信部、25,37 通信制御部、26 プローブ制御部、27 超音波プローブ側プロセッサ、28 増幅部、29 AD変換部、30 ビームフォーマ、33 信号処理部、34 画像処理部、35 表示制御部、36 表示部、38本体制御部、39 操作部、40 格納部、41 診断装置本体側プロセッサ、64A 第1カバー上面、64B 第2カバー上面、64C 第1カバー下面、64D 第2カバー下面、B1 第1板部、B2 第2板部、B3 第3板部、C 中心軸、CL1,CL2,CL3 カバーリブ、CP 爪部、D 挿入孔、H 貫通孔、P1,P2,P3 防水パッキン、PS1,PS3,PS4 外周面、PS2 内周面、S ネジ、SB スライドボタン、T 両面テープ、BH バッテリ保持部、WS1 内壁面、WS2 外壁面。
図1
図2
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図6
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図9
図10
図11
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