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特開2022-165921基板を処理する方法および基板を処理する為の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165921
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】基板を処理する方法および基板を処理する為の方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20221025BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20221025BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
H01L21/78 Q
H01L21/66 J
H01L21/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022064480
(22)【出願日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】10 2021 203 911.1
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】プリーヴァッサー, カール ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】山本 直子
【テーマコード(参考)】
4M106
5F063
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA41
4M106CA42
4M106DB04
4M106DB18
4M106DB19
4M106DJ27
4M106DJ38
5F063AA48
5F063BA32
5F063BA34
5F063CA04
5F063CA06
5F063CA08
5F063CB06
5F063CB14
5F063CB29
5F063DD01
5F063DD25
5F063DD46
5F063DE11
5F063DE19
5F063DE33
5F063DE36
5F063DG16
5F063DG19
5F063DG34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板内の欠陥を正確、かつ、確実に識別して基板を処理する効率的な方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、基板(2)の第1の面に保護フィルム(16)を付けるステップと、保護フィルムを基板の第1の面に付けた後、基板の第2の面(14)から基板を処理するステップと、を含む。基板の第2の面から基板を処理した後、基板の第2の面から欠陥について基板の第2の面が検査される。基板の第2の面を欠陥についてを検査した後、前板の第2の面に支持フィルム(34)が付けられる。方法はまた、基板の第1の面から保護フィルムを除去するステップと、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査するステップと、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面(4)と、第1の面(4)の反対側にある第2の面(14)とを有する基板(2)を処理する方法であって、前記方法は、
前記基板(2)の前記第1の面(4)に保護フィルム(16)を付けるステップと、
前記保護フィルム(16)を前記基板(2)の前記第1の面(4)に付けた後、前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理するステップと、
前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理した後、前記基板(2)の前記第2の面(14)から欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査するステップと、
欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査した後、前記基板(2)の前記第2の面(14)に支持フィルム(34)を付けるステップと、
前記基板(2)の前記第1の面(4)から前記保護フィルム(16)を除去するステップと、
前記基板(2)の前記第1の面(3)から前記保護フィルム(16)を除去した後、前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記基板(2)の前記第1の面(4)から前記保護フィルム(16)を除去する前に、前記保護フィルム(16)を介して欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持フィルム(34)を前記基板(2)の前記第2の面(14)に付ける前または後に、前記保護フィルム(16)を介して欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板(2)は、前記第1の面(4)に、複数のデバイス(8)を有するデバイス領域(10)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
一つ又は複数の欠陥が、前記基板(2)の前記第2の面(14)から欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査することによって識別される場合、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定し、それによって、第1の位置情報を得るステップ、さらに/または、
一つ又は複数の欠陥が、前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査することによって識別される場合、識別された欠陥の一つ又は複数の位置を決定し、それによって、第2の位置情報を得るステップ、
を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とを対応付けるステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基板(2)の前記第2の面(14)から欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査するステップは検査手段(30)を用いて行われ、前記検査手段(30)は、前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するためにも用いられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記支持フィルム(34)は、前記支持フィルム(34)の表の面(36)の少なくとも中央領域が前記基板(2)の前記第2の面(14)に直接接触するように前記支持フィルム(34)の前記表の面(36)の少なくとも中央領域と前記基板(2)の前記第2の面(14)との間に接着材が存在しない為に、前記基板(2)の前記第2の面(14)に付けられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基板(2)がウェハ、特に半導体ウェハである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記保護フィルム(16)は、前記保護フィルム(16)の表の面(18)の少なくとも中央領域が前記基板(2)の前記第1の面(4)に直接接触するように前記保護フィルム(16)の前記表の面(18)の少なくとも中央領域と前記基板(2)の前記第1の面(4)との間に接着材が存在しない為に、前記基板(2)の前記第1の面(4)に付けられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理するステップは、前記基板(2)を前記基板(2)の前記第2の面(14)から複数の分離した要素(26)に分割する工程から成る又は分割する工程を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記基板(2)を複数の分離した要素(26)に分割する工程は、前記基板(2)を、前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)の前記第1の面(4)に向かって延びる厚さ方向に沿って切断する段階から成る又は切断する段階を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板(2)の厚さ方向に沿って前記基板(2)を切断する段階は、基板(2)を機械的に切断すること、および/または、前記基板(2)をレーザ切断すること、および/または、前記基板(2)をプラズマ切断することから成る又はこれらを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査した後、前記支持フィルム(34)から前記分離した要素(26)をピックアップするステップを更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理するステップは、前記基板(2)の厚さを減少させるように前記基板(2)を薄くする工程から成る又は前記基板(2)を薄くする工程を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
基板(2)を処理するシステムであって、前記基板(2)は、第1の面(4)と、前記第1の面(4)の反対側にある第2の面(14)とを有し、前記システムは、
前記基板(2)の前記第1の面(4)に保護フィルム(16)を付ける付ける手段と、
前記基板(2)の前記第1の面(4)に前記保護フィルム(16)を付けた後、前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理する処理手段(28)と、
前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理した後に、前記基板(2)の前記第2の面(14)から欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査する検査手段(30)と、
前記基板(2)の前記第2の面(14)を欠陥について検査した後に、前記基板(2)の前記第2の面(14)に支持フィルム(34)を付けるように構成された付ける手段と、
前記基板(2)の前記第1の面(4)から前記保護フィルム(16)を除去するように構成された保護フィルム除去手段(48)と、
前記基板(2)の前記第1の面(4)から前記保護フィルム(16)を除去した後に、前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するように構成された検査手段(50)と、
を備える、システム。
【請求項17】
前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査するように構成された前記検査手段(30)と、前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するように構成された検査手段(50)とは、単一の検査手段である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記基板(2)の前記第1の面(4)に前記保護フィルム(16)を付けるように構成された前記付ける手段と、前記基板(2)の前記第2の面(14)に前記支持フィルム(34)を付けるように構成された前記付ける手段とは、同一の単一の付ける手段である、請求子16又は17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の面と第1の面の反対側にある第2の面とを有するウェハなどの基板を処理する方法に関する。さらに、本発明は、この方法を行うためのシステムに関する。
【0002】
【技術背景】
【0003】
ウェハのような基板の処理は、高い精度、効率および信頼性で行わなければならないことが多い。たとえば、例えば半導体デバイスを製造するためのデバイス製造プロセスにおいて、複数のデバイスを有するデバイス領域を有するウェハなどの基板は、通常、複数の分割ラインによって分割され、個々のチップまたはダイに分割される。この製造プロセスは、一般に、基板の厚さを調整する研磨ステップと、分割ラインに沿って基板を切断して個々のチップまたはダイを得る切断ステップとを含む。研磨ステップは、デバイス領域が形成された基板表面とは反対側の基板の裏面から行われる。さらに、研磨および/またはエッチングのような他の処理ステップも、基板の裏側で実行することができる。基板は、その表面または裏面から分割ラインに沿って切断されてもよい。得られたチップまたはダイの高品質を確保するために、処理ステップは正確かつ信頼できる方法で実行されなければならない。
【0004】
基板を処理するとき、たとえば、基板を分割するとき(例えば、基板を切断するとき)、分割された基板の品質に影響を与え得る欠陥が発生する可能性があり、特に、基板をチップまたはダイに分割する場合に影響を与える場合がある。そのような可能性のある欠陥は、基板材料の上または中に形成された層の表側チッピング、裏側チッピング、層間剥離、亀裂、非直線切断線(蛇行)、バリ、ウィスカー、粒子、汚染、ダイシフト、ダイサイズ差および非分離ダイ(すなわち、互いから完全に分離されていないダイ)を含み得る。この問題は、重要な品質基準を満たす必要があるハイエンドデバイスの場合に特に顕著である。
【0005】
上記の問題に対処するために、いくつかの従来の処理方法では、処理後に基板の欠陥が検査される。このような欠陥の検査、例えば、チッピングの大きさが許容範囲内であるか否かを検出することは、使用される処理機器の外側または内側で行うことができる。たとえば、この為に、処理機器に組み込まれたカメラを用いることができる。
【0006】
しかしながら、従来のアプローチでは、基板の一方の面の欠陥のみを識別することができる。特に、基板の表面が露出している場合には表面検査のみ可能であり、基板の裏面が露出している場合には裏面検査のみ可能である。そのため、たとえばハイエンドデバイスの場合には特に重要である精度や信頼性の高い欠陥検出ができないという問題がある。
【0007】
また、処理中に欠陥がどこでいつ発生したかを追跡することは困難である。したがって、基板を処理する効率的な方法および基板内の欠陥を正確かつ確実に識別することを可能にする効率的な基板処理システムが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
従って、本発明の目的は、基板内の欠陥を正確かつ確実に識別することを可能にする基板を処理する効率的な方法を提供することである。さらに、本発明は、この方法を行うための基板処理システムを提供することを目的とする。これらの目標は、請求項1の技術的特徴を有する基板処理方法と、請求項16の技術的特徴を有する基板処理システムとによって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に続く。
【0009】
本発明は、基板を処理する方法を提供し、基板は、第1の面または表面と、第1の面または表面の反対側にある第2の面または裏面とを有する。この方法は、保護フィルムを基板の第1の面に付けるステップと、保護フィルムを基板の第1の面に付けた後、基板の第2の面から基板を処理するステップと、基板の第2の面から基板を処理した後、基板の第2の面から欠陥について基板の第2の面を検査するステップとを含む。さらに、この方法は、基板の第2の面を欠陥について検査した後、基板の第2の面に支持フィルムを付けるステップと、基板の第1の面から保護フィルムを除去するステップと、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後、基板の第1の面を欠陥について基板の第1の面から検査するステップとを含む。
【0010】
この発明の方法において、基板は、処理後に、両面から、すなわち、その第1の面から及びその第2の面から欠陥について検査される。したがって、処理によって生じた基板の欠陥を正確かつ確実に識別することができる。さらに、基板の両面について欠陥情報が得られるので、識別された欠陥の性質をより正確に決定することができる。これはまた、欠陥の追跡性を向上させ、処理中に欠陥がどこでいつ発生したかについてのより正確で信頼できる評価を可能にする。
【0011】
基板の第1の面は、保護フィルムが基板の第1の面から除去された後に、基板の第1の面からの欠陥について検査される。このようにして、欠陥検査の精度、信頼性および効率がさらに高められる。特に、基板の第1の面から保護フィルムを除去する場合、処理中に基板から分離されたが保護フィルムの存在によって、基板上に残っているチッピングまたは破片などの微粒子も除去することができる。これにより、保護フィルムを除去する前に識別することができない基板の欠陥を検出することができる。
【0012】
従って、この発明は、基板内の欠陥を正確かつ確実に識別することを可能にする基板を処理する効率的な方法を提供する。
【0013】
基板の第1の面は、基板の表面または裏面でもよい。基板の第2の面は、基板の表面または裏面でもよい。
【0014】
基板の第1の面または表面および基板の第2の面または裏面は、互いに実質的に平行であってもよい。
【0015】
基板の第1の面および第2の面を検査するときに識別される可能性のある欠陥は、たとえば、基板材料上または基板材料内に形成された層の剥離、亀裂、非直線切断線(蛇行)、バリ、ウィスカー、粒子、汚染、ダイシフト、ダイサイズ差、および非分離ダイ(即ち、互いから完全に分離されていないダイまたはチップ)を含む。
【0016】
基板は、たとえば、半導体、ガラス、サファイア(Al2O3)、アルミナセラミックなどのセラミック、石英、酸化ジルコニウム、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、ポリカーボネート、光学結晶材料などからなる。
【0017】
特に、基板としては、たとえば、シリコンカーバイド(SiC)、シリコン(Si)、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウム窒化物(GaN)、ガリウムリン化物(GaP)、インジウム砒素(InAs)、インジウムリン化物(InP)、シリコン窒化物(SiN)、リチウムタンタル酸塩(LT)、リチウムニオブ酸塩(LN)、アルミニウム窒化物(AlN)、シリコン酸化物(SiO)などを用いることができる。
【0018】
基板は、単結晶基板、ガラス基板、化合物半導体基板(例えば、SiC、SiN、GaNまたはGaAs基板)などの化合物基板、またはセラミック基板などの多結晶基板とすることができる。
【0019】
基板はウェハであってもよい。たとえば、基板は半導体サイズのウェハであってもよい。ここで、「半導体サイズのウェハ」という用語は、半導体ウェハの寸法(標準寸法)、特に直径(標準直径)、すなわち外径を有するウェハを指す。半導体用ウェハの寸法、特に直径、すなわち外径はSEMI規格で定義されている。たとえば、研磨された単結晶シリコン(Si)ウェハの寸法は、SEMI規格M1およびM76で定義されている。半導体サイズのウェハは、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、8インチ、12インチまたは18インチのウェハとすることができる。
【0020】
基板は半導体ウェハであってもよい。たとえば、基板は、上述の半導体材料のいずれかで構成されてもよい。
【0021】
ウェハのような基板は、単一の材料から構成されてもよいし、異なる材料の組合せ、例えば、上述の材料の2つ以上から構成されてもよい。たとえば、基板は、Siから形成されたウェハ要素がガラスから形成されたウェハ要素に結合されるSi-ガラス結合ウェハであってもよい。
【0022】
金属層または金属被覆は、基板の第1の面または第2の面、特に基板の第1の面全体または第2の面全体に存在してもよい。金属層または金属被覆は、基板の裏面、特に基板の裏面全体に存在してもよい。
【0023】
基板は任意の種類の形状を有してよい。上面図において、基板は、たとえば、円形状、楕円形状、長円形状、矩形状、正方形状等の多角形状等を有していてもよい。
【0024】
この発明の方法は、基板の第1の面から保護フィルムを除去する前に、保護フィルムを通して基板の第1の面を欠陥について検査するステップをさらに含むことができる。この場合、この方法は、基板の第1の面から保護フィルムを除去する前と後の2段階で、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査するステップを含む。このため、欠陥検出の精度および信頼性をさらに高めることができる。特に、これらの2つの検査ステップの組合せは、識別された任意の欠陥または欠陥の性質をさらに正確に決定することを可能にする。
【0025】
基板の第1の面から保護フィルムを除去する前に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査することにより、基板の第2の面から基板を処理した後、直接、第1の面の検査を行うことができる。このため、基板の位置、特に基板を分割して得られた分離した要素の位置が正確に維持される。たとえば、この保護フィルム除去ステップは当該方法の後の段階で行われるので、基板の第1の面から保護フィルムを除去することによって、基板または基板を分割して得られる分離した要素のあり得るシフトまたは移動が生じなかったかもしれない。さらに、保護フィルムの収縮または緩みなどの保護フィルムの特性の変化が、その後の処理および/または取り扱いステップにおいて検査プロセスに及ぼす影響を最小限に抑えることができ、さらには排除することもできる。また、以下に詳細に説明する位置情報を得るステップおよび/または関連付けるステップは、特に正確かつ信頼できる方法で実行することができる。
【0026】
さらに、基板の第1の面から保護フィルムを除去する前に、保護フィルムを介して基板の第1の面の欠陥を検査することにより、第1の面を特に安全かつ確実に検査することができる。特に、この検査プロセスの間、基板の第1の面は、保護フィルムによって、埃または破片などの汚染から確実に保護される。
【0027】
たとえば、基板の第1の面は、保護フィルムを透過する、すなわち保護フィルムが透過性を有する可視光などの放射線によって、保護フィルムを介して欠陥について検査されてもよい。たとえば、このために、カメラを使用してもよい。
【0028】
また、支持フィルムを基板の第2の面に付ける前に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査を行ってもよい。保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査するステップは、支持フィルムを基板の第2の面に付けた後に行うことができる。
【0029】
基板は、第1の面に、複数のデバイスを有するデバイス領域を有してもよい。基板の第1の面は、基板の表面であってもよい。
【0030】
デバイス領域内のデバイスは、たとえば、半導体デバイス、パワーデバイス、光学デバイス、医療デバイス、電気コンポーネント、MEMSデバイス、またはそれらの組み合わせとすることができる。デバイスは、たとえば、MOSFETまたは絶縁ゲートバイポーラトランジスター(IGBT)のようなトランジスタ、またはショットキーバリアダイオードのようなダイオードを備えることができ、または、それらであってもよい。
【0031】
基板は、例えば、第1の面に、周辺限界領域を有してもよいが、この周辺限界領域は、デバイスを有さず、デバイス領域の周囲に形成される。
【0032】
基板は、第2の面板がスルーシリコンビア(TSV)ウェハである場合、第2の面に、例えば、上述のようなデバイスを含むパターン化された領域、および/または、たとえば、電気的相互接続を有してもよい。基板の第2の面は、基板の裏面であってもよい。
【0033】
さらに、この方法は、基板の第2の面から欠陥について基板の第2の面を検査することによって欠陥又は複数の欠陥があるか又は識別され場合、識別された欠陥又は複数の欠陥の位置を決定し、それによって第1の位置情報を得るステップを含むことができる。第1の位置情報は、基板の第2の面における各欠陥の位置を特定する情報である。各欠陥の位置は、基板の座標系において、例えば、基板上に形成された分割ラインおよび/またはデバイスに関して、および/または基板の別の要素または複数の要素に関して定義することができる。基板の1つまたは複数の要素は、基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラット、および基板の中心のうちの1つまたは複数であってもよく、またはそれらを含んでもよい。各欠陥の位置は、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素に関して、および/またはシールリングまたはシールリングに関して、および/またはガードリングまたはガードリングに関して定義することができる。
【0034】
基板の第2の面から欠陥について基板の第2の面を検査するとき、以下の情報を得ることができる。基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラットおよび/または基板の中心などの基板の一つ又は複数の要素からの一つ又は複数の欠陥の距離;および/または、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素からの一つ又は複数の欠陥の距離;および/または、一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数のサイズ;および/または、一つ又は複数のシールリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数のガードリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離。この情報は、第1の位置情報として利用することもできるし、第1の位置情報として利用することもできる。
【0035】
この方法は、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後に、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査することによって、一つ又は複数の欠陥があるか又は識別された場合に、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定し、それによって第2の位置情報を得るステップを更に含むことができる。第2の位置情報は、基板の第1の面における各欠陥の位置を特定する情報である。各欠陥の位置は、基板の座標系において、例えば、基板上に形成された分割ラインおよび/またはデバイスに関して、および/または基板の別の要素または複数の要素に関して定義することができる。基板の一つ又は複数の要素は、基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラット、および基板の中心のうちの一つ又は複数であってもよく、またはそれらを含んでもよい。各欠陥の位置は、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素に関して、および/または一つ又は複数のシールリングに関して、および/または一つ又は複数のガードリングに関して定義することができる。
【0036】
基板の第1の面から基板の第1の面を欠陥についてを検査する場合、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後、以下の情報を得ることができる。基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラットおよび/または基板の中心などの基板の一つ又は複数の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数のサイズ;および/または、一つ又は複数のシールリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数のガードリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離。この情報は、第2の位置情報の為に使用されてもよいし、第2の位置情報として使用されてもよい。
【0037】
第1および/または第2の位置情報は、欠陥の特に良好な追跡性を可能にし、処理中に欠陥が発生した場所および時期のさらに正確で信頼性の高い評価を可能にする。たとえば、第1および/または第2の位置情報は、例えば更なる処理、取り扱いおよび/または運搬ステップにおいて使用することができる。特に、基板の第2の面から基板を処理するステップまたは後続のステップにおいて、基板がチップまたはダイのような複数の分離した要素に分割される場合、第1および/または第2の位置情報に依存することによって、特に第1および第2の位置情報に依存することによって、欠陥要素、例えば欠陥チップまたはダイが確実に分離されることを保証することができる。基板の第2および第1の面上の各欠陥の位置は、それぞれ第1および第2の位置情報において特定されるので、そのような欠陥要素、例えば欠陥チップまたは欠陥ダイを、特に正確かつ効率的な方法で識別し、追跡することができる。第1および/または第2の位置情報は、基板の特別な部分または区域、たとえば、デバイス、電気的相互接続などが形成される部分または区域の位置に関する情報と相関させることができる。特に、第1および/または第2の位置情報は、基板を基板内で分割して得られる各要素の位置に関する情報と相関させることができる。このようにして、欠陥要素を特に確実に識別して追跡することができる。基板の各特別な部分または区域の位置、特に、基板内で基板を分割することによって得られる各要素の位置は、基板の座標系において、例えば、基板上に形成された分割ラインおよび/または要素に関して、および/または基板の他の一つ又は複数の要素に関して定義することができる。基板の一つ又は複数の要素は、基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラット、および基板の中心のうちの一つ又は複数であってもよく、またはそれらを含んでもよい。基板の各特別な部分または区域の位置、特に基板を分割することによって得られる各要素の位置は、中心のような要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素に関して、および/または一つ又は複数のシールリングに関して、および/または一つ又は複数のガードリングに関して定義することができる。
【0038】
このようにして、各要素を個別に検査するのではなく、基板を検査することによって欠陥要素を識別して追跡することができるので、本方法の効率が更に向上する。
【0039】
基板の第1および第2の面上の各欠陥の位置を決定し、その後の処理、取り扱いおよび/または運搬ステップにおいて、第1および/または第2の位置情報を使用することは、例えば、ソフトウェア、データ通信セットアップおよび/またはこの目的のために構成された制御機能を使用して、データ処理機器によって行うことができる。特に、そのような機器は、欠陥のあるチップまたはダイなどの欠陥要素を識別および/または追跡するために使用されてもよい。
【0040】
基板の第1の面から保護フィルムを除去する前に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査するステップを含む場合、この方法は、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査することによって一つ又は複数の欠陥があるか又は識別される場合、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定し、それによって第3の位置情報を得るステップを更に含むことができる。第3の位置情報は、基板の第1の面における各欠陥の位置を特定する情報である。各欠陥の位置は、基板の座標系において、例えば、基板上に形成された分割ラインおよび/またはデバイスに関して、および/または基板の別の一つ又は複数の要素に関して定義することができる。基板の一つ又は複数の要素は、基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラット、および基板の中心のうちの一つ又は複数であってもよく、またはそれらを含んでもよい。各欠陥の位置は、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素に関して、および/または一つ又は複数のシールリングに関して、および/または一つ又は複数のガードリングに関して定義することができる。
【0041】
基板の第1の面から保護フィルムを除去する前に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査するとき、以下の情報を得ることができる。基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラットおよび/または基板の中心などの基板の一つ又は複数の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数のサイズ;および/または、一つ又は複数のシールリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数のガードリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離。この情報は、第3の位置情報の為に使用することができ、第3の位置情報として使用することもできる。
【0042】
たとえば、第2の位置情報と第3の位置情報とを比較することにより、識別された一つ又は複数の欠陥の性質をより正確に決定することができる。
【0043】
さらに、第3の位置情報は、例えば、更なる処理、取り扱いおよび/または運搬ステップにおいて、特に、欠陥要素を識別および追跡するために使用することができる。
【0044】
この方法は、第1の位置情報を第2の位置情報と関連付けるステップを更に含むことができる。
【0045】
第1の位置情報を第2の位置情報と関連付けることにより、識別された欠陥の性質を更に高い精度で決定することができる。また、基板の欠陥部分、特に欠陥要素を識別して追跡する効率および信頼性を更に高めることができる。たとえば、第1の位置情報と第2の位置情報とを相互に関連付けて、基板の各部分、例えば、基板を分割して得られる各要素の基板内での位置情報と関連付けてもよい。
【0046】
この方法は、第1の位置情報を第2の位置情報および/または第3の位置情報と関連付けるステップを含むことができる。
【0047】
第1の位置情報と第2の位置情報および/または第3の位置情報との関連付けは、上述したようなデータ処理機器によって行うことができる。
【0048】
本発明の方法において、基板の第2の面からの欠陥について基板の第2の面を検査するステップは、検査手段を用いて行われてもよい。また、検査手段は、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査するために使用されてもよい。この場合、基板の第1および第2の面を検査するために単一の検査手段が使用される。このようにして、この方法は、特に単純かつ費用効率的な方法で行うことができる。
【0049】
また、検査手段は、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査する為に使用されてもよい。この場合、3つの検査ステップ全てに対して単一の検査手段が使用され、方法を更に単純かつ効率的にする。
【0050】
検査手段は、基板の第2の面から基板を処理するために使用される処理機器または処理手段上または処理機器内に配置されてもよい。検査手段は、そのような処理機器または処理手段の一部を形成することができる。この場合、この方法は、特に効率的な方法で行うことができる。
【0051】
あるいは、検査手段は、処理機器または処理手段の外側に配置されてもよい。たとえば、検査手段は、光学検査機器などの分離した検査機器内に配置されてもよい。
【0052】
検査手段は、たとえば、光学検査用の顕微鏡カメラ等のカメラであってもよい。
【0053】
あるいは、第1の検査手段を用いて、基板の第2の面から欠陥について基板の第2の面を検査してもよく、異なる第2の検査手段を用いて、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査してもよい。第2の検査手段または別の第3の検査手段を用いて、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査してもよい。
【0054】
第1から第3の検査手段の1つ、2つ、または全ては、基板の第2の面から基板を処理するために使用される処理機器または処理手段上または処理機器内に配置されてもよい。第1から第3の検査手段の1つ、2つ、または全てが、かかる処理機器または処理手段の一部を形成してもよい。
【0055】
第1-第3の検査手段のうちの1つ、2つ、または全てを処理機器または処理手段の外側に配置してもよい。たとえば、第1-第3の検査手段の1つ、2つ、または全てを光学検査機器等の分離した検査機器内に配置してもよい。第1-第3の検査手段は、全て同じ検査機器内に配置されてもよい。第1-第3の検査手段は、それぞれ異なる検査機器内に配置されてもよい。
【0056】
第1の検査手段は、たとえば、光学検査用の顕微鏡カメラ等のカメラであってもよい。第2の検査手段は、たとえば、光学検査用の顕微鏡カメラ等のカメラであってもよい。第3の検査手段は、たとえば、光学検査用の顕微鏡カメラ等のカメラであってもよい。
【0057】
支持フィルムは、単一の材料、特に単一の均質な材料から形成することができる。支持フィルムは、たとえば、シート又はフォイルであってもよい。
【0058】
支持フィルムは、ポリマーのようなプラスチック材料から形成することができる。たとえば、支持体フィルムは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)等のポリオレフィンから形成されてもよい。
【0059】
支持フィルムの厚さは、5-500μm、好ましくは5-200μm、より好ましくは8-100μm、さらに好ましくは10-80μm、さらに好ましくは12-50μmである。支持フィルムの厚みは、80-250μmの範囲が特に好ましい。
【0060】
支持フィルムは、任意の種類の形状を有してもよい。支持フィルムは、平面視で、例えば、円形状、楕円形状、長円形状、矩形状、正方形状等の多角形状等を有していてもよい。
【0061】
支持フィルムは、接着材を用いて基板の第2の面に付けられてもよい。接着材は、基板の第2の面と接触する支持フィルムの表の面全体に存在してもよい。たとえば、支持フィルムはUV硬化性接着テープであってもよい。
【0062】
あるいは、支持フィルムの表の面の少なくとも中央領域と基板の第2の面との間に接着材が存在しないように、支持フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第2の面と直接接触するように、支持フィルムを基板の第2の面に付けてもよい。
【0063】
支持フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第2の面と直接接触するように、支持フィルムを基板の第2の面に付けることによって、例えば、基板上の接着層の接着力または接着残留物に起因する基板の汚染または損傷の可能性のリスクを、著しく低減または排除することさえできる。
【0064】
支持フィルムは、支持フィルムの表の面が基板の第2の面と接触する領域全体において、支持フィルムの表の面が基板の第2の面と直接接触するように、基板の第2の面に付けられてもよい。したがって、支持フィルムの表の面と基板の第2の面との間には、材料、特に接着材は存在しない。
【0065】
このようにして、例えば、基板上の接着層の接着力または接着材残留物による基板の汚染または損傷の可能性のリスクを、確実に排除することができる。
【0066】
支持フィルムの表の面全体は接着材を含まなくてもよい。
【0067】
また、支持フィルムの表の面の周辺部にのみ接着材、例えば接着層を設けてもよい。支持フィルムの表の面の周辺領域は、支持フィルムの表面の中央領域を囲むように配置されていてもよい。
【0068】
支持フィルムの表の面は、接着層が基板の第2の面の周辺部分のみと接触するように、基板の第2の面に付けられてもよい。基板の第2の面の周辺部分は、基板の周辺限界領域であってもよく、または基板の周辺限界領域に対応してもよい。
【0069】
このような接着層を用いることにより、支持フィルムの基板への付着性をさらに向上させることができる。さらに、接着層が支持フィルムの表の面の周辺領域にしか設けられていないので、支持フィルムの表の面全体に接着層を設けた場合に比べて、支持フィルムと基板とが接着層によって接着される面積が著しく小さくなる。これにより、支持フィルムを基板からより容易に剥離することができ、基板への損傷の危険性を大幅に低減することができる。
【0070】
支持フィルムを基板の第2の面に付けるステップは、支持フィルムに外部刺激を加える工程から成ることができ、または、支持フィルムに外部刺激を加える工程を含むことができる。外部刺激を加えることによって、支持フィルムを基板上のその位置に保持する、支持フィルムと基板との間の付着力が発生される。したがって、支持フィルムを基板の第2の面に付けるための追加の接着材料は必要ない。
【0071】
特に、支持フィルムに外部刺激を加えることにより、支持フィルムと基板との間に、積極嵌合のような形態嵌合及び/又は接着結合のような材料結合が形成されてもよい。「材料結合」および「接着結合」という用語は、これらの2つの構成要素の間に作用する原子および/または分子の力による支持フィルムと基板との間の付着または接続を定義する。
【0072】
用語「接着結合」は、支持フィルムを基板に接着するように作用するこれらの原子および/または分子の力の存在に関連し、支持フィルムと基板との間の更なる接着材の存在を意味するものではない。むしろ、上記の実施形態において、支持フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第2の面と直接接触している。
【0073】
支持フィルムに外部刺激を加えるステップは、支持フィルムを加熱する工程、および/または支持フィルムを冷却する工程、および/または支持フィルムに真空を印加する工程、および/または支持フィルムに光などの放射線を、例えばレーザービームを使用して照射する工程を含んでもよく、またはこれらからなり得る。
【0074】
外部刺激は、化合物および/または電子またはプラズマ照射および/または機械的処理(例えば、圧力、摩擦または超音波適用、および/または静電気)を含んでもよく、またはそれらであってもよい。
【0075】
また、支持フィルムの表の面とは反対側の裏の面に、クッション層を設けてもよい。また、支持フィルムの裏の面にクッション層の表の面を付けてもよい。
【0076】
このアプローチは、表面の凹凸または粗さ、バンプ、光学素子(例えば、光学レンズ)、他の構造などの突出部(protrusions)、突起(projections)、凹部および/またはトレンチが、基板の第2の面から基板の厚さ方向に沿って突出し、延び、出っ張る場合に、特に有利である。この場合、突出部は、各基板側の表面構造またはトポグラフィを規定し、この面を不均一にする。クッション層が支持フィルムの裏の面に付けられている場合には、このような突出部および/または凹部をクッション層に埋め込むことができる。突出部をクッション層に埋め込むことによって、たとえば、光学素子または他の構造などの突出部は、いかなる損傷からも確実に保護される。
【0077】
クッション層の材料は特に限定されない。特に、クッション層は、基板の厚み方向に沿って突出する突出部を埋め込むことができる任意の種類の材料で形成されてもよい。たとえば、クッション層は、樹脂、接着材、ゲル等で形成されてもよい。
【0078】
クッション層は、UV放射、熱、電場および/または化学剤などの外部刺激によって硬化することができる。この場合、クッション層は、外部刺激を加えることにより、少なくともある程度硬化する。たとえば、硬化性樹脂、硬化性接着材、硬化性ゲル等を用いることができる。
【0079】
クッション層は、その硬化後にある程度の圧縮性、弾性および/または可撓性を示すように、すなわち、硬化後に圧縮性、弾性および/または可撓性であるように構成することができる。たとえば、クッション層は、硬化によりゴム状の状態となるようなものであってもよい。代替的に、クッション層は、硬化後に剛性の、硬い状態に達するように構成されてもよい。
【0080】
本発明の方法におけるクッション層として使用するためのUV硬化性樹脂の好ましい例は、株式会社ディスコのResiFlatおよびデンカのTEMPLOCである。
【0081】
この方法は、クッション層を硬化させるために外部刺激をクッション層に加えるステップを更に含むことができる。
【0082】
クッション層の厚さは、10-300μm、好ましくは20-250μm、より好ましくは50-200μmである。
【0083】
また、支持フィルムに付けられたクッション層の表の面とは反対側の裏の面に、ベースシートを付けるようにしてもよい。
【0084】
ベースシートの材料は特に限定されない。ベースシートは、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニル(EVA)またはポリオレフィンなどのポリマー材料のような軟質または可撓性材料で形成することができる。
【0085】
あるいは、ベースシートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)および/またはシリコンおよび/またはガラスおよび/またはステンレス鋼(SUS)のような剛性の、硬い材料で作られてもよい。
【0086】
たとえば、ベースシートがポリエチレンテレフタレート(PET)またはガラスで構成され、かつクッション層が外部刺激によって硬化可能である場合、クッション層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはガラスを透過する放射線、例えばUV放射線によって硬化されてもよい。ベースシートがシリコンまたはステンレス鋼(SUS)製である場合には、コスト効率の良いベースシートが提供される。
【0087】
また、ベースシートは、上記の材料を組み合わせて形成されてもよい。
【0088】
ベースシートの厚さは、30-1500μm、好ましくは40-1200μm、より好ましくは50-1000μmである。
【0089】
保護フィルムは、基板の第1の面を、特に基板の処理中に基板の第2の面から保護するように構成される。
【0090】
保護フィルムは、単一の材料、特に単一の均質な材料から形成することができる。保護フィルムは、たとえば、シートやフォイルであってもよい。
【0091】
保護フィルムは、ポリマー等のプラスチック材料から形成されてもよい。たとえば、保護フィルムは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)等のポリオレフィンかれ毛性されてもよい。
【0092】
保護フィルムの膜厚は、5-500μm、好ましくは5-200μm、より好ましくは8-100μm、さらに好ましくは10-80μm、さらに好ましくは12-50μmである。保護フィルムの膜厚は80-150μmが特に好ましい。
【0093】
保護フィルムは、任意の種類の形状を有してもよい。上面視において、保護フィルムは、例えば、円形状、楕円形状、長円形状、矩形状、正方形状等の多角形状等を有してもよい。
【0094】
保護フィルムは、基板の第1の面に接着材で接着されていてもよい。接着材は、基板の第1の面と接触するようになる保護フィルムの表の面全体に存在してもよい。たとえば、保護フィルムは、UV硬化可能な接着テープであってもよい。
【0095】
あるいは、保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域と基板の第1の面との間に接着材が存在しないように、保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第1の面に直接接触する為に、保護フィルムを基板の第1の面に付けてもよい。
【0096】
保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第1の面と直接接触するように、保護フィルムを基板の第1の面に付けることによって、例えば、基板上の接着層の接着力または接着残留物に起因する基板の汚染または損傷の可能性のリスクを、著しく低減または排除することさえできる。
【0097】
保護フィルムは、保護フィルムの表の面が基板の第1の面に接触する領域全体において、保護フィルムの表面が基板の第1の面に直接接触するように、基板の第1の面に付けられていてもよい。したがって、保護フィルムの表の面と基板の第1の面との間には、材料、特に接着材が存在しない。
【0098】
このようにして、例えば、基板上の接着層の接着力または接着材残留物による基板の汚染または損傷の可能性のリスクを、確実に排除することができる。
【0099】
また、保護フィルムの表の面全体に接着材がなくてもよい。
【0100】
保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第1の面と直接接触するように保護フィルムを基板の第1の面に付けることにより、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査するステップが更に容易になる。特に、保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域と基板の第1の面との間には接着材が存在しないので、この検査を特に効率的かつ確実に行うことができる。たとえば、保護フィルムを透過した可視光などの放射線によって、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査する場合、放射線は、少なくとも保護フィルムの表の面の中央領域において、接着層によって反射、吸収または散乱されない。
【0101】
保護フィルムの表の面の周辺領域にのみ接着材、例えば接着層を設けてもよい。保護フィルムの表の面の周辺領域は、保護フィルムの表の面の中央領域を囲むように配置されてもよい。
【0102】
保護フィルムの表の面は、接着層が基板の第1の面の周辺部分のみに接触するように、基板の第1の面に付けられてもよい。基板の第1の面の周辺部分は、基板の周辺限界領域であってもよく、または基板の周辺限界領域に対応してもよい。
【0103】
このような接着層を用いることにより、保護フィルムの基板への密着性をさらに向上させることができる。さらに、接着層が保護フィルムの表の面の周辺領域のみに設けられているので、保護フィルムの表の面全体に接着層を設けた場合に比べて、保護フィルムと基板とが接着層によって接着される面積が著しく小さくなる。そのため、保護フィルムを基板からより容易に剥離することができ、基板に対する損傷の危険性を大幅に低減することができる。
【0104】
保護フィルムを基板の第1の面に付けるステップ、保護フィルムに外部刺激を加える工程から成ってもよいし、外部刺激を加える工程を含んでもよい。外部刺激を加えることにより、保護フィルムを基板上の位置に保持した状態で保護フィルムと基板との間に付着力が発生する。したがって、保護フィルムを基板の第1の面に付けるための追加の接着材料は必要ない。
【0105】
特に、保護フィルムに外部刺激を加えることにより、保護フィルムと基板との間に、積極嵌合のような形態嵌合(form fit)及び/又は接着結合のような材料結合(material bond)を形成することができる。
【0106】
保護フィルムに外部刺激を加えるステップは、保護フィルムを加熱および/または冷却する工程、および/または保護フィルムに真空を印加する工程、および/または保護フィルムに光などの放射線を、例えばレーザービームを使用して照射する工程を含むか、またはこれらから成ることができる。
【0107】
外部刺激は、化合物および/または電子またはプラズマ照射および/または機械的処理(例えば、圧力、摩擦または超音波適用、および/または静電気)を含んでもよく、またはそれらであってもよい。
【0108】
また、保護フィルムの表の面とは反対側の裏の面に、クッション層を付けてもよい。また、保護フィルムの裏の面にクッション層の表の面を付けてもよい。クッション層は、上述の特性、機能および特徴を有することができる。
【0109】
特に、クッション層は、UV放射、熱、電場および/または化学剤などの外部刺激によって硬化することができる。この方法は、クッション層を硬化させるために外部刺激をクッション層に加えるステップを更に含むことができる。
【0110】
また、保護フィルムに付けられたクッション層の表の面とは反対側の裏の面に、ベースシートを付けるようにしてもよい。ベースシートは、上述の特性、機能および特徴を有することができる。
【0111】
基板の第2の面から基板を処理するステップは、基板を基板の第2の面から複数の分離した要素に分割する工程からなることができ、または分割する工程を含むことができる。分離した要素は、たとえば、チップ又はダイとすることができる。
【0112】
この場合、この方法は、基板の第1の面に保護フィルムを付けた後、基板を基板の第2の面から複数の分離した要素に分割するステップと、基板を複数の分離した要素に分割した後、分割された基板の第2の面から欠陥について、分割された基板の第2の面をを検査するステップと、分割された基板の第2の面から欠陥について検査した後、分割された基板の第2の面に支持フィルムを付けるステップとを含むことができる。さらに、この方法は、分割された基板の第1の面から保護フィルムを除去するステップと、分割された基板の第1の面から保護フィルムを除去した後に、分割された基板の第1の面を欠陥について分割された基板の第1の面から検査するステップとを含むことができる。
【0113】
本発明の方法によれば、各要素を個別に検査するのではなく、基板すなわち分割された基板を検査することによって、不良チップや不良ダイなどの不良要素を効率的かつ確実に識別して追跡することができる。
【0114】
基板の第2の面から基板を処理するステップは、基板の厚さ方向に沿って基板を切断する工程からなる、または基板の厚さ方向に沿って基板を切断する工程を含む。厚さ方向は、基板の第2の面から基板の第1の面に向かって延びる。
【0115】
基板を複数の分離した要素に分割するステップは、基板の厚さ方向に沿って基板を切断する工程からなり、または切断する工程を含むことができる。
【0116】
基板は、基板を完全に分割するように、その厚さ全体に沿って切断されてもよいし、基板の厚さの一部のみに沿って切断されてもよい。
【0117】
基板の第1の面および/または第2の面に、1つまたは複数の分割ラインを形成することができる。基板が、基板の第1の面および/または第2の面に、複数のデバイスを有するデバイス領域を有する場合、デバイスは、一つ又は複数の分割ラインによって分割されてもよい。好ましくは、デバイス領域および一つ又は複数の分割ラインは、基板の第1の面上に形成される。
【0118】
基板の第2の面から基板を処理するステップは、一つ又は複数の分割ラインに沿って基板を切断する工程からなり、または、その工程を含むことができる。
【0119】
基板を複数の分離した要素に分割するステップは、一つ又は複数の分割ラインに沿って基板を切断する工程からなり、またはその工程を含むことができる。
【0120】
基板の厚さ方向に沿って基板を切断するステップは、基板を機械的に切断する工程および/または基板をレーザ切断する工程および/または基板をプラズマ切断する工程からなることができ、またはこれらの工程を含むことができる。たとえば、基板は、ブレードダイシングまたは鋸引き(sawing)によって機械的に切断することができる。
【0121】
基板は、単一の機械的切断ステップ、単一のレーザ切断ステップまたは単一のプラズマ切断ステップで切断することができる。あるいは、基板は、一連の機械的切断および/またはレーザー切断および/またはプラズマ切断ステップによって切断されてもよい。
【0122】
デバイス領域および一つ又は複数の分割ラインが基板の第1の面上に形成され、基板が一つ又は複数の分割ラインに沿って第1の基板側から例えばブレードダイシングまたは鋸引きのような機械的切断によって、またはレーザー切断によって切断される場合、デバイス領域内のデバイスの品質は切断プロセスによって影響され得る。これは、特に、基板がその厚さの一部のみに沿ってではなく、その厚さ全体に沿って切断される場合に該当する。たとえば、基板を分割することによって得られる、表面および/または裏面のチッピング、デバイス領域の汚染、および、得られるチップまたはダイのダイ強度の劣化などの問題が生じ得る。デバイス領域および一つ又は複数の分割ラインが基板の第1の面に形成されるが、基板の第2の面には形成されない場合、これらの問題は、基板をその第2の面から一つ又は複数の分割ラインに沿って切断することによって、確実に回避することができる。任意選択的に、金属層または金属被覆が、基板の第2の面、特に基板の第2の面全体に存在してもよい。
【0123】
レーザ切断は、たとえば、アブレーションレーザ切断および/またはステルスレーザ切断によって(即ち、以下にさらに詳細に説明するように、レーザビームを加えることによって、基板内に改質区域を形成すること、および/またはレーザビームを加えることによって基板内に複数のホール区域を形成することによって)行うことができる。これらのホール区域の各々は、改質区域と、基板の面に開口する改質区域内の空間とから構成されてもよい。
【0124】
ステルスレーザ切断プロセスでは、基板を通してレーザビームの透過を可能にする波長を有するレーザビームが基板に加えられる。従って、基板は、レーザビームに対して透過性を有する材料から形成される。レーザビームは、基板内に(例えば、大半の基板の内側または内部に)複数の改質区域を形成するように、少なくとも複数の位置で加えられる。特に、レーザビームは、少なくとも1つの分割ラインに沿って少なくとも複数の位置で基板に加えられて、少なくとも1つの分割ラインに沿って基板内に複数の改質区域を形成してもよい。
【0125】
レーザビームは、パルス化されたレーザビームであってもよい。パルス化されたレーザビームは、たとえば、1fs-1000nsの範囲のパルス幅を有してよい。
【0126】
改質区域は、レーザビームを加えることによって改質された基板の区域である。改質区域は、基板材料の構造が改質された基板の区域であってもよい。改質区域は、基板が損傷されている基板の区域でもよい。改質区域は、亀裂が形成された一つ又は複数の非晶質区域を備えてもよく、亀裂が形成された一つ又は複数の非晶質領域であってもよい。
【0127】
これらの改質区域を形成することにより、改質区域が形成される領域における基板の強度が低下する。このため、複数の改質区域が形成された基板の分割、例えば、少なくとも1つの分割ラインに沿った分割が非常に容易になる。
【0128】
基板は、例えば、基板内の亀裂が改質区域から基板の第1および第2の面まで延びる場合、ステルスレーザ切断プロセスにおいて完全に分割されてもよい。基板がステルスレーザ切断プロセスにおいて完全に分割されていない場合、この方法は、例えば、基板に外力を加えることによって基板を完全に分割する工程を更に含んでもよい。たとえば、支持フィルムを径方向に拡張させることによって、即ち、支持フィルムを拡張テープとして使用することによって、例えば、拡張ドラムによって、基板に外力を加えることができる。あるいは、例えば拡張バーを用いて支持フィルムを拡張させることにより、基板に外力を加えてもよい。たとえば、DE 10 2018207 498 A1に記載の拡張装置を用いて支持フィルムを拡張させてもよい。この場合にも、支持フィルムを拡張テープとして用いることができる。支持フィルムを拡張させる前に、改質区域が形成される領域に沿って基板を破壊するために、追加の破壊工程を行うことができる。
【0129】
基板がステルスレーザ切断プロセスにおいて完全に分割されている場合、支持フィルムは、チップまたはダイのような隣接する分離した要素間の距離を増大させるために、拡張(例えば、径方向に拡張)されてもよい。このようにして、これらの要素を後のステップで支持フィルムからピックアップする際に、これらの要素を損傷する危険性を大幅に低減することができる。
【0130】
保護フィルムを基板の第1の面に付ける前に、基板をその厚さの一部に沿って第1の面から切断してもよい。このようにして、第1の面に形成された一つ又は複数の層(例えば、低k層または金属層)を、基板が分割される区域において除去することができる。たとえば、基板は、その厚さの一部に沿って、一つ又は複数の分割ラインに沿って切断されてもよい。基板は、機械的切断、例えばブレードまたは鋸を使用することによって、および/またはレーザー切断またはレーザー溝形成によって、その厚さの一部に沿って切断されてもよい。
【0131】
保護フィルムを基板の第1の面に付ける前または後に、ステルスレーザ切断プロセスを、基板の第1の面から基板上で行うことができる。たとえば、ステルスレーザ切断プロセスは、一つ又は複数の分割ラインに沿って行われてもよい。基板の第1の面から基板上にステルスレーザ切断プロセスを行うステップは、狭い分割ライン(例えば、幅が20μm以下の分割ライン)の場合に特に有利である。
【0132】
基板の第1の面に保護フィルムを付けた後にステルスレーザ切断プロセスを行うと、保護フィルムを介してレーザビームが基板に加えられる。この場合、レーザビームが保護フィルムを透過するように、すなわち、保護フィルムがレーザビームに対して透過性を有するように、レーザビームの波長が選択される。
【0133】
本発明の方法は、基板の第1の面、特に分割された基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査した後に、支持フィルムから、分離した要素、即ち、基板を分割することによって得られた分離した要素をピックアップするステップを更に含むことができる。分離した要素は、例えば、チップ又はダイとすることができる。各分離した要素、特に各チップまたはダイは、存在する場合、デバイス領域内に形成されたデバイスのうち、一つ又は複数のデバイスを含むことができる。
【0134】
このようにして、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面が検査された後に、分離した要素が支持フィルムからピックアップされる。このため、基板を検査することによって、特に、各要素を個別に検査するのではなく、基板内の各要素の位置に関する情報に依拠することによって、欠陥要素を識別および追跡することができる。従って、この方法は、特に高い効率で行うことができる。
【0135】
基板の第1の面、特に分割された基板から保護フィルムを除去することによって、処理中、特に分割中に基板から分離されたが保護フィルムの存在によって基板上に残っているチッピングまたは破片などの微粒子も除去することができる。特に、これらの微粒子は、例えば、保護フィルム上の接着材の存在により、または微粒子と保護フィルムとの間の材料結合により、保護フィルムに接着して、保護フィルムと共に基板から除去される。
【0136】
基板の第1の面から保護フィルムを除去した後、支持フィルムから、分離した要素をピックアップする。このようにして、分離した要素がピックアップされるときに、それらに存在する微粒子の量が大幅に低減される。分離した要素は、そのような微粒子がなくてもよい。従って、高品質の分離した要素が得られ、分離した要素の更なる処理、取り扱いおよび/または輸送をかなり効率的に行うことができる。たとえば、チップまたはダイなどの分離した要素は、それらが支持フィルムからピックアップされた直後に、例えば、半導体パッケージデバイスに組み立てられて使用されるか、または電子機器に組み込まれてもよい。
【0137】
基板の第2の面から基板を処理するステップは、基板の厚さを減少させるように基板を薄くする工程からなるか、または基板を薄くする工程を含む。基板を薄くする工程は、基板を基板の第2の面から複数の分離した要素に分割する前および/または後に行うことができる。
【0138】
基板を薄くする工程は、基板の第2の面から基板を研磨すること、および/または基板の第2の面から基板を研磨すること、および/または基板の第2の面から基板をエッチングすることから構成されてもよいし、またはこれらを含むこともできる。
【0139】
さらに、本発明は、基板を処理するためのシステムを提供し、基板は、第1の面と、第1の面の反対側にある第2の面とを有する。このシステムは、基板の第1の面に保護フィルムを付けるように構成された付ける手段と、保護フィルムを基板の第1の面に付けた後に、基板の第2の面から基板を処理するように構成された処理手段と、基板の第2の面から基板を処理した後に、基板の第2の面から欠陥について基板の第2の面を検査するように構成された検査手段とを備える。このシステムは、基板の第2の面を欠陥について検査した後に、支持フィルムを基板の第2の面に付けるように構成された付ける手段と、基板の第1の面から保護フィルムを除去するように構成された保護フィルム除去手段と、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後に、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査するように構成された検査手段とを更に備える。
【0140】
本発明の基板処理システムは、本発明の基板処理方法を行うように構成されたシステムである。このようにして、基板処理システムは、基板処理方法について上述した技術的効果および利点を提供する。
【0141】
本発明の基板処理方法について上述した特徴は、本発明の基板処理システムにも適用される。
【0142】
特に、基板、保護フィルムおよび支持フィルムは上述したものと同じであってもよい。保護フィルムおよび/または支持フィルムは、上述したように、クッション層またはクッション層とそれに付けられたベースシートとを有していてもよい。
【0143】
基板処理システムは、システムを制御するための、特にシステムの構成要素を制御するための制御装置を備えることができる。制御装置は、複数の制御ユニット、例えば、システムの異なる構成要素を制御するための制御ユニットを含むことができる。制御ユニットは、分離した制御ユニットであってもよいし、個別の制御ユニットであってもよい。
【0144】
制御装置は、本発明の基板処理方法を行う為に基板処理システムを制御するように構成されてもよい。
【0145】
制御装置は、基板の第1の面に保護フィルムを付けるように付ける手段を制御するように構成されてもよい。制御装置は、保護フィルムを基板の第1の面にを付着けた後、基板の第2の面から基板を処理するように処理手段を制御するように構成されてもよい。制御装置は、基板の第2の面から基板を処理した後に、基板の第2の面から欠陥について基板の第2の面を検査するように検査手段を制御するように構成されてもよい。制御装置は、基板の第2の面を欠陥について検査した後に、支持フィルムを基板の第2の面に付けるように付ける手段を制御するように構成されてもよい。制御装置は、保護フィルムを基板の第1の面から除去するように保護フィルム除去手段を制御するように構成されてもよい。制御装置は、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後に、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面をを検査するように検査手段を制御するように構成されてもよい。
【0146】
本発明の基板処理システムは、単一の装置または機械から成ってもよいし、単一の装置または機械を備えてもよい。あるいは、本発明の基板処理システムは、複数の装置または機械、例えば、複数の分離した又は個々の装置または機械から成ってもよいし、複数の装置または機械を備えてもよい。これらの装置または機械は、例えば、互いに接続されて、インラインシステムを形成するように配置されてもよい。装置または機械の1つ、いくつか又は全ては、本発明の基板処理方法の1つのステップまたは複数のステップを行うように構成されてもよい。
【0147】
基板処理システムは、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定するように構成された位置決定手段を更に備えてもよく、それによって、基板の第2の面から欠陥について基板の第2の面を検査することによって、一つ又は複数の欠陥があるか又は識別された場合に、第1の位置情報を得る。制御装置は、基板の第2の面から欠陥について検査することによって一つ又は複数の欠陥が識別された場合に、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定し、それによって第1の位置情報を得る為に位置決定手段を制御するように構成されてもよい。第1の位置情報は、基板の第2の面における各欠陥の位置を特定する情報である。各欠陥の位置は、基板の座標系において、例えば、基板上に形成された分割ラインおよび/またはデバイスに関して、および/または基板の別の要素または複数の要素に関して定義することができる。基板の一つ又は複数の要素は、基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラット、および基板の中心のうちの一つ又は複数であってもよく、またはそれらを含んでもよい。各欠陥の位置は、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素に関して、および/または一つ又は複数のシールリングに関して、および/または一つ又は複数のガードリングに関して定義することができる。
【0148】
第1の位置情報は、以下の情報から成る又はこれらの情報を含んでもよい。基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラットおよび/または基板の中心などの基板の1つまたは複数の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数のサイズ;および/または、一つ又は複数のシールリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数のガードリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離。
【0149】
位置決定手段は、例えば、ソフトウェア、データ通信設定および/または制御機能を有するデータ処理機器から成ってもよいし、それらを備えてもよい。
【0150】
基板処理システムは、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後に、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査することによって、一つ又は複数の欠陥が識別された場合、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定し、それによって第2の位置情報を得るように構成された位置決定手段を更に備えてもよい。基板の第1の面から保護フィルムを除去した後に、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査して一つ又は複数の欠陥が識別された場合に、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定し、第2の位置情報を得るように位置決定手段を制御するように制御装置は構成することができる。第2の位置情報は、基板の第1の面における各欠陥の位置を特定する情報である。各欠陥の位置は、基板の座標系において、例えば、基板上に形成された分割ラインおよび/またはデバイスに関して、および/または基板の別の要素または複数の要素に関して定義することができる。基板の一つ又は複数の要素は、基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラット、および基板の中心のうちの一つ又は複数であってもよく、またはそれらを含んでもよい。各欠陥の位置は、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素に関して、および/または一つ又は複数のシールリングに関して、および/または一つ又は複数のガードリングに関して定義することができる。
【0151】
第2の位置情報は、以下の情報から成る又はこれらの情報を含んでもよい。基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラットおよび/または基板の中心などの基板の一つ又は複数の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数のサイズ;および/または、一つ又は複数のシールリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数のガードリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離。
【0152】
位置決定手段は、例えば、ソフトウェア、データ通信設定および/または制御機能を有するデータ処理機器から成ってもよいし、それらを備えてもよい。
【0153】
基板の第2の面上の一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定する位置決定手段と、基板の第1の面上の一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定するように構成された位置決定手段は、同一の単一の位置決定手段であってもよい。あるいは、基板の第2の面上の一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定するために第1の位置決定手段を用いてもよく、基板の第1の面上の一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定するために別の第2の位置決定手段を用いてもよい。第1の位置決定手段は、例えば、ソフトウェア、データ通信設定および/または制御機能を有するデータ処理機器から成ってもよいし、これらを備えてもよい。第2の位置決定手段は、例えば、ソフトウェア、データ通信設定および/または制御機能を有するデータ処理機器から成ってもよいし、これらを備えてもよい。
【0154】
制御装置は、第1および/または第2の位置情報を、基板の特別な部分または区域、たとえば、デバイス、電気的相互接続などが形成される部分または区域の位置に関する情報と関連付けるように構成されてもよい。特に、制御装置は、第1および/または第2の位置情報と、基板を基板内で分割して得られる各要素の位置に関する情報とを関連付けるように構成することができる。
【0155】
基板処理システムは、基板の第1の面から保護フィルムを除去する前に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査するように構成された検査手段を更に備えることができる。制御装置は、基板の第1の面から保護フィルムを除去する前に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査する為に検査手段を制御するように構成されてもよい。
【0156】
検査手段は、支持フィルムを基板の第2の面に付ける前に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査するように構成されてもよい。検査手段は、支持フィルムを基板の第2の面に付けた後、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査するように構成されてもよい。
【0157】
制御装置は、基板の第2の面に支持フィルムを付ける前に、前記保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査する為に検査手段を制御するように構成されてもよい。制御装置は、基板の第2の面に支持フィルムを付けた後に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査する為に検査手段を制御するように構成されてもよい。
【0158】
基板処理システムは、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定するように構成された位置決定手段を更に備えてもよく、これにより、一つ又は複数の欠陥があるか又は識別された場合に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査することによって第3の位置情報を得ることができる。制御装置は、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査することにより一つ又は複数の欠陥が識別された場合に、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定して第3の位置情報を得る為に位置決定手段を制御するように構成することができる。第3の位置情報は、基板の第1の面における各欠陥の位置を特定する情報である。各欠陥の位置は、基板の座標系において、例えば、基板上に形成された分割ラインおよび/またはデバイスに関して、および/または基板の別の一つ又は複数の要素に関して定義することができる。基板の一つ又は複数の要素は、基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラット、および基板の中心のうちの一つ又は複数であってもよく、またはそれらを含んでもよい。各欠陥の位置は、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素に関して、および/または一つ又は複数のシールリングに関して、および/または一つ又は複数のガードリングに関して定義することができる。
【0159】
第3の位置情報は、以下の情報から成ってもよく、それらを含んでもよい。基板の起点マーク、基板のアライメントマーク、基板のエッジ、ウェハノッチなどの基板のノッチ、基板のオリエンテーションフラットおよび/または基板の中心などの基板の一つ又は複数の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、中心などの要素、または基板を支持する支持手段(例えば、チャックテーブル)の要素からの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数のサイズ;および/または、一つ又は複数のシールリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離;および/または、一つ又は複数のガードリングからの一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の距離。
【0160】
位置決定手段は、例えば、ソフトウェア、データ通信設定および/または制御機能を有するデータ処理機器から成ってもよいし、それらを含んでもよい。
【0161】
保護フィルムを介して基板の第1の面上に識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定する位置決定手段は、基板の第2の面上の一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定する位置決定手段および/または基板の第1の面から保護フィルムを除去した後の基板の第1の面上の一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定する位置決定手段と同一の単一の位置決定手段であってもよい。また、保護フィルムを介して基板の第1の面上に識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定するために、別の第3の位置決定手段を用いてもよい。第3の位置決定手段は、例えば、ソフトウェア、データ通信設定および/または制御機能を有するデータ処理機器から成ってもよく、これらを備えてもよい。
【0162】
制御装置は、第1の位置情報と第2の位置情報とを関連付けるように構成することができる。制御装置は、第1の位置情報を第2の位置情報および/または第3の位置情報と関連付けるように構成されてもよい。
【0163】
基板の第2の面を検査するように構成された検査手段と、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後に基板の第1の面を検査するように構成された検査手段とは、同一の単一の検査手段であってよい。基板の第1の面から保護フィルムを除去する前に、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査するように構成された検査手段は、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後に、基板の第2の面を検査するように構成された検査手段および/または基板の第1の面を検査するように構成された検査手段と同じ単一の検査手段であってもよい。
【0164】
検査手段は、基板の第2の面から基板を処理するように構成された処理手段上または処理手段内に配置されてもよい。検査手段は、処理手段の一部を形成してもよい。
【0165】
あるいは、検査手段を処理手段の外側に配置してもよい。たとえば、検査手段は、光学検査機器などの分離された検査機器内に配置されてもよい。
【0166】
検査手段は、たとえば、光学検査用の顕微鏡カメラ等のカメラであってもよい。
【0167】
あるいは、基板の第1の面から保護フィルムを除去した後に、第1の検査手段を用いて基板の第2の面から欠陥について基板の第2の面を検査し、別の第2の検査手段を用いて基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査してもよい。第2の検査手段または別の第3の検査手段を用いて、保護フィルムを介して基板の第1の面を欠陥について検査してもよい。
【0168】
第1から第3の検査手段の1つ、2つ、または全ては、基板の第2の面から基板を処理するように構成された処理手段上または処理手段内に配置されてもよい。第1から第3の検査手段のうちの1つ、2つ、または全てが、処理手段の一部を形成してもよい。
【0169】
第1-第3の検査手段は、処理手段の外側に1つ、2つ、または全てが配置されてもよい。たとえば、第1-第3の検査手段の1つ、2つ、または全てを光学検査機器等の分離された検査機器内に配置してもよい。第1-第3の検査手段は、全て同一の分離された検査機器内に配置されてもよい。第1-第3の検査手段は、それぞれ、異なる分離した検査機器内に配置されてもよい。
【0170】
第1の検査手段は、たとえば、光学検査用の顕微鏡カメラ等のカメラであってもよい。第2の検査手段は、たとえば、光学検査用の顕微鏡カメラ等のカメラであってもよい。第3の検査手段は、たとえば、光学検査用の顕微鏡カメラ等のカメラであってもよい。
【0171】
付ける手段は、支持フィルムの表の面の少なくとも中央領域と基板の第2の面との間に接着材が存在しないように、支持フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第2の面と直接接触する為に、支持フィルムを基板の第2の面に付けるように構成されてもよい。制御装置は、支持フィルムの表の面の少なくとも中央領域と基板の第2の面との間に接着材が存在しないように、支持フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第2の面と直接接触するように、支持フィルムを基板の第2の面に接着する為に付ける手段を制御するように構成することができる。
【0172】
付ける手段は、支持フィルムの表の面が基板の第2の面に接触する区域全体において、支持フィルムの表の面が基板の第2の面に直接接触するように基板の第2の面に支持フィルムを付ける為に構成されてもよい。制御装置は、支持フィルムの表の面が基板の第2の面に接触するようになる区域全体において、支持フィルムの表の面が基板の第2の面に直接接触するように、支持フィルムを基板の第2の面に接着させる為に付ける手段を制御するように構成されてもよい。
【0173】
また、支持フィルムの表の面の周辺領域にのみ接着材、例えば、接着層を設けてもよい。支持フィルムの表の面の周辺領域は、支持フィルムの表の面の中央領域を囲むように配置されていてもよい。
【0174】
付ける手段は、接着層が基板の第2の面の周辺部分のみに接触するように支持フィルムの表の面を基板の第2の面に付ける為に構成されていてもよい。制御装置は、接着層が基板の第2の面の周辺部分のみに接触するように支持フィルムの表の面を記基板の第2の面に付ける為に、付ける手段を制御するように構成されてもよい。基板の第2の面の周辺部分は、基板の周辺限界領域であってもよく、または基板の周辺限界領域に対応してもよい。
【0175】
基板処理システム、特に、付ける手段は、支持フィルムに外部刺激を加えるように構成された外部刺激を加える手段を備えてもよい。また、外部刺激を加える手段を制御して支持フィルムに外部刺激を加えるようにしてもよい。外部刺激を加えることによって、支持フィルムを基板上のその位置に保持する支持フィルムと基板との間に付ける力が発生する。外部刺激は、上述した通りであってよい。
【0176】
外部刺激を加える手段は、支持フィルムを加熱する加熱手段および/または支持フィルムを冷却する冷却手段および/または支持フィルムに真空を印加する真空印加手段および/または支持フィルムに光などの放射線を、例えばレーザービームを用いて照射するように構成された照射手段から成ってもよく、これらかを備えてもよい。
【0177】
付ける手段は、保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域と基板の第1の面との間に接着材が存在しないように保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第1の面に直接接触する為に、保護フィルムを基板の第1の面に付けるように構成されてもよい。制御装置は、保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域と基板の第1の面とが直接接触するように、保護フィルムを基板の第1の面に接着させる為に付ける手段を制御して、保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域と基板の第1の面との間に接着材が存在しないように構成することができる。
【0178】
付ける手段は、保護フィルムの表の面が基板の第1の面に接触するようになる区域全体において、保護フィルムの表の面が基板の第1の面に直接接触するように基板の第1の面に保護フィルムを付ける為に構成されてもよい。制御装置は、保護フィルムの表の面が基板の第1の面に接触する区域全体において、保護フィルムの表の面が基板の第1の面に直接接触するように基板の第1の面に保護フィルムを付ける為に、付ける手段を制御ように構成されてもよい。
【0179】
保護フィルムの表の面の周辺領域にのみ接着材、例えば接着層を設けてもよい。保護フィルムの表の面の周辺領域は、保護フィルムの表の面の中央領域を囲むように配置されていてもよい。
【0180】
付ける手段は、接着層が基板の第1の面の周辺部分のみに接触するように保護フィルムの表の面を基板の第1の面に付ける為に構成されてもよい。制御装置は、接着層が基板の第1の面の周縁部分のみに接触するように、保護フィルムの表の面を基板の第1の面に付ける為に、付ける手段を制御するように構成されてもよい。基板の第1の面の周辺部分は、基板の周辺限界領域であってもよく、または基板の周辺限界領域に対応してもよい。
【0181】
基板処理システム、特に、付ける手段は、保護フィルムに外部刺激を与えるように構成された外部刺激を加える手段を備えてもよい。また、制御装置は、外部刺激を加える手段を制御して、保護フィルムに外部刺激を加えるように構成されてもよい。外部刺激を加えることにより、保護フィルムを基板上の位置に保持した状態で保護フィルムと基板との間に付ける力が発生する。外部刺激は、上述した通りであってよい。
【0182】
外部刺激を加える手段は、保護フィルムを加熱する加熱手段および/または保護フィルムを冷却する冷却手段および/または保護フィルムに真空を印加する真空印加手段および/または保護フィルムに光などの放射線を照射する照射手段から構成されてもよいし、レーザービームなどを用いて保護フィルムに照射する照射手段から構成されてもよい。
【0183】
保護フィルムを基板の第1の面に付けるための付ける手段と、支持フィルムを基板の第2の面に付けるための付ける手段とは、同一の単一の付ける手段であってもよい。あるいは、保護フィルムを基板の第1の面に付けるために第1の付ける手段を用いてもよく、支持フィルムを基板の第2の面に付けるために別の第2の付ける手段を用いてもよい。
【0184】
保護フィルムを基板の第1の面に付けるように構成された付ける手段は、保護フィルムを基板の第1の面から除去するように構成された保護フィルム除去手段とは異なっていてもよい。
【0185】
支持フィルムを基板の第2の面に付けるように構成された付ける手段と、保護フィルムを基板の第1の面から除去するように構成された保護フィルム除去手段とは、同一の単一手段であってもよい。この場合、支持フィルムを基板の第2の面に付け、保護フィルムを基板の第1の面から除去する為に、同一の単一の手段を用いられる。たとえば、この同一の単一の手段は、マウンタおよびピーラシステムから成ってもよいし、またはそれらを備えてもよい。
【0186】
支持フィルムに外部刺激を加える外部刺激を加える手段と、保護フィルムに外部刺激を加える外部刺激を加える手段とは、同一の単一の外部刺激を加える手段であってもよい。あるいは、第1の外部刺激を加える手段を用いて支持フィルムに外部刺激を加え、別の第2の外部刺激を加える手段を用いて保護フィルムに外部刺激を加えてもよい。
【0187】
処理手段は、基板の第2の面から基板を複数の分離された要素に分割するように構成された分割手段からなるか、または分割手段を備えることができる。制御装置は、基板の第2の面から基板を複数の分離された要素に分割するように分割手段を制御する為に構成されてもよい。分離された要素は、上述のようにすることができる。
【0188】
処理手段、特に、分割手段は、基板の厚さ方向に沿って基板を切断するように構成された切断手段から成ってもよいし、切断手段を備えてもよい。制御装置は、基板の厚さ方向に沿って基板を切断するように切断手段を制御する為に構成することができる。制御装置は、基板をその厚さ全体に沿って切断し、それによって基板を完全に分割するか、または基板の厚さの一部のみに沿って切断するように、切断手段を制御する為に構成されてもよい。
【0189】
切断手段は、機械的切断手段および/またはレーザ切断手段および/またはプラズマ切断手段から成ってもよいし、それらを備えてもよい。たとえば、機械的切断手段は、ブレードまたはのこぎりから構成されてもよいし、ブレードまたは鋸から構成されてもよい。
【0190】
レーザ切断手段は、たとえば、アブレーションレーザ切断および/またはステルスレーザ切断によって、すなわち、上述したように、レーザビームの印加によって基板内に改質区域を形成することによって、および/またはレーザビームの印加によって基板内に複数のホール区域を形成することによって、レーザ切断を行うように構成することができる。たとえば、レーザ切断手段は、ステルスレーザ切断手段であってもよい。
【0191】
レーザ切断手段は、パルスレーザビームを放出するように構成されてもよい。パルス化されたレーザビームは、例えば1fs-1000nsの範囲のパルス幅を有してよい。
【0192】
基板処理システムは、基板に外力を加えるように構成された外力を加える手段を更に備えてもよい。制御装置は、基板に外力を加えるように外力を加える手段を制御する為に構成されてもよい。外力を加える手段は、支持フィルムを拡張する、例えば径方向に拡張するように構成された拡張手段から成ってもよいし、拡張手段を備えてもよい。制御装置は、拡張手段を制御して支持フィルムを拡張させるように構成されてもよい。
【0193】
基板処理システムは、基板、特に改質区域が形成される基板の領域に沿って基板を破壊するように構成された破壊手段を更に備えてもよい。制御装置は、基板を破壊するように破壊手段を制御する為に構成されてもよい。
【0194】
基板処理システムは、ピックアップ手段を更に備えることができるが、このピックアップ手段は、基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査した後に、分離された要素を支持フィルムからピックアップするように構成されている。基板の第1の面から欠陥について基板の第1の面を検査した後に、分離された要素を支持フィルムからピックアップするようにピックアップ手段を制御するように制御装置が構成されてもよい。
【0195】
基板処理システムは、基板の厚さを減少させるように基板を薄くする為に構成された基板薄化手段(substrate thinning means)をさらに備えてもよい。制御装置は、基板を薄くするように、基板薄化手段を制御する為に構成することができる。基板薄化手段は、基板を基板の第2の面から複数の分離した要素に分割する前および/または分割した後に基板を薄化するように構成することができる。制御装置は、基板を基板の第2の面から複数の分離した要素に分割する前及び/又は分割した後に基板を薄くするように基板薄化手段を制御する為に構成されてもよい。
【0196】
基板薄化手段は、基板の第2の面から基板を研削するように構成された研削手段および/または基板の第2の面から基板を研磨するように構成された研磨手段および/または基板の第2の面から基板をエッチングするように構成されたエッチング手段から成ってもよいし、これらを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0197】
以下、本発明の非限定的な実施例を、図面を参照して説明する。
図1図1は本発明の方法により処理される基板であるウェハを示す斜視図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係る方法において、ウェハの第1の面に保護フィルムを付けるステップを示す横断面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る方法において、ウェハの第2の面からウェハを処理するステップを示す横断面図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る方法において、ウェハの第2の面から欠陥についてウェハの第2の面を検査するステップを示す横断面図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る方法において、保護フィルムの切断するステップを示す横断面図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る方法において、ウェハの第2の面に支持フィルムを付けるステップを示す横断面図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る方法において、保護フィルムを介して欠陥についてウェハの第1の面を検査するステップを示す横断面図である。
図8図8は、第1の実施形態の変形例に係る方法において、保護フィルムおよび透明チャックテーブルを介して欠陥についてウェハの第1の面を検査するステップを示す横断面図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る方法において、ウェハの第1の面から保護フィルムを除去するステップを示す横断面図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る方法において、ウェハの第1の面から欠陥についてウェハの第1の面を検査するステップを示す横断面図である。
図11図11は、本発明の第2の実施形態に係る方法において、ウェハの第1の面からステルスレーザ切断処理を行うステップを示す横断面図である。
図12図12は、本発明の第3の実施形態に係る方法において、保護フィルムを介してウェハの第1の面からステルスレーザ切断処理を行うステップを示す横断面図である。
図13図13は、本発明の第4の実施の形態に係る方法において、ウェハの第2の面からブレード切断処理を行うステップを示す横断面図である。
図14図14は、第4の実施形態に係る方法において、ウェハの第2の面から欠陥についてウェハの第2の面を検査するステップを示す横断面図である。
図15図15は、第4の実施形態に係る方法において、支持フィルムをウェハの第2の面に付けるステップを示す横断面図である。
図16図16は、第4の実施形態に係る方法において、保護フィルムを介してウェハの第1の面からステルスレーザ切断処理を行うステップを示す横断面図である。
図17図17は、第4の実施形態に係る方法において、支持フィルムを径方向に拡張させてウェハに外力を加えるステップを示す横断面図である。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0198】
次に、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。好ましい実施形態は、基板を処理する方法、およびこれらの方法を行うための基板処理システムに関する。
【0199】
第1-第4の実施形態では、基板としてのウェハ2に対して本発明の処理方法を行う(図1参照)。ウェハ2は、たとえば、第1の面4、即ち表面に形成されたMEMSデバイスを有するMEMSウェハとすることができる。しかしながら、ウェハ2は、MEMSウェハに限定されるものではなく、好ましくは固体撮像素子としてのCMOSデバイスがその第1の面4上に形成されたCMOSウェハ、または他のタイプのデバイスが第1の面4上に形成されたウェハであってもよい。
【0200】
ウェハ2は、例えば、シリコン(Si)などの半導体からなる。このようなシリコンウェハ2は、シリコン基板上に、IC(集積回路)やLSI(大規模集積)等のデバイスを含むことができる。また、ウェハ2は、たとえば、セラミック、ガラス、ダイオードなどの無機材料基板上にLED(発光ダイオード)などの光学デバイスを形成して構成された光学デバイスウェハであってもよい。なお、ウェハ2はこれに限定されるものではなく、他の方法で形成することができる。さらに、上述の例示的なウェハ設計の組み合わせも可能である。
【0201】
ウェハ2の厚さは、μmの範囲、好ましくは30-1000μmの範囲とすることができる。
【0202】
ウェハ2は、円形であることが好ましい。しかしながら、ウェハ2の形状は特に限定されない。他の実施形態において、ウェハ2は、たとえば、楕円形、長円形または多角形(例えば、長方形または正方形など)を有してもよい。
【0203】
ウェハ2は、その第1の面4上に形成された複数の交差分割ライン6(図1参照)(ストリートとも呼ばれる)を備え、これにより、ウェハ2を、上述のようなデバイス8がそれぞれ形成される複数の矩形区域に区切られる。これらのデバイス8は、ウェハ2のデバイス区域10に形成される。円形のウェハ2の場合、このデバイス区域10は、好ましくは実質的に円形であり、ウェハ2の外周と同心に配置される。
【0204】
デバイス領域10は、図1に概略的に示すように、環状の周辺限界領域12によって囲まれている。この周辺限界領域12に、デバイスは形成されていない。周辺限界領域12は、好ましくは、デバイス領域10および/またはウェハ2の外周に同心的に配置される。周辺限界領域12の径方向延長部は、mmの範囲にすることができ、好ましくは1-3mmの範囲である。
【0205】
さらに、ウェハ2は、第1の面4とは反対側の第2の面14、即ち、裏面を有する(図1参照)。
【0206】
以下、本発明の第1の実施形態を、図1図10を参照して説明する。
【0207】
図2に示すように、保護フィルム16がウェハ2の第1の面4に付けられる。保護フィルム16は、デバイス領域10に形成されたデバイス8を覆って、例えば、汚染や損傷からデバイス8を保護する。任意選択的に、保護フィルム16をウェハ2の第1の面4に付ける前に、ウェハ2は、その厚さの一部に沿って、特に分割ライン6に沿って、第1の面4から切断されてもよい。ウェハ2の厚さは、第1の面4と第2の面14との間の距離である。このようにして、第1の面4上に、例えば低k層やメタル層などの層が形成されている場合には、ウェハ2を分割する区域、特に分割ライン6に沿って層又は複数の層を除去することができる。たとえば、ウェハ2は、その厚さの一部に沿って、例えばブレードまたは鋸を使用することによって、機械的切断および/またはレーザ切断またはレーザ溝加工によって切断することができる。
【0208】
保護フィルム16は、ポリマー等のプラスチック材料で形成されてもよい。たとえば、保護フィルム16としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)等のポリオレフィンで形成されてもよい。保護フィルム16の膜厚は、5-500μm、好ましくは5-200μm、より好ましくは8-100μm、さらに好ましくは10-80μm、さらに好ましくは12-50μmである。本実施形態において、保護フィルム16は上面視で略円形であり、ウェハ2の直径よりも大きい直径を有している。
【0209】
保護フィルム16は、接着材を用いてウェハ2の第1の面4に付けることができる。接着材は、ウェハ2の第1の面4と接触する保護フィルム16の表の面18全体に存在してもよい。たとえば、保護フィルム16はUV硬化可能な接着テープであってもよい。あるいは、保護フィルム16の表の面18の少なくとも中央領域とウェハ2の第1の面4との間に接着材が存在しないように、保護フィルム16の表の面18の少なくとも中央領域がウェハ2の第1の面4と直接接触する為に、保護フィルム16をウェハ2の第1の面4に付けてもよい。保護フィルム16は、保護フィルム16の表の面18がウェハ2の第1の面4に接触する領域全体において、保護フィルム16の表の面18がウェハ2の第1の面4に直接接触するように、ウェハ2の第1の面4に付けられてもよい。また、保護フィルム16の表の面18全体に接着材がなくてもよい。
【0210】
上述したように、保護フィルム16の表の面18の周辺領域にのみ接着材(例えば、接着材の層)を設けてもよい。保護フィルム16の表の面18の周辺領域は、保護フィルム16の表の面18の中央領域を囲むように配置されてもよい。
【0211】
保護フィルム16の周縁部分は、環状フレーム20の中央開口部、即ち、環状フレーム20の内径の内側の領域を閉鎖するように環状フレーム20に付けられている。環状フレーム20は、保護フィルム16の取り扱い、特に、保護フィルム16をウェハ2の第1の面4に付けるプロセスにおいて、保護フィルム16の取り扱いを容易にする。
【0212】
保護フィルム16は、チャックテーブル22と環状のフレームホルダ24とから構成される第1の付ける手段によって、ウェハ2の第1の面4に付けられている。ウェハ2はチャックテーブル22によって支持されており、保護フィルム16が付けられた環状フレーム20は環状フレームホルダ24に保持されているので、ウェハ2の第1の面4に確実かつ正確に保護フィルム16を付けることができる。たとえば、第1の付ける手段は、テープラミネータやテープマウンタであってもよい。保護フィルム16をウェハ2の第1の面4に加圧するように保護フィルム16に圧力を加えるために、真空チャンバ、加圧ローラ、加圧フィルム、加圧片もしくはブロック、またはこれらの組み合わせを使用してもよい。第1の付ける手段は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。
【0213】
保護フィルム16をウェハ2の第1の面4に付けるステップは、上述したように、保護フィルム16に外部刺激を加える工程を含むことができる。この目的のために、第1の付け手段は、加熱手段、冷却手段、真空付与手段および/または照射手段などの外部刺激を加える手段を更に備えてもよい。
【0214】
保護フィルム16をウェハ2の第1の面4に付けた後、ウェハ2は、図3に示すように、ウェハ2の第2の面14から処理される。本実施形態において、第2の面14からウェハ2を処理するステップは、ウェハ2を分割ライン6に沿ってウェハ2の全体の厚さにわたって切断する工程からなる。このため、ウェハ2は、切断工程において完全に分割され、これにより、チップ又はダイ26の形態の複数の分離した要素が得られる。各チップまたはダイ26は、デバイス領域10に形成されたデバイス8のうちの1つを含む。
【0215】
ウェハ2は、切断手段28によって分割ライン6に沿って分割される(図3参照)。本実施形態において、切断手段28は、ウェハ2を機械的に切断するように構成された切断ブレードである。切断手段28は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。
【0216】
あるいは、上述したように、レーザ切断および/またはプラズマ切断によって、分割ライン6に沿ってウェハ2を切断してもよい。また、一連の機械的切断および/またはレーザ切断および/またはプラズマ切断ステップを適用してもよい。
【0217】
ウェハ2を複数のチップまたはダイ26に分割した後、分割されたウェハ2の第2の面14は、図4に示されるように、分割されたウェハ2の第2の面14から欠陥について検査される。分割されたウェハ2の第2の面14を検査するときに識別される可能性のある欠陥は、たとえば、裏面チッピング、ウェハ材料上またはウェハ材料内に形成された層の層間剥離、亀裂、非直線切断線(蛇行)、バリ、ウィスカー、粒子、汚染、ダイシフト(即ち、チップまたはダイ26の望ましくない移動)、およびダイサイズの相違(例えば、切断ブレードの摩耗による望ましくない傾斜切断または切断幅の変化によって引き起こされるもの)を含む。この検査ステップにより、切断プロセスに起因する分割されたウェハ2内の欠陥を識別することができる。
【0218】
分割されたウェハ2の第2の面14は、第1の検査手段30(図4参照)、特に光学検査用の顕微鏡カメラなどのカメラによって、第2の面14から欠陥について検査される。第1の検査手段30は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。
【0219】
ウェハ2の第2の面14を検査して欠陥又は複数の欠陥が識別された場合には、識別された欠陥又は複数の欠陥の位置又は複数の位置を決定し、第1の位置情報を得る。本実施形態に係る基板処理システムは、このステップを行うように構成された位置決定手段を備えてもよい。第1の位置情報は、分割されたウェハ2の第2の面14における各欠陥の位置を特定する情報である。各欠陥の位置は、ウェハ2の座標系において、例えば、分割ライン6および/またはデバイス8に関連して定義されてもよい。
【0220】
第1の位置情報は、分割されたウェハ2内の各チップまたはダイ26の位置に関する情報と相関させることができ、これにより、上述したように、各チップまたはダイ26を個別に検査することなく、欠陥のあるチップまたはダイ26を特に正確かつ効率的な方法で識別し追跡することができる。本実施形態に係る基板処理システムは、このステップを行うように構成された制御装置を備えてもよい。ウェハ2内の各チップまたはダイ26の位置は、ウェハ2の座標系において、例えば、分割ライン6および/またはデバイス8に対して定義されてもよい。
【0221】
さらに、本実施形態の方法は、図5に示すように、分割されたウェハ2の第2の面14を、分割されたウェハ2の第2の面14から欠陥について検査した後に、保護フィルム16を切断する任意のステップを含む。保護フィルム16は、図5に曲線矢印で示すように、分割されたウェハ2の外周に沿って円形に切断される。この切断ステップには、切断ブレード等のフィルム切断手段32が使用される。フィルム切断手段32は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。切断プロセス中、ウェハ2は第1の付ける手段のチャックテーブル22に支持され、環状フレーム20は第1の付ける手段の環状フレームホルダ24に保持される。切断された保護フィルム16は、たとえば、図6および7に示される。
【0222】
このようにして保護フィルム16を切断することにより、保護フィルム16の直径が小さくなり、保護フィルム16がウェハ2とほぼ同じ直径となるので、保護フィルム16とウェハ2との組み合わせの更なる取り扱いが容易になる。
【0223】
保護フィルム16を切断した後、図6に示すように、支持フィルム34が、分割されたウェハ2の第2の面14に付けられる。支持フィルム34は、分割されたウェハ2を支持し、保護フィルム16が除去された後も、チップまたはダイ26をそれらの位置に確実に保持する(図9参照)。
【0224】
支持フィルム34は、ポリマー等のプラスチック材料から形成されてもよい。たとえば、支持フィルム34は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)等のポリオレフィンで形成されていてもよい。支持フィルム34の膜厚は、5-500μm、好ましくは5-200μm、より好ましくは8-100μm、さらに好ましくは10-80μm、さらに好ましくは12-50μmである。本実施形態では、支持フィルム34は、上面視で略円形であり、ウェハ2の直径よりも大きい直径を有している。
【0225】
支持フィルム34は、分割されたウェハ2の第2の面14に接着材によって付けられてもよい。接着材は、分割されたウェハ2の第2の面14と接触する支持フィルム34の表の面36の全体に存在してもよい。たとえば、支持フィルム34は、UV硬化可能な接着テープであってもよい。あるいは、支持フィルム34は、支持フィルム34の表の面36の少なくとも中央領域と分割されたウェハ2の第2の面14との間に接着材が存在しないように、支持フィルム34の表の面36の少なくとも中央領域が、分割されたウェハ2の第2の面14と直接接触する為に、分割されたウェハ2の第2の面14に付けられてもよい。支持フィルム34は、支持フィルム34の表の面36が分割されたウェハ2の第2の面14と接触する区域全体において、支持フィルム34の表の面36が、分割されたウェハ2の第2の面14と直接接触するように、分割されたウェハ2の第2の面14に付けられてもよい。支持フィルム34の表の面36全体は接着材を含まなくてもよい。
【0226】
上述したように、支持フィルム34の表の面36の周辺領域にのみ接着材(例えば、接着層)を設けてもよい。支持フィルム34の表の面36の周辺領域は、支持フィルム34の表の面36の中央領域を囲むように配置されてもよい。
【0227】
支持フィルム34の周辺部分は、環状フレーム38の中央開口部(即ち、環状フレーム38の内径の内側の領域)を閉鎖するように環状フレーム38に付けられている。環状フレーム38は、特に分割されたウェハ2の第2の面14に支持フィルム34を付けるプロセスにおいて、支持フィルム34の取り扱いを容易にする。
【0228】
支持フィルム34は、チャックテーブル40と環状のフレームホルダ42とから構成される第2の付け手段によって、分割されたウェハ2の第2の面14に付けられる。分割されたウェハ2は、チャックテーブル40によって支持され、支持フィルム34が付けられた環状フレーム38は、環状フレームホルダ42によって保持されることにより、分割されたウェハ2の第2の面14に支持フィルム34を確実かつ正確に付けることができる。たとえば、第2の付ける手段は、テープラミネータやテープマウンタであってもよい。支持フィルム34を、分割されたウェハ2の第2の面14に対して加圧するように支持フィルム34に圧力を加えるために、真空チャンバ、加圧ローラ、加圧フィルム、加圧片もしくはブロック、またはこれらの要素の組合せを使用することができる。第2の付ける手段は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。
【0229】
本発明の他の実施形態において、第1の付ける手段および第2の付ける手段として、同一の単一の付ける手段を用いてもよい。
【0230】
分割されたウェハ2の第2の面14に支持フィルム34を付けるステップは、上述したように、支持フィルム34に外部刺激を加える工程を含むことができる。この目的のために、第2の付ける手段は、加熱手段、冷却手段、真空印加手段および/または照射手段などの外部刺激を加える手段を更に備えてもよい。
【0231】
本実施形態において、分割されたウェハ2の第2の面14に支持フィルム34を付けた後、図7に示すように、保護フィルム16を介して欠陥について、分割されたウェハ2の第1の面4を検査する任意のステップが行われる。保護フィルム16を介して、分割されたウェハ2の第1の面4を検査するときに識別される可能性のある欠陥は、たとえば、表面チッピング、ウェハ材料上またはウェハ材料内に形成された層の層間剥離、亀裂、非直線切断線(蛇行)、バリ、ウィスカー、粒子、汚染、ダイシフト、すなわちチップまたはダイ26の望ましくない移動、および、例えば切断ブレードの摩耗による望ましくない傾斜切断または切断幅の変化によって引き起こされるダイサイズの相違を含む。この検査ステップにより、切断プロセスに起因する、分割されたウェハ2内の更なる欠陥を識別することができる。
【0232】
分割されたウェハ2の第1の面4は、保護フィルム16を介して、第2の検査手段44(図7参照)、特に光学検査用顕微鏡カメラ等のカメラによって欠陥が検査される。保護フィルム16は、可視光に対して透過性がある。第2の検査手段44は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。本発明の他の実施形態において、第1の検査手段30および第2の検査手段44として同一の単一の検査手段を用いてもよい。
【0233】
分割されたウェハ2の第1の面4を保護フィルム16を介して検査することにより欠陥又は複数の欠陥が識別された場合には、識別された欠陥又は複数の欠陥の位置又は複数の位置が決定され、これにより第3の位置情報が得られる。本実施形態に係る基板処理システムは、このステップを行うように構成された位置決定手段を備えてもよい。そのためには、第1の位置情報を取得する位置決定手段を用いてもよいし、別の位置決定手段を用いてもよい。第3の位置情報は、分割されたウェハ2の第1の面4上の各欠陥の位置を特定する情報である。各欠陥の位置は、ウェハ2の座標系において、例えば、分割ライン6および/またはデバイス8に関連して定義されてもよい。
【0234】
第3の位置情報は、分割されたウェハ2内の各チップまたはダイ26の位置に関する情報と関連付けることができ、これにより、上述したように、各チップまたはダイ26を個別に検査する必要なく、不良チップまたはダイ26をさらに正確かつ効率的な方法で識別および追跡することが可能になる。本実施形態に係る基板処理システムの制御装置は、このステップを行うように構成されてもよい。
【0235】
第3の位置情報は、上述したように、第1の位置情報と関連付けることができる。本実施形態に係る基板処理システムの制御装置は、このステップを行うように構成されてもよい。このようにして、識別された任意の欠陥または複数の欠陥の性質を特に高い精度で決定することができる。また、欠陥チップまたはダイ26を識別し追跡する効率および信頼性をさらに高めることができる。
【0236】
図8は、第1の実施形態の変形例に係る方法において、分割されたウェハ2の第1の面4を欠陥について保護フィルム16を介して検査するステップを示す。本変形例の方法は、分割されたウェハ2の第1の面4を保護フィルム16を介して検査するステップが、支持フィルム34をウェハ2の第2の面14に付けるステップの前に行われる点、保護フィルム16を切断するステップ(図5参照)が省略されている点、分割されたウェハ2の第1の面4を可視光に対して透過性のチャックテーブル46を介してウェハ2の下方(第1実施例の方法では図7に示すようにウェハ2の上方ではない)から検査する点で、第1の実施形態の方法と異なる。
【0237】
図8に示す修正された方法において、ウェハ2が保護フィルム16を介して環状フレーム20によって支持されている間に、分割されたウェハ2の第1の面4が保護フィルム16を介して欠陥について検査される。また、分割されたウェハ2は、チャックテーブル46上に載置される。分割されたウェハ2の第1の面4は、第2の検査手段44により、保護フィルム16および透過性のチャックテーブル46を介して欠陥について検査される。第2の検査手段44は、図8に示すように、透過性のチャックテーブル46の下に配置され、分割されたウェハ2の第1の面4をウェハ2の下から欠陥について検査することができる。第3の位置情報は上記と同様にして求めることができる。
【0238】
保護フィルム16および透過性のチャックテーブル46を介して第2の検査手段44によって、分割されたウェハ2の第1の面4の欠陥を検査するステップは、ウェハ2を移動させることなく、特にウェハ2をチャックテーブル46から除去することなく、ウェハ2を分割した直後に第1の面4の欠陥を検査することができるという利点を提供する。このため、検査プロセスは、特に正確かつ信頼できる方法で行うことができる。
【0239】
分割されたウェハ2の第2の面14を第1の検査手段30によってウェハ2の上方から検査し(図4参照)、分割されたウェハ2の第1の面4を第2の検査手段44によってウェハ2の下方から保護フィルム16および透過性のチャックテーブル46を介して検査する(図8参照)場合には、ウェハ2を移動させることなく、特にチャックテーブル46からウェハ2を除去することなく、これら2つの検査処理を行うことができる。このため、位置情報を得て相関させる処理を、特に正確かつ確実に行うことができる。
【0240】
あるいは、上述したように、第1の検査手段30および第2の検査手段44として同一の単一検査手段を用いてもよい。
【0241】
この変形例において、保護フィルム16および透過性のチャックテーブル46を介して、分割されたウェハ2の第1の面4を欠陥について検査した後、第1実施形態の方法と同様にして分割されたウェハ2の第2の面14に支持フィルム34を付ける。その後のステップ、特に分割されたウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去し、分割されたウェハ2の第1の面4から欠陥について、分割されたウェハ2の第1の面4を検査するステップは、第1の実施形態の方法で説明したステップと実質的に同じである。
【0242】
第1の実施形態の方法および第1の実施形態の変形例において、保護フィルム16を介して分割されたウェハ2の第1の面4を欠陥について検査した後、図9に示すように、分割されたウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去(即ち、剥離)する。
【0243】
保護フィルム16は、保護フィルム除去手段48によって、分割されたウェハ2の第1の面4から除去される。保護フィルム除去手段48は、図9に矢印で示すように、保護フィルム6の周辺部分に保護フィルム16を保持し、この保護フィルム16を、分割されたウェハ2の第1の面4に沿った方向に引っ張ることにより、分割されたウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去するように構成されている。保護フィルム除去手段48は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。
【0244】
また、分割されたウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去することにより、切断時にウェハ2から剥離したが、保護フィルム16の存在によりウェハ2上に残ったチッピングやデブリなどの微粒子も除去することができる。特に、これらの微粒子は、例えば、保護フィルム16上の接着材の存在により、または微粒子と保護フィルム16との間の材料結合により、保護フィルム16に付着し得るので、分割されたウェハ2から保護フィルム16と共に除去される。したがって、チップまたはダイ26が支持フィルム34からピックアップされるときにそれらに存在する微粒子の量は、大幅に低減される。チップまたはダイ26は、そのような微粒子を実質的に含まなくてもよい。したがって、高品質のチップまたはダイ26が得られ、チップまたはダイ26の更なる処理、取り扱いおよび/または運搬をかなり効率的に行うことができる。たとえば、チップまたはダイ26は、支持フィルム34からピックアップされた直後に、例えば、半導体パッケージデバイスに組み立てられて使用されるか、または電子機器に組み込まれてもよい。また、分割されたウェハ2の第1の面4の検査の精度および信頼性を更に向上させることができる。
【0245】
分割されたウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去するステップ中およびステップ後に、チップまたはダイ26は支持フィルム34によって、それらの位置に確実に保持される。
【0246】
分割されたウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去した後、分割されたウェハ2の第1の面4は、図10に示されるように、分割されたウェハ2の第1の面4から欠陥について検査される。分割されたウェハ2の第1の面4を検査するときに識別される可能性のある欠陥は、たとえば、表面チッピング、ウェハ材料上またはウェハ材料内に形成された層の層間剥離、亀裂、非直線切断線(蛇行)、バリ、ウィスカー、粒子、汚染、ダイシフト(即ち、チップまたはダイ26の望ましくない移動)、およびダイサイズの差(例えば、切断ブレードの摩耗による望ましくない傾斜切断または切断幅の変化によって引き起こされるもの)を含む。この検査ステップにより、切断プロセスに起因する分割されたウェハ2内の欠陥を更に高い精度で識別することが可能になる。特に、分割されたウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去するステップは、上述したように、切断プロセス中にウェハ2から分離されたチッピングまたは破片などの微粒子を除去することを可能にする。これにより、保護フィルム16を除去する前には識別できなかった分割されたウェハ2の欠陥を検出することができる。
【0247】
分割されたウェハ2の第1の面4は、第3の検査手段50(図10参照)、特に光学検査用の顕微鏡カメラなどのカメラによって欠陥について検査される。第3の検査手段50は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。本発明の他の実施形態において、第1の検査手段30、第2の検査手段44および第3の検査手段50として、同一の単一の検査手段を用いてもよい。なお、第1の検査手段30及び第3の検査手段50として同一の単一の検査手段を用いてもよい。
【0248】
分割されたウェハ2の第1の面4を検査して欠陥又は複数の欠陥が識別された場合には、識別された欠陥又は複数の欠陥の位置又は複数の位置が決定され、これにより第2の位置情報が得られる。本実施形態に係る基板処理システムは、このステップを行うように構成された位置決定手段を備えてもよい。そのために、第1の位置情報を得るように構成された位置決定手段、第3の位置情報を得るように構成された位置決定手段、または別の位置決定手段を用いてもよい。第2の位置情報は、分割されたウェハ2の第1の面4上の各欠陥の位置を特定する情報である。各欠陥の位置は、ウェハ2の座標系において、例えば、分割ライン6および/またはデバイス8に関連して定義されてもよい。
【0249】
第2の位置情報は、分割されたウェハ2内の各チップまたはダイ26の位置に関する情報と相関させることができ、これにより、上述したように、各チップまたはダイ26を個別に検査する必要なく、不良チップまたはダイ26を更に正確かつ効率的な方法で識別および追跡することが可能になる。この実施形態に係る基板処理システムの制御装置は、このステップを行うように構成されてもよい。
【0250】
第2の位置情報は、上述したように、第1および/または第3の位置情報と関連付けることができる。この実施形態に係る基板処理システムの制御装置は、このステップを行うように構成されてもよい。このようにして、識別された任意の欠陥または複数の欠陥の性質を、さらに高い精度で決定することができる。また、欠陥チップまたはダイ26を識別し追跡する効率および信頼性を更に高めることができる。
【0251】
分割されたウェハ2の第1の面4から欠陥について第1の面4を検査した後、チップまたはダイ26を支持フィルム34からピックアップする。上述したように、欠陥のあるチップまたはダイ26は、検査ステップによって確実かつ正確に識別され、追跡されるので、そのようなチップまたはダイ26を効率的に分離して拒絶することができる。欠陥が検出されなかったチップまたはダイ26は、上述したように、支持フィルム34からピックアップされた直後に、例えば、半導体パッケージデバイスに組み立てられるか、または電子機器に組み込まれて使用されてもよい。
【0252】
本実施形態による基板処理システムは、分割されたウェハ2の第1の面4を欠陥について第1の面4から検査した後に、チップまたはダイ26を支持フィルム34からピックアップするように構成されたピックアップ手段をさらに備えることができる。
【0253】
以下、図11を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0254】
第2の実施形態の方法は、保護フィルム16をウェハ2の第1の面4に付ける前にステルスレーザ切断ステップを行う点と、切断ステップ(図3参照)においてウェハ2をその厚さ全体に沿って切断することができない点で、第1の実施形態の方法と異なる。第1の実施形態の方法の残りのステップは、第2の実施形態の方法と同様に行われる。このため、重複する詳細な説明は省略する。
【0255】
特に、第2の実施形態の方法では、図11に示すように、保護フィルム16を第1の面4に付ける前に、ステルスレーザ切断ステップが、分割ライン6に沿ってウェハ2の第1の面4から行われる。このステップでは、ウェハ2を透過可能な波長のレーザビームLBをウェハ2に照射する。レーザビームLBは、分割ライン6に沿った複数の位置でウェハ2に照射されて、分割ライン6に沿ってウェハ2に複数の改質区域を形成する。これらの改質区域を形成することにより、改質区域が形成された領域におけるウェハ2の強度が低下する。このため、後の切断ステップ又は後の分離ステップにおける分割ライン6に沿ったウェハ2の分割が非常に容易になる。
【0256】
レーザビームLBは、パルスレーザビームであってもよい。パルス化されたレーザビームは、例えば1fs-1000nsの範囲のパルス幅を有してよい。
【0257】
レーザビームLBは、ステルスレーザ切断手段52(図11参照)によってウェハ2に加えられる。ステルスレーザ切断手段52は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。
【0258】
ウェハ2を、その第2の面14から切断するステップにおいて、ウェハ2は、その厚さの一部、例えば、厚さの半分に沿ってのみ切断されてもよい。この切断ステップにおいて、ウェハ2を機械的に切断するように構成された切断ブレードの形態の切断手段28(図3参照)が使用される。切断手段28によってウェハ2に加えられる機械的切断荷重は、ステルスレーザ切断ステップで発生するウェハ2の亀裂がウェハ2の第1の面4に伝播するのを助け、ウェハ2を完全に分割して別々のチップまたはダイ26にすることができる。
【0259】
あるいは、切断ステップにおいて、ウェハ2は、例えば、機械的切断および/またはレーザ切断および/またはプラズマ切断によって、その厚さ全体に沿って切断されてもよい。この場合、分割ライン6に沿った改質区域の存在は、ウェハ2の強度の局所的な低下のために、切断プロセスを容易にする。
【0260】
保護フィルム16を介してウェハ2の第1の面4を欠陥について検査するステップ(図7および図8参照)および/または保護フィルム16を除去した後にウェハ2の第1の面4からウェハ2の第1の面4を欠陥について検査するステップ(図10参照)において、ステルスレーザ切断ステップで発生したウェハ2の亀裂がウェハ2の第1の面4に伝播したかどうかを識別することができる。
【0261】
これらの検査ステップの1つまたは両方において、そのような亀裂がウェハ2の第1の面4に伝播していないこと、またはウェハ2が亀裂の伝播によって分離したチップまたはダイ26に完全に分割されていないことが識別された場合、保護フィルム16の除去後にウェハ2の第1の面4から欠陥についてウェハ2の第1の面4を検査した後に、分離ステップを行うことができる。この分離ステップでは、特に支持フィルム34を、例えば径方向に拡張させることにより、すなわち支持フィルム34を拡張テープとして用いて、ウェハ2に外力を加えることができる。このようにして、ウェハ2は、分割ライン6に沿って別々のチップまたはダイ26に完全に分割することができる。以下、図17を参照して、本発明の第4の実施形態の方法の為に、支持フィルム34を拡張させる、特に径方向に拡張させる、このようなステップを更に詳細に説明する。
【0262】
保護フィルム16を介してウェハ2の第1の面4を欠陥について検査するステップにおいて、亀裂がウェハ2の第1の面4に伝搬していないこと、またはウェハ2が亀裂の伝搬によって分離されたチップまたはダイ26に完全に分割されていないことが識別される場合には、保護フィルム16の除去後にウェハ2の第1の面4から欠陥について第1の面4を検査する前に、分離ステップを行うことができる。この場合、この後の検査ステップにおいて、分離ステップによってウェハ2に生じた欠陥を確実に識別することができる。
【0263】
任意選択的に、支持フィルム34を拡張させる前に、分割ライン6に沿ってウェハ2を破壊するために、ウェハ2に破壊ステップを行うことができる。
【0264】
また、ウェハ2が切断プロセス(図3参照)においてチップまたはダイ26に完全に分割される場合、支持フィルム34を拡張するステップ、例えば、径方向に拡張するステップは、ウェハ2の第1の面4を第1の面4から欠陥について検査する前または後に実行されてもよい。このようにして、分離されたチップまたはダイ26は、互いに離れて移動することができ、したがって、隣接するチップまたはダイ26間の距離を増大させる。このようにしてダイ間距離を増大させることにより、チップまたはダイ26が支持フィルム34からピックアップするステップにおいて損傷されないことが特に確実に保証される。
【0265】
以下、図12を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。
【0266】
第3の実施形態の方法が第2の実施形態の方法と異なる点は、保護フィルム16をウェハ2の第1の面4に付けるステップと、ウェハ2にステルスレーザ切断ステップを行うステップとの順序のみである。第2の実施形態の方法の残りのステップは、第3の実施形態の方法と同様に行われる。このため、重複する詳細な説明は省略する。
【0267】
特に、第3の実施形態の方法では、まず、保護フィルム16をウェハ2の第1の面4に付ける(図2参照)。この付けるステップの後、第2の面14(図3参照)からウェハ2を切断する前に、ステルスレーザ切断ステップが、実質的に第2の実施形態の方法と同様に、分割ライン6に沿ってウェハ2の第1の面4から行われる。唯一の違いは、図12に示すように、レーザビームLBが保護フィルム16を介してウェハ2に加えられることである。従って、レーザビームLBの波長は、レーザビームLBが保護フィルム16を透過するように、すなわち、保護フィルム16がレーザビームLBに対して透過性を有するように選択される。
【0268】
以下、図13図17を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。
【0269】
第4の実施形態の方法は、切断ステップ(図3参照)において、ウェハ2がその厚さの一部に沿って第2の面14からのみ切断される点、および、支持フィルム34をウェハ2の第2の面14に付けた後に、ステルスレーザ切断ステップがウェハ2上で行われる点で、第1の実施形態の方法と異なる。第1の実施形態の方法の残りのステップは、第4の実施形態の方法と同様に行われる。このため、重複する詳細な説明は省略する。
【0270】
特に、第4実施形態の方法では、第1実施形態の方法(図2参照)で説明したように、ウェハ2の第1の面4に保護フィルム16が付けられている。続いて、切断手段28によりウェハ2の第2の面14から分割ライン6に沿ってウェハ2を切断する。このステップでは、ウェハ2が切断プロセスで完全に分割されないように、ウェハ2をその厚さの一部に沿って切断する。むしろ、ウェハ2の第2の面14から第1の面4に向かって延びるが、第1の面4には達しない切断溝54が設けられる。
【0271】
あるいは、上述したように、レーザ切断および/またはプラズマ切断によって、ウェハ2をその厚さの一部に沿って分割ライン6に沿って切断してもよい。また、一連の機械的切断および/またはレーザ切断および/またはプラズマ切断ステップを適用してもよい。
【0272】
ウェハ2をその厚さの一部に沿って分割ライン6に沿って切断した後、部分的に切断されたウェハ2の第2の面14は、図14に示されるように、第1の検査手段30によってウェハ2の第2の面14から欠陥について検査される。この検査ステップ以降、第1の位置情報を得て、これをウェハ2内のウェハ2から得る各チップまたはダイ26の位置情報と関連付ける工程は、第1の実施形態の方法で説明したのと同様に行う。
【0273】
部分的に切断されたウェハ2の第2の面14から欠陥について第2の面14を検査した後、保護フィルム16をウェハ2の外周に沿って円形に切断する任意の工程を、第1の実施形態と同様に行う(図5参照)。続いて、図15に示すように、チャックテーブル40および環状フレームホルダ42を備えた第2の付ける手段によって、支持フィルム34が、部分的に切断されたウェハ2の第2の面14に付けられる。この後のステップも、第1の実施形態の方法(図6も参照)で説明したのと同様に行う。
【0274】
部分的に切断されたウェハ2の第2の面14に支持フィルム34を付けた後、図16に示されるように、ステルスレーザ切断ステップが、ウェハ2の第1の面4から、分割線6に沿って保護フィルム16を通して行われる。このステップは、第3の実施形態の方法(図12も参照)で説明したのと実質的に同様に行われ、ステルスレーザ切断手段52によって、保護フィルム16およびウェハ2を透過させることができる波長を有するレーザビームLBが、ステルスレーザ切断手段52によってウェハ2に加えられる。レーザビームLBは、切断溝54が形成される分割ライン6に沿った複数の位置でウェハ2に加えられ(図13参照)、分割ライン6に沿ってウェハ2内に複数の改質区域を形成する。改質区域は、切断ステップで切断されなかった分割ライン6に沿ってウェハ2の残りの部分に形成され、即ち、改質区域は、ウェハ2の第2の面14から第1の面4に向かう方向において、切断溝54の上方に形成される。
【0275】
これらの改質区域を形成することにより、ウェハ2の残りの部分の強度が低下する。ステルスレーザ切断ステップで発生したウェハ2内の亀裂は、ウェハ2の第1の面4及び切断溝54の底部に伝播して、ウェハ2を完全に分割して分離したチップ又はダイ26にすることができる(図17参照)。あるいは、ステルスレーザ切断プロセスにおいて、ウェハ2を完全に分割しなくてもよい。
【0276】
ウェハ2の第1の面4から分割ライン6に沿って保護フィルム16を介してステルスレーザ切断ステップを行った後、第1の実施形態の方法(図9参照)で説明したのと同様にして、ウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去、すなわち剥離する。
【0277】
ウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去した後、第1の実施形態の方法(図10参照)で説明したのと同様にして、ウェハ2の第1の面4から欠陥について第1の面が検査される。第2の位置情報を得て、これを第1の位置情報およびウェハ2内のウェハ2から得られる各チップまたはダイ26の位置情報と関連付ける以降のステップも、第1の実施形態の方法で説明したのと同様に行う。
【0278】
ウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去した後、図17に示すように、分離ステップが実行される。分離ステップは、ウェハ2の第1の面4をウェハ2の第1の面4からの欠陥について検査する前または後に行われてもよい。この分離ステップでは、支持フィルム34を径方向に拡張させる、すなわち拡張テープとして使用する。ウェハ2がステルスレーザ切断ステップで完全に分割されていない場合には、支持フィルム34の径方向がウェハ2に外力を加え、ウェハ2を分割ライン6に沿って完全に分割して分離したチップまたはダイ26にする(図17参照)。ウェハ2がステルスレーザ切断ステップで完全に分割されている場合、支持フィルム34の径方向の拡張は、分離されたチップまたはダイ26を互いから離して移動させ、したがって、隣接するチップまたはダイ26間の距離を増大させる。このようにしてダイ間距離を増大させることにより、チップまたはダイ26が支持フィルム34からピックアップする次のステップで損傷されないことが特に確実に保証される。
【0279】
第2の実施形態の方法で説明したように、ウェハ2の第1の面4から欠陥について第1の面を検査した後に分離ステップを行えば、この検査ステップにおいて、ステルスレーザ切断ステップで発生したウェハ2の亀裂がウェハ2の第1の面4に伝播しているか否かを確認することができる。
【0280】
ウェハ2の第1の面4から欠陥についてウェハ2の第1の面4を検査する前に分離ステップを行うと、この検査ステップにおいて、分離ステップによって生じたウェハ2内の欠陥を確実に識別することができる。
【0281】
支持フィルム34は、拡張ドラム56(図17参照)を含む拡張手段によって径方向に拡張される。拡張プロセスでは、拡張ドラム56の上縁が支持フィルム34の下方からウェハ2の外周に沿って配置された支持フィルム34の一部に接触するようにされる。続いて、支持フィルム34が付けられた拡張ドラム56と環状フレーム38とを上下方向、即ち、第2の面14からウェハ2の第1の面4に向かう方向に相対移動させる。特に、図17の矢印で示すように、拡張ドラム56は上方に移動され、および/または環状フレーム38は下方に移動される。このようにして、支持フィルム34が径方向に拡張する。拡張手段は、本実施形態に係る基板処理システムの一部を形成する。
【0282】
本発明の方法およびシステムの他の実施形態において、支持フィルム34は、異なる拡張手段、例えば拡張バーを用いて拡張させることができる。
【0283】
たとえば、DE 10 2018207 498 A1に記載の拡張装置を支持フィルム34を拡張させる拡張手段として用いてもよい。
【0284】
任意選択的に、支持フィルム34を拡張させる(例えば、径方向に拡張させる)前に、分割ライン6に沿ってウェハ2を破壊するために、ウェハ2に破壊ステップを行うことができる。
【0285】
支持フィルム34を拡張させた後、第1の実施形態の方法で説明したように、支持フィルム34からチップまたはダイ26をピックアップする。
【0286】
第4の実施形態の方法は、分割ライン6に沿ってウェハ2の第1の面4からステルスレーザ切断ステップを行うステップと、ウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去するステップとの順序を変えて修正してもよい。特に、本変形例では、ウェハ2の第1の面4から保護フィルム16を除去した後に、ウェハ2の第1の面4からステルスレーザ切断ステップを行う。このため、第2の実施形態の方法(図11参照)で説明したのと同様に、保護フィルム16を透過することなく、直接ウェハ2にレーザビームLBを加える。変形例の方法の残りの他のステップは、第4の実施形態に係る方法のステップと同様である。
【0287】
上述した第1の実施形態から第4の実施形態に係る方法およびシステムは、上述したように、保護フィルム16および/または、クッション層またはクッション層とそれに付けられたベースシートとを有する支持フィルム34を使用することによって変更することができる。
【0288】
以上説明した第1の実施形態から第4の実施形態に係る方法およびシステムでは、基板の裏面、すなわちウェハ2に対して処理を行う。しかしながら、本発明の他の実施形態において、基板は基板の表面から処理されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面(4)と、第1の面(4)の反対側にある第2の面(14)とを有する基板(2)を処理する方法であって、前記方法は、
前記基板(2)の前記第1の面(4)に保護フィルム(16)を付けるステップと、
前記保護フィルム(16)を前記基板(2)の前記第1の面(4)に付けた後、前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理するステップと、
前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理した後、前記基板(2)の前記第2の面(14)から欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査するステップと、
欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査した後、前記基板(2)の前記第2の面(14)に支持フィルム(34)を付けるステップと、
前記基板(2)の前記第1の面(4)から前記保護フィルム(16)を除去するステップと、
前記基板(2)の前記第1の面(3)から前記保護フィルム(16)を除去した後、前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記基板(2)の前記第1の面(4)から前記保護フィルム(16)を除去する前に、前記保護フィルム(16)を介して欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持フィルム(34)を前記基板(2)の前記第2の面(14)に付ける前または後に、前記保護フィルム(16)を介して欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板(2)は、前記第1の面(4)に、複数のデバイス(8)を有するデバイス領域(10)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
一つ又は複数の欠陥が、前記基板(2)の前記第2の面(14)から欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査することによって識別される場合、識別された一つ又は複数の欠陥の一つ又は複数の位置を決定し、それによって、第1の位置情報を得るステップ、さらに/または、
一つ又は複数の欠陥が、前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査することによって識別される場合、識別された欠陥の一つ又は複数の位置を決定し、それによって、第2の位置情報を得るステップ、
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とを対応付けるステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基板(2)の前記第2の面(14)から欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査するステップは検査手段(30)を用いて行われ、前記検査手段(30)は、前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するためにも用いられる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記支持フィルム(34)は、前記支持フィルム(34)の表の面(36)の少なくとも中央領域が前記基板(2)の前記第2の面(14)に直接接触するように前記支持フィルム(34)の前記表の面(36)の少なくとも中央領域と前記基板(2)の前記第2の面(14)との間に接着材が存在しない為に、前記基板(2)の前記第2の面(14)に付けられる、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記基板(2)がウェハ、特に半導体ウェハである、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記保護フィルム(16)は、前記保護フィルム(16)の表の面(18)の少なくとも中央領域が前記基板(2)の前記第1の面(4)に直接接触するように前記保護フィルム(16)の前記表の面(18)の少なくとも中央領域と前記基板(2)の前記第1の面(4)との間に接着材が存在しない為に、前記基板(2)の前記第1の面(4)に付けられる、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理するステップは、前記基板(2)を前記基板(2)の前記第2の面(14)から複数の分離した要素(26)に分割する工程から成る又は分割する工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基板(2)を複数の分離した要素(26)に分割する工程は、前記基板(2)を、前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)の前記第1の面(4)に向かって延びる厚さ方向に沿って切断する段階から成る又は切断する段階を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板(2)の厚さ方向に沿って前記基板(2)を切断する段階は、基板(2)を機械的に切断すること、および/または、前記基板(2)をレーザ切断すること、および/または、前記基板(2)をプラズマ切断することから成る又はこれらを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査した後、前記支持フィルム(34)から前記分離した要素(26)をピックアップするステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理するステップは、前記基板(2)の厚さを減少させるように前記基板(2)を薄くする工程から成る又は前記基板(2)を薄くする工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
基板(2)を処理するシステムであって、前記基板(2)は、第1の面(4)と、前記第1の面(4)の反対側にある第2の面(14)とを有し、前記システムは、
前記基板(2)の前記第1の面(4)に保護フィルム(16)を付ける付ける手段と、
前記基板(2)の前記第1の面(4)に前記保護フィルム(16)を付けた後、前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理する処理手段(28)と、
前記基板(2)の前記第2の面(14)から前記基板(2)を処理した後に、前記基板(2)の前記第2の面(14)から欠陥について前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査する検査手段(30)と、
前記基板(2)の前記第2の面(14)を欠陥について検査した後に、前記基板(2)の前記第2の面(14)に支持フィルム(34)を付けるように構成された付ける手段と、
前記基板(2)の前記第1の面(4)から前記保護フィルム(16)を除去するように構成された保護フィルム除去手段(48)と、
前記基板(2)の前記第1の面(4)から前記保護フィルム(16)を除去した後に、前記基板(2)の前記第1の面(4)から欠陥について前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するように構成された検査手段(50)と、
を備える、システム。
【請求項17】
前記基板(2)の前記第2の面(14)を検査するように構成された前記検査手段(30)と、前記基板(2)の前記第1の面(4)を検査するように構成された検査手段(50)とは、単一の検査手段である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記基板(2)の前記第1の面(4)に前記保護フィルム(16)を付けるように構成された前記付ける手段と、前記基板(2)の前記第2の面(14)に前記支持フィルム(34)を付けるように構成された前記付ける手段とは、同一の単一の付ける手段である、請求子16又は17に記載のシステム。
【外国語明細書】